JP2002324558A - シリカゲル電解質膜およびその製造方法、ならびに燃料電池 - Google Patents

シリカゲル電解質膜およびその製造方法、ならびに燃料電池

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JP2002324558A JP2001129394A JP2001129394A JP2002324558A JP 2002324558 A JP2002324558 A JP 2002324558A JP 2001129394 A JP2001129394 A JP 2001129394A JP 2001129394 A JP2001129394 A JP 2001129394A JP 2002324558 A JP2002324558 A JP 2002324558A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゾルゲル法で作成したホスホシリケートゲル
の含有量が多く、固体電解質膜としての機能を備え、取
り扱いが容易なシリカゲル電解質膜とこれを用いた燃料
電池、そしてシリカゲル電解質膜の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ゾルゲル法で作られたホスホシリケート
ゲルと、高分子と、無機繊維(好ましくはセピオライ
ト)とを含有し、前記高分子に対する前記ホスホシリケ
ートゲルの含有比率が、300%(質量百分率)未満で
あるシリカゲル電解質膜とこれを用いた燃料電池であ
り、シリカゲル電解質膜の製造においては、上記の各成
分を所定量含有する液状組成物(塗布液)から膜状体を
得、これを硬化してシリカゲル電解質膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池の固体電
解質膜に使用されるシリカゲル電解質膜、特に直接形燃
料電池の固体電解質膜への使用が期待されるシリカゲル
電解質膜とその製造方法、さらにはそのシリカゲル電解
質膜を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子形燃料電池などではパーフル
オロスルホン酸系の高分子膜が固体電解質として使用さ
れているが、直接形メタノール燃料電池として使用する
と、燃料のメタノールが高分子膜の中を透過し(クロス
オーバー)、空気極または酸化極側で酸化されてしま
い、発電効率を著しく低下させる一因となっている。
【0003】こうした現象はパーフルオロスルホン酸系
高分子がメタノールに対する親和性がきわめて高いこと
により起こると考えられている。しかしながら、パーフ
ルオロスルホン酸系以外の高分子はプロトン伝導性を付
与すると、耐酸性、強度等の点から燃料電池用の固体電
解質膜として使用するレベルに達していないのが実状で
ある。
【0004】こうした欠点を克服するため、固体電解質
膜を無機物から構成するアプローチも試みられている
(特開2000−357524号など)。すなわち、プ
ロトン伝導性シリカゲルを高温(500〜800℃程
度)で焼結し、研磨し燃料電池用固体電解質としてい
る。しかし、無機物だけでは柔軟性に欠け、抵抗低減の
ために薄くするときわめて割れやすくなり、ハンドリン
グや、取り扱いが困難になる。また、高温で焼結するた
め、どうしても、プロトン伝導性が低下してしまいがち
である。
【0005】こうした欠点を克服するため、高分子成分
との複合化も提案されているが、プロトン伝導性シリカ
ゲルを多量に含むシートを成形するのは困難であった。
【0006】薄いシート状に成形するためには、シリカ
ゲル粉末を高分子成分と混合してドクターブレード法
や、キャスト法などで成形することになる。
【0007】従来、ゾルゲル法で作成したシリカゲルを
含むシートを作成しようとした場合、シリカゲル分を3
%(質量百分率)以下にしないと膜にならない。シリカ
ゲル分が多くなると、シート成形した後乾燥や加熱によ
り高分子成分を重合や架橋するが、シリカゲル分を増や
すと、細かくひび割れをおこしてしまい膜として得るこ
とができない。
【0008】これは理由は定かではないが、ゾルゲル合
成のシリカゲルは非常に比表面積が大きいため、高分子
成分がシリカゲルに吸着されてしまい、高分子成分がバ
