JPH11203936A - プロトン伝導体および該プロトン伝導体を用いた電気化学素子 - Google Patents

プロトン伝導体および該プロトン伝導体を用いた電気化学素子

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JPH11203936A
JPH11203936A JP10007203A JP720398A JPH11203936A JP H11203936 A JPH11203936 A JP H11203936A JP 10007203 A JP10007203 A JP 10007203A JP 720398 A JP720398 A JP 720398A JP H11203936 A JPH11203936 A JP H11203936A
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proton
proton conductor
acid
silicon oxide
block copolymer
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和典 高田
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Tsutomu Minami
努 南
Masahiro Tatsumisuna
昌弘 辰巳砂
Yasumasa Takeuchi
安正 竹内
Keiichi Bessho
啓一 別所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロトン伝導性に優れ、乾燥雰囲気下でもプ
ロトン伝導性の低下がなく、特に加工性に優れたプロト
ン伝導体を得る。 【解決手段】 酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体
とする化合物と、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位か
らなるブロック共重合体のスルホン化物よりプロトン伝
導体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロトンを伝導イ
オン種とするプロトン伝導体、さらには該プロトン伝導
体を用いた燃料電池などの電気化学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】固体中をイオンが移動する物質は、電池
をはじめとする電気化学素子を構成する材料として精力
的に研究されており、現在Li+,Ag+,Cu+,H+
-など様々な伝導イオン種のイオン伝導体が見いださ
れている。中でもプロトン(H +)を伝導イオン種とす
るものは、下記に示すように燃料電池、エレクトロクロ
ミック表示素子など様々な電気化学素子への応用が期待
されている。
【0003】水素を燃料とした燃料電池では、H2→2
++2e-の反応が生じる。この反応により生成したプ
ロトンは電解質中を移動し、空気極で(1/2)O2
2H+→H2Oなる反応により消費される。すなわち、プ
ロトン伝導体を電解質として用いることにより水素を燃
料とする燃料電池を構成することができることになる。
現在では、プロトン伝導体としてイオン交換膜を用いた
高分子固体電解質型燃料電池の開発が盛んに行われてお
り、据置用電源、電気自動車用の電源などへの応用が期
待されている。
【0004】一方、酸化タングステン、酸化モリブデン
などの遷移金属酸化物は結晶格子中のイオンサイトへの
プロトンの出入りにより色の変化が生じる。例えば酸化
タングステンは淡黄色であるが、WO3+xH++xe-
→HxWO3で表される電気化学反応で結晶格子中にプロ
トンが挿入されることで青色を呈する。この反応が可逆
的に生じるためエレクトロクロミック表示素子あるいは
調光ガラスの材料となるが、その際には電解質としてプ
ロトン伝導性のものを用いることが必要である。
【0005】以上のように、プロトン伝導体を電解質と
して用いることで様々な電気化学素子を構成することが
できる。このような電気化学素子を構成するために用い
られるプロトン伝導体は、室温付近で高いプロトン伝導
性を示すことが必要であり、このようなプロトン伝導体
としては、ウラニルリン酸水和物あるいはモリブドリン
酸水和物などの無機物、あるいはフッ化ビニル系高分子
にパーフルオロスルフォン酸を含む側鎖のついた高分子
イオン交換膜などの有機物が知られている。
【0006】しかしながら、上記の無機プロトン伝導体
は、結晶水中のプロトンが伝導に寄与しているため、高
温下では結晶水が脱離し、プロトン伝導性が低下する課
題があった。
【0007】プロトン伝導体を応用して得られる電気化
学素子としての燃料電池、エレクトロクロミック表示素
子、などには次に挙げる特性が必要とされている。
【0008】燃料電池は、据置用、電気自動車用などの
比較的大電流を発生するための電源としての用途が有望
視されており、そのためには大面積の固体電解質層を構
成する必要がある。
【0009】また、エレクトロクロミック表示素子の利
点の一つは、視野角の広さである。エレクトロクロミッ
ク表示素子は液晶表示板のように偏光板を用いないた
め、広い角度から認識することができる。この特性より
エレクトロクロミック素子は液晶表示素子などの他の表
示素子に比べて、大面積の表示を行う際に有効であり、
このような用途に使用するためにも電解質層の大面積化
は不可欠な技術となっている。
【0010】無機質の物質を薄膜状に形成する方法とし
ては、蒸着法、キャスト法などが挙げられる。
【0011】しかしながら蒸着法による薄膜形成法で
は、コストが高いものとなる上に大面積の薄膜を得るこ
とが困難である。
【0012】キャスト法は、プロトン伝導体を含むゾル
を基板上にキャストし、ゲル化することで大面積のプロ
トン伝導性薄膜を得る方法であるが、このような方法で
得られる薄膜には溶媒が蒸発する際に形成される細孔が
存在する。その結果、例えばプロトン伝導体を燃料電池
へ応用するさいには、燃料電池の活物質が水素ならびに
酸素の気体であるため、これらの気体がプロトン伝導体
ゲルの細孔を通過してしまい、発電効率が低下する問題
がある。
【0013】このような課題を解決し、大面積の電解質
層を作製する一つの方法として、固体電解質粉末に可塑
性樹脂を加えて複合化する方法が提案されている。
【0014】しかしながら、先に述べた結晶水によりプ
ロトン伝導が生じる化合物を可塑性樹脂と複合化した場
合には、結晶水間でのプロトンのホッピング運動が可塑
性樹脂により阻害されるため、プロトン伝導性が低下す
る、あるいは高温において結晶水が脱離することでもプ
ロトン伝導性が低下するといった課題があった。
【0015】また、イオン交換膜は、比較的容易に加工
性に優れた大面積の膜が得られる利点があるが、現在の
ところ高価なものであり、さらに低コストのプロトン伝
導体の開発が望まれていた。また、イオン交換樹脂は含
水量が高い状態(数十%)でのみ高いイオン伝導性を示
すものであり、乾燥するとプロトン伝導性が低下すると
いう課題も有していた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、以上の課
題を解決し、プロトン伝導性に優れ、乾燥雰囲気下でも
