JPH11199232A - 超電導体用仮焼粉と超電導多結晶体 - Google Patents

超電導体用仮焼粉と超電導多結晶体

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JPH11199232A
JPH11199232A JP10003149A JP314998A JPH11199232A JP H11199232 A JPH11199232 A JP H11199232A JP 10003149 A JP10003149 A JP 10003149A JP 314998 A JP314998 A JP 314998A JP H11199232 A JPH11199232 A JP H11199232A
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carbon
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polycrystal
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Mamoru Sato
守 佐藤
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Bi−2223相の高いJcの多結晶超電導
体の焼結法による製造を可能とする。 【解決手段】 Bi−2223相が得られる元素配合組
成を有し、Bi−2212相を主体とし、これとともに
不純物相を有し、含有炭素量が500ppm以下の仮焼
粉を提供し、この仮焼粉より製造される、Bi−222
3相で、Jcが8,000A/cm2 以上の多結晶体を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、超電導体
用仮焼粉と超電導多結晶体に関するものである。さらに
詳しくは、この出願の発明は、高温相Bi−2223相
超電導体において高い臨界電流密度(Jc)が得られる
仮焼粉と、この仮焼粉を用いて製造した高JcBi−2
223相多結晶体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高い臨界電流密度(Jc)を持つ
酸化物系の超電導体バルクを得るには結晶粒界における
結合を改善することが必要であることから、一般的には
溶融法により超電導体を製造していた。しかしながら、
この溶融法には、以下のような問題点があった。
【0003】1)部分溶融を行うため、非常に高い温度
が必要である。 2)溶融させるため、ジグとの反応が起こりやすくジグ
の不純物が超電導体内に拡散し、超電導特性を劣化させ
る。 3)長いものや大きなものが造りにくい。 4)製造プロセスが長く、特殊な装置を用いるため量産
性に欠け、コスト高になる。
【0004】しかも、最も問題なことは、この溶融法
は、Y系酸化物超電導体の製造と、Bi−2212相の
Bi系酸化物超電導体の製造にのみ適用可能であって、
臨界温度(Tc)が100Kレベルの高温相Bi−22
23相の超電導体の場合には、その相図の関係から適用
することが難しいことであった。このため、バルク体の
Bi−2223相超電導体の製造については、溶融法で
はなく、焼結法が採用されているが、この焼結法では、
低い臨界電流密度(Jc)しか得られていない。Bi−
2223相超電導体については短い試料ではあるがAg
シース法によりJcが60,000A/cm2 以上の特
性を有するものが得られているが、一般的な焼結法では
一桁以上低い1,000〜2,500A/cm2 レベル
に止まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この出願の発
明は、以上のとおりの従来技術の問題点と臨界を克服
し、焼結法によっても、量産性が高く、低コストで、よ
り高い臨界電流密度(Jc)を持つBi−2223相超
電導体の製造を可能とする新しい技術手段を提供し、こ
れにより製造される高臨界電流密度のBi−2223相
多結晶体を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するために、まず第1の発明として、Bi
系超電導体仮焼粉であって、Bi−2223相が得られ
る元素配合組成を有し、Bi−2212相を主体とし
て、Bi、Pb、Sr、CaおよびCuの元素のうちの
1種以上含む不純物相を有し、かつ、含有炭素量が50
0ppm以下であることを特徴とする超電導体用仮焼粉
を提供する。
【0007】そして、第1の発明に関連して、この発明
では、第2の発明として、XRDにて30%以下のBi
−2223相を含む仮焼粉を、第3の発明として、微量
炭素分析において炭素ピークが2山以上あり、最初と最
後の炭素ピークの強度比が、
【0008】
【数2】
