JPH0662249A

JPH0662249A - カラー画像記録装置

Info

Publication number: JPH0662249A
Application number: JP4208243A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Kubo; 昌彦久保; Kazuhiro Iwaoka; 一浩岩岡; Toshiaki Sagara; 俊明相良; Yasuhiro Oda; 康弘織田; Kazuhiko Arai; 和彦新井; Toru Teshigahara; 亨勅使川原; Yasuki Yamauchi; 泰樹山内; Yoshinori Machida; 義則町田; Kiyoshi Shigehiro; 清重廣
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1992-08-04
Filing date: 1992-08-04
Publication date: 1994-03-04

Abstract

(57)【要約】【目的】画像が形成される用紙の種類に拘わらず、原
稿と測色的に色が一致した、或いは、見た目に好ましい
色再現を行うことができ、また、それぞれ十分な先鋭度
の画像が得られるカラー画像記録装置を提供すること。【構成】画像入力装置１からの赤，緑及び青の３色の
色信号からイエロー，マゼンタ，シアン及びブラックの
４色の画像信号を生成する画像処理装置２において、用
紙種類検出手段２３により検出される用紙の種類に応じ
て、テーブル値変更手段３により色変換手段２１と空間
フィルタ処理手段２２のテーブルのテーブル値の変更を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、熱転写、イ
ンクジェット方式等によりＯＨＰ（overheadprojecto
r）用透明フィルムまたは普通紙上にカラー画像を形成
するカラー画像記録装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子写真、熱転写、インクジェッ
ト方式等によりＯＨＰフィルムまたは普通紙上にフルカ
ラー画像を形成し、投影画像もしくは反射画像として用
いることが広く行われている。従来のカラー画像記録装
置においては、ＯＨＰフィルムまたは普通紙の用紙の種
類の如何に関わらず、同じ画像記録信号により画像を形
成していた。しかし、画像入力装置で原稿を読み込むこ
とにより得られた赤，緑及び青の３色の画像信号を、画
像出力装置用のイエロー，マゼンタ，シアン及びブラッ
クの４色の画像記録信号に変換する画像処理装置の各種
テーブル値は、通常反射原稿と普通紙上に記録された画
像の３刺激値が一致するように設計されているので、普
通紙に記録した場合には原稿と測色的に色が一致した画
像が得られるが、ＯＨＰフィルム上に画像を記録した場
合では、透過画像であるために原稿と異なった色となる
といった問題点があった。

【０００３】また、銀塩写真方式においては、測色的な
色一致は得られないが見た目に好ましい色再現を行うた
めに、反射物であるカラーペーパーよりも透過物である
カラーリバーサルフィルムの階調特性をよりコントラス
トが強いものとしているが、従来の画像記録装置では、
反射画像と透過画像の階調特性を自動的に制御すること
は困難であった。

【０００４】さらに、通常ＯＨＰフィルムは、スクリー
ン上に投影するために原稿よりも拡大されることが多
く、実際に投影された画像の空間周波数は原稿と異なっ
たものとなる。従って空間フィルタ処理により先鋭度の
強調を行う場合にＯＨＰフィルムと普通紙において同じ
処理を行うと、普通紙においては十分な先鋭度が得られ
てもＯＨＰ投影像では十分な先鋭度が得られないことが
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
が形成される用紙の種類に拘わらず、原稿と測色的に色
が一致した、或いは、見た目に好ましい色再現を行うこ
とができ、また、それぞれ十分な先鋭度の画像が得られ
るカラー画像記録装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像記録
装置は、前記目的を達成するため、画像入力装置からの
赤，緑及び青の３色の色信号からイエロー，マゼンタ，
シアン及びブラックの４色の画像信号を生成するテーブ
ル構成の色変換手段と、前記イエロー，マゼンタ，シア
ン及びブラックの４色の画像信号に対して空間フィルタ
処理を施すテーブル構成の空間フィルタ処理手段を有す
る画像処理手段と、該画像処理手段からの出力に基づい
て用紙上に画像の記録を行う画像出力装置と、前記用紙
の種類を検出する用紙種類検出手段と、該用紙種類検出
手段の検出結果に基づいて前記色変換手段と前記空間フ
ィルタ処理手段の少なくとも一方のテーブルのテーブル
値の変更を行うテーブル値変更手段とを有することを特
徴とする。

