JPH11200751A - 掘削工具および掘削工法 - Google Patents

掘削工具および掘削工法

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JPH11200751A
JPH11200751A JP611398A JP611398A JPH11200751A JP H11200751 A JPH11200751 A JP H11200751A JP 611398 A JP611398 A JP 611398A JP 611398 A JP611398 A JP 611398A JP H11200751 A JPH11200751 A JP H11200751A
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猛 林
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和由 吉田
Akihiro Saburi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱な地層Aと硬質な地層Bとからなる地盤
の掘削において、均一な径の削孔を効率的に掘削する。 【解決手段】 ケーシングトップ2と工具本体3との間
に介装されるドライブガイド4を、ケーシングトップ2
に対して相対回転可能かつ先端側に向けて係合可能とす
るとともに、このドライブガイド4に対して工具本体3
を、掘削時の回転方向Tには一体回転可能かつ先端側に
向けて係合可能とし、ケーシング1を硬質な地層Bに達
する所定の深さまで埋設する一方、工具本体3を掘削時
と反対側に回転させたときにはドライブガイド4と相対
回転可能として、所定の回転位置において工具本体3を
ドライブガイド4から先端側に抜脱可能とし、ケーシン
グ1を残して工具本体3のみによりさらに掘削を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば軟弱な地層
の下に硬質な地層が展開する地盤を掘削するのに用いて
好適な掘削工具および掘削工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤の掘削に用いられる掘削工具
としては、例えば特開平5−18177号公報に記載さ
れたものが知られている。この公報に記載された掘削工
具は、ケーシング(掘削パイプ)の先端に取り付けられ
た略円筒状のケーシングトップ内に、軸線回りに回転さ
れるとともにこの軸線方向先端側に打撃力を受ける工具
本体が、その先端を突出させるようにして挿入されたも
のであって、上記ケーシングトップは、その内径がケー
シングよりも一段縮径するように形成されるとともに、
上記工具本体の外周には、この縮径したケーシングトッ
プの内径よりも大きく、かつ上記ケーシングの内径より
も小さな外径の段部が形成されており、この段部が上記
ケーシングトップの後端面に当接することにより、工具
本体はケーシングトップに対して、その軸線回りに相対
回転可能かつ軸線方向先端側に向けて係合可能とされて
いる。
【0003】ここで、上記掘削工具は、その工具本体
が、ケーシングトップ内に挿入されるデバイスの先端に
複数の掘削ビットが上記軸線から偏心した軸回りに回動
自在に取り付けられた、いわゆる拡径ビットと称される
ものであって、掘削時にはケーシングトップの先端に突
出した上記掘削ビットが、工具本体の回転により上記軸
回りに回転して、その外径がケーシングの外径よりも僅
かに大きくされたところで、互いに隣り合う掘削ビット
の側面同士が当接して位置決めされるようになされてい
る。また、工具本体が掘削時の回転方向と反対側に回転
したときには、各掘削ビットも上記軸回りに反対に回転
し、その外径が上記ケーシングトップの内径よりも小さ
くなるようになされている。
【0004】しかるに、このように構成された掘削工具
では、掘削時には上記工具本体に回転打撃力が与えられ
ることにより、上記掘削ビットが拡径した状態で地盤を
掘削するとともに、上記段部とケーシングトップとの係
合によってケーシングが掘削された削孔内に建て込まれ
て行く。また、こうして所定の深さまで地盤が掘削され
てケーシングが埋設された後は、工具本体を掘削時とは
反対に回転させることにより、各掘削ビットも上記軸回
りに反転して、ケーシングトップに挿通された工具本体
の外径がケーシングトップの内径よりも小さくなるの
で、ケーシングトップごとケーシングを地盤に残したま
ま、工具本体をケーシングから引き抜くことができる。
従って、上記掘削工具によれば、例えば軟弱な地層より
なる地盤を掘削する場合などにおいて、削孔が崩壊する
のをケーシングによって防ぎつつ掘削を行うことができ
るため、確実かつ効率的な掘削を行うことが可能とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
掘削工具によって、例えば軟弱な地層の下に硬質な地層
が展開するような地盤を掘削しようとした場合には、硬
質な地層では削孔の崩壊が少ないにも関わらずケーシン
グを伴った掘削が行われるため、掘削抵抗が著しく増大
してしまうとともにケーシングを建て込むための駆動力
も必要とされる。このため、従来このような地盤の掘削
を行うには、まず上記掘削工具によって軟弱な地層にケ
ーシングを伴って掘削を行い、硬質な地層に達したとこ
ろで一旦掘削を中断して工具本体をケーシングから引き
抜き、次いでケーシングトップの内径よりも一段小さな
外径の掘削工具をケーシングを通してその先端に突出さ
せ、硬質な地層の掘削を行うようにしており、作業が煩
雑となって効率的な掘削が阻害されることが避けられな
いとともに、軟弱な地層から硬質な地層にかけて均一な
径の削孔を掘削することができないという問題があっ
た。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、このような軟弱な地層と硬質な地層とからなる
地盤の掘削において、均一な径の削孔を効率的に掘削す
