JP2006236979A - 酸化物超電導体厚膜およびその製造方法、並びに、酸化物超電導体厚膜製造用ペースト - Google Patents
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Abstract
【解決方法】Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOの各粉末を、所定のモル比となるように混合して混合粉とし、これを仮焼して仮焼粉とし、これを粉砕して超電導合成粉を得た。この超電導合成粉中へ易移動Pb化合物を添加混合し、さらに、有機バインダー等を添加して本発明に係るPb添加Bi2223ペーストを得た。一方、所定の基体上に、Bi2212組成の超電導ペーストを塗布、焼成してBi2212部分熔融層を得、この上へ、本発明に係るPb添加Bi2223ペーストを塗布、焼成し、本発明に係る酸化物超電導体厚膜が成膜された基体を得た。
【選択図】図5
Description
この各種の基板、基体上に酸化物超電導体厚膜を成膜する方法として、酸化物超電導体粉末に適当な有機バインダーを添加してペースト状にして酸化物超電導体厚膜製造用ペーストとし、当該酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スプレー法等を用いて当該基板、基体上に塗布し焼成して、多結晶体の酸化物超電導体厚膜を成膜する手法が試みられている。
特許文献2.特開2004−182570号
基板または基体の表面上に形成された酸化物超電導体厚膜であって、
一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体を含み、
前記基板または基体と、酸化物超電導体厚膜との界面におけるPbのEPMA信号強度を1と規格化したとき、
前記酸化物超電導体厚膜の表面におけるPbのEPMA信号強度が0.75以上であることを特徴とする酸化物超電導体厚膜である。
基板または基体の表面上に形成された一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体厚膜であって、
前記酸化物超電導体厚膜の表面における一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)において、Pbのモル比が0.15以上であることを特徴とする酸化物超電導体厚膜である。
一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体を製造するための酸化物超電導体厚膜製造用ペーストであって、
一般式Bi2Sr2Ca1Cu2OYで標記される酸化物超電導体と、Ca2PbO4と、CaCuO2と、CuOと、PbOと、を含み、当該酸化物超電導体厚膜製造用ペーストの全体組成を一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、0≦a≦0.5)で標記した際、Pbのモル比が、0.4以上、0.6以下であることを特徴とする酸化物超電導体厚膜製造用ペーストである。
一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体を製造するための酸化物超電導体厚膜製造用ペーストであって、
複合酸化物である(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、0≦a≦0.5)と、Pb化合物とを含むことを特徴とする酸化物超電導体厚膜製造用ペーストである。
基板又は基体の表面上に、第3または第4の手段に記載の酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを塗布してこれを焼成し、さらに圧縮することを特徴とする酸化物超電導体厚膜の製造方法である。
基板又は基体の表面上に、Bi2Sr2Ca1Cu2OYの組成を有する酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを塗布して焼成し、
次に、当該焼成された厚膜上に、第3または第4の手段に記載の酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを塗布してこれを焼成し、さらに圧縮することを特徴とする酸化物超電導体厚膜の製造方法である。
その結果、当該Bi2223厚膜の膜厚が130μm以下では、Jcが急激に減少することを見出した。本発明者らは、当該Jcの急激な減少は、Bi2223厚膜の製造時に行う焼成工程において、Pbが揮発し、焼成後のBi2223厚膜中に残存するPb量が減少することによる特性劣化に起因することに想到した。
図2(A)(B)より、基板を構成するMgの信号強度が0となり、Pbの信号が立ち上がる位置が、基体と酸化物超電導体厚膜との界面(以下、単に「界面」と記載する場合がある。)であることが認められた。一方、Pbの信号強度が0に迄急激に減少し始める位置が、酸化物超電導体厚膜の表面(以下、単に「厚膜表面」と記載する場合がある。)であることが認められた。
上記厚膜と同条件で作成した厚膜を用いて、当該Bi2223厚膜のIcを測定した。次に、当該Bi2223系厚膜の表面から約50μmを削除し、残り約250μmのBi2223系厚膜のIcを測定した。以下同様に、当該Bi2223厚膜を、新たな表面から約50μmづつを削除しIcを測定した。そして、上述した