【0009】である仮焼粉をも提供する。さらに、この
出願は、第4の発明として、上記のいずれかの仮焼粉よ
り製造した超電導多結晶体であって、Bi−2223相
を主体とし、臨界電流密度(Jc)が8,000A/c
2 以上であることを特徴とする超電導多結晶体を提供
する。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、以上のとおり
の特徴をもつものであるが、次のような従来技術に対す
る認識を踏まえている。すなわち、一般にBi−222
3相焼結体は多結晶体であるために結晶粒界が多く存在
し、粒界間の弱結合により超電導電流が阻害され臨界電
流密度(Jc)が最大で2,500A/cm2 程度しか
得られていなかった。しかし、同じ多結晶体でありなが
らAgシース線材ではJc数万A/cm2 以上得られて
いることから、粒界の性状を改善することにより多結晶
体であっても現状の値から大きく向上させることができ
ると考え、焼結する前の段階における仮焼粉に着目し、
様々な要因について検討した。
【0011】その結果として、この発明は完成されてい
る。仮焼粉については、この発明では、前記のとおり、
(1)Bi−2223相が得られる元素配合組成を有し
ていること、(2)Bi−2212相を主体としている
こと、(3)主体のBi−2212相とともに、Bi、
Pb、Sr、Ca、およびCuの元素のうちの1種以上
を含む不純物相を有していること、(4)含有炭素量が
500ppm以下であることをまず第1の要件としてい
る。
【0012】元素配合組成がBi−2223相が得られ
る組成であることは、Bi系超電導体を構成する、Bi
またはBiとPb、そしてSr、Ca、Cuの元素の配
合が基本的には、次式 (Bi1-x Pbx 2 Sr2 Ca2 Cu3 Oy で表わされる臨界温度(Tc)が100Kレベルにある
2223相の超電導体と同じであることを意味してい
る。そして、このBi−2223相が得られる元素配合
組成は、さらに具体的には、その原子比については、
(Bi1-x Pbx ):2として、 Sr:1.7〜2.3 Ca:1.8〜2.2 Cu:2.8〜3.3 x:0〜0.4、さらには0.1〜0.3 の範囲が適当であると考慮される。
【0013】そして、この発明の仮焼粉は、このように
Bi−2223相が得られる元素配合組成を有しながら
も、その結晶相としてはBi−2212相、つまり次式 (Bi1-x Pbx 2 Sr2 Ca1 Cu2 Oy で表わされるものを主とし、これ以外に、Bi、Pb、
Sr、CaおよびCuの元素のうちの1種以上を含む不
純物相を有している。Bi−2212相が主体としてあ
ることは、仮焼粉において、このBi−2212結晶相
が大半を占めており、たとえばXRDでは、少くとも6
0%、さらに好ましくは80%以上を占めていることを
示している。
【0014】不純物相としては、Bi−2201相、す
なわち(Bi1-x Pbx 2 Sr2Cu1 Oy結晶相、
Ca2 PbO4 、CuO、Biフリー相そしてアモルフ
ァス相等が考慮される。そして、この発明の仮焼粉にお
いては、前記のBi−2223相がXRDで30%以
下、つまり0〜30%の範囲で含まれているものであっ
てもよい。Bi−2223相が多すぎると焼結において
結晶が成長する余裕が少なくなり、CIP等を繰り返し
ても結晶の配向性が良好でなく、かつ、結晶成長にとも
なう粒界の結合状態が改善されることもない。このた
め、Bi−2223相の仮焼粉における割合は前記のと
おりとするのが好ましい。
【0015】いずれにしても、この発明の仮焼粉におい
ては第1の要件として、前記の(1)(2)(3)の元
素配合組成と結晶相の構成が欠かせない。この発明の仮
焼粉は、焼結体としての高い臨界電流密度(Jc)を持
つBi−2223相多結晶体を与えるものであって、こ
の際の臨界電流密度(Jc)は、従来の焼結体の最大
2,500A/cm2 のレベルをはるかに超える、6,
000A/cm2 以上、さらには8,000A/cm2
以上であることを意図している。この観点からは、元素
配合組成がBi−2223相を得ることのできるもので
あって、しかも、仮焼粉の結晶相は、Bi−2212相
を主体とし、他に前記のとおりの不純物相を有するもの
であることが欠かせないのである。
【0016】また、この発明の仮焼粉では、仮焼粉にお
ける含有炭素量は500ppm以下であることが欠くこ
とのできない第2の要件である。さらに実際上は、35
0ppm以下の含有炭素量であることが適当とされる。
このことによって、Bi−2223相多結晶体の臨界電
流密度(Jc)は、はじめて8,000A/cm2 以上
のレベルに到達することが可能となる。
【0017】さらに、この炭素の含有については、この
発明の仮焼粉では、より好ましくは、前記のとおり、炭
