JP3150718B2 - 超電導体積層用基板及びそれを用いた超電導積層体 - Google Patents

超電導体積層用基板及びそれを用いた超電導積層体

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導積層体用の基板
及びそれを用いた超電導積層体に関する。更に詳しく
は、基板上に積層される超電導層の熱膨張係数に合わせ
てそれぞれ熱膨張係数の異なる金属を少なくとも2種組
み合わせて積層・接合した基板であり、その基板上に対
応した超電導層を積層した超電導積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酸化物超電導体は高い臨界温度(T
c)を示すことで注目を集め、電力分野、核磁気共鳴コン
ピュータ断層診断装置(MRI:Magnetic Resonance I
maging)、磁気シールド等の各分野での用途が期待され
ている。酸化物超電導体の中でも、希土類系のY-Ba-Cu-
O 系酸化物や、ビスマス系のBi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物等
の酸化物超電導体は、特に超電導特性を発現するTcが高
くそれらの応用研究発が多く進められている。これら酸
化物超電導体は、従来から金属やセラミックス等の基板
上に酸化物超電導層を形成した複合体や積層体が各種提
案されている。例えば特開昭63-305574 号においては、
アルミナ、ジルコニア、銅等の基板とY-Ba-Cu-O 系超電
導体との間に白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)等貴金属の中間
層を介在させることが提案されている。更に、特開平1-
252533では、Ag、Au、Pt等貴金属を基板としてその上に
Bi-Sr-Ca-Cu-O 系超電導層を積層することが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記複合体や
積層体の超電導体においては、貴金属の中間層を形成し
金属基板と超電導層との反応を防止することができる
が、超電導体と基板間の熱膨張差に起因して熱応力が発
生し、超電導特性を発現させる極低温域と室温域との間
の冷熱サイクルで繰返し使用するうちに、超電導層に亀
裂が生じたり、超電導層、中間層及び基板の各層間で剥
離が生じるおそれがある。出願人は、上記の発生熱応力
を緩和するため、超電導−Ag層を部分的に金属基板に接
合する超電導体構造(特願平2−172926号)や、
Ag成分含有のBi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物を中間層として用
いた超電導積層構造(特願平2−175737号)を先
に提案した。
【0004】上記提案による応力緩和も従来法に比して
は効果的ではあるが、複合または積層超電導体に発生す
る内部応力値を実質上零近くまで低減することはできな
かった。本発明は、更に、熱応力の発生を実質上零に近
づけ、耐熱衝撃性に優れ、超電導体の信頼性を向上させ
ることを目的に、超電導層と金属基板の構成について鋭
意検討した結果、完成された。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、超電導
積層用金属基板であって、熱膨張係数の異なる少なくと
も2種の金属を拡散接合にて積層・接合して構成すると
共に、その積層・接合金属の見掛けの熱膨張係数値が該
基板上に積層する超電導層の熱膨張係数値に近似するこ
とを特徴とする超電導体積層用基板が提供される。
【0006】更に、熱膨張係数の異なる少なくとも2種
の金属を拡散接合にて積層・接合して構成された積層・
接合金属を基板とし、該基板上に超電導層が積層形成さ
れてなり、該積層・接合金属の見掛けの熱膨張係数値が
該超電導層の熱膨張係数値に近似してなることを特徴と
する超電導積層体が提供される。
【0007】
【作 用】本発明は、上記のように構成され、基板を構
成する2種以上の熱膨張係数の異なる金属を、それらの
熱膨張係数と各金属層の厚さとを適宜組合わせ接合し、
その見掛けの熱膨張係数を、その上に形成積層される超
