JP3348650B2 - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

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JP3348650B2
JP3348650B2 JP17189798A JP17189798A JP3348650B2 JP 3348650 B2 JP3348650 B2 JP 3348650B2 JP 17189798 A JP17189798 A JP 17189798A JP 17189798 A JP17189798 A JP 17189798A JP 3348650 B2 JP3348650 B2 JP 3348650B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略円筒状のケーシ
ングパイプ内に、先端に掘削ビットが取り付けられたロ
ッドが挿入された、いわゆる二重管ビット式の掘削工具
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アンカー工事や各種削井工事、基礎杭工
事などの土木工事において崩壊しやすい地盤の掘削を行
なう場合、円筒状のケーシングパイプ内に挿入されたロ
ッドの先端に掘削ビットを取り付けた二重管ビット式の
掘削工具が多用されており、上記ロッドを介して掘削ビ
ットに回転打撃力等を与えて掘削を行いつつ、こうして
掘削された削孔にケーシングパイプを建て込んで削孔の
崩落を防ぐようにしている。ここで、上記ケーシングパ
イプの後端部には筒状のフロントアダプタが取り付けら
れるとともに、このフロントアダプタ内にはアダプタが
挿入されてその先端部が上記ロッドの後端内周部にねじ
込まれて連結されており、これらアダプタ、ロッド、お
よび掘削ビットは上記ケーシングパイプおよびフロント
アダプタに対して回転可能とされている。そして、掘削
時には上記アダプタに削岩機から回転打撃力を与えるこ
とにより、ロッドを介して掘削ビットにこの回転打撃力
を伝えて掘削を行うとともに、ケーシングパイプにはア
ダプタから上記フロントアダプタを介して打撃力だけを
与え、掘削ビットによって形成された削孔内にケーシン
グパイプを建て込むようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
掘削工具において、単一の上記ケーシングパイプやロッ
ドの長さ以上の深さの削孔を掘削する場合には、初めの
ケーシングパイプが所定の深さまで建て込まれたところ
で上記アダプタやフロントアダプタを一旦取り外し、ケ
ーシングパイプやロッドの後端に次のケーシングパイプ
やロッドを継ぎ足してその長さを延長し、しかる後この
次のケーシングパイプやロッドの後端にフロントアダプ
タおよびアダプタを取り付けて再び掘削を行い、このよ
うな操作を繰り返すことによって所望の深さの削孔を掘
削するとともに該削孔にケーシングパイプを建て込むよ
うにしている。
【0004】ところが、従来の二重管ビット式掘削工具
では、ロッドからアダプタを取り外す際に、単にアダプ
タをロッドへのねじ込み方向とは逆に回転させただけで
は、ロッドおよび掘削ビットがアダプタと一体に逆回転
してとも回りしてしまい、ネジを緩めることができなく
なるため、一旦アダプタをロッドおよび掘削ビットごと
ケーシングパイプおよびフロントアダプタに対して後退
させ、次いでフロントアダプタをケーシングパイプに対
して後退させてケーシングパイプを露出させ、さらにこ
の状態を保持したまま、ケーシングパイプ外周の露出し
た部分に形成された平坦面にスパナをかけるなどしてケ
ーシングパイプの回転を拘束した上で、アダプタを逆回
転させてロッドから取り外さなければならず、かかるロ
ッド継ぎ足しの作業が煩雑となるとともに多くの作業時
間を要する結果となってしまう。また、所望の深さまで
掘削された削孔から上記ロッドを抜き取る場合でも、同
様の操作を行って継ぎ足されたロッドを順次取り外して
行かなければならないため、この抜き取り作業にも多く