ることが可能な掘削工具および掘削工法を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明の掘削工具は、
ケーシングの先端に設けられる略円筒状のケーシングト
ップと、このケーシングトップ内に挿通されて先端が該
ケーシングトップから突出し、軸線回りに回転されると
ともに該軸線方向に打撃力を受けて掘削を行う工具本体
と、これらケーシングトップと工具本体との間に介装さ
れる略円筒状のドライブガイドとを備え、このドライブ
ガイドを、上記ケーシングトップに対して上記軸線回り
に相対回転可能かつ上記軸線方向先端側に向けて係合可
能とするとともに、このドライブガイドに対して上記工
具本体を、該工具本体が掘削時の回転方向に回転したと
きには一体に回転可能かつ上記軸線方向先端側に向けて
係合可能とする一方、該工具本体が上記掘削時の回転方
向と反対側に回転したときには相対回転可能として、所
定の回転位置において少なくとも上記軸線方向先端側に
抜脱可能としたことを特徴とする。
【0008】しかるに、このように構成された掘削工具
では、掘削時に工具本体に回転打撃力を与えることによ
り、工具本体はドライブガイドと一体回転するとともに
軸線方向先端側に係合する一方、ドライブガイドはケー
シングトップに対して相対回転するとともに軸線方向先
端側に係合するので、ケーシングトップを回転させるこ
となく前進させて、ケーシングを伴った掘削を行うこと
ができる。そして、こうしてケーシングが所定の深さま
で埋設された後は、工具本体を掘削時の回転方向と反対
側に回転させて上記所定の回転位置に配置することによ
り、工具本体はドライブガイドに対して軸線方向先端側
に抜脱可能となるので、そのまま工具本体に打撃力だけ
を与えて前進させることにより、工具本体をドライブガ
イドから先端側に突出させることができ、次いで工具本
体に再び回転打撃力を与えることにより、ケーシングを
伴わない掘削を行うことができる。
【0009】従って、上記構成の掘削工具によれば、本
発明の掘削工法のように、軸線回りに回転されるととも
に該軸線方向に打撃力を受ける工具本体により、円筒状
のケーシングトップを介してケーシングを伴いつつ掘削
を行い、上記ケーシングを所定の深さまで埋設した後、
上記工具本体を上記ケーシングトップから上記軸線方向
先端側に抜脱し、上記ケーシングを残して上記工具本体
によりさらに掘削を行うことが可能となる。このため、
上述のような軟弱な地層と硬質な地層とからなる地盤を
掘削する場合においては、軟弱な地層に対してはケーシ
ングを伴った掘削を行う一方、硬質な地層に対してはケ
ーシングを伴わない工具本体のみによる掘削を同一の掘
削工具で連続して行うことが可能となり、これにより削
孔の径を均一にすることができるとともに掘削効率の向
上を図ることができる。
【0010】ここで、上記掘削工具においては、上記工
具本体の外周面とドライブガイドの内周面とのうち、一
方の周面には該周面から突出する係合凸部を形成すると
ともに、他方の周面には上記軸線方向に延びる凹溝とこ
の凹溝から周方向に延びる係合凹部とを形成し、掘削時
には工具本体の回転により係合凸部と係合凹部とを係合
せしめる一方、工具本体が掘削時の回転方向と反対側に
回転したときには係合凸部を上記凹溝内に位置させるこ
とにより、上述のようにドライブガイドに対して工具本
体を、掘削時には一体に回転可能かつ上記軸線方向先端
側に向けて係合可能とする一方、掘削時と反対側に回転
したときには相対回転可能、かつ所定の回転位置におい
て軸線方向先端側に抜脱可能とすることができる。な
お、このとき上記係合凹部および係合凸部を、上記ドラ
イブガイドに対して上記工具本体を上記軸線方向先端側
に係合せしめる第1の係合凹部および第1の係合凸部
と、上記ドライブガイドに対して上記工具本体を該工具
本体が掘削時の回転方向に回転したときに一体に回転せ
しめる第2の係合凹部および第2の係合凸部とから構成
することにより、工具本体に与えられる打撃力と回転力
とを第1、第2の係合凹部および係合凸部に分散させる
ことができる。
【0011】さらに、上記ドライブガイドをケーシング
トップに対して軸線方向後端側に向けても係合可能とす
るとともに、このドライブガイドに対して工具本体を軸
線方向後端側にも抜脱可能とすれば、ドライブガイドか
ら先端側に突出して掘削を行った後の工具本体を、再び
ドライブガイド内に引き込み、さらにケーシングを通し
て確実に削孔から抜き出すことができる。一方、上記ド
ライブガイドをケーシングトップに対して上記軸線方向
後端側に向けては抜脱自在とするとともに、このドライ
ブガイドに対して工具本体を軸線方向後端側に係合可能
とすれば、掘削終了後の工具本体をケーシングから抜き
出す際に、ドライブガイドごと抜き出すことが可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の掘削
工具の第1の実施形態を示すものである。本実施形態の
掘削工具は、円筒状のケーシング1の先端に設けられる
略円筒状のケーシングトップ2と、このケーシングトッ
プ2内に挿通される工具本体3と、これらケーシングト
ップ2の内周と工具本体3の外周との間に介装される略
円筒状のドライブガイド4とから構成されており、さら
に上記工具本体3は、上記ドライブガイド4の内周に嵌
挿されるデバイス5と、このデバイス5の先端に配設さ
れて上記ケーシングトップ2およびドライブガイド4の
先端に突出する4つの拡径ビット6…および1つのパイ
ロットビット7とから概略構成されている。
【0013】ここで、上記ケーシングトップ2は、先端
側から後端側に向けてその外径が一段縮径するように形
成された多段円筒状とされており、この先端側における
外径は上記ケーシング1の外径と等しく、また後端側に
おける外径はケーシング1内に嵌挿可能な大きさとされ
ている。そして、このケーシングトップ2は、この後端
側の外径部をケーシング1に嵌挿させて溶接されること
により、ケーシング1の先端に一体に取り付けられてお
り、その内径はケーシング1の内径よりも小さくされ、
両内径部の間にはケーシングトップ2の後端面2Aによ
る段部が形成されている。