電導層の有する熱膨張係数に合わせることにより、冷熱
サイクル時の積層超電導体の内部応力を零に近似させる
ことができる。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明における金属基板は、熱膨張係数の異なる2種以上の
金属を積層・接合形成した接合板である。この2種以上
の金属の積層・接合は、熱間プレスにより界面に原子層
オーダの拡散層を設けて接合する方法が好ましい。この
拡散接合方法により得られる金属材料は、近年いわゆる
クラッド材として知られるものであり、拡散接合技術は
異種金属を強固に接合する技術として広く用いられてい
るが、超電導体の基板として適用し、且つ、下記するよ
うにその上に積層形成する超電導層の熱膨張係数との関
係で特定の拡散接合板として用い、超電導体として優れ
た効果を発揮することは、発明者らによって初めて知見
されたものである。上記した拡散接合により積層・接合
する少なくとも2種の金属は、熱膨張係数の異なる金属
を選択して用いる。選択する金属の熱膨張係数は、積層
される超電導層の熱膨張係数が、それら金属の熱膨張係
数値の最大値と最小値の間の範囲の値を有するように選
択すると共に、積層・接合された2種以上の金属板の見
掛けの熱膨張係数が、超電導層の熱膨張係数に近似する
ように選択する。従来から超電導体の基板として用いら
れている金属の室温〜800℃の熱膨張係数をY-Ba-Cu-
O 系超電導体及びBi-Sr-Ca-Cu-O 系超電導体の熱膨張係
数と共に表1に示した。
【0009】
【表1】
【0010】本発明において、積層・接合された金属の
見掛けの熱膨張係数値と超電導層の熱膨張係数値が近似
するとは、超電導層の熱膨張係数値の±6%の数値範囲
である熱膨張係数値であることを意味し、例えば、表1
に示したように、Y-Ba-Cu-O系超電導体の熱膨張係数は
14.4×10-6/℃であり、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系超電導
体の熱膨張係数は13.7×10-6/℃であり、積層・
接合金属が見掛け上、Y-Ba-Cu-O 系では約13.5〜1
5.2×10-6/℃、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系では約12.9
〜14.5×10-6/℃の熱膨張係数値を有すればよ
い。即ち、超電導体より小さい熱膨張係数を有するSU
S430と、超電導体より大きな熱膨張係数を有するS
US304、SUS310、インコネル625、ニッケ
ル、インコロイ825の少なくとも1種を適宜選択して
積層・接合することにより、得られる積層・接合金属の
熱膨張係数を、超電導体の熱膨張係数と見掛け上、近似
させることができる。
【0011】この場合、超電導体がY-Ba-Cu-O 系酸化物
やBi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物のようにセラミックスである
ときは、その圧縮強度は引張強度の数倍の大きさを有す
るので、超電導積層体の超電導層に対しては圧縮応力が
作用するように積層・接合金属基板を構成し、最終的に
得られる超電導体中に引張応力の発生を防止し、僅かな
圧縮応力が残るようにするのが好ましい。従って、積層
・接合金属の見掛けの熱膨張係数が超電導層の熱膨張係
数より、やや大きくなるように積層・接合する金属の組
合わせを選択するのが好ましい。また、Y-Ba-Cu-O 系酸
化物やBi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物超電導層を積層する場合
には、酸素富化雰囲気下での焼成が不可欠であり、耐酸
化性の金属を用いるのが好ましい。
【0012】また、積層・接合金属において、超電導層
より大きな熱膨張係数を有する金属の選択にあっては、
熱膨張係数が大きい程、薄い肉厚で応力低減が可能であ
るが、他方、超電導層より小さい熱膨張係数を有する金
属との拡散接合界面で大きな応力が発生することにな
り、そのような場合は、金属間の接合強度が大きい2種
を選択しなければならない。従って、各金属層の材料及
