JPH10226569A - Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体 - Google Patents

Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体

Info

Publication number
JPH10226569A
JPH10226569A JP9038524A JP3852497A JPH10226569A JP H10226569 A JPH10226569 A JP H10226569A JP 9038524 A JP9038524 A JP 9038524A JP 3852497 A JP3852497 A JP 3852497A JP H10226569 A JPH10226569 A JP H10226569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
calcined powder
particle size
less
impurity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9038524A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Murata
篤 村田
Mamoru Sato
守 佐藤
Hideetsu Haseyama
秀悦 長谷山
Masahiro Kojima
正大 小嶋
Hideji Yoshizawa
秀二 吉澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Mining Co Ltd filed Critical Dowa Mining Co Ltd
Priority to JP9038524A priority Critical patent/JPH10226569A/ja
Publication of JPH10226569A publication Critical patent/JPH10226569A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い臨界電流密度を有するBi系酸化物超電
導体材料を得ることができる仮焼粉を得る。 【解決手段】 Bi−2223相結晶の成分組成と等し
くなるように各成分を配合してなる平均粒径5μm以下
の仮焼粉であって,Bi−2212相結晶および前記の
両相以外の不純物相を含み,且つ炭素含有量が300p
pm以下であるBi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,焼結したときにBi−
2223相多結晶体が得られるが,焼結前にはBi−2
223相結晶を含まないか,含んでも僅かであるBi系
酸化物超電導体製造用の仮焼粉,並びにこの仮焼粉を焼
結してなる高い臨界電流密度(以下,Jcと略称する)
をもつBi−2223相多結晶体に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導体の分野において,高いJcのバ
ルク体(酸化物超電導体)を得るには結晶粒界の改善が
必要であるので,溶融法を用いることが一般的であっ
た。しかし,溶融法はY系およびBi系のうちBi−2
212相を得る場合にのみ用いられ,Bi−2223相
を得る場合には,相図の関係からも困難であり,適用し
ても低いJcしか得られない。
【0003】他方,溶融法に関しては,次のような問題
が存在する。 (1) 臨界温度(Tc)が90K程度で,冷却を考えた場
合の温度マージンがあまり大きくない。 (2) 形状の自由度が大きくない。 (3) 長いものや大きなものが造りにくい。 (4) 機械強度が低く,結晶界面に沿ってクラックが入り
やすい。 (5) 製造プロセスが長く,且つ特殊な装置を用いるので
量産性に欠け,コスト高になる。
【0004】このようなことから,焼結法によって高い
JcのBi−2223相多結晶バルク体を得ることが望
まれていた。Bi−2223相については,短い試料で
はあるがAgシース法ではJc≧60000A/cm2
が得られた実績があるが,一般的な焼結法によるJcは
一桁低い1000〜2500A/cm2 レベルに止まっ
ており,大幅な特性改善が望まれていた。
【0005】本発明者らは仮焼粉の組織状態と焼結体の
Jcとの関係について研究し,その成果の一部を既に特
願平7−299313号(平成7年10月25日出願)
に記載した。これによると,Jc=5000A/cm2
のBi系酸化物超電導体が得られることが確認できた。
また,特願平8−279888号(平成8年10月2日
