JPH11315688A - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

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JPH11315688A
JPH11315688A JP22628498A JP22628498A JPH11315688A JP H11315688 A JPH11315688 A JP H11315688A JP 22628498 A JP22628498 A JP 22628498A JP 22628498 A JP22628498 A JP 22628498A JP H11315688 A JPH11315688 A JP H11315688A
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axis
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Takeshi Hayashi
猛 林
Kazuyoshi Yoshida
和由 吉田
Kimiya Hisada
仁也 久田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ嵌合によって掘削ビットを工具本体に取
り付けた掘削工具において、回転力が作用しても掘削ビ
ットが締め付けられすぎてしまうのを防ぎ、交換時等に
掘削ビットを容易に取り外すことを可能とする。 【解決手段】 工具本体3の取付穴16に装着されるス
リーブ18の内周に設けられた雌ねじ部19に、パイロ
ットビット4の軸部4B外周の雄ねじ部30をねじ嵌合
させることにより、工具本体3の先端部に掘削ビットと
してパイロットビット4を取り付けた掘削工具におい
て、これらのねじ部19,30のリード角を5°〜16
°の範囲に設定するとともに、ねじ部19,30の中心
軸線Oを含む断面におけるねじ山19A,30Aの斜面
19B,30Bの中心軸線Oに対する傾斜角θを40°
〜70°の範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンカー工事、各
種さく井工事、基礎杭工事などの土木工事において土
砂、岩石等の掘削に用いられる掘削工具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の掘削工具においては、後端側に
シャンク部を有する略円柱状の工具本体(デバイス)
と、この工具本体の先端部に取り付けられた掘削ビット
とから構成され、上記工具本体をその軸線回りに回転す
るとともに該軸線方向に打撃力を与えて上記掘削ビット
によって掘削を行う、いわゆる回転打撃式の掘削工具が
知られている。そして、本発明の発明者等は、上記掘削
ビットとして、上記工具本体に形成された取付穴に軸部
を挿入させて固定されるパイロットビットと、このパイ
ロットビットよりも工具本体の後端側外周部に回動自在
に取り付けられた拡径ビットとを備えた掘削工具を、特
願平9−235246号において提案している。しかる
に、このような掘削工具によれば、先行するパイロット
ビットによって破砕されやすくなった土砂や岩石等を拡
径ビットが掘削するような形態となるため、掘削効率の
向上を図るとともに拡径ビットへの負担を軽減すること
ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記パイロ
ットビットのように、その軸部を工具本体に形成された
取付穴に挿入させて掘削ビットを工具本体に固定する場
合には、この種の掘削工具においても、上記取付穴の内
周に雌ねじ部を形成するとともに軸部の外周には雄ねじ
部を形成し、これら雌ねじ部と雄ねじ部とをねじ嵌合さ
せるようにしている。ただし、このような掘削工具にお
いては、かかるねじの形式として一般的な三角ねじなど
ではなく、滑らかなR状のねじ山を持つロープねじやリ
バースバットレス型のねじ形状を持つハイリードねじな
どが用いられており、このような形状のねじでは、ねじ
部の中心軸線を含む断面におけるねじ山の斜面の中心軸
線に対する傾斜角が比較的小さく、すなわちこのねじ山
の斜面の傾斜が緩やかであるため、ねじ山の高さが同じ
ならばひと山ごとの雌雄ねじ部の接触面積が大きいとと
もに、該ねじ部のリード角も比較的小さく設定されてお
り、これらによってねじが緩みにくいという特徴を有し
ている。
【0004】ところが、上述のように工具本体に与えら
れる回転打撃力によって掘削を行う掘削工具において
は、掘削の際の抵抗によって上記パイロットビットにこ
れを工具本体の取付穴により深くねじ込む方向に回転力
が作用し、これによってパイロットビットの軸部が取付
穴にきつく締め付けられすぎてしまうという問題があっ
た。しかも、パイロットビットを工具本体に取り付ける
ためのねじ部が上述のように緩みにくい形式のねじとさ
れていると、パイロットビットは、その軸部が一層きつ
く取付穴に締め付けられて、過剰に強固に工具本体に固
定されてしまうため、例えばある程度掘削に使用されて
摩耗したパイロットビットを交換しようとする場合で
