JP3618777B2 - 画像形成装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像形成条件を調整する画像形成装置および画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像形成装置を起動させて、ウォームアップ終了後に、特定パターンを像担持体上に形成し、その像担持体上のパターンの濃度を読み取り、γ補正などの画像形成条件にフィードバックさせることにより、画像品質の安定性を向上させる手法が知られている。
【0003】
更に、環境変動等により、画像形成特性が変化した場合、環境変動量に応じて、再度、特定パターンを像担持体上に形成し、その像担持体上のパターンの濃度を読み取り、γ補正などの画像形成条件にフィードバックさせることにより、画像品質を安定させることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、画像形成装置が、長期に渡って使用された場合、像担持体上のパターンを読み取った濃度と、実際にプリントアウトされた画像の濃度が一致しなくなるケースが生じてくる。
【0005】
例えば、転写残トナーをクリーニングするための、クリーニングブレードを接触させて長期に渡って像担持体を擦ることにより、像担持体の表面が粗れてしまい、トナーの付着量と、反射光量の関係が、初期状態と変わってしまう。
【0006】
従って、長期間使用した画像形成装置を初期の濃度変換パラメータで変換した濃度データを用いて、画像形成条件にフィードバックしてしまうと、最適な画像が得られないという欠点があった。
【0007】
また、上述の従来例では、画像形成装置の最大画像濃度の劣化を考慮していなかったため、最大画像濃度出力が耐久変動等の影響で低下してしまった場合には、γ特性をいかに補正しても、画像濃度が高い領域で画像の階調性が悪くなってしまうという欠点があった。
【0008】
また、上述の従来例では、画像形成装置の階調特性がリニアでない(特にハイライト)ため、濃度データ間を近似式で補間すると実際の濃度とは違ってしまっていた。この階調データを用いて、画像形成条件にフィードバックしてしまうと、最適な画像が得られないという欠点があった。
【0009】
更に、上述の従来例では、画像形成装置において均一濃度を記録材上全面に出力したときに、帯電器の汚れによる帯電ムラにより濃度の飛びが見られる場合、同じ濃度出力でも場所によって濃度が変わってしまっていた。この様な状態において、階調データを用いて、画像形成条件にフィードバックしてしまうと、最適な画像が得られないという欠点があった。
【0014】
また、基準パターンの均一性を判定することにより安定した画像形成条件の調整を行うことを別の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有することを特徴とする。
本願請求項1記載の画像処理方法は、画像形成部における画像形成条件を調整する画像処理方法であって、前記画像形成条件を調整するために記録剤の種類に対応したパッチを前記画像形成部に形成させるとともに、前記画像形成部の異常による濃度ムラを判断するために中間階調濃度の帯状の均一パターンを前記画像形成部により紙上に形成させ、前記形成された記録剤の種類に対応したパッチの読み取り結果から前記画像形成条件を調整する。
【0016】
【実施例】
(第1の実施例)
以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明する。
【0017】
図1に本実施例の構成図を示す。
【0018】
フルカラーの画像形成方法について、説明する。
【0019】
原稿台ガラス102上に、置かれた原稿101は光源103によって照射され光学系104を介してCCDセンサー105に結像される。CCDセンサー105は3列に配列されたレッド、グリーン、ブルーのCCDラインセンサー群により、ラインセンサー毎にレッド、グリーン、ブルーの色成分信号を生成する。
【0020】
これらの読み取り光学系ユニットは矢印の方向に走査することにより、原稿をライン毎の電気信号データ列に変換する。
【0021】
また原稿台ガラス102上には、原稿の位置をつき当てて、原稿の斜め置かれを防ぐつき当て部材107と、その原稿台ガラス面に、CCDセンサー105の白レベルを決定するためと、CCDセンサー105のスラスト方向のシェーディングを行うための、基準白色板106が配置してある。
【0022】
CCDセンサー105により、得られた画像信号は、リーダー画像処理部108にて画像処理された後、プリンタ部Bに送られ、プリンタ制御部109で画像処理される。
【0023】
次に、画像処理部108について説明する。
【0024】
図2は、本実施例に係るリーダー部Aの画像処理部108における画像信号の流れを示すブロック図である。同図に示すように、CCDセンサー105より出力される画像信号は、アナログ信号処理部201に入力され、そこでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータ202で、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R1、G1、B1に変換される。その後、シェーディング補正部203に入力され、色ごとに基準白色板106の読取り信号を用いた公知のシェーディング補正が施される。
【0025】
クロック発生部211は、1画素単位のクロックを発生する。また、主走査アドレスカウンタ212では、クロック発生部211からのクロックを計数し、1ラインの画素アドレス出力を生成する。そして、デコーダ213は、主走査アドレスカウンタ212からの主走査アドレスをデコードして、シフトパルスやリセットパルス等のライン単位のCCD駆動信号や、CCDからの1ライン読み取り信号中の有効領域を表すVE信号、ライン同期信号HSYNCを生成する。なお、主走査アドレスカウンタ212はHSYNC信号でクリアされ、次のラインの主走査アドレスの計数を開始する。
【0026】
CCDセンサー105の各ラインセンサーは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、図2のラインディレイ回路204において、副走査方向の空間的ずれを補正する。具体的には、B信号に対して副走査方向で、R、Gの各信号を副走査方向にライン遅延させてB信号に合わせる。
【0027】
入力マスキング部205は、CCDセンサーのR、G、Bのフィルタの分光特性で決まる読み取り色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、次式のようなマトリックス演算を行う。
【0028】
【外1】
Figure 0003618777
【0029】
