JP4956866B2 - シリカゲル電解質膜およびその製造方法、ならびに燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の固体電解質膜に使用されるシリカゲル電解質膜、特に直接形燃料電池の固体電解質膜への使用が期待されるシリカゲル電解質膜とその製造方法、さらにはそのシリカゲル電解質膜を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子形燃料電池などではパーフルオロスルホン酸系の高分子膜が固体電解質として使用されているが、直接形メタノール燃料電池として使用すると、燃料のメタノールが高分子膜の中を透過し(クロスオーバー)、空気極または酸化極側で酸化されてしまい、発電効率を著しく低下させる一因となっている。
【0003】
こうした現象はパーフルオロスルホン酸系高分子がメタノールに対する親和性がきわめて高いことにより起こると考えられている。しかしながら、パーフルオロスルホン酸系以外の高分子はプロトン伝導性を付与すると、耐酸性、強度等の点から燃料電池用の固体電解質膜として使用するレベルに達していないのが実状である。
【0004】
こうした欠点を克服するため、固体電解質膜を無機物から構成するアプローチも試みられている(特開2000−357524号など)。すなわち、プロトン伝導性シリカゲルを高温(500〜800℃程度)で焼結し、研磨し燃料電池用固体電解質としている。しかし、無機物だけでは柔軟性に欠け、抵抗低減のために薄くするときわめて割れやすくなり、ハンドリングや、取り扱いが困難になる。また、高温で焼結するため、どうしても、プロトン伝導性が低下してしまいがちである。
【0005】
こうした欠点を克服するため、高分子成分との複合化も提案されているが、プロトン伝導性シリカゲルを多量に含むシートを成形するのは困難であった。
【0006】
薄いシート状に成形するためには、シリカゲル粉末を高分子成分と混合してドクターブレード法や、キャスト法などで成形することになる。
【0007】
従来、ゾルゲル法で作成したシリカゲルを含むシートを作成しようとした場合、シリカゲル分を3%(質量百分率)以下にしないと膜にならない。シリカゲル分が多くなると、シート成形した後乾燥や加熱により高分子成分を重合や架橋するが、シリカゲル分を増やすと、細かくひび割れをおこしてしまい膜として得ることができない。
【0008】
これは理由は定かではないが、ゾルゲル合成のシリカゲルは非常に比表面積が大きいため、高分子成分がシリカゲルに吸着されてしまい、高分子成分がバインダーの役目を果たすことができなくなり、あまり多くのシリカゲル分を添加することができないためと考えられる。
【0009】
このような実状から、手軽な取扱いができ、固体電解質膜としての機能にも優れる成形シートを得ることが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゾルゲル法で作成したホスホシリケートゲルの含有量が多く、固体電解質膜としての十分な機能を示し、取り扱いが容易なシリカゲル電解質膜とこれを用いた燃料電池を提供することである。そして、さらには、ゾルゲル法で作成したホスホシリケートゲルの含有量が多い場合であっても膜質の良好な膜状体を得ることが可能なシリカゲル電解質膜の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明によって達成される。
(1) ゾルゲル法で作られたホスホシリケートゲル粉と、鎖状粘土鉱物粉とが高分子中に分散し、前記高分子は、親水性共重合ポリエステル、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステルウレタン樹脂のうちのいずれか1種からなり、前記高分子に対する前記ホスホシリケートゲル粉の含有比率が、300%(質量百分率)未満であるシリカゲル電解質膜。
(2) 前記高分子に対する前記ホスホシリケートゲル粉の含有比率が5〜250%(質量百分率)である(1)のシリカゲル電解質膜。
(3) 前記鎖状粘土鉱物がセピオライトである(1)または(2)のシリカゲル電解質膜。
(4) 前記鎖状粘土鉱物の含有量が5〜60%(質量百分率)である(1)〜(3)のいずれかのシリカゲル電解質膜。
(5) 膜厚が5〜200μm である(1)〜(4)のいずれかのシリカゲル電解質膜。
(6) ゾルゲル法で作られたホスホシリケートゲルを粉砕し、粉末状のホスホシリケートゲル粉を準備する工程と、前記ホスホシリケートゲル粉と、高分子と、鎖状粘土鉱物粉とを混合し、液状組成物とする工程と、前記液状組成物を乾燥し、膜状体を得、これを硬化する工程とを有し、前記高分子は、親水性共重合ポリエステル、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステルウレタン樹脂のうちのいずれか1種からなり、前記液状組成物は、前記高分子固形分に対して前記ホスホシリケートゲル粉が300%(質量百分率)未満の比率で添加されていることを特徴とするシリカゲル電解質膜の製造方法。