プロトン伝導性の低下のないプロトン伝導体を得るため
に、酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化合
物と、スルホン基を側鎖に持つ重合体よりプロトン伝導
体の提案を行った。
【0017】スルホン基を側鎖に持つ重合体の引っ張り
強度、可撓性などの機械的性質は、主鎖部分の選択によ
り大きく異なる。すなわち、主鎖の選択が適当でない場
合には、得られたプロトン伝導性の加工性が乏しいもの
となりうる。
【0018】本発明は、スルホン基を側鎖に持つ重合体
において、特に好ましい重合体を選択し、プロトン伝導
性とより加工性に優れたプロトン伝導体を提供すること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】酸化ケイ素とブレーンス
テッド酸を主体とする化合物、および共役ジエン単位と
芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体のスルホン
化物よりプロトン伝導体を得る。
【0020】酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体と
する化合物、および共役ジエン単位と芳香族ビニル単位
からなるブロック共重合体の水添物のスルホン化物より
プロトン伝導体を得る。
【0021】さらに、酸化ケイ素とブレーンステッド酸
を主体とする化合物として、ゾル−ゲル法により合成さ
れたものを用いる。
【0022】さらに、ゾル−ゲル法により合成された酸
化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化合物を1
00℃以上200℃以下の温度で加熱して用いる。
【0023】また、ブレーンステッド酸として、リン酸
あるいはその誘導体を用いる。また、酸化ケイ素とブレ
ーンステッド酸を主体とする化合物としてリン酸とシリ
コンアルコキシドを含むゾルより合成されたものを用
い、前記ゾルに含まれるリン酸のシリコンアルコキシド
に対する混合比をモル比で0.5以下とする。
【0024】また、ブレーンステッド酸として、過塩素
酸あるいはその誘導体を用いる。上記いずれかプロトン
伝導体を用いて電気化学素子を得る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明によるプロトン伝導体は、
無機化合物と高分子化合物よりなり、請求項1に記載し
たように、無機化合物が酸化ケイ素とブレーンステッド
酸を主体とする化合物であり、高分子化合物が共役ジエ
ン単位と芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体の
スルホン化物であることを特徴とする。
【0026】本発明のプロトン伝導体に用いられる無機
化合物としては、発明者らによる先願に記載の酸化ケイ
素とブレーンステッド酸を主体とする化合物である。酸
化ケイ素にブレーンステッド酸を加えると、ブレーンス
テッド酸がプロトンのドナーとして作用し、酸化ケイ素
の表面には末端基として−OH基が高濃度で結合した構
造となる。この−OH基のプロトンがホッピング運動を
行うため、高いプロトン伝導性を示す。
【0027】これまでに知られている酸化ケイ素を用い
たプロトン伝導体としては、硫酸を表面に担持したシリ
カゲルが挙げられるが、本発明により得られるプロトン
伝導体においてはブレーンステッド酸の濃度により−O
H基による赤外線吸収スペクトルの位置に変化がみられ
る。このことより、本発明によるプロトン伝導体は、単
に酸を表面に担持しただけのものではなく、酸化ケイ素
とブレーンステッド酸が化合物を形成したものである。
【0028】また、結晶水によりプロトン伝導が生じる
物質を用いた場合には、乾燥雰囲気下では結晶水を失う
ことにより、プロトン伝導性が低下する。それに対し
て、本発明によるプロトン伝導体においては、プロトン
伝導は酸化ケイ素表面に結合した−OH基を中心に起こ
っており、このように化学結合した−OH基は乾燥雰囲
気下でも脱離しにくいためプロトン伝導性の低下はほと
んど生じない。
【0029】しかしながら、このような酸化ケイ素とブ
レーンステッド酸より得られたプロトン伝導体は、堅く
脆い固体状のものであり、さらに粉砕した場合の粉末粒
子は成型性に乏しいものであるため、実用素子へ応用す
るためには結着材との複合化などによりプロトン伝導体
の成型性・加工性を高める必要がある。
【0030】ここで結着材として用いられる物質として
は、プロトン伝導性を妨げない物質を用いる必要があ
る。スルホン基を側鎖に持つ重合体を結着材として用い
ることにより、酸化ケイ素表面に結合した−OH基のプ
ロトンが、スルホン基の−SO 3−を介して移動するこ
とができ、高いプロトン伝導性を保ったまま高い成型
性、加工性を付与することができる。
【0031】ここで用いられるスルホン基を側鎖に持つ
重合体としては、請求項1に記載した共益ジエン単位と
芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体のスルホン
化物が好ましい。このような重合体を用いることで、高
いイオン伝導性に加えて特に機械的強度、可撓性などの
加工性に富むプロトン伝導体を得ることができる。
【0032】本発明において「単位」というのは、単量
体がラジカル重合した後の各単量体由来の構造を示すも
のである。本発明に使用されるスルホン化物を構成する
共役ジエン単位は、共役ジエン化合物が重合した後の構
造である。共役ジエン化合物の具体例としては、例え
ば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,2
−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ペン
タジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ
サジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチ
ル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,
3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘ
プタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジ
エン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、
3,5−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロ
ペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどの他、分岐
した炭素数4〜7の脂肪族または脂環族ジエン化合物が
挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を併
用して用いることができる。これらのうち、好ましくは
1,3−ブタジエンおよびイソプレンである。
【0033】また、芳香族ビニル単位は、芳香族ビニル
化合物が重合した後の構造である。芳香族ビニル化合物
