JP3383799B2 - 超電導複合体及びその製造法 - Google Patents

超電導複合体及びその製造法

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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械的強度が高く、熱衝
撃特性に優れ、磁気シールド体などへの応用が可能な超
電導複合体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導体、例えばセラミックス超電導体
は、機械的強度や熱衝撃性に劣るという欠点があること
からセラミックス超電導体を金属、セラミックス等の基
材と組み合わせて複合化することが試みられている。こ
のうち金属の方がセラミックスに比較して大きさ、形状
等の制約を受けにくいという利点がある。ところがセラ
ミックス超電導体は、焼成及び熱処理の過程で多くの金
属材料との反応により臨界温度(以下Tcとする)、臨
界電流密度(以下Jcとする)等の超電導特性が低下し
たり又は超電導特性が得られない場合がある。このため
セラミックス超電導体と金属との間に貴金属層を中間層
として用いることが知られている。例えば特開平4−1
99700号公報には、鉄−ニッケル系合金の金属基板
上に、中間層として金、銀等の貴金属を熱間圧延により
拡散接合して複合基材を作製し、この複合基材上にBi
系超電導体を形成する方法が示され、又特開平3−19
2615号公報には、金属基板上に貴金属又はこれらの
合金層からなる中間層を900℃以上の温度で溶融し
て、厚さ30μm以上の被覆層を形成し、次いで該被覆
層上にBi系超電導体を形成する方法が示されている。
銀は上記に示すように基材又は中間層として用いられて
おり、焼成時の低融点化にも寄与している。又セラミッ
クス超電導体の焼成において超電導体を溶融させると、
Tc、Jc等が向上することが一般的に知られており、
銀を用いれば超電導体を均一に溶融させやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス超電導体
と金属板とを複合化する場合、問題となるのは、セラミ
ックス超電導体と金属板とを接合一体化することによる
熱膨張係数の不一致、反応による超電導特性の低下であ
る。さらに銀をセラミックス超電導体と金属板との間に
中間層として用いた場合においても、金属板及び/又は
セラミックス超電導体との間に熱膨張係数の不一致が起
こる。熱膨張係数の不一致は、焼成及び熱処理後の冷却
過程、又は超電導状態を発現させるため、室温から液体
窒素温度さらには20K乃至4.2Kに冷却する際にク
ラックの発生をもたらし、形状、大きさなどが制約さ
れ、セラミックス超電導体の実用化、応用の面で妨げと
なっている。セラミックス超電導体を実用化する場合、
例えば磁気シールド体のような用途に利用する場合、大
型で三次元構造の超電導体が要求される。この場合小型
の超電導体を物理的に組み合わせて大型化しただけで
は、接合部から磁気が漏洩する。すなわち、高い磁気シ
ールド性能を得るためには一体化した超電導体が必要と
なる。しかしながら、特開平4−199700号公報に
示されているように鉄−ニッケル系合金の金属基板上
に、中間層として貴金属を熱間圧延により拡散接合する
ためには、還元雰囲気中の高温高圧下で行わなければな
らず、大型で三次元構造の一体化複合基板の作製が困難
なばかりでなく、装置も大型化しなければならない。さ
らに、鉄−ニッケル系合金と貴金属との熱膨張差により
貴金属層にクラックが発生しやすい。又金属複合基材上
に形成されたセラミックス超電導体に組織の不均一な欠
陥等が存在すると、この欠陥部分から磁気が漏洩すると
考えられ、高い磁気シールド性能を得るためには、均一
な超電導特性を有する超電導体の形成が望まれる。しか
しながら、特開平3−192615に示されるように貴
金属又はこれらの合金層からなる中間層を900℃以上
の温度で金属基板上に溶融形成する場合、大型で三次元
構造の一体化複合基材の作製が困難であると共に、貴金
属又はこれらの合金層の厚さも不均一となり、部分的に