(7) 前記液状組成物中の鎖状粘土鉱物粉の添加量が1〜20%(質量百分率)である(6)のシリカゲル電解質膜の製造方法。
(8) 前記硬化を乾燥または加熱により行う(6)または(7)のシリカゲル電解質膜の製造方法。
(9) (1)〜(5)のいずれかのシリカゲル電解質膜を用いた燃料電池。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシリカゲル電解質膜は、ホスホシリケートゲルと、高分子と、無機繊維とを含有するが、これらの成分からなることが好ましい。このように、無機繊維を添加することにより、成形による膜状体を得ることができる。このため、プロトン伝導性に優れたホスホシリケートゲルを、取り扱いやすいシート状の固体電解質として使用することが可能になる。高分子に対するホスホシリケートゲルの含有比率は、シート状のようなホスホシリケートゲル膜の形状を維持するために、300%(質量百分率)未満であり、好ましくは5〜250%(質量百分率)、より好ましくは10〜200%(質量百分率)である。使用目的からは、機能物質であるホスホシリケートゲルの含有量は多いほど好ましいが、無機繊維を添加し、これにより膜状態の保持が可能な範囲として選択されたのが、上記範囲である。これに対し、上記比率が300%(質量百分率)をこえると、無機繊維の添加によっても膜形成が困難になったり、あるいは膜を形成できたとしても粉落ちや亀裂が生じたりして良質な膜が得られなくなる。
【0013】
また、本発明では、ゾルゲル法で作成したホスホシリケートゲルを用いるが、これは、ゾルゲル法によれば、プロトン伝導性を付与するのに十分なP量の導入が可能になるからである。また、ゾルゲル法では比表面積の大きいものが得られる。
【0014】
このようなホスホシリケートゲルを作成するためのゾルゲル法は、いずれであってもよいが、例えば、アルコキシシラン(例えばテトラエトキシシラン)とアルコール(例えばエチルアルコール)の混合溶液に、水と触媒の無機酸(例えば塩酸)を滴下し、その後、この液にリン酸を滴下する方法、などを用いることができる。この場合、添加するアルコキシシランとリン酸の比率は、Si1モルに対し、Pが3モル以下であることが好ましく、より好ましくはPが0.5〜2モルである。このようなP量とすることで、プロトン伝導性が十分になる。これに対し、P量が少なくなると、プロトン伝導性の機能が十分に発揮しえず、多くなると、Pの固定が不充分となり、リン酸を使用した場合、空気中の湿度を吸収して容易にリン酸が流出してしまい、湿度に対する安定性が悪くなる。
【0015】
なお、得られたゲルは、100〜200℃で熱処理を行って、安定化させることが好ましい。
【0016】
このようにして得られたホスホシリケートゲルは、粉砕されて使用される。粉砕されたホスホシリケートゲルは、その平均粒径が球換算径で10μm 以下であることが好ましく、より好ましくは1μm 以下である。その下限に特に制限はないが、通常、0.01μm 以上であることが好ましい。また、比表面積は100m2/g以上であることが好ましい。その上限に特に制限はないが、通常、1000m2/g以下である。平均細孔径は3〜100nmであることが好ましい。このような性状のホスホシリケートゲルを用いることによって、固体電解質膜としての使用に適したものとなる。
【0017】
なお、本発明では、高分子等で膜強度を得ることができるため、ホスホシリケートゲルの強度に関してはそれほど要求されないので、熱処理温度を低くしてもかまわず、熱処理温度の上昇によるプロトン伝導性の劣化の防止を図ることができる。
【0018】
また、上記のシリカゲルに関する特性値は、窒素吸着法によって測定することができる。
【0019】
一方、本発明の無機繊維としてはセピオライトを用いることが好ましい。セピオライトは鎖状粘土鉱物として知られている含水マグネシウム珪酸で、水や有機溶媒に分散して大きなチクソトロピーを示すことで知られている。すなわち、水やアルコールなどの親水性溶媒、トルエン等の有機溶媒において、せん断力がかかっているときは流れやすく、静止すると高粘性を示す。このため、水分散型のエマルジョンタイプの高分子を用いることも、トルエン等の有機溶媒に溶解するようなタイプの高分子を用いることもでき、膜状体を形成する際の液状組成物(塗布液)調製において、溶媒により高分子の選択の幅が狭まることはない。なお、有機溶媒を用いるときは、チクソトロピーを発現させる上で、界面活性剤を添加する方がよい。
【0020】
セピオライトは、水等の溶媒中で分散懸濁して用いられ、分散懸濁により、平均径0.005〜0.05μm 、平均長さ1〜5μm の繊維状粒子で存在する。
【0021】
したがって、得られた膜においても、セピオライトはこの形状をほぼ維持して存在する。
【0022】
なお、セピオライトは、本発明において、膜状体形成のための液状組成物(塗布液)では、主に、粘性調節剤として、また、得られた膜では、主に、ホスホシリケートゲルと高分子との結着を良化し、膜を補強する補強剤として機能する。