【0014】一方、上記デバイス5は概略多段円柱状に
形成されていて、その小径とされる後端部側がシャンク
部8とされ、このシャンク部8に装着される図示しない
ハンマにより、掘削時にはその中心軸線O回りに回転方
向Tに回転されつつ該軸線O方向先端側に打撃力を受け
る。また、このデバイス5の大径とされる先端部9の先
端外周側には、この先端部9の先端面9Aおよび外周面
9Bに開口して上記拡径ビット6がそれぞれ装着される
4つの凹所10…が周方向に等間隔に形成されていると
ともに、デバイス5の中心部には上記軸線Oに沿って貫
通孔11が形成されており、この貫通孔11の先端側は
多段的に拡径するように形成されて、上記パイロットビ
ット7が取り付けられる取付孔12とされている。な
お、このデバイス5の上記先端面9Aは、その外周部9
aよりも内周部9bが概略円形をなして先端側に一段突
出するように形成されていて、これら内外周部9a,9
bの間には段部9cが形成されており、上記凹所10…
は図2に示すようにこの段部9cを越えて先端面9Aの
内周部9bにまで至るように形成されている。
【0015】上記凹所10は、デバイス5の上記先端面
9Aから一段後退する底面10Aと、この底面10Aか
ら垂直に屹立して先端面9Aに連なる壁面10B〜10
Eとから画成されており、上記軸線O方向先端側から見
て、これらの壁面10B〜10Eのうち、上記回転方向
T側を向く壁面10Bと外周側を向く壁面10Dとは、
両壁面10B,10Dに滑らかに連なる凹円弧面状の壁
面10Cを介して互いに鋭角に交差する方向に配置され
る一方、回転方向Tと反対側を向く壁面10Eは、上記
壁面10Bに略平行となるように配置され、従って壁面
10Dとは鈍角に交差するように配置されている。さら
に、この凹所10の上記底面10Aには、その上記回転
方向T側に、外周側に向かうに従い漸次深くなる凹部1
3が形成されるとともに、この凹部13に対して上記回
転方向Tの反対側には、先端側から見て上記壁面10C
がなす凹円弧の中心軸Xと同軸となるように、上記断面
円形の取付孔14が形成されている。
【0016】また、デバイス5内には、上記貫通孔11
から分岐して先端側に向かうに従い外周側に向かう4つ
の空気孔15…が形成されており、これらの空気孔15
…はそれぞれ各凹所10…の底面10Aに形成された上
記凹部13に開口させられている。さらに、デバイス5
の先端部9の外周面9Bには、この先端部9の上記先端
面9Aから後端面にかけて軸線Oに平行に延びる4条の
凹溝16…が周方向に等間隔に形成されており、これら
の凹溝16…は、先端側において上記凹所10…の上記
回転方向T側に開口して、該凹所10およびその底面1
0Aに形成された凹部13の外周側に連通させられてい
る。なお、この凹溝16の周方向の幅は、周方向に隣り
合う凹溝16,16同士の間に残されるデバイス5の外
周面9Bの幅と略等しく設定されている。
【0017】さらにまた、デバイス5の先端部9の外周
面9Bには、周方向に互いに隣り合うすべての上記凹溝
16,16同士の間に、軸線Oを含む断面が「コ」字状
をなす凹溝16よりも浅い凹溝が、軸線O方向に3条並
んでそれぞれ周方向に延びるように形成されており、こ
れらの凹溝によって本実施形態における係合凹部が構成
されている。そして、このうち先端側の2条8つの凹溝
は、それぞれ上記隣り合う凹溝16,16の双方に開口
する通し溝状に形成されていて、本実施形態における第
1の係合凹部17とされる一方、後端側の1条4つの凹
溝は、上記凹溝16,16のうち上記回転方向T側に位
置する凹溝16にのみ開口し、この凹溝16から回転方
向Tの反対側に延びた後、回転方向T側を向く壁面18
Aによって上記外周面9Bに連なる止まり溝状に形成さ
れていて、本実施形態における第2の係合凹部18とさ
れている。さらに、このデバイス5の先端部9には、上
記軸線Oに直交する平面内において該先端部9の外周面
9Bから上記取付孔12の内周に接して開口するように
延びる止まり孔19が形成されている。
【0018】一方、上記ドライブガイド4は、上記ケー
シングトップ2とこのデバイス5の先端部9の外周面9
Bとの間に介装されており、その外周面4Aには、先端
側から後端側に向けて順に、上記ケーシング1およびケ
ーシングトップ2の外径と略同外径のフランジ部20
と、上記ケーシングトップ2の内径部に嵌挿可能な外径
の凹部21と、このケーシングトップ2の内径部よりも
大きく、かつケーシング1の内径部に嵌挿可能な外径の
段部22とが、上記軸線O回りに周回するように形成さ
れている。なお、上記凹部21の軸線O方向の幅は、ケ
ーシングトップ2の軸線O方向の幅よりも大きくされて
いる。従って、このドライブガイド4は、ケーシングト
ップ2に対しては軸線O回りに相対回転可能とされると
ともに、軸線O方向先端側に向けては段部22がケーシ
ングトップ2の後端面2Aに当接することにより、また
軸線O方向後端側にはフランジ部20がケーシングトッ
プ2の先端面2Bに当接することにより、それぞれ係合
可能とされている。
【0019】また、このドライブガイド4の内周面4B
の内径は、デバイス5の先端部9の上記外周面9Bが嵌
挿可能な大きさとされており、さらにこの内周面4Bに
は、該内周面4Bから突出してデバイス5の上記外周面
9Bに形成された上記係合凹部に挿入可能とされた凸部
が、軸線O方向に間隔をあけて3列、かつ周方向には等
間隔をあけて4列形成されていて、これらの凸部によっ
て本実施形態における係合凸部が構成されている。そし
て、さらにこれらの凸部のうち、軸線O方向先端側2列
の8つの凸部は、その周方向の長さがデバイス5の先端
部9の上記外周面9Bに形成された上記凹溝16の幅よ
りも僅かに小さくされ、本実施形態における第1の係合
凸部23とされる一方、軸線O方向後端側1列の4つの
凸部は、周方向の幅が上記外周面9Bの第2の係合凹部
18の幅と略等しくされ、本実施形態における第2の係
合凸部24とされている。
【0020】なお、これら第1、第2の係合凸部23
…,24…は、軸線Oを含む断面において、上記第1、
第2の係合凹部17…,18…がなす「コ」の字よりも
