JPH11204800A - 薄膜トランジスタ、およびその製造方法、並びに不純物導入装置 - Google Patents

薄膜トランジスタ、およびその製造方法、並びに不純物導入装置

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JPH11204800A
JPH11204800A JP15258398A JP15258398A JPH11204800A JP H11204800 A JPH11204800 A JP H11204800A JP 15258398 A JP15258398 A JP 15258398A JP 15258398 A JP15258398 A JP 15258398A JP H11204800 A JPH11204800 A JP H11204800A
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region
impurity
thin film
film transistor
semiconductor layer
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JP15258398A
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Hiroshi Tsutsu
博司 筒
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフ時電流およびTFT特性のばらつきを低
減し、ホットキャリアの発生等に起因するTFT特性の
劣化を防止して信頼性を向上させ、製造工程を簡略化し
て製造コストを低減できる薄膜トランジスタ、製造方
法、および不純物注入装置を提供する。 【解決手段】 バイアス電源21bによりゲート電極1
4に+30kVのバイアス電圧を印加した状態で多結晶
シリコン層12にイオンドーピングを行うと、ゲート電
極14の周囲にはバイアス電界33が形成され、不純物
イオンは、進路が曲げられたり減速されたりし、また、
その作用はゲート電極14から離れる程弱くなるため、
ソース領域12aおよびドレイン領域12bとチャネル
領域12cとの間に、不純物濃度がソース領域12aお
よびドレイン領域12bに向けて連続的に徐々に高くな
る接合領域12d,12dが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や、
センサアレイ、SRAM(Static Random AccessMemory
)等に適用される薄膜トランジスタ、およびその製造
方法、また、薄膜トランジスタなどの半導体素子の製造
に使用される不純物導入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置等において、石英基
板等に堆積された半導体により構成された薄膜トランジ
スタ(以下「TFT」と称する。)が多く用いられてい
る。また、比較的低温(概ね600℃以下)で多結晶化
されたポリシリコンを用いる低温ポリシリコンTFT
は、高価な石英基板に代えて、安価なガラス基板を用い
つつ、良好なTFT特性を容易に得られるために注目を
集めている。
【0003】ところが、これらのTFTにおいては、半
導体層におけるソース領域またはドレイン領域と、ゲー
ト電極とがオーバラップしていると、リーク電流が生じ
やすくなるために、オフ時電流が大きくなりがちであ
る。
【0004】そこで、上記のようなオフ時電流の低減を
図るために、図10に示すように、多結晶シリコン層6
2にオフセットゲート領域62dが設けられたオフセッ
ト構造のポリシリコンTFTが提案されている(例えば
Proceedings of the 15th International Display Rese
arch Conference (1995) pp.941-942 )。このようなT
FTは、例えば陽極酸化法を用いて以下のように製造さ
れる。
【0005】(1)ガラスから成る基板61上の全面に
非晶質シリコン層を堆積させ、所定の形状にパターニン
グするとともに、エキシマレーザを照射し、上記非晶質
シリコン層を局所的に加熱溶融させて結晶化させ、多結
晶シリコン層62を形成する。
【0006】(2)多結晶シリコン層62上に、ゲート
絶縁層63となる、厚さが120nmのSiO2(二酸
化シリコン)層を形成した後、550℃に加熱してアニ
ールする。
【0007】(3)アルミニウムから成るゲート電極6
4、および陽極酸化膜65を形成する。これらのゲート
電極64等の形成は、より詳しくは、次のようにして行
われる。
【0008】(3−1)まず、アルミニウムを基板61
上の全面に堆積させた後、第1回目の陽極酸化を行い、
アルミニウム層の表面に薄い陽極酸化層を形成する。
【0009】(3−2)陽極酸化層の表面にレジスト層
66を形成し、フォトリソグラフィーを用いたエッチン
グにより、アルミニウム層、および陽極酸化層を所定の
領域だけ残すように除去して、ゲート電極64、および
上部陽極酸化膜65aを形成する。
【0010】(3−3)第2回目の陽極酸化を行い、ゲ
ート電極64における側面の露出部に新たな側部陽極酸
化膜65bを形成した後、レジスト層66を除去する。
【0011】(3−2)第3回目の陽極酸化を行い、上
記上部陽極酸化膜65aおよび側部陽極酸化膜65bの
内側に、さらに新たな内部陽極酸化膜65c形成する。
【0012】(4)次に、上記陽極酸化膜65をマスク
として、ドライエッチングによりSiO2層をパターニ
ングすることにより、ゲート絶縁層63を形成するとと
もに、多結晶シリコン層62の一部を露出させる。ま
た、ウェットエッチングにより、側部陽極酸化膜65b
を除去する。
【0013】(5)この状態で、イオンドーピングを行
うと、多結晶シリコン層62における露出部(ゲート絶
縁層63に覆われていない部分)に不純物イオンが注入
される。そこで、不純物イオンの注入されたソース領域
62aおよびドレイン領域62bが形成される。また、
不純物イオンが注入されていない領域のうち、ゲート電
極64の下方に位置する部分はゲート領域62cになる
とともに、ゲート電極64の下方に位置しない部分、す
なわち、ソース領域62aまたはドレイン領域62bと
ゲート領域62cとの間の領域はオフセットゲート領域
62dとなる。
【0014】(6)SiO2から成る層間絶縁層67を
形成した後、コンタクトホール68を形成する。
【0015】(7)アルミニウムを用いてソース電極6
9およびドレイン電極70を形成する。
【0016】上記のようにして形成されたTFTは、陽
極酸化膜65を形成することによりオフセットゲート領
域62dが形成されたオフセット構造を有しているため
に、リーク電流が生じにくく、オフ時電流が小さく抑え
られる。
【0017】また、オフ時電流の低減を図った別のTF
Tとしては、上記オフセットゲート領域62dに代え
て、不純物の低濃度拡散領域を設けたLDD(Lightly
DopedDrain )構造のものも知られている(例えば特公
平3−38755)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のオフセット構造を有するTFTは、以下のような問
題点を有していた。
【0019】すなわち、ソース領域62aまたはドレイ
ン領域62bと、オフセットゲート領域62dとの境界
部分では、不純物濃度が急激に変化するため、高電界が
かかる。それゆえ、ホットキャリアの発生などによるT
FT特性の劣化を招きやすい。
【0020】また、陽極酸化法を用いてオフセットゲー
ト領域62dを形成する場合、オフセットゲート領域6
2dの長さは、陽極酸化膜65の膜厚により制御される
が、これを一定に保つことは容易ではなく、TFT特性
のばらつきが大きくなりがちである。より具体的には、
