JP3666643B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いる複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機やプリンタ等に用いられている画像形成装置は、電子プロセスにおける帯電、露光、現像等の印加電圧や温度上昇に対して濃度特性が変動するため、所望の濃度特性を得る目的で入力画像の特性を補正することが一般的である。
【0003】
すなわち、電源投入時または用紙が所定枚数出力される毎に、感光体ドラムにおいては所定の濃度に対応したトナーパターンが複数形成される。次に、このトナーパターンの濃度はセンサーによって測定され、測定された濃度と、最も望ましい濃度(予め設定された基準値)との差が求められ、この差に基づいて濃度変換テーブルが作成される。以後、入力画像データの濃度が該濃度変換テーブルに基づいて補正され、画像出力が行われる。
【0004】
ところで、電子写真装置等の画像形成装置における画像出力には、ベタ、ライン、中間調等の種類がある。これらの画像は、電子写真プロセスにおける帯電、露光、現像、転写および定着の各変動因子の影響を受けて変化するため、濃度補正を施さずに出力画像の濃度を一定に保つのは不可能である。また、画像の種類によって電子写真プロセスの各変動因子に対する影響の度合も異なるので、画像の種類に応じて濃度補正の制御を変える必要が生じてくる。
【0005】
しかしながら、上記従来の画像形成装置は、ベタ画像濃度またはトナー付着量を検出して、感光体ドラム上のトナー付着量を制御しているので、画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定にすることはできない。
【0006】
この問題を解決するものとしては、例えば、特開平8−265571号公報に開示された画像形成装置がある。この画像形成装置では、中間調等をも含む画像全体の濃度を適正にするために、現像バイアスを変化させて感光体ドラム上に高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとの2種類の濃度検出用トナーパターンが形成されている。
【0007】
そして、上記画像形成装置は、反射型センサーからなるトナー量検出手段にて高濃度検出用トナーパターンを検出することにより、感光体ドラム上への最大トナー付着量を濃度補正手段にて制御する。それとともに、トナー量検出手段にて中間調濃度検出用トナーパターンを検出することにより、中間調濃度部に対する感光体ドラム上へのトナー付着量を濃度補正手段にて調整制御している。これら、感光体ドラム上への最大トナー付着量の制御と、中間調濃度部に対する感光体ドラム上へのトナー付着量の制御とを併用することにより、画像全体の濃度を一定に保持している。
【0008】
具体的には、上記濃度補正手段は、トナー量検出手段により高濃度検出用トナーパターンから高濃度を検出し、これを高濃度基準値と比較して、高濃度基準値とのずれが発生していた場合には高濃度補正を行う。さらに、濃度補正手段は、高濃度の画像調整が保証された条件で、トナー検出手段により中間調濃度検出用トナーパターンから中間調濃度を検出し、中間調濃度基準値との比較により基準値とのずれが発生している場合には中間調濃度補正を行っている。
【0009】
また、中間調濃度補正は、例えば特開平8−289148号公報の発明において、次のように行われている。まず、帯電、露光、現像、転写の過程において、露光時にレーザーのパルス幅を変調した中間調のトナーパターンを転写ベルト上に各色複数個形成し、これらのパターンを濃度検知センサーにて順に測定して、各測定結果から光学濃度が検出される。次に、該光学濃度が予め記憶させておいた各色複数個の目標濃度値と比較され、それぞれ目標値と現在値の変更量とが算出されて、中間調テーブルが修正される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、トナーパターンを用いた濃度補正は、電源投入時または用紙が所定枚数出力される毎に、トナーパターンが複数形成されて実行されるものである。上記従来の画像形成装置では、高濃度補正のみならず中間調濃度調整をも行うことにより、その分時間がかかることになる。その結果、高濃度補正のみを行う画像形成装置に比べて使用者を待たすことになり、却って使い勝手が良くないという問題を招来する。
【0011】
また、毎回、高濃度補正のみならず中間調濃度調整を行うので、中間調濃度調整に伴うトナーパターン形成のためのトナー消費量が増加し、コストが増加してしまうという問題点を有している。
【0012】
ここで、中間調濃度補正の方法に関し、前記特開平8−289148号公報に開示されている技術についてさらに詳しく説明する。先ず、基準となる第1の濃度変換テーブルをメンテナンス時に作成しておく。次に、実際に画像出力を行う場合は、所定の複写枚数毎にトナーパターンを出力し、その濃度を測定し、測定した濃度を第2の濃度変換テーブルとする。次に、第1の濃度変換テーブルおよび第2の濃度変換テーブルに基づいて実際に使用する新たな濃度変換テーブルを作成する。すなわち、中濃度領域にあっては第1の濃度変換テーブルおよび第2の濃度変換テーブルの内分結果を用い、低・高濃度領域にあっては近接する中濃度領域を参照して所定の傾きを有する直線状にテーブル値を設定している。
【0013】
しかしながら、トナーパターンを生成してその濃度を測定するためには、一般に、感光体、現像部、転写部センサー等において各種の処理を行う必要があり、その過程において、種々の原因により、トナーパターンの濃度にノイズが含まれることがある。このような場合、検出したトナーパターンの濃度を常に正しいものとして濃度変換テーブルを作成すると、誤った階調濃度の出力画像が生成されることになる。また、トナーパターンの数は出力画像濃度の階調数より少ないことが普通であり、各種の補間処理によって全階調に渡る濃度変換テーブルが作成される。しかし、この補間処理において誤った濃度変換テーブルが作成された場合は、やはり誤った階調濃度の出力画像が生成されることになる。また、補間処理を精密に行うとすれば、多大な処理時間が必要になり実用に耐えないという問題が発生する。
【0014】
一方、多色カラー画像は、単色の画像の重ね合わせにて形成されることから、従来の手法のように、カラーのうち一色のみの濃度変化で判断していては、多色カラー画像全体のカラーバランスの変化を見極めることが困難であるという問題点を有している。
【0015】
すなわち、カラー画像全体のカラーバランスは、周囲の温度、湿度および画像形成に関する部材のライフ変性によって大きく変化することから、このようなカラー画像全体のカラーバランスの変化を判断して補正を行うことは、カラー画像を表現する上で不可欠である。
【0016】
また、画像濃度も、高濃度域および中間調濃度域を問わず、上記に変動因子により濃度変化し、その変動も各色によって大きく異なることが多い。
【0017】
これに対し、従来技術では、図16に示すように、画像の濃度と各色基準濃度との差が一定値を超えたとき、すなわち、画像濃度が斜線で示す領域Aを超えて領域Bに存在する時のみ濃度補正が行われるという、1色のみの変化により補正動作の有無を決定する手法となっている。
【0018】
しかしながら、画像形成に関係する部材の交換によって、図17に示すように、一点鎖線で示す部材交換前濃度曲線から二点鎖線で示す部材交換後濃度曲線に濃度変化が起こった場合には、正確な画像のカラーバランスの変化を判断することができない。
【0019】
つまり、同図においては、1色のみの濃度変化を表しているが、実際には、各色共、周囲の温度、湿度および部材のライフ特性によって様々に変化する。この各色の濃度変化については、それぞれの基準濃度との差が僅かであっても、多色のカラー画像を表現するためのトナー画像の重ね合わせを行うことにより、カラー画像のカラーバランスに対して変化が生じることが多い。
【0020】
この結果、図16に示すような1色のみの変化で補正動作の有無を決定する手法では、正確なカラー画像の変化を判断することができないことになる。
【0021】
また、カラー画像形成装置では、低濃度部の色および濃度の安定性が非常に重要であり、特に原稿の黒部分を黒に再現するのが重要である。従来より提案されているカラー画像形成装置の濃度調整方法として、例えば以下の7つが挙げられる。
【0022】
(1)感光体上の電位を電位センサーで検出し、検出結果に基づいて調整した光量を照射することにより形成した明部電位および濃度の検出値より基準の電位を決定し、決定した基準電位により階調補正データを決定する方法。
【0023】
(2)濃度センサーで検出した検出値より、帯電器のグリッド電位と現像バイアス電圧とを決定し、帯電器のグリッド電位と現像バイアス電圧との組合わせに対応した階調補正データを決定する方法。
【0024】
(3)階調データと感光体上の潜像電位とが設定した関係を保持するように、階調補正データを補正する方法。
【0025】
(4)高濃度中間調画像を感光体上に形成し、濃度を検出して予め設定された値と比較しながら像形成条件を制御する方法。
【0026】
(5)階調パターンを読取装置で読み取り、階調補正する方法。
【0027】
(6)Y,M,Cの重ね合わせ現像によって作られる黒の階調パターンを読取装置で読み取り、階調補正する方法。
【0028】
(7)Y,M,Cの重ね合わせ現像によって作られる黒パターンの階調パターンを読取装置で読み取り、画像濃度設定目標値を算出する方法。
【0029】
