JPH11202536A - 電子写真用画像支持体 - Google Patents

電子写真用画像支持体

Info

Publication number
JPH11202536A
JPH11202536A JP422798A JP422798A JPH11202536A JP H11202536 A JPH11202536 A JP H11202536A JP 422798 A JP422798 A JP 422798A JP 422798 A JP422798 A JP 422798A JP H11202536 A JPH11202536 A JP H11202536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
image
image support
receiving layer
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP422798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3704936B2 (ja
Inventor
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP00422798A priority Critical patent/JP3704936B2/ja
Publication of JPH11202536A publication Critical patent/JPH11202536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3704936B2 publication Critical patent/JP3704936B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式において、特に画像形成材料で
あるトナーが定着ロールなどの定着部材へ付着するのを
防止しながら、高画質な画像形成を達成するための電子
写真用の画像支持体を提供すること、また、OHPシー
トなどでは、その透明性を損なうことなく、高画質と充
分な定着性を確保すること。 【解決手段】 少なくとも基材の片面上に画像受像層を
有する電子写真用画像支持体において、該画像受像層が
熱溶融性樹脂及び硬化性樹脂を含有する電子写真用画像
支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を使
用した画像形成装置に用いられる電子写真用画像支持体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式による画像形成装置には、
像担持体上に帯電、露光、現像によってトナー像を形成
し、トナー像が得られる度に転写体上に転写する行程を
繰り返すことにより、転写材上にトナー像を得る方法で
ある。カラー画像の場合、この工程を複数回繰り返すこ
とによりカラー画像を得ることができる。最終的には、
転写体上のトナーを画像支持体としての記録材料に熱、
および圧力を印加する事により定着し、固定化される。
この方法で用いられている画像支持体としては、一般に
は普通紙やオーバーヘッドプロジェクター( OHP) 用
透明シートなどが利用されている。画像支持体に要求さ
れる性質としては記録材料として従来からの媒体との共
通性、すなわち違和感のない媒体であること、電子写真
記録工程中で印加される熱、圧力などにより変化しない
こと、記録工程において画像支持体の搬送性が良好なこ
と、記録媒体として長期に利用、保存できるようにトナ
ー画像を画像支持体に定着、固定化すること、原稿を忠
実に反映した高品質な画像が得られること、また最終的
に廃棄する場合には地球環境への負荷が少ないことなど
多くの性能が要求されている。また、記録媒体としてプ
レゼンテーション用に用いられるOHPシートの場合に
は、この他に光透過性などが要求される。
【0003】一方、最近ではカラー画像が容易に利用で
きる環境が整ってきており、生産性の高さ、高画質など
により電子写真方式によるカラー画像の出力が利用され
ている。プレゼンテーションに利用されているカラー画
像用OHPでは、さらなる高画質の要求のもと、多くの
検討がなされている。たとえば、基材表面にトナーとの
親和性の高い画像受像層を着膜したり、またトナー像と
の界面で乱反射による透過率の減少防止のため、トナー
との相溶性の高い樹脂を厚膜化することなどが行われて
いる。特に、カラー画像の場合、カラートナー中には、
シアン、マゼンタ、イエローの各種顔料が混入されてお
り、カラートナーの発色性を向上させるためトナーを充
分溶融させることが必要とされる。一般に、電子写真方
式ではトナーを溶融させる定着工程においては、加熱ロ
ールにより十分な定着温度と圧力を印加しており、トナ
ー樹脂を完全に溶融させているが、高発色で溶融特性に
すぐれたカラー画像用トナー樹脂は、そのガラス転移温
度(Tg)が比較的低いため、定着ロールへ融着する現象(
ホットオフセット)、また、定着温度が低い場合に定着
ロールへ付着する現象( コールドオフセット) が発生す
ることが知られている。これらを防ぐため電子写真方式
では、定着ロールへシリコーンオイルなどの離型剤を含
浸、塗布、添加することなどが行われている。さらに、
トナー樹脂にはオフセット防止のため、ポリエチレンワ
ックスやポリプロピレンワックスなどの有機高分子ワッ
クスやカルナバワックスなどの天然ワックスを混入させ
る方法などが提案されている。
【0004】これらの離型剤は、画像支持体、あるいは
トナー表面上に析出することにより定着ロールとの界面
に離型剤が存在し、定着ロールとトナーとの親和性を低
下させることによりトナーが定着ロールへ融着、あるい
は付着することを防止している。しかしながら、これら
の離型剤が画像支持体、あるいはトナー上に析出するこ
とで、これらの離型剤がカラートナーの発色性を低下さ
せたり、画像支持体上に残った離型剤のため、離型剤に
よる不快な触感の発生、また画像支持体への水性インク
の印字不良やポストイットなど粘着テープの付着を阻害
するなどの問題が起こっている。特に、OHPシートの
場合には、高画質化をねらった受像層の低Tg化、厚膜化
などにより、さらに定着ロールへの付着性が増加しただ
けでなく、前記離型剤が画像支持体、あるいはトナーと
画像支持体の近傍に存在することにより、より一層発色
性などの画像劣化を起こさせるだけでなく、著しい透過
率の低下が発生するなどの問題がある。また、トナー中
への離型剤の混入は、トナーの帯電性能を変化させ、ま
たその粉体流動性、熱安定性などを劣化させることが報
告されており、できうればトナー中への離型剤の混入量
を低減、あるいは混入させないことが要求されている。
このような、問題点のため電子写真方式での印字におい
て、定着ロールへのシリコーンオイルなどの添加をでき
るだけ減少させる( オイルレス) とともに、高画質化の
ために低Tg化が要求されているトナー樹脂が、定着工程
において定着部材に融着することなく、高画質な画像形
成が行われることが要求されている。
【0005】一方、本発明者らの研究により、普通紙記
録用紙や加工紙、さらにはOHPに用いられるポリエス
テルフィルムなどの電子写真用画像支持体の受像層材料
として、画像形成材料であるトナー像が充分定着し、高
画質を得るためには、トナーとの親和性の高い樹脂を用
いることが必要なだけでなく、その定着工程における加
熱溶融特性においてトナーの構成樹脂材料と同等か、ま
たはこれより低粘性の樹脂を用いることも必要であるこ
とがわかった。また、その定着工程において利用される
定着ロールなどへの定着部材からトナーを充分剥離、あ
るいは定着ロールへトナーが溶融付着することを防止す
るために、トナーにあらかじめ離型剤を混入させる、ま
た定着部材へシリコーンオイルなどの離型剤を付与する
ことが必要なことがわかった。
【0006】しかしながら、トナーへの離型剤の混入
は、トナーの帯電性能を変化させ、環境などによる帯電
性能の変化量を増大させるだけでなく、トナーの粉体流
動性を悪化させ、トナーの凝集を発生させ、保存安定性
や現像器内での現像不良をまねくなどの問題を発生する
ことがわかった。また、定着部材へのシリコーンオイル
などの離型剤の付与はトナーの過剰の熱溶融によるホッ
トオフセットやコールドオフセットには大きな効果が認
められるが、シリコーンオイルなどの離型剤は定着部材
へ付与されるとともに画像支持体としての普通紙やOH
Pシートなどへも同時に付着することになる。特に、カ
ラー画像の場合、白黒トナーに比べて定着部材への付着
性が強いため、定着部材への付着性を防ぐためにはより
多量のシリコーンオイルを使用することが必要となる。
その結果、画像支持体としての普通紙やOHPシート上
