JPH1120287A - 貴金属製印鑑およびその製造方法 - Google Patents

貴金属製印鑑およびその製造方法

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JPH1120287A
JPH1120287A JP17876097A JP17876097A JPH1120287A JP H1120287 A JPH1120287 A JP H1120287A JP 17876097 A JP17876097 A JP 17876097A JP 17876097 A JP17876097 A JP 17876097A JP H1120287 A JPH1120287 A JP H1120287A
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JP
Japan
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noble metal
alloy
precious metal
seal
slurry
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JP17876097A
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English (en)
Inventor
Minoru Kanda
稔 神田
Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印字性に優れ、かつ開運イメージの高い金属製
印鑑およびその製造方を提供する。 【解決手段】印鑑の少なくとも印字部が、気孔率0.3
〜10%で、平均気孔径0.5〜20μmの均一に分散
した気孔からなる貴金属である貴金属製印鑑、必要に応
じて、上記貴金属が、金またはその合金、銀またはその
合金、白金またはその合金からなる貴金属製印鑑、また
必要に応じて、貴金属粉末を含むスラリ−を調製し、こ
のスラリ−を成形し、この得られた成形体を焼成して得
られる貴金属製印鑑の製造方法、更に上記スラリ−が、
上記貴金属粉末と有機バインダ−からなり、該有機バイ
ンダ−が、水溶性樹脂結合剤、界面活性剤、必要に応じ
て、更に可塑剤および/または発泡剤を含有し、残部が
水からなる貴金属製印鑑の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、実印として使用
できる貴金属製印鑑およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、特開平3−264
389号公報に記載されている様に、従来より印材とし
て使用されて来ていたが、動物保護の観点から入手困難
となっている象牙や水牛の角等に代わるものとして、チ
タン等の硬質金属や、金、銀、プラチナ等の貴金属が印
材として利用されていることが知られている。また、特
開平5−32033号公報に記載されている様に、真空
加熱焼成、ホットプレスまたはHIP等によるチタン基
焼結合金が、ある範囲の気孔率を有することにより、印
鑑として印字した場合、朱肉ののりが良好であるという
ことも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述せ
る従来の技術においては、例えば上記特開平3−264
389号公報に記載の貴金属の利用の場合、彫刻された
印面の型に、溶融した貴金属を注入したものであるた
め、仕上げ後の印字面は平滑過ぎ、印字時に直接朱肉が
つくため、印字部への朱肉ののりが悪く、印字自体が鮮
明にならない。あるいは過剰についた朱肉が目的とする
印字からはみだし印字自体を崩す。また、上記特開平5
−32033号公報に記載の焼結合金の場合、気孔率を
或る範囲に制御することは可能としても、微細な気孔を
整寸にして均一に分散させることは困難で、朱肉の作用
を均一に得ることは難しく、気孔の大きさのバラツキに
よる機械的強度の低下が見られ、カケやチッピングの現
象につながる心配があり問題であり、また貴金属製の様
な開運イメ−ジが少ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
印艦として使用した場合、貴金属の持つ装飾性を損なう
ことなく、開運イメ−ジが高く、印字に際し朱肉ののり