例えばオフセット長が短い場合には、やはりオフ時電流
の増加やTFT特性の劣化を招く一方、オフセット長が
長い場合には、オン時抵抗が大きくなって、オン時電流
が減少する。それゆえ、例えば液晶表示装置に適用され
る場合のように基板上に多くのTFTを形成する場合に
は、表示画面全体にわたって均一な表示を行わせること
が困難になる。
【0021】さらに、陽極酸化法を用いる場合には、3
回の陽極酸化工程を必要とし、製造工程の増加および複
雑化を招き、製造コストが高くつく。
【0022】一方、LDD構造を有するTFTでは、ソ
ース領域62aまたはドレイン領域62bと、ゲート領
域62cとの間で、不純物濃度が段階的に変化するた
め、多結晶シリコン層62に作用する電界は多少低減さ
れるものの、不純物濃度が不連続であるために、やはり
ホットキャリアが発生しやすく、TFT特性の劣化を確
実に防止することは困難である。しかも、TFT特性の
ばらつきや、製造工程の増加、複雑化による製造コスト
の増大に関しては、陽極酸化法を用いたオフセット構造
のTFTと同様である。
【0023】本発明は、上記の点に鑑み、オフ時電流を
少なく抑えるとともに、TFT特性のばらつきも低減で
きるうえ、ホットキャリアの発生等に起因するTFT特
性の劣化を防止して信頼性を向上させ、しかも、製造工
程を簡略化して製造コストを低減できる薄膜トランジス
タ、およびその製造方法、並びに不純物導入装置の提供
を目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、チャネル領域と、上記チャネル
領域の両側に配置されたソース領域、およびドレイン領
域とが形成された半導体層を有する薄膜トランジスタに
おいて、上記チャネル領域とソース領域との間、または
チャネル領域とドレイン領域との間の少なくとも一方
に、チャネル領域からソース領域またはドレイン領域に
向けて、不純物濃度が連続的に増加する接合領域が形成
されていることを特徴としている。
【0025】このようなチャネル領域からソース領域ま
たはドレイン領域に向けて不純物濃度が連続的に増加す
る接合領域が形成されていることにより、リーク電流が
生じにくく、したがって、オフ時電流が小さく抑えられ
る。また、半導体層に作用する電界の集中が緩和され、
ホットキャリアが発生しにくくなるため、薄膜トランジ
スタの特性の劣化が防止され、信頼性の高い薄膜トラン
ジスタが得られる。
【0026】請求項2の発明は、請求項1の薄膜トラン
ジスタであって、上記接合領域は、上記チャネル領域の
近傍に、不純物イオンと逆極性のバイアス電圧が印加さ
れた状態で、半導体層に不純物が導入されることによ
り、不純物濃度が連続的に変化するように形成されてい
ることを特徴としている。
【0027】また、請求項3の発明は、請求項1の薄膜
トランジスタであって、上記接合領域は、半導体層に不
純物が導入された後に、エネルギビームの照射によって
上記不純物が拡散することにより、不純物濃度が連続的
に変化するように形成されていることを特徴としてい
る。
【0028】このようにして形成された接合領域は、良
好な不純物濃度の連続性を有しているために、オフ時電
流の低減、および信頼性の向上が確実に図られる。
【0029】請求項4の発明は、チャネル領域と、上記
チャネル領域の両側に配置されたソース領域、およびド
レイン領域とが形成された半導体層を有する薄膜トラン
ジスタの製造方法において、上記チャネル領域の近傍
に、不純物イオンと逆極性のバイアス電圧を印加した状
態で、半導体層に不純物を導入することを特徴としてい
る。
【0030】このようにバイアス電圧を印加した状態で
半導体層に不純物を導入することにより、チャネル領域
に近いほど、不純物イオンの速度が減速されたり、進路
が曲げられたりするため、導入される不純物濃度が低く
なる一方、チャネル領域から遠いほど、不純物濃度が高
くなる。それゆえ、チャネル領域からソース領域、およ
びドレイン領域に向けて不純物濃度が連続的に増加する
接合領域を容易に形成することができ、したがって、オ
フ時電流の低減、および信頼性の向上を容易に図ること
ができる。また、バイアス電圧の大きさや、バイアス電
圧を印加する電極の位置や形状等を適宜設定することに
より、不純物濃度の分布、すなわち接合領域の長さや濃
度勾配を種々に、かつ正確に制御することができるの
で、所望の特性を有し、かつ、特性のばらつきの少ない
薄膜トランジスタを容易に得ることができる。しかも、
不純物をマスキングするための陽極酸化膜の形成などの
工程を必要としないので、生産性を向上させるととも
に、製造コストの低減を図ることが容易にできる。
【0031】請求項5の発明は、請求項4の薄膜トラン
ジスタの製造方法であって、上記バイアス電圧をゲート
電極に印加することを特徴としている。
【0032】この場合には、特にバイアス電圧を印加す
るための電極を形成することなく、バイアス電圧を印加
することが容易にできるとともに、チャネル領域、およ
び接合領域が自己整合的に形成されるので、寄生容量を
小さく抑え、特性を向上させることが容易にできるとと
もに、特性のばらつきを一層低減することができる。
【0033】請求項6の発明は、チャネル領域と、上記
チャネル領域の両側に配置されたソース領域、およびド
レイン領域とが形成された半導体層を有する薄膜トラン
ジスタの製造方法において、半導体層における所定の領
域に不純物を導入する不純物導入工程と、上記半導体層
にエネルギビームを照射し、上記導入された不純物を上
記半導体層における不純物が導入されていない領域に拡
散させることにより、チャネル領域、ソース領域、ドレ
イン領域、および上記チャネル領域とソース領域との
間、またはチャネル領域とドレイン領域との間の少なく
とも一方に、チャネル領域からソース領域またはドレイ
ン領域に向けて、不純物濃度が連続的に増加する接合領
域を形成する拡散工程とを有することを特徴としてい
る。
【0034】このように、半導体層にエネルギビームを
照射し、導入された不純物を拡散させることによって
も、チャネル領域からソース領域、およびドレイン領域
に向けて不純物濃度が連続的に増加する接合領域を容易
に形成することができ、したがって、オフ時電流の低
減、および信頼性の向上を容易に図ることができる。す
なわち、上記のように、不純物が導入された半導体層に
エネルギビーム、特に、高エネルギでパルス幅の短いパ
ルス状のエネルギビーム等を照射することによって、基
板の温度を実質的に歪み点温度以下に保ちつつ、半導体
層を局所的に溶融させると、半導体層が溶融している際
の不純物の拡散速度は固体中より数桁高いために、速い
速度で不純物を拡散させることが可能となる。より具体
的には、例えば、半導体としてシリコン、不純物として
リンを用いる場合には、溶融状態のシリコン中のリンの
拡散係数は10-4cm2/secのオーダーであり、エ
ネルギビームとしてパルス幅数十nsecのエキシマレ
ーザを用いると、レーザのパルスエネルギにもよるが、
1回の照射で、シリコンに導入されたリンが、導入され
ていない領域に向けて0.01〜0.1μm程度拡散す
ることがわかった。そこで、不純物の拡散係数は、半導
体、および不純物の材料によって定まるので、エネルギ
ビームの照射条件(照射強度や照射時間、照射回数等)
を、半導体層に吸収されるエネルギ量、熱拡散量、半導
体層の熱容量などに応じて設定し、半導体層の溶融時間
や温度等を制御することにより、所望の長さにわたっ
て、チャネル領域からソース領域、およびドレイン領域
に向けて不純物濃度が連続的に増加する上記接合領域を
形成することができる。
【0035】請求項7の発明は、請求項6の薄膜トラン
ジスタの製造方法であって、上記拡散工程において、同
時に上記半導体層の結晶化を行わせることを特徴として
いる。
【0036】これにより、製造工程の増加を招くことな