も、工具本体からパイロットビットを取り外すことが困
難となってしまうおそれがあった。
【0005】また、この種の掘削工具では、掘削終了後
に掘削ビットを工具本体(ケーシングパイプやロッド
等)から取り外して掘削された削孔内に残し、工具本体
だけを削孔から引き抜くようにした、掘削ビットとして
いわゆるロストビットを用いるものが、例えば実開昭5
6−121786号などにおいて提案されている。しか
しながら、このような掘削工具にあっては、上述のよう
に掘削ビットと工具本体とがきつく締め付けられてしま
うと掘削ビットを取り外すことができなくなるため、ね
じ嵌合によって掘削ビットを工具本体に取り付けること
は従来不可能とされていた。
【0006】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、ねじ嵌合によって掘削ビットを工具本体に取
り付けた掘削工具において、回転力が作用しても掘削ビ
ットが締め付けられすぎてしまうのを防ぎ、交換時等に
掘削ビットを容易に取り外すことが可能な掘削工具を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、工具本体の
先端部に掘削ビットを、これら工具本体および掘削ビッ
トの一方に設けられた取付穴内周の雌ねじ部に他方に設
けられた軸部外周の雄ねじ部をねじ嵌合させて取り付
け、これらのねじ部のリード角を5°〜16°の範囲に
設定するとともに、該ねじ部の中心軸線を含む断面にお
けるねじ山の斜面の該中心軸線に対する傾斜角を40°
〜70°の範囲に設定したことを特徴とする。しかる
に、このようなねじ部によって工具本体に掘削ビットが
取り付けられた掘削工具においては、当該ねじ部のリー
ド角が5°以上と従来のものよりも大きく、しかもねじ
山の斜面の傾斜角も40°以上の急勾配であって雌雄ね
じ部の接触面積が小さいため、雌ねじ部に雄ねじ部をね
じ込んでも軸部が締め付けられすぎることがない。ただ
し、上記リード角が16°を上回ったり、上記傾斜角が
70°を上回ったりするほど大きいと、掘削ビットが緩
みやすくなりすぎて掘削時にがたつきを生じたりするお
それがある。
【0008】なお、上記構成の掘削工具においては、上
記ねじ部のねじ山を断面台形状をなすように形成するこ
とにより、雌雄ねじ部の接触面積をさらに小さくして掘
削ビットの取り外しを一層容易とすることができる。一
方、このような掘削工具においては、大きな掘削負荷が
作用する掘削ビットを確実に取り付けるため、上記軸部
にある程度の外径を確保しなければならず、これに伴い
上記取付穴の内径も自ずと大きくなる。ところが、この
ような内径の大きな取付穴に上述のような雌ねじ部を直
接形成するのは容易ではなく、当該掘削工具を製造する
際の工数の増加を招く結果となる。そこで、このような
場合には、上記雌ねじ部を、上記工具本体および掘削ビ
ットの一方に取り付けられる円筒状のスリーブの内周部
に形成するようにして、このスリーブを周方向に分割可
能とするのが望ましく、これによって当該雌ねじ部の形
成が容易となって工数を抑えることができるとともに、
分割されたスリーブと上記工具本体および掘削ビットの
一方との間に画成されるクリアランスによって遊びが生
じ、掘削ビットを一層取り外し易くすることが可能とな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態の掘削工具
は、円筒状のケーシング1の先端に接合された円環状の
ケーシングトップ2内に挿通されてその軸線O回りに回
転されるとともに該軸線O方向先端側に向けて打撃力を
受ける工具本体(デバイス)3と、この工具本体3の先
端中央部に固定的に取り付けられる本実施形態の掘削ビ
ットとしてのパイロットビット4と、上記工具本体3の
先端部において上記パイロットビット4よりも後端外周
側に周方向に等間隔に配置され、上記軸線Oに平行な中
心軸X回りに回動自在に取り付けられた3つの拡径ビッ
ト5…とから概略構成されている。ここで、上記ケーシ
ングトップ2は、その後端部をケーシング1内に嵌挿さ
せて溶接されることによりケーシング1の先端に取り付
けられており、これによってケーシング1の先端側内周
部には、上記ケーシングトップ2の後端面2Aによる段
部が形成されている。
【0010】上記工具本体3は概略多段円柱状に形成さ
れていて、その後端部にはシャンク部6が形成され、こ
のシャンク部6に装着される図示しないハンマによって
工具本体3に上述のような回転打撃力が与えられる。ま
た、工具本体3の外周部には上記ケーシング1内に嵌挿
可能でケーシングトップ2の内径よりも大きな外径のフ
ランジ部7が形成されるとともに、このフランジ部7よ
りも先端側の外周部の外径は上記ケーシングトップ2内
に嵌挿可能な大きさとされている。さらに、この工具本
体3の外周部には、該工具本体3の先端から軸線Oに平
行に上記フランジ部7にかけて貫通する断面「コ」字状
の3条のくり粉の排出溝8…が周方向に等間隔に形成さ
れているとともに、工具本体3の先端面には、上記拡径
ビット5…が収容される3つの凹所9…が上記排出溝8
