JPH11202571A - デジタル画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め用意されるトナー付着パターン目標値を
利用するものの、個々の機器毎に自機の特性に合った適
正なトナー付着パターン目標値を利用できるようにし、
画質制御を適正に行えるようにする。 【解決手段】 トナー付着パターン目標値は予め設定し
ておくが、各機器毎に自機の特性に合うようにトナー付
着パターン目標値の内容を補正自在とし、画像読み込み
手段により転写媒体上のトナーパターン像を読み取って
得られた読み込みデータに基づき自機のトナー付着パタ
ーン目標値を決定し（Ｓ７）、決定されたトナー付着パ
ターン目標値に応じて予め設定されているトナー付着パ
ターン目標値を補正することで（Ｓ８）、個々の機器毎
に自機の特性に合わせたトナー付着パターン目標値の下
に画質制御を適正に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
を用いて画像を形成するデジタル複写機等のデジタル画
像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の画像形成装置では、画
質向上のための転写画像の作像条件の安定化制御（例え
ば、帯電チャージャへの印加電圧、露光光量、現像剤中
のトナー濃度、現像バイアスの電圧の制御等）を適正に
行うために、トナー補給制御用にトナー付着パターン目
標値を用いるものがある。ここに、トナー付着パターン
目標値とは、現像器中のトナー濃度が常に初期剤（現像
剤）時のトナー濃度になるようにトナーを補給する上
で、現在の現像器中の濃度を認識し、トナー補給量を算
出するときの目標値（単位面積当りの付着量ｍｇ／ｃｍ
² ）となるものである。例えば、初期剤時（＝目標とな
るトナー濃度時）に或るポテンシャル（感光体表面電位
対現像バイアスＤＣ出力電圧値）でトナー付着パターン
を作成し、その色濃度を光学的センサ（所謂、Ｐセン
サ）により検知し、トナー付着量に換算する。そのとき
の値が例えば０．４００ｍｇ／ｃｍ² であり、コピー中
同じポテンシャルで同じトナー付着パターンを作成した
ところ、その値が０．３５０ｍｇ／ｃｍ² であるとする
とトナー補給量は、 トナー補給量＝（０．４００−０．３５０）×補給係数
〔ｍｇ／ｃｍ² 〕 となる。このようなトナー補給の基準となる数値、例え
ば、０．４００ｍｇ／ｃｍ² がトナー付着パターン目標
値である。

【０００３】このように画質制御に利用されるトナー付
着パターン目標値は、上記のように感光体上に形成され
たトナー付着パターンに関してＰセンサにより検出され
るトナー付着量を数台の画像形成装置から取得し、それ
らの平均値を固定値として、同一機種の全ての画像形成
装置のメモリに格納させるようにしている。例えば、ポ
テンシャル１００Ｖのときに０．４００ｍｇ／ｃｍ² だ
けトナーが付着していたとすると、１００Ｖと０．４０
０ｍｇ／ｃｍ² とを固定値として格納する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、画像形成装
置は同一機種であっても１台毎に個々に何らかの特性の
違いがあるので、共通なトナー付着パターン目標値が固
定値として設定されていても、必ずしも自機に合ったト
ナー付着パターン目標値であるとは限らずずれているこ
ともあり、その後のトナー補給等の作像条件の安定化制
御にも影響を及ぼし、画質制御を適正に行えないケース
を生じ得る。

【０００５】そこで、本発明は、予め設定されたトナー
付着パターン目標値を利用するものの、個々の画像形成
装置毎に自機の特性に合った適正なトナー付着パターン
目標値を利用できるようにし、画質制御を適正に行える
デジタル画像形成装置を提供することを目的とする。

【０００６】さらには、自機に合った適正なトナー付着
パターン目標値を利用できるようにするためのトナー付
着パターン目標値の補正ないしは更新を簡易に行うこと
ができるデジタル画像形成装置を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
像担持体上に電子写真プロセスに従いトナーパターン像
を作像形成する作像手段と、この作像手段により形成さ
れたトナーパターン像の感光体上での状態を検知する状
態量検知手段とを備え、状態量検知手段の検知出力に基
づき作像手段の作像条件を制御するデジタル画像形成装
置において、トナー補給制御に供されるトナー付着パタ
ーン目標値を機器毎に自機の特性に応じて補正自在とし
た。従って、トナー付着パターン目標値は予め用意され
るが、各機器毎に自機の特性に合うようにトナー付着パ
ターン目標値が補正自在であるので、画質制御を適正に
行える。