幅および厚さが一回り小さな長方形状に形成されてい
る。また、これら第1、第2の係合凸部23…,24…
の軸線O方向の間隔は、図1に示すようにこれら第1、
第2の係合凸部23…,24…を上記第1、第2の係合
凹部17…,18…に挿入してデバイス5をドライブガ
イド4に対して軸線O方向先端側に係合させた状態で、
第1の係合凸部23…の後端側を向く壁面23Aが第1
の係合凹部17…の先端側を向く壁面17Aにそれぞれ
当接する一方、第2の係合凸部24…の後端側を向く壁
面24Aは第2の係合凹部18…の先端側を向く壁面1
8Bとの間に僅かに間隔をあけるように設定されてい
る。さらに、これら第1、第2の係合凸部23…,24
…は、ドライブガイド4の内周面4Bの上記軸線O方向
において同一の列に位置する第1、第2の係合凸部2
3,23,24の上記回転方向T側を向く壁面23B,
23B,24Bが、周方向に略同位置に並ぶように配置
されている。
【0021】また一方、本実施形態では、デバイス5の
先端部9の上記凹所10に装着される上記拡径ビット6
は、この凹所10に収容可能とされるブロック状の本体
25の先端面25Aおよび1の側面25Bに、超硬合金
等の硬質材料よりなる多数のチップ26…が植設される
とともに、この本体25の後端面25Cには円柱状の軸
部27が形成された構成とされており、この軸部27を
上記取付孔14に嵌挿させて、これら軸部27および取
付孔14の上記中心軸X回りに回動自在に上記凹所10
に取り付けられている。また、この本体25の上記側面
25Bとは反対側の側面25Dは、上記軸部27を取付
孔14に嵌挿して拡径ビット6を装着した際に凹所10
の上記壁面10Cに摺接可能となるように、上記中心軸
Xを中心とし、かつ凹所10の凹円弧面状の上記壁面1
0Cと略等しい曲率半径をなす凸円弧面状に形成されて
いる。
【0022】さらに、この本体25の上記側面25Bと
側面25Dとの間の側面25E,25Fは互いに平行と
され、このうち側面25Eは、図2に示すように拡径ビ
ット6が中心軸X回りに上記回転方向Tの後方側向きに
回転して拡径した際に、凹所10の上記壁面10Bに当
接して当該拡径ビット6を位置決めするようになされて
いる。なお、この拡径ビット6が拡径して位置決めされ
た状態において、上記側面25Bは、上記ケーシング1
の外周面よりも外周側に突出し、かつ上記軸線Oを中心
とした凸円弧面状をなすように形成されている。一方、
反対側の側面25Fは、図3に示すように拡径ビット6
が中心軸X回りに上記回転方向T側向きに回転して縮径
した際に、凹所10の上記壁面10Dに当接して当該拡
径ビット6を位置決めするようになされており、この拡
径ビット6が縮径して位置決めされた状態で、その本体
25は、凹溝16内に臨むドライブガイド4の上記係合
凸部23…,24…に軸線O方向に干渉しないように、
先端側から見て凹所10の底面10A内に略収まるよう
になされている。
【0023】なお、本実施形態では、この拡径ビット6
の上記軸部27の長さは、凹所10の取付孔14の深さ
よりも僅かに長く形成されており、これにより図1に示
すように、この軸部27を取付孔14に嵌挿して拡径ビ
ット6を装着した状態で、軸部27の後端面27Aは取
付孔14の底面14Aに当接する一方、拡径ビット6の
本体25の後端面25Cと凹所10の底面10Aとの間
には僅かな隙間が形成されることとなる。また、この拡
径ビット6の上記先端面25Aの側面25D側の部分
は、上記中心軸Xに直交するチップ26が植設されない
平坦面25aとされており、この平坦面25aは、先端
面25Aの他の部分との間に段部25bを介して、この
他の部分に植設されたチップ26よりも僅かに先端側に
突出するように形成されている。そして、上述のように
軸部27の後端面27Aを取付孔14の底面14Aに当
接させて拡径ビット6をデバイス5の凹所10に装着し
た状態で、上記平坦面25aは、デバイス5の上記先端
面9Aの突出した内周部9bよりも、極僅かに後退した
位置に配置されている。
【0024】さらに、この拡径ビット6の先端面25A
に形成される上記段部25bは、当該拡径ビット6が拡
径した状態において、図2に示すように先端側から見て
デバイス5の上記先端面9Aに形成される上記段部9c
に連なるように、上記軸線Oを中心とした円弧状に形成
されている。一方、この段部25bは、当該拡径ビット
が縮径した状態においては、図3に示すように先端側か
ら見てデバイス5の先端面9Aの上記外周部9aから内
周部9bに向けて上記段部9cを横切るように延び、掘
削時の工具本体3の回転方向T側を向いて配置されるこ
ととなる。
【0025】さらにまた、本実施形態では、デバイス5
の先端部9の上記取付孔12に取り付けられる上記パイ
ロットビット7は、円盤状の本体28の先端面28Aお
よび外周面28Bに超硬合金等の硬質材料よりなる多数
のチップ29…が植設されるとともに、この本体28の
後端面28Cの中央には、上記取付孔12に挿入される
軸部30が形成された構成とされている。さらに、この
軸部30の外周には、先端側に雄ねじ部30Aが形成さ
れるとともに後端側には環状溝30Bが形成される一
方、上記取付孔12の内周には、上記止まり孔19の開
口部よりも先端側に雌ねじ部12Aが形成されており、
この雌ねじ部12Aに上記雄ねじ部30Aがねじ込まれ
ることにより、パイロットビット7は取付孔12に螺着
される。また、この状態で、上記取付孔12内周の止ま
り孔19の開口部と上記軸部30の環状溝30Bとは、
上記軸線O方向の位置が一致して互いに連通するように
配置されており、この止まり孔19にピン31およびス
ペーサ32を挿入してスナップリング33よって固定す
ることにより、このピン31が軸部30の環状溝30B
に係合してパイロットビット7が抜け止めされるように
なされている。
【0026】ここで、このように取付孔12に取り付け
られたパイロットビット7の上記本体28は、その後端
面28Cがデバイス5の先端部9の上記先端面9Aとの
間に間隔を開けて先端側に位置し、すなわちデバイス5
の凹所10…に取り付けられた拡径ビット6…よりも軸