光量/濃度変換部(LOG変換部)206はルックアップテーブルROMにより構成され、R4、G4、B4の輝度信号がC0、M0、Y0の濃度信号に変換される。ライン遅延メモリ207は、不図示の黒文字判定部で、R4、G4、B4信号から生成されるUCR、FILTER、SEN等の判定信号までのライン遅延分だけ、C0、M0、Y0の画像信号を遅延させる。
【0030】
マスキング及びUCR回路208は、入力されたY1、M1、C1の3原色信号により黒信号(Bk)を抽出し、更に、プリンタ部Bでの記録色材の色濁りを補正する演算を施して、Y2、M2、C2、Bk2の信号を各読み取り動作の度に順次、所定のビット幅(8bit)で出力する。
【0031】
γ補正回路209は、リーダー部Aにおいて、プリンタ部Bの理想的な階調特性に合わせるべく濃度補正を行う。また、空間フィルタ処理部(出力フィルタ)210は、エッジ強調又はスムージング処理を行う。
【0032】
このように処理されたM4、C4、Y4、Bk4の面順次の画像信号は、プリンタ制御部109に送られ、プリンタ部BでPWMによる濃度記録が行われる。
【0033】
また、214はリーダー部内の制御を行うCPU、215はRAM、216はROMである。217は操作部であり、表示器218を有する。
【0034】
図3は、図2に示す画像処理部108における各制御信号のタイミングを示す図である。同図において、VSYNC信号は、副走査方向の画像有効区間信号であり、論理“1”の区間において、画像読取り(スキャン)を行って、順次、(C)、(M)、(Y)、(Bk)の出力信号を形成する。また、VE信号は、主走査方向の画像有効区間信号であり、論理“1”の区間において主走査開始位置のタイミングをとり、主にライン遅延のライン計数制御に用いられる。そして、CLOCK信号は画素同期信号であり、“0”→“1”の立ち上がりタイミングで画像データを転送するのに用いられる。
【0035】
次にプリンタ部Bの説明を行う。
【0036】
図1において感光ドラム4は、1次帯電器8により、一様に帯電される。
【0037】
画像データは、プリンタ画像処理部109に含まれるレーザドライバ及びレーザ光源110を介してレーザ光に変換され、そのレーザ光はポリゴンミラー1及びミラー2により反射され、一様に帯電された感光体ドラム4上に照射される。
【0038】
レーザ光の走査により潜像が形成された感光ドラム4は、図中に示す矢印の方向に回転する。
【0039】
すると、現像器3により各色ごとの現像が順次なされる。
【0040】
本実施例では、現像方式として、2成分系を用いており、感光体ドラム4のまわりに、各色の現像器3が上流よりブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の順で配置され、画像信号に応じた現像器が、その感光ドラム上に作られた潜像領域を現像するタイミングで、現像動作を行うようになっている。
【0041】
一方、転写紙6は転写ドラム5に巻き付けられてM、C、Y、Bkの順番に1回ずつ回転し、計4回回転して各色のトナー画像が転写紙6上に多重に転写される。
【0042】
転写が終了すると、転写紙6を転写ドラム5から分離し、定着ローラ対7によって定着され、フルカラー画像プリントが完成する。
【0043】
また、感光ドラム4の現像器3の上流側に表面電位センサー12を配置している。
【0044】
また、感光体ドラム4上の転写残トナーをクリーニングするためのクリーナー9と、後述する、感光体ドラム4上に形成されたトナーパッチパターンの反射光量を検出するための、LED光源10(約960nmに主波長をもつ)とフォトダイオード11を設けている。
【0045】
図4は本実施例による画像形成装置の構成ブロック図を示す。
【0046】
プリンタ画像処理部109はCPU28及び、ROM30とRAM32、テストパターン記憶部31、濃度換算回路42及びLUT25より成り立ち、リーダー部A、プリンタエンジン部100と通信できるようになっている。
【0047】
プリンタエンジン部100において、感光体ドラム4の回りに配置されている、LED10とフォトダイオード11から成る、光学読み取り装置40、1次帯電器8、レーザ101、表面電位センサー12、現像器3を制御している。
【0048】
また、機内の空気中の水分量を測定する環境センサー213が備えられている。
【0049】
表面電子センサー12は、現像器3より上流側に設けられており、1次帯電器8のグリッド電位、現像器3の現像バイアスは後述のようにCPU28により制御される。
【0050】
図5は本実施例による階調画像を得る画像信号処理回路を示す。
【0051】
画像の輝度信号がCCD105で得られ、リーダー画像処理部108において面順次の画像信号に変換される。この画像信号は、初期設定時のプリンタのγ特性が入力された画像信号によって表される、原画像の濃度と出力画像の濃度が一致するように、LUT25にて濃度特性が変換される。
【0052】
図6に階調が再現される様子を4限チャートで示す。
【0053】
第I象限は、原稿濃度を濃度信号に変換するリーダ部Aの読み取り特性を示し、第II象限は濃度信号をレーザ出力信号に変換するためのLUT25の変換特性を示し、第III象限はレーザ出力信号から出力濃度に変換するプリンタ部Bの記録特性を示し、第IV象限は原稿濃度から出力濃度の関係を示すこの画像形成装置のトータルの階調再現特性を示している。
【0054】
階調数は8bitのデジタル信号で処理しているので、256階調である。
【0055】
この画像形成装置では、第IV象限の階調特性をリニアにするために、第III象限のプリンタ特性がリニアでない分を第IV象限のLUT25によって補正している。
【0056】
LUT25は後に述べる演算結果により生成される。
【0057】
LUT25にて濃度変換された後、パルス巾変調(PWM)回路26により信号がドット巾に対応した信号に変換され、レーザーのON/OFFを制御するレーザードライバ27に送られる。
【0058】
本実施例では、Y、M、C、Kの全色とも、パルス巾変調処理による階調再現方法を用いた。
【0059】
そして、レーザ110の走査により感光体ドラム4上にはドット面積の変化により、所定の階調特性を有する潜像が形成され、現像、転写、定着という過程をへて階調画像が再生される。
【0060】
(リーダー/プリンタの双方を含む系の階調制御)
次に、リーダー部A、プリンタ部Bの双方を含む系の画像再現特性の安定化に関する第1の制御系について説明する。
【0061】
まず、リーダー部Aを用いてプリンタ部Bのキャリブレーションについて、図7のフロー図を用いて説明する。このフローは、リーダー部Aを制御するCPU214とプリンタ部Bを制御するCPU28により実現される。
【0062】
