JP3259757B2 - スクリーニング装置およびスクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング装置およびスクリーニング方法

Info

Publication number
JP3259757B2
JP3259757B2 JP13514296A JP13514296A JP3259757B2 JP 3259757 B2 JP3259757 B2 JP 3259757B2 JP 13514296 A JP13514296 A JP 13514296A JP 13514296 A JP13514296 A JP 13514296A JP 3259757 B2 JP3259757 B2 JP 3259757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
tension
screening
optical fiber
help
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13514296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09318485A (ja
Inventor
一郎 土屋
豊 岩村
久嗣 笠井
宏治 雨宮
薫 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP13514296A priority Critical patent/JP3259757B2/ja
Publication of JPH09318485A publication Critical patent/JPH09318485A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3259757B2 publication Critical patent/JP3259757B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの引張
強度を確認するためのスクリーニング装置およびスクリ
ーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの製造において、一般に、製
造した光ファイバの引張り強度を保証するためにその光
ファイバに一定の張力を与えて破断しないことを検査す
るスクリーニングが行われる。このスクリーニングに用
いられるスクリーニング装置としては、所定の間隔をお
いて配設され回転自在とした複数のローラを備え、それ
らのローラに検査すべき光ファイバを巻き掛けて走行さ
せ、ローラの回転設定により走行中の光ファイバに一定
の張力を与えるものが知られている。また、そのスクリ
ーニング装置には、走行する光ファイバとローラ周面と
の滑りを防止するために、ローラに隣接させて補助ベル
トが設けられその補助ベルトにより光ファイバをローラ
の周面に押し付けるものと、光ファイバとローラ周面と
摩擦力のみにより滑りを抑えるものとがある。前者にあ
っては、光ファイバの滑りを効果的に抑制できるが、光
ファイバをローラへ自動的に掛けるという光ファイバの
自動線掛が容易には行えない。一方、後者にあっては、
その自動線掛が容易であるが走行中の光ファイバの滑り
を摩擦力だけで如何に抑えるかが問題とされている。
【0003】このような後者タイプのスクリーニング装
置としては、特開平5−301737号公報、特開昭5
9−131141号公報に記載されたものが知られてい
る。すなわち、特開平5−301737号公報のスクリ
ーニング装置は、繰出しロールから繰り出される光ファ
イバをキャプスタンホイール、スクリーニングホイー
ル、テンションロールに巻き付けて順次移送し巻取りロ
ールで巻取る構造とされ、キャプスタンホイールとスク
リーニングホイールとの間で移送される光ファイバにス
クリーニングホイールの軸トルクの調整により所定のス
クリーニング張力を与え、テンションロールと巻取りロ
ールの間で移送される光ファイバの線速および張力の変
動をダンサロールにより吸収している。そして、キャプ
スタンホイールとスクリーニングロールの間に断線線外
れ検出器を設けることにより、光ファイバが断線したと
きにその断線が装置の異常によるものか、光ファイバの
強度不足によるものかを判別しようとするものである。
【0004】また、特開昭59−131141号公報の
スクリーニング装置は、光ファイバを繰り出すサプライ
装置と光ファイバを巻取る巻取り装置の間に二箇所の周
速の異なるキャプスタンを設け、この二箇所のキャプス
タンに光ファイバを巻き付けて移送させることにより二
箇所のキャプスタン間で光ファイバへ速度差を与えてス
クリーニングを行おうとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のスクリーニング装置にあっては、次のような問題点が
ある。まず、特開平5−301737号公報のスクリー
ニング装置にあっては、スクリーニング張力が高いよう
なシビアな条件ではスクリーニングが安定して行えず、
スクリーニングした光ファイバの品質が十分には保証で
きない。すなわち、このスクリーニング装置においてキ
ャプスタンホイール、スクリーニングホイール、テンシ
ョンロールの駆動方法は開示されていないが、キャプス
タンホイールとスクリーニングホイールの間で軸トルク
により光ファイバへ張力が付加されると記載されている
ことから、それらの駆動手段としてスクリーニングホイ
ールおよびテンションロールの駆動にトルク調整電磁ク
ラッチなどを用いることが考えられる。トルク調整電磁
クラッチは、外周面に光ファイバを巻き付けたキャプス
タンホイール等をトルク制御しながら回転駆動させるも
のであって、特開昭63−40741号公報に記載され
るものが知られている(特開昭63−40741号公報
には、スクリーニング装置ではないが複数のローラに光
ファイバを巻き付けて移送させることにより光ファイバ
の巻替えを行う巻替機が記載されている)。このトルク