に多量のシリコーンオイルなどが付着することになる。
この結果、シリコーンオイルによるカラートナーの発色
性や光沢( グロス) の低下、シリコーンオイルによるベ
タツキ感など不快な接触感、また画像支持体への水性イ
ンクの印字不良やポストイットなど粘着テープの付着を
阻害するなどの問題が起こっている。そこで、なるべく
トナーへの離型剤の混入や定着部材への離型剤の付与量
を減らすことが要求されはじめている。
【0007】そこで、本発明者らは従来から知られてい
る離型剤としてシリコーンオイルや有機高分子ワック
ス、天然ワックスなどを電子写真方式による画像支持体
に混入することを試みたが、加熱定着工程においてシリ
コーンオイルやワックスなどがトナー樹脂と相溶しづら
いこと( 非相溶性) 、また移行しやすい構造や低分子量
であることなどにより、これらが画像支持体上に析出し
てしまい、発色性やグロスなどの画質を著しく低下させ
るだけでなく、離型剤混入によるトナー樹脂の可塑化(
低Tg化) などにより画像支持体の保存性及び環境安定性
の低下、画像支持体の走行性、搬送性を悪化させること
がわかった。特に、OHPシートなどでは透過率の著し
い低下による画質劣化と画像の定着不良などが発生し
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上述のごとき実情に鑑み、上述のごとき問題点
を解決することを目的としてなされたものである。即
ち、本発明の目的は、電子写真方式において、特に画像
形成材料であるトナーが定着ロールなどの定着部材へ付
着するのを防止しながら、高画質な画像形成を達成する
ための電子写真用の画像支持体を提供することを目的と
する。特に、カラー画像の高品質性を確保しながら、定
着ロールへの巻き付きなどの定着不良を防ぐことを目的
とする。また、OHPシートなどでは、その透明性を損
なうことなく、高画質と充分な定着性を確保することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、少なくとも
基材の片面上に画像受像層を有する電子写真用画像支持
体において、該画像受像層が熱溶融性樹脂及び硬化性樹
脂を含有する電子写真用画像支持体を提供することによ
り解決される。また、上記画像支持体において、熱溶融
性樹脂が、画像形成材料が含有する樹脂と同種の樹脂で
あることが好ましい。また、本発明の画像支持体の画像
受像層は、0.1μm以上の厚さを有することが好まし
い。また、受像層を構成する硬化性樹脂が、硬化性シリ
コーン樹脂、たとえば水分、熱、光、電子線により硬化
するものであることが好ましく、また受像層が変性シリ
コーン樹脂または反応性シラン化合物を含有することが
好ましい。また、画像受像層が、熱溶融性樹脂と硬化性
樹脂との相溶化剤や可塑剤を含有していることが好まし
い。さらに、本発明の画像支持体は基材上に導電層を設
けることが好ましく、また、画像支持体がマット剤また
は白色顔料を含有する表面層を有することが好ましい。
さらに、本発明の画像支持体が25℃、65%RHにお
ける表面抵抗が1×108 〜1×1013Ωであることが
好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明者等は電子写真用画像支持体に関して鋭意研
究を重ねた結果、画像形成材料であるトナーとの親和
性、相溶性、定着性を確保し、受像層の定着部材への付
着性を防止して、電子写真方式における高生産性と高画
質の画像印字を可能とするためには、画像支持体上に、
熱溶融性樹脂と硬化性樹脂を含有する画像受像層が形成
されていることが必要なことを見い出した。先ず、本発
明の受像層における熱溶融性樹脂について説明する。本
発明の熱溶融性樹脂としては、画像形成材料に使用され
た樹脂と同一の樹脂が最も好ましいが、具体的には、SP
値が8.0 〜12.0(cal/cm3 )1/2 の熱溶融性樹脂を好適に
使用することができる。
【0011】本発明における熱溶融性樹脂としては、画
像形成材料として用いられているものが特に制限なく用
いられるが、例えば、スチレン、ビニルスチレン、クロ
ロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル
等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪族モノカルボン酸
のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイ
ソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、
2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上
を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体を例
示することができる。これらの中で、スチレン類、α−
不飽和脂肪族モノカルボン酸のエステル類等が好ましく
用いられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂等を単独もしくは混合した形で用いることが
できる。
【0012】本発明における熱溶融性樹脂としては、ポ
リエステルも好適に用いることができる。このポリエス
テルは、多価ヒドロキシ化合物と多塩基性カルボン酸ま
たはその反応性酸誘導体との反応によって製造すること
ができる。ポリエステルを構成する多価ヒドロキシ化合
物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレン
グリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジ
オール等のジオール類、水素添加ビスフェノールA 、ポ
リオキシエチレン化ビスフェノールA 、ポリオキシプロ
ピレン化ビスフェノールA 等のビスフェノールA アルキ
レンオキサイド付加化合物、その他の2価アルコール、
ビスフェノールA 等の2 価フェノール等が挙げられる。
また、多塩基性カルボン酸としては、例えば、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アルキルコハ
ク酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン
酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、その
他の2 価カルボン酸、あるいはこれらの酸無水物、アル
キルエステル、酸ハライド等の反応性酸誘導体などが挙
げられる。これらの2価のヒドロキシ化合物およびカル
ボン酸に加えて、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶物
が生じない程度に非線形状化するために、3 価以上の多
価ヒドロキシ化合物および/または3 価以上の多塩基性
カルボン酸を加えることができる。これらのポリエステ
ルの中でも、ビスフェノールA と芳香族多価カルボン酸
とを主単量体成分とした重縮合物からなる線状ポリエス
テル樹脂が特に好ましく使用できる。また、ポリエステ
ルの物性については、軟化点90〜150 ℃、ガラス転移点
50〜70℃、数平均分子量2000〜6000、重量平均分子量80
00〜15000 、酸価5 〜30、水酸基価5 〜40の範囲の樹脂
が特に好ましく使用することができる。
【0013】次に、本発明の受像層における硬化性樹脂
について説明する。硬化性樹脂としては、たとえば硬化
性シリコーン樹脂、またポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂など一般に用いられている硬化性樹
脂を利用することができるが、この他にスチレン、パラ
クロロスチレンポリマー又はこれらのコポリマー等のス
チレン系樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル
のポリマー又はコポリマー等のビニル系樹脂、エチレ
ン、プロピレンのポリマー又はコポリマー等のオレフィ
ン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース樹脂等のポリマーを
構成するモノマーに架橋剤などを添加して重合した硬化
性樹脂を用いることができる。あるいはこれらのモノマ
ーが三官能以上のものを含有したものを重合させた硬化
性樹脂を利用することができる。中でも硬化性シリコー
ンが好適に用いられる。
【0014】硬化性樹脂としての硬化性シリコーン樹脂
は、3 官能以上のクロロシラン、あるいはこれらと1 、
2 官能のクロロシランとの混合物などを加水分解したシ
ラノールを縮合することによりポロシロキサンを合成