素微量分析における炭素ピークが2山以上あり、最初と
最後の炭素ピークの強度比が1.0以上であるものとし
ている。この強度比が1.0未満の場合には、焼結体と
してのBi−2223相多結晶体の臨界電流密度(J
c)が6,000A/cm2 以上のものを得ることは難
しく、8,000A/cm2 以上のものを得ることはで
きない。
【0018】このピークの強度比は、さらには1.7以
上あることが最も好ましく、この場合には、臨界電流密
度(Jc)は、10,000A/cm2 以上のレベルに
達することになる。最初の炭素ピークは、仮焼粉の表面
に物理吸着している炭酸ガスによるものと推定され、最
後の炭素ピークは、アルカリ土類金属の炭酸塩に起因す
るものと考えられるが、この炭酸塩は仮焼粉の焼結時に
は充分に分解することが難しく、多結晶体の粒界間に偏
析して超電導の臨界電流密度(Jc)等の特性の向上を
妨げると推定される。そこで、前記のピーク強度比を
1.0より大きくすること、つまり、炭酸塩に起因する
最後のピークを極力低減することが望まれることにな
る。このことは、含有炭素量が500ppm以下となる
ことも確実とする。
【0019】仮焼粉は反応性を高めるために微粉として
いることから、大気中の水分を吸着して、アルカリ土類
金属の水酸化物が生成し、次いで大気中の炭酸ガスを吸
着して炭酸塩に変化していくものと考えられることか
ら、できるだけ水分を除去するように乾燥することで、
前記のピーク強度比を1.0より大きくすることが可能
となる。そして、含有炭素量を500ppm以下の極少
レベルに低減する。
【0020】このような乾燥には、減圧乾燥や、不活性
ガス雰囲気下での乾燥が考えられる。なお、微量炭素分
析については、その手法はよく知られたものであり、た
とえば後述の試験例に沿ったものとして考慮される。測
定精度、再現性等の観点からは、助燃剤としてSnメタ
ルを使用するのがより好ましい。
【0021】仮焼粉の製造は、たとえば図1に示した手
順に従うことができる。仮焼は、好ましくは前記のとお
りの乾燥を行いつつ、730〜850℃、さらには75
0〜830℃程度において行われる。最終的な仮焼粉と
するために、粉砕と仮焼とを適宜な回数、たとえば2〜
5回程度繰り返すことができる。この繰り返し回数は、
乾燥の状態をも考慮して選択することができる。
【0022】最終的な仮焼粉は、焼結に用いて、前記の
とおりの高い臨界電流密度(Jc)を持つBi−222
3相多結晶体を製造するためには、その平均粒径が8μ
m以下、さらには5μm以下、より好ましくは3μm以
下であるようにする。以上のようなこの発明の仮焼粉を
用いて、この発明ではBi−2223相結晶相を主体と
し、しかも臨界電流密度(Jc)が8,000A/cm
2 以上の特性の超電導多結晶体を製造することを可能と
している。
【0023】この多結晶体の製造は、焼結法として行わ
れるが、その手順は、一般的にはたとえば図2のものに
従うことができる。焼結は、たとえばその温度が830
〜880℃、より好ましくは840〜860℃におい
て、大気雰囲気中で行うことができる。そして、図2に
も示したように中間圧縮することが有効でもある。この
中間圧縮は、たとえばCIP装置により、1〜3ton
/cm2 の圧力により、必要により数回行うことが考慮
される。
【0024】なお、Jc8,000A/cm2 以上のこ
の発明の多結晶体はBi−2223相を主体とするもの
であって、微量の不純物相やBi−2212相が残存す
るものもこの多結晶体に含まれることは言うまでもな
い。次に、前記の酸素ピーク強度比についての試験例と
この発明の実施例、そして比較例とを示し、さらに詳し
くこの発明の実施の形態について説明する。
【0025】
【試験例】高Jcが得られる多結晶体とするには、仮焼
粉を焼結する際にBi−2223相が成長しやすく、粒
界間に不純物が出来るだけ存在しないように、仮焼の段
階で適切な仮焼粉がある。そこで仮焼粉としてBi−2
212相およびCa2 PbO4 ,CuOなどの超電導相
以外の不純物相から構成され、Bi−2212相結晶に
Ca2 PbO4 ,CuOなどの超電導相以外の不純物相
が均一に分散されたものについて、粒界に不純物として
析出する炭素の影響が大きいものと想定し、高Jcが得
られる仮焼粉の条件を検討した。その結果、含有炭素量
により判断できることが判明した。
【0026】含有炭素量の分析には、堀場製作所製EM
IA−U510型を用いた。炭素分析における分析条件
は以下の通りである。 校正試料:C Jss175−5(0.031%) 管状炉温度:1250℃ 炭素積算時間:60sec 助燃剤:Sn0.1g 試料重量:0.1〜0.2g 雰囲気:酸素ガスフロー 上記分析装置を用いた代表的な炭素分析のチャートを図
3に示した。
【0027】試料は1250℃に設定された管状炉に入