の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これら
は、1種単独で、または2種以上を併用して用いること
ができる。
【0034】これらの化合物を単量体として使用し、ア
ニオン重合などの公知の重合方法により、ブロック共重
合体を合成することができる。好ましいブロック共重合
体としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの2元ブロ
ック共重合体;スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体、ブタジエン−スチレン−ブタジエンブロック
共重合体などの3元ブロック共重合体などが挙げられる
が、この他に、4元以上のブロック共重合体も任意に用
いることができる。特に好ましくは、前述の3元ブロッ
ク共重合体である。
【0035】さらに、共役ジエン単位と芳香族ビニル単
位からなるブロック共重合体のスルホン化物としては、
請求項2に記載した水添物が好ましい。未水添物は架橋
されていない二重結合が存在するエラストマーであるの
に対して、ブロック共重合体を水添することで、熱可塑
性エラストマーで架橋点に相当する分子鎖結束相がで
き、その結果、得られるプロトン伝導体の引っ張り強度
が高いものとなり、また耐酸化性も高いものとなる。
【0036】請求項2に記載のブロック共重合体の水添
物は、上記ブロック共重合体の共役ジエン単位を、公知
の触媒および公知の条件を用いて水添して得られる。
【0037】上記ブロック共重合体およびその水添物の
重量平均分子量(Mw)は特に制限はなく、ポリスチレ
ン換算で3,000〜1,000,000程度である。
【0038】本発明に使用されるスルホン化物は、上記
ブロック共重合体またはその水添物を、無水硫酸、無水
硫酸/電子供与性化合物錯体、濃硫酸、発煙硫酸、クロ
ルスルホン酸などの公知のスルホン化剤を用い、公知の
条件でスルホン化して得られる。
【0039】本発明に使用されるスルホン化物の好まし
いスルホン化率は、3モル%〜60モル%であり、スル
ホン化物の有機溶媒への溶解性などの観点から、5モル
%〜30モル%が特に好ましい。ここで、「スルホン化
率」とは、重合体における全単量体単位における、スル
ホン化された単位の割合をモル%で表したものである。
【0040】また、スルホン酸基の対イオンには特に制
限はなく、プロトン、リチウム塩、ナトリウム塩、カリ
ウム塩などが用いられる。
【0041】好ましいスルホン化物として、例えばスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のスチレ
ン化物の構造式は、(化1)で示される。ただし、(化
1)中Mは水素原子またはLi、Na、Kなどの金属原
子を示す。
【0042】
【化1】
【0043】酸化ケイ素に結合した−OH基のほとんど
は酸化ケイ素表面に存在する。ゾル−ゲル法により合成
された酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化
合物は、高表面積のものとなり、−OH基の密度を高い
ものとすることができる。その結果、プロトン伝導性が
優れたものとなることから、酸化ケイ素とブレーンステ
ッド酸を主体とする化合物の合成法として請求項3に記
載したゾル−ゲル法が好ましく用いられる。
【0044】またさらに、上記のゾル−ゲル法により得
られた酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化
合物には、微孔中に溶液が存在しており、ブレーンステ
ッド酸はこの溶液中に存在する。そのため、温度や大気
中の水蒸気圧の変化により溶液の組成が変化し、プロト
ン伝導性が変化するなど、特性が不安定となりやすい。
このため100℃以上の温度で加熱することで、微孔中
に存在する水分が取り除かれ、ブレーンステッド酸がア
モルファスの骨格に結合した構造となり、その結果、特
性が安定化する。例えば、ブレーンステッド酸としてリ
ン酸を用い、酸化ケイ素とリン酸を主体とする化合物を
得る際に、100℃より低い温度で熱処理したもので
は、その赤外吸収スペクトルにPO4 3-に帰属される吸
収ピークが現れ、化合物の微孔中にリン酸水溶液が存在
しているものと考えられる。それに対して、さらに高い
熱処理温度で加熱した場合、PO4 3-に帰属される吸収
ピークの強度は低下し、それにともないSi−O−Pの
構造に帰属される吸収ピークが現れる。これは、用いた
リン酸がアモルファスの骨格に結合したことを示唆して
おり、その結果化合物の構造、特性が安定化される。
【0045】また、加熱温度が200℃を超える場合に
は、酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化合
物が、脱水反応により分解し、結晶化することでプロト
ン伝導性が低下する。以上のことより、プロトン伝導性
を低下させずにプロトン伝導体の特性を安定化するため
には、ゾル−ゲル法により合成された酸化ケイ素とブレ
ーンステッド酸を主体とする化合物を、100℃以上2
00℃以下の温度で加熱することが望ましい。
【0046】また、リン酸あるいはその誘導体は3価の
ブレーンステッド酸であり、この酸を用いてプロトン伝
導体を合成した場合にはプロトン濃度が高いものとな
り、高いイオン伝導性を示すプロトン伝導体が得られる
ことから、ブレーンステッド酸としてはリン酸あるいは
その誘導体が特に好ましく用いられる。
【0047】酸化ケイ素とプレーンステッド酸を主体と
した化合物において、ブレーンステッド酸の含有量が多
いほど、得られた化合物中の−OH濃度が高いものとな
り、高いプロトン伝導性を示す。しかしながら、ブレー
ンステッド酸としてリン酸を用いた場合、リン酸の含有
量が余りにも高い場合には、得られた化合物が潮解性を
示し、多湿雰囲気で生えられたプロトン伝導性が膨潤す
るなどし、その加工性、成型性が低下するのみならず、
プロトン伝導体の電気特性が変化するため、これを用い
た電気化学素子の特性が低下する。そのため、酸化ケイ
素とブレーンステッド酸を主体とする化合物を、リン酸
とシリコンアルコキシドを含むゾルより合成する際に、
ゾルに含まれるリン酸のシリコンアルコキシドに対する
混合比を、モル比で0.5以下とし、得られる化合物が
潮解性を示さないものとすることが好ましい。
【0048】また、過塩素酸はプロトンドナーとしての
作用が強いため、酸化ケイ素に対するドーパントとして
このブレーンステッド酸を用いた場合、合成されたプロ
トン伝導体のプロトン伝導性が高いものとなる。このこ
とより、ブレーンステッド酸としては過塩素酸が特に好
ましく用いられる。
【0049】また、このようにして得られたプロトン伝
導体は、比較的容易に大面積の薄膜状に形成することが
できるため、電気化学素子用の電解質として有効であ
る。
【0050】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いて詳細に
説明する。
【0051】共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からな
る共重合体のスルホン化物として、以下の実施例ならび
に比較例で用いたものを(表1)にまとめた。
【0052】