線O方向先端側に位置しており、しかもその軸線Oから
の外径は、各拡径ビット6…の内周端からデバイス5の
軸線Oまでの径方向の間隔よりも大きくなるように、上
記軸線Oと中心軸Xとの径方向の間隔より僅かに大きく
設定されている。従って、これらにより、このパイロッ
トビット7の本体28は、図1に示すように上記拡径ビ
ット6…の内周側の部分に覆い被さるように配設され、
特に拡径ビット6…が拡径した状態においては、図2に
示すように拡径ビット6の本体25の上記平坦面25a
を覆い隠すように配設されることとなる。
【0027】そして、さらに本実施形態では、このパイ
ロットビット7の本体28の後端面28Cと、デバイス
5の先端部9の先端面9Aおよび拡径ビット6…の本体
25先端の上記平坦面25aとの間に、円環平板状をな
すスペーサ34が、その中央の貫通孔34Aにパイロッ
トビット7の軸部30を挿通させて介装されている。こ
こで、このスペーサ34は、工具本体3のデバイス5や
拡径ビット6…およびパイロットビット7を形成する金
属材料よりも、やや硬度の低い金属材料から形成されて
なるものであり、かかるスペーサ34を上述のように介
装した状態で、パイロットビット7の軸部30に形成さ
れた雄ねじ部30Aを取付孔12の雌ねじ部12Aにね
じ込むことにより、当該スペーサ34はその先端側およ
び後端側の両端面34B,34Cをパイロットビット7
の本体28の後端面28Cとデバイス5の先端面9Aと
にそれぞれ密着させて取り付けられている。なお、上述
のように、このデバイス5の先端面9Aに対して拡径ビ
ット6…の上記平坦面25aが僅かに後退していること
から、この平坦面25aとスペーサ34の後端面34C
との間には、極小さな隙間が画成されることとなる。
【0028】また、パイロットビット7の本体28の先
端面28Aには、その中央から外周側に向かう4条の凹
溝35…が周方向に等間隔に、かつ軸線O方向先端側か
ら見てデバイス5の凹所10…の各壁面10Dに直交す
る方向に延びるように形成されている。さらに、この本
体28の外周面28Bには、多数の凹溝36…が軸線O
方向に延びるように形成されており、そのうちの4条の
凹溝36A…は幅広とされて、それぞれ上記凹溝35…
の外周端において各凹溝35…に連通するように形成さ
れる一方、残りの凹溝36…のうちさらに4条の凹溝3
6B…は、先端側から見て図2に示すように、デバイス
5の上記凹所10の凹部13に開口する上記空気孔15
の位置に一致するように配置されている。さらに、この
パイロットビット7には、上記軸部30から本体28に
向けて軸線Oに沿って先端側に延びるように空気孔37
が形成されており、この空気孔37は先端側で2つに分
岐して、上記凹溝35…のうち互いに反対側に位置する
一対の凹溝35,35の内周側端部に開口するように形
成されている。
【0029】次に、図4および図5を用いて、このよう
に構成された掘削工具により、軟弱な地層Aの下に硬質
な地層Bが展開する地盤を掘削する場合の、本発明の掘
削工法の一実施形態について説明する。本実施形態で
は、まず上層の軟弱な地層Aに対して上記掘削工具によ
りケーシング1を伴った掘削を行う。すなわち、デバイ
ス5の上記外周面9Bに形成された第1、第2の係合凹
部17…,18…に、ドライブガイド4の内周面4Bに
形成された第1、第2の係合凸部23…,24…をそれ
ぞれ挿入した状態で、工具本体3を軸線O回りに上記回
転方向Tに回転させつつ該軸線O方向先端側に打撃力を
与えることにより、各拡径ビット6…の本体25が掘削
抵抗によって図1および図2に示すように拡径して位置
決めされ、この拡径状態でさらに回転打撃力が与えられ
ることにより、これら拡径ビット6…と上記パイロット
ビット7とが土砂や岩石等を破砕しつつ掘削が行われ
る。
【0030】このとき、工具本体3と上記ドライブガイ
ド4とは、上記第2の係合凸部24…が第2の係合凹部
18…の上記壁面18Aに当接することによって一体に
回転されるとともに、第1の係合凸部23…の後端側を
向く壁面23Aに第1の係合凹部17…の先端側を向く
壁面17Aが当接することによって一体に前進させられ
る。また、ドライブガイド4とケーシング1およびケー
シングトップ2とは、ドライブガイド4の外周面4Aの
段部22がケーシングトップ2の後端面2Aに当接する
ことにより、一体に前進させられるとともに軸線O回り
に相対的に回転させられる。従って、このように工具本
体3に回転打撃力が与えられることにより、これら工具
本体3、ドライブガイド4、ケーシングトップ2および
ケーシング1は一体に前進するとともに、回転する工具
本体3およびドライブガイド4に対してケーシングトッ
プ2およびケーシング1の回転は拘束され、ケーシング
1を伴った掘削が行われる。なお、掘削時に生成された
くり粉は、空気孔15,37から噴出される空気によ
り、上記凹溝16…を通してケーシング1内を後端側に
排出される。
【0031】そして、このようにケーシング1を伴った
掘削により、図4に示すようにケーシング1の先端が軟
弱な地層Aの下の硬質な地層Bに達してケーシング1が
所定の深さまで埋設されたならば、工具本体3に回転打
撃力を与えるのを一旦中断し、工具本体3を軸線O回り
に掘削時の回転方向Tとは反対側に回転させる。する
と、これにより、工具本体3とドライブガイド4とが相
対的に回転して、ドライブガイド4の内周面4Bの第
1、第2の係合凸部23…,24…が工具本体3の外周
面9Bの第1、第2の係合凹部17…,18…から引き
出され、図3に示すように第2の係合凸部24…の回転
方向T側を向く壁面24Bが、凹溝16の回転方向Tと
は反対側の壁面16Aに当接したところで、第1、第2
の係合凸部23…,24…がすべて凹溝16…内に臨ん
だ状態で位置決めされ、工具本体3が軸線O方向先端側
に抜脱可能とされる。従って、上記壁面24Bが壁面1
6Aに当接した位置が、上記実施形態の掘削工具におけ
る所定の回転位置とされる。
【0032】そこで、この状態から工具本体3に軸線O
方向先端側に衝撃力だけを与えることにより、ドライブ