び厚さは、所定の目的及び条件に応じて、適宜選択する
ことができる。また、超電導層に対する積層・接合金属
の各金属層の積層順は、特に制限されるものでなく、積
層・接合金属の見掛けの熱膨張係数が上記のように超電
導層の熱膨張係数に近似するように構成すればよい。本
発明において、積層・接合金属の見掛けの熱膨張係数
K’とは、各金属層の熱膨張係数(K1,K2,....Kn
℃)とその厚さ(t1,t2,....tnmm)から、K’=
(K1 ・t1+K2 ・t2+...+Kn ・tn )/(t1+t
2+...+tn ) として定義することができる。
【0013】通常、超電導層、要すればAg等の貴金属や
ガラス等の中間層、及び各金属層を構成する各材料の熱
膨張係数及び応力−歪曲線の温度依存性データを用い
て、有限要素法により超電導体に発生する内部応力を算
出することができる。例えば、円筒体状の超電導体で、
SUS430と他の金属から構成される積層・接合金属
基板上に500μmのAg中間層を形成し、その中間層上
に300μmのBi-Sr-Ca-Cu-O 系超電導層を積層形成す
る場合、SUS430が2mmであるとき、それに積層・
接合する金属がSUS310であれば0.3〜1.0m
m、インコネル625であれば1.2〜4mmの範囲にす
ることにより、超電導体内に発生する応力は、圧縮応力
で0〜50MPaであり、いずれか1種の金属を基板と
した超電導体に発生する内部応力に比して、約1/2と
なる。
【0014】超電導層及び積層・接合する金属の種類と
各金属層の厚さは、上記のように有限要素法にて算出し
て選択することができるが、簡便的には、熱膨張係数の
関係式を用いて選択することもできる。例えば、熱膨張
係数KA ×10-6(/℃)の金属を厚さtA (mm)、熱
膨張係数KB ×10-6(/℃)の金属を厚さtB(mm)
でそれぞれを拡散接合した金属基板を用いた円筒体状Y-
Ba-Cu-O 系またはBi-Sr-Ca-Cu-O 系の超電導体におい
て、圧縮応力が作用し、その応力値が0〜50MPaに
なるように構成する場合は、下記式で各使用金属材料の
熱膨張係数を導入して、使用金属材料とその厚さを適宜
選択することができる。 13.4(tA +tB )<(KA ・tA)+(KB ・tB
)<14.5(tA+tB )即ち、(13.4−KA
A <(KB−13.4)tB で、且つ、(14.5−
A )tA >(KB −14.5)tB である。なお、上
記式における13.4及び14.5の値は、500μm
の銀(Ag)中間層を形成し、その中間層上に300μm
のBi-Sr-Ca-Cu-O 系の超電導層を積層形成したBi-Sr-Ca
-Cu-O 系超電導積層体において、有限要素法による応力
の計算結果から求めたBi-Sr-Ca-Cu-O 系超電導層に働く
応力が0〜50MPaとなる時の見掛けの熱膨張係数の
下限及び上限に相当する。上記式中の値13.4及び1
4.5は、中間層及び超電導層の種類や厚さが変わると
多少変化するが、上記中間層及び超電導層の条件が大き
く変化しない場合は、上記式を用いて使用金属材料とそ
の厚さを適宜選択することができる。
【0015】本発明の金属基板は、上記のように熱膨張
係数値の関係で適宜選択され拡散接合されたものであ
り、その厚さは、最終的に得られる超電導体の使用目的
により異なるが、構造材料としての実用的範囲は通常1
〜5mmであり、この範囲内に金属基板を構成する各金属
層の厚さを、上記のように適宜選択することができる。
積層・接合された金属基板が1mmより薄い場合は構造体
を支えることができない。また5mmより厚い場合は重量
的に取扱が容易でなく好ましくない。
【0016】本発明においては、上記積層・接合金属基
板とその上に積層する超電導層との間に、いわゆる貴金
属であるAg、Au、Pt、Pd(パラジウム) 及びこれらの合
金を用いて中間層を形成するのが好ましい。この中間層
は各種の方法により形成することができる。例えば、金
属基板と同様に最上層の金属層と拡散接合により積層・
接合して形成してもよく、積層・接合金属基板の形成と
同時に形成することができる。また、積層・接合金属基
板を作製後に、溶射やメッキにより形成することもで
き、更にまた、Ag等の箔をガラス等無機接合材を用いて