く、オフ時電流の低減、および信頼性の向上を図った薄
膜トランジスタを製造することができる。
【0037】請求項8の発明は、請求項6の薄膜トラン
ジスタの製造方法であって、上記拡散工程の後に、ゲー
ト電極を形成する工程を有することを特徴としている。
【0038】このように、拡散工程の後に、ゲート電極
を形成することにより、エネルギビームをゲート電極に
よって遮蔽されることなく半導体層に照射することがで
きるので、確実に不純物を拡散させることができる。
【0039】請求項9の発明は、請求項6の薄膜トラン
ジスタの製造方法であって、さらに、上記不純物導入工
程に先だって、半導体層上にゲート電極を形成する工程
を有し、上記不純物導入工程では、上記ゲート電極をマ
スクとして、上記半導体層における所定の領域に不純物
を導入するとともに、上記拡散工程では、上記半導体層
における上記ゲート電極が形成されている側と反対側か
ら、上記半導体層にエネルギビームを照射することを特
徴としている。
【0040】このように、ゲート電極をマスクとして、
上記半導体層における所定の領域に不純物を導入するこ
とにより、自己整合的に不純物の導入が行われるので、
寄生容量を小さく抑え、特性を向上させることが容易に
でき、また、薄膜トランジスタの特性のばらつきを小さ
く抑えることが容易にできるとともに、ゲート電極が形
成されている側と反対側から、上記半導体層にエネルギ
ビームを照射することにより、エネルギビームをゲート
電極によって遮蔽されることなく半導体層に照射するこ
とができるので、確実に不純物を拡散させることができ
る。
【0041】請求項10の発明は、請求項6の薄膜トラ
ンジスタの製造方法であって、さらに、上記不純物導入
工程に先だって、ゲート電極を形成する工程と、上記ゲ
ート電極を覆うように半導体層を形成する工程とを有す
ることを特徴としている。
【0042】このように、ゲート電極を覆うように半導
体層を形成することによって、やはり、エネルギビーム
をゲート電極によって遮蔽されることなく半導体層に照
射することができるので、確実に不純物を拡散させた逆
スタガ型の薄膜トランジスタを製造することができる。
【0043】請求項11の発明は、請求項10の薄膜ト
ランジスタの製造方法であって、さらに、上記半導体層
を覆うように感光体層を形成する工程と、上記感光体層
を上記ゲート電極が形成されている側から露光すること
によりマスク層を形成する工程とを有し、上記不純物導
入工程では、上記マスク層をマスクとして、上記半導体
層における所定の領域に不純物を導入するとともに、上
記拡散工程では、上記半導体層における上記ゲート電極
が形成されている側と反対側から、上記半導体層にエネ
ルギビームを照射することを特徴としている。
【0044】このように、感光体層をゲート電極をマス
クとして露光してマスク層を形成し、このマスク層をマ
スクとして、不純物を導入することによって、自己整合
的に不純物の導入が行われるので、寄生容量を小さく抑
え、特性を向上させることが容易にでき、また、薄膜ト
ランジスタの特性のばらつきを小さく抑えることが容易
にできるとともに、エネルギビームをゲート電極によっ
て遮蔽されることなく半導体層に照射することができる
ので、確実に不純物を拡散させることができる。
【0045】請求項12の発明は、請求項6の薄膜トラ
ンジスタの製造方法であって、上記拡散工程では、上記
エネルギビームが、上記ソース領域、またはドレイン領
域からチャネル領域の方向に向けて走査されて照射され
ることを特徴としている。
【0046】これにより、エネルギビームの走査進行方
向への不純物の拡散が促進されるので、チャネル領域か
らソース領域、およびドレイン領域に向けて不純物濃度
が連続的に増加する接合領域を一層容易に形成すること
ができる。
【0047】請求項13の発明は、請求項12の薄膜ト
ランジスタの製造方法であって、上記エネルギビーム
は、走査進行方向と反対側に向けて照射強度が減少する
強度分布を有することを特徴としている。
【0048】これにより、接合領域が徐冷されながら形
成されやすいので、チャネル領域からソース領域、およ
びドレイン領域に向けて不純物濃度が連続的に増加する
接合領域をより一層確実に形成することができる。
【0049】請求項14の発明は、請求項6の薄膜トラ
ンジスタの製造方法であって、上記拡散工程では、上記
エネルギビームが、上記ソース領域、またはドレイン領
域からチャネル領域の方向に向けて往復走査されて照射
されることを特徴としている。
【0050】これにより、ソース領域、およびドレイン
領域と、チャネル領域との何れの間にも、確実に接合領
域を形成することができる。
【0051】請求項15の発明は、請求項14の薄膜ト
ランジスタの製造方法であって、上記エネルギビーム
は、走査進行方向と反対側に向けて照射強度が減少する
強度分布を有することを特徴としている。
【0052】これにより、接合領域が徐冷されながら形
成されやすいので、チャネル領域からソース領域、およ
びドレイン領域に向けて不純物濃度が連続的に増加する
接合領域をより一層確実に形成することができる。
【0053】請求項16の発明は、請求項6の薄膜トラ
ンジスタの製造方法であって、上記エネルギビームは、
間欠的に照射されることを特徴としている。
【0054】これにより、半導体層が形成されている基
板の温度上昇を小さく抑えつつ、半導体層を局所的に高
温に加熱し、不純物の拡散を十分行わせることが容易に
できる。
【0055】請求項17の発明は、不純物をイオン化さ
せるイオン化手段と、イオン化された不純物を半導体層
に向けて加速する加速手段とを備え、半導体層に不純物
を導入する不純物導入装置において、さらに、半導体層
における所定の領域の近傍に、上記不純物イオンと逆極
性のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段を備
えたことを特徴としている。
【0056】このようなバイアス電圧印加手段を備える
ことにより、チャネル領域からソース領域、およびドレ
イン領域に向けて不純物濃度が連続的に増加する接合領
域が形成されるように、半導体層に不純物を導入するこ
とが容易にできる。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0058】(実施の形態1) (薄膜トランジスタの構成)まず、本発明の実施の形態
1に係る薄膜トランジスタ(以下「TFT」と称す
る。)の構成について説明する。
【0059】このTFT10は、図1に示すように、基
板11(例えばコーニング社製#1737ガラス)上
に、膜厚が30〜150nmの多結晶シリコン層12、
膜厚が100nmのSiO2から成るゲート絶縁層1
3、例えばアルミニウムから成るゲート電極14、およ
びSiO2(二酸化シリコン)から成る層間絶縁層15
が、順に積層されて構成されている。このTFT10に
は、さらに、例えばアルミニウムから成り、ゲート絶縁
層13および層間絶縁層15に形成されたコンタクトホ
ール16,16を介してソース領域12aまたはドレイ
ン領域12bに接続された、ソース電極17、およびド
レイン電極18が設けられている。
【0060】上記基板11は、ガラス基板11aにSi
2のバッファー層11bが形成されて成り、ガラス基
板11a中の不純物が多結晶シリコン層12に拡散する
のを防止し得るようになっている。
【0061】上記多結晶シリコン層12は、非晶質シリ
コンが結晶化された後、ゲート電極14をマスクとした
イオンドーピングによって、ドナーまたはアクセプタと
なる不純物(例えばリン)が注入されることにより、ソ
ース領域12a、ドレイン領域12b、およびゲート電
極14の下方に位置するチャネル領域12cが形成され
て成っている。また、上記ソース領域12a、およびド
レイン領域12bと、チャネル領域12cとの間には、
後述するようにイオンドーピングの際に30kVのバイ