調整電磁クラッチの軸トルク付加系を備えたスクリーニ
ング装置により光ファイバのスクリーニングを行う場
合、スクリーニングホイールまたはテンションロールと
光ファイバとの間に小さな滑りを生じると、この滑りが
きっかけとなって光ファイバの走行が不安定になり、安
定してスクリーニング張力がかからなくなったり、ダン
サがハンチングして巻取りが乱れてしまうこととなって
しまう。そこで、何故このような状況となるか検討した
ところ、たとえば、スクリーニングホイールで滑りが発
生すると瞬間的にスクリーニング張力が下がり中間張力
(スクリーニングホイールとテンションロール間の光フ
ァイバの張力)が上がるのでスクリーニングホイールに
かかる負荷トルクが小さくなる。一方、スクリーニング
ホイールはトルク調整電磁クラッチにより負荷トルクを
一定に保とうとして加速する。この状態で光ファイバの
滑りがなくなると(又は多少の滑りがあっても摩擦力で
光ファイバにより多くのトルクが伝わる状態になる
と)、キャプスタンとスクリーニングホイールの速度差
が大きくなっているので、今度はスクリーニング張力が
大きくかかり過ぎて、負荷トルクの過剰によりスクリー
ニングホイールが減速することとなる。つまり、このス
クリーニング装置においてホイール等の駆動システムは
機構的にフィードバックループを持っており自己安定な
システムに見えるが、条件によっては発散しやすいシス
テムといえる。更に、スクリーニングホイールでの線速
変動、トルク変動はスクリーニングホイールとテンショ
ンロール間の中間張力の変動となるので、同じ機構を有
するテンションロールにおいても大きな張力および線速
変動に増幅され、光ファイバの走行がますます不安定と
なるおそれがある。
【0006】次に、特開昭59−131141号公報の
装置にあっては、スクリーニング中に光ファイバとロー
ラ等との間に生じた滑りを再度捕捉するための機能が備
えられていない。このため、前述のように光ファイバに
滑りを生じた場合、その光ファイバに所望の張力を与え
続けることができず、光ファイバの品質保証が充分なも
のとならない。
【0007】そこで本発明は、光ファイバの滑りを抑制
し、安定してスクリーニングが行えるスクリーニング装
置およびスクリーニング方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、光フ
ァイバが巻き掛けられその光ファイバを回転駆動により
移送するキャプスタンホイール、スクリーニングホイー
ルおよびテンションヘルプホイールと、その移送される
光ファイバを巻き取るための巻取機とを備え、少なくと
もスクリーニングホイールおよびテンションヘルプホイ
ールがその周面との摩擦により前記光ファイバへ移送力
を付与する構造とされ、キャプスタンホイールとスクリ
ーニングホイールの間で光ファイバに所定の張力を与え
ながら移送させてその引張耐力の検査を行うスクリーニ
ング装置であって、キャプスタンホイールを回転させる
第一サーボモータと、スクリーニングホイールを回転さ
せる第二サーボモータと、テンションヘルプホイールを
回転させる第三サーボモータと、巻取機を回転させる第
四サーボモータと、第一サーボモータ、第二サーボモー
タ、第三サーボモータおよび第四サーボモータの作動を
制御しその作動制御によりスクリーニングホイールとテ
ンションヘルプホイールと間の光ファイバにかかる張力
をキャプスタンホイールとスクリーニングホイール間の
光ファイバにかかる張力とテンションヘルプホイールと
巻取機間の光ファイバにかかる張力との間の強さとする
制御手段と、を備えたことを特徴とするスクリーニング
装置である。
【0009】このような発明によれば、検査すべき光フ
ァイバにキャプスタンホイールとスクリーニングホイー
ル間で所定の張力を与える際に、スクリーニングホイー
ルおよびテンションヘルプホイールにおける光ファイバ
の滑りが効果的に抑えられる。
【0010】また本発明は、少なくとも前述の第二サー
ボモータがトルク制御可能な可変速サーボモータである
ことを特徴とする。また本発明は、前述の第二サーボモ
ータがスクリーニングホイールを一定トルクで回転させ
るように制御されていることを特徴とするスクリーニン
グ装置である。
【0011】これらの発明によれば、キャプスタンホイ
ールとスクリーニングホイール間を移送される光ファイ
バに一定の張力を与えられる。また、光ファイバに滑り
を生じても第二サーボモータが光ファイバにかかる張力
を能動的に補正するから、光ファイバへ確実に張力を与
え続けることが可能となる。
【0012】また本発明は、キャプスタンホイールとス
クリーニングホイールとの間で移送される光ファイバの
張力を測定する張力測定器を備え、その張力測定器によ
り測定される張力の平均値に基づいて第二サーボモータ
がトルク制御されることを特徴とするスクリーニング装
置である。このような発明によれば、移送される光ファ
イバへ確実に所望のスクリーニング張力が加えられるこ
ととなる。
【0013】また本発明は、第一サーボモータの回転速
度に基づいて第二サーボモータの回転速度に上限値が設
定されていることを特徴とするスクリーニング装置であ
る。このような発明によれば、スクリーニングホイール
において光ファイバに滑りを生じたとき、スクリーニン
グホイールの回転が速まり過ぎてその光ファイバの滑り
を止められなくなるようなことが防止される。
【0014】また本発明は、第三サーボモータがトルク
制御可能とされることを特徴とするスクリーニング装置
である。このような発明によれば、スクリーニングホイ
ールとテンションヘルプホイールの間の光ファイバの張
力も一定とされるから、隣接するキャプスタンホイール
とスクリーニングホイールの間の光ファイバの張力状態
が安定することとなる。
【0015】また本発明は、テンションヘルプホイール
から移送される光ファイバと巻取機とに巻き取られる光
ファイバとの速度差を吸収するダンサ機構を備えたこと
を特徴とするスクリーニング装置である。このような発
明によれば、テンションヘルプホイールと巻取機の間に
おいて光ファイバが安定して移送されるから、スクリー