【０００７】また本発明のカラー画像記録装置は、前記
目的を達成するため、画像入力装置からの赤，緑及び青
の３色の色信号から３色の等価中性濃度信号に変換する
テーブル構成の等価中性濃度変換手段と、前記３色の等
価中性濃度信号からイエロー，マゼンタ及びシアンの３
色の画像信号を生成するテーブル構成のカラーマスキン
グ手段と、前記イエロー，マゼンタ及びシアンの３色の
画像信号からブラックの信号及び前記イエロー，マゼン
タ及びシアンの３色の画像信号のそれぞれから前記ブラ
ックの信号に応じた値を減じたイエロー，マゼンタ及び
シアンの３色の画像信号の計４色の画像信号を生成する
テーブル構成の墨量決定手段と、該墨量決定手段通過後
のイエロー，マゼンタ，シアン及びブラックの４色の画
像信号に空間フィルタ処理を施すテーブル構成の空間フ
ィルタ処理手段と、イエロー，マゼンタ，シアン及びブ
ラックの４色の画像信号の階調特性の補正を行うテーブ
ル構成の階調特性補正手段とを有する画像処理手段と、
前記用紙の種類を検出する用紙種類検出手段と、該用紙
種類検出手段の検出結果に基づき前記等価中性濃度変換
手段，前記カラーマスキング手段，前記墨量決定手段，
前記空間フィルタ処理手段或いは前記階調特性補正手段
の少なくとも何れか一つのテーブルのテーブル値の変更
を行うテーブル値変更手段とを有することを特徴とす
る。

【０００８】前記用紙種類検出手段は、用紙の種類が普
通紙であるかＯＨＰフィルムであるかを検出するもので
ある。

【０００９】

【作用】本発明においては、用紙の種類に応じて画像処
理手段における各種処理パラメータが切り替えられる。
たとえば、用紙が普通紙であるか或いはＯＨＰフィルム
であるかによって、色変換手段のテーブル値が切り替え
られたり、空間フィルタ処理手段のテーブル値が切り替
えられたりする。これにより、反射画像と透過画像の差
に起因する色の一致や、拡大投影することに起因する先
鋭度の低下が防止される。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照しながら実施例に基づいて
本発明の特徴を具体的に説明する。

【００１１】図１は、本発明のカラー画像記録装置の実
施例の機構的な構成を概略的に示している。

【００１２】カラー画像記録装置の上面には原稿の画像
を読み取って赤，緑及び青の３色の画像信号Ｒ，Ｇ，Ｂ
に変換するイメージスキャナ等の画像入力装置１が設け
られており、この画像入力装置１からの画像信号Ｒ，
Ｇ，Ｂは画像処理装置２に供給される。画像処理装置２
では、画像入力装置１からの赤，緑及び青の３色の色信
号よりイエロー，マゼンタ，シアン及びブラックの４色
の画像記録信号Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋを作成する。

【００１３】また、感光体ドラム３の周囲には、コロナ
帯電器４、レーザスキャナ光学装置５、ブラック現像器
６Ｂｋ，イエロー現像器６Ｙ，マゼンタ現像器６Ｍ，シ
アン現像器６Ｃからなる現像装置６、コロナ帯電器７、
クリーニング装置８等が順次配列されている。

【００１４】更に、感光体ドラム３に接触した状態で転
写ドラム９が設けられており、この転写ドラム９の下方
には、それぞれ異なったサイズの転写紙すなわち用紙を
収納する用紙トレイ１０ａ，１０ｂ、この用紙トレイ１
０ａ，１０ｂ内の用紙を転写ドラム９に対して選択的に
送り出すための給紙装置１１が配置されている。また、
転写ドラム９と排紙トレイ１２との間に定着装置１３が
設けられている。