の時間と労力とを費やすことになる。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、かかる二重管ビット式の掘削工具において、ロ
ッドの継ぎ足しや抜き取り作業の簡略化を図って当該作
業に要する時間を短縮し、掘削作業の効率化を図ること
が可能な掘削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、円筒状のケ
ーシングパイプと、先端に掘削ビットが取り付けられて
上記ケーシングパイプ内に挿入されるロッドと、上記ケ
ーシングパイプの後端部に同軸的に取り付けられる筒状
のフロントアダプタと、このフロントアダプタ内に挿入
されて上記ロッドの後端内周部にねじ込まれるアダプタ
とを備え、このアダプタおよびロッドを、上記ケーシン
グパイプおよびフロントアダプタに対して進退可能とし
て所定の前進位置において回転可能とし、かつ所定の後
退位置においては上記ロッドの上記フロントアダプタに
対する回転が拘束されるようにしたことを特徴とする。
【0007】従って、このように構成された掘削工具に
よれば、掘削ビットにロッドを介してアダプタから回転
打撃力を与えて掘削を行う際には、これらアダプタおよ
びロッドがフロントアダプタおよびケーシングパイプに
対して所定の前進位置に配置されて回転可能とされ、こ
れにより掘削ビットを回転させつつ前進させて掘削を行
うことができる。そして、ロッドを継ぎ足したり取り外
したりする際には、これらアダプタおよびロッドを後退
させて上記所定の後退位置に配置してロッドのフロント
アダプタに対する回転を拘束することにより、このフロ
ントアダプタを介してロッドを固定してアダプタだけを
緩めることが可能となるので、従来のようにフロントア
ダプタを後退させた状態を保持しながらロッドにスパナ
をかけて固定したりするような必要がなく、このような
ロッドの継ぎ足し、取り外し作業を容易に行うことがで
きる。
【0008】ここで、このようにアダプタおよびロッド
をケーシングパイプおよびフロントアダプタに対して後
退させて所定の後退位置に配置した際に、ロッドのフロ
ントアダプタに対する回転が拘束されるようにするに
は、例えば上記ロッドの後端外周部に係合部を形成する
とともに、上記フロントアダプタの内周部には、上記ロ
ッドが上記後退位置に位置したときに、上記回転の方向
に上記係合部に係合可能とされる被係合部を形成するよ
うにすればよい。また、特にこの場合、上記係合部にお
いて上記ロッドの外周部を断面略多角形状に形成すると
ともに、上記被係合部において上記フロントアダプタの
内周部の断面を、上記係合部を嵌挿可能な略多角形状に
形成することにより、これら係合部と被係合部との係合
面積を確保して、より確実かつ容易にアダプタをロッド
から緩めて抜き取ることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明の一実
施形態を示すものである。これらの図において符号1で
示すのは円筒状のケーシングパイプであって、その先端
内周部には、先端にフランジ部2Aが形成された円筒状
のケーシングトップ2が嵌挿されて溶接等により接合さ
れている。従って、このケーシングパイプ1の上記先端
内周部には、このケーシングパイプ2の後端面により、
内周側に一段縮径する段部2Bが形成されることとな
る。なお、このケーシングパイプ1の後端内周部には図
示されない雌ねじ部が形成されており、この雌ねじ部
に、次のケーシングパイプ1の先端外周部に形成された
雄ねじ部をねじ込むことにより、複数のケーシングパイ
プ1…がその軸線O方向に継ぎ足されて所望の深さの削
孔に建て込み可能とされている。
【0010】また、このケーシングパイプ1内には、該
ケーシングパイプ1の内径よりも一段小さな外径を有す
る厚肉の略円筒状のロッド3が上記軸線Oに同軸に挿入
されている。ここで、このロッド3の先端部は一段縮径
させられてその外周に雄ねじ部3Aが形成されるととも
に、後端内周部は一段拡径させられて内周に雌ねじ部3
Bが形成されており、先端側のロッド3後端の雌ねじ部
3Bに次のロッド3先端の雄ねじ部3Aをねじ込んで連
結することにより、上記ケーシングパイプ1と同様に複