操作部217上に設けられた、自動階調補正というモード設定ボタンを押すことで、本制御がスタートする。なお、本実施例では、表示器218は図8〜図10に示す様なプシュセンサーつきの液晶操作パネル(タッチパネルディスプレイ)で構成されている。
【0063】
S51において表示器218上に、テストプリント1のプリントスタートボタン81が現れ(図8(a))、それを押すことで図11に示すテストプリント1の画像がプリンタ部Bによりプリントアウトされる。
【0064】
このとき、テストプリント1を形成するための用紙の有無をCPU214が判断し、ない場合は図8(b)に示すような警告表示を行う。
【0065】
このテストプリント1の形成時にはコントラスト電位(後述する)は、環境に応じた標準状態のものを初期値として登録しおき、これを用いる。
【0066】
また、本実施例に用いた画像形成装置は、複数の用紙カセットを備え、B4、A3、A4、B5等複数種の用紙サイズが選択可能となっている。
【0067】
しかし、この制御で使用するプリント用紙は、後の読み取り作業時に、縦置き、横置きの間違えによるエラーを避けるために、一般で言われているラージサイズ紙を用いている。すなわち、B4、A3、11×17、LGRを用いるように、設定されている。
【0068】
図11のテストパターン1には、Y、M、C、K4色分の中間階調濃度による、帯状のパターン61を形成する。
【0069】
このパターン61を目視で検査することにより、スジ状の異常画像、濃度ムラ、色ムラがないことを確認する。このパターンはスラスト方向に、パッチパターン62、及び階調パターン71、72(図12)をカバーするようにCCDセンサー105の主走査方向のサイズが設定されている。
【0070】
異常が認められる場合には、再度テストプリント1のプリントを行い、再度異常が認められた場合にはサービスマンコールとする。
【0071】
なお、この帯パターン61を、リーダー部Aで読み取り、そのスラスト方向の濃度情報により、以後の制御を行うかどうかの可否判断を自動で下すことも可能である。
【0072】
一方パターン62はY、M、C、Bkの各色の最大濃度パッチで、濃度信号値で255レベルを用いる。
【0073】
S52では、このテストプリント1の画像を、原稿台ガラス102上に図13のようにのせて、図9(a)に示される読み取りスタートボタン91を押す。
【0074】
このとき、図9(a)に示す操作者用のガイダンス表示が現れる。
【0075】
図13は、原稿台を上部から見た図であり、左上のくさび型マークTが原稿台の原稿つき当て用のマークであり、帯パターン61が、つき当てマークT側にくるようにして、なおかつ、表裏を間違えないように、操作パネル上で上述のようなメッセージを表示する(図9(a))。このようにすることで、置き間違えによる制御エラーを防ぐようにした。
【0076】
リーダー部Aにより、パターン62を読み取る際に、つき当てマークTから徐々に走査し、一番最初の濃度ギャップ点Aがパターン61の角で得られるので、その座標ポイントから、相対座標で、パターン62の各パッチの位置をわり出して、パターン62の濃度値を読み取る。
【0077】
読み取り中は図9(b)に示す表示が行われ、テストプリント1の向きや位置が不正確で読み取り不能のときは図9(c)に示すメッセージを表し、操作者が置きなおして、読み込みキー92を押すことにより再度読み取りを行う。
【0078】
得られたRGB値より、光学濃度の換算するためには、下式(2)を用いる。市販の濃度計と同じ値にするために、補正係数(k)で調整している。
【0079】
また、別にLUTを用いてRGBの輝度情報からMCYBkの濃度情報に変換してもよい。
【0080】
【外2】
Figure 0003618777
【0081】
次に得られた濃度情報から、最大濃度を補正する方法を説明する。
【0082】
図15に相対ドラム表面電位と上述の演算により得られた画像濃度の関係を示す。
【0083】
その時点で用いたコントラスト電位、すなわち、現像バイアス電位と1次帯電された後レーザ光を用いて最大レベルを打った時の感光ドラムの表面電位との差が、Aという設定で得られた最大濃度Dであった場合、最大濃度の濃度域では、相対ドラム表面電位に対して画像濃度が実線Lに示すように、リニアに対応することがほとんどである。
【0084】
ただし、2成分現像系では、現像器内のトナー濃度が変動して、下がってしまった場合、破線Nのように、最大濃度の濃度域で、非線形特性になってしまう場合もある。
【0085】
従って、ここでは、最終的な最大濃度の目標値を1.6としているが、0.1のマージンを見込んで、1.7を最大濃度をあわせる制御の目標値に設定して制御量を決定する。
【0086】
ここでのコントラスト電位Bは、次式(3)を用いて求める。
【0087】
B=(A+Ka)×1.7/D…(3)
ここでKaは、補正係数であり、現像方式の種類によって、値を最適化するのが好ましい。
【0088】
実際には、電子写真方式では、環境によって、コントラスト電位Aの設定は、環境に応じて変えないと画像濃度が合わず、先に説明した、機内の水分量をモニターする環境センサー33の出力によって、図16のように設定を変えている。
【0089】
従って、コントラスト電位を補正する方法として次式の補正係数Vcont.ratelを、バックアップされたRAMに保存しておく。
【0090】
Vcont.ratel=B/A
画像形成装置が30分毎に、環境(水分量)の推移を、モニタし、その検知結果に基づいてAの値を決定する度に、A×Vcont.ratelを算出して、コントラスト電位を求める。
【0091】
コントラスト電位から、グリッド電位と現像バイアス電位を求める方法を簡単に説明する。
【0092】
図17にグリッド電位と感光ドラムとの関係を示す。
【0093】
グリッド電位を−200Vにセットして、レーザ光のレベルを最低にして走査したときの表面電位V並びにレーザ光のレベルを最高にしたときの表面電位Vを表面電位センサー12で測定する。
【0094】
同様にグリッド電位を−400VにしたときのVとVを測定する。
【0095】
−200Vのデータと−400Vのデータを、補間、外挿することで、グリッド電位と表面電位との関係を求めることができる。
【0096】
この電位データを求めるための制御を電位測定制御とよぶ。
【0097】
から画像上にカブリトナーが付着しないように設定されたVbg(ここでは100Vに設定)の差を設けて、現像バイアスVDCを設定する。
【0098】
コントラスト電位Vcontは、現像バイアスVDCとVの差分電圧であり、このVcontが大ほど、最大濃度が大きくとれるのは、上述した通りである。
【0099】
計算で求めたコントラスト電位Bにするためには、図17の関係より、何ボルトのグリッド電位が必要か、そして何ボルトの現像バイアス電位が必要かは、計算で求めることができる。
【0100】
