JPH09263972A - 酸化物超電導積層体 - Google Patents

酸化物超電導積層体

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JPH09263972A
JPH09263972A JP8077184A JP7718496A JPH09263972A JP H09263972 A JPH09263972 A JP H09263972A JP 8077184 A JP8077184 A JP 8077184A JP 7718496 A JP7718496 A JP 7718496A JP H09263972 A JPH09263972 A JP H09263972A
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JP
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oxide
oxide superconducting
superconductor
thickness
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JP8077184A
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English (en)
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Toranosuke Ashizawa
寅之助 芦沢
Shuichiro Shimoda
修一郎 下田
Takao Nakada
孝夫 中田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属基材と酸化物超電導体との熱膨張差を小
さくし、ひずみ及びクラックの発生を抑えた酸化物超電
導積層体を提供する。 【解決手段】 金属基材上に非超電導体層を形成し、さ
らにその上面に酸化物超電導体層と非超電導体層とを交
互に積層した酸化物超電導積層体において、該酸化物超
電導体層の30℃における線膨張係数αs、酸化物超電
導体層の体積Vs、非超電導体層の30℃における線膨
張係数αn、非超電導体層の体積Vn及び金属基材の30
℃における線膨張係数αmが次式に示される関係にある
酸化物超電導積層体。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気シールド体など
への応用が可能な酸化物超電導積層体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導体を線材、磁気シールド体
等に応用する場合、酸化物超電導体だけでは充分な機械
的強度が得られないために金属基材上に酸化物超電導体
層を形成した構造のものが用いられていた。特に生体磁
気計測用の磁気シールド体では人体及び計測器を収納す
る必要性から大型の酸化物超電導体が要求され、Ni合
金などの耐熱金属上に非超電導体層を設け、さらにその
上面に酸化物超電導体を積層した構造のものが一般的に
用いられている。
【0003】金属基材上に非超電導体層及び酸化物超電
導体層を形成した構造のものは例えば、特開平3−19
2615号公報に示されている。しかしながらステンレ
ス、Ni合金等の耐熱金属基材は酸化物超電導体よりも
熱膨張係数が大きく、このため酸化物超電導体を焼成し
室温まで冷却したとき、熱膨張差により酸化物超電導体
内に熱応力が残り、臨界電流密度などの超電導特性が低
下する。一方、超電導特性を発現させるためには極低温
に酸化物超電導体を冷却する必要がある。酸化物超電導
体は室温から液体窒素温度(77K)まで冷却し、再び
室温に戻す冷却−加熱サイクルを繰り返し受けるが、こ
の場合も熱膨張差により酸化物超電導体内にひずみが発
生し、甚だしい場合にはクラックや酸化物超電導体層の
剥離が生ずるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、金属基材と酸化物超電導体との熱膨張差を小さく
し、ひずみ及びクラックの発生を抑えた酸化物超電導積
層体を提供するものである。請求項2記載の発明は、請
求項1記載の発明の効果に加えて、耐熱性を向上した酸
化物超電導積層体を提供するものである。請求項3記載
の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加
えて、金属基材と酸化物超電導体の反応を防止した酸化
物超電導積層体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属基材上に
非超電導体層を形成し、さらにその上面に酸化物超電導
体層と非超電導体層とを交互に積層した酸化物超電導積
層体において、該酸化物超電導体層の30℃における線
膨張係数αs、酸化物超電導体層の体積Vs、非超電導体
