JP3550331B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いた複写機、ファクシミリおよびプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた複写機、ファクシミリおよびプリンタ等の画像形成装置は、一般に、光導電性を有する感光体ドラムを像担持体とし、帯電させた感光体ドラム上に入力画像データに基づいたレーザビームを照射することにより静電潜像を形成して、これをトナーによって現像してトナー像を形成し、このトナー像を記録紙等に転写するように構成されている。
【0003】
このような画像形成装置においては、入力画像データの階調値に対するレーザ発光特性、レーザービーム量に対する感光体ドラムの感光特性、感光体ドラムの帯電量に対するトナー付着量を表す現像特性など、装置の出力特性によって、記録紙等に転写される画像濃度が影響を受ける。このような出力特性は装置によって異なり、また経時的に変化するものであるから、入力画像データの階調を正確に再現した画像濃度出力を得るため、通常、このような画像形成装置においては、初期設定時や所定のメンテナンス時に、装置の出力特性に応じる階調補正量を求めるようになっている。
【0004】
従来、実際の記録紙等への画像形成を行うことなく、このような階調補正量を簡便に求めることのできる方法として、感光体ドラム上に所定の階調パターン信号に基づく階調パターン画像を現像し、感光体ドラム上のトナー濃度を光センサ等の濃度検出センサによって検出することにより装置の出力特性を検出し、入力階調に応じた現像が行われるように出力特性に応じる方法が提案されている(特開平7−66972号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような感光体ドラム上のトナー濃度を検出することによって階調補正量を算出する方法によると、感光体ドラム上のトナー濃度が実際に記録紙等に転写される画像の濃度と一致しないために、所望の出力濃度が得られず階調不良を生じてしまう場合があった。
【0006】
すなわち、現像工程において感光体ドラム上に付着するトナーの中には、十分に帯電していない無帯電トナーや、所望の帯電極性とは逆の極性に帯電した逆帯電トナーが少量ながらも存在し、このような無帯電トナーや逆帯電トナーは、感光体ドラム上のトナー濃度は高めるが記録紙等には転写されない。したがって、複数枚の画像形成を行い、感光体ドラム上に無帯電トナーや逆帯電トナーが付着した状態となると、入力画像データの階調に応じたトナー濃度が感光体ドラム上において現像されていても、感光体ドラム上に付着したトナーの全てが記録紙上に転写されず、濃度センサによって検出される感光体ドラム上のトナー濃度と、実際に記録紙に転写される画像濃度との関係が崩れてしまうためである。
【0007】
特に最近では、複数色(たとえばシアン、マゼンタ、イエローの3色)のトナーを混合してカラー画像を再現する画像形成装置が増えてきており、このようなカラー画像形成装置では、色を正確に再現するために各色の階調バランスを適正に保つことがより重要であることから、各色トナーごとの画像転写濃度を一層高い精度で再現することが求められている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、像担持体上のトナー濃度と記録紙への転写濃度との経時変化に対応して、常に所望濃度の画像形成を行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる画像形成装置は、入力画像データを階調補正手段によって階調補正することにより出力画像データを形成し、この出力画像データに基づいて像担持体上にトナー像を現像し、このトナー像を所定の記録紙等に転写する画像形成装置であって、所定のメンテナンス時において、所定の階調パターンデータを入力画像データとして像担持体上に階調パターン画像を現像し、この階調パターン画像各部のトナー濃度値とともに、この階調パターン画像が現像されていない像担持体地肌部分のトナー濃度値を検出するメンテナンス時状態検出手段と、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、同メンテナンス時状態検出手段によって検出された階調パターン画像各部のトナー濃度値から、階調パターン画像各部の有効トナー濃度値を算出する有効トナー濃度値算出手段と、こうして算出されたメンテナンス時における階調パターン画像各部の有効トナー濃度値に基づいて、上記階調補正手段における階調補正特性を設定する階調補正特性設定手段と、初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値を予め記憶しておく初期状態記憶手段と、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された像担持体地肌部分のトナー濃度値と上記初期状態記憶手段に記憶されている初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値との差から像担持体地肌部分の状態変化量を算出する状態変化量算出手段とを備え、上記有効トナー濃度値算出手段は、上記状態変化量に基づいて、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された階調パターン画像各部のトナー濃度値から、階調パターン画像各部の有効トナー濃度値を算出するように構成されたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0010】
この画像形成装置では、メンテナンス時に像担持体の地肌部分のトナー濃度値が検出されるが、この地肌部分のトナー濃度値には、メンテナンス時の像担持体上に付着している無帯電トナーや逆帯電トナー等の記録紙に転写されない(あるいは転写されにくい)トナー量が表れている。このような無帯電トナー等は、像担持体表面にほぼ一様に付着していると考えられる。したがって、同じくメンテナンス時に像担持体上に現像される階調パターン画像の各部のトナー濃度値には、有効に記録紙等に転写されるトナー量と転写されない無帯電トナー等のトナー量との合計が表れている。
【0011】
本発明にかかる画像形成装置では、メンテナンス時に装置の出力特性等に応じるための階調補正特性を設定するにあたり、像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、像担持体上に現像される階調パターン画像各部のトナー濃度値から、記録紙等に転写されるトナー量を有効トナー濃度値として算出し、この有効トナー値に基づいて階調補正特性を設定するため、無帯電トナー等が像担持体上に付着することによって像担持体上のトナー濃度値と実際に記録紙等に転写される画像濃度との不整合を生じることなく、常に装置や装置設置環境等に適合した適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0012】
このようにすれば、メンテナンス時に像担持体上に付着している無帯電トナー等のトナー量を、ほとんど無帯電トナー等が付着していないと考えられる初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値とメンテナンス時のトナー濃度値との差から、状態変化量としてより正確に算出することができる。したがって、この状態変化量に基づいて階調パターン画像の濃度値から有効トナー濃度値を算出することで、より確実に適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0013】
また、このような画像形成装置においては、上記初期状態記憶手段は、初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値とともに、初期状態において所定の階調パターンデータを入力画像データとして像担持体上に階調パターン画像を現像したとき、この階調パターン画像各部のトナー濃度値を予め記憶しておくように構成され、上記階調補正特性修正手段は、メンテナンス時における階調パターン画像各部の有効トナー濃度値と上記初期状態記憶手段に記憶されている初期状態における階調パターン画像各部のトナー濃度値とを比較し、この比較結果に基づいて、上記階調補正手段における階調補正特性を上記初期状態に予め設定された階調補正特性から修正するように構成されることが望ましい(請求項2)。
【0014】
このようにすると、初期状態における階調パターン画像各部のトナー濃度とメンテナンス時における階調パターン画像各部のトナー濃度との比較結果は、初期状態とメンテナンス時との出力特性の変化量を表しているため、この比較結果に基づいて初期状態に予め設定された階調補正特性を修正することで、容易に適正な階調補正特性を設定することができる。
【0015】
さらに、上述のような初期状態記憶手段を有する画像形成装置においては、像担持体上のトナー濃度値を検出する濃度センサを備え、上記初期状態記憶手段は、初期状態におけるトナー濃度値としてこの濃度センサの検出値を記憶しておくように構成され、上記メンテナンス時状態検出手段もまた、メンテナンス時におけるトナー濃度値としてこの濃度センサの検出値を用いるように構成されることが望ましい(請求項3)。
【0016】
このようにすると、初期状態およびメンテナンス時のトナー濃度値として同一の濃度センサの検出値を用いているため、トナー濃度値に対する出力がリニアに得られない濃度センサであっても、検出値をトナー濃度値に換算することなく、簡便に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができるとともに、濃度センサの出力値の個体差によらず、正確に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる画像形成装置をカラー複写機として実現した実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態にかかるカラー複写機の概略構成図である。このカラー複写機10は、コンタクトガラス上に載置されたカラー原稿Pの画像を読み取る画像読取部20と、画像読取部20によって読み取られた画像を入力画像として所定の画像処理を行う画像処理部30と、画像処理部30によって画像処理され、形成された画像データを記録紙上に画像形成する画像形成部40と、画像処理部30における階調補正処理に用いる階調補正特性を所定のメンテナンス時に書換処理する階調補正特性設定処理部50と、これら画像読取部20、画像処理部30、画像形成部40および階調補正特性設定処理部50を制御・統括する処理統括制御部90とを備えている。