ニングホイールとテンションヘルプホイール間の光ファ
イバの移送状態が安定し、それに伴いキャプスタンホイ
ールとスクリーニングホイール間の移送状態も安定する
こととなる。
【0016】また本発明は、キャプスタンホイール、ス
クリーニングホイールおよびテンションヘルプホイール
へ検査すべき光ファイバを順次巻き掛け、それらのホイ
ールを回転させることにより光ファイバを移送させた
後、巻取機により巻き取り、そのキャプスタンホイール
とスクリーニング間で前記光ファイバに所定の張力を与
えることによりその引張耐力の検査を行うスクリーニン
グ方法であって、スクリーニングホイールとテンション
ヘルプホイールと間の光ファイバへかかる張力をキャプ
スタンホイールとスクリーニングホイール間の光ファイ
バにかかる張力とテンションヘルプホイールと巻取機間
の光ファイバにかかる張力との間の強さとしながら光フ
ァイバを移送させることを特徴とするスクリーニング方
法である。また本発明は、そのスクリーニングホイール
とテンションヘルプホイールとの間で移送される光ファ
イバにかかる張力を下式のように設定して行うことを特
徴とするスクリーニング方法である。
【0017】T2 =(T1 ・T3 ・exp(μ・(θ33
−θ32)))1/2 T1 :キャプスタンホイールとスクリーニングホイール
との間で移送される光ファイバにかかる張力 T2 :スクリーニングホイールとテンションヘルプホイ
ールとの間で移送される光ファイバにかかる張力 T3 :テンションヘルプホイールと巻取機との間で移送
される光ファイバにかかる張力 μ :各ホイールと光ファイバと間の摩擦係数 θ32:光ファイバがスクリーニングホイールの周面に接
する範囲における中心角 θ33:光ファイバがテンションヘルプホイールの周面に
接する範囲における中心角 これらの発明によれば、検査すべき光ファイバにキャプ
スタンホイールとスクリーニングホイール間で所定の張
力を与える際に、スクリーニングホイールおよびテンシ
ョンヘルプホイールにおける光ファイバの滑りが効果的
に抑えられる。
【0018】また本発明は、少なくともスクリーニング
ホイールを一定のトルクで回転させることを特徴とする
スクリーニング方法である。このような発明によれば、
キャプスタンホイールとスクリーニングホイール間を移
送される光ファイバに一定の張力を与えられる。
【0019】また本発明は、キャプスタンホイールとス
クリーニングホイールとの間で移送される光ファイバの
張力を測定し、その張力の平均値に基づいてスクリーニ
ングホイールにかかるトルクを制御することを特徴とす
るスクリーニング方法である。このような発明によれ
ば、移送される光ファイバへ確実に所望のスクリーニン
グ張力が加えられることとなる。
【0020】また本発明は、スクリーニングホイールの
回転速度の上限値を設定して行うことを特徴とするスク
リーニング方法である。このような発明によれば、スク
リーニングホイールにおいて光ファイバに滑りを生じた
とき、スクリーニングホイールの回転が速まり過ぎてそ
の光ファイバの滑りを止められなくなるようなことが防
止される。
【0021】また本発明は、テンションヘルプホイール
にかかるトルクを一定として、スクリーニングホイール
とテンションヘルプホイールとの間で移送される光ファ
イバにかかる張力をキャプスタンホイールとスクリーニ
ングホイール間の光ファイバにかかる張力とテンション
ヘルプホイールと巻取機間の光ファイバにかかる張力と
の間の強さとすることを特徴とするスクリーニング方法
である。このような発明によれば、スクリーニングホイ
ールとテンションヘルプホイールとの間で移送される光
ファイバにかかる張力を所望の強さとすることができる
から、キャプスタンホイールとスクリーニングホイール
間のスクリーニング張力が安定して加えられる。
【0022】更に本発明は、テンションヘルプホイール
から移送される光ファイバと巻取機とに巻き取られる光
ファイバとの速度差を吸収しながら、所望の巻取張力に
て光ファイバを巻取機へ巻き取ることを特徴とするスク
リーニング方法である。このような発明によれば、テン
ションヘルプホイールと巻取機の間において光ファイバ
が安定して移送されるから、スクリーニングホイールと
テンションヘルプホイール間の光ファイバの移送状態が
安定し、それに伴いキャプスタンホイールとスクリーニ
ングホイール間の移送状態も安定することとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係るスクリーニング装置およびスクリーニング方法の
実施形態の種々の例について説明する。尚、各図におい
て同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0024】図1はスクリーニング装置1の説明図であ
る。図1において、スクリーニング装置1は、光ファイ
バ2の各部に一定の張力を与えることによりその引張耐
力を検査する装置であって、光ファイバ2を移送しなが
ら張力を与える機動部3とその機動部3を制御する制御
部4により構成されている。
【0025】機動部3には、キャプスタンホイール3
1、スクリーニングホイール32、テンションヘルプホ
イール33、巻取機34が光ファイバ2の供給側から順
次配置されている。キャプスタンホイール31、スクリ
ーニングホイール32、テンションヘルプホイール33
は光ファイバ2を巻き掛けられる周面を有する環状体で
あり、また、巻取機34は光ファイバ2を巻き取れる周
面を有するボビンである。これらのキャプスタンホイー
ル31、スクリーニングホイール32、テンションヘル
プホイール33、巻取機34は、同一方向へ向けて設け
られた軸にそれぞれ取り付けられ、そのキャプスタンホ
イール31、スクリーニングホイール32、テンション
ヘルプホイール33の外周に巻き掛けられた光ファイバ
2がそれらの回転により周面に沿って順次移送され、巻
取機34により巻き取れるように構成されている。たと
えば、図1のように、キャプスタンホイール31、スク
リーニングホイール32、テンションヘルプホイール3