層の30℃における線膨張係数αn、非超電導体層の体
積Vn及び金属基材の30℃における線膨張係数αmが次
式に示される関係にある酸化物超電導積層体に関する。
【数2】 また、本発明は前記金属基材がNi合金である酸化物超
電導積層体に関する。さらに、本発明は前記非超電導体
層がAgである酸化物超電導積層体に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる金属基材として
は、例えば、ステンレス、Ni合金、貴金属等があげら
れ、その中でもNi合金が耐熱性が良いため好ましく、
Ni−Cr−Fe系合金がより好ましい。非超電導体層
としては線膨張係数が金属基材よりも大きく、かつ金属
基材と酸化物超電導体との反応を防止し、酸化物超電導
体を焼成する温度でも溶融しない材料が好ましく、例え
ば、Ag、Au等の貴金属又はこれらの合金、MgO、
ZrO2等の酸化物があげられ、その中でもAgは酸化
物超電導体との密着性が良好であるのでより好ましい。
非超電導体層を形成する方法については特に制限はない
が、金属基材の上面に形成する一層目の非超電導体層は
溶射法で行うことが好ましい。なお溶射の方法は、ガス
式、プラズマ式等を用いることができる。該非超電導体
層の厚さは特に制限はないが、薄いと非超電導体層を通
して金属基材と酸化物超電導体とが反応し超電導特性が
低下しやすくなるため、50μm以上、望ましくは10
0μm〜600μmである。
【0007】酸化物超電導体としては、臨界温度が77
Kを超える物質であれば冷却に液体窒素が利用できるの
で好ましく、例えば、Y−Ba−Cu−O系、Bi−S
r−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O
系、Hg−Ba−Ca−Cu−O系、Ag−Ba−Ca
−Cu−O系等が好ましい。またBiの一部をPbなど
で置換したものも使用できる。
【0008】酸化物超電導体層と二層目以降の非超電導
体層とを交互に積層する形態としては酸化物超電導体と
非超電導体とをそれぞれ一層ずつ重ねたものを用いても
よく、さらに酸化物超電導体と非超電導体とを繰り返し
て積層してもよく特に制限はない。酸化物超電導体層及
び非超電導体層の積層方法についても特に制限はない
が、溶射法、スクリーン印刷法、転写法、スプレーコー
ト法、ディップコート法、グリーンシート積層法等の方
法で積層することができる。
【0009】酸化物超電導体層の30℃における線膨張
係数αs、酸化物超電導体層の体積Vs、非超電導体層の
30℃における線膨張係数αn、非超電導体層の体積
n、金属基材の30℃における線膨張係数αmの関係に
おいて次式を満足するためには各材料の種類、酸化物超
電導体層及び非超電導体層の厚みを適宜選定すればよ
い。もし次式を満足しない場合、即ち次式の範囲から外
れた場合には、酸化物超電導体を焼成後、冷却までの間
に発生する金属基材と酸化物超電導体層との熱収縮の差
により、酸化物超電導体層内にひずみやクラックが発生
する。
【0010】
【数3】
【0011】本発明の酸化物超電導積層体は、例えば金
属基材上に一層目の非超電導体層を形成し、その上面に
数3に示す式を満足するように各材料の種類及び厚みを
調整しながら酸化物超電導体層と二層目以降の非超電導
体層とを交互に積層した後、熱処理して製造することが
できる。
【0012】本発明の酸化物超電導積層体は、例えば磁
気シールド体として使用することができる。なお、磁気
シールド体は、筒状、板状、箱形等に成形した酸化物超
電導積層体を液体窒素、冷凍機等で冷却して使用される
が冷却法についてはとくに制限されない。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 ビスマス、ストロンチウム、カルシウム及び銅の比率が
原子比で2:2:1:2となるように、Bi23(レア
メタリック社製、純度99.9%)233.0g、Sr
CO3(レアメタリック社製、純度99.9%)14
7.6g、CaCO3(高純度化学研究所製、純度9
9.9%)50.1g及びCuO(高純度化学研究所
製、純度99.9%)79.5gを秤量した後、合成樹
脂製ポット及び合成樹脂製ボールを用いて、蒸留水30
0gと共に72時間混合し、次いで100℃で12時間
乾燥し、原料混合粉末を得た。この原料混合粉末をアル
ミナ容器に入れ、800℃で10時間仮焼し、次いで乳
鉢で粗粉砕した後、合成樹脂製ポット内にジルコニア製
ボール及び酢酸エチル300gと共に充填し、48時間
湿式粉砕した後、乾燥して仮焼粉末を得た。
【0014】上記仮焼粉末100重量部にポリビニルブ
チラール樹脂8重量部、フタル酸エステル3重量部及び
1−ブタノール50重量部を添加し混合した後、脱気を
行い粘度15Pa・sのスラリーを作製した。このスラリー
を厚さが180μmのポリエステル製フィルム(東レ
(株)製)上に供給し、ドクターブレード法で厚さが0.
