JP2007154750A - 酸素圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】発火する虞を確実に防止できるようにする。
【解決手段】圧縮機ケーシング13内にオープン型のインペラ1を回転駆動可能に収納する。インペラ1の外周に位置するシュラウド4の内周面部には、緻密な銀の被膜12を設ける。この緻密な銀の被膜12は、高速ガスフレーム溶射により形成させて、シュラウド4内周面部の基材への密着性を高めると共に、ミリ単位の厚さの強い被膜とさせる。酸素圧縮運転中にインペラ1が設定位置よりずれて、シュラウド4内周面部の緻密な銀の被膜12と接触しても、この被膜12の基材からの剥離を防止し、被膜12にインペラ1の翼3が食い込んでもシュラウド4の基材まで達する虞を防ぎ、更には、緻密な銀の被膜12によって酸素が被膜内を通してシュラウド4の内周面部に達する虞を防ぐことで、酸素の存在下でインペラ1がシュラウド4に接触しないようにさせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素を圧縮するために用いる酸素圧縮機に関するものである。
空気分離プラントやその他の各種プラントでは、酸素の所要個所への送給を行なう場合等に、酸素圧縮機を用いることがある。
かかる酸素圧縮機として遠心圧縮機(ターボ圧縮機)を用いる場合には、被圧縮気体が高濃度の酸素であるため、該高濃度酸素の存在下で回転部品と静止部品との間に摩擦が生じたり、あるいは、回転部品の回転軸心のふれ等により該回転部品が静止部品に接触するようになると、発生する摩耗粉が上記高濃度の酸素の存在下で発火したり、更には、一般の遠心圧縮機における回転部品や静止部品の構成材料として用いられている金属自体が発火する虞も懸念されるようになる。
そのために、従来の酸素圧縮機は、回転部品であるインペラとして、ハブ(ボス)と、翼と、該翼の外周を覆うリング状のシュラウドとを一体化してなるクローズ型インペラ(シュラウド付インペラ)を用いるようにしてなるクローズ型の酸素圧縮機としてある。これにより、上記クローズ型インペラの回転駆動により酸素を圧縮する際には、酸素が上記ハブと翼とシュラウドにより囲まれる空間の内側を通るようにして、回転する上記クローズ型インペラと、その外周に位置する静止部品との間に摩擦や接触が生じても、該摩擦や接触が生じる部分に、上記被圧縮気体である高濃度の酸素が供給されないようにすることで、発火が生じる虞を未然に防止できるようにしてある。又、圧縮機ケーシングにおける上記クローズ型インペラの回転駆動軸の貫通部分に設ける軸シール部(軸シールラビリンス部)については、難燃性の銀をロウ付けしてコーティングすることにより、上記軸シール部における回転部品と静止部品が上記高濃度の酸素の存在下で摺動し、摩擦を生じる場合であっても、発火が生じる虞を未然に防止できるようにしてある。
ところで、一般に、上記クローズ型酸素圧縮機のようなクローズ型の圧縮機は、ハブと翼からなるオープン型のインペラを用いるオープン型圧縮機に比して効率が低い。このために、同程度の圧縮能力を得るためには、クローズ型圧縮機の方が、オープン型圧縮機に比してサイズが大型化してしまう。そこで、酸素圧縮機をよりコンパクトな構造とするために、オープン型の酸素圧縮機とすることが望まれてきている。
しかし、上述したように、酸素圧縮機をオープン型とする場合には、上述したように、被圧縮気体である酸素の存在下にて、回転部品と静止部品との間に摩擦や接触が生じても、発火しないようにするための対策を講じる必要がある。
そこで、図3(イ)(ロ)に示す如く、ハブ2と翼3とからなるオープン型のインペラ1を備えたオープン型の酸素圧縮機において、シュラウド(囲い板)4の内周面に、上記インペラ1を取り囲むようブロンズライナー5を埋設し、該ブロンズライナー5のねじ溝6加工を施した内周部表面に、ニッケル又はニッケル合金による薄い結合層8と、高密度銀又は銀合金による薄い中間層としての非多孔質銀合金層9と、細孔又はボイド11が体積で約20〜80%含まれるような銀又は銀合金の熱スプレーによる多孔質摩耗性銀合金層10とを積層してなる複合摩耗性金属被膜7を設ける構成とすることが、近年、提案されてきている。又、多孔質摩耗性銀合金層10の厚さを約1.02〜6.35mmとする構成も提案されている。更に、上記結合層8の厚さを0.0762〜0.102mmとしたり、非多孔質銀合金層9の厚さを0.152〜0.254mmとする構成も提案されている。更には、上記非多孔質銀合金層9は除いてもよいとされている。11は上記インペラ1の回転駆動軸である。