アス電圧を印加することにより、図2に示すように、不
純物濃度が連続的に徐々に変化した接合領域12d,1
2dが形成されている。ここで、チャネル領域12cに
は、閾値電圧を制御するためにわずかに不純物を含ませ
るようにしても良い。
【0062】上記のようにソース領域12a、およびド
レイン領域12bと、チャネル領域12cとの間に接合
領域12d,12dが形成されていることにより、ソー
ス領域12aとドレイン領域12bとの間のリーク電流
が減少するため、図3に示すように、オフ時電流が小さ
く抑えられる。また、接合領域12d,12dは、不純
物濃度が連続的に徐々に変化しているため、電界の集中
が緩和され、ホットキャリアの発生などによるTFT特
性の劣化が防止されるので、高い信頼性が得られる。
【0063】(不純物注入装置の構成)次に、上記のよ
うなTFT10の製造過程において用いられ、多結晶シ
リコン層12に不純物を注入する不純物注入装置につい
て説明する。
【0064】この不純物注入装置には、図4に示すよう
に、TFT10が載置される載置部21と、この載置部
21の上方に配置され、不純物イオンを発生するイオン
発生部22と、発生した不純物イオンをTFT10に向
けて加速するイオン加速部23とが設けられている。
【0065】上記載置部21には、導電性のテーブル2
1aが設けられている。このテーブル21aには、TF
T10のゲート電極14に約+30kVのバイアス電圧
を印加するためのバイアス電源21bの負極が接続され
ている。
【0066】イオン発生部22には、水素などで希釈し
たホスフィン(PH3)やジボラン(B26)などの原
料ガス31をプラズマ分解によりイオン化させてイオン
源32とするためのイオン化電極22a、および高周波
電源22bが設けられている。上記高周波電源22b
は、例えば周波数が13.56MHz、電力が50Wの
高周波を出力するようになっている。また、イオン発生
部22には、さらに、イオン化された不純物イオンを引
き出すための引出電極22c、および例えば14kVの
引出電源22dが接続されている。
【0067】また、イオン加速部23には、イオン発生
部22から引き出された不純物イオンをTFT10に向
けて加速する加速電極23a、および例えば56kVの
加速電源23bが設けられている。また、負電荷を持つ
電子が逆方向に加速されるのを防ぐ抑制電極23c、お
よび例えば1kVの抑制電源23dが設けられている。
【0068】(TFTの製造方法)TFT10は、上記
のような不純物注入装置を用いて、次のようにして製造
される。
【0069】(1)まず、ガラス基板11aにバッファ
ー層11bが形成されて成る基板11上の全面に、例え
ばシラン(SiH4)を原料ガスとして用い、減圧CV
D法によって、膜厚が30〜150nmの非晶質シリコ
ン層を形成し、フォトリソグラフィーを用いたエッチン
グによりトランジスタが形成される以外の部分を除去し
た後、XeClエキシマレーザを用いたレーザアニール
により結晶化させて、多結晶シリコン層12を形成する
(図5(a))。
【0070】(2)TEOS(Tetraethylorthosilicat
e:(C2H5O)4Si)を原料ガスとして用い、プラズマCVD
法によって、ゲート絶縁層13となるSiO2を100
nmの厚さで全面に堆積させる(図5(b))。
【0071】(3)例えばアルミニウムのスパッタリン
グ、およびパターニングにより、ゲート電極14、およ
び図示しないゲート配線パターンを形成する。
【0072】(4)上記多結晶シリコン層12等が形成
された基板11を前記不純物注入装置のテーブル21a
に載置し、バイアス電源21bによりゲート電極14に
+30kVのバイアス電圧を印加した状態で、不純物イ
オンの質量分離を行うことなく、イオンドーピングを行
う。より詳しくは、水素希釈ホスフィン(PH3)など
の原料ガス31を高周波放電によりプラズマ分解してイ
オン化させ、70kVの電圧(引出電圧14kV+加速
電圧56kV)により、1×1015cm-2の総ドーズ量
で多結晶シリコン層12に不純物を注入し、ソース領域
12a、ドレイン領域12b、およびチャネル領域12
cを形成する(図5(c))。
【0073】その際、上記のようにゲート電極14とテ
ーブル21aとの間に30kVのバイアス電圧が印加さ
れていることにより、ゲート電極14の周囲には同図に
示すようにバイアス電界33が形成される。そこで、イ
オン加速部23から発せられた不純物イオンは、進路が
曲げられたり減速されたりし、また、その作用はゲート
電極14から離れる程弱くなるため、多結晶シリコン層
12におけるソース領域12aおよびドレイン領域12
bとチャネル領域12cとの間には、ゲート電極14の
端部の下方位置からの距離に応じた確率分布密度で不純
物が注入され、不純物濃度がソース領域12aおよびド
レイン領域12bに向けて連続的に徐々に高くなる接合
領域12d,12dが形成される。
【0074】ここで、バイアス電圧は上記のように30
kVに限らないが、例えば前記図3に示すように、バイ
アス電圧が高いほど、オフ時電流を小さく抑えることが
できる。それゆえ、ゲート絶縁層13の種類や厚さ、ま
た、加速電圧やドーズ量等の注入条件や所望のTFT特
性等に応じて、例えば数kV〜70kVの範囲などで適
宜設定すれば良い。
【0075】(5)不純物が注入された多結晶シリコン
層12を400℃以上に保つ熱アニール処理や、エキシ
マレーザの照射、またはRTA(Rapid Thermal Annea
l)等による局所的な加熱処理を行い、注入された不純
物の活性化を行う。なお、前記不純物の注入の際に同時
に注入された水素による自己活性化により十分なTFT
特性が得られる場合には、この工程は必ずしも行わなく
ても良い。
【0076】(6)TEOS(Tetraethylorthosilicat
e:(C2H5O)4Si)を原料ガスとして用い、プラズマCVD
法によって、SiO2を全面に堆積させて層間絶縁層1
5を形成する。
【0077】(7)ゲート絶縁層13、および層間絶縁
層15にコンタクトホール16,16を形成した後、例
えばアルミニウムのスパッタリング、およびフォトリソ
グラフィーを用いたエッチングによるパターニングによ
り、ソース電極17、およびドレイン電極18を形成し
て、前記図1に示すTFT10が得られる。
【0078】なお、本実施の形態1においては、非晶質
シリコン層を減圧CVD法によって形成する例を示した
が、これに限らず、プラズマCVD法やスパッタ法等に
よって形成しても良い。
【0079】また、非晶質シリコン層を結晶化させて多
結晶シリコン層12を形成するためにXeClエキシマ
レーザを用いる例を示したが、これに限らず、ArF、
KrF等のエキシマレーザや、Arレーザ等を用いても
よく、また、600℃程度のアニールによる固相成長を
行わせるようにしても良い。ただし、固相成長を行わせ
る場合には、基板11として固相成長温度に耐え得るも
のを用いる必要がある。
【0080】また、よりTFT特性を向上させるために
は、多結晶シリコン層12を形成した後に、水素プラズ
マにさらしたり、水素アニール等の工程を行うことによ
り、多結晶シリコン層12中の結晶粒界や結晶粒内のト
ラップ準位を補償して、結晶性を向上させることが望ま
しい。
【0081】また、半導体材料として多結晶シリコンを
用いるものに限らず、非晶質シリコンや単結晶シリコン
を用いてもよく、さらに、他の半導体材料、例えばゲル
マニウム(Ge)やシリコン・ゲルマニウム合金(Si
Ge)等を用いても良い。
【0082】また、ゲート絶縁層13や層間絶縁層15
として、TEOSを用いたプラズマCVD法により形成
されたSiO2の薄膜を用いる例を示したが、他の方
法、例えばAP−CVD(Atmospheric Pressure CVD)