が良く、かつ朱肉の作用が均一に得られる印字面を有す
る貴金属製印鑑およびその製造方法の開発に鋭意努力し
たところ、 例えば、貴金属製印鑑の少なくとも印字部
の気孔率、平均気孔径および気孔の分散性を特定するこ
とにより、上記目的が達成出来るとの知見を得たのであ
る。
【0005】本発明は、上述の様な知見に基づいて得ら
れたものであって、(1)印鑑の少なくとも印字部が、
気孔率0.3〜10%で、平均気孔径0.5〜20μm
の均一に分散した気孔からなる貴金属またはその合金で
ある貴金属製印鑑、(2)上記貴金属またはその合金
が、金またはその合金からなる(1)記載の貴金属製印
鑑、(3)上記貴金属またはその合金が、銀またはその
合金からなる(1)記載の貴金属製印鑑、(4)上記貴
金属またはその合金が、白金またはその合金からなる
(1)記載の貴金属製印鑑、(5)(1)〜(4)のい
ずれかに記載の貴金属製印鑑が、貴金属粉末を含むスラ
リ−を調製し、このスラリ−を成形し、この得られた成
形体を焼成して得れる貴金属製印鑑の製造方法、(6)
上記スラリ−が、上記貴金属粉末と有機バインダ−から
なり、該有機バインダ−が、水溶性樹脂結合剤、界面活
性剤、残部が水からなる(5)記載の貴金属製印鑑の製
造方法、(7)上記有機バインダ−が、更に可塑剤およ
び/または発泡剤を含有する(6)記載の貴金属製印鑑
の製造方法、に特徴を有するものである。
【0006】本発明においては、例えば貴金属粉末を液
状媒体である有機バインダ−中に、スラリ−状に混合し
懸濁分散させることで、貴金属粉末の凝集を防ぎ、密度
ムラを抑えることが出来、さらにスラリ−の混練を十分
に行うことにより、スラリ−の構成成分である貴金属粉
末、水溶性樹脂結合剤、界面活性剤、可塑剤、発泡剤を
より一層均一に混合出来、このスラリ−より成形、焼成
を経て、所定形状の焼結体が得られ、この焼結体は、所
定の気孔率を有し、かつ均一微細な平均気孔径を持つ気
孔を均一分散含有しており、この特性が、本発明印鑑の
印字時に朱肉が均質に適正に作用し、良質の印字を実現
することが出来るのである。
【0007】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、所定粒度の貴金属粉末を、所定量
用意し、この貴金属粉末を、例えば水溶性樹脂結合剤、
界面活性剤、必要に応じて可塑剤および/または発泡剤
の所定量に混ぜて、スラリ−を形成し、このスラリ−を
十分に混練した後、このスラリ−より、印鑑に適した形
状に成形、脱脂後、焼成することにより、印鑑用の形材
を得た。この形材に通常の方法で彫刻を施し、所定の印
鑑を得ることが出来る。
【0008】次いで、上述の如く、数値限定した理由に
ついて、以下説明する。 (1)貴金属印字部の気孔率 この値は、印鑑の印字部の朱肉ののりを良好にする作用
があるが、その値が、0.3%未満では、朱肉の付きが
悪く、捺印状態が悪い。一方その値が、10%を越える
と印鑑の形材自身の機械的強度が低下するため、印字面
の彫刻時にカケ等の発生が生じ易く問題となるので、そ
の値を、0.3〜10%とした。望ましくは0.5〜
5.0%である。
【0009】(2)貴金属印字部の平均気孔径 この値は、捺印時の朱肉の広がり具合を調節する作用が
あるが、その値が、0.5μm未満でも、また一方その
値が20μmを越えても、上記作用が十分でなく、朱肉
の広がりが悪く、印字の濃淡ムラが生じ易くなるので、
その値を、0.5〜20μmとした。望ましくは、1〜
10μmである。
【0010】また、使用される貴金属としては、金また
はその合金、銀またはその合金、或いは白金またはその
合金が望ましい。また、使用される貴金属粉末の粒径
は、1〜50μmのものが望ましい
【0011】上記スラリ−で使用される有機バインダ−
の内で、水溶性樹脂結合剤は、スラリ−を乾燥させた時
に成形体の形状を保持させる働きを有する。また、スラ
リ−の粘度調整剤としても機能する。水溶性樹脂結合剤
としては、メチルセルロ−ズ、エチルセルロ−ズ、ボリ
ビニルアルコ−ル等を例示することが出来る。その配合
量は、少ないと乾燥成形体の強度が弱く、多すぎると粘
度が高くなり過ぎて成形が困難になる場合がある。
【0012】界面活性剤は、貴金属粉末の液状媒体にお
ける分散安定性を向上させる作用、また発泡剤を添加し
たときは、発泡状態を安定化し、発泡剤の微細で均一な
ミセルを形成する作用がある。発泡剤添加の場合の界面