3がほぼ一直線上に配置され、その直線上から外れた位
置であってそれらのホイール31、32、33の間の位
置にそれぞれ空転ローラ35、35が配置された構造と
され、キャプスタンホイール31、空転ローラ35、ス
クリーニングホイール32、空転ローラ35、テンショ
ンヘルプホイール33の順に光ファイバ2をジグザグに
掛け渡して、それらの回転により光ファイバ2が移送さ
れて巻取機34で巻き取られる構造とされる。
【0026】キャプスタンホイール31は、第一サーボ
モータ31aの回転軸31bに取り付けられ、この第一
サーボモータ31aの駆動により回転する構造となって
いる。また、キャプスタンホイール31には無端状の補
助ベルト31cが隣接されている。この補助ベルト31
cは、キャプスタンホイール31の周面へ巻き掛けられ
る光ファイバ2を挟んで押し付けらており、キャプスタ
ンホイール31の回転と共に回転するように設けられて
いる。この補助ベルト31cの設置により、キャプスタ
ンホイール31の回転により光ファイバ2が滑ることな
く移送されることとなる。
【0027】スクリーニングホイール32は、第二サー
ボモータ32aの回転軸32bに取り付けられ、この第
二サーボモータ32aの駆動により回転する構造となっ
ている。このスクリーニングホイール32は、その回転
により周面に巻き掛けられた光ファイバ2へ摩擦を介し
て移送力を与えるように構成されている。テンションヘ
ルプホイール33は、第三サーボモータ33aの回転軸
33bに取り付けられ、この第三サーボモータ33aの
駆動により回転する構造となっている。このテンション
ヘルプホイール33も、スクリーニングホイール32と
同様に、その回転により周面に巻き掛けられた光ファイ
バ2へ摩擦を介して移送力を与えるように構成されてい
る。また、巻取機34は、第四サーボモータ34aの回
転軸34bに取り付けられ、この第四サーボモータ34
aの駆動により回転する構造となっている。なお、各ホ
イール31〜33および巻取機34は、各サーボモータ
の回転軸31a〜34aに直接取り付けられている必要
はなく、歯車等により間接的に回転力が伝達される構造
であっても勿論よい。
【0028】キャプスタンホイール31とスクリーニン
グホイール32の間の光ファイバ2の途上には、張力測
定器36が設置されている。張力測定器36は、キャプ
スタンホイール31とスクリーニングホイール32間の
光ファイバ2の張力を測定する装置であって公知のもの
が用いられる。一方、テンションヘルプホイール33と
巻取機34との間には、ダンサ機構37が配設されてい
る。このダンサ機構37は、テンションヘルプホイール
33により移送される光ファイバ2の線速度と巻取機3
4により巻き取られる光ファイバ2の線速度が異なった
ときに、その速度差を吸収して光ファイバ2のかかる張
力の変動を防止するための機構である。このダンサ機構
37は、公知のスイングダンサ機構が用いられ、テンシ
ョンヘルプホイール33、巻取機34間の張力を決める
とともに、その両側(テンションヘルプホイール33側
および巻取機34側)における光ファイバ2の線速度が
異なるときに、この間の光ファイバ長(パスライン長)
を可変させてその線速度差を吸収するようになってい
る。
【0029】また、キャプスタンホイール31へ光ファ
イバ2を供給する手段としては、検査すべき光ファイバ
2を巻き付けた公知の繰出しボビンが用いられるが、そ
のようなものに限定されるものではなく、その他のもの
であってもよい。たとえば、線引炉を光ファイバ2の供
給手段とし、その線引炉で線引して得られた光ファイバ
2をそのままスクリーニングホイール装置1へ供給して
もよい。
【0030】一方、制御部4には、図1に示すように、
第一サーボモータ31aを駆動させるドライバ41、第
二サーボモータ32aを駆動させるドライバ42、第三
サーボモータ33aを駆動させるドライバ43、第四サ
ーボモータ34aを駆動させるドライバ44がそれぞれ
設けられている。これらのドライバ41〜44は、それ
ぞれサーボモータ31a〜34aへ電気的に接続され、
それらへ駆動信号41a〜44aを出力する部位であ
る。
【0031】これらのドライバのうちドライバ41、4
4が出力する駆動信号41a、44aは、第一サーボモ
ータ31aまたは第四サーボモータ34aを介してキャ
プスタンホイール31または巻取機34を指定の回転速
度で駆動させる信号とされている。すなわち、ドライバ
41には光ファイバ2の移送速度を決定する線速指令信
号41bが入力されており、この線速指令信号41bに
基づいて駆動信号41aが設定されている。また、その
駆動信号41aに基づいてドライバ41からドライバ4
4へ線速信号41cが出力され、その線速信号41cと
ダンサ機構37のフィードバック信号37aによりドラ
イバ44から出力される駆動信号44aが設定されてい
る。このため、線速指令信号41bに基づく駆動信号4
1a、44aにより、サーボモータ31a、34aを介
してキャプスタンホイール31または巻取機34が設定
された指定の回転速度で駆動することとなる。なお、図
1においては、前述の線速指令信号41bが制御部4の
外部の制御手段などにより設定され出力される信号とし
て示されているが、この線速指令信号41bは制御部4
内にて設定される場合もある。
【0032】一方、ドライバ42、43が出力する駆動
信号42a、43aは、第二サーボモータ32aまたは
第三サーボモータ33aを介してスクリーニングホイー
ル32またはテンションヘルプホイール33を一定のト
ルクで駆動させる信号とされている。すなわち、制御部
4には演算器45が設けられており、この演算器45か
らトルク指令信号45a、45bが出力されて、ドライ
バ42、43に入力されている。このトルク指令信号4
5a、45bに基づいて駆動信号42a、43bが設定
されており、これらの駆動信号42a、43aが第二サ
ーボモータ32a、第三サーボモータ33aに入力され
ることにより、そのサーボモータ32a、33aを介し
てスクリーニングホイール32またはテンションヘルプ