以上の構成を備えた酸素圧縮機によれば、シュラウド4の内周面部に、表層(頂部の層)を多孔質の銀又は銀合金の層としてなる被膜7を設けた構成としてあるので、火炎の機会は非常に少なくなり、部品は発火温度に到達しないとされている。(たとえば、特許文献1参照)。
特開平10−54395号公報
ところが、上記特許文献1に記載されたものでは、シュラウド4の内周面部に結合層8、非多孔質銀合金層9、多孔質摩耗性銀合金層10を形成させる手段と示されている熱スプレーは、溶射材料としてワイヤを用いて、該ワイヤを酸素−アセチレンによる燃焼炎中で連続的に溶融させながら、二次的に供給する空気スプレー(圧縮空気)により微粒化させた材料を基材に吹き付けて被膜を形成するようにしてある所謂フレーム溶射であり、上記微細化された溶射材料は、上記空気スプレーの速度に応じた速度で基材表面に衝突させられて被膜を形成するようになるため、上記各層8,9,10は、いずれも構造的に多孔質にならざるを得ない。すなわち、上記多孔率が約20〜80%としてある多孔質摩耗性銀合金層10とは、溶射を行う際の空気スプレーの圧力や、溶射材料のワイヤ供給速度や、溶射距離条件を変えて形成させるようにしてある上記結合層8や非多孔質銀合金層9であっても、その構造は多孔質とならざるを得ないのである。
したがって、上記結合層8や非多孔質銀合金層9、多孔質摩耗性銀合金層10は、いずれも密着性(接着力)が数MPa程度と低いものとなる。しかも、多孔質構造を有しているため、被膜強度をあまり高めることができないものであり、このため、強度のある膜をミリ単位の厚さで設けることは困難である。
よって、上記特許文献1に記載されたものでは、酸素圧縮機の運転中に、回転するインペラ1が、回転軸心のふれ等によりシュラウド4の内部表面に設けてある上記複合摩耗性金属被膜7に接触すると、該被膜7がシュラウド4の内部表面より容易に剥離してしまう虞が懸念される。なお、特許文献1に記載されたものでは、ブロンズライナー5の内周部表面に対する上記被膜7の表面接触面積を拡大させて接着力を得るために、上記ブロンズライナーの5の内周部表面にねじ溝6加工を施しているが、この加工に要する手間及びコストが嵩むという問題がある。しかも、上記ねじ溝6加工により多少接着力の向上が図れるとしても、上記複合摩耗性金属被膜7の強度自体は何ら向上できない。しかも、上記多孔質摩耗性銀合金層10に比して多少強度が高いと考えられる上記結合層8及び非多孔質銀合金層9の厚さは、それぞれ0.0762〜0.102mm、0.152〜0.254mmとごく薄いため、上記のようにして回転するインペラ1が上記被膜7に接触するときには、該被膜7の強度ではインペラ1の勢いを止めることができずに、インペラ1が被膜7に容易に食い込んで、上記ブロンズライナー5の基材表面にまで容易に達してしまう虞も懸念される。
更に、上述したように、上記複合摩耗性金属被膜7の各層8,9,10はいずれも多孔質構造であって、被圧縮気体である酸素が被膜7内部の空隙を通してブロンズライナー5の基材表面に容易に達してしまうため、上記のように、回転するインペラ1が被膜7に食い込んでブロンズライナー5の基材表面にまで達するときには、発火の虞を解消できないという問題が懸念される。
ところで、上記特許文献1に記載された如き熱スプレーではなく、銀のロウ付けによれば、形成される被膜(層)は緻密になると考えられるが、シュラウドの内面へのロウ付けは構造的な制約があり難しい。又、ロウ付けによっても、強度のある膜をミリ単位の厚さで設けることは困難である。
又、酸素圧縮機をコンパクトなオープン型の圧縮機とする場合には、軸シール部(軸シールラビリンス部)の構造もコンパクトにすることが望まれるが、この軸シール部の構造をコンパクト化すると、該軸シール部に銀のロウ付け加工によるコーティングを行うことが困難になる。
そこで、本発明は、回転部品と静止部品との間に摩擦や接触が生じる虞が懸念される部分に緻密な銀の被膜を備えて、該摩擦や接触が生じる部分に高濃度の酸素が存在しても、発火の虞を確実に防止でき、しかも、軸シール部の構造をもコンパクト化できるオープン型の酸素圧縮機を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明に対応して、圧縮機ケーシング内でハブと翼とからなるオープン型のインペラを回転駆動させることにより酸素を圧縮できるようにしてある酸素圧縮機における上記インペラの外周に位置するシュラウドの内周面部に、緻密な銀の被膜を設けてなる構成とする。