【００１５】上記用紙トレイ１０ａ，１０ｂには、普通
紙或いは透明なＯＨＰフィルムが収納される。なお、図
２に示すように、ＯＨＰフィルムＡは全面が透明ではな
く、帯状の不透明部Ａ１とこの不透明部Ａ１の一部に形
成された透明部Ａ２からなる枠部Ａ３がＯＨＰフィルム
Ａの縁部に形成されている。各用紙トレイ１０ａ，１０
ｂに収納されている用紙の種類は、各用紙トレイ１０
ａ，１０ｂの下部に設けられた用紙種類検出手段１４に
より検出される。用紙種類検出手段１４は、前記ＯＨＰ
フィルムＡの枠部Ａ３の透明部Ａ２に対応する位置に配
置された光学センサ素子１４ａと不透明部Ａ１に対応す
る位置に配置された光学センサ素子１４ｂとを備えてお
り、各光学センサ素子１４ａ，１４ｂは、各用紙トレイ
１０ａ，１０ｂに収納されている用紙の縁部の光学的透
過率を検出する。用紙が普通紙であるときは、二つの光
学センサ素子１４ａ，１４ｂは不透明を検出し、用紙種
類検出手段１４は、用紙が普通紙であることを示す用紙
種類検出信号を出力する。また、用紙がＯＨＰフィルム
であるときは、一方の光学センサ素子１４ａは透明を検
出し、他方の光学センサ素子１４ｂは不透明を検出し、
用紙種類検出手段１４は、用紙がＯＨＰフィルムである
ことを示す用紙種類検出信号を出力する。

【００１６】用紙種類検出手段１４からの用紙種類検出
信号は画像処理装置２に送られ、後述するように、用紙
の種類が普通紙であるか、ＯＨＰフィルムであるかによ
って、画像処理装置２における処理が切り換えられる。

【００１７】なお、本実施例においては、用紙上に画像
を記録するための各装置、たとえばコロナ帯電器４、レ
ーザスキャナ光学装置５、現像器６、コロナ帯電器７、
転写ドラム９、定着装置１３等をまとめて画像出力装置
１５と呼ぶものとする。

【００１８】次に、図１に示すカラー画像記録装置の基
本的な動作について説明する。

【００１９】感光体ドラム３はコロナ帯電器４により帯
電され、画像記録信号によって変調されたレーザ光をレ
ーザスキャナ光学装置５により感光体ドラム３上に水平
走査し、静電潜像を形成する。画像記録信号は、出力す
べきカラー画像のブラック成分，イエロー成分，マゼン
タ成分及びシアン成分に対応する四つの画像記録信号か
ら構成されており、レーザスキャナ光学装置５に予め決
められた順序で順次供給され、感光体ドラム３上に各色
に対応する静電潜像が順次形成される。次に、ブラック
現像器６Ｂｋ，イエロー現像器６Ｙ，マゼンタ現像器６
Ｍ及びシアン現像器６Ｃの中の、形成された静電潜像に
対応する色のトナーを有する現像器が選択され、選択さ
れた現像器が図示しない駆動機構により感光体ドラム３
に圧接され静電潜像が対応する色のトナーで現像され顕
画像が得られる。

【００２０】一方、用紙トレイ１０ａ，１０ｂに収納さ
れている用紙（普通紙またはＯＨＰフィルム）は、給紙
装置１１によって転写ドラム９上に送られ、さらにこの
転写ドラム９の周面に巻装される。また、用紙種類検出
手段１４により用紙の種類が検出される。

【００２１】感光体ドラム３上の顕画像は、用紙にコロ
ナ帯電器７により背面からコロナ放電を与えることによ
り用紙に転写される。多色カラー画像を得る場合には、
転写ドラム９に用紙を巻きつけたままの状態で、各色毎
に潜像形成，現像及び転写を、色の数に応じて２〜４回
繰り返して、感光体ドラム３を用紙に当接させて、イエ
ロー，マゼンタ，シアン及びブラック各色の複数或いは
すべての顕画像を重ね合わせて転写するものである。

【００２２】次に、転写された顕画像を保持した用紙は
転写ドラム９から剥離された後に定着装置１３に送ら
れ、ここでトナー画像が加熱溶融されて用紙に固着され
ることによりカラー画像が得られる。カラー画像が定着
された用紙は、排紙トレイ１２に排出される。