出願)にも提案し,一層高いJcが得られることを確認
できた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記の先願
に係るものよりも,更に高いJcをもつBi−2223
相多結晶体を得ることを課題したものであり,このため
に,仮焼粉に要求される諸特性をさらに明らかにしよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は斯かる課題を
解決するために鋭意研究を重ねたが,Bi−2223相
多結晶体で高い臨界電流密度を得るには,焼結する前の
段階における仮焼粉の組成および組織状態が重要である
との観点に立って,その最適条件を探索したところ,各
成分の配合比はBi−2223相のものでありながら,
Bi−2212相およびCa2PbO4 ,CuOなどの
超電導相以外の不純物相を含み,且つ炭素含有量が30
0ppm以下であること,またBi−2212相と不純
物相の配合割合と粒径が決め手となることを見出した。
【0008】すなわち本発明によれば,Bi−2223
相結晶の成分組成と等しくなるように各成分を配合して
なる平均粒径5μm以下の仮焼粉であって,Bi−22
12相結晶および前記の両相以外の不純物相を含み,且
つ炭素含有量が300ppm以下であるBi系酸化物超
電導体製造用の仮焼粉を提供する。そして,この仮焼粉
を焼結しなるJc≧9000A/cm2 を有するBi−
2212相多結晶体を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】Bi−2223相の結晶は代表的
には次の(1) 式で表されるものであり,超電導特性を示
す。 Bia −Pbb −Src −Cad −Cu3 −Ox ・・・(1) ただし,(1) 式中の各成分のモル数a〜xは,Cuのモ
ル数を3として標準化したとき,次の値を有する, 1.20≦a≦2.50 0≦b≦0.80 1.20≦c≦3.00 1.20≦d≦3.00 9.00≦x≦10.00
【0010】またBi−2212相の結晶は代表的には
(2) 式で表されるものであり,Bi−2223相よりも
低い温度で超電導性を示す。 Bia −Pbb −Src −Cad −Cu2 −Ox ・・・(2) ただし,(2) 式中の各成分のモル数a〜xは,Cuのモ
ル数を2として標準化したとき, 1.50≦a≦2.50 0≦b≦0.05 1.50≦c≦2.50 0.50≦d≦1.50 7.0≦x≦8.0 の値を有する。
【0011】本発明に従う仮焼粉は,(2) 式のBi−2
212相の結晶と超電導相以外の不純物相とからなる。
そして,全体の成分組成が(1) 式のBi−2223相の
結晶と同じ成分組成を有するような量比で2212相結
晶と不純物相を含み,炭素含有量は300ppm以下で
ある。不純物相としてはCa2PbO4 および/または
CuOの存在が認められる。そして,仮焼粉全体の平均
粒径は5μm以下であり,この粉体中に,平均粒径が5
μm以下の微細な2212相の結晶と,平均粒径が3μ
m以下の微細な不純物相(Ca2PbO4 および/また
はCuO等の化合物相および未反応相)が均一に分散し
た状態にあり,炭素含有量は可及的に微量である。この
ことが高いJcを得る上で肝要である。
【0012】一般に,Bi−2223相焼結体は多結晶
体であるがために結晶粒界が多く存在する。したがっ
て,粒界間に弱結合部分が存在しやすく,この部分で超
電導電流が阻害される結果,臨界電流密度(Jc)が2
500A/cm2 程度しか得られていなかったと考えら
れる。しかし,同じ多結晶体でも,Agシース線材では
数万A/cm2 以上のJcが得られている。これは機械
加工によりBi−2223相結晶が強制的に配向される
と同時にAgの拡散により粒界が改善されるとする考え
方がある。したがって,粒界の性状を改善すればバルク
体でもJcを高めることができる筈である。
【0013】この粒界の性状をバルク体において改善す
るには,仮焼粉中にはBi−2223相はなく,焼結の
過程でBi−2223相がこの相以外のものから成長
し,成長し終えたところでは,Bi−2223相以外の
相は粒界に実質上存在しないことが肝要であると考えら
れる。本発明の仮焼粉はこれを実現するものであり,こ
れにより,後記の実施例に示すように非常に高いJcを
もつバルク体を得ることができる。
【0014】一般に,多結晶バルク体超電導物質を得る
ための焼結原料の仮焼粉を製造するには,超電導物質の
成分組成に対応するように各成分を含む原料物質を調合
(各成分の混合)または共沈によって調整し,これを仮
焼したうえで粉砕し,粒度調整するという工程を経る。