インダーの役目を果たすことができなくなり、あまり多
くのシリカゲル分を添加することができないためと考え
られる。
【0009】このような実状から、手軽な取扱いがで
き、固体電解質膜としての機能にも優れる成形シートを
得ることが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゾル
ゲル法で作成したホスホシリケートゲルの含有量が多
く、固体電解質膜としての十分な機能を示し、取り扱い
が容易なシリカゲル電解質膜とこれを用いた燃料電池を
提供することである。そして、さらには、ゾルゲル法で
作成したホスホシリケートゲルの含有量が多い場合であ
っても膜質の良好な膜状体を得ることが可能なシリカゲ
ル電解質膜の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明によって達成される。 (1) ゾルゲル法で作られたホスホシリケートゲル
と、高分子と、無機繊維とを含有し、前記高分子に対す
る前記ホスホシリケートゲルの含有比率が、300%
(質量百分率)未満であるシリカゲル電解質膜。 (2) 前記高分子に対する前記ホスホシリケートゲル
の含有比率が5〜250%(質量百分率)である上記
(1)のシリカゲル電解質膜。 (3) 前記無機繊維がセピオライトである上記(1)
または(2)のシリカゲル電解質膜。 (4) 前記無機繊維の含有量が5〜60%(質量百分
率)である上記(1)〜(3)のいずれかのシリカゲル
電解質膜。 (5) 膜厚が5〜200μm である上記(1)〜
(4)のいずれかのシリカゲル膜。 (6) 上記(1)〜(5)のいずれかのシリカゲル電
解質膜を製造する際、ゾルゲル法で作られたホスホシリ
ケートゲルと高分子と無機繊維とを含有し、かつ前記高
分子固形分に対して前記ホスホシリケートゲルを300
%(質量百分率)未満の比率で添加した液状組成物から
膜状体を得、これを硬化するシリカゲル電解質膜の製造
方法。 (7) 前記液状組成物中の無機繊維の添加量が1〜2
0%(質量百分率)である上記(6)のシリカゲル電解
質膜の製造方法。 (8) 前記硬化を乾燥または加熱により行う上記
(6)または(7)のシリカゲル電解質膜の製造方法。 (9) 上記(1)〜(5)のいずれかのシリカゲル電
解質膜を用いた燃料電池。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシリカゲル電解質膜は、ホスホシリケートゲル
と、高分子と、無機繊維とを含有するが、これらの成分
からなることが好ましい。このように、無機繊維を添加
することにより、成形による膜状体を得ることができ
る。このため、プロトン伝導性に優れたホスホシリケー
トゲルを、取り扱いやすいシート状の固体電解質として
使用することが可能になる。高分子に対するホスホシリ
ケートゲルの含有比率は、シート状のようなホスホシリ
ケートゲル膜の形状を維持するために、300%(質量
百分率)未満であり、好ましくは5〜250%(質量百
分率)、より好ましくは10〜200%(質量百分率)
である。使用目的からは、機能物質であるホスホシリケ
ートゲルの含有量は多いほど好ましいが、無機繊維を添
加し、これにより膜状態の保持が可能な範囲として選択
されたのが、上記範囲である。これに対し、上記比率が
300%(質量百分率)をこえると、無機繊維の添加に
よっても膜形成が困難になったり、あるいは膜を形成で
きたとしても粉落ちや亀裂が生じたりして良質な膜が得
られなくなる。
【0013】また、本発明では、ゾルゲル法で作成した
ホスホシリケートゲルを用いるが、これは、ゾルゲル法
によれば、プロトン伝導性を付与するのに十分なP量の
導入が可能になるからである。また、ゾルゲル法では比
表面積の大きいものが得られる。
【0014】このようなホスホシリケートゲルを作成す
るためのゾルゲル法は、いずれであってもよいが、例え
ば、アルコキシシラン(例えばテトラエトキシシラン)
とアルコール(例えばエチルアルコール)の混合溶液
に、水と触媒の無機酸(例えば塩酸)を滴下し、その
後、この液にリン酸を滴下する方法、などを用いること
ができる。この場合、添加するアルコキシシランとリン
酸の比率は、Si1モルに対し、Pが3モル以下である
ことが好ましく、より好ましくはPが0.5〜2モルで
ある。このようなP量とすることで、プロトン伝導性が