ホイール33が設定された一定のトルクで駆動すること
となり、そのトルクが所定値に満たないときは回転速度
を上げることによりそのトルクが保たれることとなる。
【0033】また、トルク指令信号45a、45bは、
演算器45へ入力されるスクリーニング張力指令信号4
5cに基づいて設定されている。すなわち、演算器45
へスクリーニング張力指令信号45cが入力され、その
スクリーニング張力指令信号45cに基づいて演算器4
5によりトルク指令信号45a、45bが設定される。
スクリーニング張力指令信号45cは設定張力T1 を決
めるための信号であり、トルク指令信号45aによるト
ルクTr1、トルク指令信号45bによるトルクTr2と
すると、演算器45により次の式(1)、(2)に従っ
て各トルクTr1、Tr2が算出される。
【0034】 Tr1=r1・(T1−T2)+v・C1 ‥‥‥(1) Tr2=r2・(T2−T3)+v・C2 ‥‥‥(2) r1 :スクリーニングホイール32の半径 r2 :テンションヘルプホイール33の半径 v :光ファイバ2の線速 C1 :定数(v・C1はメカニカルロス) C2 :定数(v・C2はメカニカルロス) T2 :スクリーニングホイール32とテンションヘルプ
ホイール33の間にかかる張力(中間張力) T3 :テンションヘルプホイール33と巻取機34の間
にかかる張力 つまり、演算器45では、与えられた設定張力T1に対
し適宜設定される各張力T2、T3に基づいてトルクTr
1およびトルクTr2が算出され、それらのトルクに応じ
たトルク指令信号45aおよびトルク指令信号45bの
出力が行われる。そして、トルク指令信号45aが演算
器45から出力されドライバ42を介し駆動信号42a
とされて第二サーボモータ32aへ入力されることによ
り、その第二サーボモータ32aがスクリーニングホイ
ール32をT1 に応じたトルクで駆動することとなる。
つまり、キャプスタンホイール31とスクリーニングホ
イール32間の光ファイバ2に張力T1 が加わるよう
に、スクリーニングホイール32の回転が制御されるこ
ととなる。なお、図1においては、前述のスクリーニン
グ張力指令信号45cが制御部4の外部の制御手段など
により設定され出力される信号として示されているが、
このスクリーニング指令信号45cは制御部4内にて設
定される場合もある。
【0035】また、演算器45からトルクTr2に応じ
たトルク指令信号45bが出力されるが、前述のトルク
指令信号45aとトルク指令信号45bは、式(1)、
(2)に示すように、スクリーニング張力指令信号45
cの設定張力T1 、スクリーニングホイール32とテン
ションヘルプホイール33間の光ファイバに加えるべき
張力(中間張力)T2 、テンションヘルプホイール33
と巻取機34間の光ファイバ2にかかる張力T3 の設定
値により決定される。そして、各張力T1〜T3の関係
は、演算器45により、トルク指令信号45bにおける
張力T2 が張力T1 と張力T3 の間の強さになるように
設定される。このように張力T2 が設定されることによ
り、スクリーニング張力であるT1 と巻取張力であるT
3 の張力差が緩和され、スクリーニングホイール32、
テンションヘルプホイール33における光ファイバ2の
滑りが防止されることとなる。更に、トルク指令信号4
5bにおける設定張力T2 は、次式(3)のように設定
されるのが望ましい。
【0036】 T2 =(T1 ・T3 ・exp(μ・(θ33−θ32)))1/2 ‥‥‥(3) μ :ホイール32、33と光ファイバ2との摩擦係数 θ32:光ファイバ2がスクリーニングホイール32の周
面に接する範囲における中心角 θ33:光ファイバ2がテンションヘルプホイール33の
周面に接する範囲における中心角 すなわち、図2のように、キャプスタンホイール31、
スクリーニングホイール32、テンションヘルプホイー
ル33に連続した一本の光ファイバ2が巻き掛けられ、
それらのホイール31〜33の回転駆動により移送され
ている状態において、各張力がT1 >T2 >T3 に設定
され、移送により光ファイバ2にかかる遠心力がT1 〜
T3 に対して十分小さいとすると、スクリーニングホイ
ール32、テンションヘルプホイール33で光ファイバ
2に滑りを生じないためには、次の式(4)、(5)の
条件を満たすことが必要である。
【0037】 T1 /T2 =η・exp(μ・θ32) ‥‥‥(4) T2 /T3 =η・exp(μ・θ33) ‥‥‥(5) η:余裕率 (但し、0<η≦1) この式(4)、(5)から余裕率ηを消去すると、前述
の式(3)が導き出される。つまり、式(3)では、ス
クリーニングホイール32、テンションヘルプホイール
33が同一の余裕率ηをもって光ファイバ2へ移送力を
付与する状態となっている。そのような状態とすること
により、ホイール32、33の一方側が滑りを生じやす
いということが回避でき、その一方に滑りを生じたとき
に張力変動で他方の滑りも連鎖することが防止されるか
ら、式(3)に示す張力T2 の値がスクリーニングホイ
ール32およびテンションヘルプホイール33において
光ファイバ2に最も滑りを生じにくい値となる。このよ
うに、式(3)のごとくトルク指令信号45bにおける
設定張力T2 が設定されることにより、スクリーニング
ホイール32、テンションヘルプホイール33における
光ファイバ2の滑りが効果的に防止されることとなる。
【0038】また、ドライバ42には定数倍器46から
出力される回転制限信号46aが入力され、ドライバ4
3には定数倍器47から出力される回転制限信号47a
が入力されており、スクリーニングホイール32、テン
ションヘルプホイール33が所定以上の回転速度となら
ないように構成されている。すなわち、ドライバ41か
ら出力される線速信号41cが定数倍器46、47へ入
力されており、それらの定数倍器46、47では線速信
号41cに基づく速度情報を定数倍して回転制限信号4
6a、47aをドライバ42、43へ出力するようにな
っている。たとえば、定数倍器46における定数を1.