3mmの酸化物超電導体用グリーンシートA(以下グリー
ンシートAとする)及び厚さが0.1mmの酸化物超電導
体用グリーンシートB(以下グリーンシートBとする)
を得た。
【0015】次に表面(片側)をブラスト処理して粗化
した幅200mm、長さ200mm及び厚さ1.5mmのイン
コネル板を金属基材として用い、この表面にプラズマ溶
射法で銀を溶射した後、表面をサンドペーパーで研磨、
延伸して厚さ200μmの銀を一層目の非超電導体層と
して形成した後、幅50mm及び長さ100mmに切断して
複合基材を得た。
【0016】上記の複合基材に前記のグリーンシートA
を幅10mm及び長さ80mmに切断し、60℃、10MPa
の条件で15分間加熱圧着した後、電気炉で、大気中で
300℃までは50℃/時間、300℃から880℃ま
では150℃/時間の速度で昇温し、880℃で10分
間保持して焼き付けた後、150℃/時間の速度で室温
まで冷却して第一層目の酸化物超電導体層を形成した酸
化物超電導積層体用前駆体Aを得た。
【0017】一方銀粉末(田中貴金属工業(株)製、平均
粒径3μm)100重量部に対して有機結合材としてエ
チルセルロース(和光純薬工業(株)製)5重量部及び溶
媒としてテルピネオール30重量部を加え、均一に混合
して銀ペーストを得た。
【0018】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体A
の表面に上記の銀ペーストを刷毛で塗布して乾燥する工
程を3回繰り返した後、大気中800℃で30分間加熱
して、厚さ20μmの第二層目の非超電導体層を形成し
た。この第二層目の非超電導体層の表面に前記のグリー
ンシートAを幅10mm及び長さ80mmに切断し、60
℃、10MPaの条件で15分間加熱圧着した後、電気炉
で、大気中で300℃までは50℃/時間、300℃か
ら880℃までは150℃/時間の速度で昇温し、88
0℃で10分間保持した後、850℃まで2℃/時間、
850℃から室温までは150℃/時間の速度で冷却
し、第二層目の酸化物超電導体層を形成した酸化物超電
導積層体用前駆体Bを得た。
【0019】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体B
の表面に上記の銀ペーストを刷毛で塗布して乾燥する工
程を4回繰り返した後、大気中800℃で30分間加熱
して、厚さ30μmの第三層目の非超電導体層を形成し
た。さらにこれを電気炉に入れ、酸素分圧0.02気圧
の雰囲気中で、780℃で10時間熱処理して、酸化物
超電導積層体を得た。
【0020】一方試験用の試料を作製するために、前記
仮焼粉末を油圧プレスで98MPaで5mm×10mm×25m
mの大きさに成形し、電気炉中で860℃で10時間焼
成した後、3mm×3mm×18mmの寸法に切断して熱膨張
測定用酸化物超電導体試料を得た。
【0021】また前記銀粉末を油圧プレスで98MPaで
5mm×10mm×25mmの大きさに成形し、電気炉中で9
20℃で2時間焼成した後、3mm×3mm×18mmの寸法
に切断して熱膨張測定用銀焼結体を得た。
【0022】得られた熱膨張測定用酸化物超電導体試
料、熱膨張測定用銀焼結体及び3mm×3mm×18mmに切
断したインコネル板について示差熱膨張式熱膨張計を用
いて30℃から800℃までの熱膨張を測定した。30
℃付近の線膨張係数は、酸化物超電導体が11×10-6
/K、銀焼結体が20×10-6/K及びインコネル板が
15×10-6/Kであった。
【0023】上記で得られた酸化物超電導積層体につい
て液体窒素中(77K)で四端子法で臨界電流(以下I
cとする)を測定したところ12Aであった。また、室
温〜液体窒素温度〜室温のヒートサイクルを10回繰り
返し行った後のIcは11Aであった。
【0024】この後、酸化物超電導積層体から中間層、
酸化物超電導体層及び非超電導体層を剥がして酸化物超