十分になる。これに対し、P量が少なくなると、プロト
ン伝導性の機能が十分に発揮しえず、多くなると、Pの
固定が不充分となり、リン酸を使用した場合、空気中の
湿度を吸収して容易にリン酸が流出してしまい、湿度に
対する安定性が悪くなる。
【0015】なお、得られたゲルは、100〜200℃
で熱処理を行って、安定化させることが好ましい。
【0016】このようにして得られたホスホシリケート
ゲルは、粉砕されて使用される。粉砕されたホスホシリ
ケートゲルは、その平均粒径が球換算径で10μm 以下
であることが好ましく、より好ましくは1μm 以下であ
る。その下限に特に制限はないが、通常、0.01μm
以上であることが好ましい。また、比表面積は100m2
/g以上であることが好ましい。その上限に特に制限はな
いが、通常、1000m2/g以下である。平均細孔径は3
〜100nmであることが好ましい。このような性状のホ
スホシリケートゲルを用いることによって、固体電解質
膜としての使用に適したものとなる。
【0017】なお、本発明では、高分子等で膜強度を得
ることができるため、ホスホシリケートゲルの強度に関
してはそれほど要求されないので、熱処理温度を低くし
てもかまわず、熱処理温度の上昇によるプロトン伝導性
の劣化の防止を図ることができる。
【0018】また、上記のシリカゲルに関する特性値
は、窒素吸着法によって測定することができる。
【0019】一方、本発明の無機繊維としてはセピオラ
イトを用いることが好ましい。セピオライトは鎖状粘土
鉱物として知られている含水マグネシウム珪酸で、水や
有機溶媒に分散して大きなチクソトロピーを示すことで
知られている。すなわち、水やアルコールなどの親水性
溶媒、トルエン等の有機溶媒において、せん断力がかか
っているときは流れやすく、静止すると高粘性を示す。
このため、水分散型のエマルジョンタイプの高分子を用
いることも、トルエン等の有機溶媒に溶解するようなタ
イプの高分子を用いることもでき、膜状体を形成する際
の液状組成物(塗布液)調製において、溶媒により高分
子の選択の幅が狭まることはない。なお、有機溶媒を用
いるときは、チクソトロピーを発現させる上で、界面活
性剤を添加する方がよい。
【0020】セピオライトは、水等の溶媒中で分散懸濁
して用いられ、分散懸濁により、平均径0.005〜
0.05μm 、平均長さ1〜5μm の繊維状粒子で存在
する。
【0021】したがって、得られた膜においても、セピ
オライトはこの形状をほぼ維持して存在する。
【0022】なお、セピオライトは、本発明において、
膜状体形成のための液状組成物(塗布液)では、主に、
粘性調節剤として、また、得られた膜では、主に、ホス
ホシリケートゲルと高分子との結着を良化し、膜を補強
する補強剤として機能する。
【0023】得られた膜中におけるセピオライトの含有
量は5〜60%(質量百分率)が好ましく、より好まし
くは10〜50%(質量百分率)であり、特に好ましく
は15〜40%(質量百分率)である。このような含有
量とすることで、良好な膜質のシリカゲル電解質膜が得
られる。これに対し、セピオライトの含有量が少なくな
ると、膜化が困難になるか、あるいは、膜を形成できた
としても亀裂が生じたりで良質な膜が得られなくなる。
また、セピオライトの含有量が多くなると、膜形成が困
難になるか、あるいは膜を形成できたとしても、高分子
量が少なくなって、必要量確保できなくなると粉落ちな
どが生じて膜質が悪化したりするか、ホスホシリケート
ゲル量が少なくなると機能が低下してしまう。
【0024】また、本発明に用いる高分子は、ホスホシ
リケートゲルを良く分散し、ホスホシリケートゲルのプ
ロトン伝導性の機能を低下させないものであれば特に制
限はない。特に、硬化により、耐水性が向上するような
高分子が好ましい。硬化は、乾燥、加熱、電子線のいず
れの方法であってもよいが、加熱(乾燥も含む)硬化が
一般的である。ただし、リン酸は紫外線を吸収する性質
をもつので、紫外線による硬化は用いない。そのような
高分子としては、親水性共重合ポリエステルのようなエ
マルジョン、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリエステルウレタン樹脂などが挙げ
られる。
【0025】これらの高分子の硬化前の分子量は、数平