し、触媒として有機酸金属塩やアミン類を用いるなどし
てさらに縮合反応( 硬化反応) を進めることにより合成
することができる。このほか、末端に反応性をもつポリ
ジオルガノシロキサンと反応させたもの、ケイ素原子に
結合したビニル基をもち、その反応性を利用して重付加
反応によって硬化するものなどがある。また、ケイ素原
子に結合した水酸基やアルコキシ基をもつ低分子量ポリ
シロキサンとアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂などと反応させた変性シリコーン樹脂
がある。硬化性シリコーン樹脂は、塗工形態的には溶剤
型、無溶剤型に分けられ、さらに反応のタイプによりそ
れぞれ付加型、縮合型、UV型などに分類できる。
【0015】硬化性を制御するためには単官能や2 官能
のポリジメチルシロキサンの添加、触媒量の調節、主と
して硬化時に加熱する付加型又は縮合型の硬化性シリコ
ーン樹脂の場合には硬化温度、硬化時間の調節、UV型
硬化性シリコーン樹脂の場合にはUV照射強度等の調
節、また反応抑制剤として、アセチレンアルコール類、
環状メチルビニルシクロシロキサン、シロキサン変性ア
セチレンアルコール類などの添加等により硬化を制御す
る方法がある。これら硬化条件を制御することにより硬
化性シリコーン樹脂の分子量、反応基としてのシラノー
ル残存量などが変化し、シリコーン樹脂の特性としての
離型性、接着性、表面硬度、透明性、耐熱性、化学的安
定性などが制御できる。縮合型は、末端にシラノール基
を含有するポリジメチルシロキサンをベースポリマーと
し、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン
を配合し、有機スズ触媒の存在下で加熱により縮合反応
する。形態的には溶液型とエマルジョン型に分けられ
る。
【0016】付加型はビニル基を含有するポリジメチル
シロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジ
メチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒
の存在下で反応・硬化させる。形態的には溶剤型、エマ
ルジョン型、無溶剤型に分けられる。UV硬化性には、
光カチオン触媒を利用したものやラジカル硬化機構を利
用したものが知られている。UV硬化性は無溶剤コーテ
ィングを基本としているが、膜厚の制御のためには溶剤
に希釈してコーティングし、乾燥後UV照射することが
できる。本発明で用いる硬化性シリコーン樹脂は、硬化
反応前は汎用の有機溶媒にも容易に溶解でき、また反応
基の種類や反応基の数、及び硬化条件( 硬化時間、温
度、照射エネルギーなど) によりその物性( 分子量、硬
度、硬度、接着性など) や、マトリックスとしての安定
性、さらには離型性、付着性などを容易に制御すること
ができる。また、無溶媒タイプの硬化性樹脂の場合、有
機溶媒を用いないで硬化反応を行うこともできる。
【0017】本発明で用いられる硬化性シリコーン樹脂
は、水分、熱、光、電子線などのエネルギー線で硬化す
るシリコーン樹脂が好ましいが、水分や熱などの比較的
簡単な装置などを利用できる点では、水分、熱によって
硬化できる硬化性シリコーン樹脂組成物が利用しやすい
が、逆にこれらの樹脂組成物は通常の環境化での安定
性、すなわちこれらを塗布液とした場合のポットライフ
が短いなどの特徴がある。一方、光や電子線などにより
硬化する硬化性シリコーン樹脂組成物は、環境安定性が
高く、その点では利用しやすいが、比較的高価な光や電
子線照射装置などを必要とする。本発明において、硬化
性樹脂として硬化性シリコーン樹脂を用いると、熱溶融
性樹脂との相溶性が高く、硬化性シリコーン樹脂を熱溶
融性樹脂に対し80wt% 以下、好ましくは50wt% 以下含有
させた場合でも相溶性を維持することができる。
【0018】また、これらの硬化性シリコーン樹脂と非
シリコーン化合物、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、スチレン樹脂、スチレン- プロピレン樹脂、ス
チレン- ブタジエン樹脂、スチレン- 塩化ビニル樹脂、
スチレン- 酢酸ビニル樹脂、スチレン- アクリル酸エス
テル樹脂、スチレン- メタクリル酸エステル樹脂などを
併用することもでき、また、これら非シリコーン化合物
のモノマーをラジカル重合開始剤やイオン重合開始剤な
どともに上記シリコーン樹脂、あるいはそのモノマーを
共存した状態で硬化反応を行うことによりマトリックス
樹脂としての種々の性能を制御することもできる。非シ
リコーン化合物の含有量は、離型性の観点より受像層形
成材料中50wt% 以下が好ましい。さらに、前記のような
非シリコーン樹脂が共存される場合は、これらが上記熱
溶融性樹脂の役割をもはたすことができる。
【0019】また、硬化性シリコーン樹脂とともに、分
子中に反応基を有する変性シリコーンオイルを含有して
もよく、変性シリコーンオイルとしては、アミノ変性シ
リコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カル
ボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリ
コーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メル
カプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコー
ンオイルなどがある。また、ジメチルポリシロキサンや
メチルフェニルポリシロキサンタイプのシリコーンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変
性シリコーンオイルなども例示できるが、これらは単独
使用に限らず混合して複数用いてもよい。変性シリコー
ンオイル含有量は受像層形成材料中30wt% 以下添加する
ことができる。
【0020】本発明においてはさらに、受像層に種々の
樹脂や化合物を含有せしめることができる。例えば、定
着部材への付着性を防止するため受像層に、シリコーン
樹脂と各種樹脂との変性体である変性シリコーン樹脂、
たとえばポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変
性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリ
イミド変性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン
樹脂、エーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シ
リコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性
シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カル
ボキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂を
添加することが有用であることがわかった。シリコーン
変性樹脂は、画像形成材料としてのトナー樹脂との親和
性が高く、トナーと適度に混和、相溶し、トナーと溶融
混和するため、充分な発色性が得られ、また同時に、シ
リコーン樹脂による離型性のため定着部材と画像支持体
とが熱溶融時に付着するのを防止することができるもの
と考えられる。これらの変性シリコーン樹脂の含有量
は、受像層形成材料に対し30wt% 以下とすることが好ま
しい。
【0021】さらに、本発明では受像層に、反応性シラ
ン化合物と変性シリコーンオイルとを含ませることがで
きる。反応性シラン化合物は基材表面の反応基である水
酸基、カルボキシル基などと反応すると同時に、変性シ
リコーンオイルと反応し、その結果、シリコーンオイル
の持つ液体潤滑剤以上の離型剤として働くことが判明し
た。また、これらは熱溶融性樹脂や硬化性樹脂、変性シ
リコーン樹脂とも同時に反応するため、従来のシリコー
ンオイル以上の離型性能を維持したまま、離型剤として
受像層中に強固に固定化されるものと考えられる。ま
た、従来の定着部材表面へ付与されたシリコーンオイル
や、画像支持体及び画像形成材料としてのトナー中など
へ添加されたシリコーンオイルやワックスなどの離型剤
が他に移行するのと異なり、前記のごとき離型剤は、画
像支持体から他の媒体へ移行することを防止することが
できるものと考えられる。
【0022】さらに、本発明においては、上記の熱溶融
性樹脂と硬化性樹脂はその材料の組み合わせ、たとえば
溶解性パラメータの近い樹脂を用いることや、また配合
比の選択により相溶性を確保することが可能であり、こ