法や、LTO(Low Temperature Oxide )、ECR−C
VD等により形成されたSiO2を用いても良いことは
言うまでもない。さらに、SiO2に限らず、窒化シリ
コンや酸化タンタル、酸化アルミニウム等の薄膜も用い
てもよいし、これらの薄膜の積層構造を形成するように
しても良い。
【0083】また、ゲート電極14、ソース電極17、
およびドレイン電極18の材料としてアルミニウムを用
いた例を示したが、アルミニウムの他に、タンタル(T
a)や、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン
(Ti)等の金属またはこれらの合金を用いても良く、
さらに、不純物を多量に含む多結晶シリコンや多結晶シ
リコン・ゲルマニウム合金、ITOなどの透明導電層等
を用いても良い。
【0084】また、多結晶シリコン層12に注入する不
純物としてドナーとなるリンを用い、nチャネルのTF
Tを形成する例を示したが、アルミニウム等を用いても
よく、また、アクセプタとなるボロンや砒素等を用いて
pチャネルのTFTを形成しても良い。さらに、ドナー
となる不純物、およびアクセプタとなる不純物を選択的
に注入して、同一の基板上にpチャネルおよびnチャネ
ルのTFTを形成し、CMOS回路を構成するようにし
てもよい。
【0085】また、不純物イオンの質量分離を行うこと
なく、多結晶シリコン層12に不純物を注入する例を示
したが、磁場によって質量分離を行うようにしても良
い。
【0086】また、原料ガス31を高周波放電によりプ
ラズマ分解してイオン化させたイオン源32を用いる例
を示したが、アーク放電によりイオン化させたものな
ど、他のイオン源を用いるようにしても良い。
【0087】また、基板11上に複数のTFT10を形
成する場合には、各TFT10のゲート電極14に共通
に接続された配線パターンを形成してバイアス電圧を印
加し、不純物の注入後に上記配線パターンを除去するな
どしても良い。この場合には、各ゲート電極14にバイ
アス電圧を印加するためのバイアス電源21bの接続を
容易に行うことができる。
【0088】また、バイアス電圧は、ゲート電極14に
印加するのに限らず、別途設けた電極に印加するように
しても良い。
【0089】また、本発明は、ゲート電極14が基板1
1側に設けられた逆スタガ型のTFTに適用しても良
い。
【0090】(実施の形態2)上記実施の形態1と同様
のTFTを不純物の拡散により製造する製造方法につい
て説明する。
【0091】(1)まず、図6(a)に示すように、基
板11上の全面に、例えばジシラン(Si26)を原料
ガスとして用い、減圧CVD法によって、膜厚30〜1
50nmの非晶質シリコン層12’を形成する。次に、
チャネル領域12cを形成する領域上に、例えばレジス
トによりドーピングマスク36を形成して、イオンドー
ピングを行う。より詳しくは、水素希釈ホスフィン(P
3)のプラズマを生成し、質量分離を行わずに、5〜
10kVの加速電圧により、1×1015cm-2の総ドー
ズ量で非晶質シリコン層12’に不純物としてのリンイ
オンを注入し、ソース領域12a、ドレイン領域12
b、およびチャネル領域12cを形成する。
【0092】(2)図6(b)に示すように、ドーピン
グマスク36を除去した後、XeClエキシマレーザを
用いたレーザアニールにより、非晶質シリコン層12’
を結晶化させるとともに、不純物の活性化、および拡散
を行わせて、多結晶シリコン層12を形成する。より詳
しくは、例えば、非晶質シリコン層12’の膜厚が50
nmの場合には、パルス幅が50nsで発振周波数が3
00Hzのパルス状のレーザビームを走査しながら、エ
ネルギ密度が300mJ/cm2、各パルスごとの照射
領域のオーバラップが98%、一個所当たりの平均照射
回数が50回になるように照射する。すなわち、従来の
結晶化を行う場合(例えばオーバラップが90%、照射
回数が10回)よりも大きなエネルギを与えることによ
り、ソース領域12aおよびドレイン領域12b中の不
純物がチャネル領域12cに向けて拡散し、ソース領域
12aおよびドレイン領域12bとチャネル領域12c
との間に、約1μmにわたって不純物濃度が徐々に変化
する接合領域12d,12dが形成される。
【0093】(3)フォトリソグラフィーを用いたエッ
チングにより、図6(c)に示すように、トランジスタ
が形成される以外の部分を除去し、多結晶シリコン層1
2を例えば50μm×20μmの島状に残す。
【0094】(4)TEOS(Tetraethylorthosilicat
e:(C2H5O)4Si)を原料ガスとして用い、プラズマCVD
法によって、図6(d)に示すように、ゲート絶縁層1
3となるSiO2を100nmの厚さで全面に堆積させ
る。また、例えばアルミニウムのスパッタリング、およ
びパターニングにより、ゲート電極14、および図示し
ないゲート配線パターンを形成する。ここで、上記ゲー
ト電極14は、過大なオフセットが形成されることによ
るオン時電流の低下を防止するために、その端面が少な
くともチャネル領域12c上に位置しないように(ソー
ス領域12a、ドレイン領域12b、または接合領域1
2d上に位置するように)パターニングすることが好ま
しい。ただし、寄生容量やオフ時電流の低減のために
は、ゲート電極14が接合領域12d上に位置するほう
がよい。
【0095】(5)実施の形態1の(6)(7)と同様
に、層間絶縁層15、コンタクトホール16,16ソー
ス電極17、およびドレイン電極18を形成して、図6
(e)に示すTFT10が得られる。
【0096】なお、上記の例では、非晶質シリコン層1
2’の結晶化、不純物の活性化、および拡散を行わせる
ために、XeClエキシマレーザを用いる例を示した
が、これに限らず、ArF、KrF等のエキシマレーザ
や、Arレーザ、電子ビーム、ストリップヒータ、ラン
プ光源等を用いてもよい。ここで、不純物の拡散を十分
行わせ、かつ、基板11が歪みを生じる温度まで加熱さ
れないようにするためには、上記のようにパルス状のレ
ーザビーム等を照射することが好ましく、連続発振のA
rレーザや、電子ビーム、ストリップヒータ、ランプ光
源等を用いる場合には、機械式チョッパなどによりパル
ス状のエネルギビームにすることが好ましい。
【0097】また、レーザビーム等の照射条件は、上記
のものに限らず、半導体層の材料や厚さ、形状等に応じ
て、例えば、パルス幅が10nsec〜1μsec、エ
ネルギ密度が150〜500mJ/cm2、一個所当た
りの平均照射回数が50〜300回などに設定すればよ
い。また、接合領域12dの長さは、ゲート電極14の
パターニング精度等に応じて、例えば0.5〜3μm程
度に設定すればよい。
【0098】また、非晶質シリコン層12’の結晶化
と、不純物の活性化、および拡散を同時に行わせる例を
示したが、これに限らず、一旦結晶化を行わせた後に、
拡散を行わせるなどしてもよい。この場合、結晶化は、
600℃程度のアニールによる固相成長で行わせるよう
にしてもよい。ただし、固相成長の場合には、基板とし
て固相成長温度に耐える基板を用いなければならない
が、ニッケル(Ni)やパラジウム(Pd)などの触媒
を用いて固相成長の低温化を図ることも可能である。
【0099】さらに、非晶質シリコン層や、ゲート絶縁
層13、層間絶縁層15等の形成方法、半導体材料や、
ゲート絶縁層13、ゲート電極14、不純物等の材料、
水素アニール処理などに関しても、前記実施の形態1で
説明したのと同様の変形が可能である。
【0100】また、前記実施の形態1のようにバイアス
電圧を印加した状態で不純物イオンの注入を行うととも
に、さらに、上記のように不純物の拡散を行わせるよう
にしてもよい。
【0101】(実施の形態3)上記実施の形態1と同様
のTFTを、ゲート電極をマスクとして不純物を注入す
るとともに、この不純物の拡散により製造する製造方法
について説明する。