Ic=酸化物超電導厚膜の断面積×Jc
の式より、前記削除による各膜厚におけるJcを算定し、当該算定結果を図4に示した。図4は縦軸にJcの値をとり、横軸に膜厚をとったグラフである。この図4に、前記各膜厚毎のJc測定値を破線を用いて記載した。
即ち、当該領域においては、焼成時に、Bi2223厚膜のPbがBi2212厚膜に拡散する為、Bi2223厚膜の結晶成長時にPb不足が起こる。その結果、Bi2223厚膜内に異相が生成し、当該異相がJcの値を下げていると考えられる。
当該Bi2223ペーストは、酸化物超電導粉体と、適宜な樹脂と、適宜なビヒクルと、適宜な溶剤とを、含んでいる。ここで、Bi2223ペーストに含まれる酸化物超電導粉体は、臨界温度:Tc〜約110Kを有するBi2223相の酸化物超電導粉体ではなく、臨界温度:Tc〜約80Kを有するBi2212相の酸化物超電導粉体を、主相として含み、他にCa2PbO4、CaCuO2、CuO等の中間生成相を含む複合相を含むものである。この、Bi2212相と中間生成相との混合相を焼成することで、まずCa2PbO4、CaCuO2、CuO等の中間生成相を液相化し、当該液相とBi2212相との反応によって、Bi2223相が生成するものである。
まず、上述したBi2212相の酸化物超電導粉体を主相として含み、他にCa2PbO4、CaCuO2、CuO等の中間生成相を含む複合酸化物(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、0≦a≦0.3)(以下、「Bi2223厚膜原料」と記載する場合がある。)へ、さらに易移動Pb化合物を添加し、組成を(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、0≦a≦0.5、0.4≦Pb≦0.60)とし、他は、通常のBi2223ペーストと同様にして、Pb添加Bi2223ペーストを製造した。
(1)厚膜表面側での効果
従来はBi2223厚膜の外表面付近では、焼成時の加熱により、Bi2223厚膜原料中のPbが揮発すると、Ca2PbO4相が分解して減少し、相バランスが崩れ、Bi2223相の結晶粒間に異相が生じて超電導電流パスを遮断し、さらにPb濃度が減少することにより超電導転移温度(以下臨界温度:Tcと略す)が上昇し、高Jcの膜が得られない。ところが、Pb添加Bi2223ペーストを用いて密閉容器中で焼成することで、Pb添加Bi2223ペーストの焼結時において、まず、当該易移動Pb化合物中のPb成分が優先的に外界へ揮散する。この結果、焼成時の雰囲気中のPb分圧が増加し、Bi2223厚膜原料中のPb成分が外界へ揮散することが抑止される。それによって、Pbの揮発により生じたPb濃度勾配を解消し、Ca2PbO4相の分解も抑制される結果、異相生成が抑制され、Pb濃度の減少によるTcの上昇を防ぎ、高いJcを保持したBi2223厚膜が得られるのだと考えられる。
上述したように、基板との界面に近い部分において、当該界面に向かってJc値が減少して行くのは、当焼成時に該領域において、Bi2223厚膜の原料の液相と、Bi2212厚膜の原料とが反応し、Bi2223厚膜原料液相中のPbが、Pbを含まないBi2212厚膜原料液相中へ拡散するためであると考えられる。つまり、Bi2223厚膜原料中のCa2PbO4相が分解して減少し、相バランスが崩れ、Bi2223相の結晶粒間に異相が生じて超電導電流パスを遮断して高Jcの膜が得られないことになると考えられる。ところが、Bi2223ペーストに易移動Pb化合物を添加しておくことで、Pb添加Bi2223ペーストの焼結時において、まず、当該易移動Pb化合物中のPb成分が、Bi2212厚膜の原料液相中へ優先的に拡散する。この結果、Bi2223厚膜原料中のPb成分が、Bi2212厚膜の原料液相中へ拡散することが抑止される。それによってCa2PbO4相の分解も抑制される結果、異相生成が抑制され、高いJcを保持したBi2223厚膜が得られるのだと考えられる。
当該Bi2223厚膜原料中への易移動Pb化合物の好ましい添加量は、当該易移動Pb化合物添加後のPb添加Bi2223ペーストに含まれる酸化物超電導粉体の組成式を(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3Ozと表記したとき、0<a<0.5、0.40<Pb<0.60であることが好ましい。
上述の易移動Pb化合物添加後のPb量を、0<a<0.5、0.40<Pbとすれば、
Pb元素が基体との界面から膜の外表面に向かって徐々に減少して行くことや、基板との界面に近い部分の100μmにおいて、当該界面に向かってJc測定値が徐々に減少して行くことを回避することが出来る。一方、0.60>Pbとする構成をとれば、焼成によるPbの揮散、拡散を経ても、Bi2223結晶中に残存するPbOの量が過剰となり、当該過剰な量のPbが却って異相を形成し、それら形成された異相が有効な超電導電流パスを遮ってしまい、超電導特性に悪影響を与えるという事態を回避できる。
