JPH11199942A - ストリップ巻取機のリール切替時における張力変動抑制方法及びその装置 - Google Patents
ストリップ巻取機のリール切替時における張力変動抑制方法及びその装置Info
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- JPH11199942A JPH11199942A JP1818098A JP1818098A JPH11199942A JP H11199942 A JPH11199942 A JP H11199942A JP 1818098 A JP1818098 A JP 1818098A JP 1818098 A JP1818098 A JP 1818098A JP H11199942 A JPH11199942 A JP H11199942A
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Abstract
力変動を逓減して連続処理装置への張力変動の伝搬を効
果的に防止することのできるストリップ巻取機のリール
切替時における張力変動抑制方法及びその装置を提供す
る。 【解決手段】 ストリップ12をストリップ連続処理装
置11出側の第1のロール送り装置13と第2のロール
送り装置14とに順次巻掛けて搬送し、ストリップ12
を切断して次のリール19に交換する際、ストリップ連
続処理装置11内のストリップ12に発生する張力変動
を抑制するストリップ巻取機のリール切替時における張
力変動抑制方法であって、第1のロール送り装置13を
リール切替前の通常運転状態に維持すると共に、第1の
ロール送り装置13と第2のロール送り装置14との間
で測定されるストリップ12のロール間張力を、第2の
ロール送り装置14にかかるロール速度を調整して規定
張力値の範囲に維持する。
Description
通鋼等からなるストリップにめっき、コーティング、ラ
ミネート、焼き戻し等の連続処理を行う際、ストリップ
を巻き取るのに使用されるストリップ巻取機のリール切
替時における張力変動抑制方法及びその装置に関する。
に、このストリップに発生する張力変動は、連続処理ラ
インにおけるストリップの通板性や、ストリップの表面
性状(しわ、汚れ等)、トリム、スリット加工での寸法
精度、及び形状に大きな影響を与える因子である。特
に、連続処理ラインの端部に設けられたストリップ巻取
機のリールに所定量のストリップを巻き付けた後、これ
を次のリールに切り換える際には、連続処理におけるス
トリップの張力が大きく変動することになる。従来、こ
のようなストリップにかかる張力変動を抑制するため
に、例えば以下の〜に示すような方法や装置が提案
されている。 ロール制御方式は、ストリップの連続処理を行う連続
処理部での張力を、連続処理部の入側と出側にそれぞれ
設けた入側ロール送り装置と出側ロール送り装置とによ
って制御する一般的な方式である。 ダンサーロール方式は、前記連続処理部と前記出側ロ
ール送り装置との間に、上下に移動できるダンサーロー
ルを設け、ダンサーロールの位置を調整して、ダンサー
ロールにかかるトルクとストリップにかかる張力とを釣
り合わせて、張力変動を抑制、制御する方式である。 フリーループ方式は、前記連続処理部と前記出側ロー
ル送り装置との間に、ストリップを弛ませることのでき
るフリーループ部を設置して、ストリップにかかる張力
変動をフリーループの深さの変動により吸収し遮断する
方式である。 特公昭62−48731号公報に示されるストリップ
張力制御装置は、ストリップを巻掛けてこれを所定方向
に搬送する複数組のブライドルロールを、それぞれに電
源装置を有する複数の駆動電動機によって個々に駆動す
ると共に、上記複数のブライドルロール間に張力検出器
を設け、上記両駆動電動機のそれぞれの速度調節装置に
対し、個々に張力制御信号を入力してストリップの急峻
な張力変動を防止するようにしたものである。
〜に示す方法、装置ではストリップの張力変動に対
して以下のような問題があった。前記ロール制御方式
は、シャーカット及びリール巻き付けの際に、この張力
変動が直接的に連続処理装置内のストリップに波及する
ために、急激な張力変動を両ロールに付加するトルクに
よって短時間で調整することが困難である。 ダンサーロール方式では、張力変動をダンサーロール