【0102】(1)まず、実施の形態1の(1)と同様
に、基板11上の全面に膜厚が30〜150nmの非晶
質シリコン層を形成する。次に、600℃の温度で非晶
質シリコン層を固相成長をさせて多結晶化させた後、フ
ォトリソグラフィーを用いたエッチングによりトランジ
スタが形成される以外の部分を除去して、島状の多結晶
シリコン層12を形成する(図7(a))。
【0103】(2)実施の形態1の(2)(3)と同様
に、ゲート絶縁層13、ゲート電極14、および図示し
ないゲート配線パターンを形成する(図7(b))。
【0104】(3)水素希釈ホスフィン(PH3)のプ
ラズマを生成し、質量分離を行わずに、80kVの加速
電圧により、ゲート電極14をマスクとして、1×10
15cm -2の総ドーズ量で多結晶シリコン層12に不純物
としてのリンイオンを注入し、ソース領域12a、ドレ
イン領域12b、およびチャネル領域12cを形成する
(図7(c))。
【0105】(4)図7(d)に示すように、XeCl
エキシマレーザのレーザビームを基板11側から多結晶
シリコン層12に照射し、不純物の活性化、および拡散
を行わせる。より詳しくは、例えば、多結晶シリコン層
12の膜厚が50nmの場合には、パルス幅が50ns
で発振周波数が300Hzのパルス状のレーザビームを
走査しながら、基板11による吸収を考慮して、エネル
ギ密度が300〜1000mJ/cm2、各パルスごと
の照射領域のオーバラップが90〜99%、一個所当た
りの平均照射回数が10〜100回になるように照射す
る。これにより、ソース領域12aおよびドレイン領域
12b中のリンがチャネル領域12cに向けて拡散し、
ソース領域12aおよびドレイン領域12bとチャネル
領域12cとの間に、0.5〜1μmにわたって不純物
濃度が徐々に変化する接合領域12d,12dが形成さ
れる。
【0106】(5)実施の形態1の(6)(7)と同様
に、層間絶縁層15、ソース電極17、およびドレイン
電極18を形成して、図7(e)に示すTFT10が得
られる。
【0107】上記のように、ゲート電極14をマスクと
してイオン注入を行うことにより、ソース領域12a、
ドレイン領域12b、およびチャネル領域12cが自己
整合的に形成されるので(セルフアラインメント)、各
領域とゲート電極14との位置ずれ等が生じることはな
く、また、レーザビームは基板11側から照射されるの
で、ゲート電極14によって遮蔽されることなく、確実
に不純物の拡散を行わせることができる。
【0108】なお、上記の例では、非晶質シリコン層を
多結晶化させるために、600℃の温度で固相成長を行
わせる例を示したが、ニッケル(Ni)やパラジウム
(Pd)などの触媒を用いて、より低温で固相成長させ
るようにしてもよいし、レーザアニールなどの他の結晶
化の手法を用いてもよい。
【0109】また、非晶質シリコン層を多結晶化させた
後に、不純物の活性化、および拡散を行わせる例を示し
たが、前記実施の形態1、2と同様に、非晶質シリコン
層の結晶化と、不純物の活性化、および拡散を同時に行
わせるようにしてもよい。
【0110】また、不純物の活性化、および拡散を行わ
せるために、XeClエキシマレーザを用いる例を示し
たが、前記実施の形態1、2における非晶質シリコン層
の結晶化、不純物の活性化、および拡散の変形例で説明
したように、種々のエネルギビームを用いてもよい。
【0111】さらに、非晶質シリコン層や、ゲート絶縁
層13、層間絶縁層15等の形成方法、半導体材料や、
ゲート絶縁層13、ゲート電極14、不純物等の材料、
水素アニール処理などに関しても、前記実施の形態1で
説明したのと同様の変形が可能である。
【0112】(実施の形態4)図8(e)に示すよう
に、ゲート電極が基板側に設けられた逆スタガ型のTF
Tを製造する製造方法について説明する。
【0113】(1)まず、ガラス基板11aにバッファ
ー層11bが形成されて成る基板11(例えばコーニン
グ社製#1737ガラス)上に、例えばクロム(Cr)
をスパッタ法によって堆積し、フォトリソグラフィーを
用いたエッチングによりパターニングしてゲート電極1
4を形成する。次に、TEOS(Tetraethylorthosilic
ate:(C2H5O)4Si)を原料ガスとして用い、プラズマCV
D法によって、SiO2を100nmの厚さで全面に堆
積させ、ゲート絶縁層13を形成する。さらに、プラズ
マCVD法によって、膜厚が30〜150nmの非晶質
シリコン層12’を形成する(図8(a))。
【0114】(2)ポジ型のフォトレジストを全面に塗
布した後、基板11側から光を照射し、現像して、ドー
ピングマスク36を形成する。すなわち、フォトレジス
トにおける、ゲート電極14によって遮光されるゲート
電極14上以外の部分を露光し、現像により除去して、
ゲート電極14とほぼ同一形状のドーピングマスク36
を形成する。次に、水素希釈ホスフィン(PH3)のプ
ラズマを生成し、質量分離を行わずに、5〜10kVの
加速電圧により、1×1015cm-2の総ドーズ量で非晶
質シリコン層12’に不純物としてのリンイオンを注入
するイオンドーピングを行い、ソース領域12a、ドレ
イン領域12b、およびチャネル領域12cを形成する
(図8(b))。
【0115】上記のように、ゲート電極14をマスクと
した露光によって形成されたドーピングマスク36を用
いてイオン注入を行うことにより、ソース領域12a、
ドレイン領域12b、およびチャネル領域12cが自己
整合的に形成されるので(セルフアラインメント)、各
領域とゲート電極14との位置ずれ等が生じることがな
い。
【0116】(3)実施の形態2の(2)と同様に、ド
ーピングマスク36を除去した後、XeClエキシマレ
ーザを用いたレーザアニールにより、非晶質シリコン層
12’を結晶化させるとともに、不純物の活性化、およ
び拡散を行わせて、接合領域12dを有する多結晶シリ
コン層12を形成する。ただし、上記のように、ソース
領域12a、ドレイン領域12b、およびチャネル領域
12cが自己整合的に形成されているため、接合領域1
2dの長さに関しては、ゲート電極14と多結晶シリコ
ン層12における各領域との位置ずれを考慮する必要は
ない。具体的には、例えば非晶質シリコン層12’の膜
厚が50nmの場合には、パルス幅が50nsで発振周
波数が300Hzのパルス状のレーザビームを走査しな
がら、エネルギ密度が150〜500mJ/cm2、各
パルスごとの照射領域のオーバラップが90〜99%
(98%)、一個所当たりの平均照射回数が50回にな
るように照射することにより、ソース領域12aおよび
ドレイン領域12bとチャネル領域12cとの間に、
0.5〜1.5μmにわたって不純物濃度が徐々に変化
する接合領域12d,12dが形成される(図8
(c))。
【0117】(4)フォトリソグラフィーを用いたエッ
チングにより、図8(d)に示すように、トランジスタ
が形成される以外の部分を除去し、多結晶シリコン層1
2を島状に残す。
【0118】(5)例えばアルミニウムのスパッタリン
グ、およびフォトリソグラフィーを用いたエッチングに
よるパターニングにより、ゲート電極14、および図示
しないゲート配線パターンを形成して、図8(e)に示
すTFT10が得られる。
【0119】なお、本実施の形態4においては、非晶質
シリコン層をプラズマCVD法によって形成する例を示
したが、これに限らず、実施の形態1〜3と同様の減圧
CVD法や、スパッタ法等によって形成しても良い。
【0120】また、前記実施の形態2で説明したよう
に、一旦、非晶質シリコン層12’の結晶化を行わせた
後に、拡散を行わせたり、その場合に、結晶化を、60
0℃程度のアニールによる固相成長で行わせるようにし
てもよく、さらに、基板として固相成長温度に耐える基
板を用いたり、ニッケル(Ni)やパラジウム(Pd)
などの触媒を用いて固相成長の低温化を図ったりしても