【００２３】一方、転写後に感光体ドラム３上に残った
トナー等は、クリーニング装置８によってクリーニング
され再使用の準備がなされる。

【００２４】次に、本発明の要旨である画像処理装置２
について説明する。図３に画像処理装置２のブロック図
を示す。図３に示すように、画像入力装置１で原稿を読
み込むことにより得られた赤，緑及び青の３色の色信号
Ｒ，Ｇ，Ｂは、テーブル構成の色変換手段２１により、
イエロー，マゼンタ，シアン及びブラックの４色の画像
信号Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋに変換される。４色の画像信号
Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋは、空間フィルタ処理を施すテーブル
構成の空間フィルタ処理手段２２により先鋭度の強調及
び網点除去が行われる。さらに、用紙種類検出手段１４
から送られた用紙種類検出信号に基づき、テーブル値変
更手段２３により色変換手段２１及び空間フィルタ処理
手段２２のテーブル値の変更を行う。

【００２５】本実施例において、色変換手段２１として
は、たとえば、特開平３−１３０６６号公報に示されて
いるようなテーブル参照値を補間する方式を適用してい
る。テーブル参照値の補間方式では、入出力関係に制限
がないため、どの様な非線形関係でも表現できるため色
変換誤差が小さくなる利点があり、複雑な色再現系の色
変換方式として最適である。また、テーブル値変更手段
２３としては、ＲＯＭにテーブル参照値を記録してお
き、用紙種類検出手段１４からの用紙種類検出信号に基
づきテーブル値を変更すれば良い。

【００２６】上記色変換手段２１における色変換方式の
テーブル値の作成方法としては、種々の方法が提案され
ているが、本実施例においては以下に示す方式に従って
テーブル値を作成した。

【００２７】先ず、多数の標準色サンプルを画像入力装
置１で読み込むことにより、これらの多数の標準色とＲ
ＧＢ色空間との対応関係を求める。ここで、標準色サン
プルは分光光度計（例えば村上色彩ＣＭＳ−５００）に
より３刺激値ＸＹＺを測定しておく。本実施例において
は、Ｄ５０光源２度視野の３刺激値ＸＹＺを用い、それ
を均等色空間であるＬ^*ａ^*ｂ^*表色系に変換してい
る。

【００２８】また、画像出力装置１５で多数のＹＭＣＢ
ｋ色空間座標の組み合わせのサンプルを作成してそのサ
ンプルの色を測定することによりＬ^*ａ^*ｂ^*色空間と
ＹＭＣＢｋ色空間座標との対応関係を求めておく。ここ
で、反射物及び透過物のＬ^*ａ^*ｂ^*は分光光度計の反
射モード及び透過モードを使用することにより計測する
ことができるが、ＯＨＰの場合にはスペキュラーキャッ
プの見込み角がＯＨＰのレンズの画角と等しい積分球を
使用する必要があるので、本実施例では透過物の色測定
には分光輝度計（例えばトプコンＳＲＩ）を用いて、ス
クリーン上に投影されたサンプルのＬ^*ａ^*ｂ^*を測定
した。

【００２９】次に、画像出力装置１５の色再現範囲内の
Ｌ^*ａ^*ｂ^*データより、上記色空間の対応関係からＲ
ＧＢ色空間座標とＹＭＣＢｋ色空間座標を求め、このＲ
ＧＢとＹＭＣＢｋの対応関係より色変換手段２１のテー
ブル値を求める。このテーブル値に基づいて色変換を行
えば、原稿と測色的に色が一致した画像が得られる。

【００３０】さらに、好ましい色再現を行うには、ＯＨ
Ｐ時のテーブル値を忠実再現時より高いコントラストが
得られるような値とすれば良い。

【００３１】また、ＯＨＰの場合ではスクリーン上に拡
大されるため、実際の目に見える画像の空間周波数が普
通紙の場合に比べて低くなり、普通紙と同じ空間フィル
タ処理を用いると先鋭度が低下する。そこで、本実施例
においては、図４に示すように、ＯＨＰモード（同図
（ｂ）参照）の場合は、普通紙モード（同図（ａ）参
照）の場合よりも空間フィルタの周波数特性のピークを
より高周波を強調するように、空間フィルタ処理手段２
２のテーブル値を変更した。これによりＯＨＰモードで
は高域成分が強調され、先鋭度の低下が防止できる。な
お、図４において横軸はｌｐ（line pairs) ／ｍｍで表
した空間周波数、縦軸はＭＴＦ（modulationtransfer f
unction）を表す。