活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のア
ニオン系界面活性剤、ボリエチレングリコ−ル誘導体、
多価アルコ−ル誘導体等の非イオン系界面活性剤等を例
示することが出来る。その配合量は、少ないと貴金属粉
末の分散安定性を向上させることが出来ず、またミセル
の形成が不安定となり微細な気泡を保つことが困難にな
る場合があり、多くてもそれ以上の効果が得られない。
【0013】可塑剤は、成形体に可塑性を付与するため
のもので、乾燥した成形体のひび割れなどを防止する作
用がある。可塑剤としては、エチレングリコ−ル、ポリ
エチレングリコ−ル、グリセリン等の多価アルコ−ル、
オリ−ブ油等の油脂、石油エ−テル等のエ−テル類、フ
タル酸ジエチル等のエステル類等を例示することが出来
る。その配合量は、少ないと可塑作用が不十分になる場
合があり、多いと成形体の強度が不十分になる場合があ
る。
【0014】スラリ−中に発泡剤を添加しておき、成形
させた後、当該発泡剤を発泡させ、スラリ−中に気泡を
形成すると、貴金属粉末は、原料スラリ−中で微細な気
泡を構成する薄い液体壁に集まるため、貴金属粉末が沈
降して成形体内部で密度ムラが生じることを防ぐことが
できる。そして、これを乾燥すると、水溶性樹脂結合剤
(バインダ−)と共に気泡の形状を維持しながら固化す
る。これを焼成すると、結合剤が消失すると共に、貴金
属粉末同士が焼結し、気泡形状を持った発泡状の三次元
網状構造を有する印鑑素材が得られる。印鑑素材をこの
ようにして多孔質構造とすると、得られる印鑑素材で、
朱肉の保持性が良好となる。なお、多孔質構造は、焼結
時の圧力、温度条件等によっても任意に制御出来る。
【0015】発泡剤は、ガスを発生して気泡を形成する
ことができればよく、一定の温度で分解してガスを発生
する化合物や、揮発性の有機溶剤などを選択することが
できる。揮発性の有機溶剤としては、例えば炭素数5〜
8の炭化水素系有機溶剤を挙げることができる。このよ
うな有機溶剤としては、例えばペンタン、へキサン、ベ
ンゼン、トルエン等を挙げることができる。発泡剤の配
合量は、少ないと気泡の発生が不十分になり、目的とす
る気孔率が得られず、多くするとミセルが大径化し間題
である。
【0016】ところで、本発明の貴金属製印鑑用の形材
の製作に当っては、上述せる様なスラリ−より、通常の
粉末治金法に準じて、成形、脱脂、焼成することによ
り、形材であるむくの焼結体を得るのであるが、特殊な
例として、印字部のみを前記と同様な方法で作製し、印
鑑の主体を占める棹または芯の部分は、他の安価な素材
で形成し、装飾性を加味せしめる必要のある場合は、上
記芯材の外面に、本発明用のスラリ−をドクタ−ブレ−
ド法により作製した貴金属薄板で覆い結合することによ
り、印鑑素材を作製することが可能である。また、上記
同様印字部のみを前記と同様な方法で作製し、別に純貴
金属で棹部を作製し、両者を例えば接着剤で接着し、本
発明の貴金属製印鑑を製造することも可能である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例の内容について、具体
的に説明する。 [実施例1]平均粒径が5.0μmの金合金(75重量
%Au−25重量%Ag)粉末100gおよび下記の組
成により製造した有機バインダ−60gを混練機を用い
て混練した。 有機バインダ−成分 ・メチルセルロ−ズ 3重量% ・アルキルベンゼンスルホン酸塩 0.5重量% ・水 残部 上記の様にして得られた混練物を、φ10mm×70m
mのアルミナ製の型枠に注入し、乾燥させた後、500
℃で60分間、窒素雰囲気中で脱バインダ−処理を行な
った。次いで、900℃で60分間、窒素雰囲気中で焼
結し、得られた焼結体の外表面を軽く磨き、φ8mm×
50mmの印鑑素材を得た。この素材の金属組織の顕微
鏡観察の結果、素材の気孔率は2.5%で、平均気孔径
は1.3μmであった。
【0018】[実施例2]平均粒径10μmの白金合金
(95重量%Pt−5重量%Au)粉末110gおよび
下記の組成により製造した有機バインダ−60gを混練
機を用いて混練した。 有機バインダ−成分 ・エチルセルロ−ズ 3重量% ・ポリエチレングリコ−ル誘導体 0.5重量% ・グリセリン(可塑剤) 3重量% ・ヘキサン(発泡剤) 0.05重量% ・水 残部 上記の様にして得られた混練物を、φ10mm×80m