貴金属と超電導体とが反応しやすくなり、良好な超電導
特性が得られない可能性がある。また鉄−ニッケル系合
金と貴金属との熱膨張差による剥離又は貴金属のクラッ
クの発生も避けがたい。上記の他に溶射法により鉄−ニ
ッケル系合金表面に貴金属中間層を形成し、複合基材を
作製する方法もあるが、この方法では溶射膜がポーラス
なため、この気孔を通して金属基板と超電導体とが反応
し良好な超電導特性が得られにくい。この反応を抑制す
るために貴金属の中間層を厚くすると、容射膜の剥離等
が生じやすくなると共に超電導特性が低下しやすくな
る。本発明は上記のような問題点のない超電導複合体及
びその製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の欠点
について種々検討した結果、機械的強度に優れる金属板
を用いる場合、該金属板の酸化防止及び該金属板とセラ
ミックス超電導体との反応防止のため、この両者の間に
設ける中間層の熱膨張係数を該金属板及びセラミックス
超電導体の熱膨張係数に近づけることが重要であること
を見い出した。さらに上記金属板と中間層の複合化に
は、中間層を溶射法で形成すれば大型化、一体化に有利
であり、超電導体層を形成する該中間層を緻密にするこ
とが重要であることも確認した。即ち金属板とセラミッ
クス超電導体との間に該金属板及びセラミックス超電導
体の熱膨張係数に近い中間層を設けることで熱歪に起因
するクラックの発生が抑制され、さらには金属板の表面
に銀及びマグネシアを含む混合物を溶射法で形成し、そ
の表面に貴金属層を形成した後、該貴金属層表面を延伸
処理することが貴金属層の緻密化に非常に有効であるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。本発明は金
属板と超電導体層との間に、金属板側から銀及びマグネ
シアを含む混合物層、その上面に延伸処理された貴金属
層を介在させた超電導複合体並びに金属板の表面に銀及
びマグネシアを含む混合物層を溶射法で形成し、該混合
物層の表面に貴金属層を形成した後、貴金属層の表面を
延伸処理し、次いで延伸処理した貴金属層の表面に超電
導体用材料を積層した後焼成する超電導複合体の製造法
に関する。
【0005】本発明で用いられる超電導体は、酸化物系
が用いられ、その組成については特に制限はないが、イ
ットリウム系超電導体、ビスマス系超電導体、タリウム
系超電導体等を用いれば、Tcが液体窒素温度以上であ
るので好ましい。なお銀及びマグネシアを含む混合物層
と貴金属層は金属板と超電導体層の間に形成するため中
間層と記載したが、これらの中間層は金属板の片面に形
成してもよく、両面に形成してもよく制限はない。又銀
及びマグネシアを含む混合物層を形成する溶射の方法は
ガス式、アーク式、プラズマ式等を用いることができ
る。貴金属層の形成は特に制限はないが溶射法で形成す
ることが好ましい。なお中間層の厚さは特に制限はない
が、薄いと中間層を通して超電導体と金属板が反応し超
電導特性が低下しやすくなるため、50μm以上が好ま
しく、100〜600μmであればさらに好ましい。銀
及びマグネシアを含む混合物層の形成は上記のような溶
射法で形成するものとし、溶射法以外の方法では金属板
から銀及びマグネシアを含む混合物層が剥離し易く、厚
付け(200μm以上)及び立体構造への形成が困難で
ある。金属板は、超電導体を形成する過程で800℃以
上の温度で酸素を含む雰囲気中にさらされるため、耐熱
性及び耐酸化性に優れる鉄−ニッケル合金、例えばSU
S304及び301S、ハステロイ、インコネル等を用
いることが好ましい。貴金属層の延伸処理方法には特に
制限がなく、表面に光沢がでる方法であれば、サンドペ
ーパ、ダイヤモンドホイール、バフ、バイト、金属片等
を用いて延伸することができる。延伸処理後の貴金属層
の表面粗さは、Raで1μm以下であると良好な超電導
特性が得られるので好ましい。貴金属層の延伸処理を省
略すると金属板と超電導体が反応して超電導特性が低下
する。又貴金属層の表面に超電導体用材料を積層する方
法についても制限はないが、溶射法、スクリーン印刷