均分子量Mnで3,000〜100,000である。
【0026】なお、シリカゲル電解質膜における高分子
の含有量は前記のとおりである。
【0027】本発明のシリカゲル電解質膜は、ホスホシ
リケートゲル、高分子および無機繊維を所定量含有し、
必要に応じて、溶媒を添加した液状組成物、すなわち塗
布液から形成される。この場合のホスホシリケートゲル
の添加量は、前述の膜中の含有量に応じて、高分子の固
形分に対して300%(質量百分率)未満であり、好ま
しくは5〜250%(質量百分率)、より好ましくは1
0〜200%(質量百分率)である。このような添加量
とすることで、膜化が容易になり、しかも良質な膜の形
成が可能になる。これに対し、ホスホシリケートゲルの
添加量が300%(質量百分率)以上となると、膜化が
困難になり、また、膜を形成できたとしても、良質の膜
が得られない。
【0028】また、無機繊維の添加量は、塗布液の1〜
20%(質量百分率)が好ましい。このような添加量で
膜形成が容易になり、かつ良質の膜が得られる。これに
対し、添加量が少なくなると、添加効果が得られなくな
り、多くなるとチクソトロピーが大きくなりすぎて流動
性がなくなり、成膜困難となる。より好ましくは2〜1
0%(質量百分率)である。なお、ここでの添加量
(%)はホスホシリケートゲル成分を除外して計算した
値である。
【0029】必要に応じて添加される溶媒は、高分子等
に応じて選択され、適度な粘性を得るために必要量添加
される。通常、水などが用いられる。
【0030】塗布液により塗膜を形成する際の塗布方法
に特に制限はないが、ドクターブレード法、キャスト法
などが用いられる。
【0031】その後、塗膜は硬化される。硬化は高分
子、等に応じ、乾燥、加熱、電子線、などにより行えば
よい。
【0032】そして、必要に応じ、このようにして得ら
れた硬化膜を支持体から剥離する。
【0033】シリカゲル電解質膜の膜厚は、5〜200
μm の範囲であることが好ましい。薄くなると、均一な
成膜が困難になり、厚くなると膜抵抗が大きくなる。
【0034】本発明のシリカゲル電解質膜は、燃料電池
の固体電解質の膜に使用される。特に、燃料アルコール
から水素を得る「改質」操作をしないで、電極触媒で直
接プロトンを得る、直接メタノール形燃料電池(直接形
燃料電池ともいう。)の固体電解質膜への使用が期待さ
れる。燃料電池は、化学反応の自由エネルギー変化を直
接に電気エネルギーに変換する装置であり、負極に燃料
を、また正極に燃料を酸化する物質をそれぞれ連続的に
供給して発電するものである。その構造は、固体電解質
膜を使用する場合、固体電解質膜を負極(燃料極)と正
極(酸化剤極)とで挟持したものとなるが、この固体電
解質膜に本発明のシリカゲル電解質膜を用いる。
【0035】本発明の燃料電池は、シリカゲル電解質膜
を固体電解質膜とするほかは、公知の燃料電池と同様に
してよく、特に制限はない。例えば、燃料極と酸化剤極
とからなる対向電極のほかに、さらにカーボンペーパー
などの導電膜からなる集電体が取り付けられる。また、
燃料極には水素や、メタノールなどのアルコール類など
のガス燃料あるいは液体燃料が供給され、酸化剤極に
は、酸素ガスや空気などの酸化剤ガスを供給する。上記
の燃料電池で使用される燃料極あるいは酸化剤極は特に
限定されない。例えば、白金担持カーボンブラック粉末
をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水
性樹脂結着材で保持させた多孔質シートが使用できる。
この多孔質シートはガス拡散電極としてホットプレス法
等によりシリカゲル電解質膜に接合される。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。比較例を併記する。まず、以下の実施例および比
較例で使用するシリカゲルの作成法を示す。
【0037】<ホスホシリケートゲルの作成>テトラエ
トキシシラン1モル、エチルアルコール4モルの混合溶
液をスターラーで撹拌しながら、水8モル、塩酸0.0
1モルの混合水溶液を数滴ずつ添加した。水溶液全量を
滴下した後、リン酸1.5モルを滴下し、リン酸滴下後
も30分〜1時間程度撹拌を続け、その後容器にラップ
をし、エチルアルコールの蒸発を防ぎ、ゲル化させた。
一日ほどでゲル化が始まり、約10日ほどでゲルが収縮