の位置変動として吸収して抑制しようとするが、ダンサ
ーロールの慣性力やストリップの弾性歪み、ロールとス
トリップ間の滑りなどの要素が互いに干渉しあって張力
変動を安定的に抑制、制御することが困難であった。さ
らに、過大な張力変動に対してはダンサーロールが追随
しきらず破損することもあった。 フリーループ方式は、張力変動をフリーループの深さ
変動として抑制し、張力変動の影響を遮断するものであ
るが、フリーループが存在することでストリップが無拘
束状態となるため、通板材(ストリップ)の蛇行やばた
つき等の通板性そのものが阻害される要因となってい
た。 特公昭62−48731号公報に示される装置は、複
数のブライドルロールを、各ブライドルロール間に配置
された張力検出器からの信号に基づいて個々に制御する
ので、各ブライドルロールの制御操作が互いに干渉しあ
って、張力変動を逆に増幅させたり、振動させたりして
安定して制御することが困難となる場合があった。
もので、ストリップ巻取機のリール切替時における張力
変動を逓減して連続処理装置への張力変動の伝搬を効果
的に防止することのできるストリップ巻取機のリール切
替時における張力変動抑制方法及びその装置を提供する
ことを目的とする。
記載のストリップ巻取機のリール切替時における張力変
動抑制方法は、めっき、コーティング、焼き戻し等の連
続処理を行ったストリップを、該ストリップの連続処理
を行うストリップ連続処理装置の出側に設けられた第1
のロール送り装置と第2のロール送り装置とに順次巻掛
けて搬送し、搬送ラインの端部に配置されたストリップ
巻取機のリールで所定量を巻き取った後、該ストリップ
を切断して次のリールに交換する際、前記ストリップ連
続処理装置内のストリップに発生する張力変動を抑制す
るストリップ巻取機のリール切替時における張力変動抑
制方法であって、前記第1のロール送り装置をリール切
替前の通常運転状態に維持すると共に、前記第1のロー
ル送り装置と前記第2のロール送り装置との間で測定さ
れる前記ストリップのロール間張力を、該第2のロール
送り装置に付加するロール速度を調整して規定張力値の
範囲に維持する。
切替時における張力変動抑制装置は、めっき、コーティ
ング、焼き戻し等の連続処理を行うストリップ連続処理
装置と、該ストリップ連続処理装置の出側に順次設けら
れた第1のロール送り装置と、第2のロール送り装置、
及び搬送ラインの端部に配置されたストリップ巻取機と
を有するストリップ連続処理ラインのストリップ巻取機
のリール切替時における張力変動抑制装置であって、リ
ール切替前の通常運転状態に前記第1のロール送り装置
を調整する第1のロール駆動制御装置と、前記第1のロ
ール送り装置と前記第2のロール送り装置との間に設け
られ、前記ストリップにかかるロール間張力を検出する
張力検出器と、前記第2のロール送り装置に付加するロ
ール速度を調整して前記ロール間張力を規定張力値に制
御する第2のロール駆動制御装置とを有する。請求項3
記載のストリップ巻取機のリール切替時における張力変
動抑制装置は、請求項2記載のストリップ巻取機のリー
ル切替時における張力変動抑制装置において、前記第1
及び第2のロール送り装置は、モータによって駆動され
る複数のブライドルロールと、前記ストリップを該ブラ
イドルロールとの間で押圧しながら回転して摩擦による
グリップ力を付加する押さえロールとを有している。
ップ搬送ラインの後端部に配置したストリップ巻取機を
用いて所定長さ分のストリップをリールに巻き取ると、
このストリップを走行状態のまま切断して、切断された
後部のストリップの先端部を準備した次のリールに誘導
して再度巻き取るリール切替の操作が行われる。このリ
ール切替の際、発生した過大な張力変動が後部のストリ
ップの下流側に伝搬して、ストリップ連続処理装置内で
の連続処理の際に、ストリップの通板性や、表面性状等
に悪影響を与えることになる。本発明においては、前述
のような構成とすることによりこのような張力変動の伝
搬を効果的に抑制して、通板性を良好に維持させると共
に、表面欠陥等の少ない品質に優れたストリップを得る
ことができるようにしたものである。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに図1は本発明の一実施の形態
に係るストリップ巻取機のリール切替時における張力変