しかしながら、上記の各濃度調整方法は、中/高濃度部の階調性安定化を目的とするものである。従って、人間にとって最も色の変化が分かる低濃度部についての階調補正を行っておらず、中/高濃度部分の濃度を調整しただけでは低濃度部の変動を防ぐことはできない。
【0030】
現状では、低濃度領域の濃度調整は、濃度センサーによる濃度検出値が制御部や電気回路のノイズなどの影響を受けやすいため濃度調整が難しく、また時間も要する。そのため、簡単にしかも精度よく低濃度部の色/濃度を調整しうる調整方法が望まれている。
【0031】
また、単色の低濃度部の濃度を調整するだけでは原稿の黒部分を黒に再現することはできない。これはカラー複写装置では多重転写を行っていて、前色の転写の影響を受けてしまうからである。このために、画質調整の仕上げにカラーバランス調整用のパッチを作り、微調整をする必要がある。
【0032】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線上の、上記濃度検知センサーにより検出可能な最低画像濃度に対応する点を最低画像濃度出力値とした場合に、該最低画像濃度出力値を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の画像に対して階調補正を行うことを特徴としている。
【0034】
上記の構成により、濃度検知センサーによる検出が不可能な、最低画像濃度よりも低濃度の画像に対しても、安定した階調補正が可能となる。また、低濃度領域の画像に対して、濃度検知センサーの出力値(第2のトナーパターンの出力値)を用いて作成した近似線を用いるのではなく、第1のトナーパターンの出力値から求められる基準線と同じ傾きを有する直線を用いて階調補正を行うため、近似処理が不要となる。従って、従来は濃度調整が難しく、且つ多くの時間を要していた低濃度領域の画像に対しても、簡単に、しかも精度良く、色や濃度の調整を行うことができる。
【0035】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されているので、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。例えば、補正のためのトナーパターンとして高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとを併用し、且つ、高濃度補正を実行した後で、所定の実行条件と合致した時のみ中間調濃度補正を行うような補正方法を採用すれば、中/高濃度領域の画像濃度を一定に保持して適正に出力することができるとともに、中/高濃度領域の画像の補正に要する時間およびトナー消費量も低減することができる。
【0036】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0037】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理する際に、該出力値のうち所定値未満の出力値を削除し、残りの出力値のみを用いて近似線を求め、該近似線上の上記所定値に対応する点を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記所定値よりも低濃度の領域の、有彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とすることもできる。
【0038】
一般に、低濃度領域では、センサー出力値の不安定さが出力画像に影響を及ぼしてしまう。しかし、本構成を用いることにより、所定値以下の低濃度領域では、濃度検知センサーの出力値を用いて近似線を求める必要がない。さらに、所定値として、例えばセンサーの不安定さの影響が及ぼされない程度の濃度を設定すれば、近似線の生成に伴う低濃度領域の出力値のバラツキの影響、例えばセンサー感度が不十分であることや、ノイズによる採取データの劣化などの不具合を排除することができる。従って、低濃度領域における有彩色画像の再現性を向上させることができる。さらに、低濃度領域では、第1のトナーパターンの出力値から求められる基準線の傾きを用いて階調補正を行うので、別途近似処理等を行う必要がなくなり、階調補正時間が短縮される。
【0039】
また、上記濃度検知センサーとしては、反射型センサーを用いることが一般的である。反射型センサーを用いた場合、有彩色画像の濃度検知は、トナーパターンのトナー像にて乱反射した光を受光することにより行われる。従って、有彩色画像の場合は、デューティ値を順次増加する方向へ変化させるに従い、センサーの出力値が大きくなる。よって、有彩色画像の低濃度領域における階調補正を行う際に、上記のように所定値を起点出力値として決定しておくことで、再現性が向上することになる。
【0040】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されているので、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。例えば、補正のためのトナーパターンとして高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとを併用し、且つ、高濃度補正を実行した後で、所定の実行条件と合致した時のみ中間調濃度補正を行うような補正方法を採用すれば、中/高濃度領域の画像濃度を一定に保持して適正に出力することができるとともに、中/高濃度領域の画像の補正に要する時間およびトナー消費量も低減することができる。
【0041】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0042】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理する際に、該出力値のうち所定値を超える出力値を削除し、残りの出力値のみを用いて近似線を求め、該近似線上の上記所定値に対応する点を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記所定値より低濃度の領域の、無彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とすることもできる。
【0043】
また、上記濃度検知センサーとしては、反射型センサーを用いることが一般的である。反射型センサーを用いた場合、無彩色画像の濃度検知は、トナーパターンのトナー像にて正反射した光を受光することにより行われる。従って、無彩色画像の場合は、デューティ値を順次増加する方向へ変化させるに従い、センサーの出力値が小さくなる。よって、無彩色画像は、濃度検知センサーの出力値が大きいほど低濃度である。従って、上記の構成のように、濃度検知センサーの出力値が所定値を超える出力値を削除することにより、上述した有彩色画像の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値に対し、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に、出力値が連続的な上昇を開始する起点を起点出力値とし、該起点出力値を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記起点出力値に対応する濃度値よりも低濃度の領域の、有彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とすることもできる。
【0045】
上記の構成によれば、起点として階調特性の変化するポイントを正確に求め、この起点出力値の画像濃度よりも低濃度領域の画像に対する階調補正には、この起点を通過し、且つ、基準線に平行な直線を用いている。従って、近似線を求めることに伴うバラツキの影響、例えばセンサー感度が不十分であることや、ノイズによる採取データの劣化等の不具合を排除し、有彩色画像における低濃度領域の再現性を向上させることができる。さらに、起点出力値の画像濃度以下の低濃度領域では、第1のトナーパターンの出力値から求められる基準線の傾きを用いて階調補正が行われるので、別途近似処理等を行う必要がなくなり、階調補正時間が短縮される。
【0046】
また、上記濃度濃度センサーとしては、反射型センサーを用いることが一般的である。反射型センサーを用いて有彩色画像の濃度検知を行う場合には、トナーパターンのトナー像にて乱反射した光を受光する。従って、有彩色画像の場合は、デューティ値を順次増加する方向へ変化させるに従い、センサーの出力値が大きくなる。よって、有彩色画像の低濃度における階調補正を行う際に、上記のように起点出力値を決定すれば、再現性が向上することになる。
【0047】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されているので、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。例えば、補正のためのトナーパターンとして高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとを併用し、且つ、高濃度補正を実行した後で、所定の実行条件と合致した時のみ中間調濃度補正を行うような補正方法を採用すれば、中/高濃度領域の画像濃度を一定に保持して適正に出力することができるとともに、中/高濃度領域の画像の補正に要する時間およびトナー消費量も低減することができる。