【０００８】請求項２記載の発明は、請求項１記載のデ
ジタル画像形成装置に加えて、作像手段により形成され
て排紙された転写媒体上のトナーパターン像を読み込む
画像読み込み手段を備え、この画像読み込み手段により
読み取られたトナーパターン像の読み込みデータに基づ
きトナー付着パターン目標値を補正するようにした。従
って、各機器毎に自機の特性に応じてトナー付着パター
ン目標値を補正する上で、画像読み込み手段では常に濃
度パターンによって読取り調整されている点に着目し、
自機により作成した転写媒体上のトナーパターン像を画
像読み込み手段により読み込まれた読み込みデータを利
用するので、所謂Ｐセンサ等の検出データを利用してト
ナー付着量に換算する場合に比して精度を高めることが
できる。

【０００９】請求項３記載の発明は、請求項２記載のデ
ジタル画像形成装置において、画像読み込み手段による
読み込みデータとトナー付着量との関係を示す変換テー
ブルが予めデータ記憶手段に記憶されている。従って、
予め記憶されている読み込みデータとトナー付着量との
関係を示す変換テーブルを利用するので、トナー付着パ
ターン目標値の取得がより容易となる。

【００１０】請求項４記載の発明は、請求項１記載の発
明において、トナー付着パターン目標値の補正は、予め
データ記憶手段に記憶された基準目標値に対して予め設
定された固定加減量単位の補正値を加減することにより
行う。従って、予め用意されているトナー付着パターン
目標値を補正する上で、安定性の高い補正を行うことが
でき、かつ、異常時には元の基準目標値に戻すこともで
きる。

【００１１】請求項５記載の発明は、請求項１記載の発
明において、トナー付着パターン目標値の補正は、予め
データ記憶手段に記憶された基準目標値に対して予め設
定された固定加減量単位の補正値を加減することにより
行う。従って、トナー付着パターン目標値を機器毎に自
機の特性に応じて補正する上で予め用意された基準目標
値自体を書換えることで無制限に更新するので、各機器
毎にその特性をより反映させた補正を適正に行える。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。本実施の形態は、フルカラーのデジタ
ル複写機に適用されており、その概略基本構成として画
像読み込み手段１と画像書き込み現像手段（作像手段）
２とを備えている。画像読み込み手段１は、原稿画像を
光学的に読み取って画像書き込み現像手段２による作像
に供するもので、所謂、１次元ＣＣＤを読取素子に用い
たイメージスキャナ構成とされたものである。この画像
読み込み手段１は後述するトナーパターン像が形成され
て排紙された転写媒体の読み込みにも利用される。画像
書き込み現像手段２は電子写真プロセスに従い像担持体
である感光体上に作像するレーザプリンタ構成のもの
で、例えば、感光体周りに帯電器、レーザ書き込み光学
系、現像器、転写器、クリーニングユニット、除電器等
を備えている。レーザ書き込み光学系は画像データ等に
応じて変調駆動される半導体レーザ、そのレーザ光を主
走査方向に偏向走査させるポリゴンミラー等を備えてお
り、後述するような所定パターンのトナーパターン像の
作成にも利用される。また、転写器以降の転写媒体の搬
送経路には定着器、排紙ローラ等も設けられている。

【００１３】これらの画像読み込み手段１と画像書き込
み現像手段２とは図２に示すように全体を制御するＣＰ
Ｕ３に接続されている。このＣＰＵ３は制御用プログラ
ムに基づき、全体の制御の他、適宜演算処理を実行す
る。前記ＣＰＵ３にはデータ記憶手段４や入力手段５や
状態量検知手段６も接続されている。前記データ記憶手
段４は制御プログラムを固定的に格納したＲＯＭや演算
データを可変的に格納するＲＡＭなどにより構成されて
おり、後述するトナー付着パターン目標値を記憶する不
揮発性メモリも備えている。前記入力手段５は制御プロ
グラムの動作設定や補正データの設定等の指示を行うキ
ー類、液晶ディスプレイを備えた操作パネルとして構成
されている。前記状態量検知手段６は感光体上に形成さ
れたトナーパターン像の状態を検知するもので、本実施
の形態では、パターン像の電位を測定する電位センサが
用いられている。もっとも、色・濃度を測定する場合で
あれば、ＬＥＤと受光素子（ダイオード）との対よりな
り、感光体表面に向けてＬＥＤを発光させ、感光体表面
からの反射光を受光素子により受光し、この受光素子の
出力電圧値に基づき色・濃度を測定する所謂Ｐセンサを
用いてもよい。