した。容器内の溶液成分が全部蒸発したところでゲルを
取り出し、100〜200℃で熱処理を行い、ゲルを安
定化させた。このゲルを粉砕した。
【0038】この粉砕粉の平均粒径(球換算径)は1μ
m であり、比表面積は120m2/g、平均細孔径は10nm
であった。
【0039】実施例1 親水性共重合ポリエステル(水分散液:固形分30%
(質量百分率):Mn20,000)100部、ホスホシリケ
ートゲル60部(親水性共重合ポリエステル固形分の2
00%(質量百分率))、セピオライト5部、水50部
を良く混合し、塗布液を得た。なお、ここでの部数は質
量によるものである。また、塗布液中のセピオライト
は、電子顕微鏡観察による測定によれば、平均径0.0
1μm で平均長さ3μm の繊維状粒子であった。
【0040】この塗布液をドクターブレード法でテフロ
ン(登録商標)板上に成膜し、室温(25℃)で3時間
放置して乾燥させた。乾燥後、膜を剥がすと厚さ約10
0μm のシートが得られた。
【0041】実施例2 実施例1において、セピオライト40部、水500部と
した塗布液を用いる以外は同様にしてシートを作成した
ところ、実施例1と同様のシートを作成することができ
た。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0042】実施例3 実施例1において、ホスホシリケートゲル30部、セピ
オライト12部、水500部とした塗布液を用いる以外
は同様にしてシートを作成したところ、実施例1と同様
のシートを作成することができた。なお、ここでの部数
は質量によるものである。
【0043】実施例4 ポリアミドエポキシ樹脂(水分散液:固形分30%(質
量百分率):Mn5,000)100部、ホスホシリケート
ゲル60部(ポリアミドエポキシ樹脂固形分の200%
(質量百分率))、セピオライト5部、水50部を良く
混合し、塗布液を得た。なお、ここでの部数は質量によ
るものである。また、塗布液中のセピオライトは実施例
1と同じであった。
【0044】この塗布液をドクターブレード法でテフロ
ン(登録商標)板上に成膜し、150℃30分の硬化を
行った。硬化後、膜を剥がすと厚さ約100μm のシー
トが得られた。
【0045】実施例5 実施例4において、高分子としてメラミン樹脂(水分散
液:固形分30%(質量百分率):Mn10,000)を使っ
た以外は同様にしてシートを作成した。硬化後、膜を剥
がすと厚さ約100μm のシートが得られた。
【0046】実施例6 実施例4において、高分子としてポリアミド樹脂(水分
散液:固形分30%(質量百分率):Mn10,000)を使
った以外は同様にしてシートを作成した。硬化後、膜を
剥がすと厚さ約100μm のシートが得られた。
【0047】比較例1 親水性共重合ポリエステル(実施例1と同じもの)10
0部、ホスホシリケートゲル10部、水50部を良く混
合した塗布液を用い、それ以外は実施例1と同様にし
て、ドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に
成膜し乾燥させた。乾燥後、膜は細かくひび割れ、テフ
ロン(登録商標)板から剥がすことはできなかった。な
お、ここでの部数は質量によるものである。
【0048】比較例2 親水性共重合ポリエステル(実施例1と同じもの)10
0部、ホスホシリケートゲル60部、水50部を良く混
合した塗布液を用い、それ以外は実施例1と同様にし
て、ドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に
成膜し乾燥させた。乾燥後、膜は細かくひび割れ、テフ
ロン(登録商標)板から剥がすことはできなかった。な
お、ここでの部数は質量によるものである。
【0049】比較例3 ポリアミドエポキシ樹脂(実施例4と同じもの)100
部、ホスホシリケートゲル60部、水50部を良く混合
した塗布液を用い、ドクターブレード法でテフロン(登
録商標)板上に成膜し150℃30分の硬化を行った。
硬化後、膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)板
から剥がすことはできなかった。なお、ここでの部数は
質量によるものである。
【0050】比較例4 比較例3において、高分子としてメラミン樹脂(実施例