法、転写法、スプレーコート法、ディップコート法、グ
リーンシート積層法等の方法で積層することができる。
焼成条件については特に制限はなく、従来公知の方法で
行うものとする。又必要に応じ焼成後に熱処理が行われ
る。
【0006】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。なお本発
明は以下の実施例の範囲に限定されるものではない。 実施例1 銀粉末(レアメタリック製、粒径325〜250メッシ
ュ)及びマグネシア粉末(高純度化学研究所製、重質、
フリーパウダー、純度99.9%)を表1に示す割合に
なるように秤量し、Vブレンダーで1時間乾式混合し
て、銀とマグネシアとの混合粉末a及びbを得た。
【0007】
【表1】 次に金属板として、寸法が縦50mm×横50mm×厚さ1
mmのSUS310S板をサンドブラスト処理した後、図
1に示すようにSUS310S板1の表面全体(上下
面)に公知のプラズマ溶射法によって、上記で得た銀と
マグネシアの混合粉末bを吹き付け、片側の面の厚さが
150μmの銀とマグネシアの混合物層2を形成した。
さらに銀とマグネシアの混合物層2の片側上面に公知の
ガス容射法で、貴金属層として銀粉末(レアメタリック
製、粒径325〜250メッシュ)を100μmの厚さ
に溶射し、この銀溶射膜の表面をサンドペーパーでこす
って延伸処理し、貴金属層3を形成した超電導体形成用
基材を得た。なお、延伸処理後の貴金属層の表面を表面
粗さ計で測定したところ、Raで0.8μmであった。
一方ビスマス、ストロンチウム、カルシウム及び銅の比
率が原子比で2:2:1:2となるように純度99.9
%以上の酸化ビスマス(高純度化学研究所製)913.
29g、炭酸ストロンチウム(レアメタリック製)57
8.71g、炭酸カルシウム(高純度化学研究所製)1
96.17g及び酸化第二銅(高純度化学研究所製)3
11.82gを秤量し、超電導体用原料粉とした。上記
の超電導体用原料粉を樹脂製ポット内に樹脂製ボール及
びイオン交換水と共に充てんし、毎分60回転の条件で
60時間湿式混合した。乾燥後混合物を銀板上に乗せ8
20℃で12時間仮焼して、超電導体用仮焼粉を得た。
該仮焼粉を粗粉砕し、さらに樹脂製ポット内にジルコニ
アボール及び酢酸エチルと共に充てんし、毎分60回転
の条件で24時間湿式粉砕した。これを乾燥して平均粒
径5.5μmのビスマス系超電導体用粉末A(以下超電
導体用粉末Aとする)を得た。得られた超電導体用粉末
A100重量部に有機結合剤としてポリビニルブチラー
ル樹脂(和光純薬工業製、試薬一級)を8重量部、可塑
剤としてフタル酸エステル(和光純薬工業製、試薬一
級)を3重量部及びブタノール(和光純薬工業製、試薬
一級)を50重量部添加し、均一に混合した後、脱気を
行い粘度15Pa・sの超電導体用スラリーを得た。該
超電導体用スラリーをポリエステル製フィルム(東レ
製)上に供給し、ドクターブレード法で厚さ100μm
の超電導体用グリーンシート(以下グリーンシートとす
る)を得た。次に先に得た超電導体形成用基材の貴金属
層3の上面に上記のグリーンシートを60℃、10分
間、20MPaの条件で熱圧着して、超電導体用グリー
ンシート積層基材を得た。上記で得た超電導体用グリー
ンシート積層基材を大気中で500℃までは30℃/時
間の速度で昇温し、次いで100℃/時間の速度で88
5℃まで昇温し、885℃で15分間保持した後、87
0℃まで5℃/時間の速度で降温して1時間保持した
後、800℃までは100℃/時間、800℃から室温
までは300℃/時間の速度で冷却して、膜厚が31μ
mの超電導体層4を形成したビスマス系セラミックス複
合体(以下超電導複合体とする)を得た。得られた超電
導複合体を長さ50mm及び幅5mmの形状に切断し、各試
料について四端子法でTc及びJcを測定した結果、T
cは91.4〜92.6Kで、77Kにおけるゼロ磁場
でのJcは2.9〜3.4(×107A/m2)と良好な
超電導特性を示した。又得られた超電導複合体の外観を
観察した結果、SUS310S板と中間層の間で剥離は
見られなかった。さらに液体窒素温度〜20℃のヒート