【００３２】本実施例においては、解像度として１イン
チあたり２００線（２００ｌｐｉ）のスクリーンジェネ
レータを用い、ＯＨＰフィルムとしてはカラー複写機用
フィルム（富士ゼロックス株式会社製Ｖ５２４）を用
い、普通紙としてはカラー複写機用普通紙（富士ゼロッ
クス株式会社製Ｊ紙）を用い、イエロー，マゼンタ，
シアン及びブラック単色ベタ部のトナー重量を０．６５
ｍｇ／ｃｍ²としてカラー画像を形成した。ＯＨＰは高
輝度タイプの富士ゼロックス株式会社製ＯＨＰＺＭ
を用い、暗室下において標準ズーム時でスクリーン上の
画像が１．２ｍ×１．２ｍとなるようにした。

【００３３】上述したように、用紙の種類が普通紙であ
るかＯＨＰフィルムであるかに応じて、色変換手段２１
及び空間フィルタ処理手段２２のテーブル値を変更する
ことにより、普通紙及びＯＨＰフィルムのどちらの場合
でも原稿と一致した色再現または好ましい色再現が得ら
れ、先鋭度の高い美しいカラー画像が得られた。

【００３４】上述の第１の実施例においては、用紙の種
類に応じて色変換手段２１における色変換テーブルと、
空間フィルタ処理手段２２の周波数特性テーブルを切り
替えるようにしているが、これ以外の画像処理のパラメ
ータを切り替えるようにしてもよい。

【００３５】図５は、本発明のカラー画像記録装置の第
２の実施例のブロック図を示す。なお、図３に示す第１
の実施例と対応する部分には同一符号を付している。図
５に示すように、画像入力装置１からの赤，緑及び青の
３色の色信号Ｒ，Ｇ，Ｂは等価中性濃度変換手段２４に
より等価中性濃度ＥＮＤＲ，ＥＮＤＧ，ＥＮＤＢに変換
され、３色の等価中性濃度ＥＮＤＲ，ＥＮＤＧ，ＥＮＤ
Ｂからカラーマスキング手段２５によりイエロー，マゼ
ンタ及びシアンの３色の等価中性濃度信号ＥＮＤＹ，Ｅ
ＮＤＭ，ＥＮＤＣが生成され、これらの３色の信号ＥＮ
ＤＹ，ＥＮＤＭ，ＥＮＤＣは、墨量決定手段２６により
イエロー，マゼンタ，シアン及びブラック信号Ｙ，Ｍ，
Ｃ，Ｂｋに変換され、４色の画像信号Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋ
は空間フィルタ処理手段２２により先鋭度の強調及び網
点除去が行われ、階調特性補正手段２７により階調補正
が行われ、画像出力装置１５に入力されるＹＭＣＢｋ４
色の画像記録信号に変換される。

【００３６】さらに、用紙種類検出手段１４から送られ
た用紙種類検出信号に基づき、テーブル値変更手段２３
により、等価中性濃度変換手段２４、カラーマスキング
手段２５、墨量決定手段２６、空間フィルタ処理手段２
２及び階調特性補正手段２７のテーブル値の変更を行
う。

【００３７】第２の実施例において、等価中性濃度変換
手段２４及び階調特性補正手段２７は、１次元のルック
アップテーブルを用いている。カラーマスキング手段２
５は通常よく用いられる次式に示す３×３の行列演算に
よる線形マスキング法を用いているが、非線形マスキン
グ法を使用しても良い。

【００３８】

【数１】ここで、ＥＮＤＹ，ＥＮＤＭ，ＥＮＤＣは、イエロー，
マゼンタ，シアンの等価中性濃度、ＥＮＤＢ、ＥＮＤ
Ｇ、ＥＮＤＲは、青，緑，赤の等価中性濃度、ａ１１か
らａ３３は色補正係数を表す。