【0023】
得られた膜中におけるセピオライトの含有量は5〜60%(質量百分率)が好ましく、より好ましくは10〜50%(質量百分率)であり、特に好ましくは15〜40%(質量百分率)である。このような含有量とすることで、良好な膜質のシリカゲル電解質膜が得られる。これに対し、セピオライトの含有量が少なくなると、膜化が困難になるか、あるいは、膜を形成できたとしても亀裂が生じたりで良質な膜が得られなくなる。また、セピオライトの含有量が多くなると、膜形成が困難になるか、あるいは膜を形成できたとしても、高分子量が少なくなって、必要量確保できなくなると粉落ちなどが生じて膜質が悪化したりするか、ホスホシリケートゲル量が少なくなると機能が低下してしまう。
【0024】
また、本発明に用いる高分子は、ホスホシリケートゲルを良く分散し、ホスホシリケートゲルのプロトン伝導性の機能を低下させないものであれば特に制限はない。特に、硬化により、耐水性が向上するような高分子が好ましい。硬化は、乾燥、加熱、電子線のいずれの方法であってもよいが、加熱(乾燥も含む)硬化が一般的である。ただし、リン酸は紫外線を吸収する性質をもつので、紫外線による硬化は用いない。そのような高分子としては、親水性共重合ポリエステルのようなエマルジョン、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステルウレタン樹脂などが挙げられる。
【0025】
これらの高分子の硬化前の分子量は、数平均分子量Mnで3,000〜100,000である。
【0026】
なお、シリカゲル電解質膜における高分子の含有量は前記のとおりである。
【0027】
本発明のシリカゲル電解質膜は、ホスホシリケートゲル、高分子および無機繊維を所定量含有し、必要に応じて、溶媒を添加した液状組成物、すなわち塗布液から形成される。この場合のホスホシリケートゲルの添加量は、前述の膜中の含有量に応じて、高分子の固形分に対して300%(質量百分率)未満であり、好ましくは5〜250%(質量百分率)、より好ましくは10〜200%(質量百分率)である。このような添加量とすることで、膜化が容易になり、しかも良質な膜の形成が可能になる。これに対し、ホスホシリケートゲルの添加量が300%(質量百分率)以上となると、膜化が困難になり、また、膜を形成できたとしても、良質の膜が得られない。
【0028】
また、無機繊維の添加量は、塗布液の1〜20%(質量百分率)が好ましい。このような添加量で膜形成が容易になり、かつ良質の膜が得られる。これに対し、添加量が少なくなると、添加効果が得られなくなり、多くなるとチクソトロピーが大きくなりすぎて流動性がなくなり、成膜困難となる。より好ましくは2〜10%(質量百分率)である。なお、ここでの添加量(%)はホスホシリケートゲル成分を除外して計算した値である。
【0029】
必要に応じて添加される溶媒は、高分子等に応じて選択され、適度な粘性を得るために必要量添加される。通常、水などが用いられる。
【0030】
塗布液により塗膜を形成する際の塗布方法に特に制限はないが、ドクターブレード法、キャスト法などが用いられる。
【0031】
その後、塗膜は硬化される。硬化は高分子、等に応じ、乾燥、加熱、電子線、などにより行えばよい。
【0032】
そして、必要に応じ、このようにして得られた硬化膜を支持体から剥離する。
【0033】
シリカゲル電解質膜の膜厚は、5〜200μm の範囲であることが好ましい。薄くなると、均一な成膜が困難になり、厚くなると膜抵抗が大きくなる。
【0034】
本発明のシリカゲル電解質膜は、燃料電池の固体電解質の膜に使用される。特に、燃料アルコールから水素を得る「改質」操作をしないで、電極触媒で直接プロトンを得る、直接メタノール形燃料電池(直接形燃料電池ともいう。)の固体電解質膜への使用が期待される。燃料電池は、化学反応の自由エネルギー変化を直接に電気エネルギーに変換する装置であり、負極に燃料を、また正極に燃料を酸化する物質をそれぞれ連続的に供給して発電するものである。その構造は、固体電解質膜を使用する場合、固体電解質膜を負極(燃料極)と正極(酸化剤極)とで挟持したものとなるが、この固体電解質膜に本発明のシリカゲル電解質膜を用いる。
【0035】
本発明の燃料電池は、シリカゲル電解質膜を固体電解質膜とするほかは、公知の燃料電池と同様にしてよく、特に制限はない。例えば、燃料極と酸化剤極とからなる対向電極のほかに、さらにカーボンペーパーなどの導電膜からなる集電体が取り付けられる。また、燃料極には水素や、メタノールなどのアルコール類などのガス燃料あるいは液体燃料が供給され、酸化剤極には、酸素ガスや空気などの酸化剤ガスを供給する。上記の燃料電池で使用される燃料極あるいは酸化剤極は特に限定されない。例えば、白金担持カーボンブラック粉末をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性樹脂結着材で保持させた多孔質シートが使用できる。この多孔質シートはガス拡散電極としてホットプレス法等によりシリカゲル電解質膜に接合される。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。比較例を併記する。