サイクル試験を10サイクル行ったがクラック及び剥離
の発生は認められなかった。
【0008】実施例2 金属板として、実施例1と同寸法のインコネル600板
をサンドブラスト処理した後、図2に示すようにインコ
ネル600板5の片側の面に、公知のプラズマ溶射法に
よって、実施例1で得た銀とマグネシアとの混合粉末a
を吹き付け、厚さが150μmの銀とマグネシアとの混
合物層2を形成した。さらに銀とマグネシアの混合物層
2の上面に公知のアーク溶射法で、貴金属層として実施
例1で用いた銀を100μmの厚さに溶射し、この銀溶
射膜の表面をダヤモンドホイールで延伸処理し、貴金属
層3を形成した超電導体形成用基材を得た。なお、延伸
処理後の貴金属層表面を表面粗さ計で測定したところ、
Raで0.6μmであった。一方、ブタノールの添加量
を80重量部とした以外は実施例1と同様の方法で、粘
度2Pa・sの超電導体用スラリーを得た。次に先に得
た超電導体形成用基材の貴金属層3の上面に上記の超電
導体用スラリーをスプレー塗布して、超電導体用材料積
層基材を得た。上記で得た超電導体用材料積層基材を実
施例1と同様の条件で焼成して、膜厚が27μmの超電
導体層4を形成した超電導複合体を得た。得られた超電
導複合体について実施例1と同様の方法でTc及びJc
の測定並びに外観の観察をした結果、Tcは92.4〜
93.1Kで、77Kにおけるゼロ磁場でのJcは3.
8〜4.4(×107A/m2)であり、金属基板と中間
層の間で剥離は見られなかった。又液体窒素温度〜20
℃のヒートサイクル試験を10サイクル行ったがクラッ
ク及び剥離の発生は認められなかった。
【0009】実施例3 実施例2における貴金属層を銀から金に、貴金属層の形
成法を公知のプラズマ溶射法に、熱処理条件の885℃
で15分間の保持を890℃で15分間の保持に変えた
以外は実施例2と同様の方法で膜厚が30μmの超電導
体層を形成した超電導複合体を得た。得られた超電導複
合体を実施例1と同様の方法でTc及びJcの測定並び
に外観の観察をした結果、Tcは90.2〜91.2K
で、77Kにおけるゼロ磁場でのJcは2.3〜2.9
(×107/m2)であり、金属基板と中間層の間で剥離
は見られなかった。又液体窒素温度〜20℃のヒートサ
イクル試験を10サイクル行ったがクラック及び剥離の
発生は認められなかった。
【0010】実施例4 ビスマス、鉛、ストロンチウム、カルシウム及び銅の比
率が原子比で1.8:0.3:1.8:2:3となるよ
うに純度99.9%以上の酸化ビスマス(高純度化学研
究所製)704.3g、一酸化鉛(高純度化学研究所
製)112.46g、炭酸ストロンチウム(レアメタリ
ック製)446.28g、炭酸カルシウム(高純度化学
研究所製)336.18g及び酸化第二銅(高純度化学
研究所製)400.78gを秤量し、超電導体用原料粉
とした。次に上記の超電導体用原料粉を樹脂製ポット内
に樹脂製ボール及びイオン交換水と共に充てんし、毎分
60回転の条件で60時間湿式混合した。乾燥後混合物
を800℃で12時間仮焼して超電導体用仮焼粉を得
た。該仮焼粉を粗粉砕し、さらに樹脂製ポット内にジル
コニアボール及び酢酸エチルと共に充てんし、毎分60
回転の条件で60時間湿式粉砕した。乾燥後、820℃
で20時間熱処理し、次いで該熱処理粉を粗粉砕し、さ
らに樹脂製ポット内にジルコニアボール及び酢酸エチル
と共に充てんし、毎分60回転の条件で24時間湿式粉
砕した。これを乾燥して、平均粒径が4.5μmのビス
マス系超電導体用粉末B(以下超電導体用粉末Bとす
る)を得た。
【0011】得られた超電導体用粉末B100重量部に
対し、有機結合剤としてエチルセルロース(和光純薬工
業製、45cp)を5重量部及び有機溶剤としてテルピ
ネオール(和光純薬工業製、試薬一級)を30重量部添
加し、均一に混練してビスマス系超電導体用ペースト
(以下超電導体用ペーストとする)を得た。この後実施
例2で得た超電導体形成用基材の貴金属層3の上面に、
上記で得た超電導体用ペーストをディップコート法によ
り塗布し、乾燥後、大気中で300℃までは50℃/時
間の速度で昇温し、次いで100℃/時間の速度で84