【表1】
【0053】(実施例1)本実施例においては、酸化ケ
イ素とブレーンステッド酸を主体とする化合物としてリ
ン酸をドープしたシリカゲルを用い、共役ジエン単位と
芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体のスルホン
化物として表1の1で示したスルホン化したスチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体を用いて、プロ
トン伝導体を作製した実施例について説明を行う。
【0054】まず、リン酸をドープしたシリカゲルを以
下の方法により合成した。シリカゲルを合成するための
出発物質としては、テトラエトキシシラン(TEOS)
を用い、エタノール中で希釈した。この時、TEOSと
エタノールの混合比はモル比で1:4となるようにし
た。この溶液にさらに純水をTEOSに対してモル比で
8、3.6wt%塩酸水溶液をHClがTEOSに対し
てモル比で0.01、テトラエチルアンモニウムテトラ
フルオロボレートを同じく0.01となるように加え、
5分間攪拌した。その後、85wt%リン酸水溶液をT
EOS:H3PO4=1:0.5となるよう加え、密閉容
器中で3時間攪拌した。最後に5時間ゲル化し、150
℃で2時間加熱しリン酸をドープしたシリカゲルを得
た。
【0055】スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体は、単量体単位を10:80:10の比率でブ
ロック共重合させた重量平均分子量が150000のも
のである。このブロック共重合体を5%スルホン化し、
イソプレン部分を優先的にスルホン化したスルホン化物
を得た。
【0056】以上のようにして得たリン酸をドープした
シリカゲルを粉砕し、スルホン化物のトルエン溶液中で
攪拌した。ただし、シリカゲルとスルホン化物の比が重
量比で20:1となるようにした。最後に、攪拌しつつ
溶媒を揮発させ、プロトン伝導体を得た。
【0057】このようにして得たプロトン伝導体のイオ
ン伝導度を以下の方法で測定した。プロトン伝導体を2
00mgを10mmφのペレット状に加圧成形し、その
両面に金箔を圧接しイオン伝導度測定用の電極とした。
このようにして構成した電気化学セルを用い、交流イン
ピーダンス法により各温度におけるこれらのプロトン伝
導体のイオン伝導度を測定した。その結果、25℃にお
けるイオン伝導度は、5.2×10-6S/cmであっ
た。
【0058】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
の温度で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定した
ところ伝導度の低下はほとんど観測されなかった。
【0059】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度の低下の
ないプロトン伝導体が得られることがわかった。
【0060】(実施例2)本実施例においては、共役ジ
エン単位と芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体
のスルホン化物として表1の2で示したスルホン化した
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を用
いた以外は、実施例1と同様の方法でプロトン伝導体を
作製した。
【0061】スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体は、単量体単位を10:80:10の比率でブ
ロック共重合させた重量平均分子量が150000のも
のである。このブロック共重合体を20%スルホン化
し、イソプレン部分を優先的にスルホン化したスルホン
化物を得た。
【0062】以上のようにして得たスルホン化物を用
い、実施例1と同様の方法でプロトン伝導体を作成し、
そのイオン伝導度を測定した。その結果得られた25℃
におけるイオン伝導度は、1.1×10-4S/cmであ
った。
【0063】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
の温度で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定した
ところ伝導度の低下はほとんど観測されなかった。
【0064】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度の低下の
ないプロトン伝導体が得られることがわかった。
【0065】(実施例3)本実施例においては、共役ジ
エン単位と芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体
のスルホン化物として表1の3で示したスルホン化した
ブタジエン−スチレン−ブタジエンブロック共重合体の
水添物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でプロト
ン伝導体を作製した。
【0066】ブタジエン−スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の水添物は、単量体単位を20:60:20
の比率でブロック共重合させ、水添した重量平均分子量
が100000のものである。このブロック共重合体を
5%スルホン化し、スチレンの芳香族部分を優先的にス
ルホン化したスルホン化物を得た。
【0067】以上のようにして得たスルホン化物を用
い、実施例1と同様の方法でプロトン伝導体を作成し、
そのイオン伝導度を測定した。その結果得られた25℃
におけるイオン伝導度は、7.1×10-6S/cmであ
った。
【0068】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
の温度で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定した
ところ伝導度の低下はほとんど観測されなかった。
【0069】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度の低下の
ないプロトン伝導体が得られることがわかった。
【0070】(実施例4)本実施例においては、共役ジ
エン単位と芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体
のスルホン化物として表1の4で示したスルホン化した
ブタジエン−スチレン−ブタジエンブロック共重合体の
水添物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でプロト
ン伝導体を作製した。
【0071】ブタジエン−スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の水添物は、単量体単位を20:60:20
の比率でブロック共重合させ、水添した重量平均分子量
が100000のものである。このブロック共重合体を
20%スルホン化し、スチレンの芳香族部分を優先的に
スルホン化したスルホン化物を得た。
【0072】以上のようにして得たスルホン化物を用
い、実施例1と同様の方法でプロトン伝導体を作成し、