又、上記構成における緻密な銀の被膜を、2mm以上の厚さとした構成とする。
更に、上記各構成における緻密な銀の被膜を、高速ガスフレーム溶射により形成させるようにした構成とする
上述の各構成において、インペラの回転駆動軸が圧縮機ケーシングを貫通する部分に設ける軸シール部を構成する回転部品と静止部品のうち、いずれか一方又は双方に、高速ガスフレーム溶射による緻密な銀の被膜を設けるようにした構成とする。
上記構成における高速ガスフレーム溶射の溶射材料として、100〜400μmの粒径を有する銀の粉末を用いるようにした構成とする。
本発明の酸素圧縮機によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)圧縮機ケーシング内でオープン型のインペラを回転駆動させることにより酸素を圧縮できるようにしてある酸素圧縮機における上記インペラの外周に位置するシュラウドの内周面部に、緻密な銀の被膜を設けてなる構成とし、更に、上記緻密な銀の被膜を、高速ガスフレーム溶射により形成させるようにした構成としてあるので、基材であるシュラウド内周面部に対する上記緻密な銀の被膜の密着性を高めることができると共に、該緻密な銀の被膜を、ミリ単位の厚さとしても強度の高いものとすることができる。したがって、酸素圧縮運転中にインペラが設定位置から変位して、シュラウドの内周面部に設けてある緻密な銀の被膜に接触しても、該銀の被膜がシュラウド内周面部から剥離する虞を解消できると共に、上記インペラの翼が上記銀の被膜に食い込むようになるとしても、シュラウドの内周面部の基材にまで達する可能性を低く抑えることができる。更に、フレーム溶射で形成されるような多孔質の被膜では、被圧縮気体である高濃度の酸素が被膜内部の空隙を通って容易にシュラウドの内周面部に達するようになるが、上記本発明における緻密な銀の被膜では、酸素がシュラウドの内周面に達する虞を解消できる。したがって、上記インペラが設定位置から変位する場合であっても、シュラウドの基材と接触する虞を確実に防ぐことができて、発火が生じる虞を未然に防止できる。
(2)上記緻密な銀の被膜を、2mm以上の厚さとすることにより、上記インペラが設定位置から変位する場合に、シュラウドの基材と接触するようになる虞をより確実に防ぐことができる。
(3)インペラの回転駆動軸が圧縮機ケーシングを貫通する部分に設ける軸シール部を構成する回転部品と静止部品のうち、いずれか一方又は双方に、高速ガスフレーム溶射による緻密な銀の被膜を設けるようにすることにより、酸素圧縮機のコンパクト化を図るために有利な構成とすることができる。
(4)高速ガスフレーム溶射の溶射材料として、100〜400μmの粒径を有する銀の粉末を用いるようにした構成とすることにより、高速ガスフレーム溶射により所要の厚みを有する緻密な銀の被膜を効率よく形成させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の酸素圧縮機の実施の一形態を示すもので、図3(イ)に示したと同様に、シュラウド4の内側に、ハブ2と翼3とからなるオープン型のインペラ1を回転駆動可能に配置してなる構成において、上記シュラウド4の内周面に、緻密な銀の被膜(層)12を所要の厚み寸法で設けてなる構成とする。更に、上記銀の被膜12は、高速ガスフレーム溶射(HVOF溶射)により形成してなる構成とする。
更に又、圧縮機ケーシング12における上記インペラ1の回転駆動軸11の貫通部には軸シール部(軸シールラビリンス部)14を設け、該軸シール部14にて摺動して摩擦が生じる虞のある回転部品と静止部品のいずれか一方又は双方に、上記と同様のHVOF溶射による緻密な銀の被膜15を所要の厚みで形成させて設けるようにする。
詳述すると、上記シュラウド4の内周面に設ける緻密な銀の被膜12は、ミリ単位の厚さとなるようにし、具体的には、2mm以上の厚さとなるようにすることが望ましい。これにより、万一、上記インペラ1が、回転軸心のふれ等により上記シュラウド4の内周面に設けてある緻密な銀の被膜12に接触して、該銀の被膜12にインペラ1の翼3が食い込むようになるとしても、該インペラ1の翼3がシュラウド4の基材まで達するようになる虞を未然に防止できるようにしてある。