Bi−2223相多結晶バルク体の場合にも同様であ
り,そのための仮焼粉の製造は「混合または共沈による
原料調整」→「仮焼」→「粉砕」→(仮焼→粉砕)→
「粒度調整」→「不純物除去」→「仮焼粉完成」という
工程を経る(カッコ内は必要回数繰り返すことを意味す
る)。
【0015】この仮焼粉の製造において,配合成分はB
i−2223相の組成に等しい量で存在するが,Bi−
2223相は存在しないか,存在しても僅かであって且
つBi−2212相結晶を含む仮焼粉を得るには,その
製造過程で,原料の調整,仮焼雰囲気,仮焼温度,粉砕
条件,粉砕雰囲気,粉砕後の乾燥条件,整粒条件等を適
切に制御することが必要である。これらの製造条件につ
いて,以下に本発明者らが行った試験例(実施例)を挙
げながら説明する。
【0016】
【実施例】以下の実施例において,仮焼粉の製造は,い
ずれも原料調製(共沈粉組成の調整)→仮焼→粉砕→仮
焼→粉砕→粒度調製→不純物除去→仮焼粉完成の工程を
採用した。そのさい,共沈粉組成は,Bi1.85Pb0.35
Sr1.90Ca2.05Cu3.05Oxとし, 仮焼雰囲気:乾燥雰囲気(無水分雰囲気) 粉砕:乾燥雰囲気(無水分雰囲気) 粉砕後の乾燥:減圧乾燥 完成仮焼粉平均粒径:<3μm とし,仮焼温度を変化させた。
【0017】得られた仮焼粉は,1軸成形→中間圧縮→
焼結→(中間圧縮→焼結)→多結晶焼結体の工程をへて
バルク体を製造した(かっこ内は必要回数行うことを意
味する)。焼結は大気雰囲気中820〜860 ℃で行
い,中間圧縮はCIP装置を用いて1〜3トン/cm2
の圧力をかけた。
【0018】なお,仮焼粉中の炭素含有量の分析は,堀
場製作所製のEMIA−U510型測定機を用い,示差
熱分析(DTA)は,マックサイエンス製の2000型
装置を用いた。
【0019】〔実施例1〕前記の工程および条件で仮焼
粉を製造したが,仮焼温度は780℃とし,平均粒径が
2.5μm以下の仮焼粉を得た。この仮焼粉をX線回折
(以下XRDという)したところ,Bi−2212相結
晶とCa2PbO4 ,CuOなどの超電導相以外の不純
物相を含むものであった。また,炭素含有量は180p
pmであった。さらに,DTA測定を行ったところ,8
59℃と883℃に吸熱ピークが確認された。
【0020】得られた仮焼粉を前記の工程でバルク体を
製造したが,焼結温度は850℃とし,CIP処理回数
は2回とした。
【0021】得られたバルク体試料を短冊状に切り出
し,Agペーストにて電極を作製し,4端子通電法によ
り77Kで臨界電流密度Jcを測定したところ,Jc=
10500A/cm2 を示した。この試料を劈開し,日
本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡JSM−840F
型にて観察したところ,図1の写真に見られるように,
C軸方向の厚みが0.5μ以上の結晶を含んでいた。
【0022】〔実施例2〕仮焼温度を820℃とした以
外は,実施例1と同じ方法で仮焼粉を作製した。仮焼粉
の平均粒径は3μm以下であった。XRDにて確認した
ところ仮焼粉はBi−2212相およびBi−2223
相と,Ca2PbO4 ,CuOなどの超電導相以外の不
純物相からなっており,XRDによるBi−2223相
のピーク強度比は5%であった。炭素含有量は160p
pmであった。DTA測定を行ったところ,863℃と
886℃に吸熱ピークが確認された。この仮焼粉を用い
て実施例1と同様にバルク体を製造し,実施例1と同様
にしてJcを測定したところ,Jc=9000A/cm
2 の値を示した。
【0023】〔比較例1〕仮焼温度を840℃とし,粉
砕を大気中で行った以外は,実施例1と同様にして仮焼
粉を作製した。仮焼粉の平均粒径は3μm以下であっ
た。XRDにて確認したところ仮焼粉はBi−2212
相およびBi−2223相と,Ca2PbO4,CuOな
どの超電導相以外の不純物相からなっており,XRDに
よるBi−2223相のピーク強度比は60%であっ
た。炭素含有量は190ppmであった。またDTA測
定を行ったところ,873℃と884℃に吸熱のピーク
が確認された。この仮焼粉を用いて実施例1と同様にバ
ルク体を製造し,実施例1と同様にしてJcを測定した
ところ,Jc=2500A/cm2 であった。試験1の
ものに比べてJcが低かったのは,仮焼粉中のBi−2
223相の存在割合が高く,855〜865℃で吸熱ピ
ークが生じるような何らかの不純物相が存在していない
からであろうと推定される。このバルク体試料を劈開
し,実施例1と同様に走査型電子顕微鏡にて観察したと
ころ,図2の写真に示すように,C軸方向の厚みが0.