数のロッド3…が軸線O方向に継ぎ足されて所望の長さ
に延長されるようになされている。そして、このロッド
3の後端外周部には、該ロッド3の外周面から突出する
ようにして係合部3Cが形成されており、この係合部3
Cは、本実施形態ではロッド3の上記後端部外周が略正
方形柱状に成形されることによって形成されていて、こ
の係合部3Cが上記軸線Oに直交する断面においてなす
正方形は、上記ロッド3の円筒部分の外周がなす円を内
接円とするとともに、その角部が上記ケーシングパイプ
1の内径よりも僅かに小さな径の円によって切り欠かれ
た形状とされている。
【0011】さらに、こうしてケーシングパイプ1に挿
入されるロッド3…のうち最先端に挿入されるロッド3
の先端部には、本実施形態ではシャンクデバイス4を介
して上記ケーシングトップ2の先端側に突出するよう
に、パイロットビット5およびロストビット6が掘削ビ
ットとして取り付けられている。ここで、上記シャンク
デバイス4は略多段円筒状をなすものであって、その後
端内周部にはロッド3先端の上記雄ねじ部3Aがねじ込
み可能な雌ねじ部4Aが形成されるとともに、先端部外
周には雄ねじ部4Bが形成され、また先端内周部は上記
先端部外周に対して一段縮径させられてその内周に雌ね
じ部4Cが形成されている。
【0012】また、このシャンクデバイス4の外周の後
端部よりの部分には、上記ケーシングトップ2の内径よ
りも大きく、上記ケーシングパイプ1の内周に嵌挿可能
な外径を有する凸部4Dが形成されていて、この凸部4
Dがケーシングパイプ1の後端側からケーシングトップ
2の上記段部2Bに当接可能とされているとともに、こ
の凸部4Dよりも先端側における当該シャンクデバイス
4の外径は、上記ケーシングトップ2の内径よりも小さ
くされている。さらにまた、このシャンクデバイス4の
外周には、上記雄ねじ部4Bの後端側から凸部4Dの後
端側にかけて軸線Oに平行に延びる断面円弧状の複数の
凹溝4E…が周方向に等間隔に形成されており、これに
伴い上記凸部4Dも周方向に等間隔に分割されて形成さ
れることとなる。
【0013】さらに、本実施形態における掘削ビットの
うち上記パイロットビット5は、シャンクデバイス4先
端の上記雌ねじ部4Cにねじ込み可能な雄ねじ部5Aが
後端部に形成されるとともに、先端部は一段拡径した
後、先端側に向かうに従い漸次薄肉となるように形成さ
れ、その最先端には、上記軸線Oに対する直径方向に超
硬合金等の硬質材料より成るチップ7がろう付け等によ
って植設されていて、このチップ7に上記直径方向に沿
って切刃8が形成されている。なお、このパイロットビ
ット5内には、その後端から先端側に向けて軸線Oに沿
って延びる凹孔5Bが形成されており、この凹孔5Bは
パイロットビット5の上記先端部において分岐して、こ
の先端部の外周面に開口させられている。
【0014】また、掘削ビットのうちの上記ロストビッ
ト6は外形が概ね円筒状に形成されており、その内周部
の後端側には、シャンクデバイス4先端の上記雄ねじ部
4Bがねじ込み可能な雌ねじ部6Aが形成されるととも
に、このロストビット6の先端部は内外周側に向けてと
もに後端部に対して厚肉となるように形成されており、
この厚肉とされた先端部の外周には、軸線Oに平行に延
びる断面円弧状の複数の凹溝6B…が周方向に間隔をあ
けて形成されている。さらに、このロストビット6の先
端面は、周回り方向に沿って先後端側に凹凸するように
形成されているとともに、このうち先端側に凸となる部
分には、やはり超硬合金等の硬質材料より成る複数のチ
ップ9…がろう付け等によって周方向に等間隔に植設さ
れており、これらのチップ9…に、上記軸線Oに対する
半径方向に沿って切刃10がそれぞれ形成されている。
【0015】なお、本実施形態では、当該ロストビット
6の厚肉とされた先端部の内周は、その内径が上記シャ
ンクデバイス4の先端面の外径よりも小さく、かつ上記
パイロットビット5の最大外径よりも大きくなるように
形成されており、上記雌ねじ部6Aに雄ねじ部4Bをね
じ込んでシャンクデバイス4の先端に当該ロストビット
6を取り付けた状態で、このロストビット6先端内周部