図7のS53では最大濃度を最終的な目標値より、0.1高くなるようにコントラスト電位を求め、このコントラスト電位が得られるように、グリッド電位および現像バイアス電位をCPU28がセットする。
【0101】
S54にて、求めたコントラスト電位が、制御範囲にあるかどうかを判断して、制御範囲からはずれている場合には、現像器等に異常があるものと判断して、対応する色の現像器をチェックするように、サービスマンにわかるように、エラーフラグをたてておき、所定のサービスモードでそのエラーフラッグをサービスマンが見られるようにする。
【0102】
ここでは、そのような異常時には制御範囲ぎりぎりの値にリミッターをかけて、修正制御して(S55)、制御は継続させる。
【0103】
以上の様に、S53で求めたコントラスト電位になれるように、CPU28によりグリッド電位と現像バイアス電位の設定を行う。
【0104】
図31に、濃度変換特性図を示す。本実施例での最大濃度を最終目標値より高めに設定する最大濃度制御により第III象限のプリンタ特性図は実線Jのようになる。
【0105】
もし仮に、このような制御を行わないときには、破線Hのような1.6に達しないプリンタ特性になる可能性もある。破線Hの特性の場合LUT25をいかように設定しても、LUT25は最大濃度を上げる能力は持ち合わせていないので、濃度Dと1.6の間の濃度は再現不可能となる。
【0106】
実線Jの様に最大濃度をわずかに越える設定になっていれば、確実に、第IV象限のトータル階調特性で、濃度再現域は保証することができる。
【0107】
次に、図10(a)のように操作パネル上に、テストプリント2の画像のプリントスタートボタン150が現れ、それを押すことで図12のテストプリント2の画像がプリントアウトされる(S56)。プリント中は図10(b)のような表示となる。
【0108】
テストプリント2は図12に示すように、Y、M、C、Bkの各色、4列16行の全部で64階調分のグラデーションのパッチ群により成り立ち、ここで、64階調分は、全部で256階調あるうちの、濃度の低い領域を重点的にレーザ出力レベルを割り当ててあり、高濃度領域は、レーザ出力レベルをまびいてある。このようにすることにより、特にハイライト部における階調特性を良好に調整することができる。
【0109】
図12において、71は解像度200lpi(lines/inch)のパッチ、72は400lpi(lines/inch)のパッチである。各解像度の画像を形成するためには、パルス幅変調回路26において、処理の対象となっている画像データとの比較に用いられる三角波の周期を複数用意することによって実現できる。
【0110】
なお、本画像形成装置は、階調画像は200lpiの解像度で、文字等の線画像は400lpiの解像度で、作成している。この2種類の解像度で同一の階調レベルのパターンを出力しているが、解像度のちがいで、階調特性が大きく異なる場合には、解像度に応じて先の階調レベルを設定するのがより好ましい。
【0111】
また、テストプリント2は、LUT25を作用させずに、パターンジェネレータ29から発生させる。
【0112】
図14はテストプリント2の出力を、原稿台ガラス102上に置いたときに、上方から見た模式図であり、左上のくさび型マークTが原稿台の原稿つき当て用のマークであり、Bkのパターンが、つき当てマークT側にくるようにして、なおかつ、表裏を間違えないように操作パネル上でメッセージを表示した(図10(c))。このようにすることで、置き間違えによる制御エラーをふせぐようにした。
【0113】
リーダー部Aにて、パターンを読み取る際に、つき当てマークTから徐々に走査し、一番最初の濃度ギャップ点Bが得られるので、その座標ポイントから、相対座標でパターンの各色パッチの位置を割り出して、読み取るようにした(S57)。
【0114】
1パッチ(図12の73)あたりの読むポイントは図18のように、パッチの内部を、読み取りポイント(x)を16ポイントとり、得られた信号を平均する。ポイント数は読み取り装置、画像形成装置によって最適化するのが好ましい。
【0115】
各パッチ毎に16ポイントの値が平均された、RGB信号を、先に示した光学濃度への変換方法により、濃度値に直し、それを出力濃度として、横軸にレーザ出力レベルをプロットしたのが、図19である。
【0116】
更に、右の縦軸のように、紙のベース濃度、本例では0.08を0レベルに、この画像形成装置の最大濃度として設定している1.60を255レベルに正規化している。
【0117】
得られたデータがC点のように、特異的に濃度が高かったり、D点のように、低かったりした場合には、原稿台ガラス102上に汚れがあったり、テストパターン上に不良があったりすることがあるので、データ列に連続性が保存されるように、傾きにリミッターをかけ、補正を行う。ここでは具体的には傾きが3以上の時は、3に固定し、マイナス値の時は、その前のレベルと同じ濃度レベルにしている。
【0118】
LUT25の内容は前述したように、図19の濃度レベルを入力レベル(図6の濃度信号軸)に、レーザ出力レベルを出力レベル(図6のレーザ出力信号軸)に座標を入れ換えるだけで、簡単に作成できる。パッチに対応しない濃度レベルについては、補間演算により値を求める。
【0119】
このときに、入力レベル0レベルに対して、出力レベルは0レベルになるように、制限条件を設けている。
【0120】
そして、S58で上述の様に作成した変換内容をLUT25に設定する。
【0121】
以上で、読取装置を用いた第1の制御系によるコントラスト電位制御とγ変換テーブル作成が完了する。上述の処理中には、図10(d)のような表示が行われ、完了すると図10(e)のように表示される。
【0122】
次に第1の制御系による制御を行った後の、階調性についての補足制御について説明する。
【0123】
本実施例で用いた画像形成装置では、先のコントラスト電位制御により、環境が変動しても、最大濃度が補正できたが、階調性についても補正を行っている。
【0124】
第1の制御系を無効にした状態で、環境が変化した場合に対応して、ROM30には各環境の図20に示すLUT25のデータが保存されている。
【0125】
第1の制御系による制御を行ったときの水分量データを保存しておき、その水分量に対応するROM30上のLUT.Aを求める。
【0126】
以降、環境が変化する毎に、その時点の水分量に対応するROM30上のLUT.Bを求めておき、第1の制御系により得られたLUT.1を(LUT.B−LUT.A)を用いて下式により補正する。
【0127】
LUT.present=LUT.1+(LUT.B−LUT.A)…(4)
この制御により、画像形成装置は、濃度信号に対して、リニアな特性になるように構成され、結果として機械毎の濃度階調特性ばらつきを押え込めるようになり、標準状態の設定ができるようになった。
【0128】