接合してもよい。好ましくは、積層・接合金属の拡散接
合の際に、一体的にAg等の貴金属層を拡散接合するのが
よい。また、本発明の積層・接合金属基板は、貴金属で
形成された中間層が通常100〜500μmの厚さであ
り、密着性がよく展性に優れるため、上記のようにして
選択された各金属層による見掛けの熱膨張係数と超電導
層の熱膨張係数はそのまま近似し、貴金属のその熱膨張
係数値には左右されることがない。
【0017】本発明において、上記のように形成された
金属基板は、任意の形状に加工でき、また溶接も可能で
あり、各種形状の超電導体の基板として極めて有用であ
る。また、本発明の超電導積層体は、上記の積層・接合
金属基板上に所定の中間層及び/または超電導層を形成
後に加工して所望の形状とすることができ、また、所望
の形状に加工した後に、所定の中間層及び/または超電
導層を形成して得ることができる。
【0018】本発明における超電導体としては、Y-Ba-C
u-O 系超電導体及びBi-Sr-Ca-Cu-O系超電導体の酸化物
超電導体であり、その組成は特に限定されるものでな
く、例えばY-Ba-Cu-O 系としては、Y2BaCuO5やYBa2Cu3O
7 に代表される組成、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系としては、低Tc
相のBi2Sr2CaCu2Ox 、高Tc相のBi2Sr2Ca2Cu3Ox に代表
される組成が挙げられ、更にそれら組成に鉛(Pb)、アン
チモン(Sb)等を含有する組成、定比組成からずれた組
成、主要元素を他の元素で一部または全部置換した組成
等のいずれの超電導体であってもよい。
【0019】本発明において超電導層は、超電導体原料
粉末、例えばイットリウムまたはビスマス、ストロンチ
ウムまたはバリウム、カルシウム、及び銅の金属酸化
物,炭酸塩,水酸化物、金属アルコキシド及び硝酸塩の
粉末を焼成により酸化物超電導体を構成するように配合
した混合粉末、その混合粉末をY-Ba-Cu-O 系であれば8
50〜1000℃、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系であれば800〜
900℃で仮焼したBi系超電導結晶相からなる粉末、混
合粉末を400〜800℃で仮焼し焼成により超電導特
性を発現するようにした仮焼中間生成物粉末、混合粉末
のフリット粉末またはこれらの混合粉末等を用い、スプ
レー塗布法、パウダー塗布法、ドクターブレード法、溶
射法等の公知のいずれの成形法によってもよい。
【0020】本発明においては、上記のように形成し、
更に要すれば所定形状に加工した積層・接合金属基板上
に、上記したように中間層を形成し、その後更に超電導
層を形成し、乾燥及び焼成して、金属基板、中間層及び
Bi系超電導層とが一体化された酸化物超電導積層体を得
ることができる。また、形成方法によっては、積層・接
合金属基板上に中間層と超電導層とを同時に焼成形成し
てもよい。本発明における焼成は、酸素または空気中の
酸素含有ガス雰囲気中で行う。焼成温度は、一般に、Y-
Ba-Cu-O 系では900〜1100℃、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系
では860〜920℃が好ましい。
【0021】本発明の超電導積層体は、所定に設計した
2種以上の金属の組合わせで拡散接合された積層・接合
金属基板上に貴金属の中間層を形成し、更に、超電導層
を形成し一体化するもので、超電導特性を発現させる液
体窒素等の極低温中への浸漬、取り出しを繰り返す冷熱
サイクルでの過酷な使用でも、内部応力の発生をほぼ零
とすることができるため、剥離やクラックが生じること
がない。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。但し、本発明は下記実施例により制限されるもので
ない。
【0023】実施例1〜4及び比較例1〜4 超電導積層構成が外側から、SUS310、SUS43
0、Ag層、酸化物超電導層である直径10cm、長さ4
5cmの円筒状超電導積層体を下記のように作製した。
先ず、表2に示した厚さのSUS310、SUS430