まず、以下の実施例および比較例で使用するシリカゲルの作成法を示す。
【0037】
<ホスホシリケートゲルの作成>
テトラエトキシシラン1モル、エチルアルコール4モルの混合溶液をスターラーで撹拌しながら、水8モル、塩酸0.01モルの混合水溶液を数滴ずつ添加した。水溶液全量を滴下した後、リン酸1.5モルを滴下し、リン酸滴下後も30分〜1時間程度撹拌を続け、その後容器にラップをし、エチルアルコールの蒸発を防ぎ、ゲル化させた。一日ほどでゲル化が始まり、約10日ほどでゲルが収縮した。容器内の溶液成分が全部蒸発したところでゲルを取り出し、100〜200℃で熱処理を行い、ゲルを安定化させた。このゲルを粉砕した。
【0038】
この粉砕粉の平均粒径(球換算径)は1μm であり、比表面積は120m2/g、平均細孔径は10nmであった。
【0039】
実施例1
親水性共重合ポリエステル(水分散液:固形分30%(質量百分率):Mn20,000)100部、ホスホシリケートゲル60部(親水性共重合ポリエステル固形分の200%(質量百分率))、セピオライト5部、水50部を良く混合し、塗布液を得た。なお、ここでの部数は質量によるものである。また、塗布液中のセピオライトは、電子顕微鏡観察による測定によれば、平均径0.01μm で平均長さ3μm の繊維状粒子であった。
【0040】
この塗布液をドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に成膜し、室温(25℃)で3時間放置して乾燥させた。乾燥後、膜を剥がすと厚さ約100μm のシートが得られた。
【0041】
実施例2
実施例1において、セピオライト40部、水500部とした塗布液を用いる以外は同様にしてシートを作成したところ、実施例1と同様のシートを作成することができた。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0042】
実施例3
実施例1において、ホスホシリケートゲル30部、セピオライト12部、水500部とした塗布液を用いる以外は同様にしてシートを作成したところ、実施例1と同様のシートを作成することができた。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0043】
実施例4
ポリアミドエポキシ樹脂(水分散液:固形分30%(質量百分率):Mn5,000)100部、ホスホシリケートゲル60部(ポリアミドエポキシ樹脂固形分の200%(質量百分率))、セピオライト5部、水50部を良く混合し、塗布液を得た。なお、ここでの部数は質量によるものである。また、塗布液中のセピオライトは実施例1と同じであった。
【0044】
この塗布液をドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に成膜し、150℃30分の硬化を行った。硬化後、膜を剥がすと厚さ約100μm のシートが得られた。
【0045】
実施例5
実施例4において、高分子としてメラミン樹脂(水分散液:固形分30%(質量百分率):Mn10,000)を使った以外は同様にしてシートを作成した。硬化後、膜を剥がすと厚さ約100μm のシートが得られた。
【0046】
実施例6
実施例4において、高分子としてポリアミド樹脂(水分散液:固形分30%(質量百分率):Mn10,000)を使った以外は同様にしてシートを作成した。硬化後、膜を剥がすと厚さ約100μm のシートが得られた。
【0047】
比較例1
親水性共重合ポリエステル(実施例1と同じもの)100部、ホスホシリケートゲル10部、水50部を良く混合した塗布液を用い、それ以外は実施例1と同様にして、ドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に成膜し乾燥させた。乾燥後、膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)板から剥がすことはできなかった。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0048】
比較例2
親水性共重合ポリエステル(実施例1と同じもの)100部、ホスホシリケートゲル60部、水50部を良く混合した塗布液を用い、それ以外は実施例1と同様にして、ドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に成膜し乾燥させた。乾燥後、膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)板から剥がすことはできなかった。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0049】
比較例3