【0019】
画像読取部20は、コンタクトガラス21上に載置されたカラー原稿Pに、露光ランプ22の光を照射し、その反射光を反射鏡23a,23b,23cおよびレンズ24、さらに、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色分解フィルタを通してCCD等の光電変換素子25で受光することにより、カラー原稿Pの画像情報をR成分、G成分、B成分に色分解して、各成分の光強度に比例したカラー画像データR,G,Bを読み取る。こうして読み取られたカラー画像データはデジタル値にA/D変換され、画像処理部30への入力画像データとされる。
【0020】
画像処理部30は、図示しない演算部、記憶部等からなるコンピュータ回路として構成されている。この画像処理部30は、画像読取部20で読み取られた入力画像データに対して各種の画像処理を施し、画像形成部40での画像形成処理に供するための出力画像データを形成する。この画像処理部30における各処理については後に詳述する。
【0021】
画像形成部40は、装置下部に配設された給紙カセット411,412,413または手差しトレイ414から給送される記録紙に対して、画像転写部42において出力画像データに基づくトナー像を形成し、このトナー像を定着部43の加熱ローラ431および加圧ローラ432で定着させてから、排出トレイ44に排出する。45は、記録紙の両面に画像形成する場合に片面に画像形成された記録紙の表裏面を反転させて再び画像転写部42に搬送する両面ユニットである。
【0022】
画像転写部42は、回転可能に軸支された光導電性を有する感光体ドラム421の周囲に、その回転方向に沿って順に、高圧電圧が印加される帯電ワイヤ(図示省略)からのコロナ放電によって感光体ドラム表面に所定電位を与える帯電器422と、レーザー発振器423aからミラー423bを介して出力画像データに対応するレーザー光を照射することにより感光体ドラム421表面の電位を選択的に減衰させて静電潜像を形成する露光器423と、感光体ドラム421表面に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像器424と,感光体ドラム421上に形成されたトナー像を記録紙に転写する転写器425と、感光体ドラム421表面を除電する除電器426および感光体ドラム421表面の残留トナーを除去するクリーナー等が配置されている。
【0023】
この複写機10では、カラー画像を形成するため、上記露光器423は、出力画像データの各色成分ごとに静電潜像を形成するように構成され、現像器424は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)の各色のトナー像を現像する4つの現像器424c,424m,424y,424kを備え、さらに、転写器425は、感光体ドラム421表面に現像された各色トナー像を、一旦転写ベルト425a上に1次転写し、この転写ベルト425a上で、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)の各色のトナー像を重ねてから、転写ローラ425b上に搬送された記録紙上へ2次転写するように構成されている。
【0024】
また、現像器424と転写器425との間には、感光体ドラム421に現像されたトナー像の濃度を検出する光学式センサからなる濃度センサ48が配置されている。この濃度センサ48は、後述する初期設定処理やメンテナンス処理において、装置の出力特性を算出する処理に用いられるものである。
【0025】
階調補正補正特性設定処理部50は、図示しない演算部、記憶部等からなるコンピュータ回路として構成されている。この階調補正特性設定処理部50は、初期設定時や、装置周囲の温度や湿度等の環境条件が変わった場合、予め設定された所定枚数の画像形成処理が行われた場合等の所定のメンテナンス時に、上記画像処理部30における階調補正処理に用いる階調補正特性をそのときの画像形成部40の出力特性に適合させるメンテナンス処理を行うものである。この階調補正特性設定処理部50における各処理については後に詳述する。
【0026】
処理統括制御部90は、上記画像読取部20、画像処理部30、画像形成部40および階調補正特性設定処理部50を制御・統括して、これらにより画像読み取り、画像処理、画像形成および階調補正特性設定処理等を行わせる。この処理統括制御部90には、操作パネル91が接続されており、操作者からの操作信号が適宜入力可能となっている。
【0027】
次に、図2を参照しながら、画像処理部30および階調補正特性設定処理部50について説明する。
【0028】
画像処理部30は、シェーディング補正部31、色空間変換部32、色補正処理部33、黒生成処理部34、出力系適合補正部35、出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を備えている。
【0029】
シェーディング補正部31は、画像読取部20において読み取られたR,G,Bの入力画像データに対し、画像読取部20における露光ランプ22の露光分布特性や光電変換素子25の感度分布特性等を補正する。
【0030】
色空間変換部32は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光強度に応じたRGB形式の画像データを、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の濃度に応じたCMY形式の補色信号(濃度記録信号)に反転処理を行う。
【0031】
色補正処理部33は、各画素ごとにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の信号として構成された入力画像データに対し使用者の好みに適合した色調への色補正処理を行う。
【0032】
黒生成処理部34は、CMY形式のカラー画像データから黒の画像データKを生成する。
【0033】
出力系適合色補正部35は、トナー色の理論上の色とのずれや現像特性等の画像形成部40の特性(出力特性)に応じるため、この出力特性に応じて設定され階調補正特性に基づいて、カラー画像データC,M,Y,KをC',M',Y',K'に変換する補正処理を行う。なお、この出力系適合色補正部35における階調補正処理については後述する。
【0034】
出力色選択部36は、画像形成部40が1色ずつ現像処理を行うため、次に現像処理を行う色を選択する。
【0035】
変倍処理部37は、設定倍率等に応じて画像の拡大/縮小処理を行う。
【0036】
空間フィルタ部38は、文字領域であればエッジ強調処理を、写真領域および網点領域であれば平滑処理を施し、画像形成部40に出力画像データを出力する。
【0037】
一方、階調補正特性設定部50は、階調パターンデータ記憶部51、階調補正特性設定部52、状態検出制御部53、初期状態記憶部54、状態変化量算出部55および有効トナー濃度値算出部56とを備えている。
【0038】
階調パターンデータ記憶部51は、互いに異なるn個の階調領域(パッチ)が形成された所定の階調パターンデータを記憶している。図5は、この階調パターンデータを記録紙P等に画像形成した階調パターン画像の一例であり、異なる階調のパッチA0,A1,A2,A3…が記録紙P上に形成されている。なお、パッチA0は、積極的にトナー付着を行わない、階調0の仮想パッチであり、後述する感光体ドラム421地肌部分のトナー量を検出するために用いられるものである。
【0039】
階調補正特性設定部52は、後述するように、初期設定時およびメンテナンス時に上記画像処理部30の出力系適合補正部35において用いられる階調補正特性を設定し、同出力系適合補正部35に記憶させるものである。
【0040】
状態検出制御部53は、画像形成部40の濃度センサ48により、感光体ドラム421表面のトナー濃度を検出するものである。感光体ドラム421表面のトナー濃度としては、上記階調パターン画像が現像されたパッチ部分の濃度(パターン部濃度)とともに、階調パターン画像が現像されていない地肌部分の濃度(地肌濃度)を検出するようになっている。
【0041】
初期状態記憶部54は、メンテナンス時における新たな階調補正特性の設定処理に供するため、初期設定時に上記状態検出制御部53によって検出された感光体ドラム421のパターン部濃度および地肌濃度を記憶しておくものである。
【0042】
状態変化量算出部55は、メンテナンス時に検出された感光体ドラム421表面の地肌濃度と、初期状態記憶部54に記憶されている初期状態の感光体ドラム421表面の地肌濃度との差から、メンテナンス時の感光体ドラム421の状態を初期状態からの変化量として算出するものである。
【0043】
有効トナー濃度値算出部56は、上記状態変化量算出部55によって算出された状態変化量に基づいて、メンテナンス時に検出された感光体ドラム421表面のパターン部濃度から、記録紙に転写されうる有効なトナー濃度を算出するものである。
【0044】
次に、階調補正特性設定処理部50によって行われる階調補正特性の設定処理について説明する。
【0045】
この階調補正特性の設定処理は、工場出荷時やオーバーホールを伴うメンテナンス時等の初期状態において行われる初期設定処理と、装置が自動的にメンテナンス時において行うメンテナンス処理(以下、このようなメンテナンス処理を「メンテナンス処理」と呼ぶ。)との大きく2つに分けることができる。
【0046】
まず、初期設定処理について、図3を参照しながら説明する。この初期設定処理は、初期状態における装置の特性(特に出力特性)を検出して、この出力特性に応じた階調補正量(階調補正特性)を設定し、さらに後のメンテナンス処理に供するための初期状態を記憶する処理である。この初期設定処理は、この装置がC,M,Y,Kの4色の出力を行うものであるため各色ごと順に行われる。
【0047】
この初期設定処理では、まず階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータに基づいて、実際に記録紙上に階調パターン画像が形成される(ステップS10)。具体的には、階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータが画像処理部30の出力系適合補正部35の上流側に送信され、さらに出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を経て画像形成部40において記録紙への画像形成が行われる。階調パターンデータは、装置の出力階調領域から複数の代表階調を抽出したものであり、たとえば次表のデータとして表すことができる。なお、パッチ0は、階調0の仮想パッチである。
【0048】
【表1】
【0049】