れられる。積算時間10秒以内に最初の鋭いピークが
出現する。これは仮焼粉の表面に物理吸着している炭酸
ガスと推定される。続いて10〜20秒程度の間にブロ
ードなピークがでたりでなかったりする。さらに、2
0秒以降に再び鋭いピークが観察される。試料により
ピークは、非常に小さくなったり明瞭に確認できなか
ったりする場合もある。このピークはアルカリ土類の炭
酸塩に起因するものと考えられる。ピークが出現する積
算時間は、試料の重量や炭酸の存在状態により変化する
ため必ずこの時間内に出現するものでもない。
【0028】この発明において規定するピーク強度比と
はピーク/ピークの強度比である。ピーク強度比が
1.0以上の仮焼粉を得るためには、アルカリ土類の炭
酸塩に起因するピークを極力低減する工程を検討し
た。焼結前の仮焼粉はBi−2223相が生成する前の
中間体であり、反応性を高めるため微粉の状態にしてい
る。このような状態では大気中の水分を吸着して、アル
カリ土類の水酸化物が生成した後、大気中の炭酸ガスを
吸着して炭酸塩に変わっていくものと考えられる。従っ
て、理想的には水分を全く含まない環境下で仮焼粉を取
り扱うことになるが、コストやハンドリング面から困難
である。そこで、製造工程内で最も水分を吸着しやすい
工程と考えられる粉砕後の溶媒除去時に、減圧乾燥や不
活性ガス雰囲気下での乾燥が有効であり、こういった水
分をできるだけ排除した乾燥法を採用することにより、
ピーク強度比が1.0以上の仮焼粉を得ることが可能と
なった。
【0029】ピーク強度比が1.0未満の仮焼粉は、ア
ルカリ土類の炭酸塩に起因すると考えられるピークの
強度が大きく、こうした仮焼粉を原料として焼結体を作
製する工程においては、850℃近傍の温度ではアルカ
リ土類金属の炭酸塩を十分に分解することが難しく、超
電導体結晶の粒界間に偏析し粒子間の超電導電流を阻害
するため、焼結体のJcは低くなると考えられる。
【0030】
【実施例】実施例1 共沈粉として、元素組成が、 Bi1.85Pb0.35Sr1.90Ca2.05Cu3.05Oy の粉末を作成し、仮焼は乾燥空気中760℃にて行い、
粉砕後の乾燥は減圧乾燥法を用いて水分が吸着しないよ
うに注意し仮焼粉を得た。ここで得られた仮焼粉の平均
粒径は2.5μm以下であり、XRDにて確認したとこ
ろ主体としてのBi−2212相とBi−2201相及
びCa2 PbO4 ,CuOなどの超電導相以外の不純物
相からなっていた。Bi−2223相は含まれていなか
った。また、仮焼粉の炭素含有量は280ppmであっ
た。この時の炭素ピーク強度比は1.8であった。この
仮焼粉を用いて、CIP装置(3ton/cm2 )の中
間圧縮を行い焼結体を作製した。焼結温度は850℃で
CIP処理回数は3回とした。焼結時の雰囲気は大気で
ある。こうして得られた試料は、Bi−2223相多結
晶体であって、これを短冊状に切り出しAg電極を作製
し、4端子通電法により液体窒素中77Kでの臨界電流
密度Jcを測定したところ、表1に示したように、1
0,800A/cm2 の値が得られた。実施例2 実施例1において仮焼粉作製時に仮焼温度を820℃と
した以外は、同様な方法でJc測定用試料を作製した。
XRDにて確認したところ仮焼粉はBi−2223相、
主体としてのBi−2212相及びCa2 PbO4 ,C
uOなどの超電導相以外の不純物からなっており、Bi
−2223相の割合は5%であった。この時の仮焼粉の
炭素含有量は240ppmであり、炭素ピーク強度比は
1.6であった。Bi−2223相多結晶体試料のJc
は、表1に示したように、9,300A/cm2 の値を
示した。実施例3 実施例1において仮焼粉作製時の粉砕後に乾燥時の雰囲
気を不活性ガスとした以外は、同様な方法でJc測定用
試料を作製した。この時の仮焼粉の炭素含有量は310
ppmであり、炭素ピーク強度比は1.1であった。B
i−2223相多結晶体試料のJcは、表1に示したよ
うに、8,400A/cm2 の値を示した。実施例4 実施例1において得られた仮焼粉を銀シースに充填し外
径が約2mmになるまで線引きを行った。その後電気炉
にて簡単な熱処理を行い、テープ厚が0.2mm程度に
なるまで圧延を行い、その後840℃前後で25〜10
0時間焼成を行う。この圧延と焼成を数回繰り返し試料
を作製した。
【0031】こうして得られた試料のJcは、表1に示
したように、22,000A/cm 2 の値を示した。実施例5 実施例1において作製した仮焼粉と同じ条件で作製した
仮焼粉を、有機溶剤及び有機バインダーにより合成した
有機ビヒクルと重量比3:1でそれぞれ混合し、三本ロ
ールにより均一に分散させ、超電導ペーストを得た。こ
のペーストを用い、スクリーン印刷法により銀基板上に
膜厚50μmのペースト厚膜を作製し、850℃×50
時間の熱処理を行って試料を作製した。