0℃まで昇温し、840℃で96時間保持した後、10
0℃/時間の速度で室温まで冷却して、膜厚が100μ
mの超電導体層を形成したビスマス系超電導複合体を得
た。得られた超電導複合体を実施例1と同様の方法でT
c及びJcの測定並びに外観の観察をした結果、Tcは
101.8〜102.7Kで、77Kにおけるゼロ磁場
でのJcは1.5〜1.8(×107A/m2)であり、
金属基板と中間層の間で剥離は見られなかった。又液体
窒素温度〜20℃のヒートサイクル試験を10サイクル
行ったがクラック及び剥離の発生は認められなかった。
【0012】比較例1 実施例1において銀の溶射を行わなかった以外は実施例
1と同様の方法で膜厚が28μmの超電導体層を形成し
た超電導複合体を得た。得られた超電導複合体を実施例
1と同様の方法でTc及びJcを測定した結果、Tcは
77K未満で、77Kにおいて超電導特性は得られなか
った。又外観を観察した結果、超電導体層と金属基板が
銀とマグネシアを含む混合層の隙間を通して熱処理中に
反応したため、所々中間層膜が膨れていた。
【0013】比較例2 実施例1において銀とマグネシアの混合物層は形成せ
ず、又貴金属層の延伸処理を行わなかった以外は実施例
1と同様の方法で膜厚が25μmの超電導体層を形成し
た超電導複合体を得た。得られた超電導複合体を実施例
1と同様の方法でTc及びJcを測定した結果、Tcは
77K未満で、77Kにおいて超電導特性は得られなか
った。又外観を観察した結果、超電導体層と金属基板が
貴金属層(銀溶射膜)の隙間を通して熱処理中に双方が
反応したため、所々銀溶射膜が膨れていた。
【0014】比較例3 実施例2において貴金属層の延伸処理を行わなかった以
外は実施例2と同様の方法で膜厚が26μmの超電導体
層を形成した超電導複合体を得た。得られた超電導複合
体を実施例1と同様の方法でTc及びJcを測定した結
果、Tcは89.8〜92.0Kであったが、77Kに
おけるゼロ磁場でのJcは0.3〜1.6(×107
/m2)と低くばらつきが見られた。又外観をSEMで
観察し、EDX分析を行った結果、超電導体以外の異相
が多数確認された。
【0015】
【発明の効果】本発明になる超電導複合体は、焼成時、
焼成によって一体化した後及び熱処理後の冷却過程又は
室温と液体窒素温度のヒートサイクル試験においても剥
離、クラック等が発生せず、又超電導特性も低下せず、
工業的に極めて好適な超電導複合体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる超電導複合体の断面図
である。
【図2】本発明の他の一実施例になる超電導複合体の断
面図である。
【符号の説明】
1 SUS310S板 2 銀とマグネシアの混合物層 3 貴金属層 4 超電導体層 5 インコネル600板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−199700(JP,A) 特開 平3−192615(JP,A) 特開 平6−272021(JP,A) 特開 平6−328618(JP,A) 特開 平6−128050(JP,A) 特開 平5−24806(JP,A) 特開 平3−281769(JP,A) 特開 平4−349187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/00 - 15/20 H01B 12/00 - 12/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板と超電導体層との間に、金属板側
    から銀及びマグネシアを含む混合物層、その上面に延伸
    処理された貴金属層を介在させた超電導複合体。
  2. 【請求項2】 金属板の表面に銀及びマグネシアを含む
    混合物層を溶射法で形成し、該混合物層の表面に貴金属
    層を形成した後、貴金属層の表面を延伸処理し、次いで
    延伸処理した貴金属層の表面に超電導体用材料を積層し
    た後焼成することを特徴とする超電導複合体の製造法。
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