なお、この初期設定処理で最初に行われる画像形成処理においては、出力系適合補正部35における階調補正特性に応じた階調補正処理は行わない。
【0050】
階調補正処理を行わずに階調パターン画像が形成された記録紙は、画像読取部20において画像読取りが行われる(ステップS20)。具体的には、階調パターン画像が形成された記録紙は、初期設定処理を行う操作者によって、画像読取部20のコンタクトガラス21上に載置され、画像読取部20がこの記録紙上の階調パターン画像の読取りを行う。こうして読みとられた階調パターン画像の画像データは、画像処理部30に送られ、シェーディング補正部31、色空間変換部32、色補正処理部33および黒生成処理部34を経て出力系適合補正部35に送られる。
【0051】
つづいて、階調補正特性設定部52は、出力系適合補正部35に送られた階調パターン画像の画像データにおける階調パターン各パッチの濃度と、この階調パターン画像の元となった階調パターンデータとを比較することによって、画像形成部40の現在の出力特性が得られる(ステップS30)。出力系適合補正部35に送られた階調パターン画像の画像データは、出力系適合補正部35における階調補正処理を行われることなく画像形成され、読み取られたものであるから、画像形成部40の出力特性のみを検出することができる。
【0052】
こうして現在(初期状態)の出力特性が得られれば、この出力特性に応じて、さらに入力階調に対する所望の出力階調が得られるように、階調補正をおこなうための階調補正特性が算出される(ステップS40)。この階調補正特性は、出力特性を吸収するべく、入力階調に対して画像形成される出力階調がリニアになるように階調補正を行うように設定してもよいが、人間の目に検知される階調がリニアに、あるいは自然な階調分布に見えるように階調補正するものであることが望ましい。この階調補正特性(ガンマデータ)は、横軸に入力階調を、縦軸に階調補正後の階調を表せば、図7の曲線として例示されるが、具体的には、この実施形態では入力階調に対する出力階調を記述したテーブルとして設定すればよい。設定された階調補正特性は、画像処理部30の出力系適合補正部35内に記憶される。
【0053】
以上の処理によって初期状態における適正な階調補正特性の設定は完了するが、つづいて、後のメンテナンス時にメンテナンス処理に供するため、この初期状態のデータの検出および記憶が行われる。
【0054】
この初期状態のデータの検出処理は、まず、階調パターンデータをいま設定された階調補正特性で階調補正して、感光体ドラム421上に階調パターン画像の現像が行われる(ステップS50)。具体的には、階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータを出力系適合補正部35に送り、この階調パターンデータをいま設定した階調補正特性で階調補正して、出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を経て画像形成部40に送る。そして、この画像データに基づいて感光体ドラム421上に階調パターン画像がトナー像として現像される。
【0055】
つづいて、感光体ドラム421上に現像された階調パターン画像各部のトナー濃度(パターン部濃度)および階調パターン画像が現像されていない感光体ドラム地肌部分のトナー濃度(地肌濃度)が、濃度センサ48によって検出される(ステップS60)。図6は、感光体ドラム421上に現像された階調パターン画像の一例を示している。これら感光体ドラム421の地肌濃度およびパターン部濃度は、階調補正特性設定処理部50の状態検出制御部53に送られる。
【0056】
そして、検出された地肌濃度およびパターン部濃度は、状態検出制御部53から初期状態記憶部54に送られ、適正な階調補正特性が設定された初期状態のデータ(初期状態データ)として記憶される(ステップS70)。たとえば、この初期状態データは、対応する階調パターンデータとともに、次表のように表すことができる。
【0057】
【表2】
【0058】
なお、この感光体ドラム421上に現像されたトナー像は、記録紙に転写する必要はないため、初期設定を行う操作者の手を煩わせることなく、装置内で自動的に行うことができる。
【0059】
以上のようにして初期設定が行われれば、以後、画像処理部30の出力系適合補正部35における階調補正処理では、後述するメンテナンス処理が行われるまで、この階調補正特性に応じて階調補正処理が行われる。
【0060】
次に、図4を参照しながら、メンテナンス時において行われる階調補正特性の設定処理について説明する。このメンテナンス処理は、所定枚数の画像形成処理を行うごとに、前回のメンテナンス処理から所定期間が経過したときに、あるいは、温度や湿度等の装置周囲の環境条件が変化した場合に、処理統括制御部90等が自動的にメンテナンス処理を行うメンテナンス時を決定し、処理統括制御部90からの開始信号に応じて行われる。なお、この装置においては、メンテナンス処理終了から画像形成した枚数等をカウントするカウンタ、メンテナンス処理終了からの時間経過を計測するタイマ、装置の設置環境条件を検出する温度センサや湿度センサ等を備え、これらの出力は処理統合制御部90に入力するように構成されている。このメンテナンス処理は、メンテナンス時における装置の特性(特に出力特性)に応じた階調補正量(階調補正特性)を設定するものである。このメンテナンス処理も上記初期設定処理と同様に、この装置がC,M,Y,Kの4色の出力を行うものであるため各色ごと順に行われる。
【0061】
このメンテナンス処理では、まず、階調パターンデータを初期設定時に設定された階調補正特性で階調補正した画像データに基づいて、階調パターン画像が感光体ドラム421上に現像される(ステップS100)。具体的には、階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータを出力系適合補正部35に送り、この階調パターンデータを初期設定時に設定された階調補正特性で階調補正して、出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を経て画像形成部40に送る。そして、この画像データに基づいて感光体ドラム421上に階調パターン画像がトナー像として現像される。
【0062】
つづいて、感光体ドラム421上に現像された階調パターン画像各部のトナー濃度(パターン部濃度)および階調パターン画像が現像されていない感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度(地肌濃度)が、濃度センサ48によって検出される(ステップS110)。これら感光体ドラム421の地肌濃度およびパターン部濃度は、階調補正特性設定処理部50の状態検出制御部53に送られる。こうして検出されるメンテナンス時の地肌濃度およびパターン部濃度(メンテナンス時データ)は、たとえば、対応する階調パターンデータおよび初期状態データとともに次表のように表すことができる。
【0063】
【表3】
【0064】
そして、初期状態記憶部54に記憶されている初期状態における感光体ドラム421の地肌濃度と、メンテナンス時に検出された上記地肌濃度とから、初期状態からメンテナンス時への状態変化量が算出される(ステップS130)。具体的には、状態検出制御部53に送られたメンテナンス時の地肌濃度および初期状態記憶部54に記憶されている初期状態の地肌濃度が状態変化量算出部55に送られ、状態変化量算出部55が両者の差として状態変化量を求める。たとえば、上記表3に示した初期状態データおよびメンテナンス時データの場合、状態変化量は次式によって算出することができる。
【0065】
こうして求められる状態変化量は、主として感光体ドラム421表面のトナー濃度を高めるものの記録紙には転写されない無帯電トナーや逆帯電トナー等の初期状態とメンテナンス時との差を表している。
【0066】
こうして状態変化量が求められれば、この状態変化量に応じて、状態検出制御部53に送られたメンテナンス時のパターン部濃度から、メンテナンス時の有効トナー濃度が算出される(ステップS140)。具体的には、状態変化量算出部55から状態変化量が、状態検出制御部53からパターン部濃度が、それぞれ有効トナー濃度算出部56に送られ、各パッチごとに有効トナー濃度値が算出される。たとえば、上記表3に示した初期状態データおよびメンテナンス時データの場合、メンテナンス時の有効トナー濃度(有効データ)は、メンテナンス時の各検出濃度から状態変化量20を差し引くことによって、次表のように求められる。
【0067】
【表4】
【0068】
こうしてメンテナンス時の有効トナー濃度が算出されれば、この有効トナー濃度と、記憶されている初期状態のパターン部濃度とを比較し、この比較結果に基づいて初期設定時の階調補正特性を修正する(ステップS150)。この修正処理では、まず、メンテナンス時の状態において、初期設定時と同じ出力階調(トナー濃度)が得られる入力階調(階調パターンデータに相当)を求める。そして、メンテナンス処理後の階調補正特性は、実際に画像読み取りされた画像データを予め初期設定時と同じ出力を得られる階調に変換してから、初期設定時の階調補正特性を用いた階調補正処理を行うことによって、メンテナンス処理後においても初期設定時と同じ出力特性を得られるようにするものである。すなわち、この階調補正特性の修正処理は、メンテナンス処理後の階調補正特性として、各階調ごとの初期設定時とメンテナンス時との出力特性の変化分を初期設定時の階調補正特性に加えた階調補正特性を設定するものである。
【0069】
具体的には、まず、初期設定時と同じ出力階調が得られるメンテナンス時における入力階調を、メンテナンス時におけるパターン部濃度の各パッチ間を直線で補間し、これに初期設定時のパターン部濃度を照合することによって求める。図8は、この処理をパッチ番号4の階調(濃度値)117のデータについて行った場合の説明図である。メンテナンス時の有効トナー濃度値において階調値117は、パッチ6(有効トナー濃度値113)およびパッチ7(有効トナー濃度値128)の間にある。これらパッチ6および7の入力階調(階調パターンデータ)は、それぞれ61および79である。図8のように、横軸に入力階調、縦軸に出力階調をとり、メンテナンス時の有効トナー濃度のパッチ6および7を補間した場合、初期設定時のパッチ4の出力階調117は、入力階調65.8(整数化して66)で得られることが分かる。同様にして、各パッチごとに、初期設定時の出力階調が得られる入力階調値を算出することができる。
【0070】