動抑制方法を適用するストリップ連続処理ラインの説明
図、図2は同ストリップ連続処理ラインの一部拡大図、
図3はリール切替時における張力の変化を示した模式
図、図4はストリップ連続処理ラインにおける張力分布
図である。
取機のリール切替時における張力変動抑制方法を適用す
るストリップ連続処理ライン10は図1に示すように、
ストリップ連続処理装置の一例であるめっき処理装置1
1と、めっき処理装置11の出側に設けられ、ストリッ
プ12を搬送するための第1のロール送り装置13及び
第2のロール送り装置14と、搬送ラインの端部に配置
されストリップ12を巻き取るためのリール15を駆動
させるためのストリップ巻取機16と、めっき処理装置
11の入側に設けられた第3のロール送り装置17と、
リール15に巻き取られたストリップ12をその走行状
態で切断するための切断機18と、切断された後部のス
トリップの先端部を磁力により捕捉して待機している次
のリール19に誘導するためのベルト誘導装置20と、
特にリール切替時における張力変動を抑制するための張
力変動抑制装置30とを有している。なお、図1は各装
置の相互の配置構成を示すものであり、個々の装置の実
際の大きさに対応するものではない。
ル送り装置13をモータを用いて駆動させるための駆動
装置31と、駆動装置31をリール切替前の通常運転時
の状態に制御するための第1のロール駆動制御装置32
と、第1のロール送り装置13及び第2のロール送り装
置14との間に設けられ、ストリップ12に付加される
ロール間張力を検出するための張力検出器33と、第2
のロール送り装置14をモータを用いて駆動するための
駆動装置34と、駆動装置34によって第2のロール送
り装置14に付加されるロール速度を調整してロール間
張力を規定張力値に制御するための第2のロール駆動制
御装置35と、第3のロール送り装置17をモータ駆動
する駆動装置36と、駆動装置36を制御してストリッ
プ12を所定の通板張力に保持させるための第3のロー
ル駆動制御装置37とを有して構成されている。そし
て、図1及び図2に示すように第1〜第3のロール送り
装置13、14、17はそれぞれ複数個のブライドルロ
ール13a、14a、17aを組み合わせて構成されて
いる。なお、張力検出器33には、図2に示すように互
いに弾性的に支持された複数のロール33aで構成さ
れ、ストリップ12を介してロール33aに設置したロ
ードセル等のセンサーを用いる方式のものを適用でき
る。
0に適用する本発明の一実施の形態に係るストリップ巻
取機のリール切替時における張力変動抑制方法につい説
明する。図1において第3のロール送り装置17とめ
っき処理装置11との間、めっき処理装置11と第1
のロール送り装置13との間、張力検出器33により
測定される第1のロール送り装置13と第2のロール送
り装置14との間、及びストリップ巻取機16と第2
のロール送り装置14との間のストリップ12に作用す
る張力をそれぞれT1 (処理装置入側張力)、T2
(処理装置出側張力)、T3 (ロール間張力)、T
4 (リール張力)としている。なお、第3のロール送り
装置17の上流側における張力をT0 とする。そして、
このようなストリップ12の全体を支配する張力制御系
(T0 、T1、T2 、T3 、T4 )は、第3、第1、第
2のロール送り装置17、13、14及びめっき処理装
置11でのそれぞれのロール回転速度V1 、V2 、
V3 、V4と、ストリップ12のヤング率E、断面積A
と、各装置間等にあるストリップ12の長さLとの関数
として記述することができる。
3のロール送り装置17との間にあるストリップ12の
長さをL1 、めっき処理装置11の中央部と第1のロー
ル送り装置13との間にあるストリップ12の長さをL
2 、第1及び第2のロール送り装置13、14間にある
ストリップ12の長さをL3 としたとき、前記T1 〜T
3 は、以下の張力制御系のモデル式(1)〜(3)によ
って表すことが可能である。
式的に記号(s)に置き換えたものである。(1)〜
(3)式の第1項及び第2項はそれぞれ出側及び入側で
の張力の影響要素を、第3項は入出側速度の影響要素を
表している。また、前記τ1 〜τ3 は各制御要素におけ
る時定数を示している。
等によって、変わり得るものであり、本発明は必ずしも
上記のような数式モデルの例に限定されるものではな