【0048】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0049】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値に対し、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に、出力値が連続的な下降を開始する起点を起点出力値とし、該起点出力値を通過して、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記起点出力値に対応する濃度値よりも低濃度領域の無彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とすることもできる。
【0050】
上記濃度検知センサーとしては、反射型センサーを用いることが一般的である。反射型センサーを用いた場合、無彩色画像の濃度検知は、トナーパターンのトナー像にて正反射した光を受光することにより行われる。従って、無彩色画像の場合は、デューティ値を順次増加する方向へ変化させるに従い、センサーの出力値が小さくなる。よって、無彩色画像は、濃度検知センサーの出力値が大きいほど低濃度である。従って、上記の構成のように、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に濃度検知センサーの出力値が連続的な下降を開始する起点を起点出力値とすることにより、上述した有彩色画像の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線の、所定の最低画像濃度に対応するデューティ値と、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線の、上記最低画像濃度に対応するデューティ値との差を、デューティ値差分とし、上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の画像に対しては、上記基準線を上記デューティ値差分だけ上記近似線側に平行移動させた直線を用いて、階調補正を行うことを特徴とすることもできる。
【0052】
上記の構成によれば、予め設定した最低画像濃度よりも低濃度の領域では、わざわざ、階調補正用のパターン画像を作成して画像の濃度検出を行う必要がないので、階調補正が簡単に短時間で完了する。また上記のような補正を行うことにより、低濃度領域における画像の再現性をより向上させることができる。
【0053】
また、上記最低画像濃度を、例えば濃度検知センサーによる検出が可能な最低の濃度に設定しておけば、濃度検知センサーによる検出が不可能な低濃度の画像に対しても、安定した階調補正が可能となる。
【0054】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されているので、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。例えば、補正のためのトナーパターンとして高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとを併用し、且つ、高濃度補正を実行した後で、所定の実行条件と合致した時のみ中間調濃度補正を行うような補正方法を採用すれば、中/高濃度領域の画像濃度を一定に保持して適正に出力することができるとともに、中/高濃度領域の画像の補正に要する時間およびトナー消費量も低減することができる。
【0055】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0056】
また、上記の課題を解決するために、感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線の延長上に存在し、該濃度検知センサーで検出不可能な極低濃度領域で画像が出現し始める画像濃度のデューティ値に対応する点を第1の仮想点を不動点として定め、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線上の所定の最低画像濃度に対応する点を起点とした場合、該起点を通る上記基準線に平行な直線上に存在し、且つ、上記基準線の上記最低画像濃度に対応するデューティ値を有する第2の仮想点を移動点として定め、上記不動点と上記移動点とを通る直線に平行で、且つ、上記近似線上の上記起点を通る直線を用いて、上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の階調補正を行ってもよい。
【0057】
上記の構成によれば、予め設定した最低画像濃度よりも低濃度の領域では、わざわざ、階調補正用のパターン画像を作成して画像の濃度検出を行う必要がないので、階調補正が簡単に短時間で完了する。また上記のような補正を行うことにより、低濃度領域における画像の再現性をより向上させることができる。
【0058】
また、上記最低画像濃度を、例えば濃度検知センサーによる検出が可能な、最低の濃度に設定しておけば、濃度検知センサーによる検出が不可能な低濃度の画像に対しても、安定した階調補正が可能となる。
【0059】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されているので、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。例えば、補正のためのトナーパターンとして高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとを併用し、且つ、高濃度補正を実行した後で、所定の実行条件と合致した時のみ中間調濃度補正を行うような補正方法を採用すれば、中/高濃度領域の画像濃度を一定に保持して適正に出力することができるとともに、中/高濃度領域の画像の補正に要する時間およびトナー消費量も低減することができる。
【0060】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0061】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の第1の実施形態について図1ないし図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0062】
図2は、本実施の形態に係るカラー複写機(画像形成装置)の、画像形成プロセス部の概要を示す構成図である。以下、同図を参照して、本実施の形態に係るカラー複写機について説明する。
【0063】
同図に示すように、本実施の形態に係るカラー複写機は、回転自在に支持された複数の感光体としての感光体ドラム1…を備えており、各感光体ドラム1…は駆動装置により矢印の方向に回転駆動されるようになっている。
【0064】
上記各感光体ドラム1の周囲には、順に、感光体ドラム1表面を一様に帯電する帯電装置2と、感光体ドラム1表面を露光して潜像を形成する露光装置3と、その潜像を現像しトナー像を形成する現像装置4と、トナー像を転写材(用紙)に転写する転写装置5と、感光体ドラム1の表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング装置6とが配置されている。
【0065】
一方、上記感光体ドラム1…は4つ直列に並び、それぞれにY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、BK(ブラック)の各トナーを収容した現像槽を有している。
【0066】
また、上記転写装置5は、駆動側プーリーと従動側プーリーとの間に張架されて走行する転写ベルト7を備えている。この転写ベルト7は矢印の方向に走行するようになっている。したがって、転写材である記録媒体は静電的に転写ベルト7上に保持されて搬送される。
【0067】
この転写ベルト7のループの内側には、各感光体ドラム1…に対向する位置に転写帯電器8…が配置され、これら各転写帯電器8…は、各感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写ベルト7に転写する。また、転写ベルト7のループの内外には、転写ベルト7上の転写材を剥離する剥離コロトロン9と、転写ベルト7に貯まった電荷を除去(転写ベルト7を除電)する除電コロトロン10と、転写ベルト7の表面に残留したトナーを掃き落とす転写ベルトクリーナ11とが配置されている。図中、12で示されているのは、転写材を転写ベルト7に搬送する転写材搬送ローラである。
【0068】
上記の転写ベルト7上において4つの感光体ドラム1…を通過したトナー像が転写された記録媒体は、図示しない定着装置を通過することにより、そのトナー像が定着される。
【0069】
さらに、本実施の形態に係るカラー複写機では、同図に示すように、トナー量から濃度を検出する濃度検知センサー13が、転写ベルト7の下方の適当な位置で転写ベルト7に対向するように設けられている。
【0070】
次に、14はスキャナであり、原稿画像を読み取り、その内容を補正前画像データとして出力する。15は階調補正回路であり、補正前後の画像濃度を対応させた濃度変換テーブルを記憶し、この濃度変換テーブルに基づいて補正前画像データの濃度を補正し、その結果を補正後画像データとして出力する。16はレーザ露光装置であり、補正後の画像データに基づいて、各露光装置3のレーザダイオードの露光時間を制御する。
【0071】
17は制御回路であり、濃度検知センサー13から出力された濃度検出信号に基づいて上述した濃度変換テーブルを作成し、階調補正回路15に書き込む。また、制御回路17は、複写機の電源投入時および所定の複写枚数毎にトナーパターン作成指令信号を出力する。18はトナーパターン生成回路であり、前記トナーパターン作成指令信号を制御回路17より受信すると、トナーパターンを転写ベルト7に生成させるように、レーザ露光装置16に試験用の画像データを出力する。
【0072】