このようにしてメンテナンス時の状態において、初期設定時と同様の出力を得るための入力階調値が得られれば、既に初期設定時に好適な出力が得られるように設定した階調補正特性に対して、初期設定時からメンテナンス時への状態変化分を加える(あるいは差し引く)ことで、メンテナンス時の状態に応じた階調補正特性を設定することができる。図9は、初期設定時の階調補正特性(ガンマデータ)から、メンテナンス時の状態に応じて修正した階調補正特性(ガンマデータ)を模式的に表した説明図である。
【0071】
こうして修正した階調補正特性は、画像処理部30の出力系適合補正部35に記憶され、以後、こうして修正された階調補正特性に応じて状態に応じた階調補正処理が行われる。
【0072】
以上のように、この実施形態にかかる画像形成装置では、メンテナンス時に感光体ドラム421の地肌部分のトナー濃度値を検出することにより、記録紙に転写されない(あるいは転写されにくい)無帯電トナーや逆帯電トナー等のトナー量を検出し、この感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度値に基づいて、感光体ドラム421上に現像される階調パターン画像各部のトナー濃度値から、記録紙等に転写されるトナー量を有効トナー濃度値として算出し、この有効トナー値に基づいて階調補正特性を修正するため、無帯電トナー等が感光体ドラム421上に付着することによって感光体ドラム421上のトナー濃度値と実際に記録紙等に転写される画像濃度との不整合を生じることなく、常に装置や装置設置環境等に適合した適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0073】
また、実際の記録紙等への画像形成を行って適正な階調補正特性を求めた初期設定時における感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度値を予め記憶しておくことにより、メンテナンス時に感光体ドラム421上に付着している無帯電トナー等のトナー量を、この初期状態における感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度値とメンテナンス時のトナー濃度値との差から、状態変化量としてより正確に算出することができる。したがって、この状態変化量に基づいて階調パターン画像の濃度値から有効トナー濃度値を算出することで、より確実に適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0074】
さらに、初期状態において感光体ドラム421上に現像した階調パターン画像各部のトナー濃度値を記憶しておくことにより、メンテナンス時に検出された階調パターン画像各部の有効トナー濃度値との比較結果から、初期設定時に実際の記録紙等への画像形成を行って求めた適正な階調補正特性を利用して、初期設定時の階調補正特性を修正することで簡単にメンテナンス時における適正な階調補正特性を求めることができる。
【0075】
また、初期状態およびメンテナンス時のトナー濃度値として同一の濃度センサ48の検出値を用いているため、トナー濃度値に対する出力がリニアに得られない濃度センサであっても、検出値をトナー濃度値に換算することなく、簡便に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができる。
【0076】
さらに、感光体ドラム421の表面濃度を求める濃度センサ48の出力値をそのままトナー濃度値を表す値として用いているため、濃度センサ48の出力値の個体差によらず、正確に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができる。
【0077】
以上、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明にかかる画像形成装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように構成してもよい。
【0078】
(1)上記実施形態においては、本発明にかかる画像処理装置をデジタルカラー複写機に適用したが、所定の入力画像データを用いて画像形成を行う画像形成装置であれば、ファクシミリ装置やカラープリンタ等、任意の画像形成装置に適用することができる。
【0079】
(2)上記実施形態においては、濃度センサ48の出力値(検出値)をそのまま感光体ドラム421表面のトナー濃度値として扱うように構成したが、濃度センサ48の出力を変換器等で単位面積あたりのトナー厚み(あるいはトナー質量)等によって表される具体的なトナー量を求め、階調補正特性設定処理等においてはこの具体的なトナー量を用いて処理を行ってもよい。
【0080】
(3)上記実施形態においては、初期設定時の階調パターン画像各部のトナー濃度(パターン部濃度)を記憶しておき、メンテナンス時のパターン部濃度との比較結果から、メンテナンス時の階調補正特性を初期設定時に予め設定した階調補正特性から修正して求めるように構成したが、メンテナンス時の有効トナー濃度から直接メンテナンス時の適正な階調補正特性を求めるようにしてもよい。
【0081】
(4)上記実施形態においては、初期設定時の地肌部分トナー濃度(地肌濃度)を記憶しておき、メンテナンス時の感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度(地肌濃度)との差から状態変化量を算出してメンテナンス時の有効トナー濃度値を算出するように構成したが、初期設定時には、ほとんど感光体ドラム421地肌部分に無帯電トナー等が付着していないと考えられることから、メンテナンス時の地肌濃度のみからメンテナンス時の感光体ドラム421に付着している無帯電トナー等の量を求めるようにしてもよい。
【0082】
(5)上記実施形態においては、メンテナンス時において、初期設定時との比較から初期設定時の階調補正特性を修正してメンテナンス時の適正な階調補正特性を設定するように構成したが、初期状態記憶部54には前回のメンテナンス時の検出値を記憶しておき、この前回のメンテナンス時の状態との比較から前回のメンテナンス時の階調補正特性を修正して、現在のメンテナンス時の適正な階調補正特性を設定するようにしてもよい。
【0083】
(6)上記実施形態においては、初期設定時およびメンテナンス時の地肌濃度について単純に差をとり、この差を状態変化量としたが、初期状態からメンテナンス時の状態変化量は、初期設定時の地肌濃度およびメンテナンス時の地肌濃度を用いていれば、種々の算出手段を用いて算出することができる。
【0084】
(7)上記実施形態においては、メンテナンス時の有効トナー濃度値(有効データ)は、メンテナンス時の階調パターン画像各部のトナー濃度値(メンテナンス時データ)から単純に状態変化量を引くことによって求めたが、状態変化量を参照しながら画像転写に有効なトナー量を求めることのできる手段であれば、有効トナー濃度値は種々の算出手段によって求めることができる。
【0085】
(8)上記実施形態においては、濃度センサとして光学式の濃度センサ48を採用したが、感光体ドラム421表面のトナー濃度値を検出しうるセンサであれば、任意の公知のセンサを採用することができる。
【0086】
(9)上記実施形態においては、像担持体として感光体ドラム421を用いたが、入力画像がトナー像として現像され、これを記録紙等に転写する像担持体であれば、任意の公知の像担持体を採用することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置によれば、メンテナンス時に装置の出力特性等に応じるための階調補正特性を修正するにあたり、像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、像担持体上に現像される階調パターン画像各部のトナー濃度値から、記録紙等に転写されるトナー量を有効トナー濃度値として算出し、この有効トナー値に基づいて階調補正特性を修正するため、無帯電トナー等が像担持体上に付着することによって像担持体上のトナー濃度値と実際に記録紙等に転写される画像濃度との不整合を生じることなく、常に装置や装置設置環境等に適合した適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置を複写機に適用した一実施形態の概略図である。
【図2】同画像形成装置の画像処理部および階調補正特性設定処理部の構成図である。
【図3】初期設定処理のフローチャートである。
【図4】メンテナンス処理のフローチャートである。
【図5】記録紙上に画像形成された階調パターン画像の一例である。
【図6】感光体ドラム上に現像された階調パターン画像の一例である。
【図7】初期設定時に設定された階調補正特性(ガンマデータ)の一例である。
【図8】メンテナンス時の状態において初期設定時の出力階調を得るための入力階調値を求める処理の説明図である。
【図9】階調補正特性(ガンマデータ)の修正処理を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
20 画像読取部
30 画像処理部
35 出力系適合補正部
40 画像形成部
421 感光体ドラム(像担持体)
48 濃度センサ
50 階調補正特性設定処理部
52 階調補正特性設定部
54 初期状態記憶部
55 状態変化量算出部
56 有効トナー濃度算出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いた複写機、ファクシミリおよびプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた複写機、ファクシミリおよびプリンタ等の画像形成装置は、一般に、光導電性を有する感光体ドラムを像担持体とし、帯電させた感光体ドラム上に入力画像データに基づいたレーザビームを照射することにより静電潜像を形成して、これをトナーによって現像してトナー像を形成し、このトナー像を記録紙等に転写するように構成されている。
【0003】
このような画像形成装置においては、入力画像データの階調値に対するレーザ発光特性、レーザービーム量に対する感光体ドラムの感光特性、感光体ドラムの帯電量に対するトナー付着量を表す現像特性など、装置の出力特性によって、記録紙等に転写される画像濃度が影響を受ける。このような出力特性は装置によって異なり、また経時的に変化するものであるから、入力画像データの階調を正確に再現した画像濃度出力を得るため、通常、このような画像形成装置においては、初期設定時や所定のメンテナンス時に、装置の出力特性に応じる階調補正量を求めるようになっている。
【0004】