また、この制御を一般ユーザに解放することにより、画像形成装置の階調特性が悪くなったと判断した時点で、必要に応じて制御をかけることで、リーダ/プリンタの双方を含む系の階調特性の補正を容易に実効できるようになる。
【0129】
さらに、上述のような環境変動に対する補正をも適切に行うことができる。
【0130】
また、第1の制御系の有効/無効の設定は、サービスマンができるようにしておき、サービスメンテナンス時は、無効にすることで、画像形成装置の状態判断を行えるようにしている。
【0131】
無効にした場合は、この機種の画像形成装置の標準的な、コントラスト電位、ならびに、γLUT25が、ROM30から呼び出されセットされるようにしておく。
【0132】
そのようにしておくことで、サービスメンテナンス時に、標準の状態からどのくらい特性がずれているのかが明白になり、最適なメンテナンスが効率良く行える。
【0133】
(プリンタの階調制御)
次に、プリンタ部B単独の画像再現特性の安定化に関する第2の制御系について説明する。
【0134】
図21は感光ドラム4に相対するLED10とフォトダイオード11から成るフォトセンサー40からの信号を処理する処理回路を示す。フォトセンサー40に入射された感光ドラム4からの近赤外光は、フォトセンサー40により電気信号に変換され、電気信号はA/D変換回路41により0〜5Vの出力電圧を0〜255レベルのディジタル信号に変換される。そして、濃度換算回路42により濃度に変換される。
【0135】
なお、本実施例で使用したトナーは、イエロー、マゼンタ、シアンの色トナーで、スチレン系共重合樹脂をバインダーとし、各色の色材を分散させて形成されている。
【0136】
イエロー、マゼンタ、シアントナーの分光特性はこの順に図22〜図24に示す通り、近赤外光(960nm)の反射率が80%以上得られる。また、これらの色トナー画像形成において、色純度、透過性に有利な2成分現像方式を採用している。
【0137】
一方、本実施例では、ブラックトナーは同じ2成分現像方式ではあるが、純粋な黒を出すために、色材としてカーボンブラックを用いているため、図25に示す通り、近赤外光(960nm)の反射率は10%程度である。
【0138】
また、感光ドラム4はOPCドラムであり、近赤外光の反射率(960nm)は約40%であり、反射率が同程度であれば、アモルファスシリコン系ドラム等であってもかまわない。
【0139】
感光ドラム4上の濃度を各色の面積階調により段階的に変えていった時の、フォトセンサー40出力と出力画像濃度との関係を図26に示す。
【0140】
トナーが感光体ドラム4に付着していない状態におけるセンサー9の出力を2.5V、すなわち、128レベルに設定した。
【0141】
図26からわかるように、イエロー、マゼンタ、シアンの色トナーは面積被覆率が大きくなり画像濃度が大きくなるにしたがい、感光ドラム4単体よりフォトセンサー40出力が大きくなる。
【0142】
一方、ブラックのトナーは面積被覆率が大きくなって、画像濃度が大きくなるに従い、感光ドラム4単体よりフォトセンサー40出力が小さくなり、これらの特性から、各色専用のセンサー出力信号から、濃度信号に変換するテーブル42aを持つことにより、各色とも精度良く濃度信号を読み取ることができる。
【0143】
第2の制御系のフローを図27を用いて説明する。この制御はCPU28により実現される。
【0144】
メイン電源スイッチをオン(S201)にした時に、定着ローラーの温度が150℃以下であった場合、第2の制御系による制御が行われるように設定している(S202)。
【0145】
定着温度が150℃以下の場合、定着ローラ温度が所定の温度になり、レーザ温度も温調点に達し、先のコントラスト電位を設定するために、電位データを測定する電位測定制御をおこない、トナートリボが安定するまで、現像器を空回転して、スタンバイ状態になるまで待つ(S203)。
【0146】
スタンバイ状態になったところで、Y、M、C、Bkの各色毎のパッチパターンを感光ドラム上に形成して、フォトセンサー40で検知する(S204)。
【0147】
ここで、パッチのレーザ出力は、各色とも濃度信号(図6の濃度信号軸)で128レベルを用いる。この際、LUT25の内容ならびに、コントラスト電位の設定は、第1の制御系で得たものを、その時点での水分量を用いて補正して用いる。
【0148】
第1の制御系が無効の状態では、標準状態として水分量から導かれた、ROM80に登録されているLUT25ならびに、コントラスト電位を用いる。
【0149】
感光ドラム4上にパッチを形成するシーケンスは図28のように行った。
【0150】
本実施例では大口径の感光ドラム4を使用しているため、正確に、そして効率良く短時間で濃度データを得るため、感光ドラムの偏心を考慮して、感光ドラムの180度相対する位置に同一色のパッチを形成し測定し、複数のサンプリングを行い平均を求める。
【0151】
そのパッチをはさむように、異なる色のパッチを形成することで、1周で2色分のデータを得た。
【0152】
このようにして、2周で4色分のデータが得られ、図26の濃度変換テーブル40aを用いて濃度値を得る。
【0153】
図29に濃度信号と出力の関係を示す。
【0154】
濃度第1の制御系により濃度信号128は、1.6を255に正規化した濃度スケールで出力濃度は128になるように制御されているので、測定した結果がE点のようにΔDだけずれていた場合、
Vcont.correct=Vcont.present×128/(128+ΔD)…(5)
で求められる。
【0155】
ここで、第1の制御系同様に、
Vcont.rate2=Vcont.correct/Vcont.present
と、補正計数として持っておくことで、環境が変動してもROM30に保存してある環境に応じたコントラスト電位にそった形で補正がかけられる(S206)。
【0156】
以上の制御が終了したら、“コピーできます”のメッセージを上述の操作パネル上に表示し、コピースタンバイとなる(S207)。
【0157】
以上で、第2の制御系による制御が完了する。
【0158】
通常この画像形成装置は、電源を夜間切り、朝入れるケースが多く、従って第2の制御系は、1日に1回は起動されることになる場合が多い。
【0159】
それに対して、第1の制御系は、人の作業がともなうので、頻繁に行うことは想定しにくい。
【0160】
そこで、画像形成装置の設置作業にサービスマンが第1の制御系を実効し、画像に問題が生じなければ、第2の制御系で、短期間内は特性を自動的に維持させ、長期間で徐々に変化したものに対しては、第1の制御系でキャリブレーションを行うという役割分担ができ、結果として画像形成装置の寿命まで、階調特性を維持することができるようになる。
【0161】
次に第2の制御系で使用しているフォトセンサー40の構成について説明する。
【0162】