…の開口部にそれぞれ連通するように形成されている。
【0011】上記凹所9は、工具本体3の先端面から一
段後退する底面9Aと、この底面9Aから垂直に屹立し
て工具外周側を向く壁面9Bおよび掘削時の工具回転方
向T側を向く壁面9Cとから概ね画成されており、工具
先端側から見て上記壁面9Bは段状をなしてその外周側
が上記排出溝8の工具回転方向T側の部分に交差する一
方、上記壁面9Cは壁面9Bに凹円弧面状の壁面を介し
て交差し、かつその外周側は上記排出溝8よりも工具回
転方向Tの後方側の部分において工具本体3の外周面に
連なるように形成されている。また、この凹所9の上記
底面9Aには、上記排出溝8との交差部に、工具外周側
に向かうに従い漸次深くなるように傾斜する凹部10が
形成されるとともに、上記壁面9B,9Cの交差部近傍
には、工具先端側から見て上記凹円弧状をなす壁面の中
心軸と同軸となるように上記断面円形の取付穴11が形
成されており、この中心軸が上記拡径ビット5の回動の
中心軸Xとなる。なお、上記工具本体3の先端面は、そ
の内周部が概略円形の段部12を介して外周部よりも工
具先端側に一段突出するように形成されており、凹所9
…はこの段部12を越えて上記先端面の内周部にまで至
るように形成されている。
【0012】このように形成された凹所9に収容される
上記拡径ビット5は、工具先端側から見て羽根型をなす
ブロック状の本体5Aの後端面に、上記取付穴11に嵌
挿可能な円柱状の軸部5Bが一体形成されたものであ
り、本体5Aの先端面および外周側端面には超硬合金等
の硬質材料よりなる多数のチップ13…が植設されてい
る。また、工具先端側から見て、この本体5Aの上記外
周側端面とは反対側の側面は、凹所9の上記凹円弧状壁
面と略等しい曲率半径の凸円弧面状に形成されるととも
に、上記軸部5Bはこの凸円弧面の中心軸と同軸に配置
されており、上述のようにこの軸部5Bを取付穴11に
嵌挿した状態で、本体5Aの凸円弧状の上記側面が凹所
9の凹円弧状の上記壁面に摺接可能とされている。そし
て、このように軸部5Bを取付穴11に嵌挿して凹所9
に収容された拡径ビット5は、工具本体3が上記工具回
転方向Tに回転した際には、掘削抵抗によって図2に示
すように拡径して上記壁面9Cに当接することにより位
置決めされ、逆に工具本体3が工具回転方向Tとは逆方
向に回転した際には、図3に示すように縮径して上記壁
面9Bに当接することにより位置決めされる。
【0013】なお、この拡径ビット5の本体5Aは、該
拡径ビット5が縮径した状態において、その上記軸線O
から最も離れた部位の軸線Oからの外径が上記ケーシン
グトップ2の内径よりも小さくされる一方、拡径ビット
5が拡径した状態においては、上記外周側端面が上記ケ
ーシング1の外周面よりも外周側に突出し、かつ軸線O
を中心とした円弧面状をなすように形成されている。ま
た、本実施形態では、この拡径ビット5の上記軸部5B
の長さは、上記取付穴11の深さよりも僅かに長く形成
されていて、軸部5Bの後端面が取付穴11の底面に当
接する一方、本体5Aの後端面と凹所9の底面9Aとの
間には僅かな隙間が画成されている。さらに、本体5A
の先端面のうち該本体5Aの上記凸円弧面状の側面側の
部分は、段部14を介して工具先端側に一段突出する平
坦面とされており、この平坦面は上記軸部5Bを取付穴
の底面に当接させた状態で、工具本体3の先端面の一段
突出した内周部よりも僅かに後退するように配置される
一方、上記段部14は工具先端側から見て、拡径ビット
5が拡径した状態において工具本体3の先端面の上記段
部12に連なる円弧状に形成されるとともに、拡径ビッ
ト5が縮径した状態においては該段部12を横切るよう
に延びて掘削時の工具回転方向T側を向くように配置さ
れる。
【0014】一方、工具本体3内には、上記軸線Oに沿
って貫通孔15が形成されており、この貫通孔15の工
具先端側は一段拡径するように形成されていて、上記パ
イロットビット4が取り付けられる本実施形態において
の取付穴16とされている。そして、この取付穴16の
内周部の軸線O方向中央部には、該取付穴16の内周か
ら工具後端側に向けて2段に拡径する凹部17が形成さ
れ、この凹部17には上記軸線Oを中心とした略円筒状
をなすスリーブ18が取り付けられており、このスリー
ブ18の内周に1条の雌ねじ部19が形成されていて、
この雌ねじ部19は、そのリード角が5°〜16°の範
囲に設定されるとともに、上記軸線Oを含む断面におい
てそのねじ山19Aが図6に示すように台形状をなして
おり、さらにこのねじ山19Aの斜面19Bが上記軸線
Oに対してなす傾斜角θは40°〜70°の範囲に設定
されている。なお、この雌ねじ部19の捩れの向きは、
掘削時の工具本体3の回転によってパイロットビット4
が緩むことのないように、工具後端側に向かうに従い上
記工具回転方向Tの向きと反対向きに捩れるようにされ
ている。
【0015】ここで、本実施形態では、このスリーブ1
8は図4および図5に示すように外形が略1/3周の円
弧板状をなす3つのスリーブ部材18A,18B,18
Cによって周方向に分割可能とされており、これらのス