の後端側を向く面がシャンクデバイス4の上記先端面に
当接可能とされるとともに、これに上記雌ねじ部4Cに
雄ねじ部5Aをねじ込んでパイロットビット5をシャン
クデバイス4の先端に取り付けた状態から、上記雌ねじ
部6Aを緩めることによって、このロストビット6だけ
が先端側に取り外し可能とされている。
【0016】さらに、上述のようにシャンクデバイス4
先端にロストビット6を取り付けた状態で、このロスト
ビット6の後端面は上記ケーシングトップ2の先端面に
ケーシングパイプ1の先端側から当接可能とされてお
り、しかもこのロストビット6の後端面からシャンクデ
バイス4の上記凸部4Dまでの軸線O方向の距離は、ケ
ーシングパイプ1の先端内周部に突出する上記ケーシン
グトップ2の軸線O方向の長さよりも長く設定されてい
る。従って、上記ロッド3の先端にシャンクデバイス4
を取り付けてケーシングパイプ1の後端側から該ケーシ
ングパイプ1内に挿入し、さらにこのシャンクデバイス
4の先端を上記ケーシングトップ2の先端から突出させ
て上述のようにパイロットビット5およびロストビット
6を取り付けた状態で、一体に取り付けられたこれらロ
ッド3、シャンクデバイス4、パイロットビット5、お
よびロストビット6は、ケーシングパイプ1およびケー
シングトップ2に対し、ロストビット6の後端面とシャ
ンクデバイス4の上記凸部4Dとがケーシングトップ2
の先端面と上記段部2Bとにそれぞれ当接する範囲内に
おいて、軸線O方向に進退可能とされる。
【0017】一方、上記ケーシングパイプ1の後端部に
は概略円筒状をなすフロントアダプタ11が取り付けら
れるとともに、このフロントアダプタ11内には後端側
からアダプタ12が挿入されて上記ロッド3の後端に連
結されている。ここで、上記フロントアダプタ11は、
その内周部の先端側が上記ケーシングパイプ1の後端部
を嵌挿可能な内径に形成されるとともに、これよりも後
端側の内周部は段部11Aを介して一段縮径してケーシ
ングパイプ1の内径と略等しくされており、そのさらに
後端側には、内周側に突出するようにして被係合部11
Bが形成されている。この被係合部11Bは、本実施形
態ではフロントアダプタ11の内周部が軸線Oに直交す
る断面において略正方形状をなすように形成されたもの
であり、この被係合部11Bがなす正方形は、ロッド3
の上記係合部3Cの断面がなす正方形が嵌合可能な大き
さとされている。
【0018】そして、さらにこの被係合部11Bは、上
記軸線O方向については、上述のようにロッド3および
シャンクデバイス4を前進させることにより上記凸部4
Dがケーシングトップ2の段部2Bに当接して位置決め
された状態では、上記ロッド3の後端よりもさらに後端
側に位置するように、かつ、上記パイロットビット5お
よびロストビット6ごとロッド3およびシャンクデバイ
ス4を後退させることによりロストビット6の後端面が
ケーシングトップ2の先端面に当接して位置決めされた
状態では、ロッド3後端の上記係合部3Cが被係合部1
1B内に嵌挿可能となるように配置されている。なお、
この被係合部11Bよりも後端側において当該フロント
アダプタ11の内周部は、テーパ面状の当接面11Cを
介して一段拡径するように形成されている。
【0019】また、このフロントアダプタ11の後端側
の外周面には、軸線O方向において上記被係合部11B
と略同じ位置に複数の凹部11D…が周方向に等間隔に
形成されており、これらの凹部11D…は、その外周側
を向く底面が軸線Oに平行とされるとともに、この軸線
Oを挟んで反対側に位置する凹部11D,11D同士の
底面も互いに平行となるように形成されている。さらに
また、このフロントアダプタ11の外周部には、上記軸
線Oに直交する方向に延びる排出管13が接合されてお
り、この排出管13は当該フロントアダプタ11を貫通
して、上記被係合部11Bよりも先端側のフロントアダ
プタ11内周部に開口するようになされている。
【0020】さらに、上記アダプタ12は、その先端か
ら後端側に向かうに従い外径が段階的に拡径する多段円
筒状に形成されており、その先端部の外周には上記ロッ