まず、本実施の形態で使用したBi2212ペースト、およびPb添加Bi2223ペーストの好ましい製造方法について、好ましい製造工程例を示したフロー図である図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CuOの各種粉末11を、全体がBi2212のモル比となるように秤量、混合し、混合粉12とする。このとき、CaCO3はCaO、またはCa(OH) 2へ代替可能である。また、上述の粉体混合ではなく、湿式共沈法等にてBi、Sr、Ca、Cuの各元素を所望のモル比になるよう調製して混合粉12を得ても良い。
Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOの各種粉末16を加え、全体がBi2223のモル比となるように秤量、混合し混合粉17とする。このとき、CaCO3はCaO、またはCa(OH)2へ代替可能である。また、上述の各種粉体ではなく、湿式共沈法等にてBi、Sr、Ca、Cuの各元素を所望のモル比になるよう調製して混合粉17を得ても良く、また、湿式共沈法等にてBi、Pb、Sr、Ca、Cuの各元素を所望のモル比になるよう調製した原料を使用してもよい。
図6に示すように、基体または基板(以下、基体と記載する)3を準備し、Pb添加Bi2223ペースト2を用いてBi2223厚膜5が成膜された基体3を製造するが、このとき、基体とBi2223厚膜との密着強度を向上させるため、この基体とBi2223厚膜との間に、Bi2212組成の配合比を有するBi2212部分熔融層4を製造したものを使用すると好ましい。
まず、基体3としては、MgO、アルミナ、YSZ等のセラミックス素材、Ag、Au、Pt、Ni等の金属素材で形成された円筒形等の基体、板状の基板を用いることができるので、最終的な製造目的に応じて適宜、材質、形状およびサイズを選択すればよい。但し、Bi2212との反応性の小ささ、密着性(結合強さ)等の観点より、MgOは、基体3の材質として好ましい材質である。
Bi2212ペースト1を基体3へ塗布する際の膜厚は、10〜100μmであることが好ましい。膜厚が10μm以上あると部分的な塗布ムラが生ずることなく後述する均一な接合強度を得ることができ好ましい。また、膜厚が100μm以下であると、後述する後工程においてBi2212の膜が十分にPb添加Bi2223ペーストと反応を起こすことから好ましい。
図3は、本発明に係るBi2223厚膜および従来の技術に係るBi2223厚膜を、3.5mm幅のMgO基板に作製した場合において、膜厚とIcとの関係を測定したグラフであり、縦軸にIc(A)、横軸に膜厚(μm)をとったグラフである。このグラフに、後述する実施例1に係るBi2223厚膜のデータを実線、比較例に係るBi2223厚膜のデータを破線で記載した。
すると、例えばIc値40Aを達成するのに、従来の技術に係るBi2223厚膜では、約300μmを要していた。そして当該約300μmの膜厚を要することが、Bi2223厚膜の基体または基板からの剥がれを招いていた。
これに対し、本発明に係るBi2223厚膜はIc値40Aを達成するのに、約200μmの膜厚で十分なことが判明した。
(実施例1)
Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOの各粉末を、Bi:Pb:Sr:Ca:Cuのモル比で、1.90:0.30:1.90:2.05:3.05なるように秤量し混合して混合粉とした。この混合粉を、大気雰囲気下で780℃、10時間仮焼して仮焼粉とした。この仮焼粉と、粉砕メディアとしてのジルコニアボール、溶媒としてのトルエンと共にセラミックスポットに入れて、回転台にセットしボール粉砕をおこない、ボール粉砕が終了したスラリー状の仮焼粉を乾燥機で乾燥させた。この乾燥が完了した仮焼粉を、再度、大気雰囲気下で780℃、10時間焼成した後、ボール粉砕し、乾燥させた。尚、粉砕条件、乾燥条件は1回目と同条件で行った。そしてこの「焼成−粉砕−乾燥」の一連の操作を3回行って、Bi2Sr2Ca1Cu2OZ相(以下、Bi2212相と記載する。)を主相として含み、他にCa2PbO4、CaCuO2、CuO等の中間生成相を含む複合相を有する超電導合成粉を得た。
次に、Bi2212組成の配合比を有する超電導ペーストを、前記MgO基体にスプレー塗布し、乾燥させた後、大気中、焼成温度880〜885℃、30分間焼成した。この温度はBi2212相の大気中における融点に非常に近いものである。この結果、塗布されたBi2212相が部分溶融され、Bi2212部分熔融層が得られた。尚、Bi2212ペーストの塗布量は、当該Bi2212部分熔融層の厚さが約40μmとなる量に設定した。
異なる量のPbOを添加、混合して混合粉とし、実施例2に係る9種類の試料を製造した。各試料のPbO添加量は、超電導合成粉の全体を、Bi1.90PbxSr1.90Ca2.05Cu3.05Ozと表記したとき、Xの値が、0.30〜0.70の範囲で0.05毎の値をとるように、PbOの添加量を9段階としたものである。
当該9種類の超電導合成粉の試料を用い、実施例1と同様にして、実施例2に係る9種類のPb添加Bi2223ペーストを製造した。
そして、当該9種類のPb添加Bi2223ペーストを用い、実施例1と同様にして、実施例2に係るMgO基体上の9種類の酸化物超電導体厚膜を製造した。得られた厚膜試料の最終的な膜厚は、いずれも約300μmであった。尚、各MgO基体において、当該酸化物超電導体厚膜の剥離は認められなかった。