ポリアミドエポキシ樹脂(実施例4と同じもの)100部、ホスホシリケートゲル60部、水50部を良く混合した塗布液を用い、ドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に成膜し150℃30分の硬化を行った。硬化後、膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)板から剥がすことはできなかった。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0050】
比較例4
比較例3において、高分子としてメラミン樹脂(実施例5と同じもの)を使った以外は同様にしてシートの作成を試みた。膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)板から剥がすことができなかった。
【0051】
比較例5
比較例3において、高分子としてポリアミド樹脂(実施例6と同じもの)を使った以外は同様にしてシートの作成を試みた。膜は細かくひび割れ、テフロン(登録商標)板から剥がすことはできなかった。
【0052】
比較例6
親水性共重合ポリエステル(実施例1と同じもの)100部、ホスホシリケートゲル90部(親水性共重合ポリエステル固形分の300%(質量百分率))、セピオライト5部、水50部を良く混合した塗布液を用い、それ以外は実施例1と同様にして、ドクターブレード法でテフロン(登録商標)板上に成膜し乾燥させた。乾燥後、膜を剥がそうとすると樹脂分が少ないため、膜として剥がすことはできなかった。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0053】
実施例7
白金担持したカーボンブラックを塗布した多孔質カーボン製ガス拡散電極板間に、実施例1〜6で得られた各シリカゲル電解質膜をはさみ、6種の評価用燃料電池を組み立て、燃料として湿潤水素、酸化剤として乾燥空気を通気させ、各燃料電池特性を測定したところ、いずれも開放電圧0.8V、短絡電流100mAが得られた。
【0054】
なお、上記の電極は、厚さ1mm、気孔率50%の多孔質カーボンシートに、Ptを担持したカーボンブラック50部とPEFE50部とから形成された、厚さ150μm の塗膜を有するガス拡散電極(Pt担持量0.5mg/cm2)である。なお、ここでの部数は質量によるものである。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、ゾルゲル法で作られたホスホシリケートゲル粉を親水性共重合ポリエステル、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステルウレタン樹脂のうちのいずれか1種からなる高分子成分で膜状に成形する場合、鎖状粘土鉱物粉を添加したことにより、容易に、膜質が良好で、固体電解質膜としての機能を発揮するシリカゲル電解質膜を作ることができる。
Claims (9)
- ゾルゲル法で作られたホスホシリケートゲル粉と、無機繊維とが高分子中に分散し、
前記無機繊維は、鎖状粘土鉱物粉であり、
前記高分子は、親水性共重合ポリエステル、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステルウレタン樹脂のうちのいずれか1種からなり、
前記高分子に対する前記ホスホシリケートゲル粉の含有比率が、300%(質量百分率)未満であるシリカゲル電解質膜。 - 前記高分子に対する前記ホスホシリケートゲル粉の含有比率が5〜250%(質量百分率)である請求項1のシリカゲル電解質膜。
- 前記鎖状粘土鉱物粉がセピオライトである請求項1または2のシリカゲル電解質膜。
- 前記鎖状粘土鉱物粉の含有量が5〜60%(質量百分率)である請求項1〜3のいずれかのシリカゲル電解質膜。
- 膜厚が5〜200μm である請求項1〜4のいずれかのシリカゲル電解質膜。
- ゾルゲル法で作られたホスホシリケートゲルを粉砕し、粉末状のホスホシリケートゲル粉を準備する工程と、
前記ホスホシリケートゲル粉と、高分子と、鎖状粘土鉱物粉とを混合し、液状組成物とする工程と、
前記液状組成物を乾燥し、膜状体を得、これを硬化する工程とを有し、
前記高分子は、親水性共重合ポリエステル、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステルウレタン樹脂のうちのいずれか1種からなり、
前記液状組成物は、前記高分子固形分に対して前記ホスホシリケートゲル粉が300%(質量百分率)未満の比率で添加されていることを特徴とするシリカゲル電解質膜の製造方法。 - 前記液状組成物中の鎖状粘土鉱物粉の添加量が1〜20%(質量百分率)である請求項6のシリカゲル電解質膜の製造方法。
- 前記硬化を乾燥または加熱により行う請求項6または7のシリカゲル電解質膜の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかのシリカゲル電解質膜を用いた燃料電池。
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