リーブ部材18A〜18Cが上記凹部17に円筒状をな
すように収容されて上記スリーブ18が構成されてい
る。なお、各スリーブ部材18A〜18Cの外周面の後
端側には外周側に一段拡径する凸部20が形成されてお
り、この凸部20を上記凹部17の2段目の拡径部に嵌
合させて該凹部17に収容されることにより、スリーブ
部材18A〜18Cは軸線O方向に拘束されている。ま
た、この凸部20には断面円弧状の凹溝21が軸線O方
向に延びるように形成される一方、工具本体3の先端面
からは上記凹部17の2段目の拡径部に連通して開口す
るように断面円形の3つのピン穴22…が軸線Oに平行
かつ周方向に等間隔に形成されており、さらにこのピン
穴22には工具先端側からピン23およびスペーサ24
が挿入されてスナップリング25によって抜け止めされ
ていて、各スリーブ部材18A〜18Cは、ピン穴22
から凹部17内に露出したピン23に上記凹溝21を係
合させることにより、軸線Oに対する周方向にも拘束さ
れている。
【0016】さらに本実施形態では、周方向に隣接する
スリーブ部材18A〜18Cの間には若干の間隔があけ
られているとともに、この間にはそれぞれピン26が介
装されている。また、図4に示すように、これら周方向
に隣接するスリーブ部材18A〜18Cの互いに対向す
る側面は外周側に向かうに従い互いに離間するように傾
斜しており、しかもスリーブ部材18A,18Bの対向
する側面同士がなす挟角αよりも、これらスリーブ部材
18A,18Bとスリーブ部材18Cとの対向する側面
同士がなす挟角βの方が大きくなるようにされている。
さらにまた、工具本体3の外周面からは、上記取付穴1
6の凹部17よりも工具後端側の部分に向けて、工具本
体3の軸線Oに直交する断面において該取付穴16の内
周に接して開口するように止まり穴27が形成されてい
る。さらに、上記貫通穴15からは3つの空気穴28…
が分岐させられて工具先端外周側に延びるように形成さ
れており、これらの空気穴28…はそれぞれ上記凹所9
…の各凹部10に開口させられている。
【0017】他方、このように構成された取付穴16に
取り付けられる上記パイロットビット4は、本実施形態
では円盤状の本体4Aの先端面および外周面に超硬合金
等の硬質材料よりなる多数のチップ29…が植設される
とともに、この本体4Aの後端面中央に、上記取付穴1
6に挿入される軸部4Bが一体に形成された構成とされ
ており、この軸部4Bの外周には、上記スリーブ18内
周の雌ねじ部19に螺合する雄ねじ部30が形成されて
いる。従って、この雄ねじ部30のリード角およびねじ
山の斜面の軸線Oに対する傾斜角は上記雌ねじ部19と
等しく設定されることとなり、すなわちリード角は5°
〜16°の範囲に、またそのねじ山30Aの斜面30B
の傾斜角θは40°〜70°の範囲に設定されることと
なる。また、この軸部4Bの雄ねじ部30よりも後端側
には環状溝31が形成されており、この環状溝31は、
雄ねじ部30を雌ねじ部19にねじ込んでパイロットビ
ット4を工具本体3に取り付けた状態で、上記取付穴1
6内周の止まり穴27と上記軸線O方向の位置が一致し
て互いに連通するように配置されていて、この止まり穴
27に工具外周側からピン32およびスペーサ33を挿
入してスナップリング34よって固定することにより、
ピン32が軸部4Bの環状溝31に係合してパイロット
ビット4が抜け止めされるようになされている。
【0018】さらに、このように取付穴16に取り付け
られたパイロットビット4の上記本体4Aは、その後端
面が工具本体3の先端面との間に間隔を開けて先端側に
位置し、またその外径は、軸線Oから各拡径ビット5…
の内周端までの間隔よりも大きくなるように設定されて
いる。また、本実施形態では、このパイロットビット4
の本体4Aの後端面と、工具本体3の先端面との間に、
円環平板状をなすスペーサ35が介装されている。この
スペーサ35は工具本体3やパイロットビット4および
拡径ビット5…を形成する金属材料よりも、やや硬度の
小さい金属材料から形成されてなるものであり、かかる
スペーサ35を介装した状態でパイロットビット4の軸
部4Bを取付穴16にねじ込むことにより、当該スペー
サ35はその先後端面がパイロットビット4の本体4A
の後端面と工具本体3の先端面とにそれぞれ密着させら
れている。
【0019】なお、上述のように、この工具本体3の先
端面に対して拡径ビット5先端の上記平坦面は僅かに後
退していることから、このスペーサ35と拡径ビット5
との間には極小さな隙間が画成されることとなる。ま
た、パイロットビット4の本体4Aの先端面には、軸線
Oに対する直径方向にその中央から外周側に向かう2条
の凹溝36,36が形成されている一方、この本体4A
の外周面には、軸線O方向に延びる6条の凹溝37…が
周方向に等間隔に形成されており、そのうちの2条は上
記凹溝36,36の外周端に連通するように形成されて
いる。さらに、このパイロットビット4には、上記軸部
4Bから軸線Oに沿って先端側に延びるように空気孔3
8が形成されており、この空気孔38は先端側で2つに
分岐して、上記凹溝36,36の内周側端部に開口する