上記の結果より、前記超電導合成粉の原料混合時の組成を、(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3Ozと表記したとき、0.40<Pb<0.60となるようにPbOを添加した場合において、易移動Pbが機能していると考えられる。
まず、実施例2説明した方法により、超電導合成粉の全体を、Bi1.90PbxSr1.90Ca2.05Cu3.05Ozと表記したとき、Xの値が0.30である超電導合成粉を製造した。
次に、当該超電導合成粉へ後添加の形で、異なる量のPbOを添加、混合して混合粉とし、実施例3に係る9種類の試料を製造した。各試料のPbO添加量は、Xの値で0.30〜0.70の範囲で0.05毎の値をとるように、PbOの添加量を9段階としたものである。
当該9種類の超電導合成粉の試料を用い、実施例1と同様にして、実施例3に係る9種類のPb添加Bi2223ペーストを製造した。
実施例1で製造した超電導合成粉へPbOを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1に係るBi2223ペーストを製造した。そして当該比較例1に係るBi2223ペーストを用いて、実施例1と同様にして、比較例1に係るMgO基体上の酸化物超電導体厚膜を製造した。
当該Icの測定は、各Bi2223厚膜を3.5mm幅で短冊状に切り出し、300μmの厚みを有する膜に、銀ペーストを用いて当該短冊状試料の両端部に電流端子、中央部付近に電圧端子を設け、当該試料を液体窒素により77Kに冷却して、4端子法(通電法)にて行った。そして、膜厚300μmのときの臨界電流値Icを測定した。次に、当該Bi2223厚膜を約50μm研磨し、膜厚が約250μmのときの臨界電流値Icを測定した。以下同様にして、測定と研削とを繰り返し行い、膜厚が約50μmのときの臨界電流値Icまで測定した。
そして、実施例1に係る当該測定結果を実線で、比較例に係る当該測定結果を破線で示したものである。
図3に示した膜厚とIcとの関係を示したグラフのデータから、膜厚毎のJcの値を算定し、実施例1に係る当該測定結果を実線で、比較例に係る当該測定結果を破線で示したものである。
この結果、図3、4に示すように、実施例1に係る酸化物超電導体厚膜では、全体が高いJcを発揮しているのに対し、比較例では、酸化物超電導体厚膜の表面に向かうに従ってJcの値が低下したものと考えられる。
4.Bi2212部分熔融層
5.Bi2223厚膜
Claims (6)
- 基板または基体の表面上に形成された酸化物超電導体厚膜であって、
一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体を含み、
前記基板または基体と、酸化物超電導体厚膜との界面におけるPbのEPMA信号強度を1と規格化したとき、
前記酸化物超電導体厚膜の表面におけるPbのEPMA信号強度が0.75以上であることを特徴とする酸化物超電導体厚膜。 - 基板または基体の表面上に形成された一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体厚膜であって、
前記酸化物超電導体厚膜の表面における一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)において、Pbのモル比が0.15以上であることを特徴とする酸化物超電導体厚膜。 - 一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体を製造するための酸化物超電導体厚膜製造用ペーストであって、
一般式Bi2Sr2Ca1Cu2OYで標記される酸化物超電導体と、Ca2PbO4と、CaCuO2と、CuOと、PbOと、を含み、当該酸化物超電導体厚膜製造用ペーストの全体組成を一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、0≦a≦0.5)と標記した際、Pbのモル比が、0.4以上、0.6以下であることを特徴とする酸化物超電導体厚膜製造用ペースト。 - 一般式(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、−0.1≦a≦0.5)で標記される酸化物超電導体を製造するための酸化物超電導体厚膜製造用ペーストであって、
複合酸化物である(Bi、Pb)2+aSr2Ca2Cu3OZ(但し、0≦a≦0.5)と、Pb化合物とを含むことを特徴とする酸化物超電導体厚膜製造用ペースト。 - 基板又は基体の表面上に、請求項3または4に記載の酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを塗布してこれを焼成し、さらに圧縮することを特徴とする酸化物超電導体厚膜の製造方法。
- 基板又は基体の表面上に、Bi2Sr2Ca1Cu2OYの組成を有する酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを塗布して焼成し、
次に、当該焼成された厚膜上に、請求項3または4に記載の酸化物超電導体厚膜製造用ペーストを塗布してこれを焼成し、さらに圧縮することを特徴とする酸化物超電導体厚膜の製造方法。
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