【００１４】図３は適宜時点で画像書き込み現像手段２
により感光体７上に作像形成される内部パターン像（ト
ナーパターン像）８を模式的に示すものである。内部パ
ターン像８は２０ｍｍ×２０ｍｍ程度の大きさでＡ３用
紙サイズ内に形成される。作成条件としては、帯電器の
帯電量（グリッド出力電圧）、及び、内部パターン像８
の書き込み時の半導体レーザ出力（出力設定は８ビット
＝０〜２５５内で可変自在）を一定とし、その内部パタ
ーン像の潜像電位を電位センサにより検知し、その値か
ら現像バイアスＤＣ出力電圧値を固定ポテンシャル分可
変（例えば、内部パターンの潜像電位が５００Ｖである
とすると固定ポテンシャルは１００Ｖであるので、現像
バイアスＤＣ出力電圧値を５００Ｖとする）したトナー
付着パターンを作成して、転写・定着・排紙工程を経て
排紙する。トナー付着パターン像が形成されたこの転写
媒体は、そのトナー付着量の換算検出のため、画像読み
込み手段１による読み込みに供される。

【００１５】ここで、本実施の形態では、トナー付着パ
ターン目標値の基準目標値が予めデータ記憶手段４中の
一部にテーフルとして格納されている。このような基準
となるトナー付着パターン目標値の基準目標値は数台の
デジタル複写機から取得されたデータの平均値を用いて
予め作成されて各デジタル複写機に格納されたものであ
る。

【００１６】図１は、ＣＰＵ３により実行されてトナー
付着パターン目標値を補正する処理例を示すフローチャ
ートである。この図１を参照して、本実施の形態におけ
るトナー付着パターン目標値の補正処理について説明す
る。この補正処理は工場調整・出荷時等の初期段階或い
は市場における定期的なメンテナンス時等において適宜
実行される。この処理に際しては、入力手段５を調整画
面にしてトナー付着パターン目標値の補正（テーブル補
正）の実行開始入力を待つ（ステップＳ１）。実行開始
の入力があったら画像書き込み現像手段２を動作させて
内部パターン像８を作成させる（Ｓ２）。この場合、前
述したように、帯電器の帯電量、及び、内部パターン像
８の書き込み時の半導体レーザ出力を一定とし、その内
部パターン像の潜像電位を電位センサにより検知し、そ
の値が固定ポテンシャルとなるように現像バイアスＤＣ
出力電圧値を可変させて形成する。この後、感光体７上
に形成されたこれらの内部パターン像８をＡ３サイズの
転写媒体上に転写させ、定着させた後、排紙させる処理
を行わせる（Ｓ３）。

【００１７】この後、入力手段５を通じてオペレータに
対して読み取りの要求表示を行わせる（Ｓ４）。これ
は、排紙されたＡ３サイズの転写媒体上の内部パターン
像８を画像読み込み手段１により読み込むためそのコン
タクトガラス上にセットさせる旨の表示である。セット
終了後、読み込み開始キーの入力を待つ（Ｓ５）。

【００１８】そこで、読み込み開始キーの入力がある
と、画像読み込み手段１により内部パターン像８の読み
取りが行われる（Ｓ６）。具体的には、読み取られた
Ｒ，Ｇ，ＢデータがブラックＢｋ、シアンＣ、マゼンタ
Ｍ、イエローＹの各々の０〜２５５段階のデータに変換
される。次いで、画像読み込み手段１で読み取られた各
内部パターン像８のデータ（Ｂｋ，Ｃ，Ｍ，Ｙデータ）
に基づき各々のトナー付着量に変換する（Ｓ７）。ここ
に、画像読み込み手段１による読み込みデータからトナ
ー付着量への変換は、予め各トナー付着量（０．５〜
１．５ｍｇ／ｃｍ² ）に対応した濃度パターンパッチ表
（印刷物）を画像読み込み手段１に読み込ませておき、
そのときの読み込みデータから読み込みデータとトナー
付着量との関係を予めデータ記憶手段４に格納させた変
換テーブルが利用される。

【００１９】このようにして、画像読み込み手段１の読
み込み結果に基づき変換されたトナー付着量が得られる
と、その結果によりトナー付着パターン目標値の補正を
行う（Ｓ８）。この補正処理に関して、第１の処理例と
しては、例えば、データ記憶手段４に予め格納されてい
るトナー付着パターン目標値の基準目標値を今回得られ
たトナー付着量のデータでそのまま書換えることで補正
する。従って、この第１の処理例によれば、予め用意さ
れたトナー付着パターン目標値を機器毎に自機の特性に
応じて補正する上でトナー付着パターン目標値自体を書
換え更新するので、各機器毎にその特性を反映させた補
正を適正に行うことができる。