従来、実際の記録紙等への画像形成を行うことなく、このような階調補正量を簡便に求めることのできる方法として、感光体ドラム上に所定の階調パターン信号に基づく階調パターン画像を現像し、感光体ドラム上のトナー濃度を光センサ等の濃度検出センサによって検出することにより装置の出力特性を検出し、入力階調に応じた現像が行われるように出力特性に応じる方法が提案されている(特開平7−66972号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような感光体ドラム上のトナー濃度を検出することによって階調補正量を算出する方法によると、感光体ドラム上のトナー濃度が実際に記録紙等に転写される画像の濃度と一致しないために、所望の出力濃度が得られず階調不良を生じてしまう場合があった。
【0006】
すなわち、現像工程において感光体ドラム上に付着するトナーの中には、十分に帯電していない無帯電トナーや、所望の帯電極性とは逆の極性に帯電した逆帯電トナーが少量ながらも存在し、このような無帯電トナーや逆帯電トナーは、感光体ドラム上のトナー濃度は高めるが記録紙等には転写されない。したがって、複数枚の画像形成を行い、感光体ドラム上に無帯電トナーや逆帯電トナーが付着した状態となると、入力画像データの階調に応じたトナー濃度が感光体ドラム上において現像されていても、感光体ドラム上に付着したトナーの全てが記録紙上に転写されず、濃度センサによって検出される感光体ドラム上のトナー濃度と、実際に記録紙に転写される画像濃度との関係が崩れてしまうためである。
【0007】
特に最近では、複数色(たとえばシアン、マゼンタ、イエローの3色)のトナーを混合してカラー画像を再現する画像形成装置が増えてきており、このようなカラー画像形成装置では、色を正確に再現するために各色の階調バランスを適正に保つことがより重要であることから、各色トナーごとの画像転写濃度を一層高い精度で再現することが求められている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、像担持体上のトナー濃度と記録紙への転写濃度との経時変化に対応して、常に所望濃度の画像形成を行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる画像形成装置は、入力画像データを階調補正手段によって階調補正することにより出力画像データを形成し、この出力画像データに基づいて像担持体上にトナー像を現像し、このトナー像を所定の記録紙等に転写する画像形成装置であって、所定のメンテナンス時において、所定の階調パターンデータを入力画像データとして像担持体上に階調パターン画像を現像し、この階調パターン画像各部のトナー濃度値とともに、この階調パターン画像が現像されていない像担持体地肌部分のトナー濃度値を検出するメンテナンス時状態検出手段と、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、同メンテナンス時状態検出手段によって検出された階調パターン画像各部のトナー濃度値から、階調パターン画像各部の有効トナー濃度値を算出する有効トナー濃度値算出手段と、こうして算出されたメンテナンス時における階調パターン画像各部の有効トナー濃度値に基づいて、上記階調補正手段における階調補正特性を設定する階調補正特性設定手段と、初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値を予め記憶しておく初期状態記憶手段と、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された像担持体地肌部分のトナー濃度値と上記初期状態記憶手段に記憶されている初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値との差から像担持体地肌部分の状態変化量を算出する状態変化量算出手段とを備え、上記有効トナー濃度値算出手段は、上記状態変化量に基づいて、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された階調パターン画像各部のトナー濃度値から、階調パターン画像各部の有効トナー濃度値を算出するように構成されたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0010】
この画像形成装置では、メンテナンス時に像担持体の地肌部分のトナー濃度値が検出されるが、この地肌部分のトナー濃度値には、メンテナンス時の像担持体上に付着している無帯電トナーや逆帯電トナー等の記録紙に転写されない(あるいは転写されにくい)トナー量が表れている。このような無帯電トナー等は、像担持体表面にほぼ一様に付着していると考えられる。したがって、同じくメンテナンス時に像担持体上に現像される階調パターン画像の各部のトナー濃度値には、有効に記録紙等に転写されるトナー量と転写されない無帯電トナー等のトナー量との合計が表れている。
【0011】
本発明にかかる画像形成装置では、メンテナンス時に装置の出力特性等に応じるための階調補正特性を設定するにあたり、像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、像担持体上に現像される階調パターン画像各部のトナー濃度値から、記録紙等に転写されるトナー量を有効トナー濃度値として算出し、この有効トナー値に基づいて階調補正特性を設定するため、無帯電トナー等が像担持体上に付着することによって像担持体上のトナー濃度値と実際に記録紙等に転写される画像濃度との不整合を生じることなく、常に装置や装置設置環境等に適合した適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0012】
このようにすれば、メンテナンス時に像担持体上に付着している無帯電トナー等のトナー量を、ほとんど無帯電トナー等が付着していないと考えられる初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値とメンテナンス時のトナー濃度値との差から、状態変化量としてより正確に算出することができる。したがって、この状態変化量に基づいて階調パターン画像の濃度値から有効トナー濃度値を算出することで、より確実に適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0013】
また、このような画像形成装置においては、上記初期状態記憶手段は、初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値とともに、初期状態において所定の階調パターンデータを入力画像データとして像担持体上に階調パターン画像を現像したとき、この階調パターン画像各部のトナー濃度値を予め記憶しておくように構成され、上記階調補正特性修正手段は、メンテナンス時における階調パターン画像各部の有効トナー濃度値と上記初期状態記憶手段に記憶されている初期状態における階調パターン画像各部のトナー濃度値とを比較し、この比較結果に基づいて、上記階調補正手段における階調補正特性を上記初期状態に予め設定された階調補正特性から修正するように構成されることが望ましい(請求項2)。
【0014】
このようにすると、初期状態における階調パターン画像各部のトナー濃度とメンテナンス時における階調パターン画像各部のトナー濃度との比較結果は、初期状態とメンテナンス時との出力特性の変化量を表しているため、この比較結果に基づいて初期状態に予め設定された階調補正特性を修正することで、容易に適正な階調補正特性を設定することができる。
【0015】
さらに、上述のような初期状態記憶手段を有する画像形成装置においては、像担持体上のトナー濃度値を検出する濃度センサを備え、上記初期状態記憶手段は、初期状態におけるトナー濃度値としてこの濃度センサの検出値を記憶しておくように構成され、上記メンテナンス時状態検出手段もまた、メンテナンス時におけるトナー濃度値としてこの濃度センサの検出値を用いるように構成されることが望ましい(請求項3)。
【0016】
このようにすると、初期状態およびメンテナンス時のトナー濃度値として同一の濃度センサの検出値を用いているため、トナー濃度値に対する出力がリニアに得られない濃度センサであっても、検出値をトナー濃度値に換算することなく、簡便に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができるとともに、濃度センサの出力値の個体差によらず、正確に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる画像形成装置をカラー複写機として実現した実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態にかかるカラー複写機の概略構成図である。このカラー複写機10は、コンタクトガラス上に載置されたカラー原稿Pの画像を読み取る画像読取部20と、画像読取部20によって読み取られた画像を入力画像として所定の画像処理を行う画像処理部30と、画像処理部30によって画像処理され、形成された画像データを記録紙上に画像形成する画像形成部40と、画像処理部30における階調補正処理に用いる階調補正特性を所定のメンテナンス時に書換処理する階調補正特性設定処理部50と、これら画像読取部20、画像処理部30、画像形成部40および階調補正特性設定処理部50を制御・統括する処理統括制御部90とを備えている。
【0019】
画像読取部20は、コンタクトガラス21上に載置されたカラー原稿Pに、露光ランプ22の光を照射し、その反射光を反射鏡23a,23b,23cおよびレンズ24、さらに、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色分解フィルタを通してCCD等の光電変換素子25で受光することにより、カラー原稿Pの画像情報をR成分、G成分、B成分に色分解して、各成分の光強度に比例したカラー画像データR,G,Bを読み取る。こうして読み取られたカラー画像データはデジタル値にA/D変換され、画像処理部30への入力画像データとされる。
【0020】
画像処理部30は、図示しない演算部、記憶部等からなるコンピュータ回路として構成されている。この画像処理部30は、画像読取部20で読み取られた入力画像データに対して各種の画像処理を施し、画像形成部40での画像形成処理に供するための出力画像データを形成する。この画像処理部30における各処理については後に詳述する。
【0021】
画像形成部40は、装置下部に配設された給紙カセット411,412,413または手差しトレイ414から給送される記録紙に対して、画像転写部42において出力画像データに基づくトナー像を形成し、このトナー像を定着部43の加熱ローラ431および加圧ローラ432で定着させてから、排出トレイ44に排出する。45は、記録紙の両面に画像形成する場合に片面に画像形成された記録紙の表裏面を反転させて再び画像転写部42に搬送する両面ユニットである。
【0022】