そのイオン伝導度を測定した。その結果得られた25℃
におけるイオン伝導度は、1.8×10-4S/cmであ
った。
【0073】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
の温度で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定した
ところ伝導度の低下はほとんど観測されなかった。
【0074】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度の低下の
ないプロトン伝導体が得られることがわかった。
【0075】(比較例1)比較のために、共役ジエン単
位と芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体以外の
重合体のスルホン化物として表1の5で示したスルホン
化したポリイソプレン重合体を用いた以外は、実施例1
と同様の方法でプロトン伝導体を作製した。
【0076】ポリイソプレン重合体は、重量平均分子量
が100000のものを用いた。このブロック共重合体
を5%スルホン化し、イソプレン部分をスルホン化した
スルホン化物を得た。
【0077】以上のようにして得たスルホン化物を用
い、実施例1と同様の方法でプロトン伝導体を作成し、
そのイオン伝導度を測定した。その結果得られた25℃
におけるイオン伝導度は、2.5×10-6S/cmであ
った。
【0078】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
の温度で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定した
ところ伝導度の低下はほとんど観測されなかった。
【0079】(比較例2)比較のために、共役ジエン単
位と芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体以外の
重合体のスルホン化物として表1の6で示したスルホン
化したポリイソプレン重合体を用いた以外は、実施例1
と同様の方法でプロトン伝導体を作製した。
【0080】ポリイソプレン重合体は、重量平均分子量
が100000のものを用いた。このブロック共重合体
を20%スルホン化し、イソプレン部分をスルホン化し
たスルホン化物を得た。
【0081】以上のようにして得たスルホン化物を用
い、実施例1と同様の方法でプロトン伝導体を作成し、
そのイオン伝導度を測定した。その結果得られた25℃
におけるイオン伝導度は、4.8×10-5S/cmであ
った。
【0082】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
の温度で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定した
ところ伝導度の低下はほとんど観測されなかった。
【0083】実施例1〜実施例4および比較例1、比較
例2で得たプロトン伝導体の引っ張り試験を行った。そ
の結果を表2に示す。なお、表2中には、破断点での伸
び率、引っ張り強度をNo.6の試料を1.0として示
した。また、参考のために上記で測定したイオン伝導度
を示した。
【0084】
【表2】
【0085】以上の結果より、実施例2、実施例4、比
較例2で得たプロトン伝導体は、実施例1、実施例3、
比較例1で得たプロトン伝導体よりも高いイオン伝導性
を示すことがわかる。また、実施例1、実施例3で得た
プロトン伝導体は、比較例1よりも高い引っ張り強度と
伸び率を示し、さらに高いイオン伝導度を示し、実施例
2、実施例4で得たプロトン伝導体は、比較例2よりも
高い引っ張り強度と伸び率を示し、さらに高いイオン伝
導度を示すことがわかる。
【0086】すなわち、スルホン化率が高い重合体を用
いた場合に高いイオン伝導性を示し、スルホン化率が同
じ場合には、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からな
るブロック共重合体のスルホン化物を用いた場合に高い
引っ張り強度、伸び率を示す。また、スルホン化率が同
じ場合に、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からなる
ブロック共重合体のスルホン化物を用いた場合にの方が
高いイオン伝導性を示したが、これは重合体の機械的強
度が増したため、イオン伝導の主たる場となるリン酸を
ドープしたシリカゲル粒子間の接合性が高まったためと
考えられる。
【0087】以上のことから、本発明によると高いイオ
ン伝導性と加工性(機械的強度)を併せ持ったプロトン
伝導体が得られることがわかった。
【0088】(実施例5)本実施例においては、酸化ケ
イ素とブレーンステッド酸を主体とする化合物の加熱温
度を変化させた以外は、実施例4と同様の方法でプロト
ン伝導体を作製した。
【0089】まず、リン酸をドープしたシリカゲルを以
下の方法により合成した。シリカゲルを合成するための
出発物質としては、実施例1と同様にテトラエトキシシ
ラン(TEOS)を用い、エタノール中で希釈した。こ
の時、TEOSとエタノールの混合比はモル比で1:4
となるようにした。この溶液にさらに純水をTEOSに
対してモル比で8、3.6wt%塩酸水溶液をHClが
TEOSに対してモル比で0.01、テトラエチルアン
モニウムテトラフルオロボレートを同じく0.01とな
るように加え、5分間攪拌した。その後、85wt%リ
ン酸水溶液をTEOS:H3PO4=1:0.5となるよ
う加え、密閉容器中で3時間攪拌した。最後に5時間ゲ
ル化し、60℃〜250℃の温度で2時間加熱しリン酸
をドープしたシリカゲルを得た。また、比較のために加
熱処理を行わず、リン酸をドープしたシリカゲルを得
た。
【0090】共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からな
るブロック共重合体のスルホン化物としてとしては、実
施例4と同じスルホン化したブタジエンン−スチレン−
ブタジエンブロック共重合体を用いた。
【0091】以上のようにして得たリン酸をドープした
シリカゲルを粉砕し、スルホン化物のトルエン溶液中で
攪拌した。ただし、シリカゲルとスルホン化物の比が重
量比で20:1となるようにした。最後に、攪拌しつつ
溶媒を揮発させ、プロトン伝導体を得た。
【0092】このようにして得たプロトン伝導体のイオ
ン伝導度を実施例1と同様の方法で測定した。その結果
得られた室温でのイオン伝導度とリン酸をドープしたシ
リカゲルの加熱温度の関係を図1に示す。但し、図1中
において、加熱処理を行わなかったシリカゲルを用いた
結果については、熱処理温度を室温の25℃として示し
ている。
【0093】この結果より、加熱温度が200℃以下の
場合にイオン伝導度は10-4S/cmを超える高い値を
示しており、加熱温度を200℃以下とすることで高い
イオン伝導性を有するプロトン伝導体を得ることができ
ることがわかった。
【0094】また、本実施例中で得たプロトン伝導体の
引っ張り強度を調べたところ、いずれのプロトン伝導体
も実施例4で得たものとほぼ同じ伸び率と引っ張り強度
を示した。
【0095】また、このプロトン伝導体を乾燥剤として
五酸化二リンをいれたデシケーター中に入れ、100℃