ガイド4を残して工具本体3だけが前進するので、この
工具本体3のデバイス5の先端部9がドライブガイド4
から抜き出されたところで、工具本体3に再び回転打撃
力を与えることにより、図5に示すようにケーシング1
を伴わずにこの工具本体3だけによって硬質な地層Bの
掘削が行われる。また、こうして地層Bが所定の深さま
で掘削されたならば、工具本体3を掘削時の回転方向T
とは反対側に回転させることにより、抵抗によって拡径
ビット6…が中心軸X回りに拡径時とは反対側に回転し
て図3に示すように縮径させられるので、工具本体3を
ドライブガイド4から抜脱するときと同じように第1、
第2の係合凸部23…,24…が凹溝16…内に臨んで
位置決めされた状態で、工具本体3を回転させずに軸線
O方向後端側に後退させることにより、凹溝16…内に
係合凸部23…,24…を通して工具本体3をドライブ
ガイド4から引き抜き、さらにケーシング1から抜き出
すことができる。
【0033】従って、上述のように構成された掘削工具
によれば、上記実施形態の掘削工法のように、軟弱な地
層Aに対してはケーシング1を伴って削孔の崩壊を防ぎ
つつ掘削を行うことができるとともに、崩壊のおそれの
少ない硬質な地層Bに対してはケーシング1から工具本
体3だけを抜脱してケーシング1を伴わない掘削を行う
ことができる。従って、従来のように軟弱な地層の掘削
が終了した後に工具本体をケーシングから一旦引き抜
き、小径の工具本体に取り替えて硬質な地層の掘削を行
う場合に比べ、工具本体の引き抜き、交換、再挿入が不
要となって作業効率の大幅な向上が促されるとともに、
小径の工具本体を用意する必要もなくなり、作業コスト
の削減を図ることが可能となる。また、上記構成の掘削
工具では、従来の小径の工具本体を用いる場合のように
硬質な地層Bに形成される削孔が軟弱な地層Aに形成さ
れた削孔よりも小径となることもなく、両地層A,Bに
亙って均一な径の削孔を形成することも可能となる。
【0034】さらに、上記実施形態の掘削工具では、工
具本体3の外周面9Bとドライブガイド4の内周面4B
とのうち、ドライブガイド4の内周面4Bに該内周面4
Bから突出する係合凸部23…,24…が形成されると
ともに、工具本体3の外周面9Bには軸線O方向に延び
る凹溝16…と、この凹溝16…から掘削時の工具本体
3の回転方向Tに延びる係合凹部17…,18…とが形
成されており、これらの係合凸部23…,24…および
係合凹部17…、18…の係脱により、ドライブガイド
4に対して工具本体3を、掘削時の回転方向Tに回転し
たときには一体に回転可能かつ軸線O方向先端側に向け
て係合可能とする一方、この回転方向Tと反対側に回転
したときには相対回転可能として、所定の回転位置にお
いて軸線方向O先端側に抜脱可能としている。
【0035】従って、本実施形態によれば、工具本体3
の外周面9Bに形成されるくり粉排出用の凹溝16…を
工具本体3の抜脱に利用することができるとともに、工
具本体3とケーシングトップ2との間に介装されるため
に薄肉とならざるを得ないドライブガイド4の肉厚がさ
らに削がれるのを防いで、その強度を確保することがで
きるという効果も得られる。ただし、本実施形態ではこ
のようにドライブガイド4の内周面4Bに係合凸部23
…,24…を、また工具本体3の外周面9Bに凹溝16
…および係合凹部17…,18…を形成しているが、ド
ライブガイド4の強度が十分に確保可能な場合などに
は、これとは逆にドライブガイド4の内周面4Bに凹溝
16…および係合凹部17…,18…を、また工具本体
3の外周面9Bに係合凸部23…,24…を形成するよ
うにしてもよい。
【0036】また、本実施形態の掘削工具では、これら
の係合凸部23…,24…および係合凹部17…,18
…が、第1の係合凸部23…および第1の係合凹部17
…と、第2の係合凸部24…および第2の係合凹部18
…との組み合わせにより構成されており、ケーシング1
を伴う掘削においては、第1の係合凸部23…の軸線O
方向後端側を向く壁面23Aに第1の係合凹部17の先
端側を向く壁面17Aが当接することにより、ドライブ
ガイド4に対して工具本体3が軸線O方向先端側に係合
させられるとともに、第2の係合凸部24…に第2の係
合凹部18…の回転方向T側を向く壁面18Aが当接す
ることにより、工具本体3とドライブガイド4とが一体
回転させられるようになされている。従って、工具本体
3に与えられる回転打撃力のうち、回転方向T側への回
転力は第2の係合凹部18…と第2の係合凸部24…と
の係合によってドライブガイド4に伝えられる一方、軸
線O方向先端側への打撃力は第1の係合凹部17…と第
1の係合凸部23…との係合によってドライブガイド4
に伝えられ、さらにケーシングトップ2に伝えられてケ
ーシング1を伴った掘削がなされる。
【0037】すなわち、本実施形態の掘削工具において
は、1つの係合凹部17,18および係合凸部23,2
4には、これら回転力および打撃力のいずれか一方だけ
が作用することとなって回転打撃力が集中するようなこ
とはなく、従ってこのような回転打撃力の集中によって
各係合凹部17,18および係合凸部23,24に破損
が生じるような事態を防止することができる。しかも、
本実施形態では、より大きな負荷となる打撃力が作用す
る第1の係合凹部17…および第1の係合凸部23…
は、第2の係合凹部18…および第2の係合凸部24…
よりも、個々の大きさは大きく、また数も多く形成され
ていて、その壁面17A…,23A…の当接面積が確保
されているので、上述のような大きな負荷も十分に分散
させて受け止めることができ、これら第1の係合凹部1
7…および第1の係合凸部23…が破損するのをより一
層確実に防止することができる。
【0038】さらに、本実施形態では、ドライブガイド
4の先端に外周側に突出するフランジ部20が形成され
ており、このフランジ部20がケーシングトップ2の先
端面2Bに当接することにより、ドライブガイド4はケ
ーシングトップ2に対して軸線O方向後端側に向けても
係合可能とされている。その一方で、工具本体3は、ド
ライブガイド4の内周面4Bに形成された第1、第2の