画像形成装置の使用耐久により、感光ドラム4上のパターンをフォトセンサー40で読み取った濃度と、実際にプリントアウトされた画像の濃度が一致しなくなるケースが生じてくる。
【0163】
例えば、転写残トナーをクリーニングするための、クリーニングブレードを接触させて長期に渡って感光ドラム4を擦ることにより、感光ドラム4の表面が粗れて、感光体ドラムの散乱光成分が増えることにより、フォトセンサー40の出力と、画像濃度の関係が初期状態と変わってしまう。
【0164】
図30にイエローの場合の一例を示す。
【0165】
曲線140が感光ドラムが初期の状態で、曲線141が20000枚画像を形成した後の特性である。
【0166】
同じセンサー出力でも、画像濃度は低くなる傾向が観察されている。
【0167】
センサー出力と、画像濃度の関係が合っていない状態で、前述の制御を行っても、良好階調特性は得られないことがある。
【0168】
そこで、第1の制御系が、動作終了後に感光ドラム上に第1の制御系で階調パッチのレベルで出力濃度レベル128に近いレベルを(本実施例では96レベルを使用)第2の制御系でのパッチ作成し、読み取りシーケンスで検知した。
【0169】
先に第1の制御系で読んだ濃度値とフォトセンサー40出力との対応から、F点がもとまる。
【0170】
曲線140を変換テーブルとしてROM30に登録してあり、G点のフォトセンサー出力の対応する濃度がD1であり、耐久後のG点の対応する濃度がD2であったので、曲線140に対して、D2/D1の比率を乗ずることで、耐久した状態での変換特性を求めることができ、これを補正のために用いることができる。
【0171】
以上説明したように、本実施例によれば、記録材上に単色もしくは、カラー画像を形成する画像形成手段において、原稿台上の原稿を読み取り、それをデジタル化する画像読取手段と、前記画像読取手段での、読み取り条件の変化に応じて該読み取り条件を制御する制御手段と、前記画像読取手段により読み取られた画像情報に基づき、像担持体上のトナー像を形成する手段、形成されたトナー像の反射濃度を光学的に読取手段、像担持体上のトナー画像を記録材に転写する手段、および、記録材上のトナー像を定着する画像形成装置であって、前記記録材上に、画像特性を判断するための少なくとも1つ以上の画像パターンを形成し、これを前記画像読取手段にて読み取り、その読み取りデータに基づいて、画像形成条件を制御する第1の制御系と、前記像担持体上に、画像特性を判断するための少なくとも1つ以上の画像パターントナー像を形成し、形成されたトナー像の反射濃度を光学的に読取手段にて読み取り、その読み取りデータに基づいて、画像形成条件を制御する第2の制御系と、を有することにより、長期に渡って、階調特性を維持することができるという効果がある。
【0172】
また、本実施例によれば、原稿台上の原稿を読み取り、それをデジタル化する手段と、デジタル化された画像信号に基づいて、画像を形成する手段、画像特性を判断するための少なくとも1つ以上の画像パターンを形成し、出力後の前記パターン画像を、原稿台に設置して画像情報を読み取り、その情報により画像形成条件を制御する画像形成装置において、第1のステップで、その画像形成装置の最大画像濃度の画像パターンを形成し、形成された記録画像を、読取装置の原稿台に設置して読み取り、その読み取った画像情報に基づき、その画像形成装置の目標最大濃度よりも、若干高くなるように、画像形成条件を制御を行い、第2のステップで、濃度階調を示す画像パターンを形成し、形成された記録画像を読取装置の原稿台に設置して読み取り、その読み取った画像情報に基づき、階調特性が一定の特性になるように、画像形成条件を制御を行うことにより、画像形成装置の出力濃度レンジをいつでも同じ状態にし、なおかつ、ハイライトからシャドウにいたるまで、安定した、階調特性をいつでも同じ状態にできるという効果がある。
【0173】
なお、最大濃度のパッチを読み取る際に複数ポイント(例えば3点)の平均値として、最大濃度を求めてもよく、感光ドラム4のスラスト方向および周方向に濃度傾きがある場合、これらのパッチの濃度差が出るので、検出した濃度差が設定したレベルより大きかった場合は、感光ドラムの位置精度、1次帯電器の位置精度、現像器の位置精度等に、なんらかの異常があるものと判断して、エラーメッセージとして、点検の催促を表示器218上に表示を行い、制御を中断させることもできる。
【0174】
また、最大濃度のパッチは図32の様に各色複数作成してその平均をとってもよく、また、テストプリント2は、図33の様に各色を副走査方向に一列に並べるようにしてもよい。
【0175】
また、上述の例では、(2)式を用いて濃度情報を得たが、LOG変換回路206の出力を濃度情報として用いてもよい。そしてこの場合、イエロー濃度を測る時は、その補色すなわちブルー信号をLOG変換した値を、マゼンタ濃度はグリーン信号、シアン濃度はレッド信号を用い、ブラック濃度は原理的にはどの色信号でもよいのであるが、比視感度特性的に考慮してグリーン信号を使用することができる。
【0176】
また、上述の例では、第2の制御系によってVcontを補正したが、LUT25と同様のLUTをもう一つ設けることにより、第2の制御系によってγ補正を制御してもよい。
【0177】
(第2の実施例)
図34は本実施例の画像形成装置の構成を示す。本実施例において、画像信号はレーザドライバおよびレーザ光源(いずれも図示せず)を介してレーザ光に変換され、そのレーザ光はポリゴンミラー1001およびミラー1002により反射され、感光体ドラム1004上に照射される。レーザ光の走査により潜像が形成された感光ドラム1004は、図中に示す矢印の方向に回転する。すると、回転現像器1003により各色ごとの現像がなされる(図34は、イエロートナーによる現像を示している)。
【0178】
一方、記録材は転写ドラム1005に巻き付けられて1回転する度に、M(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の順番に1回づつ回転し回転現像器1003により現像された感光ドラム1004より転写される。計4回回転して転写が終了する。
【0179】
転写が終了すると、転写紙は転写ドラム1005から離れ、定着ローラ対1007によって定着され、カラー画像プリントが完成する。
【0180】
本実施例では、回転現像器を用いている点が上述の実施例と異なる。
【0181】
画像処理のための回路構成は上述の実施例と同様なのでその説明は省略する。
【0182】
図35に、本実施例のフローを示す。操作パネル217上から、階調特性に異常があると判断した、特定の色を指定して、本制御のスタートスイッチをオンすると(S1001)、機械内部のパターンジェネレータ29により、図36に示すように、指定色のγがリニアでない部分を多くとった階調パターン画像を記録材上に形成し、プリントアウトする(S1002)。以後S1003〜S1005は上述の実施例と同様である。