ように形成されている。
【0020】しかるに、このように構成された掘削工具
では、掘削時には工具本体3に上記工具回転方向Tに回
転力が与えられるとともに該軸線O方向先端側に向けて
打撃力が与えられることにより、上記拡径ビット5…が
軸線X回りに拡径するように回転し、パイロットビット
4とともに岩盤等を破砕して掘削が行われる。このと
き、上記掘削工具においては、工具先端側に突出して軸
線O方向先端側に先行するパイロットビット4によって
破砕されやすくなった岩盤が、このパイロットビット4
の工具後端側において工具外周側に拡径した拡径ビット
5…によって掘削されることとなるので、効率的な掘削
を行うことができる。また、掘削が終了した後には、工
具本体3を上記工具回転方向Tとは逆方向に回転するこ
とにより、拡径ビット5…が縮径する方向に回転し、こ
れによって拡径ビット5…の軸線Oからの外径がケーシ
ングトップ2の内径よりも小さくなるので、ケーシング
1およびケーシングトップ2を削孔中に残したまま当該
掘削工具を引き抜くことが可能となる。
【0021】そして、上記掘削工具においては、上記パ
イロットビット4および拡径ビット5…のうち工具本体
3に固定的に取り付けられるパイロットビット4が、そ
の軸部4Bに形成された雄ねじ部30を工具本体3の取
付穴16内周に設けられた雌ねじ部19にねじ嵌合させ
て取り付けられており、これら雌雄ねじ部19,30
は、そのリード角が5°〜16°の範囲とされるととも
に、該雌雄ねじ部19,30の中心軸線、すなわち上記
軸線Oを含む断面におけるねじ山19A,30Aの斜面
19B,30Bの軸線Oに対する傾斜角θが40°〜7
0°の範囲に設定されて、いずれも従来の掘削工具より
大きくされている。従って、このような雌雄ねじ部1
9,30によってパイロットビット4がねじ嵌合された
掘削工具では、リード角が大きいために雄ねじ部30を
雌ねじ部19から緩めやすく、しかも上記傾斜角θも大
きいために雌雄ねじ部19,30の接触面積が小さくな
って両者の間の抵抗が少なくなる。
【0022】このため、上記構成の掘削工具によれば、
掘削時の工具本体3の回転力による掘削抵抗によってパ
イロットビット4にその軸部4Bを工具本体3の取付穴
16により強くねじ込むような回転力が作用しても、軸
部4Bの雄ねじ部30が取付穴16に設けられた雌ねじ
部19にきつく締め付けられすぎるようなことはなく、
このため例えば掘削によって摩耗したパイロットビット
4を交換したりする際に、容易にパイロットビット4を
取り外すことが可能となる。なお、上記掘削工具では上
述のように雌雄ねじ部19,30のリード角を5°〜1
6°の範囲に、またそのねじ山19A,30Aの斜面1
9B,30Bの傾斜角θを40°〜70°の範囲に設定
しているが、これは、リード角が5°を下回ったり上記
傾斜角θが40°を下回ったりする程小さいと上記効果
が十分に奏功されなくなる一方、リード角が16°を上
回ったり、傾斜角θが70°を上回ったりするほど大き
いと、逆に雄ねじ部30が雌ねじ部19から緩みやすく
なりすぎてしまい、掘削時の衝撃等によってパイロット
ビット4にがたつきを生じるおそれがあるからである。
【0023】また、特に本実施形態の掘削工具では、上
記雌雄ねじ部19,30のねじ山19A,30Aが断面
台形状をなすものであり、例えば断面が三角形状をなす
ねじ山などに比べてネジピッチが同じなら該ねじ山19
A,30Aの斜面19B,30Bを短くすることがで
き、これによって雌雄ねじ部19,30の接触面積を一
層小さくして、パイロットビット4を一層取り外し易く
することができる。しかも、このようにねじ山19A,
30Aが断面台形状に形成されることにより、上述のよ
うにねじ山19A,30Aの傾斜角θが大きく設定され
ていても、該ねじ山19A,30Aの高さを低く抑える
ことができ、これに伴い雌雄ねじ部19,30を形成す
るのに要する軸線Oに対する径方向の厚さも小さくする
ことができるので、例えば雌ねじ部19を設けるために
取付穴16の内周を必要以上に大きく削ったり、あるい
は雄ねじ部30を形成するために軸部4Bの有効径が小
さく制限されたりするような事態を避けることができ
る。
【0024】さらに本実施形態では、上記取付穴16の
内周に雌ねじ部19を設けるに際して、この取付穴16
の内周に凹部17を形成し、この凹部17に、内周に雌
ねじ部19が形成されたスリーブ18を取り付けるよう
にしており、このスリーブ18が、3つのスリーブ部材
18A〜18Cによって周方向に分割可能とされてい
る。従って、本実施形態によれば、掘削負荷を受けるパ
イロットビット4の軸部4Bの外径を確保するのに伴い
取付穴16の内径もある程度大きくしなければならない
当該掘削工具において、例えばこのように大きな内径の
取付穴16に雌ねじ部19を直接形成したりする場合に
比べ、各スリーブ部材18A〜18Cに個別に雌ねじ部
19を形成した後に、これらを組み合わせて連続する雌
ねじ部19を構成することができ、かかる雌ねじ部19
を備えた掘削工具を製造する際の工数を抑えることがで
きる。
【0025】また、このように円筒状のスリーブ18を