れにより十分な透明性を確保することができるが、さら
に、相溶化剤や可塑剤との併用は、これらの樹脂をより
均質化、相溶化させることができ、OHPへの利用など
に対しても十分利用できる画質と透明性、さらには定着
部材への低付着性を確保することができる。相溶化剤と
しては、シリコーン変性ポリエステル、シリコーン変性
アクリル樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等が、可塑
剤としては、フタル酸ジオクチル、ポリエチレングリコ
ールエステル等が好適に用いられる。
【0023】本発明における受像層は、上で説明した熱
溶融性樹脂、硬化性樹脂及び変性シリコーン樹脂、変性
シリコーンオイル、反応性シラン化合物、相溶化剤、可
塑剤などの受像層の材料を有機溶媒中で均一に混合した
後、基材に塗布され、水分、熱( 温度) 、光、電子線な
どにより硬化反応が行われる。また、本発明において
は、熱溶融性樹脂及び/又は硬化性樹脂を構成するモノ
マーを溶媒中、あるいは無溶媒の状態で混合し、その後
基材に塗布するなどの方法で皮膜を形成し、これを乾燥
させるとともに、熱( 室温での硬化を含む) 、光、電子
線などにより硬化反応を行うことができる。この場合に
は本発明の熱溶融性樹脂と硬化性樹脂が混合された受像
層構成材料を一度に作製することができる。本発明で
は、硬化性樹脂と熱溶融性樹脂が同時に用いられるた
め、硬化反応により形成されるマトリックス中に熱溶融
性樹脂が混入された構成をとっているものと考えられ
る。マトリックスとしての硬化性樹脂は、画像支持体を
構成している基材としての用紙やプラスチックフィルム
などと強固に接着されると同時に、受像層を強固な皮膜
として形成することに役立っている。また、マトリック
スを構成している硬化性樹脂は、画像形成材料が溶融加
熱される温度においても十分弾性が高く、定着部材への
付着性を防止する役割を果たしている。
【0024】一方、マトリックスに混入されている熱溶
融性樹脂は、硬化性樹脂のマトリックス中に、あたかも
海島構造を形成するように存在し、この熱溶融性樹脂成
分がトナーと共に溶融加熱され十分相溶化、均一化する
ことにより、特にハイライト画像など画像面積が少ない
場合、トナーと画像支持体上の界面での光の乱反射によ
る透過率の減少を防止する効果を増大させているものと
考えられる。このように硬化性樹脂のマトリックス中に
熱溶融性樹脂が混入している受像層を有する本発明の画
像支持体は、熱溶融性材料の存在によりトナーとの親和
性、相溶性が高く、特にハイライト画像を構成するトナ
ーが熱溶融性樹脂と十分相溶化、均一化することにより
カラートナーの高透過性と十分な発色性を兼ね備えた高
画質のカラー画像が実現される。さらに、マトリックス
樹脂となる硬化性樹脂の高弾性により、定着部材への画
像支持体の付着を防止(剥離性の向上)できるものと考
えられる。
【0025】さらに、本発明において、硬化性樹脂とし
て硬化性シリコーン樹脂を用いる場合は、マトリックス
樹脂としてのシリコーン樹脂の持つ離型性のため、さら
に画像支持体の剥離性能が向上するものと考えられる。
また、これらと変性シリコーン樹脂との併用は、さらに
画像支持体の剥離性の向上をもたらすものと考えられ
る。
【0026】本発明の画像支持体の受像層中の硬化性樹
脂の含有量は、硬化性樹脂が受像層中でマトリックスを
形成し、その粘弾性により定着部材としての定着ロール
や定着ベルトへの付着性を低下させるに必要な量が添加
される。硬化性樹脂の含有量は、用いる硬化性樹脂と熱
溶融性材料との組み合わせ、さらにこれに添加される変
性シリコーン樹脂や相溶化剤、可塑剤などによって異な
るが、一般的に受像層構成材料の80wt% 以下、好ましく
は50wt% 以下であれば充分である。また、本発明で用い
ている硬化性シリコーン樹脂は、従来から用いられてい
るシリコーン樹脂や有機高分子ワックス、天然ワックス
などに比べて、受像層を構成している熱溶融性材料と親
和性、及び相溶性が高く、また透明性にも優れているた
め、これらの樹脂を80wt% 程度混合してもほとんどその
親和性、透明性においても変化しない。しかしながら、
80wt% を超えると離型性能が高すぎるため、トナーの定
着性能が得られなくなる。さらに、基材としての紙やO
HPシートなどへの接着性も悪化するため電子写真用画
像支持体としての皮膜形成能も低下してしまうことにな
る。
【0027】本発明の画像支持体の受像層は0.1 μm以
上の厚さを有していることが好ましい。0.1 μmより薄
いと画像形成材料(トナー)を受容するに十分な厚さと
いえなくなる。
【0028】次に、本発明の画像支持体において使用す
る基材について説明する。本発明において使用可能な基
材としては、一般的に電子写真記録で用いられる普通紙
記録用紙、また熱転写記録で利用される熱転写用紙、ま
た高級印刷などで用いられている加工紙、微塗工紙、ま
たOHPなどで用いられているポリエステルフィルムや
スチレンアクリル樹脂などの透明樹脂などが利用でき
る。本発明で使用する基材としては、紙( 普通紙、コー
ト紙) 、金属、プラスチック、セラミックがあり、さら
にこれらはフィルム状のものが好ましい。本発明におい
て紙を基材とする場合、この基材となる用紙に使用する
パルプは、化学パルプとしては例えば、広葉樹晒クラフ
トパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸
パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフト
パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材
およびその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を
経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが好ましく、
さらに白色度の高いものが好ましい。また古紙パルプと
しては、例えば製本、印刷工場、裁断所等において発生
する裁落、損紙、幅落としした古紙である上白、特白、
中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質
紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平
板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱
転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カー
ボン紙等により印字された古紙、および水性、油性イン
クや鉛筆などで筆記した古紙、新聞古紙を解離後、各古
紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ、比較的脱墨が容
易な平板印刷された古紙パルプが好ましく、その中でも
さらに白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好まし
い。
【0029】基材としての紙は、多孔性であり、液体が
染み込み易いため、受像層を形成するための塗工溶液を
均一に薄く塗布するためには、紙にめどめ処理を行って
もよい。めどめ処理としては、ポリエチレン、クレーバ
インダー、PVA 、でんぷん、カルボキシメチルセルロー
スなどをそれぞれが溶解、あるいは分散する溶液を、あ
らかじめ紙に塗布、乾燥し、それぞれの皮膜を形成して
おくことにより達成される。また、受像層樹脂皮膜によ
り、紙が透明化し、紙の風合いや白色性をそこなうこと
が懸念される場合には、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸
カルシウムなどの白色の金属酸化物微粒子や有機の白色
顔料などを含有する層を基材に設けることが好ましい。
この層は、画像受像層であることができ、これらの白色
顔料を熱溶融性樹脂と硬化性樹脂の溶液に添加して受像
層を形成することにより画像記録体としての紙の白色性
が維持される。白色顔料は受像層中、10〜30重量%程度
添加される。
【0030】本発明で用いられる画像記録体として代表
的なものは、プラスチックフィルムがある。この中でO
HPに使用できるような光透過性のあるフィルムにはア
セテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロ
ンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネート
フィルム、ポリスチレンフィルム、、ポリフェニレンサ
ルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイ
ミドフィルム、セロハンなどがあり、現状では機械的、
電気的、物理的、化学的特性、加工性など総合的な観点
から見て、ポリエステルフィルム、特に、二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルムが好適に用いられる。
【0031】画像記録体としてプラスチックフィルムが
用いられる場合、温度や湿度などの環境による画像劣化
を防止するためその表面層の表面抵抗として1x108 〜1x
1013Ωの範囲(25 ℃、65%RH の条件で) であることが好
ましく、その方法としては界面活性剤や導電性酸化物微
粒子などを含有する層を画像支持体の基材上に形成する
ことによって達成できる。導電性金属酸化物粒子の材料
としては、ZnO、TiO、TiO2 、SnO2 、Al
2 3 、In2 3 、SiO、SiO2 、MgO、Ba
O及びMoO3 を挙げることがきる。これらは、単独で
使用しても良く、これらの複合酸化物を使用しても良
い。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含有するも
のが好ましく、例えばZnOに対してAl、In等、T
iOに対してNb、Ta等、SnO2 に対しては、S
b、Nb、ハロゲン元素等を含有( ドーピング) させた
ものが好ましい。これらの中で、Sbをドーピングした
SnO 2 が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が
高いので特に好ましい。また、界面活性剤としては、エ
チレンオキサイド系非イオン性界面活性剤等のものが用
いられる。
【0032】また、本発明においては、搬送性を向上さ
せるため画像支持体が、マット剤を含有する表面層を有
していることが好ましい。この表面層としては受像層で
あることができる。上記マット剤を構成する樹脂として
は、潤滑性を有する樹脂としてポリエチレン等のポリオ
レフィン及びポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン( テフロン) 等のフッ
素樹脂を挙げることができる。また、上記樹脂のマット
剤の平均粒径は、0.1 〜10μm の範囲が好ましく、特に
1 〜5μm の範囲が好ましい。上記平均粒径は、大きい
方が好ましいが、大き過ぎるとマット剤が受像層から脱
離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くな
り、さらに曇り( ヘイズ度) が増大することから、上記
範囲が好ましい。更に、上記マット剤の含有量は、マッ
ト剤が受像層に含まれる場合、受像層形成材料に対して
0.1 〜10重量% が好ましく、より好ましくは0.5 〜5 重
量% である。上記マット剤は扁平状であることが好まし
い。予め扁平状のマット剤を用いても良いし、軟化温度
の比較的低い( 上記好ましい軟化点温度を有することが
好ましい) マット剤を用いて受像層の塗布、乾燥時の加
熱下に扁平状にしても良いし、あるいは加熱下に押圧し
ながら扁平状にしても良い。但し、受像層の表面からマ
ット剤が凸状に突き出ていることが好ましい。マット剤
として、上記以外に無機微粒子( 例、SiO2 、Al2
3 タルク又はカオリン) 及びビーズ状プラスチックパ
ウダー( 材料例、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート又はポリスチレン) が用いら
れ、またこれらのマット剤を2種以上併用してもよい。
【0033】本発明で用いる上記熱溶融性樹脂及び硬化
性樹脂を含有する受像層樹脂を基材上に作製する方法と
しては、これらを有機溶媒、もしくは無溶剤タイプのも
のではそのままの状態で、画像保持体上に塗布あるいは
含浸させた後、乾燥さらに加熱硬化処理を施すことによ
り作製することができる。塗布あるいは含浸させる方法
としては、ブレードコーティング法、( マイヤー) バー
コーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーテ
ィング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーテ
ィング法、カーテンコーティング法、ロールコーティン
グ法等の通常使用される方法が採用される。
【0034】塗布あるいは含浸後の乾燥は風乾でも良い
が、熱乾燥を行えば容易に乾燥できる。乾燥方法として
は、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、ある
いは加熱ローラに接触させるなど通常使用される方法が
採用される。乾燥後、作製した皮膜を硬化するために
は、熱、光、電子線などが利用できる。さらに、硬化反
応を制御するために重合制御剤や可塑剤などの添加剤を
混合してもよい。また、室温で硬化反応が進行するもの
はそのまま硬化できる。さらに、熱硬化する場合には乾
燥時に同時に行ってもよい。光、電子線などにより硬化
する場合には、硬化性シリコーン樹脂が硬化するだけの
エネルギーを供給すればよく、例えば、光エネルギーと
しては、タングステンランプや高圧、低圧水銀灯などを
光源として利用することができる。また照射エネルギー
としては100 〜200W/cm 程度の光を1 分程度照射するこ
とにより充分硬化反応を進めることができる。
【0035】以上のような電子写真用画像支持体を使っ
て、電子写真法によって画像を形成する方法を以下に述
べる 電子写真方法による画像支持体としての用紙への画像形
成は、電子写真用感光体の表面に均一に静電荷を与え帯
電させた後、その表面に得られた画像情報を露光し、露
光に対応した静電潜像を形成する。次に感光体表面の静
電潜像に現像器からトナーを供給することで静電潜像が
トナーによって可視化現像され、さらにこれを用紙など
の画像支持体に転写し、最後に熱や圧力などによりトナ
ーが記録体へ定着されて画像記録体ができあがる。定着
時にトナーは、熱や圧力が同時に印加されるため画像支
持体である記録用紙に定着される訳であるが、同時にト
ナーは定着部材と接触するため、トナーが低粘性であっ
たり、定着部材との親和性が高い場合などは、定着部材
に一部移行し、オフセットとして定着部材に残留し、定
着部材の劣化をまねき、結果として定着器の寿命を短縮
してしまうことになる。したがって、画像支持体として
トナー画像の充分な定着性と定着部材との剥離性を得る
ことが必要となる。本発明では、トナーとの親和性、相
溶性などが高い熱溶融性材料と、これらを基材と強固に
接着させ、しかも受像層を構成するマトリックス材料と
して働く高弾性の離型性硬化性樹脂を含有する受像層を
基材上に設けたことにより、トナー画像を画像受像層へ
充分溶融、定着させるとともに、定着部材へのオフセッ
トを防止することが可能となる。
【0036】本発明は、普通紙やコート紙などの他に、
OHP用のポリマーフィルムに対しても利用することが
でき、本発明で用いている変性シリコーン樹脂、硬化性
シリコーン樹脂を用いることにより画像支持体の透明
性、基材との接着性、画像形成材料との親和性、相溶性
などにより画像形成材料の定着性と定着部材からの画像
支持体の剥離性を両立させることができる。以上のよう
に熱溶融性樹脂と硬化性樹脂とを受像層中に含有する画
像支持体を使って画像形成することにより、過去多くの
知識や工夫が集積されている電子写真方式で用いられて
いる条件をなんら変えることなく、カラー画像やデジタ
ル化などによる高画質への対応をはかるとともに、新た
な問題として定着部材への画像支持体の巻き付き、発色
性、透明性、走行性の低下を防止できることになる。ま
た、画像支持体としては普通紙をはじめとして、トナー
画像を定着部材から取り除くことが難しいOHPシート
に対しても、その透明性を維持したままトナー画像の充
分な定着性とオフセットの防止の両立をはたすことがで
きる。さらに、最終的に画像支持体が廃棄される場合に
も化学安定性が高く、安全性も充分確保されている熱溶
融性樹脂と硬化性樹脂を用いているため、環境負荷の小
さい材料として利用することができ、また画像支持体自
体もリサイクルが可能なものとなる。さらに、本発明の
画像支持体には、ボールペン、水性ペン、油性ペンなど
による書込みも十分可能であり、特にOHPシートとし
て有用性が大である。
【0037】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例における「部」は重量
部を意味する。 実施例 1 <導電性下塗り層溶液>水分散型アクリル樹脂(商品名
「ジュイマーET-410」日本純薬社製) 14.2 部、二酸化
スズ(商品名「SN-88 」石原産業社製 22.5 部、エチレ
ンオキサイド系非イオン界面活性剤(商品名「EMALEX/N
P8.5」日本エマルジョン社製 1.6部、純水 960部を十分