5と同じもの)を使った以外は同様にしてシートの作成
を試みた。膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)
板から剥がすことができなかった。
【0051】比較例5 比較例3において、高分子としてポリアミド樹脂(実施
例6と同じもの)を使った以外は同様にしてシートの作
成を試みた。膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商
標)板から剥がすことはできなかった。
【0052】比較例6 親水性共重合ポリエステル(実施例1と同じもの)10
0部、ホスホシリケートゲル90部(親水性共重合ポリ
エステル固形分の300%(質量百分率))、セピオラ
イト5部、水50部を良く混合した塗布液を用い、それ
以外は実施例1と同様にして、ドクターブレード法でテ
フロン(登録商標)板上に成膜し乾燥させた。乾燥後、
膜を剥がそうとすると樹脂分が少ないため、膜として剥
がすことはできなかった。なお、ここでの部数は質量に
よるものである。
【0053】実施例7 白金担持したカーボンブラックを塗布した多孔質カーボ
ン製ガス拡散電極板間に、実施例1〜6で得られた各シ
リカゲル電解質膜をはさみ、6種の評価用燃料電池を組
み立て、燃料として湿潤水素、酸化剤として乾燥空気を
通気させ、各燃料電池特性を測定したところ、いずれも
開放電圧0.8V、短絡電流100mAが得られた。
【0054】なお、上記の電極は、厚さ1mm、気孔率5
0%の多孔質カーボンシートに、Ptを担持したカーボ
ンブラック50部とPEFE50部とから形成された、
厚さ150μm の塗膜を有するガス拡散電極(Pt担持
量0.5mg/cm2)である。なお、ここでの部数は質量に
よるものである。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ゾルゲル法で作られた
ホスホシリケートゲルを高分子成分で膜状に成形する場
合、無機繊維を添加したことにより、容易に、膜質が良
好で、固体電解質膜としての機能を発揮するシリカゲル
電解質膜を作ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾルゲル法で作られたホスホシリケート
    ゲルと、高分子と、無機繊維とを含有し、前記高分子に
    対する前記ホスホシリケートゲルの含有比率が、300
    %(質量百分率)未満であるシリカゲル電解質膜。
  2. 【請求項2】 前記高分子に対する前記ホスホシリケー
    トゲルの含有比率が5〜250%(質量百分率)である
    請求項1のシリカゲル電解質膜。
  3. 【請求項3】 前記無機繊維がセピオライトである請求
    項1または2のシリカゲル電解質膜。
  4. 【請求項4】 前記無機繊維の含有量が5〜60%(質
    量百分率)である請求項1〜3のいずれかのシリカゲル
    電解質膜。
  5. 【請求項5】 膜厚が5〜200μm である請求項1〜
    4のいずれかのシリカゲル膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかのシリカゲル電
    解質膜を製造する際、ゾルゲル法で作られたホスホシリ
    ケートゲルと高分子と無機繊維とを含有し、かつ前記高
    分子固形分に対して前記ホスホシリケートゲルを300
    %(質量百分率)未満の比率で添加した液状組成物から
    膜状体を得、これを硬化するシリカゲル電解質膜の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記液状組成物中の無機繊維の添加量が
    1〜20%(質量百分率)である請求項6のシリカゲル
    電解質膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記硬化を乾燥または加熱により行う請
    求項6または7のシリカゲル電解質膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかのシリカゲル電
    解質膜を用いた燃料電池。
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