よい。
【0121】また、非晶質シリコン層12’の結晶化、
不純物の活性化、および拡散を行わせるために、XeC
lエキシマレーザを用いる例を示したが、前記実施の形
態2における不純物の活性化、および拡散の変形例で説
明したように、種々のエネルギビームを用いてもよい。
【0122】また、ゲート電極14としてクロム(C
r)、ソース電極17、およびドレイン電極18の材料
としてアルミニウム(Al)を用いた例を示したが、そ
れぞれ、アルミニウムや、タンタル(Ta)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)等の金属
またはこれらの合金を用いても良く、さらに、不純物を
多量に含む多結晶シリコンや多結晶シリコン・ゲルマニ
ウム合金、ITOなどの透明導電層等を用いても良い。
【0123】さらに、非晶質シリコン層や、ゲート絶縁
層13等の形成方法、半導体材料や、ゲート絶縁層1
3、不純物等の材料、水素アニール処理などに関して
も、前記実施の形態1で説明したのと同様の変形が可能
である。
【0124】(実施の形態5)上記実施の形態1〜4の
TFTを適用したアクティブマトリクス型液晶表示装置
の例を図9に基づいて説明する。
【0125】このアクティブマトリクス型液晶表示装置
は、図9に示すように、対向して配置されたTFTアレ
イ基板である透光性ガラス基板40と対向基板である透
光性ガラス基板41との間に液晶層42が封入されると
ともに、上記透光性ガラス基板40・41の両側に偏光
板51・52が設けられて構成されている。
【0126】上記透光性ガラス基板40には、マトリッ
クス状に配置された走査電極43…、および信号電極4
4…が形成されている。また、これらの電極の各交差位
置に対応して、画素電極48…、およびこの各画素電極
48…に画像信号電圧を印加するスイッチング素子とし
てのTFT45…が形成されている。さらに、透光性ガ
ラス基板40の周縁部には、走査電極駆動回路46、お
よび信号電極駆動回路47が形成されている。この走査
電極駆動回路46、および信号電極駆動回路47は、T
FT46a…・47a…から成るCMOSインバータ等
によって構成されている。
【0127】上記TFT45…・46a…・47a…と
しては、前記実施の形態1等で示したように、ソース領
域、およびドレイン領域と、チャネル領域との間に、不
純物濃度が連続的に徐々に変化した接合領域が形成され
たものが用いられている。
【0128】また、対向基板となる透光性ガラス基板4
1には、液晶層42側に、対向電極49、およびカラー
フィルタ50が形成されている。カラーフィルタ50
は、各画素電極48…の位置に対応して、赤色(R)、
緑色(G)、または青色(B)の光を透過するセグメン
トに分割されている。
【0129】このように構成されたアクティブマトリク
ス型液晶表示装置では、信号電極駆動回路47によって
各信号電極44…に選択的に画像信号電圧が印加される
とともに、走査電極駆動回路46によって各走査電極4
3…に選択的に所定の基準電圧が印加されると、選択さ
れた信号電極44および走査電極43に対応する画素電
極48に上記画像信号電圧が印加され、液晶層42を透
過する光の偏光面が回転して輝度が変化することによ
り、画像信号電圧に応じた画像が表示される。
【0130】ここで、アクティブマトリクス型液晶表示
装置で正常に画像が表示されるためには、その画素数に
応じた多数のTFT45…・46a…・47a…がすべ
て適正に動作する必要がある。
【0131】一方、TFT45…・46a…・47a…
は、前述のようにオフ時電流が小さく抑えられるととも
に、ホットキャリアの発生などによるTFT特性の劣化
が防止され、高い信頼性が得られるので、良好な表示特
性を有し、しかも、信頼性の高いアクティブマトリクス
型液晶表示装置が得られる。
【0132】なお、上記の例では液晶表示装置に適用し
た例を説明したが、これに限らず、イメージセンサやS
RAMなどの半導体メモリ等に適用して同様の効果を得
ることができる。
【0133】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0134】すなわち、チャネル領域からソース領域ま
たはドレイン領域に向けて不純物濃度が連続的に増加す
る接合領域が形成されていることにより、リーク電流が
生じにくく、したがって、オフ時電流が小さく抑えられ
るとともに、半導体層に作用する電界の集中が緩和さ
れ、ホットキャリアが発生しにくくなるため、薄膜トラ
ンジスタの特性の劣化が防止され、信頼性の高い薄膜ト
ランジスタが得られるという効果を奏する。
【0135】また、チャネル領域の近傍に、不純物イオ
ンと逆極性のバイアス電圧を印加した状態で半導体層に
不純物イオンを注入したり、不純物イオンを注入した後
に不純物を拡散させたりすることにより、上記のような
接合領域を容易に形成することができ、したがって、オ
フ時電流の低減、および信頼性の向上を容易に図るとと
もに、所望の特性を有し、かつ、特性のばらつきの少な
い薄膜トランジスタを容易に得ることができるうえ、製
造工程を簡略化して生産性を向上させるとともに、製造
コストの低減を図ることが容易にできるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の薄膜トランジスタの構成を示す
断面図である。
【図2】実施の形態1の薄膜トランジスタの半導体層に
おける接合領域付近の不純物濃度分布を示す説明図であ
る。
【図3】実施の形態1の薄膜トランジスタのゲート電圧
−ドレイン電流特性を示す特性図である。
【図4】実施の形態1の不純物注入装置の構成を示す説
明図である。
【図5】実施の形態1の薄膜トランジスタの製造工程を
示す説明図である。
【図6】実施の形態2の薄膜トランジスタの製造工程を
示す説明図である。
【図7】実施の形態3の薄膜トランジスタの製造工程を
示す説明図である。
【図8】実施の形態4の薄膜トランジスタの製造工程を
示す説明図である。
【図9】実施の形態5のアクティブマトリクス型液晶表
示装置の構成を示す斜視図である。
【図10】従来のオフセット構造のポリシリコン薄膜ト
ランジスタの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 TFT 11 基板 11a ガラス基板 11b バッファー層 12 多結晶シリコン層 12’ 非晶質シリコン層 12a ソース領域 12b ドレイン領域 12c チャネル領域 12d 接合領域 13 ゲート絶縁層 14 ゲート電極 15 層間絶縁層 16 コンタクトホール 17 ソース電極 18 ドレイン電極 21 載置部 21a テーブル 21b バイアス電源 22 イオン発生部 22a イオン化電極 22b 高周波電源 22c 引出電極 22d 引出電源 23 イオン加速部 23a 加速電極 23b 加速電源 23c 抑制電極 23d 抑制電源 31 原料ガス 32 イオン源 33 バイアス電界 36 ドーピングマスク 40,41 透光性ガラス基板 42 液晶層 45,46a,47a TFT 46 走査電極駆動回路 47 信号電極駆動回路 48 画素電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/78 627G

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャネル領域と、上記チャネル領域の両側
    に配置されたソース領域、およびドレイン領域とが形成
    された半導体層を有する薄膜トランジスタにおいて、上
    記チャネル領域とソース領域との間、またはチャネル領
    域とドレイン領域との間の少なくとも一方に、チャネル
    領域からソース領域またはドレイン領域に向けて、不純