電導体層の厚みを測定したところ、第一層目の酸化物超
電導体層の厚みは70μm、第二層目の酸化物超電導体
層の厚みは80μmであった。また、得られた酸化物超
電導積層体にはクラック、酸化物超電導体層の剥離等は
見られなかった。上記で得られた線膨張係数及び各層の
厚みから次式の値を計算したところ−1.8×10-6
Kであった。
【0025】
【数4】
【0026】実施例2 実施例1で得た複合基材上に実施例1で得たグリーンシ
ートBを幅10mm及び長さ80mmに切断し、以下実施例
1と同様の工程を経て第一層目の酸化物超電導体層を形
成した酸化物超電導積層体用前駆体Cを得た。
【0027】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体C
の表面に実施例1で得た銀ペーストを刷毛で塗布して乾
燥する工程を8回繰り返した後、大気中800℃で30
分間加熱して、厚さ50μmの第二層目の非超電導体層
を形成した。この第二層目の非超電導体層の表面に前記
のグリーンシートBを幅10mm及び長さ80mmに切断
し、60℃、10MPaの条件で15分間加熱圧着した
後、電気炉で、大気中で300℃までは50℃/時間、
300℃から880℃までは150℃/時間の速度で昇
温し、880℃で10分間保持した後、850℃まで2
℃/時間、850℃から室温までは150℃/時間の速
度で冷却し、第二層目の酸化物超電導体層を形成した酸
化物超電導積層体用前駆体Dを得た。
【0028】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体D
の表面に上記の銀ペーストを刷毛で塗布して乾燥する工
程を15回繰り返した後、大気中800℃で30分間加
熱して、厚さ100μmの第三層目の非超電導体層を形
成した。さらにこれを電気炉に入れ、酸素分圧0.02
気圧の雰囲気中で、780℃で10時間熱処理して、酸
化物超電導積層体を得た。
【0029】上記で得られた酸化物超電導積層体につい
て液体窒素中(77K)で四端子法でIcを測定したと
ころ16Aであった。また、室温〜液体窒素温度〜室温
のヒートサイクルを10回繰り返し行った後のIcは1
5.5Aであった。
【0030】この後、酸化物超電導積層体から中間層、
酸化物超電導体層及び非超電導体層を剥がして酸化物超
電導体層の厚みを測定したところ第一層目の酸化物超電
導体層の厚みは20μm、第二層目の酸化物超電導体層
の厚みは30μmであった。また、得られた酸化物超電
導積層体にはクラック、酸化物超電導体層の剥離等は見
られなかった。実施例1で得られた線膨張係数及び上記
の各層の厚みから次式の値を計算したところ2.8×1
-6/Kであった。
【0031】
【数5】
【0032】実施例3 外周面をブラスト処理して粗化した外径60mm、内径5
7mm及び長さ200mmのインコネル円筒を金属基材とし
て用い、この外周面にプラズマ溶射法で銀を溶射した
後、表面をサンドペーパーで研磨、延伸して厚さ200
μmの銀を中間層として形成した複合基材を得た。
【0033】上記の複合基材に実施例1で得たグリーン
シートAを60℃、10MPaの条件で15分間加熱圧着
した後、電気炉で、大気中で300℃までは50℃/時
間、300℃から880℃までは150℃/時間の速度
で昇温し、880℃で10分間保持した後、150℃/
時間の速度で室温まで冷却して第一層目の酸化物超電導
体層を形成した酸化物超電導積層体用前駆体Eを得た。
【0034】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体E
の外周面に実施例1で得た銀ペーストを用いて実施例1
と同様の工程を経て厚さ50μmの第二層目の非超電導
体層を形成した。この第二層目の非超電導体層の表面に
実施例1で得たグリーンシートAを用いて60℃、10
MPaの条件で15分間加熱圧着した後、電気炉で、大気