次に、図3に基づき、本実施の形態に係るカラー複写機において、画像信号の処理を行う画像信号処理部について説明する。図3は、該画像信号処理部の構成例を示すブロック図である。
【0073】
本実施の形態に係るカラー複写機の画像信号処理部には、色変換部19と、黒生成部20と、図2に示した階調補正回路15に相当するガンマ補正部21およびパルス幅変調部22と、図2に示した制御回路17に相当するCPU23、LUT算出部24、ROM25、およびRAM26と、トナーパターン生成回路18に相当するパターンジェネレータ27とが設けられている。これら各構成について、実際に画像出力を行う場合の画像信号処理動作と共に説明する。
【0074】
上記色変換部19は、スキャナ14から入力されたR,G,Bの入力画像信号を、色再現忠実化を実現するために、C,M,Y(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)に変換する。上記黒生成部20は、上記色変換部19から入力されたC,M,Yの3色信号を、C,M,Y,BK(ブラック)の信号に変換する。
【0075】
その後、上記ガンマ補正部21は、C,M,Y,BKの信号をプリンタ部分の特性にマッチした画像信号に濃度変換する。該ガンマ補正部21は、レーザのパルス幅を変調するためのルックアップテーブル(LUT)(濃度変換テーブル)を有しており、このLUTに基づくパルス幅変調信号をパルス幅変調部22に出力する。パルス幅変調部22は、入力画像に応じて変換されたパルス幅をレーザー露光装置16に出力する。このパルス幅に応じて、レーザー露光装置16が各露光装置16を制御する。
【0076】
また、CPU23は、濃度検知センサー13から送出された画像濃度信号を用いて演算処理を行うことにより補正量を決定し、この補正量のデータをLUT算出部24へと出力する。該CPU23は、ROM25などに格納された制御プログラムに従って、上述した画像信号処理部の各構成を制御するのもであり、さらに、ROM25に格納されたプログラムに従って、RAM26をワークメモリとして各種の画像処理などを実行している。LUT算出部24は、CPU23にて決定された補正量に合わせてLUTの内容を変更し、変更後のLUTを、ガンマ補正部21に対してLUTとして与える。
【0077】
パターンジェネレータ27は、所定の信号(パターン情報)をメモリしており、この信号をレーザ露光装置16へ出力することによって、感光体ドラム1…上にテストパターン(可視画像)を形成する。ここで、テストパターンとは、低濃度から高濃度までの複数段階の濃度を持つステップパターンである。
【0078】
また、上記の濃度検知センサー13は反射型センサーであり、図4に示すように、発光素子13aと乱反射受光素子13bおよび正反射受光素子13cとを有し、カラー濃度検知と黒濃度検知との両方を行うことができる。
【0079】
カラー濃度検知を行う場合には、発光素子13aから出射されて、転写ベルト7に転写されたトナーパターン等のトナー像によって乱反射した光を、乱反射受光素子13bにて受光して光量に応じた電圧を発生する。一方、黒濃度検知を行う場合には、発光素子13aから出射されて転写ベルト7のトナーパターン等のトナー像によって正反射した光を、正反射受光素子13cにて受光して光量に応じた電圧を発生する。
【0080】
ここで、上記転写ベルト7は、トナーの反射率を大きく変化させるために、材質として変性ポリイミドを使用すると共に、表面を鏡面に仕上げて正反射率が10%以上になるようにしている。
【0081】
上述したように、本実施の形態に係るカラー複写機は、画像出力に際して画像濃度を適正に補正するために、各感光体ドラム1…上にトナーパターンを形成する。このトナーパターンとしては、高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとの2種類の濃度検出用トナーパターンが形成される。これら高濃度検出用トナーパターンおよび中間調濃度検出用トナーパターンには、それぞれ、基準値として形成するものと画像を形成する際に随時形成されるものとがある。また、これら高濃度検出用トナーパターンおよび中間調濃度検出用トナーパターンは、感光体ドラム1の非画像形成領域に形成される。
【0082】
上記の高濃度検出用トナーパターンは、ベタ画像にて形成される。これによって、最大トナー付着量を適正とする制御を行うことができる。
【0083】
一方、中間調濃度検出用トナーパターンは、例えば3×3の画素マトリックスのものが濃度を変えて複数作成される。つまり、3×3の画素マトリックスのある一定領域に所定数のドットをトナーにて形成したものを、その所定数を順次増加させていき、低濃度領域からベタ画像となる高濃度領域の手前までの中間濃度領域について、複数段階の濃度のトナーパターンを形成する。これにより、中間濃度領域についてのトナー付着量を制御することができる。
【0084】
したがって、これら高濃度検出用トナーパターンおよび中間調濃度検出用トナーパターンを併用することにより、画像全体における高濃度および中間調濃度を一定に保持して適正に画像出力することができる。
【0085】
次に、図5に示すプリントフローチャートを用いて、本実施の形態に係る複写機のプリント動作について説明する。
【0086】
装置の電源投入(S1)後、所定時間の回転を経てウォームアップ状態となる(S2)。この回転期間中には、画像形成プロセス部の各部が正常に動作しているか否かの確認が行われると同時に、定着温度が所定温度になるよう定着装置の加熱が行われている。
【0087】
次いで、定着温度が一定温度に到達すると、プロセスコントロールを実行し(S3:中間調濃度補正のプロセスコントロール。詳細は図6に示す。)、その後コピー指示待ちのREADY状態となる(S4)。その時、プリント信号が入力される(プリントスイッチ(SW)がONされる)と(S5)、装置はプリント前回転動作(S6)に入る。このプリント前回転動作は、感光体1…や現像剤が動的に安定した状態となるまで継続され、安定状態になるとプロセスコントロール動作に移行する(S7:一般的な感光体へのトナー付着制御を意味する。)。その後、複写プロセスが実行されて転写材へトナー像が現像される(S8)。
【0088】
その後、プリント後回転を行い(S9)、連続コピーの要請がない場合(S10にて条件否定の判定。)、プリント動作を終了し(S11)、次回のコピー指示待ちの状態へ移行する(S12)。一方、連続プリントの要請がある場合(S10にて条件肯定の判定。)は、S5以下、S10に至るまでのルーチンを繰り返して実行する。
【0089】
次に、図5のS3のプロセスコントロールの実行、つまり、本実施の形態における画像濃度補正について、図6に示すプロセスコントロールフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0090】
同図に示すように、先ず、画像濃度補正が実行される条件であるか否かを判定し(S21)、画像濃度補正が実行される条件であるときには、濃度検知センサー13のキャリブレーションを行い(S22)、高濃度の補正を実行する(S23)。
【0091】
この高濃度補正について詳細に説明する。
【0092】
先ず、感光体ドラム1に対して帯電、露光、現像を行い、その際、現像バイアスを変化させて各感光体ドラム1…上に各色の後述する所定の高濃度検出用トナーパターンを形成し、形成した各色の複数個の高濃度検出用トナーパターンを転写ベルト7に転写する。これら高濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー13にて順に測定して行き、補正量を決定する。
【0093】
ここで、カラーの高濃度補正時には、帯電、露光、現像、転写過程を経ることにより、現像バイアスを変化させて、下記に示すような3種の100%ベタパターンが転写ベルト7上に形成される。
【0094】
v1:低電圧(前回設定した現像バイアスに対して−50Vとなるもの)
v2:基準電圧(前回設定した現像バイアス)
v3:高電圧(前回設定した現像バイアスに対して+50Vとなるもの)
次に、これら各高濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて順に測定し、各測定結果から光学濃度を検出する。そして、図7(a)に示すように、3点を直線で結び、基準センサー値と交わる現像バイアスを採用する。同図(a)では、基準センサー値は例えば2.4Vとしている。なお、同図(a)において、前回設定した現像バイアスの基準値としての基準電圧は、−300Vである。
【0095】
次に、黒の高濃度補正時には、帯電、露光、現像、転写を経て、80%ベタパターンが、下記に示すように現像バイアスを変化させて転写ベルト7上に形成される。なお、80%ベタパターンを使用するのは、100%ベタパターンでは反射光が弱くなり検知できないためである。
【0096】
v1′:低電圧(前回設定した現像バイアスに対して−50Vとなるもの)
v2′:基準電圧(前回設定した現像バイアス)
v3′:高電圧(前回設定した現像バイアスに対して+50Vとなるもの)
次に、これらトナーパターンを濃度検知センサー10にて順に測定し、各測定結果から次式(1)にて光学濃度が検出される。
【0097】
濃度=トナーパターンの反射率/転写ベルト上の反射率 …(1)
そして、図7(b)に示すように、3点を直線で結び、ある決まった値としてここでは例えば1Vの基準センサー値と交わる現像バイアスを0.8で割った値の現像バイアスを採用する。上記式(1)を使うことにより、転写ベルト7の反射率が規格化され、安定して濃度を読むことができる。
【0098】