    物濃度が連続的に増加する接合領域が形成されているこ
    とを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】上記接合領域は、上記チャネル領域の近傍
    に、不純物イオンと逆極性のバイアス電圧が印加された
    状態で、半導体層に不純物が導入されることにより、不
    純物濃度が連続的に変化するように形成されていること
    を特徴とする請求項1の薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】上記接合領域は、半導体層に不純物が導入
    された後に、エネルギビームの照射によって上記不純物
    が拡散することにより、不純物濃度が連続的に変化する
    ように形成されていることを特徴とする請求項1の薄膜
    トランジスタ。
  4. 【請求項4】チャネル領域と、上記チャネル領域の両側
    に配置されたソース領域、およびドレイン領域とが形成
    された半導体層を有する薄膜トランジスタの製造方法に
    おいて、 上記チャネル領域の近傍に、不純物イオンと逆極性のバ
    イアス電圧を印加した状態で、半導体層に不純物を導入
    することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】上記バイアス電圧をゲート電極に印加する
    ことを特徴とする請求項4の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  6. 【請求項6】チャネル領域と、上記チャネル領域の両側
    に配置されたソース領域、およびドレイン領域とが形成
    された半導体層を有する薄膜トランジスタの製造方法に
    おいて、 半導体層における所定の領域に不純物を導入する不純物
    導入工程と、 上記半導体層にエネルギビームを照射し、上記導入され
    た不純物を上記半導体層における不純物が導入されてい
    ない領域に拡散させることにより、チャネル領域、ソー
    ス領域、ドレイン領域、および上記チャネル領域とソー
    ス領域との間、またはチャネル領域とドレイン領域との
    間の少なくとも一方に、チャネル領域からソース領域ま
    たはドレイン領域に向けて、不純物濃度が連続的に増加
    する接合領域を形成する拡散工程とを有することを特徴
    とする薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法で
    あって、 上記拡散工程において、同時に上記半導体層の結晶化を
    行わせることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法で
    あって、 上記拡散工程の後に、ゲート電極を形成する工程を有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法で
    あって、さらに、 上記不純物導入工程に先だって、半導体層上にゲート電
    極を形成する工程を有し、 上記不純物導入工程では、上記ゲート電極をマスクとし
    て、上記半導体層における所定の領域に不純物を導入す
    るとともに、 上記拡散工程では、上記半導体層における上記ゲート電
    極が形成されている側と反対側から、上記半導体層にエ
    ネルギビームを照射することを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法
    であって、さらに、 上記不純物導入工程に先だって、ゲート電極を形成する
    工程と、 上記ゲート電極を覆うように半導体層を形成する工程
    と、 を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項10の薄膜トランジスタの製造方
    法であって、さらに、 上記半導体層を覆うように感光体層を形成する工程と、 上記感光体層を上記ゲート電極が形成されている側から
    露光することによりマスク層を形成する工程とを有し、 上記不純物導入工程では、上記マスク層をマスクとし
    て、上記半導体層における所定の領域に不純物を導入す
    るとともに、 上記拡散工程では、上記半導体層における上記ゲート電
    極が形成されている側と反対側から、上記半導体層にエ
    ネルギビームを照射することを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  12. 【請求項12】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法
    であって、 上記拡散工程では、上記エネルギビームが、上記ソース
    領域、またはドレイン領域からチャネル領域の方向に向
    けて走査されて照射されることを特徴とする薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12の薄膜トランジスタの製造方
    法であって、 上記エネルギビームは、走査進行方向と反対側に向けて
    照射強度が減少する強度分布を有することを特徴とする
    薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法
    であって、 上記拡散工程では、上記エネルギビームが、上記ソース
    領域、またはドレイン領域からチャネル領域の方向に向
    けて往復走査されて照射されることを特徴とする薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
  15. 【請求項15】請求項14の薄膜トランジスタの製造方
    法であって、 上記エネルギビームは、走査進行方向と反対側に向けて
    照射強度が減少する強度分布を有することを特徴とする
    薄膜トランジスタの製造方法。
  16. 【請求項16】請求項6の薄膜トランジスタの製造方法
    であって、 上記エネルギビームは、間欠的に照射されることを特徴
    とする薄膜トランジスタの製造方法。
  17. 【請求項17】不純物をイオン化させるイオン化手段
    と、 イオン化された不純物を半導体層に向けて加速する加速
    手段と を備え、半導体層に不純物を導入する不純物導入装置に
    おいて、 さらに、半導体層における所定の領域の近傍に、上記不
    純物イオンと逆極性のバイアス電圧を印加するバイアス
    電圧印加手段を備えたことを特徴とする不純物導入装
    置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045889A (ja) * 2001-08-01 2003-02-14 Nec Corp 電界効果型トランジスタ及びその製造方法並びに該トランジスタを使った液晶表示装置及びその製造方法
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KR101001983B1 (ko) * 2003-10-15 2010-12-16 엘지디스플레이 주식회사 액정표시패널의 제조장치
JP2016149573A (ja) * 2007-11-08 2016-08-18 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated パルス列アニーリング方法および装置
US11040415B2 (en) 2007-11-08 2021-06-22 Applied Materials, Inc. Pulse train annealing method and apparatus

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