画像転写部42は、回転可能に軸支された光導電性を有する感光体ドラム421の周囲に、その回転方向に沿って順に、高圧電圧が印加される帯電ワイヤ(図示省略)からのコロナ放電によって感光体ドラム表面に所定電位を与える帯電器422と、レーザー発振器423aからミラー423bを介して出力画像データに対応するレーザー光を照射することにより感光体ドラム421表面の電位を選択的に減衰させて静電潜像を形成する露光器423と、感光体ドラム421表面に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像器424と,感光体ドラム421上に形成されたトナー像を記録紙に転写する転写器425と、感光体ドラム421表面を除電する除電器426および感光体ドラム421表面の残留トナーを除去するクリーナー等が配置されている。
【0023】
この複写機10では、カラー画像を形成するため、上記露光器423は、出力画像データの各色成分ごとに静電潜像を形成するように構成され、現像器424は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)の各色のトナー像を現像する4つの現像器424c,424m,424y,424kを備え、さらに、転写器425は、感光体ドラム421表面に現像された各色トナー像を、一旦転写ベルト425a上に1次転写し、この転写ベルト425a上で、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)の各色のトナー像を重ねてから、転写ローラ425b上に搬送された記録紙上へ2次転写するように構成されている。
【0024】
また、現像器424と転写器425との間には、感光体ドラム421に現像されたトナー像の濃度を検出する光学式センサからなる濃度センサ48が配置されている。この濃度センサ48は、後述する初期設定処理やメンテナンス処理において、装置の出力特性を算出する処理に用いられるものである。
【0025】
階調補正補正特性設定処理部50は、図示しない演算部、記憶部等からなるコンピュータ回路として構成されている。この階調補正特性設定処理部50は、初期設定時や、装置周囲の温度や湿度等の環境条件が変わった場合、予め設定された所定枚数の画像形成処理が行われた場合等の所定のメンテナンス時に、上記画像処理部30における階調補正処理に用いる階調補正特性をそのときの画像形成部40の出力特性に適合させるメンテナンス処理を行うものである。この階調補正特性設定処理部50における各処理については後に詳述する。
【0026】
処理統括制御部90は、上記画像読取部20、画像処理部30、画像形成部40および階調補正特性設定処理部50を制御・統括して、これらにより画像読み取り、画像処理、画像形成および階調補正特性設定処理等を行わせる。この処理統括制御部90には、操作パネル91が接続されており、操作者からの操作信号が適宜入力可能となっている。
【0027】
次に、図2を参照しながら、画像処理部30および階調補正特性設定処理部50について説明する。
【0028】
画像処理部30は、シェーディング補正部31、色空間変換部32、色補正処理部33、黒生成処理部34、出力系適合補正部35、出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を備えている。
【0029】
シェーディング補正部31は、画像読取部20において読み取られたR,G,Bの入力画像データに対し、画像読取部20における露光ランプ22の露光分布特性や光電変換素子25の感度分布特性等を補正する。
【0030】
色空間変換部32は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光強度に応じたRGB形式の画像データを、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の濃度に応じたCMY形式の補色信号(濃度記録信号)に反転処理を行う。
【0031】
色補正処理部33は、各画素ごとにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の信号として構成された入力画像データに対し使用者の好みに適合した色調への色補正処理を行う。
【0032】
黒生成処理部34は、CMY形式のカラー画像データから黒の画像データKを生成する。
【0033】
出力系適合色補正部35は、トナー色の理論上の色とのずれや現像特性等の画像形成部40の特性(出力特性)に応じるため、この出力特性に応じて設定され階調補正特性に基づいて、カラー画像データC,M,Y,KをC',M',Y',K'に変換する補正処理を行う。なお、この出力系適合色補正部35における階調補正処理については後述する。
【0034】
出力色選択部36は、画像形成部40が1色ずつ現像処理を行うため、次に現像処理を行う色を選択する。
【0035】
変倍処理部37は、設定倍率等に応じて画像の拡大/縮小処理を行う。
【0036】
空間フィルタ部38は、文字領域であればエッジ強調処理を、写真領域および網点領域であれば平滑処理を施し、画像形成部40に出力画像データを出力する。
【0037】
一方、階調補正特性設定部50は、階調パターンデータ記憶部51、階調補正特性設定部52、状態検出制御部53、初期状態記憶部54、状態変化量算出部55および有効トナー濃度値算出部56とを備えている。
【0038】
階調パターンデータ記憶部51は、互いに異なるn個の階調領域(パッチ)が形成された所定の階調パターンデータを記憶している。図5は、この階調パターンデータを記録紙P等に画像形成した階調パターン画像の一例であり、異なる階調のパッチA0,A1,A2,A3…が記録紙P上に形成されている。なお、パッチA0は、積極的にトナー付着を行わない、階調0の仮想パッチであり、後述する感光体ドラム421地肌部分のトナー量を検出するために用いられるものである。
【0039】
階調補正特性設定部52は、後述するように、初期設定時およびメンテナンス時に上記画像処理部30の出力系適合補正部35において用いられる階調補正特性を設定し、同出力系適合補正部35に記憶させるものである。
【0040】
状態検出制御部53は、画像形成部40の濃度センサ48により、感光体ドラム421表面のトナー濃度を検出するものである。感光体ドラム421表面のトナー濃度としては、上記階調パターン画像が現像されたパッチ部分の濃度(パターン部濃度)とともに、階調パターン画像が現像されていない地肌部分の濃度(地肌濃度)を検出するようになっている。
【0041】
初期状態記憶部54は、メンテナンス時における新たな階調補正特性の設定処理に供するため、初期設定時に上記状態検出制御部53によって検出された感光体ドラム421のパターン部濃度および地肌濃度を記憶しておくものである。
【0042】
状態変化量算出部55は、メンテナンス時に検出された感光体ドラム421表面の地肌濃度と、初期状態記憶部54に記憶されている初期状態の感光体ドラム421表面の地肌濃度との差から、メンテナンス時の感光体ドラム421の状態を初期状態からの変化量として算出するものである。
【0043】
有効トナー濃度値算出部56は、上記状態変化量算出部55によって算出された状態変化量に基づいて、メンテナンス時に検出された感光体ドラム421表面のパターン部濃度から、記録紙に転写されうる有効なトナー濃度を算出するものである。
【0044】
次に、階調補正特性設定処理部50によって行われる階調補正特性の設定処理について説明する。
【0045】
この階調補正特性の設定処理は、工場出荷時やオーバーホールを伴うメンテナンス時等の初期状態において行われる初期設定処理と、装置が自動的にメンテナンス時において行うメンテナンス処理(以下、このようなメンテナンス処理を「メンテナンス処理」と呼ぶ。)との大きく2つに分けることができる。
【0046】
まず、初期設定処理について、図3を参照しながら説明する。この初期設定処理は、初期状態における装置の特性(特に出力特性)を検出して、この出力特性に応じた階調補正量(階調補正特性)を設定し、さらに後のメンテナンス処理に供するための初期状態を記憶する処理である。この初期設定処理は、この装置がC,M,Y,Kの4色の出力を行うものであるため各色ごと順に行われる。
【0047】
この初期設定処理では、まず階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータに基づいて、実際に記録紙上に階調パターン画像が形成される(ステップS10)。具体的には、階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータが画像処理部30の出力系適合補正部35の上流側に送信され、さらに出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を経て画像形成部40において記録紙への画像形成が行われる。階調パターンデータは、装置の出力階調領域から複数の代表階調を抽出したものであり、たとえば次表のデータとして表すことができる。なお、パッチ0は、階調0の仮想パッチである。
【0048】
【表1】
【0049】
なお、この初期設定処理で最初に行われる画像形成処理においては、出力系適合補正部35における階調補正特性に応じた階調補正処理は行わない。
【0050】
階調補正処理を行わずに階調パターン画像が形成された記録紙は、画像読取部20において画像読取りが行われる(ステップS20)。具体的には、階調パターン画像が形成された記録紙は、初期設定処理を行う操作者によって、画像読取部20のコンタクトガラス21上に載置され、画像読取部20がこの記録紙上の階調パターン画像の読取りを行う。こうして読みとられた階調パターン画像の画像データは、画像処理部30に送られ、シェーディング補正部31、色空間変換部32、色補正処理部33および黒生成処理部34を経て出力系適合補正部35に送られる。
【0051】
つづいて、階調補正特性設定部52は、出力系適合補正部35に送られた階調パターン画像の画像データにおける階調パターン各パッチの濃度と、この階調パターン画像の元となった階調パターンデータとを比較することによって、画像形成部40の現在の出力特性が得られる(ステップS30)。出力系適合補正部35に送られた階調パターン画像の画像データは、出力系適合補正部35における階調補正処理を行われることなく画像形成され、読み取られたものであるから、画像形成部40の出力特性のみを検出することができる。
【0052】