5μ以上の結晶は含んでおらず,ほとんどが0.1μm
前後の厚みのものであった。
【0024】〔比較例2〕仮焼温度を740℃とし,粉
砕を大気中で行った以外は,実施例1と同様にして仮焼
粉を作製した。仮焼粉の平均粒径は3μm以下であっ
た。XRDで確認したところ,Bi−2212相および
Bi−2201相と,Ca2PbO4 ,CuOなどの超
電導相以外の不純物相からなっていた。また,炭素含有
量は380ppmであった。DTA測定を行ったとこ
ろ,884℃にのみ吸熱のピークが確認された。この仮
焼粉を用いて実施例1と同様にバルク体を製造し(焼結
温度850℃),実施例1と同様にしてJcを測定した
ところ,Jc=2200A/cm2 であった。実施例1
のものに比べてJcが低かったのは,855〜865℃
で吸熱ピークが生じる何らかの不純物相が仮焼粉中に存
在しておらず,また炭素含有量が高かったことがその理
由であろうと考えられる。
【0025】〔比較例3〕比較例2で得られた仮焼粉を
用いて,焼結温度を830℃とした以外は,比較例3と
同様にバルク体を製造したところ,この試料のJcは8
00A/cm2 の値しか得られなかった。
【0026】以上の試験結果より,仮焼粉の組織状態が
バルク体のJcに大きく影響することが明らかである。
すなわち,その成分組成はBi−2223相結晶の成分
組成と等しいが,組織状態については,Bi−2212
相結晶と,これら両相以外の不純物相とからなり,Bi
−2223相は若干含まれてもよいが,炭素含有量が軽
微であることが必要であることがわかった。
【0027】ここで,Bi−2223相およびBi−2
212相以外の不純物相とは超電導を示さない相であ
り,Ca2PbO4, CuO, アモルファス相が含まれ
る。また,仮焼粉中にBi−2223相は若干含まれて
いてもよいが,多くなると,それに比例してBi−22
12相が少なくなるので望ましくない。仮焼粉中に許容
できるBi−2223相はXRD法によるピーク強度比
で30%以下である。炭素含有量は少なければ少ない程
よいが300ppm以下であるのが好ましい。
【0028】このような組織状態の仮焼粉は,これをD
TA測定したとき,855〜865℃の温度範囲と87
5〜890℃の温度範囲に吸熱ピークを有することがわ
かった。したがって,焼結によってBi−2223相多
結晶体を得るための本発明に従う仮焼粉は,示差熱分析
で測定したときに二つの吸熱ピークをもち,その一方の
吸熱ピークは855〜865℃の温度範囲,他方の吸熱
ピークは875〜890℃の温度範囲をもつ。このよう
な温度範囲で二つの吸熱ピークを有するものが,仮焼粉
中における超電導相と不純物相の割合が適切であること
を意味している。
【0029】本発明に従う仮焼粉は,Bi−2223相
多結晶体に焼結するさいの焼結温度は,前記の吸熱ピー
クよりも若干低いところ,すなわち,850℃近辺がよ
く,実際には840〜860℃の範囲で行えばよい。こ
のようにして,Jcが9000A/cm2 以上のBi系
酸化物超電導体が安定して得られる。このBi系酸化物
超電導体は,C軸方向の厚みが0.5μm以上の板状の
Bi−2223相結晶を含むBi−2223相多結晶体
からなる。
【0030】本発明の仮焼粉を用いてAgシース法によ
る超電導材料およびペーストを作ると一層高いJcが得
られる。すなわち本発明によれば,前記の仮焼粉をAg
シース法で焼成してなるBi系酸化物超電導体材料を提
供する。また,本発明によれば,前記の仮焼粉を有機ビ
ヒクル中に分散してなる超電導体用ペーストを提供す
る。以下にその例を挙げる。
【0031】〔実施例3〕実施例1で得られた仮焼粉を
銀シースに充填し外径が約2mmになるまで線引きを行
った。その後電気炉にて簡単な熱処理を行い,テープ厚
が0.2mm程度になるまで圧延を行い,その後840
℃前後で25〜100時間焼成を行なう。この圧延と焼
成を数回繰り返し試料を作製した。こうして得られた試
料のJcは,20000A/cm2 の値を示した。
【0032】〔比較例4〕比較例1で得られた仮焼粉を
用いた以外は,実施例3と同一条件にて銀テープを作製
した。この試料のJcを測定したところ,8500A/
cm2 の値しか得られなかった。
【0033】〔実施例4〕実施例1と同じ条件で作製し
た仮焼粉を,有機溶剤と有機バインダーからなる有機ビ
ヒクルに,仮焼粉:ビヒクル=3:1の重量比で混合
し,三本ロールにより均一分散させてペーストを得た。
このペーストを用い,スクリーン印刷法により銀基板状
に膜厚50μmのペースト厚膜を作製し,850℃×5
0時間の熱処理を行って試料を作製した。この試料のJ
cは,11200A/cm2 の値を示した。
【0034】〔比較例5〕比較例1で得られた仮焼粉を
用いた以外は,実施例4と同一条件にてペースト厚膜を
作製した。この試料のJcを測定したところ,4300
A/cm2 の値しか得られなかった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に従う仮焼
粉はBi系酸化物超電導体のJcを高めることができ,
また,高いJcをもつ超電導体を安定して製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う仮焼粉を焼結して得られたBi系
酸化物超電導体のBi−2223相結晶の電子顕微鏡写
真である。
【図2】比較例の仮焼粉を焼結して得られたBi系酸化
物超電導体のBi−2223相結晶の電子顕微鏡写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小嶋 正大 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 吉澤 秀二 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi−2223相結晶の成分組成と等し
    くなるように各成分を配合してなる平均粒径5μm以下
    の仮焼粉であって,Bi−2212相結晶および前記の
    両相以外の不純物相を含み,且つ炭素含有量が300p
    pm以下であるBi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉。
  2. 【請求項2】 不純物相は,Ca2PbO4, CuO,
    アモルファス相を含む請求項1に記載の仮焼粉。
  3. 【請求項3】 Bi−2223相結晶を,X線回折法に
    よる強度比で0〜30%含有する請求項1または2に記
    載の仮焼粉。