複数のスリーブ部材18A〜18Cによって周方向に分
割可能とすることにより、これらのスリーブ部材18A
〜18Cと工具本体3の取付穴16の上記凹部17およ
びパイロットビット4の軸部4Bとの間に径方向に僅か
ながらのクリアランスが画成され、パイロットビット4
を取り外す際にはこのクリアランスによって雌ねじ部1
9と雄ねじ部30との間に遊びが生じるので、パイロッ
トビット4の取り外しを一層容易とすることができる。
しかも、本実施形態では、各スリーブ部材18A〜18
Cが周方向に間隔をあけて配置されていて、互いに隣接
するスリーブ部材18A〜18Cの間には周方向にもク
リアランスが生じるため、さらに一層パイロットビット
4の取り外しを容易にすることができる。また、このよ
うにスリーブ部材18A〜18Cが周方向に間隔をあけ
ていることに加え、本実施形態では隣接するスリーブ部
材18A〜18Cの互いに対向する側面が傾斜してお
り、これら互いに対向する側面同士がなす挟角α,βが
異なる大きさとされているので、該スリーブ部材18A
〜18Cの凹部17への着脱も容易に行えるという利点
も得られる。
【0026】ところで、本実施形態のように工具本体3
に与えられる回転打撃力によって岩盤等の掘削を行う掘
削工具においては、工具本体3に与えられる工具先端側
への打撃力をその先端の掘削ビットとしてのパイロット
ビット4に効率的に伝えるためには、工具本体3とパイ
ロットビット4とはより大きな接触面積で面接触して密
着していることが望ましい。このため本実施形態では、
工具本体3の先端面とパイロットビット4の本体4Aの
後端面との間にスペーサ35を介装しているのである
が、このように工具本体3とパイロットビット4とを、
本実施形態のようにスペーサ35を介して間接的に密着
させた場合に、上記回転力によってパイロットビット4
が取付穴16に強くねじ込まれると、工具本体3および
パイロットビット4の本体4Aとスペーサ35とが過剰
に強く密着してしまい、これらの間の摩擦力によってパ
イロットビット4が工具本体3から一層取り外し難くな
るという問題が生じる。これは、工具本体3とパイロッ
トビット4とを直接に密着させた場合でも同様である。
【0027】しかるに、上記構成の掘削工具では、上述
のように雌雄ねじ部19,30が緩みやすい構成とされ
ているので、このように工具本体3と掘削ビットとして
のパイロットビット4の本体4Aとをスペーサ35を介
して間接的に密着させた場合でも、あるいは工具本体3
とパイロットビット4の本体4Aを直接密着させた場合
でも、確実に軸部4Bを取付穴16から抜き出してパイ
ロットビット4を工具本体3から取り外すことが可能と
なる。しかも、本実施形態では工具本体3の先端面とパ
イロットビット4の本体4Bの後端面との間に上述のよ
うにスペーサ35が介装されており、このスペーサ35
は工具本体3やパイロットビット4を形成する材質より
も硬度の小さい材質により形成されているので、万一パ
イロットビット4が工具本体3に強く密着してしまった
場合でも、このスペーサ35を破壊するなどして取り除
くことにより、両者の間に作用する摩擦力を容易に低減
せしめてパイロットビット4を取り外すことが可能とな
る。また、このようにスペーサ35が硬度の小さい材質
によって形成されることにより、例えばパイロットビッ
ト4に衝撃的な掘削負荷が作用した場合でも、この衝撃
を該スペーサ35によって吸収することができ、工具本
体3やパイロットビット4が破損したりするような事態
を防止できるといった効果も得られる。
【0028】なお、本実施形態では、ケーシング1内に
挿通される工具本体3に取付穴16が形成されるととも
に掘削ビットとしてのパイロットビット4に軸部4Bが
形成されてなる掘削工具において、これら取付穴16の
内周と軸部4Bの外周とに設けられる雌雄ねじ部19,
30のリード角およびそのねじ山19A,30Aの斜面
19B,30Bの傾斜角θを上述のように設定している
が、例えば工具本体としてケーシングパイプ自体を回転
させ、このケーシングパイプの内周を取付穴として雌ね
じ部を設けるとともに掘削ビットの後端部を軸部として
その外周面に雄ねじ部を設けた掘削工具において上記構
成を採用したりすることも可能である。また、これらと
は逆に、掘削ビットの後端に取付穴を形成してその内周
に雌ねじ部を設けるとともに、回転力を受けるロッドや
その先端に取り付けられるシャンクを工具本体としてそ
の先端の軸部外周に雄ねじ部を設け、これらの雌雄ねじ
部に上記構成を採用したりすることも可能である。
【0029】図7ないし図10に示すのは、このうち後
者の構成を採用した本発明の第2の実施形態の掘削工具
である。これらの図において符号41で示すのは円筒状
のケーシングパイプであって、その内周部にはロッド4
2が後端側から挿入されており、このロッド42の先端
に、本実施形態における工具本体としてのシャンク43
が、その先端をケーシングパイプ41から突出させて取
り付けられていて、このシャンク43の突出した先端
に、本実施形態における掘削ビットとしてのロストビッ
ト44が取り付けられている。ここで、上記ロッド42