く、他の数式モデルあるいは物理モデルを適用すること
も可能である。
ストリップ12がカットされて、リール張力T4 がそれ
までの通常運転時の値から瞬間的に零に減少し、過大な
張力変動が生じる。そして、(1)式で表されるロール
間張力T3 に、この張力変動がまず伝搬することにな
る。従って、この張力変動が処理装置出側張力T2 に波
及する前に、ロール間張力T3 を張力検出器33で測定
して、これを制御することによって処理装置出側張力T
2 の張力変動を抑制することができる。なお、処理装置
出側張力T2 にロール間張力T3 の変動が伝搬する時間
は、この張力制御系が(2)式のような時定数τ2 を有
する時間遅れ系であるため、この間でのストリップ12
の長さL3 が増加する程、長くなることになる。こうし
て、めっき処理装置11内での張力の変動を効果的に抑
制して、品質特性に優れたストリップ12をリール15
に巻き取ることができ、しかも、フリーループを使用す
る場合のように、ストリップ12の自由運動する部分が
ないので、ストリップ12の搬送走行中のばたつきや蛇
行運動が防止できる。
うな場合には、この張力変動が更に処理装置入側張力T
1 へと伝搬することになる。しかし、第1のロール送り
装置13を、第1のロール駆動制御装置32を用いてリ
ール切替前の通常運転時の状態を保持させることによ
り、即ち張力変動抑制装置30を作動させて、処理装置
出側張力T2 が一定となるようにして、さらに効果的に
めっき処理装置11内のストリップ12の張力変動を抑
制できる。以上説明したように、張力変動抑制装置30
によって制御されるこのような全体の張力制御系は、例
えば(1)、(2)、(3)式を用いる相互の関係とし
て示される。本発明においては、ロール間張力T3 を測
定して、これを予め定められた所定の基準値に制御し
て、ストリップ12に生じる張力変動の上流側への伝搬
を阻止すると共に、処理装置出側張力T2 を通常運転時
の状態に保持させて、めっき処理装置11内のストリッ
プ12にかかる張力変動を効果的に抑制することができ
る。
ン10のストリップ12の各張力の時間変化を示す図3
を参照しながら更に具体的に説明する。なお図2に示す
ロール駆動系は、第1のロール送り装置13を3個のブ
ライドルロール13aと2個の押さえロール13bとで
構成し、第2のロール送り装置14を4個のブライドル
ロール14aと3個の押さえロール14bとで構成し
て、その中間位置に張力検出器33を配置したものであ
る。ストリップ連続処理ライン10の通常運転期間にお
いては、ストリップ12を所定の移動速度、例えば19
0〜200m/分で搬送するために、前記第1〜第3の
ロール送り装置13、14、17、及びストリップ巻取
機16の運転状態を各装置に備えられた駆動装置及びロ
ール駆動制御装置を用いて、それぞれに定められた所定
のトルク値等に調整する。この結果、通常運転期間(図
3の最初から0.5秒までの期間)では、T1 =75
%、T2 =100%、T3 =50%、T4 =50%のレ
ベルに各張力が維持された状態となっている。なお、こ
こでは通常運転期間における処理装置出側張力T2 を基
準値(100%)として、その他の張力の値を表示して
いる。
後)においては、図1に示すように切断機18を用い
て、所定量のストリップが巻き取られた時点でストリッ
プ12を切断する。そして、図3に示すようにリール張
力T4 が急激にそれまでの値(50%)から零に下降し
て、ロール間張力T3 がこれに伴って減少する。このロ
ール間張力T3 が張力検出器33によって検出され、予
めリール切替時に設定された基準値Ta との差分(T3
−Ta )が第2のロール駆動制御装置35に入力され
る。そして、この差分に応じて第2のロール送り装置1
4が制御され、ブライドルロール14aを駆動させるモ
ータ38のトルク又はロール速度が所定の値に維持さ
れ、ロール間張力T3 を図3に示すように約1.25秒
後には元の張力値(50%)に復帰できる。このように
短時間でロール間張力T3 を復帰させることができるの
で、この間での処理装置入側張力T1 、処理装置出側張
力T2 の変動を必要最少限度に留めることができる。さ
らに、めっき処理装置11の出側に設けられた第1のロ
ール送り装置13がリール切替前の通常運転時の状態に