高濃度の補正を実行した後(S23)、中間調濃度補正を実行するか否かについての実行条件判定を行う(S24)。本実施の形態に係る複写機においては、この中間調濃度補正の実行条件に合致したときのみ中間調濃度補正が行われるように設定されている。この理由は、カラー複写機においては中間調濃度補正を行うためには中間調濃度検出用トナーパターンを各色複数個形成する必要があり、補正時間、トナー消費量が問題となるため、動作回数、タイミングが重要となるためである。
【0099】
本実施の形態では、図6に示すように、前回の高濃度補正時に設定した現像バイアスと今回設定した現像バイアスとの差が差分基準値を越えた場合にのみ中間調濃度補正を実行するようにしている。
【0100】
すなわち、本実施の形態では、今回の高濃度補正の結果つまり今回の高濃度補正により決定された現像バイアス電圧値と、前回の高濃度補正の結果つまり前回の高濃度補正により決定された現像バイアス電圧値とを比較し、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うようになっている。
【0101】
また、本実施の形態では、上記差分基準値として、例えば、現像バイアス±50Vを用いており、この現像バイアス±50V以上となったときにのみ、中間調濃度補正を行うものとなっている。なお、この差分基準値は、±50V以上となったときには、少なくとも高濃度補正と共に中間調濃度補正をするのが適切であるとの判断に基づくものであるが、必ずしも±50Vに限らない。
【0102】
上記の中間調濃度補正においては、図6のフローチャートに示すように、帯電、露光、現像、転写の過程において、露光時にレーザーのパルス幅を変調することにより、濃度を違えた複数個の中間調濃度検出用トナーパターンを転写ベルト7上に各色毎に形成し(S25)、これら中間調濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー13にて順次測定して行き(S26)、各測定結果からレーザーPMW(Pulse Wave Modulation) 値を算出して光学濃度を検出する(S27)。
【0103】
次に、予め設定し記憶させた各色複数個の中間調濃度基準値と比較し、それぞれ中間調濃度基準値と現在値との変化量を算出し、中間調濃度補正テーブルを作成する(S28)。この中間調濃度補正テーブルに基づいて中間調濃度が補正される。なお、中間調濃度基準値のテーブルは、メンテナンス時に作成されるものである。
【0104】
中間調濃度の補正例を具体的に示すと、図8に示すように、レーザー出力であるレーザーデューティAのときの濃度検知センサー13の検出値が、現在はA’、中間調濃度基準値はB’である時、レーザーデューティAをレーザーデューティBに変動させることで、濃度検知センサー値として中間調濃度基準値B’を確保し、画像濃度を保持する。これによって、高濃度に加えて中間調濃度についても画像濃度を一定に保持することができる。なお、図6のフローチャートにおけるS24に示した中間調補正濃度の実行条件判定において、差分基準値が50V未満のときには、中間調補正を行うことなく画像を出力する。
【0105】
また、カラー画像を濃度補正するときには、本実施の形態では、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較し、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行うようになっている。
【0106】
このため、1色のみ中間調濃度補正が必要な時でも全ての中間調濃度を補正することにより、カラーバランスを正確に保持することが可能になる。
【0107】
さらに、中間調濃度の補正方法についてより詳しく説明すれば、以下のとおりである。
【0108】
先ず、中間調濃度の補正は、第1ステップと第2ステップとの2つのステップから構成される。第1ステップは、主として低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとを求めるためのものであり、第2ステップは、近似処理を行うべく、第1ステップにて得られたポイントの詳細データ取りを行うものである。以下に、各ステップについて、詳しく説明する。
【0109】
第1ステップでは、帯電、露光、現像、転写工程を経て、濃度を違えた5種類の中間調濃度検出用トナーパターンが、露光装置3のレーザーデューティを振りながら転写ベルト7上に形成される。レーザーデューティの値は、例えば、31、47、63、79、255である。なお、レーザーデューティは、0〜255の値をとるものとする。
【0110】
次に、これら中間調濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー13にて順に測定し、図9に示すように、各測定結果から低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとを算出する。
【0111】
これら低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとの算出は、以下のようにして行う。
【0112】
先ず、同図において、レーザーデューティ0となる濃度検知センサー13の出力比aを通る直線Y=aと、レーザーデューティ255となる濃度検知センサー13の出力比bを通る直線Y=bと、レーザーデューティ31、47、63、79の4点を例えば最小二乗法にて近似処理したy=cx+dとの3式を求める。
【0113】
なお、上記レーザーデューティ0となる濃度検知センサー13の出力比aは、データを取らなくても求まる固定値である。
【0114】
次いで、直線Y=aと直線y=cx+dとの交点を低濃度立ち上がりポイントとし、直線Y=bと直線y=cx+dとの交点を高濃度飽和ポイントとする。
【0115】
次いで、第2ステップを行う。
【0116】
第2ステップでは、16種の中間調濃度検出用トナーパターンが転写ベルト7上に連続的に形成され、第1ステップにて得られたポイントの詳細データ取りを行う。例えば、直線Y=aと直線Y=bとの間ではレーザーデューティ6毎にデータ取りを行う。したがって、この16種は、前記第1ステップで求めたレーザーデューティ31、47、63、79、255とは異なる場合もあれば、共通する場合もある。また、前記第1ステップで求めた低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとなる変曲点近傍においては、そのレーザーデューティのピッチを細かくしている。
【0117】
そして、第2ステップでは、図10に示すように、低濃度領域と中高濃度領域の2つの領域に分けてそれぞれ近似処理を行い、後で繋ぎ合せている。なお、低濃度領域は、ここでは、例えば、濃度検知センサー出力比40%までとし、それ以上を中高濃度領域としている。ただし、必ずしもこれに限らない。
【0118】
ここで、本実施の形態では、低濃度立ち上がりポイント付近での濃度検知センサー値の不安定さが出力画像に影響を及ぼさないようにするために、低濃度領域においては基準値として例えば5%を設定し、この5%以下の中間調濃度検出用トナーパターンのデータを削除して近似処理を行っている。
【0119】
したがって、本実施の形態では、濃度検知センサー13のセンサー値が連続的に上昇し始める点からの中間調濃度検出用トナーパターンのデータのみによって近似処理を行っている。これにより、本実施の形態では、近似線のバラツキをさらに低減させている。
【0120】
次いで、このように近似処理にて得られた中間調濃度カーブと図8に示す目標(初期)カーブとを比較して補正量を算出し、中間調濃度用補正テーブルを修正するようになっている。
【0121】
これによって、中間調濃度についても、短時間で濃度修正して高品質の画像を出力することができる。
【0122】
なお、上記図9および図10においては、カラー画像におけるレーザーデューティと濃度検知センサー13の乱反射された出力比との関係を示しているので、右上がりの直線となっているが、モノクロ画像においては、濃度検知センサー13において正反射された検出値となるので、傾きが逆に右下がりとなる。
【0123】
このように、本構成においては、中間調濃度の補正を行うに際し、低濃度領域から高濃度領域手前までの、濃度レベルの異なる複数の中間調濃度検出用トナーパターンを形成して中間調濃度基準値との比較を行って補正を行う。その一方で、低濃度領域の検出値については、予め設定した低濃度領域削除基準値以下の検出値を削除し、残りの複数の検出値を用いて線型的に近似処理した値により補正を行う。
【0124】
すなわち、中間調濃度基準値との比較を行って補正する場合には、低濃度領域から高濃度領域手前までの濃度レベルの異なる複数の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、それらを検出して線型的に近似処理した値により補正される。
【0125】
ここで、低濃度領域の検出値については、一般的に数値が乱れるので、線型的に近似処理するのが困難である。そこで、本実施の形態では、近似処理の際には、低濃度領域の検出値については予め設定した低濃度領域削除基準値以下の検出値を削除し、残りの複数の検出値を用いて線型的に近似処理した値を用いる。
【0126】
この結果、予め設定した低濃度領域削除基準値以下の検出値を削除して、線型的に近似処理するのに適切な検出値を用いることができるので、近似処理の精度が向上する。
【0127】
また、線型的に近似処理した値を用いるので、誤った濃度変換テーブルが作成されるのを防止することができる。
【0128】