混合攪拌し、導電性下塗り層溶液を作製した。 <画像支持体用基材の作製>厚さ100 μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムにコロナ放電処理を行い、上
記組成の導電性下塗り層溶液をワイヤーバーで塗布し、
120 ℃で1 分間乾燥を行い、膜厚約0.2 μmの導電層を
設けた画像支持体用基材を作製した。 <熱溶融性樹脂(1) の合成>下記の原料化合物を、撹拌
棒、コンデンサー、窒素ガス導入管、及び温度計をセッ
トしたガラス製2 リットルの四つ口フラスコに入れ、こ
れをマントルヒーターにセットした。 ポリオキシエチレン(2.2)-2,2 - ビス(4- ヒドロキシフェニル) プロパン 380部 シクロヘキサンジメタノール 142部 テレフタル酸 380部 反応容器内を窒素ガスで置換した後、ジブチル錫オキシ
ド1.0 部を加え、マントルヒータで加熱しながら窒素気
流下で、約150 ℃で3〜4時間常圧反応を行い、次に22
0 ℃で約3時間減圧にて反応させた。重合度はASTMのE2
8-51T に準ずる軟化点により追跡を行ない、軟化点が12
0 ℃に達した時、反応を終了後室温まで冷却し、熱溶融
性樹脂(ポリエステル樹脂)を得た。得られた熱溶融性
樹脂(ポリエステル)のTgは57℃であった。
【0038】<画像支持体(OHPシート)の作製>得
られた熱溶融性ポリエステル樹脂(1) 10部、熱硬化性シ
リコーン樹脂(商品名「PHC-587 」東芝シリコーン社
製) 10 部、架橋型PMMAマット剤(商品名「MR-2G-20-
5; 平均粒径:3μm 」総研化学社製)0.5 部にトルエン
80 部を加え、十分攪拌混合し、画像受像層用の塗布液
を作製した。この塗布液を前記画像支持体用基材に、ワ
イヤーバーで膜厚が均一になるように塗工した。塗布
後、130 ℃で60分間硬化反応させ、電子写真用画像支持
体を作製した。受像層の膜厚は5 μmであった。画像支
持体の表面抵抗率は25℃、65%RH の条件で1.0 ×1010Ω
であった。可視域の透過率は90% 以上であり、十分透明
性を確保した画像支持体であった。この画像支持体を富
士ゼロックス(株)製カラー複写機AColor935
(定着器部分はあらかじめ外してある) でベタ画像を含
むカラー画像を印字し、画像支持体上に未定着状態の画
像が形成されているサンプルを作製した。その後、この
未定着状態の画像が形成されている画像支持体を定着器
部分のみのオイルレス定着ベンチ( オイル供給システム
の付いていない定着器オフラインベンチ) で、支持体の
走行性、画像の定着性、カラー画像の発色性、定着ロー
ルへの巻き付き( 剥離性) 、定着ロールへのトナーのオ
フセット程度、透過率を測定し、画像支持体としての性
能を確認した。画像支持体へのトナー定着性の評価は、
上記電子写真装置にて定着された画像をX-Rite938 濃度
計(X-Rite 社製) で測定した濃度が約1.8 のベタ画像部
に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ( ニチバン社製:
セロハンテープ) を300g/cm の線圧で張り付け、10mm/s
ec. の速度で剥離した時の、剥離前の画像濃度に対する
剥離後の画像濃度の比( 以下OD比と略す) を指標として
評価した(OD 比= 剥離後の画像濃度/ 剥離前の画像濃
度) 。電子写真用記録媒体としては、OD比で0.8 以上の
画像形成材料の定着性が必要である。この結果は、表1
にまとめて示した。
【0039】実施例2 <相溶化剤( シリコングラフトポリエステル) の合成>攪
拌装置、温度計、コンデンサー、エステルアダプター及
び減圧装置を備えた容量1 リットルのガラス製フラスコ
に、テレフタル酸ジメチル196.6 部、無水フタル酸37.5
部、2 、2 ージ(4ーヒドロキシプロポキシフェニル) プ
ロパン285.5部、エチレングリコール157.1 部、グリセ
リン23.3部及びテトラブチルチタネート0.33部を投入
し、窒素気流下マントルヒータで加熱して、160 〜170
℃で6 時間脱メタノール反応を行った。その際に、エス
テルアダプターで留去したメタノールは61.3部であっ
た。次に、1 時間かけて220 ℃まで昇温した後、220 〜
240 ℃で20mmHgの減圧下で3 時間脱エチレングリコール
反応を行った。留去したエチレングリコールは120.4 部
であった。反応が終了した後、得られたポリマーを室温
に冷却し、淡褐色で半透明な固体471.4 部を得た。GPC
におけるポリスチレン換算の重量平均分子量は10,260、
DSC(示差熱分析装置) によって求めたガラス転移点は67
℃、環球法による軟化点は122 ℃であった。また、水酸
基価(JISK 0070) は38.6mgKOH/g であった。次いで、攪
拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた容量1 リット
ルのガラス製フラスコに、前記合成例で得たポリエステ
ルポリオール150 部及びトルエン300 部を投下して60℃
で溶解した。次いで、ジブチル錫ジラウレート0.17部及
び下記構造式(1) で表されるイソシアネート基含有オル
ガノポリシロキサン17.8部を添加し、窒素気流下70℃で
5 時間反応させた。得られた反応液のIRスペクトル分析
を行ったところ、反応前に観察されたNCO に起因する22
60cmー1、1094cmー1、及び1260cmー1の吸収が観察されたと
ころから、反応によって得られた物質は、オルガノポリ
シロキサンがグラフトしたポリエステルであることが確
認された。反応液から溶媒であるトルエンをストリッピ
ングして除去したところ、淡褐色で半透明な固体のシリ
コーングラフトポリエステル151.2 部を得た。得られた
シリコーングラフトポリエステルのGPC におけるポリス
チレン換算の重量平均分子量は11,500であり、環球法に
よる軟化点は97℃、DSC によるガラス転移点は51℃であ
った。
【0040】構造式(1)
【化1】
【0041】<画像支持体の作製>実施例1のポリエス
テル樹脂 10 部、光硬化性シリコーン樹脂(商品名「UV
HC1103」東芝シリコーン社製 15 部、相溶化剤として上
記シリコーングラフトポリエステル樹脂 5部、白色顔料
として酸化チタン(和光純薬社製) 4.5部にトルエン 1
00部を加えてサンドミル分散機で十分攪拌し、画像受像
層用の塗布液を作製した。この塗布液を電子写真用複写
用紙( 富士ゼロックス製A4紙:J紙) にワイヤーバーで膜
厚が均一になるように塗工した。塗布後、100 ℃で10分
間乾燥し、その後紫外線照射装置で照射距離約20cm、
120W/ cm2 のエネルギーを1分間照射し、硬化反応を
行わせ、普通紙(J紙) 上に膜厚約6 μmの受像層を有す
る電子写真用画像支持体を作製した。作製した画像支持
体はほとんど普通紙の白色度と変わらないものであっ
た。画像支持体の表面抵抗率は25℃、65%RH の条件で2.
5 ×1010Ωであった。この画像支持体を実施例1と同様
の方法により支持体の走行性、画像の定着性、発色性、
定着ロールへの巻き付き( 剥離性) 、定着ロールへのト
ナーのオフセット程度、透過率を測定し、画像支持体と
しての性能を評価し、その結果を表1 にまとめた。
【0042】実施例3 <熱溶融性樹脂(2) の合成>下記の原料化合物を、熱溶
融性樹脂(1) と同様の方法で、軟化点が115 ℃に達する
まで反応させて熱溶融性ポリエステル樹脂(2) を得た。
得られた樹脂(2) のTgは59℃であった。 ポリオキシエチレン(2.2)-2,2 - ビス(4- ヒドロキシフェニル) プロパン 410 部 ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2 - ビス(4- ヒドロキシフェニル) プロパン 340 部 テレフタル酸 380 部 得られた熱溶融性ポリエステル樹脂(2) 10部、光硬化性
シリコーン樹脂( 商品名「UVHC8553」東芝シリコーン社
製) 12部、アミノ変性シリコーンオイル( 商品名「KF86
1 」信越化学社製) 18 部、相溶化剤としてシリコーン
ポリエステルワニス(商品名「XC93-1201 」東芝シリコ
ーン社製)5 部、マット剤としてコロイダルシリカ( 商
品名「R972」、日本アエロジル社製)1部を、トルエン20
0 部に入れて撹拌混合し、画像受像層用の塗布液を作製
した。この塗布液を実施例1と同様に導電性層を設けた
ポリエチレンテレフタレートフィルムに、ワイヤーバー
で膜厚が均一になるように塗工した。塗布後、100 ℃で
10分間乾燥させた後、光照射装置で照射距離約20cm、
120W/ cm2 、1分間、光硬化反応を行わせ、膜厚約4.