  4. 【請求項4】 示差熱分析法で測定したとき,855〜
    865℃の温度範囲と875〜890℃の温度範囲に吸
    熱ピークを有する請求項1,2または3に記載の仮焼
    粉。
  5. 【請求項5】 Bi−2223相結晶の成分組成と等し
    くなるように各成分を配合してなる平均粒径5μm以下
    の仮焼粉であって,Bi−2212相結晶および前記の
    両相以外の不純物相を含み且つ炭素含有量が300pp
    m以下である仮焼粉を焼結してなる,Jc(臨界電流密
    度)≧9000A/cm2 のBi−2223相多結晶
    体。
  6. 【請求項6】 C軸方向の厚みが0.5μm以上の板状
    のBi−2223相結晶を含む請求項5のBi−222
    3相多結晶体。
  7. 【請求項7】 Bi−2223相結晶の成分組成と等し
    くなるように各成分を配合してなる平均粒径5μm以下
    の仮焼粉であって,Bi−2212相結晶および前記の
    両相以外の不純物相を含み且つ炭素含有量が300pp
    m以下である仮焼粉をAgシース法で焼成してなるBi
    系酸化物超電導体材料。
  8. 【請求項8】 Bi−2223相結晶の成分組成と等し
    くなるように各成分を配合してなる平均粒径5μm以下
    の仮焼粉であって,Bi−2212相結晶および前記の
    両相以外の不純物相を含み且つ炭素含有量が300pp
    m以下である仮焼粉を有機ビヒクル中に分散してなる超
    電導体用ペースト。
JP9038524A 1997-02-07 1997-02-07 Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体 Pending JPH10226569A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9038524A JPH10226569A (ja) 1997-02-07 1997-02-07 Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9038524A JPH10226569A (ja) 1997-02-07 1997-02-07 Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226569A true JPH10226569A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12527673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9038524A Pending JPH10226569A (ja) 1997-02-07 1997-02-07 Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226569A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008147078A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 酸化物超電導線材の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008147078A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 酸化物超電導線材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Maeda et al. Synthesis and characterization of the superconducting cuprates (Pb, Cu) Sr 2 (Y, Ca) Cu 2 O z
JPH1081518A (ja) 超伝導材料からなる製品の製造方法
EP2447958B1 (en) Iron-based superconducting wire and manufacturing method therefor
JP3089294B2 (ja) 超電導テープ材の製造方法
US6265354B1 (en) Method of preparing bismuth oxide superconductor
JPH10226569A (ja) Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉およびこれを焼結してなるBi−2223相多結晶体
JP2967154B2 (ja) Agを含み結晶方位の揃った酸化物超電導体及びその製造方法
Holesinger et al. A two-powder process for Bi-2223 precursors
JP4215180B2 (ja) Bi系2223酸化物超電導体製造に用いる仮焼粉の製造方法及びBi系2223酸化物超電導体の製造方法。
JP3683395B2 (ja) Bi系高温相超電導体用の仮焼粉と多結晶体
JPH06176637A (ja) Bi系酸化物超電導線の製造方法
JP3287028B2 (ja) Tl,Pb系酸化物超電導材及びその製造方法
CA2453922C (en) Oxide high-critical temperature superconductor acicular crystal and method for producing the same
JP2821568B2 (ja) 超電導ウィスカー複合体の製造方法
JP2555734B2 (ja) 超電導物質の製法
JPH11199232A (ja) 超電導体用仮焼粉と超電導多結晶体
JP2978538B2 (ja) 高密度結晶構造の超電導材料
JP2803819B2 (ja) 酸化物超電導体の製造方法
JP3461654B2 (ja) 酸化物超電導体の製造法
JP2590242B2 (ja) 酸化物超電導体の作製方法
JPH02204358A (ja) 酸化物超電導体及びその製法
EP0436723B1 (en) Oxide superconductor and method of producing the same
JPH10101337A (ja) Bi系酸化物超電導体製造用の仮焼粉
JP2761727B2 (ja) 酸化物超電導体の製法
JP2971504B2 (ja) Bi基酸化物超電導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040323