さらに、補完処理を行って全階調に渡る濃度変換テーブルを作成するのに比べて、大幅に時間を短縮することができる。
【0129】
したがって、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を確実かつ精度良く一定に保持し高品質の画像を出力しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
【0130】
一方、線型的に近似処理するのに適切な検出値を用いるために、低濃度領域削除基準値をいかに設定するかが問題となる。
【0131】
しかし、本実施の形態では、レーザー出力を低側から高側に順時変化させていく時における検出値の変曲点(起点出力値)を採用する。具体的には、カラー画像においては検出値が連続的に上昇し始める点を採用する一方、モノクロ画像においては検出値が連続的に下降し始める点を採用する。
【0132】
これにより、低濃度領域における線型的に近似処理するのが困難である検出値を確実に削除することができると共に、線型的に近似処理するのに適切な検出値をできるだけ多く残すことができる。
【0133】
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を、効率的に、確実かつ精度良く一定に保持し高品質の画像を出力しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
【0134】
次に、本発明の特徴部分である、上述した低濃度領域よりもさらに濃度が低い、極低濃度領域における補正方法について説明する。ここでは、極低濃度領域における画像の再現性の向上を目的とし、極低濃度領域の近似処理について説明する。なお、この極低濃度領域とは、濃度検知センサー13では読み取り不可能なほど濃度が低い領域のことである。
【0135】
まず、図1に基づいて、本実施の形態における極低濃度領域の補正方法について説明する。なお、図1に示されているのは、カラー画像における極低濃度領域の近似処理である。
【0136】
図1には、上述したように低濃度領域の検出値に対して線型的に近似処理して求められた近似線▲1▼が示されている。低濃度領域の検出値のうち、この近似線▲1▼上の最低画像濃度(最低画像濃度)に対応する点C(最低画像濃度出力値)を通過し、同じく図1に示されているメンテナンス時に作成される中間調濃度基準値による基準線▲2▼と傾きを同じくする直線▲3▼を、濃度検知センサー13にて読み取り不可能な極低濃度領域側に作成する。すなわち、近似処理により求めた近似線▲1▼上に存在する、センサー出力の最低値(スレッシュホールド)以下の濃度領域(極低濃度領域)においては、この近似線▲1▼を延長した直線を用いずに、上記のように作成した直線▲3▼を用いて階調補正を行う。
【0137】
上記のように、極低濃度領域における階調補正の際に、上記のような基準線▲2▼に平行な直線▲3▼を用いる方が、近似線▲1▼を延長した直線を用いるよりも、再現性が向上する。さらに、低濃度領域で近似線▲1▼を求めることに伴う検出値のバラツキの影響を排除して、カラー画像の低濃度領域の再現性を向上させることができる。
【0138】
また、極低濃度領域においては、中間調濃度基準値による基準線▲2▼の傾きを用いて階調補正を行うので、別途近似処理を行う必要がなくなり、階調補正の時間が短縮できる。このように、濃度検知センサー13で検出不可能な極低濃度領域であっても、安定した階調補正を実現することができる。
【0139】
以上は、カラー画像の場合についての、極低濃度領域の補正方法である。これに対して、モノクロ画像の場合はカラー画像の場合とは直線の傾きが逆、すなわち右下がりとなる。そこで、図11に示されているように、モノクロ画像の場合もカラー画像と同様に、近似線▲1▼上の最低画像濃度の点Cから基準線▲2▼に平行な直線▲3▼をひき、極低濃度領域においてはこの直線▲3▼を用いて階調補正を行う。これにより、カラー画像の場合と同様に、濃度検知センサー13で検出不可能な極低濃度領域であっても、安定した階調補正を実現することができる。
【0140】
以上のように、本実施の形態に係る階調補正方法を用いることにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度、極低濃度等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0141】
なお、本実施の形態においては、極低濃度領域の階調補正に使用する直線として、最低画像濃度出力値C点を起点とした直線▲3▼を用いているが、検出値の変曲点(起点出力値)を起点として同様に作成した直線を用いることも可能である。この場合は、変曲点における画像濃度値より低い濃度を極低濃度領域とみなして、この極低濃度領域の階調補正に利用する。
【0142】
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施の形態について、図12および図13に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記した実施の形態1と同様の機能を有する部材については同一の参照番号を付記し、その説明を省略する。
【0143】
本実施の形態に係るカラー複写機は、実施の形態1で説明したカラー複写機と、近似線の作成方法および極低濃度領域における階調補正の方法が異なるだけで、それ以外の構成および補正方法については同じである。
【0144】
まず、カラー画像における極低濃度領域の階調補正について、図12を用いて説明する。本実施の形態においては、予め濃度検知センサー13の検出値の最低出力レベル(最低画像濃度に対応する出力値)を設定しておく。なお、ここでは濃度検知センサー13の最低出力レベルを10mVに設定しているが、必ずしもこれに限るものではない。
【0145】
本実施の形態においては、この最低出力レベルをスレッシュホールドとし、このスレッシュホールドよりも小さいセンサー出力値の領域を、極低濃度領域としている。濃度検知センサー13の検出値が上記最低出力レベル未満の場合はその検出値を削除して、残りの検出値を用いて近似線▲4▼(図中、現状の近似線と記載されている。)を作成する。
【0146】
最低出力レベル未満、すなわち極低能度領域では、上記最低出力レベルと近似線▲4▼との交点Dから、中間調濃度基準値による基準線▲2▼と平行な直線(図中、本件の近似線と記載されている)▲5▼を生成して、この直線▲5▼を用いて階調補正を行う。すなわち、本実施の形態において、極低濃度領域では、最低出力レベルにおける基準線▲2▼と現状の近似線▲4▼との間のレーザーデューティ値の差分値ΔL(デューティ値差分)だけ、基準線▲2▼を平行移動させることにより、階調補正を行う。
【0147】
すなわち、本実施の形態に係る極低濃度領域の階調補正方法では、予め設定した最低出力レベルよりも大きい出力の場合は、濃度検知センサー13の各検出値を用いて作成した近似線▲4▼を用いて階調補正を行い、最低出力レベルよりも小さい出力(極低濃度領域)の場合は、近似線▲4▼上の最低出力レベルに対応する画像濃度点Dから基準線▲2▼と傾斜を同じくするように作成された直線▲5▼を用いて、階調補正を行う。
【0148】
以上のように極低濃度領域における階調補正を行うことにより、低濃度領域で階調補正用のパターン画像を作成する必要がないので、階調補正を短時間で完了させることができる。また、同時に、低濃度領域における画像の再現性も向上し、さらに、濃度検知センサー13で検出不可能な極低濃度領域であっても、安定した階調補正を実現することができる。
【0149】
上記の補正方法の説明は、本実施の形態に係る極低濃度領域の補正方法をカラー画像に対して用いた場合の説明である。モノクロ画像の場合は、各直線の傾きが逆となるだけで、同様に用いることが可能である。本実施の形態に係る極低濃度領域の階調補正方法をモノクロ画像に対して適用した場合は、図13に示すようになる。同図に示すように、モノクロ画像に対して適用した場合も同様に、予め濃度検知センサー13の検出値の最高出力レベル(最低画像濃度に対応する出力値)をスレッシュホールドとして設定し、それ以上の領域を濃度検知センサー13が読み取れない極低濃度領域としておく。なお、ここでは濃度検知センサー13の最高出力レベルを3.8mVに設定しているが、必ずしもこれに限るものではない。
【0150】
図13に示すように、モノクロ画像の場合も、カラー画像の場合と同様に近似線を形成することにより、同様の作用効果を得ることができる。
【0151】
以上のように、図12は有彩色トナーの場合のレーザーデューティ値と、センサー出力および画像濃度との関係を示しており、センサー出力と画像濃度との関係は、画像濃度の増大(減少)に伴って、センサー出力も増大(減少)する「正」の関係となっている。一方、図13は無彩色トナー(黒色)の場合のレーザーデューティ値と、センサー出力および画像濃度との関係を示しており、センサー出力と画像濃度との関係は、画像濃度の増大(減少)に伴って、センサー出力も減少(増大)する「負」の関係となっている。
【0152】
以上のように、本実施の形態に係る階調補正方法を用いることにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度、極低濃度等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0153】
〔参考例1〕
本発明の一参考例について、図14および図15に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記した実施の形態1および2と同様の機能を有する部材については同一の参照番号を付記し、その説明を省略する。