【0183】
図37に示すように、γがリニアでないところを補間すると図の点線のように実際の濃度とは違ってしまう。そのため本実施例ではγがリニアでない部分を密に取り実際の濃度との差を小さくしている(図10)。
【0184】
本実施例においては、LUT作成にあたって、その間のデータを生成するために、1次補間を行っているが、精度を向上させるために、高次補間、高次近似をおこなうことが好ましい。そのデータを用いてLUT25を算出し、設定を行い、階調性を向上させることができる。
【0185】
以上の制御を行うことにより、γがリニアでない部分も階調性が優れた画像が、形成できるようになる。
【0186】
また、上述の例では、指定した単色での制御を行ったが、耐久による階調性の悪化は、使用している色トナー全種についても、起こりうるので、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの全ての色に関して、一度に、補正してもよい。
【0187】
図39に、そのフローを示す。操作パネル218上から、本制御のスタートスイッチをオンすると(S1001)、機械内部のパターンジェネレータにより、図40に示すように、前記制御と同様に全色のγがリニアでない部分の階調パターンを多くとったパターン画像を記録材上に形成し、プリントアウトする。
【0188】
また、階調特性は環境やプリント出力方法によっても変動するので、本実施例は状況によって密にとる部分を変えることを特徴とする。第1の実施例において、パターン画像を200LPlで出力するのと400LPlで出力するのでは階調特性が変化する。
【0189】
このように出力解像度によって階調特性が変わる場合にはそれに応じて図41に示すように測定ポイントを変化させる。この測定ポイントにより第1の実施例と同様の制御をおこない階調性が優れた画像が形成できるようになる。
【0190】
以上説明したように、本実施例によれば、原稿台上の原稿を読み取り、それをデジタル化する手段と、像担持体上のトナー像を形成する手段、像担持体上のトナー画像を記録材に転写する手段、および、記録材上のトナー像を定着する手段を有し、定着後の記録画像に、画像特性を判断するための少なくとも1つ以上のγがリニアでない部分の階調パターンを多くとった画像パターンを形成し、原稿台に設置して読み取り、そのデータを用いて濃度調節をすることによって、より階調性に優れた画質が得られるようになる。
【0191】
(第3の実施例)
本実施例の画像形成装置の構成は、第2の実施例と同様である。
【0192】
図42に、本実施例のフローを示す。操作パネル217上から、階調特性に異常があると判断した特定の色を指定して、本制御のスタートスイッチをオンすると(S2001)、機械内部のパターンジェネレータにより、指定色の特定出力の全面均一濃度の濃度が0.6付近のハーフトーン画像を出力する。このプリントアウトサンプル101を再度、リーダの原稿台102にのせ、光源103で照らし、色分解光学系104を通し、CCD105で反射光量信号に変換する(S2003)。
【0193】
これをlog変換により濃度データに変換する(S2004)。
【0194】
このハーフトーン画像の全域の濃度を鑑定する(1ミリ四方に1ポイント測定)。これがある一定値(0.45〜0.75))の範囲に入っていない場合や、最大濃度と最低濃度との間に一定値(0.15)以上の差がある場合には、『サービスマンを呼んでください』とメッセージを表示器218に表示する(S2007)。そして機械の異常を直してからもう一度階調補正を行う。判定の結果が設定どうりの場合には、図43に示すように、指定色の256階調のパターン画像を記録材上に形成し、プリントアウトする。このパターンに基づく階調制御(S2006)は第1の実施例と同様である。
【0195】
本実施例では、256ポイントの濃度データを用いて、LUT25のデータを算出し、設定を行い、階調性を向上させている。
【0196】
以上の制御を行うことにより、同じ濃度出力でもなんらかの不都合により部分的に濃度が変化する場合、階調補正の誤動作を防ぐことができるようになる。
【0197】
(第4の実施例)
上述した第3の実施例においては、何らかの装置異常が発生した場合、ユーザにサービスマンコールを促すだけであったが、本実施例においては、異常の発生箇所についても同時に通知する。
【0198】
第4の実施例のLUT25の設定は、第3の実施例と同様に、図42で示されるため、第3の実施例と同一の処理については説明を省略する。
【0199】
第2実施例においては、図44のステップS2005でレーザ出力レベルと読み取り濃度との関係に異常がないか判定する際に、T/C比(トナーとキャリアの比)等のデータも同時に参照する。以下に、T/C比の求め方について図45を参照して説明する。
【0200】
図45は、図34における現像器1003の詳細構成を示す図である。図48において、感光ドラム1004上に形成された画像潜像が目視できるように現像器1003でトナーを現像するが、本実施例では、キャリアとトナーの2成分からなる現像剤を使用する。
【0201】
画像濃度は、現像剤中のトナー濃度(T/C比)に依存するため、従ってT/C比を一定に保たねばならない。
【0202】
現像器1003は前記現像剤を均一に攪拌するためのスクリュ91a、91bを備え、スクリュ91aは図中向こう側に回転することにより現像剤を搬送し、スクリュ91bは図中手前側に回転することにより現像剤を搬送することによって、現像剤は現像器1003の中で循環される。
【0203】
現像剤中のキャリアは磁性を有しているため、現像スリーブ90に内蔵された磁石により、キャリアとトナーとが混ざった状態で汲み上げられ、ブレード94で感光ドラム1004上に均一に塗布される。次に、現像スリーブ90に印加された電圧と感光ドラム1004上の潜像の電位との差に応じたトナー量が感光ドラム1004上に付着することにより、現像が行われる。
【0204】
また、現像器1003はLED92とフォトダイオード93から成る光学センサーを、現像スリーブ90に汲み上げられた現像剤に向けて内蔵している。
【0205】
LED92、フォトダイオード93は共に950nmの波長にピークを有し、トナーはこの波長域で反射するものを使用し、またキャリアはこの波長域で吸収するものを使用しているため、フォトダイオード93の出力が高ければT/C比は高く、逆にフォトダイオード93の出力が低ければT/C比は低いことを示す。
【0206】
設定されたT/C比の状態でのフォトダイオード93の出力を予め記憶しておき、現在のフォトダイオード93の出力と比較することにより、その差から現在のT/C比が検出できる。
【0207】
尚、現在のT/C比が低いと検出された場合、T/C比を設定値に戻すため不図示のトナー補給部から現像器1003内にトナーが補給される。