【００３９】また、墨量決定手段２６においては、通常
よく用いられる下色除去処理を行っており、次式に示す
処理を行う。

【００４０】Ｂｋ＝ｐ・ｍｉｎ（ＥＮＤＹ，ＥＮＤＭ，ＥＮＤＣ）Ｙ＝ＥＮＤＹ−ｐ・ＢｋＭ＝ＥＮＤＭ−ｐ・ＢｋＣ＝ＥＮＤＣ−ｐ・Ｂｋここで、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋはイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの画像記録信号であり、ｐは下色除去率と
呼ばれ一般に０＜ｐ≦１任意の値が選択される。

【００４１】第２の実施例に示す方式では、第１の実施
例のテーブル参照値の補間方式と比べて色変換誤差が大
きくなるものの、必要なハードウエアの規模が小さくな
り画像処理装置のコストを低くすることができる。ま
た、色補正係数、下色除去率及びルックアップテーブル
のテーブル値変更手段２３としては、ＲＯＭに各用紙モ
ードでのテーブル参照値を記録しておき、用紙種類検出
信号に基づきテーブル値を変更すれば良い。色補正係数
及びルックアップテーブルのテーブル値の作成方法とし
ては、種々の方法が提案されているが、第２の実施例に
おいては以下に示す方式に従ってテーブル値を作成し
た。

【００４２】先ず、多数の標準色サンプルを画像入力装
置１で読み込むことにより、この多数の標準色とＲＧＢ
色空間との対応関係を求める。ここで、測色方法は第１
の実施例の場合と同様とした。また、画像出力装置１５
で多数のＹＭＣＢｋ色空間座標の組み合わせのサンプル
を作成してそのサンプルの色を測定することにより、Ｌ
^*ａ^*ｂ^*色空間とＹＭＣＢｋ色空間座標との対応関係
を求めておく。

【００４３】次に、画像出力装置１５の色再現範囲内の
グレーデータより、上記色空間の対応関係から等価中性
濃度変換手段２４及び階調特性補正手段２７のルックア
ップテーブルを決定することができる。また、画像出力
装置１５の色再現範囲内のＬ^*ａ^*ｂ^*データより、上
記色空間の対応関係及びルックアップテーブルを用いて
等価中性濃度ＲＧＢ色空間座標と等価中性濃度ＹＭＣ色
空間座標を求め、これを最小自乗法を用いて回帰するこ
とにより色補正係数を求める。下色除去率に関しては、
普通紙の場合はあまり高くすると粒状性の悪化が生じる
ので５０％とし、ＯＨＰの場合には高いシャドー部の濃
度を得るために１００％とした。さらに、好ましい色再
現を行うには、ＯＨＰ時の階調特性補正用のルックアッ
プテーブルのテーブル値を忠実再現時より高いコントラ
ストが得られるような値とすれば良い。また、空間フィ
ルタ処理及び画像作成条件については第１の実施例と同
様な構成とした。

【００４４】上記の構成により、普通紙及びＯＨＰフィ
ルムのどちらの場合でも原稿と一致した色再現または好
ましい色再現が得られ、先鋭度の高い美しいカラー画像
が得られた。

【００４５】更に、普通紙とＯＨＰフィルムだけでな
く、用紙種類検出手段により白色度の異なるような普通
紙を検出して、それぞれに最適なテーブル値を用いて画
像処理を行うことにより、それぞれの用紙に対して最適
な色再現が得られ、美しいカラー画像を得ることもでき
る。

【００４６】なお、上述した各実施例においては、画像
記録手段として電子写真方式を使用したが、その他の画
像記録手段である熱転写方式、銀塩写真方式、インクジ
ェット方式等を用いても同様な効果が得られるのは明ら
かである。

【００４７】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明において
は、用紙の種類に応じて画像処理装置における処理パラ
メータを切り替えているので、たとえば、普通紙及びＯ
ＨＰフィルムのどちらの場合でも原稿と一致した色再現
または好ましい色再現が得られ、また、先鋭度の高い美
しいカラー画像を得ることができる。また、自動的に用
紙種類を判断してそれぞれに最適な画像処理を行うた
め、オペレータの負担を低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカラー画像記録装置の第１の実施例
の構成を示す概略図である。