【0154】
本参考例に係るカラー複写機は、実施の形態1および2で説明したカラー複写機と、近似線の作成方法および極低濃度領域における階調補正の方法が異なるだけで、それ以外の構成および補正方法については同じである。
【0155】
まず、カラー画像における極低濃度領域の階調補正について、図14を用いて説明する。本参考例においては、予め濃度検知センサー13の検出値の最低出力レベルを設定しておく。なお、ここでは濃度検知センサー13の最低出力レベルを10mVに設定しているが、必ずしもこれに限るものではない。
【0156】
本参考例においては、この最低出力レベルをスレッシュホールドとし、このスレッシュホールドよりも小さいセンサー出力値の領域を、極低濃度領域としている。濃度検知センサー13の検出値が上記最低出力レベル未満の場合はその検出値を削除して、残りの検出値を用いて近似線・(図中、現状の近似線と記載されている。)を作成する。
【0157】
中間調濃度基準値による基準線▲2▼を延長した線と、画像が出現しはじめる点の補助線L1との交点Eを不動点(固定点)として定める。なお、画像が出現しはじめる点とは、濃度検知センサー13で検出不可能な極低濃度領域で画像が出現しはじめる画像濃度に対応するレーザーデューティ値のことである。
【0158】
次に、最低出力レベルと現状の近似線▲4▼との交点Dを起点とした基準線▲2▼に平行な直線L2と、基準線▲2▼と最低濃度レベルとの交点Fの画像濃度に対応するレーザーデューティ値からの補助線L3との交点Gを移動点とする。
【0159】
交点Dを起点とし、不動点Eと移動点Gとを結んで生成される直線L4に平行な直線・を仮想線として求める。本参考例においては、極低濃度領域ではこの仮想線・を用いて階調補正を行う。
【0160】
以上のようにして、極低濃度領域の階調補正に用いられる直線▲6▼を作成し、この直線▲6▼を用いて階調補正方法を用いることにより、低濃度領域で階調補正用のパターン画像を作成する必要がないので、階調補正を短時間で行うことができる。また、同時に、低濃度領域における画像の再現性も向上し、さらに、濃度検知センサー13で検出不可能な極低濃度領域であっても、安定した階調補正を実現することができる。
【0161】
上記の補正方法の説明は、本参考例に係る極低濃度領域の補正方法をカラー画像に対して用いた場合の説明である。モノクロ画像の場合は、直線の傾きが逆となるだけで、同様に用いることが可能である。本参考例に係る極低濃度領域の階調補正方法をモノクロ画像に対して適用した場合は、図15に示すようになる。同図に示すように、モノクロ画像に対して適用した場合も同様に、予め濃度検知センサー13の検出値の最高出力レベルをスレッシュホールドとして設定し、それ以上の領域を濃度検知センサー13が読み取れない極低濃度領域としておく。なお、ここでは濃度検知センサー13の最高出力レベルを3.8mVに設定しているが、必ずしもこれに限るものではない。
【0162】
図15に示すように、モノクロ画像の場合も、カラー画像の場合と同様に近似線を形成することにより、同様の作用効果を得ることができる。
【0163】
以上のように、図14は有彩色トナーの場合のレーザーデューティ値と、センサー出力および画像濃度との関係を示しており、センサー出力と画像濃度との関係は、画像濃度の増大(減少)に伴って、センサー出力も増大(減少)する「正」の関係となっている。一方、図15は無彩色トナー(黒色)の場合のレーザーデューティ値と、センサー出力および画像濃度との関係を示しており、センサー出力と画像濃度との関係は、画像濃度の増大(減少)に伴って、センサー出力も減少(増大)する「負」の関係となっている。
【0164】
以上のように、本参考例に係る階調補正方法を用いることにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度、極低濃度等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となる。
【0165】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、トナーパターンとしてメンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線上の、上記濃度検知センサーにより検出可能な最低画像濃度に対応する点を最低画像濃度出力値とした場合に、該最低画像濃度出力値を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の画像に対して階調補正を行う構成である。
【0166】
それゆえ、濃度検知センサーによる検出が不可能な、最低画像濃度よりも低濃度の画像に対しても、安定した階調補正が可能となる。また、低濃度領域の画像に対して、簡単に、しかも精度良く、色や濃度の調整を行うことができる。また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されており、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。
【0167】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となるという効果を奏する。
【0168】
また、本発明に係る画像形成装置は、トナーパターンとしてメンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理する際に、該出力値のうち所定値未満の出力値を削除し、残りの出力値のみを用いて近似線を求め、該近似線上の上記所定値に対応する点を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記所定値よりも低濃度の領域の、有彩色画像に対する階調補正を行う構成とすることもできる。
【0169】
それゆえ、所定値以下の低濃度領域では濃度検知センサーの出力値を用いて近似線を求める必要がないので、所定値として、例えばセンサーの不安定さの影響が及ぼされない程度の濃度を設定すれば、近似線の生成に伴う低濃度領域の出力値のバラツキの影響、例えばセンサー感度が不十分であることや、ノイズによる採取データの劣化などの不具合を排除することができる。従って、低濃度領域における有彩色画像の再現性を向上させることができる。さらに、低濃度領域では、第1のトナーパターンの出力値から求められる基準線の傾きを用いて階調補正を行うので、別途近似処理等を行う必要がなくなり、階調補正時間が短縮される。
【0170】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されており、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。
【0171】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となるという効果を奏する。
【0172】
また、本発明に係る画像形成装置は、トナーパターンとしてメンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理する際に、該出力値のうち所定値を超える出力値を削除し、残りの出力値のみを用いて近似線を求め、該近似線上の上記所定値に対応する点を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記所定値より低濃度の領域の、無彩色画像に対する階調補正を行う構成とすることもできる。
【0173】
これにより、無彩色画像に対しても、上述した有彩色画像の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0174】
また、本発明に係る画像形成装置は、トナーパターンとしてメンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値に対し、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に、出力値が連続的な上昇を開始する起点を起点出力値とし、該起点出力値を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記起点出力値に対応する濃度値よりも低濃度の領域の、有彩色画像に対する階調補正を行う構成とすることもできる。
【0175】
それゆえ、近似線を求めることに伴うバラツキの影響、例えばセンサー感度が不十分であることや、ノイズによる採取データの劣化等の不具合を排除し、有彩色画像における低濃度領域の再現性を向上させることができる。さらに、起点出力値の画像濃度以下の低濃度領域では、別途近似処理等を行う必要がないので、階調補正時間が短縮される。
【0176】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されており、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。
【0177】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となるという効果を奏する。
【0178】
また、本発明に係る画像形成装置は、トナーパターンとしてメンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値に対し、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に、出力値が連続的な下降を開始する起点を起点出力値とし、該起点出力値を通過して、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記起点出力値に対応する濃度値よりも低濃度領域の無彩色画像に対する階調補正を行う構成とすることもできる。