04とし、定数倍器47における定数を1.02とすれ
ば(但し、回転数はホイール径にもよるので、線速換算
された係数とする)、ドライバ42、43から出力され
る駆動信号42a、43aを通じてスクリーニングホイ
ール32およびテンションヘルプホイール33の回転速
度の上限が設定され、キャプスタンホイール31の回転
速度に対しスクリーニングホイール32の回転速度が4
%以上速まらないように制限され、テンションヘルプホ
イールの回転速度が2%以上速まらないように制限され
る。
【0039】制御部4にはPID制御器48が設けら
れ、そのPID制御器48にはダンサ機構37から出力
される線速差信号37aが入力されており、その線速差
信号37aに応じてドライバ44へ入力される線速信号
41cが補償されるようになっている。つまり、ダンサ
機構37で検出された線速差信号37aにより、ドライ
バ44への線速信号41cにフィードバックがかけられ
ており、テンションヘルプホイール33と巻取機34間
における光ファイバ2の移送速度状態に応じて巻取機3
4の回転速度が制御され、その間における光ファイバ2
にかかる張力が変動しないようにされている。
【0040】また、制御部4には平均化器49が設けら
れており、張力測定器36から出力される張力信号36
aが平均化されて張力平均信号49aとして出力される
ようになっている。この張力平均信号49aは、スクリ
ーニング張力指令信号45cとの差分をとった後、制御
部4内に設けられたPID制御器40へ入力されてトル
ク偏差指令信号40aへ変換されることとなる。そし
て、このトルク偏差指令信号40aは、トルク指令信号
45aの補償に用いられる。このような張力補償によ
り、ベアリングの劣化等によりメカニカルロスが多少変
動しても、光ファイバ2にかかる張力が所定の値に維持
することが可能となり、光ファイバ2に確実にスクリー
ニングがかかることとなる。
【0041】次にスクリーニング装置1による光ファイ
バ2のスクリーニング方法について説明する。
【0042】図1において、繰出しボビンまたは線引炉
などの光ファイバ供給手段から検査すべき光ファイバ2
を引き出し、キャプスタンホイール31、スクリーニン
グホイール32、テンションヘルプホイール33へ順次
巻き掛けて、巻取機34で巻き取れるように巻き付けて
おく。一方、線速指令信号41b、スクリーニング指令
信号45cをそれぞれ設定して制御部4へ入力してお
く。この状態において、スクリーニング装置1を作動さ
せると、線速指令信号41bまたはスクリーニング指令
信号45cに基づいて、キャプスタンホイール31、ス
クリーニングホイール32、テンションヘルプホイール
33、巻取機34が同時に回転し始め、光ファイバ2が
それらのキャプスタンホイール31、スクリーニングホ
イール32、テンションヘルプホイール33の周面に沿
って順次移送されていく。その際、キャプスタンホイー
ル31において、光ファイバ2は、キャプスタンホイー
ル31に隣接された補助ベルト31cによりその周面に
押し付けられながら移送されるので、キャプスタンホイ
ール31の周面で滑りを生ずることはない。また、この
キャプスタンホイール31は、線速指令信号41bに基
づき速度制御され、ほぼ一定の速度で回転し続ける。す
なわち、線速指令信号41bがドライバ41へ入力さ
れ、そのドライバ41が線速指令信号41bの速度情報
に基づいて第一サーボモータ31aへ駆動信号41aを
出力し、第一サーボモータ31aを介してキャプスタン
ホイール31が一定の速度で回転し続けることとなる。
【0043】一方、スクリーニングホイール32、テン
ションヘルプホイール33は、スクリーニング張力指令
信号45cに基づきトルク制御され、ほぼ一定のトルク
で光ファイバ2へ移送力を与え続ける。すなわち、スク
リーニング張力指令信号45cが演算器45へ入力さ
れ、その演算器45からドライバ42へトルク指令信号
45aが出力されドライバ43へトルク指令信号45b
が出力される。そして、各ドライバ42、43からそれ
らのトルク指令信号45bに応じた駆動信号42a、4
3aがそれぞれ第一サーボモータ32a、第二サーボモ
ータ33aへ出力され、それら第一サーボモータ32
a、第二サーボモータ33aの駆動によりスクリーニン
グホイール32、テンションヘルプホイール33が設定
されたトルクにより回転し続ける。このため、図2に示
すように、スクリーニングホイール32に設定されたト
ルクに応じて、キャプスタンホイール31とスクリーニ
ングホイール32間で移送される光ファイバ2に一定の
スクリーニング張力T1 が加えられることとなる。ま
た、テンションヘルプホイール33に設定されたトルク
に応じて、スクリーニングホイール32とテンションヘ
ルプホイール33間で移送される光ファイバ2にも一定
の張力T2 が加えられることとなる。その際、張力T2
がスクリーニング張力T1 と巻取張力T3 (テンション
ヘルプホイール33と巻取機34間で加えられる張力)
の間の強さとしておくことが肝要である。すなわち、そ
のように、張力T2 を設定することにより、スクリーニ
ングホイール32およびテンションヘルプホイール33
の双方において、それらの両側(移送上流側と移送下流
側)にかかる張力の差が小さくなり、光ファイバ2の滑
りの発生が低減される。また、その張力T2 を前述の式
(3)のごとく設定することにより、光ファイバ2の滑
りを効果的に防止できる。
【0044】そのような光ファイバ2の移送中に、何ら
かの原因により、スクリーニングホイール32において
滑りを生じたときには、スクリーニングホイール32に
かかる負荷が変動するから、スクリーニングホイール3
2に所定の負荷がかかるまでその回転速度が増減するこ
ととなる。その際、スクリーニングホイール32がサー
ボモータにより能動的に駆動制御されるから、負荷変動
に迅速に反応してスクリーニングホイール32の速度が
増減されることとなる。従って、キャプスタンホイール
31とスクリーニングホイール32間のスクリーニング
張力が大きく変動することが未然に防止される。また、
スクリーニングホイール32の回転における上限速度が
決められているから、負荷の激減により高速回転となり
光ファイバ2の滑りを止められなくなるようなこともな
い。それでも、スクリーニング張力が所定値以上に変動
したときは、スクリーニングホイール32の回転を制御
するトルク指令信号45aが必要に応じて補正されるか
ら、スクリーニング張力が大きく変動することがない。
このため、移送される光ファイバ2に常にスクリーニン
グ張力が加えられ、光ファイバ2の引張り耐力を保証で
きる。
【0045】また、テンションヘルプホイール33にお
いて滑りを生じたときにも、前述のスクリーニングホイ
ール32と同様に、テンションヘルプホイール33の負
荷が一定となるように回転速度が増減され、光ファイバ
2の滑りが迅速かつ確実に抑えられることとなる。
【0046】そして、テンションヘルプホイール33ま
で移送された光ファイバ2は、図1にように、巻取機3
4に巻き取られる。その際、光ファイバ2の移送速度
(線速度)に変動があってもダンサ機構37により、速
度変動が吸収されテンションヘルプホイール33にかか
る張力T3 が変動することが防止される。このため、テ
ンションヘルプホイール33における光ファイバ2の滑
りの発生が未然に抑えられることになる。
【0047】次に、前述のスクリーニング装置1を用い
たスクリーニング方法により、実際に行った光ファイバ
2のスクリーニングテストについて説明する。
【0048】まず、光ファイバ2をスクリーニング装置
1によりスクリーニング張力をかけて移送させた。光フ
ァイバ2としてはファイバ外径125μm、被覆外径2
50μmのものを用いた。スクリーニング張力(T1 )
は18Nに設定した(このスクリーニングによる光ファ
イバ2の伸長率は約2%)。5000kmにおよぶ光フ
ァイバ2についてスクリーニング試験を行った結果、張