ド3後端の雌ねじ部3Bにねじ込み可能な雄ねじ部12
Aが形成されるとともに、このアダプタ12の後端部は
上記フロントアダプタ11の後端側の内周部に嵌挿可能
な外径に形成されており、さらにこの後端部の先端面1
2Bは、上記当接面11Cに当接可能なテーパ面状に形
成されている。そして、本実施形態ではこの後端部の先
端面12Bよりも先端側の当該アダプタ12の長さは、
先端に上記シャンクデバイス4が取り付けられたロッド
3の雌ねじ部3Bに上記雄ねじ部12Aをねじ込んでア
ダプタ12を連結し、これらロッド3、シャンクデバイ
ス4、およびアダプタ12を先端側に前進させてシャン
クデバイス4の上記凸部4Dがケーシングトップ2の上
記段部2Bに当接した状態で、上記ケーシングパイプ1
の後端部に段部11Aが当接したフロントアダプタ11
の上記当接面11Cに、上記先端面12Bがちょうど当
接するように設定されている。
【0021】なお、このアダプタ12の外周面の最後端
には、フロントアダプタ11の上記凹部11D…と同様
に、その底面が軸線Oに平行かつ該軸線Oを挟んだ底面
同士も互いに平行となるような複数の凹部12C…が形
成されるとともに、この後端部において当該アダプタ1
2の内周部は大きく拡径され、その内周には雌ねじ部1
2Dが形成されている。また、この後端部と雄ねじ部1
2Aが形成された上記先端部との間のアダプタ12の中
間部12Eの外径は、フロントアダプタ11の上記被係
合部11B内に挿通可能な大きさとされ、本実施形態で
は上記ロッド3の円筒部分の外径と略等しくされてい
る。
【0022】このように構成された二重管ビット式の掘
削工具においては、掘削時にはこのアダプタ12後端の
上記雌ねじ部12Dに削岩機の駆動軸がねじ込まれて連
結され、この駆動軸から一体に連結されたアダプタ1
2、ロッド3、およびシャンクデバイス4を介して、そ
の先端のパイロットビット5およびロストビット6に軸
線O回りの回転力と該軸線O方向先端側への打撃力が与
えられる。このとき、これらアダプタ12、ロッド3、
およびシャンクデバイス4は、図1に示すようにシャン
クデバイス4の凸部4Dおよびアダプタ12の後端部の
上記先端面12Bがケーシングトップ2の段部2Bおよ
びフロントアダプタ11後端の上記当接面11Cにそれ
ぞれ当接した位置、すなわち本実施形態における所定の
前進位置で位置決めされ、この状態ではロッド3後端の
上記係合部3Cはフロントアダプタ11の被係合部11
Bよりも先端側に位置して両者が係合することはない。
【0023】従って、この前進位置においては、これら
アダプタ12、ロッド3、およびシャンクデバイス4
は、フロントアダプタ11、ケーシングパイプ1、およ
びケーシングトップ2に対して軸線O回りに回転可能と
され、上記駆動軸から与えられる回転打撃力によって上
記パイロットビット5およびロストビット6先端の切刃
8,10…が岩盤等を掘削し、削孔が形成される。ま
た、これとともに、上記ケーシングパイプ1、ケーシン
グトップ2、およびフロントアダプタ11には、上記凸
部4Dおよび先端面12Bから上記段部2Bおよび当接
面11C、段部11Aを介して先端側に向けた打撃力だ
けが伝えられ、これにより上記パイロットビット5およ
びロストビット6によって形成された削孔内にケーシン
グパイプ1が建て込まれて行く。
【0024】なお、この掘削の際には、削岩機の上記駆
動軸からアダプタ12、ロッド3、およびシャンクデバ
イス4の内周部を通してパイロットビット5の上記凹孔
5Bに圧縮空気や水等の流体が供給され、この流体は分
岐した凹孔5B…から削孔底面の掘削部位に噴出させら
れる。そして、この噴出した流体に押し流されることよ
り、掘削時に上記切刃8,10によって生成された岩盤
等の切屑、すなわちくり粉は、上記削孔底面からロスト
ビット6およびシャンクデバイス4の上記凹溝6B…,
4E…を通ってケーシングパイプ1の内周とロッド3の
外周との間に導入され、さらに後端側に押し流されてケ
ーシングパイプ1後端のフロントアダプタ11内周部か
ら上記排出管13を介して削孔外へ排出される。
【0025】しかして、本実施形態においても、形成す