制御されているので、たとえロール間張力T3 の変動が
限度を超えて大きくなったとしても、この変動の影響を
第1のロール送り装置13の部分で確実に阻止すること
ができる。このため、次のリール19に交換されるまで
の過渡状態の期間にも、図3に示すように、処理装置入
側張力T1 と処理装置出側張力T2 とで規定されるめっ
き処理装置11内のストリップ12にかかる張力変動を
最少限度に抑制することができる。
側とその後部側とに切断された後部ストリップの先端部
をベルト誘導装置20が捕捉して、次に準備されたリー
ル19へのストリップ12の巻き付けが始まる瞬間(図
3の時刻3秒の時点)には、リール張力T4 が零の状態
から急激に増加することになる。そして、直上流側のロ
ール間張力T3 もこれに伴って増大するが、この時も基
準値Ta に維持するように第2のロール駆動制御装置3
5が働いて、第2のロール送り装置14が制御されるよ
うになっている。このようにしてロール間張力T3 をリ
ール巻き付けが始まってから約1.5秒後には元の状態
(50%のレベル)に復帰させることができる。このリ
ール巻き付け時における張力変動の影響を最少限度の範
囲に留めることができ、さらに第1のロール送り装置1
3のトルクがリール切替前の状態に維持されるようにな
っているので、結果として処理装置入側張力T1 と処理
装置出側張力T2 の変動が少ない範囲に抑制される。
連続処理装置の出側に設けられた2台のロール送り装置
を、それらの中間位置で測定されるストリップの張力値
に基づいて個々に制御する従来例の場合には、各ロール
送り装置の制御操作が互いに干渉しあうために、張力変
動を逆に増幅させたり、振動させたりして、ストリップ
搬送速度を安定的に維持させるためのラインマスターと
して第1のロール送り装置を機能させることが困難とな
る。具体的には、リール切替時にストリップ12が切断
されてリール張力T4 が零になると、処理装置入側張力
T1 、処理装置出側張力T2 は前記(2)、(3)式の
時定数τ2 、τ3 で規定される時間遅れをもってストリ
ップ12が大きく緩む。その後、切り離された後部スト
リップの先部がベルト誘導装置20に捕捉されて次のリ
ール19に巻き取られて牽引され、リール張力T4 が増
大して、この部分のストリップ12が大きく張られるこ
とになる。こうして、図5に示すように処理装置入側張
力T1 、処理装置出側張力T2 は時定数τ2 、τ3 に規
定される遅れをもって、大きく変動してしまう。また、
このような張力変動の伝搬現象はストリップ巻取機16
側に近い位置になる程、伝搬の時定数が小さくなる。さ
らに、2機の制御装置を同一の信号に基づいて制御して
いるので張力制御系が共振して、制御の安定性が減少す
ることになる。
に示すようにリール切替時のシャーカットによりリール
張力T4 が零となって、(1)式に従ってロール間張力
T3が減少すると、張力変動抑制装置30を用いて、こ
の張力変動を吸収、制御できる。このシャーカットの影
響を受けて、処理装置入側張力T1 、処理装置出側張力
T2 は(2)、(3)式に従って減少するが、ロール間
張力T3 を制御する応答時間が速いために大きなストリ
ップ12の緩みは発生しない。次のリール19の巻き付
け時にはストリップ12が再び引かれて、リール張力T
4 が大きくなると共に、ロール間張力T3 も大きくな
る。これを張力検出器33によって検出する。そして、
張力変動制御装置30の第2のロール駆動制御装置35
によって第2のロール送り装置14を制御し、張力変動
を吸収することができる。ここで吸収しきれなかった残
余の張力変動が、めっき処理装置11内のストリップ1
2に伝搬するが、これには時間遅れがあり、かつロール
間張力T3の復帰動作が素速く行われるので、めっき処
理装置11内のストリップ12に大きな張力変動が波及
するのを防ぐことができる。
ロール送り装置14と第1のロール送り装置13の最適
な設備仕様を決定するための方法を以下に述べる。各ロ
ールとストリップとの間で滑りを生じさせないための、
ロール送り装置のグリップ力(exp(μ・θ))とス
トリップにかかる張力との関係は以下に示す(4)、
(7)の不等式により規定され、これを満足するストリ
ップ12の全体にわたる張力マップ(張力分布図)は図
4に示すようになる。図4において横軸はストリップ連