及びAg箔をそれぞれ熱間プレスにより拡散接合した約3
2×45(cm)の積層・接合金属−Ag中間層板を作製
した後、長辺の端部を互いに溶接して上記所定の円筒体
とした。次いで、Bi2O3,SrCO3,CaCO3 及びCuO の粉末を
モル比でBi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2で調合し、蒸
留水中で混合した後、800℃で10時間空気中で仮焼
した。仮焼粉末の主成分は、Bi2Sr2Ca1Cu2Oy 相であっ
た。得られた仮焼粉末をエタノール中でZrO2玉石で粉砕
後、粘度を調整してスラリーとした。
【0024】上記作製の円筒体の内周面上に、得られた
スラリーを用いてスプレー塗布法にて焼結後の厚さが
0.3mmとなるように成形し、酸素ガス雰囲気下、1℃
/分で昇温し、890℃で2時間部分溶融した後、83
0℃まで0.5℃/分で徐冷凝固した。その後、830
℃で15時間熱処理し、更に、700℃まで2℃/分で
降温した後、炉内を窒素雰囲気に置換し、室温まで2℃
/分で降温した。得られた各Bi-Sr-Ca-Cu-O 系超電導積
層体の磁気シールド能を、液体窒素中でガウスメータを
用い測定した。また、その後、円筒超電導積層体を室内
大気中に瞬時に取り出し、室温になるまで放置した後、
再び液体窒素中に浸漬急冷する冷熱サイクル試験を50
回実施し、磁気シールド能を再度測定し、初期磁気シー
ルド能値からの低下を%で示した。これらの結果を表2
に示した。また、発生する内部応力σを有限要素法によ
り算出し表2に併せて示した。
【0025】
【表2】
【0026】実施例5〜7及び比較例5〜6 実施例1において、SUS310の替わりにインコネル
625を用い同様に、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物円筒超電
導積層体を作製した。実施例1と同様にして磁気シール
ド能を測定し、また、冷熱サイクルによる磁気シールド
能の変化を測定した。その結果を第3表に示した。ま
た、同様に内部応力σを算出して表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、本発明の拡散接合により得られた積層・接合金属基
板を用いた超電導積層体は冷熱サイクルの繰り返しにお
いても、磁気シールド能が減少することなく安定して超
電導特性を発現することが分かる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、熱膨張係数の異なる2種以上
の金属を拡散接合し、積層する超電導層の熱膨張係数に
近似する熱膨張係数を有する積層・接合金属を酸化物超
電導体の基板とするため、超電導積層体の内部応力がほ
ぼ零とすることができ、超電導特性の発現を繰り返し安
定して得ることができる。また、積層・接合基板は一体
化され、任意の形状に加工でき種々の積層超電導体に好
適に使用することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導積層用金属基板であって、熱膨張
    係数の異なる少なくとも2種の金属を拡散接合にて積層
    ・接合して構成すると共に、その積層・接合金属の見掛
    けの熱膨張係数値が該基板上に積層する超電導層の熱膨
    張係数値と近似することを特徴とする超電導体積層用基
    板。
  2. 【請求項2】 熱膨張係数の異なる少なくとも2種の金
    属を拡散接合にて積層・接合して構成された積層・接合
    金属を基板とし、該基板上に超電導層が積層形成されて
    なり、該積層・接合金属の見掛けの熱膨張係数値が該超
    電導層の熱膨張係数値に近似してなることを特徴とする
    超電導積層体。
  3. 【請求項3】 該基板上に貴金属中間層が形成され、該
    貴金属中間層上にBi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物超電導層が形
    成されてなる請求項2記載の超電導積層体。
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