中で300℃までは50℃/時間、300℃から880
℃までは100℃/時間の速度で昇温し、880℃で1
0分間保持した後、850℃まで2℃/時間、850℃
から室温までは100℃/時間の速度で冷却し、第二層
目の酸化物超電導体層を形成した酸化物超電導積層体用
前駆体Fを得た。
【0035】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体F
の外周面に実施例1で得た銀ペーストを用いて実施例1
と同様の工程を経て厚さ50μmの第三層目の非超電導
体層を形成した。さらにこれを電気炉に入れ、酸素分圧
0.02気圧の雰囲気中で、780℃で10時間熱処理
して、円筒状の酸化物超電導積層体を得た。このものを
磁気シールド体とした。
【0036】得られた磁気シールド体を冷却容器に入
れ、1K/分の速度で冷却して最終的には液体窒素中に
浸漬した。この状態で磁気シールド体の外部にソレノイ
ドコイルで磁気シールド体の軸方向に周波数80Hz及び
強さ0.1mTの交流磁場を印加し、磁気シールド体内部
の中央にはピックアップコイルを配置して磁気シールド
体内部に漏れる磁場を測定した。シールド効果は「外部
磁場の強さ/内部磁場の強さ」で求められ、その値は2
×105であり、超電導体円筒の開口端からの磁場の漏
れを仮定した理論値[exp(−6.77×開口端からの
距離/円筒の直径)]にほぼ等しかった。
【0037】また上記の磁気シールド体を室温〜液体窒
素温度〜室温のヒートサイクルを6回くり返した後、シ
ールド効果を測定した結果、1.9×105であり、シ
ールド性能はほとんど変化しなかった。この後、酸化物
超電導積層体から中間層、酸化物超電導体層及び非超電
導体層を剥がして酸化物超電導体層の厚みを測定したと
ころ、第一層目の酸化物超電導体層の厚みは70μm、
第二層目の酸化物超電導体層の厚みは8μmであった。
また得られた酸化物超電導積層体にはクラック、酸化物
超電導体層の剥離等は見られなかった。実施例1で得ら
れた線膨張係数及び上記の各層の厚みから次式の値を計
算したところ−0.4×10-6/Kであった。
【0038】
【数6】
【0039】比較例1 実施例1で得た複合基材上に実施例1で得たグリーンシ
ートAを幅10mm及び長さ80mmに切断し、以下実施例
1と同様の工程を経て第一層目の酸化物超電導体層を形
成した酸化物超電導積層体用前駆体Gを得た。
【0040】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体G
の表面に実施例1で得た銀ペーストを刷毛で塗布して乾
燥した後、大気中800℃で30分間加熱して、厚さ8
μmの第二層目の非超電導体層を形成した。この第二層
目の非超電導体層の表面に実施例1で得たグリーンシー
トAを幅10mm及び長さ80mmに切断し、60℃、10
MPaの条件で15分間加熱圧着した後、電気炉で、大気
中で300℃までは50℃/時間、300℃から880
℃までは150℃/時間の速度で昇温し、880℃で1
0分保持した後、850℃まで2℃/時間、850℃か
ら室温までは150℃/時間の速度で冷却し、第二層目
の酸化物超電導体層を形成した酸化物超電導積層体用前
駆体Hを得た。
【0041】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体H
の表面に実施例1で得た銀ペーストを刷毛で塗布して乾
燥した後、大気中800℃で30分間加熱して、厚さ8
μmの第三層目の非超電導体層を形成した。さらにこれ
を電気炉に入れ、酸素分圧0.02気圧の雰囲気中で、
780℃で10時間熱処理して、酸化物超電導積層体を
得た。
【0042】上記で得られた酸化物超電導積層体につい
て液体窒素中(77K)で四端子法でIcを測定したと
ころ11Aであった。また、室温〜液体窒素温度〜室温
のヒートサイクルを5回繰り返し行った後のIcは7.