力測定器36で測定した張力値が通常±0.3N以下と
なっており、光ファイバ2へ安定してスクリーニング張
力が加えられていた。また、その試験中に8回(スクリ
ーニングにより断線した場合を除く)、±0.3Nを超
える張力変動があったが、いずれの時も2〜3秒以内に
収束され安定状態に復帰した。この張力変動時の変動幅
は0.8N程度であって、移送された光ファイバ2の全
域にわたり所望のスクリーニング張力がかけられてい
た。このような結果から、光ファイバ2のスクリーニン
グ試験において、光ファイバ2とホイールとの滑りが生
じにくく、その滑りによりスクリーニング張力の変動が
あっても迅速に対応されていることが分かる。
【0049】一方、その光ファイバ2と同一のものにつ
いて、比較用のスクリーニング装置を用いてスクリーニ
ング試験を行った。この比較用のスクリーニング装置
は、キャプスタンホイール31、スクリーニングホイー
ル32、テンションヘルプホイール33、巻取機34が
一定の速度で回転駆動されるものである。スクリーニン
グ張力を18Nに設定して、500km行ったところ、
光ファイバ2とホイール間の滑りにより張力が変動し
て、安定状態まで3回復帰できなかった。つまり、その
張力変動が起こると巻取機34の線速制御が追い付かな
くなり、ダンサ機構37がハンチングし始めて光ファイ
バ2が断線または脱線してしまい、スクリーニング装置
を停止せざるを得ない状況となった。また、この装置に
おいて、スクリーニング張力を15Nに弱めて試験した
ところ、張力変動が通常±0.5Nと大きく、この間に
最大1.4Nに達する変動を4回生じた。その際、張力
変動を収束するまでの時間も10秒程度を要した。この
ように、比較用のスクリーニング装置にあっては、光フ
ァイバ2とホイールの間で滑りを生じやすく、張力変動
が頻繁に起こり、滑りを生じた際の復帰に長時間を要し
た。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
クリーニングホイールおよびテンションヘルプホイール
において移送される光ファイバの滑りが防止でき、スク
リーニング張力の変動が抑えられるから、安定して光フ
ァイバのスクリーニング試験が行える。
【0051】また、光ファイバに滑りを生じても、スク
リーニングまたはテンションヘルプホイールの回転制御
によりその滑りが迅速に抑制される。このため、光ファ
イバに所望のスクリーニング張力を確実に与えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクリーニング装置の概要説明図である。
【図2】スクリーニング装置における張力設定の説明図
である。
【符号の説明】
1…スクリーニング装置、2…光ファイバ、3…機動
部、31…キャプスタンホイール、32…スクリーニン
グホイール、33…テンションヘルプホイール、34…
巻取機、31a…第一サーボモータ、32a…第二サー
ボモータ、33a…第三サーボモータ、34…第四サー
ボモータ、4…制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 宏治 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 奥野 薫 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平3−36168(JP,A) 特開 昭60−179626(JP,A) 特開 平4−164228(JP,A) 特開 昭60−90302(JP,A) 特開 平5−310439(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 B65H 55/00 - 63/08

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバが巻き掛けられその光ファイ
    バを回転駆動により移送するキャプスタンホイール、ス
    クリーニングホイールおよびテンションヘルプホイール
    と、その光ファイバを巻き取るための巻取機とを備え、
    少なくとも前記スクリーニングホイールおよび前記テン
    ションヘルプホイールがその周面との摩擦により前記光
    ファイバへ移送力を付与する構造とされ、前記キャプス
    タンホイールと前記スクリーニングホイールの間で前記
    光ファイバに所定の張力を与えながら移送させてその引
    張耐力の検査を行うスクリーニング装置であって、 前記キャプスタンホイールを回転させる第一サーボモー
    タと、 前記スクリーニングホイールを回転させる第二サーボモ
    ータと、 前記テンションヘルプホイールを回転させる第三サーボ
    モータと、 前記巻取機を回転させる第四サーボモータと、 前記第一サーボモータ、第二サーボモータ、第三サーボ
    モータおよび第四サーボモータの作動を制御し、その作
    動制御により前記スクリーニングホイールと前記テンシ
    ョンヘルプホイールと間の光ファイバへかかる張力を前
    記キャプスタンホイールと前記スクリーニングホイール
    間の光ファイバにかかる張力と前記テンションヘルプホ
    イールと前記巻取機間の光ファイバにかかる張力との間
    の強さとする制御手段と、を備えたことを特徴とするス
    クリーニング装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記第二サーボモータがトル
    ク制御可能な可変速サーボモータであることを特徴とす
    る請求項1に記載のスクリーニング装置。
  3. 【請求項3】 前記第二サーボモータが前記スクリーニ
    ングホイールを一定トルクで回転させるように制御され
    ていることを特徴とする請求項2に記載のスクリーニン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 前記キャプスタンホイールと前記スクリ
    ーニングホイールとの間で移送される光ファイバの張力
    を測定する張力測定器を備え、その張力測定器により測
    定される張力の平均値に基づいて前記第二サーボモータ
    がトルク制御されることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のスクリーニング装置。
  5. 【請求項5】 前記第一サーボモータの回転速度に基づ
    いて前記第二サーボモータの回転速度に上限値が設定さ
    れていることを特徴とする請求項3または請求項1〜4
    のいずれかに記載のスクリーニング装置。
  6. 【請求項6】 前記スクリーニングホイールと前記テン
    ションヘルプホイールとの間で移送される光ファイバに
    かかる張力が前記キャプスタンホイールと前記スクリー
    ニングホイール間の光ファイバにかかる張力と前記テン
    ションヘルプホイールと前記巻取機間の光ファイバにか
    かる張力との間の強さとなるように、前記第三サーボモ
    ータがトルク制御されていることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載のスクリーニング装置。
  7. 【請求項7】 前記テンションヘルプホイールから移送
    される光ファイバと前記巻取機とに巻き取られる光ファ
    イバとの速度差を吸収するダンサ機構を備えたことを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーニン
    グ装置。
  8. 【請求項8】 キャプスタンホイール、スクリーニング
    ホイールおよびテンションヘルプホイールへ検査すべき
    光ファイバを順次巻き掛け、それらのホイールを回転さ
    せることにより光ファイバを移送させた後、巻取機によ