続処理ライン10の長さに相当し、縦軸は各張力の相対
値を示している。なお、μはロールとストリップ間の摩
擦係数、θはロールとストリップとの巻き付け角度を表
しており、Σθ3 及びΣθ4 は第1、第2のロール送り
装置13、14のロール巻き付き角度のそれぞれの総和
に対応し、P31、P41は第1及び第2のロール送り装置
13、14にそれぞれ設けられた押さえロール13b、
14bにより付加されるそれぞれの押圧力を示してい
る。
置13、14の張力条件(T3 、T4min、T2min、T
3min)を用いて各ロール送り装置13、14間の最大張
力差ΔT4 、ΔT3 が(5)、(8)式によって決定さ
れる。ここで張力Tの添字(min)はそれぞれの最小
値を意味している。そして、(4)、(7)の不等式を
満足する第2及び第1のロール送り装置14、13にそ
れぞれ対応する全ロール巻き付け角度Σθ4 、Σθ
3 を、各ブライドルロール14a、13aの配置及びそ
れぞれのロール本数から設定して、(5)、(8)式か
ら求めたΔT4 、ΔT3 を、(6)、(9)式に代入し
て、各ブライドルロール駆動系の張力容量(ΣM4 、Σ
M3 )を決定することができる。なお、ΣM3 、ΣM4
は、それぞれ駆動装置31、34における各モータ38
の容量の総和に等しくなる。
aにそれぞれ押さえロール13b、14bを適用すれ
ば、第1及び第2のロール送り装置13、14のグリッ
プ力を効果的に高めると共に、より精密に制御すること
が容易になる。また、第1のロール送り装置13を、リ
ール切替時の張力変動がめっき処理装置11に伝搬する
のを抑制するためのラインマスターとして機能させ、リ
ール切替前の通常運転時のトルク状態に保持させること
も可能となる。
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本発明においては、特定個数のブ
ライドルロール及び押さえロールを特定の状態に配置し
て第1及び第2のロール送り装置を構成したが、必ずし
もこのような構成に限定されるものではなく、各ロール
の配置、個数等を適宜、変更して用いることができる。
さらに、本発明はめっき処理装置のみならず、連続的に
ストリップを処理する熱処理装置やコーティング装置、
焼き戻し装置等に適用できる。
ル切替時における張力変動抑制方法においては、第1の
ロール送り装置をリール切替前の通常運転状態に維持す
るので、ロール間張力が仮に大きく変動しても、これを
単独で制御して、このような張力制御系の制御特性に起
因して発生する振動などを効果的に防止できる。さら
に、第1のロール送り装置と第2のロール送り装置との
間で測定されるストリップのロール間張力を、第2のロ
ール送り装置に付加するロール速度を調整して規定張力
値の範囲に維持するので、リール切替時に生じるストリ
ップ巻取機側から伝搬する張力変動を効果的に抑制する
ことができる。
リール切替時における張力変動抑制装置においては、リ
ール切替前の通常運転状態に第1のロール送り装置を調
整する第1のロール駆動制御装置を有するので、ストリ
ップ下流側のロール間張力が大きく変動しても、その他
の制御系への影響を最少限度とした状態で単独に制御を
行うことができる。このため、制御系同士の干渉による
有害な振動を防止することができる。さらに、ロール間
張力を検出する張力検出器と、第2のロール送り装置に
付加するロール速度を調整してロール間張力を規定張力
値に制御する第2のロール駆動制御装置とを有するの
で、リール切替時に生じるストリップ巻取機側から伝搬
する張力変動を第2のロール送り装置を制御することに
より効果的に抑制できる。特に、請求項3記載のストリ
ップ巻取機のリール切替時における張力変動抑制装置に
おいては、モータによって駆動される複数のブライドル
ロールと、ストリップをブライドルロールとの間で押圧
しながら回転して摩擦によるグリップ力を付加する押さ
えロールとを有しているので、このような押さえロール
を有して構成される張力制御系の時定数を大きくして、
リール切替時の制御操作を安定にかつ確実に行うことが
できる。
のリール切替時における張力変動抑制方法を適用するス
トリップ連続処理ラインの説明図である。
る。
る。
である。
式図である。
ール送り装置 13a ブライドルロール 13b 押さえ
ロール 14 第2のロール送り装置 14a ブライ