は、ケーシングパイプ41の内径よりも一回り小さな外
径を有する略円筒状に形成されていて、その先端部の外
周には雄ねじ部42Aが形成されている。ただし、この
雄ねじ部42Aがなすネジの形状としては、一般的なロ
ープネジ等が用いられている。
【0030】また、上記シャンク43は、ケーシングパ
イプ41の内周に嵌挿可能な外径を有するとともに、そ
の先端部がこれよりも一段縮径するように形成された多
段円筒状をなしており、その後端部の内周には、上記ロ
ッド42先端部の上記雄ねじ部42Aがねじ込み可能な
雌ねじ部43Aが形成されている。従って、この雌ねじ
部43Aのネジ形状にも一般的なロープネジ等が用いら
れている。また、この雌ねじ部43Aに上記雄ねじ部4
2Aがねじ込まれた状態で、シャンク43の後端内周部
とロッド42の先端外周部との間には、上記軸線Oを中
心とする円の接線方向にスプリングピン45,45が嵌
挿される。
【0031】なお、このシャンク43のケーシングパイ
プ41に嵌挿される大径部分の外周には、図9に示すよ
うに軸線Oに直交する断面が外周側に向けて開口する
「コ」字状をなす複数条の凹溝43B…が、それぞれこ
の大径部分の先後端に開口するように該大径部分の全長
に亙って軸線Oに平行に延び、かつ互いに周方向に等間
隔に位置するように形成されている。また、これらの凹
溝43B…の外周側を向く底面には、該シャンク43の
内周部から外周側に向かうに従い工具後端側に向けて延
びるように分岐させられた空気孔43C…がそれぞれ開
口させられている。そして、このシャンク43の一段縮
径した先端部は、本実施形態における工具本体側の軸部
43Dとされており、この軸部43Dの外周には雄ねじ
部46が形成されている。
【0032】一方、このシャンク43の先端に取り付け
られる上記ロストビット44は、外形略有底円筒状をな
しており、その円筒部分の内周部が本実施形態における
工具本体側の取付穴44Aとされるとともに、この取付
穴44Aの内周にはシャンク43の上記雄ねじ部46が
ねじ込まれる雌ねじ部47が形成されていて、上記有底
円筒の底の部分を先端部として工具先端側に向けてシャ
ンク43の先端に取り付けられる。ここで、このロスト
ビット44の上記円筒部分の外径は上記ケーシングパイ
プ41の外径よりも大きくされており、その後端部外周
は工具後端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面状に
形成される一方、上記ケーシングパイプ41の先端部の
内周も、このロストビット44の後端部外周のテーパと
等しいテーパで工具後端側に向かうに従い漸次縮径する
テーパ面状に形成されている。
【0033】また、このロストビット44の先端部は、
その外径が上記円筒部分よりもさらに一段拡径するよう
に形成されており、この先端部の工具先端側を向く先端
面は上記軸線Oを中心に周方向に沿って工具先後端側に
凹凸するように形成されていて、このうち工具先端側に
凸となる断面三角形状の山部の稜線部には、超硬合金等
の硬質材料よりなるチップ48…が上記軸線Oを中心に
放射状に植設される一方、工具後端側に凹となる谷部の
外周側には、断面円弧状をなす凹溝44B…が軸線Oに
平行に形成されている。さらに、このロストビット44
の上記円筒部分の内周部底面からは、シャンク43の内
周部に連通する空気孔44Cが軸線Oに沿って工具先端
側に向けて穿設されており、この空気孔44Cは上記先
端部において2つに分岐して、軸線Oを挟んで互いに反
対側に位置する上記谷部に開口させられている。
【0034】そして、この第2の実施形態では、シャン
ク43の軸部43Dの外周に形成された上記雄ねじ部4
6と、この雄ねじ部46がねじ込まれるロストビット4
4の取付穴44Aの上記雌ねじ部47とが、そのリード
角が5°〜16°の範囲に設定されるとともに、図10
に示すように上記軸線Oを含む断面において、これら雄
ねじ部46と雌ねじ部47のねじ山46A,47Aが台
形状をなしており、さらにこれらのねじ山46A,47
Aの斜面46B,47Bが上記軸線Oに対してなす傾斜
角θが40°〜70°の範囲に設定されている。なお、
これら雌雄ねじ部46,47の捩れの向きは、やはり掘
削時のロッド42およびシャンク43の回転によってロ
ストビット44が緩むことのないように、工具後端側に
向かうに従いこれらロッド42およびシャンク43の回
転方向と反対向きに捩れるようにされている。
【0035】このように構成された掘削工具において
は、上記ロッド42が軸線O回りに上記回転方向に回転
されるとともに該ロッド42に工具先端側に向けて打撃
力が与えられ、この回転打撃力がシャンク43を介して
ロストビット44に伝えられて一体に回転打撃されるこ
とにより掘削が行われるとともに、こうして掘削された
削孔内に上記ケーシングパイプ41が建て込まれて行
く。そして、所定の深さまで掘削が行われてケーシング
パイプ41が建て込まれた後は、ロッド42を掘削時の
回転方向とは逆方向に回転させることにより、上記雌雄
ねじ部46,47を緩めてケーシングパイプ41の内径
よりも外径の大きなロストビット44を取り外し、しか