【0179】
それゆえ、無彩色画像に対しても、上述した有彩色画像の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0180】
また、本発明に係る画像形成装置は、トナーパターンとしてメンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線の、所定の最低画像濃度に対応するデューティ値と、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線の、上記最低画像濃度に対応するデューティ値との差を、デューティ値差分とし、上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の画像に対しては、上記基準線を上記デューティ値差分だけ上記近似線側に平行移動させた直線を用いて、階調補正を行う構成とすることもできる。
【0181】
それゆえ、予め設定した最低画像濃度よりも低濃度の領域では、わざわざ、階調補正用のパターン画像を作成して画像の濃度検出を行う必要がないので、階調補正が簡単に短時間で完了する。また上記のような補正を行うことにより、低濃度領域における画像の再現性をより向上させることができる。
【0182】
また、中/高濃度領域の画像に対する補正方法としては、従来より様々な技術が開示されており、それらの方法と、本発明の低濃度領域の画像に対する補正方法とを組み合わせることで、画像全体の安定した再現性を確保することが可能となる。
【0183】
これにより、ベタ、ライン、中間調、低濃度等の画像の種類に応じて、画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、且つ補正時に使用するトナー消費量を低減することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカラー複写機において、カラー画像における極低濃度領域の階調補正を行う状態を示す説明図である。
【図2】上記カラー複写機の画像形成プロセス部の概要を示す構成図である。
【図3】上記カラー複写機の画像信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記カラー複写機の濃度検知センサーを示す構成図である。
【図5】上記カラー複写機のプリント動作を示すフローチャートである。
【図6】上記カラー複写機の画像濃度補正の動作を示すフローチャートである。
【図7】上記カラー複写機において濃度検知センサーにて濃度補正する状態を示すものであり、(a)はカラー画像を高濃度補正する説明図、(b)はモノクロ画像を高濃度補正する状態を示す説明図である。
【図8】上記カラー複写機において中間調濃度補正を行う状態を示す説明図である。
【図9】上記カラー複写機において中間調濃度の補正を行うに際し、第1ステップとして、5種類の中間調濃度検出用トナーパターンを形成して低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとを算出する状態を示す説明図である。
【図10】上記カラー複写機において中間調濃度の補正を行うに際し、第2ステップとして、最小二乗法による中間調濃度の近似処理を行うべく、16種類の中間調濃度検出用トナーパターンを形成して詳細データ取りを行う状態を示す説明図である。
【図11】上記カラー複写機において、モノクロ画像における極低濃度領域の階調補正を行う状態を示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るカラー複写機において、カラー画像における極低濃度領域の階調補正を行う状態を示す説明図である。
【図13】上記カラー複写機において、モノクロ画像における極低濃度領域の階調補正を行う状態を示す説明図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るカラー複写機において、カラー画像における極低濃度領域の階調補正を行う状態を示す説明図である。
【図15】上記カラー複写機において、モノクロ画像における極低濃度領域の階調補正を行う状態を示す説明図である。
【図16】従来の画像形成装置を示すものであり、濃度補正動作判定を説明するための概念図である。
【図17】上記従来の画像形成装置における部材交換による濃度曲線を変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体
13 濃度検知センサー
Claims (6)
- 感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、
上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、
上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線上の、上記濃度検知センサーにより検出可能な最低画像濃度に対応する点を最低画像濃度出力値とした場合に、該最低画像濃度出力値を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の画像に対して階調補正を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、
上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、
上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理する際に、該出力値のうち所定値未満の出力値を削除し、残りの出力値のみを用いて近似線を求め、
該近似線上の上記所定値に対応する点を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記所定値よりも低濃度の領域の、有彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、
上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、
上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理する際に、該出力値のうち所定値を超える出力値を削除し、残りの出力値のみを用いて近似線を求め、
該近似線上の上記所定値に対応する点を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記所定値より低濃度の領域の、無彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、
上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、
上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値に対し、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に、出力値が連続的な上昇を開始する起点を起点出力値とし、
該起点出力値を通過し、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記起点出力値に対応する濃度値よりも低濃度の領域の、有彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、
上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、
上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値に対し、デューティ値を順次増加する方向へ変化させた場合に、出力値が連続的な下降を開始する起点を起点出力値とし、
該起点出力値を通過して、且つ、上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線と平行な直線を用いて、上記起点出力値に対応する濃度値よりも低濃度領域の無彩色画像に対する階調補正を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 感光体上に所定のトナーパターンを形成し、濃度検知センサーによる前記トナーパターンの濃度測定結果に応じて入力画像データの濃度特性を補正する画像形成装置において、
上記トナーパターンには、メンテナンス時に生成される第1のトナーパターンと、画像形成時に生成される第2のトナーパターンとがあり、
上記濃度検知センサーによる上記第1のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる基準線の、所定の最低画像濃度に対応するデューティ値と、上記濃度検知センサーによる上記第2のトナーパターンの出力値を近似処理して求められる近似線の、上記最低画像濃度に対応するデューティ値との差を、デューティ値差分とし、
上記最低画像濃度よりも低濃度の領域の画像に対しては、上記基準線を上記デューティ値差分だけ上記近似線側に平行移動させた直線を用いて、階調補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
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