ドルロール 14b 押さえロール 15 リール 16 ストリップ巻取機 17 第3のロ
ール送り装置 17a ブライドルロール 18 切断機 19 リール 20 ベルト誘
導装置 30 張力変動抑制装置 31 駆動装置 32 第1のロール駆動制御装置 33 張力検出
器 33a ロール 34 駆動装置 35 第2のロール駆動制御装置 36 駆動装置 37 第3のロール駆動制御装置 38 モータ
Claims (3)
- 【請求項1】 めっき、コーティング、焼き戻し等の連
続処理を行ったストリップを、該ストリップの連続処理
を行うストリップ連続処理装置の出側に設けられた第1
のロール送り装置と第2のロール送り装置とに順次巻掛
けて搬送し、搬送ラインの端部に配置されたストリップ
巻取機のリールで所定量を巻き取った後、該ストリップ
を切断して次のリールに交換する際、前記ストリップ連
続処理装置内のストリップに発生する張力変動を抑制す
るストリップ巻取機のリール切替時における張力変動抑
制方法であって、 前記第1のロール送り装置をリール切替前の通常運転状
態に維持すると共に、前記第1のロール送り装置と前記
第2のロール送り装置との間で測定される前記ストリッ
プのロール間張力を、該第2のロール送り装置に付加す
るロール速度を調整して規定張力値の範囲に維持するこ
とを特徴とするストリップ巻取機のリール切替時におけ
る張力変動抑制方法。 - 【請求項2】 めっき、コーティング、焼き戻し等の連
続処理を行うストリップ連続処理装置と、該ストリップ
連続処理装置の出側に順次設けられた第1のロール送り
装置と、第2のロール送り装置、及び搬送ラインの端部
に配置されたストリップ巻取機とを有するストリップ連
続処理ラインのストリップ巻取機のリール切替時におけ
る張力変動抑制装置であって、 リール切替前の通常運転状態に前記第1のロール送り装
置を調整する第1のロール駆動制御装置と、 前記第1のロール送り装置と前記第2のロール送り装置
との間に設けられ、前記ストリップにかかるロール間張
力を検出する張力検出器と、 前記第2のロール送り装置に付加するロール速度を調整
して前記ロール間張力を規定張力値に制御する第2のロ
ール駆動制御装置とを有することを特徴とするストリッ
プ巻取機のリール切替時における張力変動抑制装置。 - 【請求項3】 前記第1及び第2のロール送り装置は、
モータによって駆動される複数のブライドルロールと、
前記ストリップを該ブライドルロールとの間で押圧しな
がら回転して摩擦によるグリップ力を付加する押さえロ
ールとを有している請求項2記載のストリップ巻取機の
リール切替時における張力変動抑制装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01818098A JP3579582B2 (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | ストリップ巻取機のリール切替時における張力変動抑制方法及びその装置 |
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JPH11199942A true JPH11199942A (ja) | 1999-07-27 |
JP3579582B2 JP3579582B2 (ja) | 2004-10-20 |
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JP (1) | JP3579582B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101304634B1 (ko) * | 2012-06-21 | 2013-09-05 | 주식회사 키텍엔지니어링 | 도금강판 스트립의 엔드마크 저감장치 및 방법 |
CN104342548A (zh) * | 2013-07-30 | 2015-02-11 | 宝山钢铁股份有限公司 | 取向硅钢MgO涂层钢卷的卷取方法 |
-
1998
- 1998-01-12 JP JP01818098A patent/JP3579582B2/ja not_active Expired - Fee Related
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