べき削孔が単一のケーシングパイプ1やロッド3の長さ
よりも深い場合には、初めのケーシングパイプ1および
ロッド3が削孔内に建て込まれたところで上記アダプタ
12およびフロントアダプタ11をロッド3およびケー
シングパイプ1の後端から一旦取り外し、これに次のロ
ッド3およびケーシングパイプ1を継ぎ足して、その後
端に再びフロントアダプタ11およびアダプタ12を取
り付け、上記と同様に掘削を続行する。そして、本実施
形態においては、この初めのロッド3およびケーシング
パイプ1の後端からアダプタ12およびフロントアダプ
タ11を取り外す際に、図2および図4に示すようにロ
ッド3を適当に回転させてその後端の上記係合部3Cの
断面がなす正方形がフロントアダプタ11の被係合部1
1Bの断面がなす正方形に一致するように配置し、その
ままアダプタ12およびシャンクデバイス4ごとロッド
3を一旦後退させて上記ロストビット6の後端面をケー
シングトップ2の先端面に当接させ、すなわちロッド3
およびアダプタ12を本実施形態における所定の後退位
置に位置決めすることにより、上記被係合部11Bに係
合部3Cが嵌挿されて軸線O回りに係合し、ロッド3の
フロントアダプタ11に対する回転が拘束されることと
なる。
【0026】従って、この状態においてフロントアダプ
タ11後端の軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する上
記凹部11D,11D…にスパナ等をかけて固定するこ
とにより上記ロッド3も固定されることとなるので、こ
の状態のままアダプタ12の凹部12C,12Cにスパ
ナ等をかけて雄ねじ部12Aを緩めるようにアダプタ1
2を逆回転させることにより、ロッド3をとも回りさせ
ることなく雄ねじ部12Aを雌ねじ部3Bから抜いてア
ダプタ12を取り外すことが可能となる。そこで、ここ
からフロントアダプタ11を取り外して次のケーシング
パイプ1およびロッド3を連結して継ぎ足し、これらの
後端に再びフロントアダプタ11およびアダプタ12を
連結して上記駆動軸から回転打撃力を与えることにより
掘削が続行されるので、このような操作を繰り返すこと
によって所望の深さの削孔を形成するとともに、この削
孔内にケーシングパイプ1…を順次建て込んで行くこと
が可能となる。
【0027】また、こうして所望の深さまで削孔が形成
されてケーシングパイプ1…が建て込まれた後は、この
ケーシングパイプ1内からロッド3およびシャンクデバ
イス4を抜き取ることになるが、本実施形態の掘削工具
では、ロッド3を単に後退させただけでは上記ロストビ
ット6がケーシングトップ2のフランジ部2Aに当接し
たところでロッド3を後退させることができなくなるの
で、まずロッド3が上記前進位置に位置決めされた状態
からアダプタ12ごとロッド3を逆回転させ、シャンク
デバイス4先端の雄ねじ部4Bから上記雌ねじ部6Aを
緩めてロストビット6を取り外し、このロストビット6
を削孔内に残したまま、シャンクデバイス4およびパイ
ロットビット5ごとロッド3を後退させて抜き取るよう
にすればよい。そして、このロッド3の抜き取りの際に
も、本実施形態によれば、ロッド3後端の係合部3Cを
フロントアダプタ11の被係合部11Bに嵌挿して係合
せしめることによりロッド3の回転を拘束することがで
きるので、その後端側のアダプタ12やロッド3の雄ね
じ部12A,3Aを緩めるために逆回転させても先端側
のロッド3がとも回りすることがなく、容易かつ短時間
でロッド3の抜き取りを行うことができる。
【0028】このように、上記構成の掘削工具によれ
ば、掘削時にはロッド3を前進させて所定の前進位置で
位置決めすることにより、ロッド3のケーシングパイプ
1に対する回転が許容され、上記アダプタ12を介して
与えられる回転打撃力によって、ロッド3先端のシャン
クデバイス4に取り付けられたパイロットビット5やロ
ストビット6等の掘削ビットにより掘削が行われる。そ
して、所望の深さの削孔を形成するためにロッド3を継
ぎ足す場合や、あるいは掘削終了後にロッド3を削孔か
ら抜き取る場合には、ロッド3およびアダプタ12を後