mのアルミナ製の型枠に注入し、乾燥させた後、600
℃で60分間、窒素雰囲気中で脱バインダ−処理を行な
った。次いで、1000℃で30分間、窒素雰囲気中で
焼結し、得られた焼結体の外表面を軽く磨き、φ8mm
×60mmの印鑑素材を得た。この素材の金属組織の顕
微鏡観察の結果、素材の気孔率は4.2%で、平均気孔
径は4.5μmであった。
【0019】上記、実施例1およぴ2で得られた印鑑素
材の印字面に相当する面に、彫刻を施し、朱肉を付けて
捺印試験を行って見たところ、いずれも朱肉ののりが良
く、かつ朱肉の広がりが均一で、良質の印字が得られ
た。
【0020】(比較例)比較のために、従来技術で、平
均粒径が5.0μmの金合金(75重量%Au−25重
量%Ag)粉末を用いて、通常の粉末冶金法で、密度9
9.8%の金合金焼結素材を作製し、この素材の印字面
相当する面に、実施例と同様の彫刻を施し、朱肉を付け
て捺印試験を行って見たところ、朱肉ののりが悪く、印
字自体が不鮮明であった。
【0021】
【発明の効果】実施例1および2で得られた本発明の貴
金属製印鑑用素材は、比較例と異なり、いずれも所定の
気孔率と所定の平均気孔径を有しているため、この焼結
素材より作製した貴金属製印鑑は、捺印時に朱肉ののり
が良く、かつ朱肉の広がりが均一となるため、良質の印
字を得ることが出来、従来得られていた貴金属製印鑑に
較ベ、良質の貴金属製印鑑と言える。また本発明の貴金
属製印鑑は、当然貴金属の持つ輝きを有しており、開運
イメージが高く、実印としての重みがあり、これによる
印字は幸運の証である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印鑑の少なくとも印字部が、気孔率0.3
    〜10%で、平均気孔径0.5〜20μmの均一に分散
    した気孔からなる貴金属またはその合金であることを特
    徴とする貴金属製印鑑。
  2. 【請求項2】上記貴金属またはその合金が、金またはそ
    の合金からなることを特徴とする請求項1に記載の貴金
    属製印鑑。
  3. 【請求項3】上記貴金属またはその合金が、銀またはそ
    の合金からなることを特徴とする請求項1に記載の貴金
    属製印艦。
  4. 【請求項4】上記貴金属またはその合金が、白金または
    その合金からなることを特徴とする請求項1に記載の貴
    金属製印鑑。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の貴金属製
    印鑑が、貴金属粉を含むスラリ−を調製し、このスラリ
    −を成形し、この得られた成形体を焼成して得られるこ
    とを特徴とする貴金属製印鑑の製造方法。
  6. 【請求項6】上記スラリ−が、上記貴金属粉末と有機バ
    インダ−からなり、該有機バインダ−が、水溶性樹脂結
    合剤、界面活性剤、残部が水からなることを特徴とする
    請求項5に記載の貴金属製印鑑の製造方法。
  7. 【請求項7】上記有機バインダ−が、更に可塑剤および
    /または発泡剤を含有することを特徴とする請求項6に
    記載の貴金属製印鑑の製造方法。
JP17876097A 1997-07-04 1997-07-04 貴金属製印鑑およびその製造方法 Withdrawn JPH1120287A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU749300B2 (en) * 1999-03-26 2002-06-20 Andrew Norman Eggleston A method of transferring an image
JP2021038427A (ja) * 2019-09-02 2021-03-11 株式会社大阪ソーダ 銀粒子の焼結体

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AU749300B2 (en) * 1999-03-26 2002-06-20 Andrew Norman Eggleston A method of transferring an image
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Effective date: 20040907