【0032】この試料のJcは、表1に示したように、
11,900A/cm2 の値を示した。比較例1 粉砕後の乾燥を大気中で行った以外は、実施例1と同様
の方法で仮焼粉を作製した。この仮焼粉の炭素含有量は
560ppmであり、炭素ピーク強度比は0.7であっ
た。この仮焼粉を用いて、作用で述べた焼結条件にて焼
結体を作製した。焼結温度は850℃でCIP処理回数
は3回とした。こうして得られた試料を短冊状に切り出
しAg電極を作製し、4端子通電法により77Kで臨界
電流密度Jcを測定したところ、表1に示したように、
5,800A/cm2 の値が得られた。比較例2 粉砕後の乾燥を加湿器を用いて加湿した大気中で行った
以外は、実施例1と同様の方法で仮焼粉を作製した。こ
の仮焼粉の炭素含有量は970ppmであり、炭素ピー
ク強度比は0.2であった。この仮焼粉を用いて、作用
で述べた焼結条件にて焼結体を作製した。焼結温度は8
50℃でCIP処理回数は3回とした。こうして得られ
た試料を短冊状に切り出しAg電極を作製し、4端子通
電法により77Kで臨界電流密度Jcを測定したとこ
ろ、表1に示したように、1,100A/cm2 の値が
得られた。比較例3 比較例2で得られた仮焼粉を用いた以外は、実施例4と
同一条件にて銀テープを作製した。この試料のJcを測
定したところ、表1に示したように、7,400A/c
2 の値が得られた。比較例4 比較例2で得られた仮焼粉を用いた以外は、実施例5と
同一条件にてペースト厚膜を作製した。この試料のJc
を測定したところ、表1に示したように、4,300A
/cm2 の値が得られた。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明により、焼結法により、8,000A/cm2 以上
の高い臨界電流密度(Jc)を持つBi−2223相多
結晶と、そのための仮焼粉が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】仮焼粉製造の一般的プロセスを示したブロック
図である。
【図2】焼結体製造の一般的プロセスを示したブロック
図である。
【図3】微量分析における炭素ピークの出現を例示した
図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi系超電導体仮焼粉であって、Bi−
    2223相が得られる元素配合組成を有し、Bi−22
    12相を主体として、Bi、Pb、Sr、CaおよびC
    uの元素のうちの1種以上含む不純物相を有し、かつ、
    含有炭素量が500ppm以下であることを特徴とする
    超電導体用仮焼粉。
  2. 【請求項2】 XRDにて30%以下のBi−2223
    相を含む請求項1の仮焼粉。
  3. 【請求項3】 微量炭素分析において炭素ピークが2山
    以上あり、最初と最後の炭素ピークの強度比が、 【数1】 である請求項1または2の仮焼粉。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの仮焼粉よ
    り製造した超電導多結晶体であって、Bi−2223相
    を主体とし、臨界電流密度(Jc)が8,000A/c
    2 以上であることを特徴とする超電導多結晶体。
JP10003149A 1998-01-09 1998-01-09 超電導体用仮焼粉と超電導多結晶体 Pending JPH11199232A (ja)

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JP2003525189A (ja) * 1999-07-30 2003-08-26 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 反応性の向上したPb−Bi−Sr−Ca−Cu−酸化物粉末混合物、およびその製造方法
JP2006236979A (ja) * 2005-02-21 2006-09-07 Dowa Mining Co Ltd 酸化物超電導体厚膜およびその製造方法、並びに、酸化物超電導体厚膜製造用ペースト
JP2007001820A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Sumitomo Electric Ind Ltd 原料凝集粒子粉末およびその製造方法、超電導線材およびその製造方法、ならびに超電導機器
JP2014162973A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Fujikura Ltd 酸化物超電導薄膜形成用ターゲットおよびその製造方法と酸化物超電導線材の製造方法

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