で7日間保存し、その後イオン伝導度を測定したところ
100℃以上で加熱処理を行ったものについては伝導度
の低下はほとんど観測されなかったが、加熱処理を行わ
なかったもの、60℃で加熱処理を行ったものについて
は1桁近くのイオン伝導度の低下が見られた。
【0096】以上のように、ゾル−ゲル法により合成さ
れた酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化合
物の加熱温度を100℃以上200℃以下とする本発明
によると、高いイオン伝導性と加工性を示し、かつ乾燥
雰囲気下でもイオン伝導度の低下のないプロトン伝導体
が得られることがわかった。
【0097】(実施例6)本実施例においては、酸化ケ
イ素とブレーンステッド酸を主体とする化合物を得る際
のTEOSとH3PO4の混合比を変化させた以外は、実
施例4と同様の方法でプロトン伝導体を作製した。
【0098】まず、リン酸をドープしたシリカゲルを以
下の方法により合成した。シリカゲルを合成するための
出発物質としては、実施例1と同様にテトラエトキシシ
ラン(TEOS)を用い、エタノール中で希釈した。こ
の時、TEOSとエタノールの混合比はモル比で1:4
となるようにした。この溶液にさらに純水をTEOSに
対してモル比で8、3.6wt%塩酸水溶液をHClが
TEOSに対してモル比で0.01、テトラエチルアン
モニウムテトラフルオロボレートを同じく0.01とな
るように加え、5分間攪拌した。その後、85wt%リ
ン酸水溶液をTEOS:H3PO4=1:0.2〜1.0
となるよう加え、密閉容器中で3時間攪拌した。最後に
5時間ゲル化し、150℃の温度で2時間加熱しリン酸
をドープしたシリカゲルを得た。
【0099】共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からな
るブロック共重合体のスルホン化物としてとしては、実
施例4と同じスルホン化したブタジエン−スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を用いた。
【0100】以上のようにして得たリン酸をドープした
シリカゲルを粉砕し、スルホン化物のトルエン溶液中で
攪拌した。ただし、シリカゲルとスルホン化物の比が重
量比で20:1となるようにした。最後に、攪拌しつつ
溶媒を揮発させ、プロトン伝導体を得た。
【0101】このようにして得たプロトン伝導体のイオ
ン伝導度を実施例1と同様の方法で測定した。その結果
得られた室温でのイオン伝導度とリン酸をドープしたシ
リカゲルを得る際に用いたゾル中のTEOSとリン酸の
比(H3PO4/TEOS)の加熱温度の関係を図2に示
す。
【0102】この結果より、ゾル中のリン酸濃度が高い
ほど、高いプロトン伝導性を示すプロトン伝導体を得る
ことができることがわかった。
【0103】また、本実施例中で得たプロトン伝導体の
引っ張り強度を調べたところ、いずれのプロトン伝導体
も実施例4で得たものとほぼ同じ伸び率と引っ張り強度
を示した。
【0104】つづいて、これらのプロトン伝導体を80
℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中で保存し、その経時
変化を観察した。その結果、H3PO4/TEOS≧0.
75のものについては、プロトン伝導体が膨潤し、プロ
トン伝導体の機械的強度が極端に低下したものとなっ
た。それに対して、H3PO4/TEOS≦0.5のもの
については外観上も変化が見られず、さらに保存後のイ
オン伝導度を測定したところ、プロトン伝導性について
も大きな変化は見られなかった。
【0105】以上のように、リン酸をドープしたシリカ
ゲルを得る際に用いたゾル中のTEOSとリン酸の比を
3PO4/TEOS≦0.5とする本発明によると、高
いイオン伝導性と加工性を示し、かつ大気中の水分に対
しても安定なプロトン伝導体が得られることがわかっ
た。
【0106】(実施例7)本実施例においては、ブレー
ンステッド酸として実施例4で用いたリン酸に代えて過
塩素酸を用いプロトン伝導体を合成した例について説明
する。
【0107】実施例1と同様に、TEOSをエタノール
で希釈したものに純水、塩酸を加え、さらに過塩素酸を
加えた。この時、TEOSとエタノール、純水、塩酸の
量は、モル比で1:8:4:0.05となるようにし
た。この溶液に、生成すると考えられる過塩素酸をドー
プしたシリカゲルの重量に対し20%の重量となるよう
に過塩素酸を加え、室温で3時間攪拌の後、5時間ゲル
化し、最後に150℃で2時間減圧乾燥を行い過塩素酸
をドープしたシリカゲルを得た。
【0108】共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からな
るブロック共重合体のスルホン化物としてとしては、実
施例4と同じスルホン化したブタジエン−スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を用いた。上記で得た過塩素
酸をドープしたシリカゲルに、実施例4と同様の方法で
スルホン化物を加え、プロトン伝導体を得た。
【0109】このようにして得たプロトン伝導体のイオ
ン伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果、25
℃でのイオン伝導度は2.3×10-4S/cmの値を示
した。またさらに実施例1と同様に乾燥雰囲気下で保存
した場合も伝導度の低下は観測されなかった。
【0110】また、本実施例中で得たプロトン伝導体の
引っ張り強度を調べたところ、いずれのプロトン伝導体
も実施例4で得たものとほぼ同じ伸び率と引っ張り強度
を示した。
【0111】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性と加工性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度
の低下のないプロトン伝導体が得られることがわかっ
た。
【0112】(実施例8)本実施例においては、ブレー
ンステッド酸として実施例4で用いたリン酸に代えてリ
ン酸誘導体の一つであるリンタングステン酸(H3PW
1240・29H2O)を用いプロトン伝導体を合成した
例について説明する。
【0113】リンタングステン酸をドープしたシリカゲ
ルは、過塩素酸に代えてリンタングステン酸を用いた以
外は実施例7と同様の方法で合成した。ただし、TEO
Sとエタノール、純水、塩酸の混合溶液にリンタングス
テン酸を加える際には、生成すると考えられるリンモリ
ブデン酸をドープしたシリカゲルの重量に対し、リンタ
ングステン酸の重量が45%なるように加えた。
【0114】共役ジエン単位と芳香族ビニル単位からな
るブロック共重合体のスルホン化物としてとしては、実
施例4と同じスルホン化したブタジエン−スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を用いた。上記で得たリンタ
ングステン酸をドープしたシリカゲルに、実施例4と同
様の方法でスルホン化物を加え、プロトン伝導体を得
た。
【0115】このようにして得たプロトン伝導体のイオ
ン伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果、8.