【図２】用紙の種類を検出する原理を示す説明図であ
る。

【図３】第１の実施例の画像処理装置のブロック図で
ある。

【図４】空間フィルタ処理の周波数特性を表す図であ
る。

【図５】本発明のカラー画像記録装置の第２の実施例
の画像処理装置のブロック図である。

【符号の説明】

１画像入力装置、２画像処理装置、３感光体ドラ
ム、４コロナ帯電器、５レーザスキャナ光学装置、
６現像装置、６Ｂｋブラック現像器、６Ｙイエロー現
像器、６Ｍマゼンタ現像器、６Ｃシアン現像器、７
コロナ放電器、８クリーニング装置、９転写ドラ
ム、１０ａ，１０ｂ用紙トレイ、１１給紙装置、１
２排紙トレイ、１３定着装置、１４用紙種類検出
手段、１４ａ，１４ｂ光学センサ素子、１５画像出
力装置、２１色変換手段、２２空間フィルタ処理手
段、２３テーブル値変更手段、２４等価中性濃度変
換手段、２５カラーマスキング手段、２６墨量決定
手段、２７階調特性補正手段、ＡＯＨＰフィルム、
Ａ１不透明部、Ａ２透明部、Ａ３枠部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者織田康弘神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者新井和彦神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者勅使川原亨神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者山内泰樹神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者町田義則神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者重廣清神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロックス株式会社海老名事業所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】画像入力装置からの赤，緑及び青の３色
の色信号からイエロー，マゼンタ，シアン及びブラック
の４色の画像信号を生成するテーブル構成の色変換手段
と、前記イエロー，マゼンタ，シアン及びブラックの４
色の画像信号に対して空間フィルタ処理を施すテーブル
構成の空間フィルタ処理手段を有する画像処理手段と、該画像処理手段からの出力に基づいて用紙上に画像の記
録を行う画像出力装置と、前記用紙の種類を検出する用紙種類検出手段と、該用紙種類検出手段の検出結果に基づいて前記色変換手
段と前記空間フィルタ処理手段の少なくとも一方のテー
ブルのテーブル値の変更を行うテーブル値変更手段とを
有することを特徴とするカラー画像記録装置。
【請求項２】画像入力装置からの赤，緑及び青の３色
の色信号から３色の等価中性濃度信号に変換するテーブ
ル構成の等価中性濃度変換手段と、前記３色の等価中性
濃度信号からイエロー，マゼンタ及びシアンの３色の画
像信号を生成するテーブル構成のカラーマスキング手段
と、前記イエロー，マゼンタ及びシアンの３色の画像信
号からブラックの信号及び前記イエロー，マゼンタ及び
シアンの３色の画像信号のそれぞれから前記ブラックの
信号に応じた値を減じたイエロー，マゼンタ及びシアン
の３色の画像信号の計４色の画像信号を生成するテーブ
ル構成の墨量決定手段と、該墨量決定手段通過後のイエ
ロー，マゼンタ，シアン及びブラックの４色の画像信号
に空間フィルタ処理を施すテーブル構成の空間フィルタ
処理手段と、イエロー，マゼンタ，シアン及びブラック
の４色の画像信号の階調特性の補正を行うテーブル構成
の階調特性補正手段とを有する画像処理手段と、前記用紙の種類を検出する用紙種類検出手段と、該用紙種類検出手段の検出結果に基づき前記等価中性濃
度変換手段，前記カラーマスキング手段，前記墨量決定
手段，前記空間フィルタ処理手段或いは前記階調特性補
正手段の少なくとも何れか一つのテーブルのテーブル値
の変更を行うテーブル値変更手段とを有することを特徴
とするカラー画像記録装置。
【請求項３】前記用紙種類検出手段が、用紙の種類が
普通紙であるかＯＨＰフィルムであるかを検出するもの
である請求項１又は請求項２記載のカラー画像記録装
置。