係合凸部23…,24…が工具本体3の外周面9Bに形
成された凹溝16…を通り抜けることにより、ドライブ
ガイド4に対して軸線O方向後端側にも抜脱可能とされ
ているので、工具本体3をドライブガイド4から先端側
に抜き出して掘削を行った後に、この工具本体3を後端
側に引き抜く際には、拡径ビット6…が上記第1、第2
の係合凸部23…,24…に干渉しないように縮径され
ることとも相俟って、確実に工具本体3をドライブガイ
ド4の後端側に抜き出し、さらにケーシング1から引き
抜くことが可能となる。
【0039】なお、本実施形態では、このようにドライ
ブガイド4がケーシングトップ2に対して軸線O方向後
端側に向けても係合可能とされていることにより、工具
本体3を引き抜いたときにドライブガイド4はケーシン
グ1の先端に取り残されることとなるが、例えばこれを
図6に示す本発明の第2の実施形態の掘削工具のよう
に、上述のようなフランジ部20を形成することなくド
ライブガイド4の先端部を凹部21の外径と同じ外径と
して、ドライブガイド4をケーシングトップ2に対して
軸線O方向後端側に向けて抜脱自在とするとともに、工
具本体3の外周面9Bの先端部にフランジ部38を形成
したりして、ドライブガイド4に対して工具本体3を軸
線O方向後端側に係合可能とすれば、掘削が終了した後
の工具本体3をケーシング1から抜き出す際に、このフ
ランジ部38によってドライブガイド4ごと工具本体3
をケーシング1から抜き出すことが可能となる。なお、
この図6に示す第2の実施形態は、上記フランジ部2
0,38以外の部分は第1の実施形態と同様の構成を採
っているので、この共通する部分について図6では符号
の添付を簡略化してある。
【0040】一方、上記第1の実施形態の掘削工具にお
いては、工具本体3のデバイス5の先端部9に、拡径ビ
ット6とパイロットビット7とが取り付けられており、
先行するパイロットビット7による掘削で破砕されやす
くなった地盤が拡径ビット6…によって掘削されるの
で、掘削効率の一層の向上を図ることができる。また、
パイロットビット7の外径が拡径ビット6…の内周端か
らデバイス5の軸線Oまでの径方向の間隔よりも大きく
なるようにされているので、拡径ビット6の軸部27を
ピンなどで回動自在に固定したりせずとも、拡径ビット
6が先端側に抜け出したりするのを防止することができ
る。
【0041】さらに、本実施形態では、このパイロット
ビット7の本体28の後端面28Cと、デバイス5の先
端面9Aおよび拡径ビット6…先端の平坦面25aとの
間には、円環平板状のスペーサ34が介装されており、
従って、これらパイロットビット7とデバイス5の先端
面9Aおよび拡径ビット6の先端面25Aとの間にくり
粉が侵入して摩耗が生じたりするのを防ぐことができる
とともに、工具本体3のデバイス5に与えられる回転打
撃力を、その先端面9Aの内周部9bからこのスペーサ
34を介してパイロットビット7に確実に伝えることが
できる。また、掘削時の回転によってパイロットビット
7の軸部30に形成された雄ねじ部30Aが取付孔12
の雌ねじ部12Aにきつく締め込まれた場合でも、この
スペーサ34を破壊して取り除くことにより、パイロッ
トビット7やデバイス5には損傷を与えることなく、雄
ねじ部30Aを容易に緩めることが可能となる。
【0042】しかも、本実施形態では、このスペーサ3
4が、工具本体3のデバイス5やパイロットビット7を
形成する材質よりも硬度の低い材質により形成されてお
り、従って掘削時の負荷によってパイロットビット7が
デバイス5側に押し付けられたり、打撃力の反動によっ
て拡径ビット6の先端面25Aがスペーサ34に衝突し
たりしても、間に介装されたスペーサ34が損傷するだ
けで、これらパイロットビット7やデバイス5が損傷す
ることはなく、スペーサ34を交換するだけで容易に元
の工具本体3の状態を復元することが可能となる。さら
に、このようにスペーサ34が硬度の低い材質によって
形成されることにより、上述のように雄ねじ部30Aを
緩めてパイロットビット7を取り外す際に、スペーサ3
4を破壊しやすいという利点も得られる。
【0043】さらにまた、本実施形態では、パイロット
ビット7とともにデバイス5に取り付けられる拡径ビッ
ト6…が、その軸部27を上記取付孔14に嵌挿して拡
径ビット6を装着した状態で、軸部27の後端面27A
が取付孔14の底面14Aに当接する一方、拡径ビット
6の本体25の後端面25Cと凹所10の底面10Aと
の間、および本体25の先端面25Aの平坦面25aと
スペーサ34の後端面34Cとの間には僅かな隙間が形
成されている。従って、本実施形態においては、拡径ビ
ット6が拡縮径する際に負荷を受けつつ摺動する部分
が、軸部27の後端面27Aだけとなるので、摺動面積
を小さくして拡径ビット6の拡縮径を容易に行うことが
可能となる。
【0044】また、特に本実施形態では、この拡径ビッ
ト6の本体25の先端面25Aに、段部25bを介して
先端側に一段突出する平坦面25aが形成されており、
この段部25bは、当該拡径ビット6が縮径した状態に
おいて図3に示すように掘削時の回転方向T側を向き、
内周側に向かうに従いデバイス5の先端面9Aの上記段
部9cを横切って上記回転方向T側に向けて延び、デバ
イス5の先端面9Aの一段低められた外周部9aにはみ
出すように形成されている。このため、上述のように拡
径ビット6が縮径した状態から、工具本体3の回転によ
って上記回転方向Tの反対側に向けて周方向に抵抗が作
用すると、上記外周部9aにはみ出した段部25bがこ
の抵抗を受けて中心軸X回りに回転させられるので、よ
り速やかに拡径ビット6を拡径されることが可能とな
る。また、その一方で、この拡径ビット6が拡径した状
態で上記段部25bは、図2に示すようにデバイス5の
先端面9Aの上記段部9cと同一の円弧状に配置される
ので、掘削時の抵抗によって拡径ビット6に余計な負荷
が作用するのを避けることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ケーシングトップと工具本体との間に介装されるドライ