2×10-5S/cmの値を示した。またさらに実施例1
と同様に乾燥雰囲気下で保存した場合も伝導度の低下は
観測されなかった。
【0116】また、本実施例中で得たプロトン伝導体の
引っ張り強度を調べたところ、いずれのプロトン伝導体
も実施例4で得たものとほぼ同じ伸び率と引っ張り強度
を示した。
【0117】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性と加工性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度
の低下のないプロトン伝導体が得られることがわかっ
た。
【0118】(実施例9)本実施例においては、ブレー
ンステッド酸として実施例8で用いたリンタングステン
酸に代えてリン酸誘導体の一つであるリンモリブデン酸
(H3PMo124 0・29H2O)を用いた以外は、実施
例8と同様の方法でプロトン伝導体を合成し、そのイオ
ン伝導性を調べた。
【0119】その結果、イオン伝導率はポリイソプレン
のスルホン化率が高いものとなるにつれて高い値を示
し、スルホン化率が50%のポリイソプレンを用いた場
合の室温でのイオン伝導度は7.3×10-5S/cmの
値を示した。またさらに実施例4と同様に乾燥雰囲気下
で保存した場合も伝導度の低下は観測されなかった。
【0120】また、本実施例中で得たプロトン伝導体の
引っ張り強度を調べたところ、いずれのプロトン伝導体
も実施例4で得たものとほぼ同じ伸び率と引っ張り強度
を示した。
【0121】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性と加工性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度
の低下のないプロトン伝導体が得られることがわかっ
た。
【0122】(実施例10)本実施例においては、酸化
ケイ素を生成する原材料として実施例2で用いたTEO
Sに代えてシリコンイソプロポキシドを用いた以外は、
実施例2と同様の方法でプロトン伝導体を合成した。
【0123】このようにして得たプロトン伝導体のイオ
ン伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果、25
℃でのイオン伝導度は9.1×10-5S/cmの値を示
した。またさらに実施例1と同様に乾燥雰囲気下で保存
した場合も伝導度の低下は観測されなかった。
【0124】また、本実施例中で得たプロトン伝導体の
引っ張り強度を調べたところ、いずれのプロトン伝導体
も実施例2で得たものとほぼ同じ伸び率と引っ張り強度
を示した。
【0125】以上のように本発明によると、高いイオン
伝導性と加工性を示し、乾燥雰囲気下でもイオン伝導度
の低下のないプロトン伝導体が得られることがわかっ
た。
【0126】(実施例11)本実施例では、実施例4で
得たプロトン伝導体を用い、エレクトロクロミック表示
素子を構成した例について説明を行う。
【0127】エレクトロクロミック表示素子の表示極に
は酸化タングステン(WO3)薄膜を用いた。図3に示
すように、透明電極としてITO層1をスパッタ蒸着法
により表面に形成したガラス基板2上に、酸化タングス
テン薄膜3を電子ビーム蒸着法により形成した。
【0128】また、対極には以下の方法で得たプロトン
をドープした酸化タングステン(H xWO3)薄膜を用い
た。
【0129】まず、上記の表示極と同様にITO電極を
形成したガラス基板上に酸化タングステン薄膜を形成し
た。このガラス基板を塩化白金酸(H2PtCl6)水溶
液中に浸漬し、水素気流中で乾燥させることにより、酸
化タングステンをタングステンブロンズ(HxWO3)と
した。
【0130】エレクトロクロミック表示素子の電解質層
は以下の方法で形成した。まず、実施例1で得たリン酸
をドープしたシリカゲルに、実施例4で用いたスルホン
化率20%のブタジエン−スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の水添物のトルエン溶液を加えた。さらに、
この電解質層は、エレクトロクロミック表示素子の反射
板も兼ねるため、白色に着色させるために、アルミナ粉
末をシリカゲルに対して重量比で5%の割合で加えた。
この混合物をスラリー状となるまで混練し、ドクターブ
レード法により先に得た表示極の表面に50μmの厚さ
に塗布し電解質層とした。
【0131】このようにして得た電解質層を表面に形成
した表示極に、先に得た対極を電解質層を覆うようにか
ぶせ、さらに減圧下で溶媒を揮発させた。その断面図を
図4に示す。さらに、端面を紫外線硬化樹脂4で接着封
止し、エレクトロクロミック表示素子を得た。ただし、
図4中において5は表示極、6は対極、7は電解質層で
あり、8、9はリード端子である。
【0132】このようにして得たエレクトロクロミック
表示素子に対極に対して表示極に−1Vの電圧を2秒印
加し表示極を着色し、その後+1Vの電圧を2秒間印加
し消色する作動サイクル試験を行った。その結果、10
000サイクル経過後も性能の低下がなく発色・消色を
行うことができた。
【0133】以上のように本発明によるプロトン伝導体
を用いることにより、エレクトロクロミック表示素子が
得られることがわかった。
【0134】(実施例12)本実施例では、実施例4で
得たプロトン伝導体を用い、図5で示した断面をもつ酸
水素燃料電池を構成した例について説明を行う。
【0135】まず、実施例1で得たリン酸をドープした
シリカゲルに、実施例4で用いたスルホン化率20%の
ブタジエン−スチレン−ブタジエンブロック共重合体の
水添物のトルエン溶液を加えたものをスラリー状となる
まで混練し、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)板上に
ドクターブレード法により厚さ50μmの厚さに塗布し
た。さらに減圧下でトルエンを揮発させた後PTFE板
上より剥し、燃料電池用の電解質層を得た。
【0136】ガス拡散電極としてはE−Tech社製の
ガス拡散電極(白金担持量0.35mg/cm2)を用
いた。このガス拡散電極に上記の電解質層を形成したも
のと同じシリカゲルを分散させた実施例4で用いたスル
ホン化率20%のブタジエン−スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体の水添物のトルエン溶液を噴霧し、減圧
下で乾燥させ電極とした。この電極10、11で上記の
電解質層12をはさみ、150℃の温度でホットプレス
することで燃料電池を構成した。
【0137】このようにして得た燃料電池を図5で示し