    り巻き取り、そのキャプスタンホイールとスクリーニン
    グ間で前記光ファイバに所定の張力を与えることにより
    その引張耐力の検査を行うスクリーニング方法であっ
    て、 前記スクリーニングホイールと前記テンションヘルプホ
    イールと間の光ファイバへかかる張力を前記キャプスタ
    ンホイールと前記スクリーニングホイール間の光ファイ
    バにかかる張力と前記テンションヘルプホイールと前記
    巻取機間の光ファイバにかかる張力との間の強さとしな
    がら、光ファイバを移送させることを特徴とするスクリ
    ーニング方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも前記スクリーニングホイール
    を一定のトルクで回転させることを特徴とする請求項8
    に記載のスクリーニング方法。
  10. 【請求項10】 前記キャプスタンホイールと前記スク
    リーニングホイールとの間で移送される光ファイバの張
    力を測定し、その張力の平均値に基づいて前記スクリー
    ニングホイールにかかるトルクを制御することを特徴と
    する請求項8または9に記載のスクリーニング方法。
  11. 【請求項11】 前記スクリーニングホイールの回転速
    度の上限値を設定して行うことを特徴とする請求項8〜
    10のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 前記テンションヘルプホイールにかか
    るトルクを一定として、前記スクリーニングホイールと
    前記テンションヘルプホイールとの間で移送される光フ
    ァイバにかかる張力を前記キャプスタンホイールと前記
    スクリーニングホイール間の光ファイバにかかる張力と
    前記テンションヘルプホイールと前記巻取機間の光ファ
    イバにかかる張力との間の強さとすることを特徴とする
    請求項8〜11のいずれかに記載のスクリーニング方
    法。
  13. 【請求項13】 前記テンションヘルプホイールから移
    送される光ファイバと前記巻取機とに巻き取られる光フ
    ァイバとの速度差を吸収しながら、所望の巻取張力にて
    光ファイバを巻取機へ巻き取ることを特徴とする請求項
    8〜12のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 前記スクリーニングホイールと前記テ
    ンションヘルプホイールとの間で移送される光ファイバ
    にかかる張力を次式のように設定して行うことを特徴と
    する請求項8〜13のいずれかに記載のスクリーニング
    方法。 T2 =(T1 ・T3 ・exp(μ・(θ33−θ32)))
    1/2 T1 :キャプスタンホイールとスクリーニングホイール
    との間で移送される光ファイバにかかる張力 T2 :スクリーニングホイールとテンションヘルプホイ
    ールとの間で移送される光ファイバにかかる張力 T3 :テンションヘルプホイールと巻取機との間で移送
    される光ファイバにかかる張力 μ :各ホイールと光ファイバと間の摩擦係数 θ32:光ファイバがスクリーニングホイールの周面に接
    する範囲における中心角 θ33:光ファイバがテンションヘルプホイールの周面に
    接する範囲における中心角
JP13514296A 1996-05-29 1996-05-29 スクリーニング装置およびスクリーニング方法 Expired - Lifetime JP3259757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13514296A JP3259757B2 (ja) 1996-05-29 1996-05-29 スクリーニング装置およびスクリーニング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13514296A JP3259757B2 (ja) 1996-05-29 1996-05-29 スクリーニング装置およびスクリーニング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09318485A JPH09318485A (ja) 1997-12-12
JP3259757B2 true JP3259757B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=15144794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13514296A Expired - Lifetime JP3259757B2 (ja) 1996-05-29 1996-05-29 スクリーニング装置およびスクリーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3259757B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019117288A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 古河電気工業株式会社 光ファイバ心線のスクリーニング方法及び装置、並びに光ファイバ心線の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09318485A (ja) 1997-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2825457B2 (ja) シート材の巻取装置
US5558263A (en) Apparatus and method for non-contact active tensioning and steering of moving webs
JPS5810339B2 (ja) 可変比巻取装置
JP3925791B2 (ja) 印刷装置
JP2010208323A (ja) 印刷システム
US4523133A (en) Tape transport system with tension sensing bearings
JP3259757B2 (ja) スクリーニング装置およびスクリーニング方法
JP5814058B2 (ja) 印刷装置および印刷システム
US6158687A (en) Winding apparatus for paper webs and method of winding paper webs
JP4164654B2 (ja) 印刷装置
JPH1076417A (ja) 多条切断スリッタ装置
JP5083341B2 (ja) フィルム搬送装置
JPS62269841A (ja) 画像記録装置
JP2001328756A (ja) ダンサーローラの制御方法
JP2822027B2 (ja) リワインダ装置の駆動方法
JPH0549578B2 (ja)
JPH0494357A (ja) 巻出・巻取装置の駆動並びに張力制御方法及びその装置
JP3541906B2 (ja) 巻き戻しロール用駆動装置の張力制御方法
US4749145A (en) In-cassette tape tensioning apparatus
JP5757381B2 (ja) 印刷ユニットおよび印刷システム
JPH01176768A (ja) リワインダ制御装置
JPH0970617A (ja) 巻戻機の張力制御方式
JPH02165810A (ja) 圧延ストリップの速度検出ロールの制御装置
JPS60153361A (ja) 巻き取り装置
JPH11199942A (ja) ストリップ巻取機のリール切替時における張力変動抑制方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term