上記軸シール部14は、たとえば、回転駆動軸11における圧縮機ケーシング13の貫通部の外周に取り付けた回転部品としてのラビリンスリング16,17と、該ラビリンスリング16,17のフィンの外周にそれぞれ近接するよう配置して所要の取付部材20を介し圧縮機ケーシング13側の固定部に取り付けた固定部品としてのリング部材18,19とを備えてなる構成としてあり、上記各リング部材18,19の内周面の全面に、上記と同様のHVOF溶射による緻密な銀の被膜15を所要の厚さで設けるようにしてある。これにより、上記ラビリンスリング16,17が、対応する各リング部材18,19の内周面に接触しても、上記緻密な銀の被膜15の存在により発火の虞を未然に防止できるようにしてある。
上記シュラウド4の内周面、及び、軸シール部14における各リング部材18,19の内周面に対して緻密な銀の被膜12,15を設ける場合は、図2に概要を示す如き高速ガスフレーム溶接用の溶射ガン21を用いてHVOF溶射を行うようにしてある。
すなわち、上記溶射ガン21は、点火プラグ23を備えた燃焼室22に、灯油等の燃料24と酸素25とを供給して燃焼させ、この際発生する燃焼ガスをベンチュリ部26を経て燃焼ノズル27へ導くことにより、数千度という高温で且つ音速を超えるような高速のガスフレーム28を発生させ、この高温、高速のガスフレーム28中に、溶射材料である銀(純銀)の粉末29を供給して、該銀の粉末29を上記高温、高速のガスフレーム28により溶融させると共に、溶射対象物となる上記シュラウド4の内周面、あるいは、各リング部材18,19の内周面の基材表面に順次衝突させて被膜を形成させるようにしてある。30は燃焼室22及び燃焼ノズル27の外側に設けた水冷ジャケットであり、該水冷ジャケット30に冷却水31を流通させて溶射作業中の溶射ガン21を冷却するようにしてある。
更に、上記溶射ガン21にてガスフレーム28中に供給する銀の粉末29の粒径は、100〜400μm、好ましくは、200〜350μmとする。一般に行われているHVOF溶射によるセラミック等の溶射の場合、溶射材料の粉末は10〜30μmとすることが多い。これに対し、上記したように、本発明では溶射材料とする上記銀の粉末29の粒径を100μm以上としている。これは、銀の融点や沸点がセラミック等に比して低いため、銀の粉末29の粒径を100μmよりも小さくすると、上記溶射ガン21で発生させるガスフレーム28中に供給する銀の粉末29が溶融し蒸発してしまい、溶射対象物の基材表面に緻密な銀の被膜12,15を、ミリ単位の厚さで形成させることが困難になるためである。
一方、溶射材料として使用する銀の粉末29の粒径を400μm以下としたのは、粒径が400μmよりも大きな銀の粉末29を上記溶射ガン21で発生させるガスフレーム28中に供給しても、溶射対象物の基材表面に衝突させる際に粉末粒子を十分な溶融状態とさせることができず、このために、個々の粒子同士が付着し難くなって、被膜中にブローホールが発生する虞が生じ易くなるためである。
上記のようにしてHVOF溶射を行うことにより、上記シュラウド4の内周面部、あるいは、各リング部材18,19の内周面部に、基材表面への密着性(接着力)を30〜40MPa程度にまで高めると共に、気孔率が1%以下の緻密な状態として強度の高い銀の被膜を、ミリ単位の所要の厚さで形成するようにしてある。
以上の構成としてある本発明の酸素圧縮機によれば、酸素圧縮運転中に回転軸心のふれ等に起因してインペラ1が設定位置から変位しても、該変位するインペラ1がシュラウド4の内周面部に設けてある緻密な銀の被膜12にのみ接触するようにしてあるため、被圧縮気体である高濃度の酸素の存在下においても発火が生じる虞を未然に防止できる。更に、上記銀の被膜12は基材表面への密着性が高いため、上記インペラ1が接触する場合であっても、該銀の被膜12がシュラウド4の基材表面から剥離してしまう虞を未然に防止できる。更に又、上記銀の被膜12は緻密なため、上記高濃度の酸素が被膜内を通ってシュラウド4の基材表面にまで達する虞はなく、しかも、上記銀の被膜12は緻密なため強度が高く、且つシュラウド4の内周面部に2mm以上の厚さで設けてあることから、たとえ上記変位するインペラ1の翼3が、上記銀の被膜12に食い込むようになるとしても、シュラウド4の基材表面にまで達する可能性を低く抑えることができて、このことによっても発火の虞を未然に防止することができる。