【0208】
以上説明したようにして得られたT/C比を、図44のステップS2005でのレーザ出力レベルと読み取り濃度との関係に異常がないか判定する際に参照する。
【0209】
図44のステップS2005においてレーザ出力レベルと読み取り濃度との関係に異常があると判定されれば、ステップS2100に進み、表示器218にメッセージを表示する。このとき、上述の現像器1003内の光学センサーにより得られたT/C比等に基づいて、異常発生箇所を推測するメッセージを表示する。
【0210】
上記の異常発生箇所を推測するメッセージの具体例を、以下に説明する。
【0211】
例えば、読み取り濃度を「濃」、「普」、「薄」の三段階とし、またT/C比も同様に「濃」、「普」、「薄」の三段階として考えると、表1に示すような9つの状態が考えられる。
【0212】
【表1】
Figure 0003618777
【0213】
以上の表1に示す各状態に対するメッセージは、例えば以下に示す表2のように設定できる。
【0214】
【表2】
Figure 0003618777
【0215】
以上説明したように第4の実施例によれば、階調補正の際に装置異常等の何らかの異常が発生している場合にこれを検知し、更に異常発生箇所を推測することにより、誤動作を防ぐと同時にメンテナンスが容易になる。
【0216】
上述の実施例4では、均一濃度確認のために一枚ハーフトーンを出して、OKなら階調制御のパターンを出すようにしたが、まとめて一枚にしてもよい。
【0217】
即ち、図46のように、記録材の一部分に画像特性を判断するための少なくとも1つ以上の階調画像パターンを形成し、それ以外の部分は均一濃度ハーフトーンを出力する。
【0218】
このようにすれば、テストパターンを複数回形成する手間を省くことができ、効率の良いキャリブレーションが可能となる。
【0219】
以上説明したように、本実施例によれば、原稿台上の原稿を読み取り、それをデジタル化する手段と、そのデジタル化した信号に基づいて画像を形成する手段を有し、階調補正を行う前に、均一出力画像を出力し、原稿台に設置して読み取り、そのデータに異常な部分を発見した場合「サービスマンを呼んでください」とメッセージを表示し、その時は階調補正を行わない。さらに、パッチセンサー(図45)などのデータを監視して、T/C比が高いのに、濃度が薄かった場合「1.現像器に異常がないか見てください。2.転写に異常がないか見てください。3.ホッパーに異常がないか見てください。4.******」などの異常が起こっていると推測できることも表示する。そして機械の異常を直してからもう一度階調補正を行う。それによって、階調補正の誤動作を防ぐことができるようになり、メンテナンスを容易にすることができる。
【0220】
【発明の効果】
以上の様に、本願によれば、基準パターンの均一性を測定することにより、安定した画像形成条件の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の構成断面図。
【図2】実施例1のリーダー画像処理部108の構成ブロック図。
【図3】実施例1のリーダー画像処理部108のタイミングを示す図。
【図4】実施例1の制御ブロック図。
【図5】実施例1を示すブロック図。
【図6】階調再現特性を示す4限チャート図。
【図7】第1の制御系のフロー図。
【図8】表示器218の表示内容を示す図。
【図9】表示器218の表示内容を示す図。
【図10】表示器218の表示内容を示す図。
【図11】テストプリント1の例を示す図。
【図12】テストプリント2の例を示す図。
【図13】原稿台でのテストプリント1の置き方を示す図。
【図14】原稿台でのテストプリント2の置き方を示す図。
【図15】相対ドラム表面電位と画像濃度の関係を示す図。
【図16】絶対水分量とコントラスト電位の関係を示す図。
【図17】グリッド電位と表面電位の関係を示す図。
【図18】パッチパターンの読み取りポイントを示す図。
【図19】テストプリント2の読み取り例を示す図。
【図20】各水分量に対応するLUTを示す図。
【図21】フォトセンサー40から濃度変換までのフロー図。
【図22】イエロートナーの分光特性図。
【図23】マゼンタトナーの分光特性図。
【図24】シアントナーの分光特性図。
【図25】ブラックトナーの分光特性図。
【図26】フォトセンサー出力と画像濃度の関係を示す図。
【図27】第2の制御系のフロー図。
【図28】第2の制御系による検知例を示す図。
【図29】第2の制御系でのパッチ形成シーケンスを示す図。
【図30】フォトセンサー40の濃度変換テーブルの耐久特性変化を示す図。
【図31】濃度変換特性を示す図。
【図32】パッチの例を示す図。
【図33】パッチの例を示す図。
【図34】本発明の第2の実施例の構成を示す図。
【図35】第2の実施例のフローチャート。
【図36】第2の実施例のプリントアウトされたテストプリントを示す図。
【図37】測定ポイント説明図。
【図38】測定ポイント説明図。
【図39】第2の実施例の変形例を示す図。
【図40】第2の実施例の変形例を示す図。
【図41】第2の実施例の変形例を示す図。
【図42】実施例3のフローチャート。
【図43】実施例3のテストプリントを示す図。
【図44】実施例4のフローチャート。
【図45】現像器の構成図。
【図46】テストプリントの変形例を示す図。
【符号の説明】
3 現像器
4 感光ドラム
7 定着ローラ
8 1次帯電器
10 LED
11 フォトダイオード
12 表面電位センサー
25 γ−LUT
29 パターンジェネレータ
33 環境(水分量)センサー
100 プリンタエンジン
105 CCDセンサー
109 プリンタ制御部
110 半導体レーザ

Claims (2)

  1. 画像形成部における画像形成条件を調整する画像処理方法であって、
    前記画像形成条件を調整するために記録剤の種類に対応したパッチを前記画像形成部に形成させるとともに、前記画像形成部の異常による濃度ムラを判断するために中間階調濃度の帯状の均一パターンを前記画像形成部により紙上に形成させ、
    前記形成された記録剤の種類に対応したパッチの読み取り結果から前記画像形成条件を調整する画像処理方法。
  2. 前記画像形成条件には、最大濃度を調整するための第1の画像形成条件と、階調を調整するための第2の画像形成条件が含まれ、
    前記記録剤の種類に対応したパッチには、前記第1の画像形成条件を調整するために前記記録剤のそれぞれに対応した高濃度のパッチおよび前記第2の画像形成条件を調整するために前記記録剤のそれぞれに対応した複数の階調パッチが含まれ、
    前記第1の画像形成条件の調整後に前記第2の画像形成条件の調整を行うことを特徴とする請求項記載の画像処理方法。
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