たようにH2ガス導入孔13、燃料室14、H2ガス排出
孔15をもつステンレスブロックと、O2ガス導入孔1
6、酸素室17、O2ガス排出孔18をもつステンレス
ブロックとではさみ、全体を電気絶縁性材質(FRP)
製の締め付けロッド19、20で締め、試験用の燃料電
池とした。なお図5中、21はH2Oのドレイン、22
負極端子、23は正極端子である。
【0138】電池試験には、燃料極には3気圧に加圧し
た水素、空気極には5気圧に加圧した空気を通じ、出力
電流と電池電圧の関係を調べた。その結果得られた電圧
−電流曲線を図6に示す。
【0139】400mA/cm2の電流を取り出した際
も電池電圧は0.7Vの以上の電圧を維持しており、本
実施例により得られた燃料電池が優れた高出力特性を示
すことがわかった。
【0140】以上のように、本発明によるプロトン伝導
体を用いることで、優れた特性の燃料電池が得られるこ
とがわかった。
【0141】なお、本発明の実施例においては、共役ジ
エン単位と芳香族ビニル単位からなる共重合体のスルホ
ン化物として、スルホン化したスチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体、スルホン化したブタジエン
−スチレン−ブタジエンブロック共重合体を用いた例に
ついてのみ説明を行ったが、発明の実施の形態として記
載したように、スチレン−イソプレンブロック共重合体
などの実施例では説明を行わなかった他の重合体をスル
ホン化したものを用いた場合も同様の効果が得られるこ
とはいうまでもなく、本発明はスルホン基を側鎖に持つ
重合体としてこれら実施例に挙げたものに限定されるも
のではない。
【0142】また、本発明の実施例においては、ブレー
ンステッド酸としてリン酸、過塩素酸などを用いたもの
についてのみ説明を行ったが、その他ホウ酸、ケイ酸あ
るいはこれらのブレーンステッド酸を複数種用いた場合
も同様の効果が得られることもいうまでもなく、本発明
はブレーンステッド酸としてこれら実施例に挙げたブレ
ーンステッド酸にのみ限定されるものではない。
【0143】また、本発明の実施例においては、プロト
ン伝導体を用いた電気化学素子として、エレクトロクロ
ミック表示素子、燃料電池について説明を行ったが、そ
の他プロトンを反応イオン種とする、アルカリ蓄電池、
pHセンサー、電気二重層コンデンサなどの実施例では
説明を行わなかった電気化学素子を構成することができ
ることもいうまでもなく、本発明は電気化学素子として
これら実施例に挙げたものに限定されるものではない。
【0144】
【発明の効果】本発明により、酸化ケイ素とブレーンス
テッド酸を主体とする化合物、および共役ジエン単位と
芳香族ビニル単位からなるブロック共重合体のスルホン
化物よりプロトン伝導体を得ることで、乾燥雰囲気でも
低下しない高いイオン伝導性と、優れた加工性を兼ね備
えたプロトン伝導体を得ることができた。
【0145】また、そのプロトン伝導体を用いること
で、高性能な電気化学素子を構成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱温度とプロトン伝導体のイオン伝導度の関
係を示した図
【図2】ゾル中のTEOSに対するリン酸の比とプロト
ン伝導体のイオン伝導度との関係を示した図
【図3】本発明の一実施例におけるエレクトロクロミッ
ク表示素子の電極構成断面図
【図4】本発明の一実施例におけるエレクトロクロミッ
ク表示素子の構成断面図
【図5】本発明の一実施例における酸水素燃料電池の構
成断面図
【図6】本発明の一実施例における酸水素燃料電池の電
流−電圧特性を示した図
【符号の説明】
1 透明電極層(ITO層) 2 ガラス基板 3 酸化タングステン薄膜 4 封止樹脂 5 表示極 6 対極 7 電解質層 8、9 リード端子 10 燃料極 11 酸素極 12 電解質層 13 H2ガス導入孔 14 燃料室 15 H2ガス排出孔 16 O2ガス導入孔 17 酸素室 18 O2ガス排出孔 19、20 締め付けロッド 21 H2Oドレイン 22 負極端子 23 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 努 大阪府大阪狭山市大野台2丁目7番1号 (72)発明者 辰巳砂 昌弘 大阪府堺市丈六445番31号 (72)発明者 竹内 安正 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 別所 啓一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体
    とする化合物、および共役ジエン単位と芳香族ビニル単
    位からなるブロック共重合体のスルホン化物よりなるこ
    とを特徴とするプロトン伝導体。
  2. 【請求項2】 酸化ケイ素とブレーンステッド酸を主体
    とする化合物、および共役ジエン単位と芳香族ビニル単
    位からなるブロック共重合体の水添物のスルホン化物よ
    りなることを特徴とするプロトン伝導体。
  3. 【請求項3】 前記酸化ケイ素とブレーンステッド酸を
    主体とする化合物が、ゾル−ゲル法により合成されたも
    のであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の
    プロトン伝導体。
  4. 【請求項4】 前記ゾル−ゲル法により合成された酸化
    ケイ素とブレーンステッド酸を主体とする化合物が、1
    00℃以上200℃以下の温度で加熱されることを特徴
    とする請求項3記載のプロトン伝導体。
  5. 【請求項5】 前記ブレーンステッド酸が、リン酸ある
    いはその誘導体であることを特徴とする請求項1あるい
    は2に記載のプロトン伝導体。
  6. 【請求項6】 前記酸化ケイ素とブレーンステッド酸を
    主体とする化合物が、リン酸とシリコンアルコキシドを
    含むゾルより合成されたものであり、前記ゾルに含まれ
    るリン酸のシリコンアルコキシドに対する混合比が、モ
    ル比で0.5以下であることを特徴とする請求項1ある
    いは2に記載のプロトン伝導体。
  7. 【請求項7】 前記ブレーンステッド酸が、過塩素酸あ
    るいはその誘導体であることを特徴とする請求項1ある
    いは2に記載のプロトン伝導体。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載のプロ
    トン伝導体を用いた電気化学素子。
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