退させて所定の後退位置に配置し、ロッド3のフロント
アダプタ11に対する回転を拘束することにより、外周
側の上記フロントアダプタ11を固定するのに伴いロッ
ド3も固定されてアダプタ12や後端側のロッド3に対
するとも回りが防止されるので、従来のように煩雑な作
業を強いることなく、容易にアダプタ12を取り外して
次のロッド3を継ぎ足したり、あるいは後端側のロッド
3を取り外したりすることができ、かかる継ぎ足し・抜
き取り作業に要する時間を短縮して掘削作業自体の効率
化を図ることが可能となる。
【0029】また、具体的に本実施形態では、上記ロッ
ド3の後端外周部に外周に突出するように係合部3Cが
形成されるとともに、このロッド3の後端に臨むフロン
トアダプタ11の内周部には、ロッド3が上記後退位置
に位置したときに上記係合部3Cに軸線O回りの回転方
向に係合可能とされる被係合部11Bが形成されてお
り、これら係合部3Cと被係合部11Bとの係合によっ
てロッド3のフロントアダプタ11に対する回転が拘束
される。従って、本実施形態によれば、このロッド3の
回転を拘束するのに複雑な機構などを要することがな
く、簡単な構造によって確実にロッド3の回転を拘束し
てロッド3の継ぎ足しや抜き取りを行うことができる。
ちなみに、本実施形態のようにロッド3やフロントアダ
プタ11に打撃力が与えられるのに伴い大きな振動等が
生じる場合においては、複雑な機構を有する回転拘束手
段ではかかる振動等による故障も生じやすくなるため、
このような簡単な構造を採ることは円滑な掘削作業を促
す上で特に効果的である。
【0030】しかも、本実施形態では、上記係合部3C
がロッド3の後端外周部を略正方形柱状に形成してなる
ものであるとともに、フロントアダプタ11の被係合部
1111Bは、該フロントアダプタ11の内周部を上記
係合部3Cが嵌挿可能な断面略正方形状に形成して成る
ものであって、このように正四角柱状の係合部3Cが正
方形孔状をなす被係合部11Bに嵌合してロッド3の回
転が拘束される。従って、例えばキーとキー溝などの嵌
合によってロッドを係合せしめる場合などに比べ、これ
ら係合部3Cと被係合部11Bとの係合面積を大きく確
保することができ、ロッド3をより確実に係合せしめて
そのフロントアダプタ11に対する回転を拘束し、一層
容易にロッド3からアダプタ12や後端側のロッド3を
緩めて抜き取ることが可能となる。
【0031】なお、本実施形態ではこのように係合部3
Cおよび被係合部11Bを断面略正方形状となるように
形成しているが、この断面を例えば正六角形等の他の正
多角形状に形成するようにしてもよく、このように断面
を正多角形状に形成した場合には、各正多角形ごとにロ
ッド3の係合部3Cが軸線O回りに所定の回転角度おき
に被係合部11Bに嵌挿可能となるので、より容易に係
合部3Cを被係合部11Bに係合せしめることが可能と
なり、ロッド3の継ぎ足しや抜き取り作業を一層効率的
に行うことができる。ただし、本実施形態ではこのよう
に係合部3Cおよび被係合部11Bの断面を正多角形状
に形成しているが、係合部3Cが被係合部11Bに嵌挿
可能であるなら、必ずしもこのような構成を採る必要は
なく、正多角形以外の多角形や、一部に曲線が混在した
多角形状としてもよい。
【0032】また、本実施形態では上述のように、ロッ
ド3を前進させた際に、ケーシングパイプ1先端に接合
されたケーシングトップ2の段部2Bにシャンクデバイ
ス4の凸部4Dが当接した位置を所定の前進位置とし、
またロッド3を後退させた際には、シャンクデバイス4
先端に取り付けられたロストビット6がケーシングトッ
プ2先端に当接した位置を所定の後退位置としている
が、ロッド3およびアダプタ12がケーシングパイプ1
およびフロントアダプタ11に対して進退可能であっ
て、これらロッド3およびアダプタ12を前進させた際
に回転可能であり、かつ後退させた際にはロッド3のフ
ロントアダプタ11に対する回転が拘束されるのであれ
ば、必ずしもケーシングトップ2の上記段部2Bや先端
に当接した位置を上記先端位置や後端位置とする必要は
なく、場合によってはケーシングトップ2を設けない構
成としてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ケーシングパイプに挿入されるロッドおよびその後端に
ねじ込まれるアダプタを、ケーシングパイプおよびその
後端に取り付けられるフロントアダプタに対して進退可
能として所定の前進位置において回転可能とし、該ロッ
ドの先端に取り付けられる掘削ビットによって削孔を形
成するとともに、所定の後退位置においては上記ロッド
の上記フロントアダプタに対する回転が拘束されるよう
にすることにより、このロッドの後端に次のロッドを継
ぎ足す場合や掘削終了後にロッドを削孔から抜き取る場
合のアダプタやロッドの取り外しを容易に行うことがで
き、かかる作業の簡略化を図って作業時間を短縮し、引
いては掘削作業の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す、ロッド3が所定
の前進位置にあるときの断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態を示す、ロッド3が所定
の後退位置にあるときの断面図である。
【図3】 図1および図2に示す実施形態の掘削工具を
先端側から見た正面図である。
【図4】 図2におけるZZ断面図である。
【図5】 図1および図2に示す実施形態のロッド3後
端、フロントアダプタ11、およびアダプタ12の一部
破断した分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシングパイプ 2 ケーシングトップ 3 ロッド 3C 係合部 4 シャンクデバイス 5 パイロットビット(掘削ビット) 6 ロストビット(掘削ビット) 8,10 切刃 11 フロントアダプタ 11B 被係合部 12 アダプタ O ケーシングパイプ1の軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇元 宏親 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 三菱マテリアル株式会社 岐 阜製作所内 (56)参考文献 特開 平7−243295(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 7/20 E21B 17/02 E21B 17/04 E21B 17/08 E21B 19/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のケーシングパイプと、先端に掘
    削ビットが取り付けられて上記ケーシングパイプ内に挿
    入されるロッドと、上記ケーシングパイプの後端部に同
    軸的に取り付けられる筒状のフロントアダプタと、この
    フロントアダプタ内に挿入されて上記ロッドの後端内周
    部にねじ込まれるアダプタとを備え、このアダプタおよ
    び上記ロッドは、上記ケーシングパイプおよびフロント
    アダプタに対して進退可能とされて所定の前進位置にお
    いて回転可能とされ、かつ所定の後退位置においては上
    記ロッドの上記フロントアダプタに対する回転が拘束さ
    れることを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記ロッドの後端外周部には係合部が形
    成されるとともに、上記フロントアダプタの内周部に
    は、上記ロッドが上記後退位置に位置したときに、上記
    回転の方向に上記係合部に係合可能とされる被係合部が
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削
    工具。
  3. 【請求項3】 上記係合部において上記ロッドの外周部
    は断面略多角形状に形成されるとともに、上記被係合部
    において上記フロントアダプタの内周部の断面は、上記
    係合部を嵌挿可能な略多角形状に形成されていることを
    特徴とする請求項2に記載の掘削工具。
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