る後このロストビット44を削孔内に残してロッド42
およびシャンク43をケーシングパイプ41から引き抜
く。
【0036】しかるに、この第2の実施形態の掘削工具
においても、工具本体としてのシャンク43に掘削ビッ
トとしてのロストビット44を取り付ける上記雌雄ねじ
部46,47が、そのリード角が5°〜16°の範囲に
設定されるとともに、そのねじ山46A,47Aの斜面
46A,47Aが軸線Oに対してなす傾斜角θが40°
〜70°の範囲に設定されているので、掘削時の回転に
よって雌ねじ部47に雄ねじ部46がねじ込まれる力を
受けても、これら雌雄ねじ部46,47がきつく締め付
けられすぎてしまうようなことがなく、上述のようにロ
ストビット44をシャンク43から取り外す際には、ロ
ッド42を逆回転させることによってこれら雌雄ねじ部
46,47を確実に緩めてロストビット44だけを取り
外すことが可能となる。なお、ロッド42とシャンク4
3とを連結する雌雄ねじ部42A,43Aには、一般的
なロープネジ等が用いられているので、ロッド42を逆
回転させてもこれらの雌雄ねじ部42A,43Aに緩み
が生じることはない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具本体と掘削ビットとがねじ嵌合によって取り付けら
れた掘削工具において、掘削時に工具本体に与えられる
回転力によって掘削ビットが工具本体に締め付けられす
ぎてしまうのを防ぐことができ、摩耗等による掘削ビッ
トの交換時や、掘削終了後に掘削ビットを削孔内に取り
残して工具本体だけ引き抜く際に、掘削ビットを工具本
体から容易に取り外すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図2】 図1に示す実施形態において拡径ビット5…
が拡径した状態を示す工具先端側からの正面図である。
(ただし、ケーシング1およびケーシングトップ2は図
示が略されている。)
【図3】 図1に示す実施形態において拡径ビット5…
が縮径した状態を示す工具先端側からの正面図である。
(ただし、ケーシング1およびケーシングトップ2は図
示が略されている。)
【図4】 図1におけるZZ断面図である。
【図5】 図4に示すスリーブ18を示す側断面図であ
る。
【図6】 図1に示す実施形態の雌雄ねじ部19,30
の軸線(工具本体の軸線O)を含む拡大断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図8】 図7に示す実施形態の工具先端側からの正面
図である。
【図9】 図7におけるZZ断面図である。
【図10】 図7に示す実施形態の雌雄ねじ部46,4
7の軸線(工具本体の軸線O)を含む拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ケーシングトップ 3 工具本体 4 パイロットビット(掘削ビット) 4B,43D 軸部 5 拡径ビット 13,29,48 チップ 16,44A 取付穴 17 凹部 18 スリーブ 18A,18B,18C スリーブ部材 19,47 雌ねじ部 19A,30A,46A,47A 雌雄ねじ部19,3
0,46,47のねじ山 19B,30B,46B,47B ねじ山19A,30
A,46A,47Aの斜面 30,46 雄ねじ部 35 スペーサ 41 ケーシングパイプ 42 ロッド 43 シャンク(工具本体) 44 ロストビット(掘削ビット) O 工具本体3、シャンク43の軸線 T 掘削時の工具回転方向 θ ねじ山19A,30A,46A,47Aの斜面19
B,30B,46B,47Bの傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久田 仁也 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体の先端部に掘削ビットが、これ
    ら工具本体および掘削ビットの一方に設けられた取付穴
    内周の雌ねじ部に他方に設けられた軸部外周の雄ねじ部
    がねじ嵌合されて取り付けられており、これらのねじ部
    のリード角が5°〜16°の範囲に設定されるととも
    に、該ねじ部の中心軸線を含む断面におけるねじ山の斜
    面の該中心軸線に対する傾斜角が40°〜70°の範囲
    に設定されていることを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記ねじ部のねじ山が断面台形状をなし
    ていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 上記雌ねじ部は上記工具本体および掘削
    ビットの一方に取り付けられた円筒状のスリーブの内周
    部に形成されており、このスリーブは周方向に分割可能
    とされていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の掘削工具。
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