5Aであった。
【0043】この後に酸化物積層体から中間層、酸化物
超電導体層及び非超電導体層を剥がして酸化物超電導体
層の厚みを測定したところ、第一層目の酸化物超電導体
層の厚みは70μm、第二層目の酸化物超電導体層の厚
みは80μmであった。なお得られた酸化物超電導積層
体の第二層目の酸化物超電導体層の表面に長さ100μ
m程度のクラック及び長さ100μm以上にわたって超
電導体結晶がせり上がった部分が見られた、実施例1で
得られた線膨張係数及び上記の各層の厚みから次式の値
を計算したところ−3.1×10-6/Kであった。
【0044】
【数7】
【0045】比較例2 実施例1で得た複合基材上に実施例1で得たグリーンシ
ートBを幅10mm及び長さ80mmに切断し、以下実施例
1と同様の工程を経て第一層目の酸化物超電導体層を形
成した酸化物超電導積層体用前駆体Iを得た。
【0046】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体I
の表面に実施例1で得た銀ペーストを刷毛で塗布して乾
燥する工程を23回繰り返した後、大気中800℃で3
0分間加熱して、厚さ150μmの第二層目の非超電導
体層を形成した。この第二層目の非超電導体層の表面に
実施例1で得たグリーンシートBを幅10mm及び長さ8
0mmに切断し、60℃、10MPaの条件で15分間加熱
圧着した後、電気炉で、大気中で300℃までは50℃
/時間、300℃から880℃までは150℃/時間の
速度で昇温し、880℃で10分保持した後、850℃
まで2℃/時間、850℃から室温までは150℃/時
間の速度で冷却し、第二層目の酸化物超電導体層を形成
した酸化物超電導積層体用前駆体Hを得た。
【0047】次に前記の酸化物超電導積層体用前駆体H
の表面に実施例1で得た銀ペーストを刷毛で塗布して乾
燥する工程を15回繰り返した後、大気中800℃で3
0分間加熱して、厚さ100μmの第三層目の非超電導
体層を形成した。さらにこれを電気炉に入れ、酸素分圧
0.02気圧の雰囲気中で、780℃で10時間熱処理
して、酸化物超電導積層体を得た。
【0048】上記で得られた酸化物超電導積層体につい
て液体窒素中(77K)で四端子法でIcを測定したと
ころ15Aであった。また、室温〜液体窒素温度〜室温
のヒートサイクルを5回繰り返し行った後のIcは9A
であった。
【0049】この後に酸化物積層体から中間層、酸化物
超電導体層及び非超電導体層を剥がして酸化物超電導体
層の厚みを測定したところ、第一層目の酸化物超電導体
層の厚みは20μm、第二層目の酸化物超電導体層の厚
みは30μmであった。なお得られた酸化物超電導積層
体の第二層目の酸化物超電導体層の表面には長さ30μ
m程度のクラックがわずかに認められた。実施例1で得
られた線膨張係数及び上記の各層の厚みから次式の値を
計算したところ3.5×10-6/Kであった。
【0050】
【数8】
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の酸化物超電導積層体は、
金属基材と酸化物超電導体との熱膨張差を小さくし、ひ
ずみ及びクラックの発生を抑えられ、超電導線材、磁気
シールド体等に好適である。請求項2記載の酸化物超電
導積層体は、請求項1記載の効果を奏し、さらに耐熱性
に優れている。請求項3記載の酸化物超電導積層体は、
請求項1又は請求項2記載の効果を奏し、さらに金属基
材と酸化物超電導体の反応を防止できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 565 H01B 13/00 565D H05K 9/00 H05K 9/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材上に非超電導体層を形成し、さ
    らにその上面に酸化物超電導体層と非超電導体層とを交
    互に積層した酸化物超電導積層体において、該酸化物超
    電導体層の30℃における線膨張係数αs、酸化物超電
    導体層の体積Vs、非超電導体層の30℃における線膨
    張係数αn、非超電導体層の体積Vn及び金属基材の30
    ℃における線膨張係数αmが次式に示される関係にある
    酸化物超電導積層体。 【数1】
  2. 【請求項2】 金属基材がNi合金である請求項1記載
    の酸化物超電導積層体。
  3. 【請求項3】 非超電導体層がAgである請求項1又は
    2記載の酸化物超電導積層体。
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