こうして現在(初期状態)の出力特性が得られれば、この出力特性に応じて、さらに入力階調に対する所望の出力階調が得られるように、階調補正をおこなうための階調補正特性が算出される(ステップS40)。この階調補正特性は、出力特性を吸収するべく、入力階調に対して画像形成される出力階調がリニアになるように階調補正を行うように設定してもよいが、人間の目に検知される階調がリニアに、あるいは自然な階調分布に見えるように階調補正するものであることが望ましい。この階調補正特性(ガンマデータ)は、横軸に入力階調を、縦軸に階調補正後の階調を表せば、図7の曲線として例示されるが、具体的には、この実施形態では入力階調に対する出力階調を記述したテーブルとして設定すればよい。設定された階調補正特性は、画像処理部30の出力系適合補正部35内に記憶される。
【0053】
以上の処理によって初期状態における適正な階調補正特性の設定は完了するが、つづいて、後のメンテナンス時にメンテナンス処理に供するため、この初期状態のデータの検出および記憶が行われる。
【0054】
この初期状態のデータの検出処理は、まず、階調パターンデータをいま設定された階調補正特性で階調補正して、感光体ドラム421上に階調パターン画像の現像が行われる(ステップS50)。具体的には、階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータを出力系適合補正部35に送り、この階調パターンデータをいま設定した階調補正特性で階調補正して、出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を経て画像形成部40に送る。そして、この画像データに基づいて感光体ドラム421上に階調パターン画像がトナー像として現像される。
【0055】
つづいて、感光体ドラム421上に現像された階調パターン画像各部のトナー濃度(パターン部濃度)および階調パターン画像が現像されていない感光体ドラム地肌部分のトナー濃度(地肌濃度)が、濃度センサ48によって検出される(ステップS60)。図6は、感光体ドラム421上に現像された階調パターン画像の一例を示している。これら感光体ドラム421の地肌濃度およびパターン部濃度は、階調補正特性設定処理部50の状態検出制御部53に送られる。
【0056】
そして、検出された地肌濃度およびパターン部濃度は、状態検出制御部53から初期状態記憶部54に送られ、適正な階調補正特性が設定された初期状態のデータ(初期状態データ)として記憶される(ステップS70)。たとえば、この初期状態データは、対応する階調パターンデータとともに、次表のように表すことができる。
【0057】
【表2】
【0058】
なお、この感光体ドラム421上に現像されたトナー像は、記録紙に転写する必要はないため、初期設定を行う操作者の手を煩わせることなく、装置内で自動的に行うことができる。
【0059】
以上のようにして初期設定が行われれば、以後、画像処理部30の出力系適合補正部35における階調補正処理では、後述するメンテナンス処理が行われるまで、この階調補正特性に応じて階調補正処理が行われる。
【0060】
次に、図4を参照しながら、メンテナンス時において行われる階調補正特性の設定処理について説明する。このメンテナンス処理は、所定枚数の画像形成処理を行うごとに、前回のメンテナンス処理から所定期間が経過したときに、あるいは、温度や湿度等の装置周囲の環境条件が変化した場合に、処理統括制御部90等が自動的にメンテナンス処理を行うメンテナンス時を決定し、処理統括制御部90からの開始信号に応じて行われる。なお、この装置においては、メンテナンス処理終了から画像形成した枚数等をカウントするカウンタ、メンテナンス処理終了からの時間経過を計測するタイマ、装置の設置環境条件を検出する温度センサや湿度センサ等を備え、これらの出力は処理統合制御部90に入力するように構成されている。このメンテナンス処理は、メンテナンス時における装置の特性(特に出力特性)に応じた階調補正量(階調補正特性)を設定するものである。このメンテナンス処理も上記初期設定処理と同様に、この装置がC,M,Y,Kの4色の出力を行うものであるため各色ごと順に行われる。
【0061】
このメンテナンス処理では、まず、階調パターンデータを初期設定時に設定された階調補正特性で階調補正した画像データに基づいて、階調パターン画像が感光体ドラム421上に現像される(ステップS100)。具体的には、階調パターンデータ記憶部51に記憶されている階調パターンデータを出力系適合補正部35に送り、この階調パターンデータを初期設定時に設定された階調補正特性で階調補正して、出力色選択部36、変倍処理部37および空間フィルタ部38を経て画像形成部40に送る。そして、この画像データに基づいて感光体ドラム421上に階調パターン画像がトナー像として現像される。
【0062】
つづいて、感光体ドラム421上に現像された階調パターン画像各部のトナー濃度(パターン部濃度)および階調パターン画像が現像されていない感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度(地肌濃度)が、濃度センサ48によって検出される(ステップS110)。これら感光体ドラム421の地肌濃度およびパターン部濃度は、階調補正特性設定処理部50の状態検出制御部53に送られる。こうして検出されるメンテナンス時の地肌濃度およびパターン部濃度(メンテナンス時データ)は、たとえば、対応する階調パターンデータおよび初期状態データとともに次表のように表すことができる。
【0063】
【表3】
【0064】
そして、初期状態記憶部54に記憶されている初期状態における感光体ドラム421の地肌濃度と、メンテナンス時に検出された上記地肌濃度とから、初期状態からメンテナンス時への状態変化量が算出される(ステップS130)。具体的には、状態検出制御部53に送られたメンテナンス時の地肌濃度および初期状態記憶部54に記憶されている初期状態の地肌濃度が状態変化量算出部55に送られ、状態変化量算出部55が両者の差として状態変化量を求める。たとえば、上記表3に示した初期状態データおよびメンテナンス時データの場合、状態変化量は次式によって算出することができる。
【0065】
こうして求められる状態変化量は、主として感光体ドラム421表面のトナー濃度を高めるものの記録紙には転写されない無帯電トナーや逆帯電トナー等の初期状態とメンテナンス時との差を表している。
【0066】
こうして状態変化量が求められれば、この状態変化量に応じて、状態検出制御部53に送られたメンテナンス時のパターン部濃度から、メンテナンス時の有効トナー濃度が算出される(ステップS140)。具体的には、状態変化量算出部55から状態変化量が、状態検出制御部53からパターン部濃度が、それぞれ有効トナー濃度算出部56に送られ、各パッチごとに有効トナー濃度値が算出される。たとえば、上記表3に示した初期状態データおよびメンテナンス時データの場合、メンテナンス時の有効トナー濃度(有効データ)は、メンテナンス時の各検出濃度から状態変化量20を差し引くことによって、次表のように求められる。
【0067】
【表4】
【0068】
こうしてメンテナンス時の有効トナー濃度が算出されれば、この有効トナー濃度と、記憶されている初期状態のパターン部濃度とを比較し、この比較結果に基づいて初期設定時の階調補正特性を修正する(ステップS150)。この修正処理では、まず、メンテナンス時の状態において、初期設定時と同じ出力階調(トナー濃度)が得られる入力階調(階調パターンデータに相当)を求める。そして、メンテナンス処理後の階調補正特性は、実際に画像読み取りされた画像データを予め初期設定時と同じ出力を得られる階調に変換してから、初期設定時の階調補正特性を用いた階調補正処理を行うことによって、メンテナンス処理後においても初期設定時と同じ出力特性を得られるようにするものである。すなわち、この階調補正特性の修正処理は、メンテナンス処理後の階調補正特性として、各階調ごとの初期設定時とメンテナンス時との出力特性の変化分を初期設定時の階調補正特性に加えた階調補正特性を設定するものである。
【0069】
具体的には、まず、初期設定時と同じ出力階調が得られるメンテナンス時における入力階調を、メンテナンス時におけるパターン部濃度の各パッチ間を直線で補間し、これに初期設定時のパターン部濃度を照合することによって求める。図8は、この処理をパッチ番号4の階調(濃度値)117のデータについて行った場合の説明図である。メンテナンス時の有効トナー濃度値において階調値117は、パッチ6(有効トナー濃度値113)およびパッチ7(有効トナー濃度値128)の間にある。これらパッチ6および7の入力階調(階調パターンデータ)は、それぞれ61および79である。図8のように、横軸に入力階調、縦軸に出力階調をとり、メンテナンス時の有効トナー濃度のパッチ6および7を補間した場合、初期設定時のパッチ4の出力階調117は、入力階調65.8(整数化して66)で得られることが分かる。同様にして、各パッチごとに、初期設定時の出力階調が得られる入力階調値を算出することができる。
【0070】
このようにしてメンテナンス時の状態において、初期設定時と同様の出力を得るための入力階調値が得られれば、既に初期設定時に好適な出力が得られるように設定した階調補正特性に対して、初期設定時からメンテナンス時への状態変化分を加える(あるいは差し引く)ことで、メンテナンス時の状態に応じた階調補正特性を設定することができる。図9は、初期設定時の階調補正特性(ガンマデータ)から、メンテナンス時の状態に応じて修正した階調補正特性(ガンマデータ)を模式的に表した説明図である。
【0071】
こうして修正した階調補正特性は、画像処理部30の出力系適合補正部35に記憶され、以後、こうして修正された階調補正特性に応じて状態に応じた階調補正処理が行われる。
【0072】
以上のように、この実施形態にかかる画像形成装置では、メンテナンス時に感光体ドラム421の地肌部分のトナー濃度値を検出することにより、記録紙に転写されない(あるいは転写されにくい)無帯電トナーや逆帯電トナー等のトナー量を検出し、この感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度値に基づいて、感光体ドラム421上に現像される階調パターン画像各部のトナー濃度値から、記録紙等に転写されるトナー量を有効トナー濃度値として算出し、この有効トナー値に基づいて階調補正特性を修正するため、無帯電トナー等が感光体ドラム421上に付着することによって感光体ドラム421上のトナー濃度値と実際に記録紙等に転写される画像濃度との不整合を生じることなく、常に装置や装置設置環境等に適合した適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0073】