【００２０】また、補正処理に関して、第２の処理例と
しては、画像読み込み手段１により読み込んで変換され
たトナー付着量のデータをそのまま使用せずに、データ
記憶手段４に予め格納されているトナー付着パターン目
標値の基準目標値に対して固定加減量単位の補正値を加
算又は減算する補正処理を行う。例えば、予め格納され
ているトナー付着パターン目標値の基準目標値が０．４
００ｍｇ／ｃｍ² で画像読み込み手段１により読み込ん
で変換されたトナー付着パターン目標値が０．４２０ｍ
ｇ／ｃｍ² の場合、基準目標値＜読み込みによるトナー
付着パターン目標値なる関係にあるので、基準目標値
（＝０．４００ｍｇ／ｃｍ² ）＋固定加減量単位の補正
値（＝０．０１０ｍｇ／ｃｍ² ）＝補正されたトナー付
着パターン目標値（＝０．４１０ｍｇ／ｃｍ² ）の如く
補正される。従って、この第２の処理例によれば、予め
記憶されている基準目標値をベースとして固定加減量単
位の補正値を加減することにより補正するので、安定性
の高い補正を行うことができ、かつ、補正量の単位が判
っているので異常時には元のデータ内容（基準目標値）
に戻すこともできる。

【００２１】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、トナー付
着パターン目標値を予め用意しておくが、各機器毎に自
機の特性に合うようにトナー付着パターン目標値を補正
自在としたので、画質制御を各機器毎に自機の特性に応
じて適正に行わせることができる。

【００２２】請求項２記載の発明によれば、各機器毎に
自機の特性に応じてトナー付着パターン目標値を補正す
る上で、自機により作成した転写媒体上のトナーパター
ン像を画像読み込み手段により読み込んで変換されたト
ナー付着量を利用するようにしたので、所謂Ｐセンサ等
の検出データを利用してトナー付着量に換算する場合に
比して精度を高めることができる。

【００２３】請求項３記載の発明によれば、請求項２記
載のデジタル画像形成装置において、予め記憶されてい
る読み込みデータとトナー付着量との関係を示す変換テ
ーブルを利用するようにしたので、トナー付着パターン
目標値の取得がより容易なもととすることができる。

【００２４】請求項４記載の発明によれば、予め用意さ
れているトナー付着パターン目標値を補正する上で、安
定性の高い補正を行うことができ、かつ、異常時には元
の基準目標値に戻すこともできる。

【００２５】請求項５記載の発明によれば、トナー付着
パターン目標値を機器毎に自機の特性に応じて補正する
上で予め用意された基準目標値自体を書換えることで無
制限に更新するようにしたので、各機器毎にその特性を
より反映させた補正を適正に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態におけるトナー付着パタ
ーン目標値を補正する処理例を示すフローチャートであ
る。

【図２】ハードウェア構成の概略を示すブロック図であ
る。

【図３】内部パターン像を模式的に示す説明図である。

【符号の説明】

１ 画像読み込み手段 ２ 作像手段 ４ データ記憶手段 ６ 状態量検知手段 ７ 像担持体 ８ トナーパターン像

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 像担持体上に電子写真プロセスに従いト
   ナーパターン像を作像形成する作像手段と、この作像手
   段により形成されたトナーパターン像の感光体上での状
   態を検知する状態量検知手段とを備え、状態量検知手段
   の検知出力に基づき作像手段の作像条件を制御するデジ
   タル画像形成装置において、トナー補給制御に供される
   トナー付着パターン目標値を機器毎に自機の特性に応じ
   て補正自在としたことを特徴とするデジタル画像形成装
   置。
2. 【請求項２】 作像手段により形成されて排紙された転
   写媒体上のトナーパターン像を読み込む画像読み込み手
   段を備え、この画像読み込み手段により読み取られたト
   ナーパターン像の読み込みデータに基づきトナー付着パ
   ターン目標値を補正するようにしたことを特徴とする請
   求項１記載のデジタル画像形成装置。
3. 【請求項３】 画像読み込み手段による読み込みデータ
   とトナー付着量との関係を示す変換テーブルが予めデー
   タ記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項２
   記載のデジタル画像形成装置。
4. 【請求項４】 トナー付着パターン目標値の補正は、予
   めデータ記憶手段に記憶された基準目標値に対して予め
   設定された固定加減量単位の補正値を加減することによ
   り行うことを特徴とする請求項１記載のデジタル画像形
   成装置。
5. 【請求項５】 トナー付着パターン目標値の補正は、予
   めデータ記憶手段に記憶された基準目標値自体の書換え
   により行うことを特徴とする請求項１記載のデジタル画
   像形成装置。