又、上記インペラ1の回転駆動軸11が圧縮機ケーシング10を貫通する部分に設ける軸シール部14については、ラビリンスリング16,17の外周に配するリング部材18,19の内周面部に緻密な銀の被膜15を設けた構成としてあるので、被圧縮気体である高濃度酸素の存在下で上記ラビリンスリング16,17と、上記リング部材18,19の内周面部の上記銀の被膜15との間で接触や摩擦が生じても、発火が生じる虞を未然に防止することができる。しかも、上記リング部材18,19の内周面部に緻密な銀の被膜15を設ける手段としては、HVOF溶射を採用するようにしてあるため、銀のロウ付け加工に比して構造的な制約が小さくなる。このため、上記軸シール部14の構造のコンパクト化を図ることができて、オープン型の酸素圧縮機全体のコンパクト化を図ることが可能になる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、シュラウド4の内周面に緻密な銀の被膜12を設けるための手法としては、HVOF溶射が好ましいが、銀を溶融させると共に高速度で基材表面に衝突させて緻密な被膜を形成させることができれば、大気プラズマ溶射、真空プラズマ溶射、レーザ溶射等、その他の溶射方法を用いるようにしてもよい。これらの溶射手法を採用する際、溶射温度条件がHVOF溶射に比して高温となる場合には、その溶射温度条件における銀の溶融や蒸発が生じる速さや度合等を考慮して、溶射材料として用いる銀の粉末29の粒径を、より大きなサイズとする等、適宜変化させるようにすればよい。
上記実施の形態では、軸シール部14を、回転駆動軸11と一体に回転する回転部品としてのラビリンスリング16,17と、その外周に配置して所要の固定部に支持させてなる静止部品としてリング部材18,19とからなり、且つ該各リング部材18,19の内周面部にHVOF溶射による緻密な銀の被膜15を設けてなる構成として示したが、内周面部にフィンを備えたラビリンスリングを固定側に設け、その内側に配置する上記ラビリンスリングのフィンに臨むリング部材を回転駆動軸11側に取り付けてなる構成を備えた軸シール部としたり、又、ラビリンスリング同士を内周側と外周側で組み合わせた構成とした形式としてもよく、更に、上記HVOF溶射による緻密な銀の被膜15は、固定部品と回転部品の任意の一方、又は、双方に設けるようにしてもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の酸素圧縮機の実施の一形態を示す概略切断側面図である。 図1の酸素圧縮機におけるシュラウド部に緻密な銀の被膜を形成させるために用いる高速ガスフレーム溶射装置を示す概要図である。 従来提案されている酸素圧縮機のシュラウドを示すもので、(イ)は概略切断側面図、(ロ)は(イ)のA部を拡大して示す図である。
符号の説明
1 インペラ
2 ハブ
3 翼
4 シュラウド
11 回転駆動軸
12 緻密な銀の被膜
13 圧縮機ケーシング
14 軸シール部
15 緻密な銀の被膜
16 ラビリンスリング(回転部品)
17 ラビリンスリング(回転部品)
18 リング部材(静止部品)
19 リング部材(静止部品)
29 銀の粉末

Claims (5)

  1. 圧縮機ケーシング内でハブと翼とからなるオープン型のインペラを回転駆動させることにより酸素を圧縮できるようにしてある酸素圧縮機における上記インペラの外周に位置するシュラウドの内周面部に、緻密な銀の被膜を設けてなる構成を有することを特徴とする酸素圧縮機。
  2. 緻密な銀の被膜を、2mm以上の厚さとした請求項1記載の酸素圧縮機。
  3. 緻密な銀の被膜を、高速ガスフレーム溶射により形成させるようにした請求項1又は2記載の酸素圧縮機。
  4. インペラの回転駆動軸が圧縮機ケーシングを貫通する部分に設ける軸シール部を構成する回転部品と静止部品のうち、いずれか一方又は双方に、高速ガスフレーム溶射による緻密な銀の被膜を設けるようにした請求項1、2又は3記載の酸素圧縮機。
  5. 高速ガスフレーム溶射の溶射材料として、100〜400μmの粒径を有する銀の粉末を用いるようにした請求項3又は4記載の酸素圧縮機。
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