また、実際の記録紙等への画像形成を行って適正な階調補正特性を求めた初期設定時における感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度値を予め記憶しておくことにより、メンテナンス時に感光体ドラム421上に付着している無帯電トナー等のトナー量を、この初期状態における感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度値とメンテナンス時のトナー濃度値との差から、状態変化量としてより正確に算出することができる。したがって、この状態変化量に基づいて階調パターン画像の濃度値から有効トナー濃度値を算出することで、より確実に適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【0074】
さらに、初期状態において感光体ドラム421上に現像した階調パターン画像各部のトナー濃度値を記憶しておくことにより、メンテナンス時に検出された階調パターン画像各部の有効トナー濃度値との比較結果から、初期設定時に実際の記録紙等への画像形成を行って求めた適正な階調補正特性を利用して、初期設定時の階調補正特性を修正することで簡単にメンテナンス時における適正な階調補正特性を求めることができる。
【0075】
また、初期状態およびメンテナンス時のトナー濃度値として同一の濃度センサ48の検出値を用いているため、トナー濃度値に対する出力がリニアに得られない濃度センサであっても、検出値をトナー濃度値に換算することなく、簡便に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができる。
【0076】
さらに、感光体ドラム421の表面濃度を求める濃度センサ48の出力値をそのままトナー濃度値を表す値として用いているため、濃度センサ48の出力値の個体差によらず、正確に初期状態からメンテナンス時へのトナー濃度値の変化量を得ることができる。
【0077】
以上、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明にかかる画像形成装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように構成してもよい。
【0078】
(1)上記実施形態においては、本発明にかかる画像処理装置をデジタルカラー複写機に適用したが、所定の入力画像データを用いて画像形成を行う画像形成装置であれば、ファクシミリ装置やカラープリンタ等、任意の画像形成装置に適用することができる。
【0079】
(2)上記実施形態においては、濃度センサ48の出力値(検出値)をそのまま感光体ドラム421表面のトナー濃度値として扱うように構成したが、濃度センサ48の出力を変換器等で単位面積あたりのトナー厚み(あるいはトナー質量)等によって表される具体的なトナー量を求め、階調補正特性設定処理等においてはこの具体的なトナー量を用いて処理を行ってもよい。
【0080】
(3)上記実施形態においては、初期設定時の階調パターン画像各部のトナー濃度(パターン部濃度)を記憶しておき、メンテナンス時のパターン部濃度との比較結果から、メンテナンス時の階調補正特性を初期設定時に予め設定した階調補正特性から修正して求めるように構成したが、メンテナンス時の有効トナー濃度から直接メンテナンス時の適正な階調補正特性を求めるようにしてもよい。
【0081】
(4)上記実施形態においては、初期設定時の地肌部分トナー濃度(地肌濃度)を記憶しておき、メンテナンス時の感光体ドラム421地肌部分のトナー濃度(地肌濃度)との差から状態変化量を算出してメンテナンス時の有効トナー濃度値を算出するように構成したが、初期設定時には、ほとんど感光体ドラム421地肌部分に無帯電トナー等が付着していないと考えられることから、メンテナンス時の地肌濃度のみからメンテナンス時の感光体ドラム421に付着している無帯電トナー等の量を求めるようにしてもよい。
【0082】
(5)上記実施形態においては、メンテナンス時において、初期設定時との比較から初期設定時の階調補正特性を修正してメンテナンス時の適正な階調補正特性を設定するように構成したが、初期状態記憶部54には前回のメンテナンス時の検出値を記憶しておき、この前回のメンテナンス時の状態との比較から前回のメンテナンス時の階調補正特性を修正して、現在のメンテナンス時の適正な階調補正特性を設定するようにしてもよい。
【0083】
(6)上記実施形態においては、初期設定時およびメンテナンス時の地肌濃度について単純に差をとり、この差を状態変化量としたが、初期状態からメンテナンス時の状態変化量は、初期設定時の地肌濃度およびメンテナンス時の地肌濃度を用いていれば、種々の算出手段を用いて算出することができる。
【0084】
(7)上記実施形態においては、メンテナンス時の有効トナー濃度値(有効データ)は、メンテナンス時の階調パターン画像各部のトナー濃度値(メンテナンス時データ)から単純に状態変化量を引くことによって求めたが、状態変化量を参照しながら画像転写に有効なトナー量を求めることのできる手段であれば、有効トナー濃度値は種々の算出手段によって求めることができる。
【0085】
(8)上記実施形態においては、濃度センサとして光学式の濃度センサ48を採用したが、感光体ドラム421表面のトナー濃度値を検出しうるセンサであれば、任意の公知のセンサを採用することができる。
【0086】
(9)上記実施形態においては、像担持体として感光体ドラム421を用いたが、入力画像がトナー像として現像され、これを記録紙等に転写する像担持体であれば、任意の公知の像担持体を採用することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置によれば、メンテナンス時に装置の出力特性等に応じるための階調補正特性を修正するにあたり、像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、像担持体上に現像される階調パターン画像各部のトナー濃度値から、記録紙等に転写されるトナー量を有効トナー濃度値として算出し、この有効トナー値に基づいて階調補正特性を修正するため、無帯電トナー等が像担持体上に付着することによって像担持体上のトナー濃度値と実際に記録紙等に転写される画像濃度との不整合を生じることなく、常に装置や装置設置環境等に適合した適切な階調補正特性を得て、正確に所望の画像濃度を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置を複写機に適用した一実施形態の概略図である。
【図2】同画像形成装置の画像処理部および階調補正特性設定処理部の構成図である。
【図3】初期設定処理のフローチャートである。
【図4】メンテナンス処理のフローチャートである。
【図5】記録紙上に画像形成された階調パターン画像の一例である。
【図6】感光体ドラム上に現像された階調パターン画像の一例である。
【図7】初期設定時に設定された階調補正特性(ガンマデータ)の一例である。
【図8】メンテナンス時の状態において初期設定時の出力階調を得るための入力階調値を求める処理の説明図である。
【図9】階調補正特性(ガンマデータ)の修正処理を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
20 画像読取部
30 画像処理部
35 出力系適合補正部
40 画像形成部
421 感光体ドラム(像担持体)
48 濃度センサ
50 階調補正特性設定処理部
52 階調補正特性設定部
54 初期状態記憶部
55 状態変化量算出部
56 有効トナー濃度算出部
Claims (3)
- 入力画像データを階調補正手段によって階調補正することにより出力画像データを形成し、この出力画像データに基づいて像担持体上にトナー像を現像し、このトナー像を所定の記録紙等に転写する画像形成装置であって、
所定のメンテナンス時において、所定の階調パターンデータを入力画像データとして像担持体上に階調パターン画像を現像し、この階調パターン画像各部のトナー濃度値とともに、この階調パターン画像が現像されていない像担持体地肌部分のトナー濃度値を検出するメンテナンス時状態検出手段と、
上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された像担持体地肌部分のトナー濃度値に基づいて、同メンテナンス時状態検出手段によって検出された階調パターン画像各部のトナー濃度値から、階調パターン画像各部の有効トナー濃度値を算出する有効トナー濃度値算出手段と、
こうして算出されたメンテナンス時における階調パターン画像各部の有効トナー濃度値に基づいて、上記階調補正手段における階調補正特性を設定する階調補正特性設定手段と、
初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値を予め記憶しておく初期状態記憶手段と、
上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された像担持体地肌部分のトナー濃度値と上記初期状態記憶手段に記憶されている初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値との差から像担持体地肌部分の状態変化量を算出する状態変化量算出手段とを備え、
上記有効トナー濃度値算出手段は、上記状態変化量に基づいて、上記メンテナンス時状態検出手段によって検出された階調パターン画像各部のトナー濃度値から、階調パターン画像各部の有効トナー濃度値を算出するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記初期状態記憶手段は、初期状態における像担持体地肌部分のトナー濃度値とともに、初期状態において所定の階調パターンデータを入力画像データとして像担持体上に階調パターン画像を現像したとき、この階調パターン画像各部のトナー濃度値を予め記憶しておくように構成され、
上記階調補正特性設定手段は、メンテナンス時における階調パターン画像各部の有効トナー濃度値と上記初期状態記憶手段に記憶されている初期状態における階調パターン画像各部のトナー濃度値とを比較し、この比較結果に基づいて、上記階調補正手段における階調補正特性を上記初期状態に予め設定された階調補正特性から修正するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
像担持体上のトナー濃度値を検出する濃度センサを備え、
上記初期状態記憶手段は、初期状態におけるトナー濃度値としてこの濃度センサの検出値を記憶しておくように構成され、
上記メンテナンス時状態検出手段もまた、メンテナンス時におけるトナー濃度値としてこの濃度センサの検出値を用いるように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
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