8 μmの受像層を有する電子写真用OHP画像支持体を
作製した。画像支持体の表面抵抗率は25℃、65%RH の条
件で1.2 ×1010Ωであった。可視域の透過率は、90% 以
上であり十分透明性を確保した画像支持体であった。こ
の画像支持体を実施例1と同様の方法により支持体の走
行性、画像の定着性、発色性、定着ロールへの巻き付き
( 剥離性) 、定着ロールへのトナーのオフセット程度、
透過率を測定し、画像支持体としての性能を評価し、そ
の結果を表1 にまとめた。
【0043】比較例1 実施例1 の熱硬化性シリコーン樹脂を用いず、熱溶融性
ポリエステル樹脂を20部を使用する他は、実施例1 と同
様な方法により電子写真用画像支持体を作製した。ま
た、受像層としての膜厚は4.5 μmであった。その表面
抵抗率は25℃、65%RH の条件で2.5 ×1010Ωであった。
この画像支持体を実施例1と同様の方法により支持体の
走行性、画像の定着性、発色性、定着ロールへの巻き付
き( 剥離性) 、定着ロールへのトナーのオフセット程
度、透過率を測定し、画像支持体としての性能を評価
し、その結果を表1 にまとめた。
【0044】実施例 4 実施例3 における、光硬化性樹脂の代わりにナトコペイ
ント製光硬化性シリコーン樹脂溶液( 固形分比 50wt%)
20 部を用い、マット剤として実施例1と同様のものを
用い、溶媒として酢酸エチルを用いた他は実施例3と同
様にして画像受像層用の塗布溶液を作製した。この塗布
溶液を実施例1 と同様に導電性層を設けたポリエチレン
テレフタレートフィルムに上に、ワイヤーバー塗布し、
80℃10分間乾燥した後、紫外線照射装置で照射距離約20
cm、160W/cm の照射強度で30秒、紫外線照射することに
より、膜厚5.7 μmの受像層を有する電子写真用OHP
画像支持体を作製した。画像支持体の表面抵抗率は25
℃、65%RH の条件で9.0 ×10 9 Ωであった。この画像支
持体を実施例1と同様の方法により支持体の走行性、画
像の定着性、発色性、定着ロールへの巻き付き( 剥離
性) 、定着ロールへのトナーのオフセット程度、透過率
を測定し、画像支持体としての性能を評価し、その結果
を表1 にまとめた。
【0045】比較例2 実施例4 の光硬化性樹脂溶液と相溶化剤を用いない他
は、実施例4 と同様な方法により電子写真用画像支持体
を作製した。膜厚5.5 μmの受像層を有する電子写真用
OHP画像支持体を作製した。その表面抵抗率は25℃、
65%RH の条件で1.3 ×1010Ωであった。この画像支持体
を実施例1と同様の方法により支持体の走行性、画像の
定着性、発色性、定着ロールへの巻き付き( 剥離性) 、
定着ロールへのトナーのオフセット程度、透過率を測定
し、画像支持体としての性能を評価し、その結果を表1
にまとめた。
【0046】実施例5 実施例3 の画像支持体用溶液に、さらに反応性シリコン
化合物(商品名「SIC-434 (10% 酢酸エチル溶液)」松
本製薬社製 10 部を添加したほかは、実施例3と同様の
方法により画像支持体用塗布溶液を作製した。この溶液
を実施例3 と同様の方法により、膜厚5.1 μmの受像層
を有する電子写真用OHP画像支持体を作製した。表面
抵抗は25℃、65%RH で3.3 ×1010Ωであった。この画像
支持体を実施例1と同様の方法により支持体の走行性、
画像の定着性、発色性、定着ロールへの巻き付き( 剥離
性) 、定着ロールへのトナーのオフセット程度、透過率
を測定し、画像支持体としての性能を評価し、その結果
を表1 にまとめた。
【0047】比較例3 実施例1 の画像受像層用塗布溶液の代わりに、水分散ポ
リエステル樹脂(商品名「MD1200(Tg=67℃) 」東洋紡績
社製 18 部、エチレンオキサイド系非イオン界面活性剤
(商品名「EMALEX/NP8.5」日本エマルジョン社製)1.1
部、架橋型PMMAマット剤(総研化学社製) 0.4部、純水
980部からなる画像受像層用塗布溶液を用いる他は、実
施例1 と同様な方法により画像支持体を作製した。受像
層の膜厚は、4 μm であり、表面抵抗は25℃、65%RH で
1.0 ×1010Ωであった。この画像支持体を実施例1と同
様の方法により支持体の走行性、画像の定着性、発色
性、定着ロールへの巻き付き( 剥離性) 、定着ロールへ
のトナーのオフセット程度、透過率を測定し、画像支持
体としての性能を評価し、その結果を表1 にまとめた。
【0048】実施例6 <画像支持体の作製>熱溶融製樹脂としてスチレンーア
クリル樹脂( 商品名「PSB2733 」三洋化成社製) 50部、
熱硬化性シリコーン樹脂( 商品名「PHC587」: 東芝シリ
コーン社製)30部、相溶化剤としてシリコーンアクリル
ワニス 20 部、可塑剤としてフタル酸ジオクチル 5部、
マット剤(商品名「トスパール120」東芝シリコーン
社製)0.5部とを、トルエン400 部に入れて撹拌溶解
し、画像受像層用塗布液を得た。この塗布溶液を実施例
1 と同様の方法により導電性基材上に画像支持体を作製
した。受像層の膜厚は、4.0 μm であり、表面抵抗は25
℃、65%RH で2.3 ×1010Ωであった。この画像支持体を
実施例1と同様の方法により支持体の走行性、画像の定
着性、発色性、定着ロールへの巻き付き( 剥離性) 、定
着ロールへのトナーのオフセット程度、透過率を測定
し、画像支持体としての性能を評価し、その結果を表1
にまとめた。
【0049】比較例4 実施例6 の熱硬化性シリコーン樹脂、相溶化剤及び可塑
剤を用いない他は、実施例6 と同様な方法により電子写
真用画像支持体を作製した。また、受像層としての膜厚
は3.9 μm であった。その表面抵抗率は25℃、65%RH の
条件で3.8 ×10 10Ωであった。この画像支持体を実施例
6 と同様の方法により支持体の走行性、画像の定着性、
発色性、定着ロールへの巻き付き( 剥離性) 、定着ロー
ルへのトナーのオフセット程度、透過率を測定し、画像
支持体としての性能を評価し、その結果を表1 にまとめ
た。
【0050】実施例7 <画像支持体の作製>熱溶融性樹脂として、熱溶融性ポ
リエステル樹脂(1)50 部、熱硬化性樹脂としてポリイミ
ド樹脂( 商品名「トレニース#3000 」: 東レ社製)30
部、可塑剤としてフタル酸ジオクチル5 部、マット剤(
商品名「トスパール145 」東芝シリコーン社製)0.5部と
を、トルエン400 部に入れて攪拌溶解し、画像受像層用
塗布液を得た。この塗布溶液を用い実施例1 と同様の方
法により、導電性基材上に画像受像層を形成し、画像支
持体を作製した。受像層の膜厚は3.2 μmであり、表面
抵抗は25℃、65%RH で4.8 ×1010Ωであった。この画像
支持体を実施例1 と同様の方法により支持体の走行性、
画像の定着性、発色性、定着ロールへの巻き付き(剥離
性) 、定着ロールへのトナーのオフセット程度、透過率
を測定し、画像支持体としての性能を評価し、その結果
を表1 にまとめた。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の電子写真用画像支持体は、実施
例からも明らかなように次のような優れた効果が認めら
れた。本発明は、熱溶融性樹脂と硬化性樹脂を受像層中
に含有する画像支持体を使って画像形成することによ
り、過去多くの知識や工夫が集積されている電子写真方
式で用いられている条件をなんら変えることなく、カラ
ー画像やデジタル化などによる高画質への対応をはかる
とともに、あらたな問題として定着部材への画像支持体
の巻き付き、発色性、透明性、走行性の低下を防止でき
る。また、画像支持体としては普通紙をはじめとしてO
HPシートのいずれも使用可能である。OHPシートの
場合、トナー画像が溶融すると同時にトナー画像が載っ
ていない部分のOHP画像支持体も溶融状態となるた
め、それらが定着部材に接着し、定着部材表面から取り
除くことが難しいが、本発明のような受像層を有するO
HPシートは、その透明性を維持しながらトナー画像の
充分な定着性とOHPシートのオフセット防止を両立さ
せることができる。さらに、最終的に画像支持体が廃棄
される場合にも化学安定性が高く、安全性も充分確保さ
れている受像層構成材料を用いているため、環境負荷の
小さい材料として利用することができ、また画像支持体
自体もリサイクルが可能なものとなる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材の片面上に画像受像層を
    有する電子写真用画像支持体において、該画像受像層が
    熱溶融性樹脂及び硬化性樹脂を含有することを特徴とす
    る電子写真用画像支持体。
  2. 【請求項2】 熱溶融性樹脂が、画像形成材料が含有す
    る樹脂と同種の樹脂であることを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真用画像支持体。
  3. 【請求項3】 画像受像層が、0.1μm以上の厚さを
    有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画
    像支持体。
  4. 【請求項4】 硬化性樹脂が、硬化性シリコーン樹脂で
    あることを特徴とす請求項1に記載の電子写真用画像支
    持体。
  5. 【請求項5】 硬化性シリコーン樹脂が水分、熱、光、
    又は電子線により硬化するものであることを特徴とする
    請求項4に記載の電子写真用画像支持体。
  6. 【請求項6】 硬化性樹脂が、画像受像層中に80重量
    %以下の範囲で含有されていることを特徴とする請求項
    1に記載の電子写真用画像支持体。
  7. 【請求項7】 画像受像層が、変性シリコーン樹脂を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画
    像支持体。
  8. 【請求項8】 画像受像層が、反応性シラン化合物を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画
    像支持体。
  9. 【請求項9】 画像受像層が、熱溶融性樹脂と硬化性樹