ブガイドがケーシングトップに対して相対回転可能かつ
先端側に向けて係合可能とされるとともに、このドライ
ブガイドに対して工具本体が、掘削時の回転方向には一
体回転可能かつ先端側に向けて係合可能とされているの
で、ケーシングを所定の深さまで埋設することができる
一方、工具本体が掘削時と反対側に回転したときにはド
ライブガイドと相対回転可能とされて、所定の回転位置
において工具本体がドライブガイドから先端側に抜脱可
能とされており、ケーシングを残して工具本体のみによ
りさらに掘削を行うことができる。従って、軟弱な地層
に対してはケーシングを伴って崩壊を防ぎつつ掘削を行
う一方、その下の硬質な地層に対しては、工具本体のみ
で効率的な掘削を行うことができ、工具の交換等を不要
として掘削効率の向上を図ることができるとともに、両
地層に亙って均一な径の削孔を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の掘削工具の第1の実施形態を示す側
断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の拡径ビット6…が拡径
した状態を示す先端側から見た一部破断正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の拡径ビット6…が縮径
した状態を示す先端側から見た一部破断正面図である。
【図4】 図1に示す実施形態を用いた本発明の掘削工
法の一実施形態を説明する図である。
【図5】 図1に示す実施形態を用いた本発明の掘削工
法の一実施形態を説明する図である。
【図6】 本発明の掘削工具の第2の実施形態を示す側
断面図である。
【符号の説明】 1 ケーシング 2 ケーシングトップ 3 工具本体 4 ドライブガイド 5 デバイス 6 拡径ビット 7 パイロットビット 9 デバイス5の先端部 9A デバイス5の先端面 9B デバイス5の外周面 10 凹所 16 凹溝 17 第1の係合凹部 18 第2の係合凹部 23 第1の係合凸部 24 第2の係合凸部 34 スペーサ O 工具本体3の回転軸線 T 掘削時の工具本体3の回転方向
フロントページの続き (72)発明者 佐分利 明弘 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの先端に設けられる略円筒状
    のケーシングトップと、このケーシングトップ内に挿通
    されて先端が該ケーシングトップから突出し、軸線回り
    に回転されるとともに該軸線方向に打撃力を受けて掘削
    を行う工具本体と、これらケーシングトップと工具本体
    との間に介装される略円筒状のドライブガイドとを備
    え、このドライブガイドは、上記ケーシングトップに対
    して上記軸線回りに相対回転可能かつ上記軸線方向先端
    側に向けて係合可能とされるとともに、このドライブガ
    イドに対して上記工具本体は、該工具本体が掘削時の回
    転方向に回転したときには一体に回転可能かつ上記軸線
    方向先端側に向けて係合可能とされる一方、該工具本体
    が上記掘削時の回転方向と反対側に回転したときには相
    対回転可能とされて、所定の回転位置において少なくと
    も上記軸線方向先端側に抜脱可能とされていることを特
    徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記工具本体の外周面と上記ドライブガ
    イドの内周面とのうち、一方の周面には該周面から突出
    する係合凸部が形成されるとともに、他方の周面には上
    記軸線方向に延びる凹溝とこの凹溝から周方向に延びる
    係合凹部とが形成されており、掘削時には上記工具本体
    の回転により上記係合凸部と係合凹部とが係合する一
    方、該工具本体が上記掘削時の回転方向と反対側に回転
    したときには上記係合凸部が上記凹溝内に位置して、上
    記工具本体が上記ドライブガイドに対して上記軸線方向
    先端側に抜脱可能とされることを特徴とする請求項1に
    記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 上記係合凹部および係合凸部は、上記ド
    ライブガイドに対して上記工具本体を上記軸線方向先端
    側に係合せしめる第1の係合凹部および第1の係合凸部
    と、上記ドライブガイドに対して上記工具本体を該工具
    本体が掘削時の回転方向に回転したときに一体に回転せ
    しめる第2の係合凹部および第2の係合凸部とから構成
    されていることを特徴とする請求項2に記載の掘削工
    具。
  4. 【請求項4】 上記ドライブガイドは上記ケーシングト
    ップに対して上記軸線方向後端側に向けても係合可能と
    されるとともに、このドライブガイドに対して上記工具
    本体は上記軸線方向後端側にも抜脱可能とされているこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の掘削工具。
  5. 【請求項5】 上記ドライブガイドは上記ケーシングト
    ップに対して上記軸線方向後端側に向けては抜脱自在と
    されるとともに、このドライブガイドに対して上記工具
    本体は上記軸線方向後端側に係合可能とされていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の掘削工具。
  6. 【請求項6】 軸線回りに回転されるとともに該軸線方
    向に打撃力を受ける工具本体により、円筒状のケーシン
    グトップを介してケーシングを伴いつつ掘削を行い、上
    記ケーシングを所定の深さまで埋設した後、上記工具本
    体を上記ケーシングトップから上記軸線方向先端側に抜
    脱し、上記ケーシングを残して上記工具本体によりさら
    に掘削を行うことを特徴とする掘削工法。
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