    脂との相溶化剤を含有していることを特徴とする請求項
    1に記載の電子写真用画像支持体。
  10. 【請求項10】 画像受像層が、可塑剤を含有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像支持
    体。
  11. 【請求項11】 基材が、紙又は透明プラスチックフィ
    ルムであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    用画像支持体。
  12. 【請求項12】 紙が、普通紙、コート紙、又は加工紙
    から選ばれることを特徴とする請求項11に記載の電子
    写真用画像支持体。
  13. 【請求項13】 基材上に導電層を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の電子写真用画像支持体。
  14. 【請求項14】 画像支持体がマット剤を含有する表面
    層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    用画像支持体。
  15. 【請求項15】 画像支持体が白色顔料を含有する表面
    層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    用画像支持体。
  16. 【請求項16】 画像支持体の25℃、65%RHにお
    ける表面抵抗が1×108 〜1×1013Ωであることを
    特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像支持体。
JP00422798A 1998-01-12 1998-01-12 電子写真用画像支持体 Expired - Fee Related JP3704936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00422798A JP3704936B2 (ja) 1998-01-12 1998-01-12 電子写真用画像支持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00422798A JP3704936B2 (ja) 1998-01-12 1998-01-12 電子写真用画像支持体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11202536A true JPH11202536A (ja) 1999-07-30
JP3704936B2 JP3704936B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=11578696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00422798A Expired - Fee Related JP3704936B2 (ja) 1998-01-12 1998-01-12 電子写真用画像支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3704936B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001134003A (ja) * 1999-10-29 2001-05-18 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用オーバーヘッドプロジェクター用シート
JP2006515684A (ja) * 2002-12-23 2006-06-01 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー Uv硬化性インクで印刷されたグラフィック物品
US9315064B2 (en) 2012-02-20 2016-04-19 Avery Dennison Corporation Multilayer film for multi-purpose inkjet systems
US9752022B2 (en) 2008-07-10 2017-09-05 Avery Dennison Corporation Composition, film and related methods
US10703131B2 (en) 2010-03-04 2020-07-07 Avery Dennison Corporation Non-PVC film and non-PVC film laminate
US11485162B2 (en) 2013-12-30 2022-11-01 Avery Dennison Corporation Polyurethane protective film

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001134003A (ja) * 1999-10-29 2001-05-18 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用オーバーヘッドプロジェクター用シート
JP2006515684A (ja) * 2002-12-23 2006-06-01 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー Uv硬化性インクで印刷されたグラフィック物品
US9752022B2 (en) 2008-07-10 2017-09-05 Avery Dennison Corporation Composition, film and related methods
US10703131B2 (en) 2010-03-04 2020-07-07 Avery Dennison Corporation Non-PVC film and non-PVC film laminate
US9315064B2 (en) 2012-02-20 2016-04-19 Avery Dennison Corporation Multilayer film for multi-purpose inkjet systems
US11485162B2 (en) 2013-12-30 2022-11-01 Avery Dennison Corporation Polyurethane protective film
US11872829B2 (en) 2013-12-30 2024-01-16 Avery Dennison Corporation Polyurethane protective film

Also Published As

Publication number Publication date
JP3704936B2 (ja) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4019921B2 (ja) 電子写真用ラミネートフィルム及びその製造方法
JP3663833B2 (ja) 画像記録体の再生方法
EP0852345B1 (en) Image stripping member, image stripping apparatus and image stripping method using the image stripping member
US6127081A (en) Developing agent and image forming apparatus
JP4013509B2 (ja) 画像記録体及びその製造方法
KR100821599B1 (ko) 전자 사진용 라미네이트 필름과 그 제조 방법 및 화상형성 방법
JP2004020950A (ja) 画像記録体及びそれを用いた画像表示体
JP3972530B2 (ja) 画像記録体
JP3704936B2 (ja) 電子写真用画像支持体
JP2006078545A (ja) 画像構造及び記録媒体並びに画像形成装置及び後処理装置
JP4765279B2 (ja) 成型加工用シート及びその製造方法、画像形成方法、成型加工品の製造方法並びに成型加工品
JPH10198061A (ja) 電子写真用画像支持体
JP2003091090A (ja) 再生可能な画像記録体
JP4168846B2 (ja) 情報記録媒体用コア基材とラミネートするためのフィルム、並びに、これを用いた画像形成方法及び情報記録媒体
JP3945135B2 (ja) 画像支持体およびその再生方法
JP4168847B2 (ja) 情報記録媒体用コア基材とラミネートするためのフィルム及びその製造方法、並びに、これを用いた画像形成方法及び情報記録媒体
JP3775068B2 (ja) 電子写真用画像支持体の製造方法
JP3826982B2 (ja) 画像形成装置
JP3873526B2 (ja) 画像支持体
JP4151707B2 (ja) 画像記録体
JP4168849B2 (ja) 電子写真用ラミネートフィルム、情報記録媒体、及びこれらの製造方法、画像形成方法
JP3135861B2 (ja) 熱転写受像シート用の白色粉体塗料組成物及び熱転写受像シート
JP3951080B2 (ja) 受像シートおよびそれを用いる画像形成装置
JPH09160276A (ja) 再生可能な画像記録体、その画像形成装置及びその再生方法
KR100295516B1 (ko) 전자사진용토너,전자사진용현상제및화상형성방법

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050329

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050718

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090805

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100805

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees