JPH05110149A - 酸化物超電導デバイス - Google Patents
酸化物超電導デバイスInfo
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- JPH05110149A JPH05110149A JP3269486A JP26948691A JPH05110149A JP H05110149 A JPH05110149 A JP H05110149A JP 3269486 A JP3269486 A JP 3269486A JP 26948691 A JP26948691 A JP 26948691A JP H05110149 A JPH05110149 A JP H05110149A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、基板上に形成されたジョセフソン
素子また超電導配線等の酸化物超電導素子が室温から液
体窒素温度程度の動作温度の範囲で基板と素子の熱膨張
係数の差に起因する素子の特性劣化や破損を防止するこ
とを目的とする。 【構成】 YBa2Cu3O7-t等の酸化物超電導体から
なる基板1上に、層厚1〜5μm程度のAl2O3等の絶
縁層2を介して基板1の酸化物超電導体と同一のYBa
2Cu3O7-t等の酸化物超電導体、または同一の結晶系
をもつ酸化物超電導体からなる酸化物超電導素子3を形
成する。
素子また超電導配線等の酸化物超電導素子が室温から液
体窒素温度程度の動作温度の範囲で基板と素子の熱膨張
係数の差に起因する素子の特性劣化や破損を防止するこ
とを目的とする。 【構成】 YBa2Cu3O7-t等の酸化物超電導体から
なる基板1上に、層厚1〜5μm程度のAl2O3等の絶
縁層2を介して基板1の酸化物超電導体と同一のYBa
2Cu3O7-t等の酸化物超電導体、または同一の結晶系
をもつ酸化物超電導体からなる酸化物超電導素子3を形
成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化物超電導体から構成
される電磁波センサー、SQUID等のジョセフソン素
子、超電導配線等からなる酸化物超電導デバイスに関す
る。
される電磁波センサー、SQUID等のジョセフソン素
子、超電導配線等からなる酸化物超電導デバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】高温で超電導特性を有するLa−Ba−
Cu−O系酸化物超電導体の発見以来、電磁波センサ
ー、SQUID等に用いられるジョセフソン素子、超電
導配線等の超電導素子に各種の酸化物超電導体を用いる
研究が活発に行われている。
Cu−O系酸化物超電導体の発見以来、電磁波センサ
ー、SQUID等に用いられるジョセフソン素子、超電
導配線等の超電導素子に各種の酸化物超電導体を用いる
研究が活発に行われている。
【0003】この酸化物超電導体を用いる酸化物超電導
デバイスでは、例えば特開平3−79091号公報に開
示されているようなMgO等の絶縁性基板の他、SrT
iO 3、ZrO2、又はAl2O3等の材料からなる絶縁性
基板であって、且つ上記超電導体と熱膨張係数が近いも
のが選択されている。
デバイスでは、例えば特開平3−79091号公報に開
示されているようなMgO等の絶縁性基板の他、SrT
iO 3、ZrO2、又はAl2O3等の材料からなる絶縁性
基板であって、且つ上記超電導体と熱膨張係数が近いも
のが選択されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ジョセフソン素子また
は超電導配線等の酸化物超電導素子が超電導状態で動作
するためには、液体窒素温度程度以下に冷却する必要が
ある。従って、この素子を構成する酸化物超電導体の熱
膨張係数に近い値をもつ絶縁材料からなる基板を選択し
ても、酸化物超電導体デバイスの使用温度範囲は少なく
とも室温から液体窒素温度、即ち200℃程度の幅をも
つことになるので、素子と基板の伸縮差に起因する歪み
等で、素子の特性が劣化したり、又素子に亀裂等が発生
して破壊され、繰り返し使用可能な素子の歩留まりが約
10%と低い値になるといった問題があった。
は超電導配線等の酸化物超電導素子が超電導状態で動作
するためには、液体窒素温度程度以下に冷却する必要が
ある。従って、この素子を構成する酸化物超電導体の熱
膨張係数に近い値をもつ絶縁材料からなる基板を選択し
ても、酸化物超電導体デバイスの使用温度範囲は少なく
とも室温から液体窒素温度、即ち200℃程度の幅をも
つことになるので、素子と基板の伸縮差に起因する歪み
等で、素子の特性が劣化したり、又素子に亀裂等が発生
して破壊され、繰り返し使用可能な素子の歩留まりが約
10%と低い値になるといった問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
に鑑み成されたものであって、本発明の酸化物超電導デ
バイスは、酸化物超電導体からなる基板と、該基板上に
絶縁層を介して設けられた上記基板と同じ結晶系の酸化
物超電導体からなる超電導素子と、によって構成される
ことを特徴とし、更に上記基板と超電導素子とは同一の
酸化物超電導体にて構成されていることを特徴とする。
に鑑み成されたものであって、本発明の酸化物超電導デ
バイスは、酸化物超電導体からなる基板と、該基板上に
絶縁層を介して設けられた上記基板と同じ結晶系の酸化
物超電導体からなる超電導素子と、によって構成される
ことを特徴とし、更に上記基板と超電導素子とは同一の
酸化物超電導体にて構成されていることを特徴とする。
【0006】
【作用】上述のように、基板と酸化物超電導素子とが同
じ結晶系の酸化物超電導体にて構成されると、これらの
熱膨張係数は少なくとも酸化物超電導体デバイスの使用
温度範囲及び製造時の温度範囲に亘って近くなるので、
素子の特性が劣化したり、又素子に亀裂等が発生して破
壊されるのを防止できる。
じ結晶系の酸化物超電導体にて構成されると、これらの
熱膨張係数は少なくとも酸化物超電導体デバイスの使用
温度範囲及び製造時の温度範囲に亘って近くなるので、
素子の特性が劣化したり、又素子に亀裂等が発生して破
壊されるのを防止できる。
【0007】特に、基板と酸化物超電導素子とが同一の
酸化物超電導体にて構成されると、少なくとも酸化物超
電導体デバイスの使用温度範囲及び製造時の温度範囲に
亘って、これらの熱膨張係数が同じまたは略同じになる
ので、より効果がある。
酸化物超電導体にて構成されると、少なくとも酸化物超
電導体デバイスの使用温度範囲及び製造時の温度範囲に
亘って、これらの熱膨張係数が同じまたは略同じになる
ので、より効果がある。
【0008】
【実施例】第1実施例について図面を参照しつつ詳細に
説明する。図1は本発明の酸化物超電導デバイスの一例
であり、ジョセフソン素子である電磁波センサーの斜視
図を示している。
説明する。図1は本発明の酸化物超電導デバイスの一例
であり、ジョセフソン素子である電磁波センサーの斜視
図を示している。
【0009】図中、1は酸化物超電導体からなる例えば
数百μm、好ましくは100〜500μm厚の基板、2
はガラス、樹脂等の絶縁材料からなる接合層、またはこ
の接合層とSiO2、Al2O3等の絶縁膜から構成され
る1〜5μm厚み程度、好ましくは1〜3μm厚の絶縁
層である。3はこの絶縁層2表面に形成された酸化物超
電導膜(酸化物超電導素子)である。この酸化物超電導
膜3は中央部の幅を狭くして電磁波センサーとして機能
する幅50μm、長さ200〜300μm、厚み50μ
m程度のサイズをもつセンサー部4が、またその両端部
には0.2〜1μm厚程度の金等からなる出力電圧用電
極(内側)5a、5a、バイアス電流用電極(外側)5
b、5bがそれぞれ構成されている。
数百μm、好ましくは100〜500μm厚の基板、2
はガラス、樹脂等の絶縁材料からなる接合層、またはこ
の接合層とSiO2、Al2O3等の絶縁膜から構成され
る1〜5μm厚み程度、好ましくは1〜3μm厚の絶縁
層である。3はこの絶縁層2表面に形成された酸化物超
電導膜(酸化物超電導素子)である。この酸化物超電導
膜3は中央部の幅を狭くして電磁波センサーとして機能
する幅50μm、長さ200〜300μm、厚み50μ
m程度のサイズをもつセンサー部4が、またその両端部
には0.2〜1μm厚程度の金等からなる出力電圧用電
極(内側)5a、5a、バイアス電流用電極(外側)5
b、5bがそれぞれ構成されている。
【0010】この超電導膜3は例えばYBa2Cu3O
7-t(ここで、t=0.2近傍)からなる酸化物超電導
体を主構成要素とし、その構成超電導体粒子の界面に素
子抵抗を上げて素子特性を向上させるための高抵抗材料
であるBi2O3とBiBaO2. 77等からなるBi−Ba
−O系酸化物等が形成されている。
7-t(ここで、t=0.2近傍)からなる酸化物超電導
体を主構成要素とし、その構成超電導体粒子の界面に素
子抵抗を上げて素子特性を向上させるための高抵抗材料
であるBi2O3とBiBaO2. 77等からなるBi−Ba
−O系酸化物等が形成されている。
【0011】前記基板1は、酸化物超電導膜3と同じ結
晶系の酸化物超電導体からなり、例えば上述のように酸
化物超電導膜3の酸化物超電導体がYBa2Cu3O7-t
である場合、基板1の酸化物超電導体にはYbBa2C
u3O7-t、LnBa2Cu3O7 -t等の他、Yに代えて他
の希土類元素を適宜用いることができるが、好ましくは
同一のYBa2Cu3O7-tがよい。
晶系の酸化物超電導体からなり、例えば上述のように酸
化物超電導膜3の酸化物超電導体がYBa2Cu3O7-t
である場合、基板1の酸化物超電導体にはYbBa2C
u3O7-t、LnBa2Cu3O7 -t等の他、Yに代えて他
の希土類元素を適宜用いることができるが、好ましくは
同一のYBa2Cu3O7-tがよい。
【0012】次に、基板1を構成する酸化物超電導体と
してYBa2Cu3O7-tを用いた斯るジョセフソン素子
の製造方法について説明する。
してYBa2Cu3O7-tを用いた斯るジョセフソン素子
の製造方法について説明する。
【0013】最初に従来周知の共沈法及びその生成物の
焼成によりYBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電導体
の焼結体を形成する。
焼成によりYBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電導体
の焼結体を形成する。
【0014】即ち、硝酸イットリウムY(NO3)3・
3.5H2O、硝酸バリウムBa(NO3)2、硝酸銅C
u(NO3)2・2H2Oをそれぞれ水に溶解し、Y、B
a、Cuがモル比で1:2:3になるように混合する。
ついで、蓚酸H2C2O4・2H2Oの水溶液をBa元素2
モルに対し7モル加えて反応させる。尚、この際アンモ
ニア水NH4OHを滴下してpH調整してpH=4〜
7、具体的にはpH=4.6とし、Y、Ba、Cuの組
成比が1:2:3になるようにする。この反応により生
ずる沈殿物をろ過した後、十分乾燥して超電導素体の粉
末を得る。
3.5H2O、硝酸バリウムBa(NO3)2、硝酸銅C
u(NO3)2・2H2Oをそれぞれ水に溶解し、Y、B
a、Cuがモル比で1:2:3になるように混合する。
ついで、蓚酸H2C2O4・2H2Oの水溶液をBa元素2
モルに対し7モル加えて反応させる。尚、この際アンモ
ニア水NH4OHを滴下してpH調整してpH=4〜
7、具体的にはpH=4.6とし、Y、Ba、Cuの組
成比が1:2:3になるようにする。この反応により生
ずる沈殿物をろ過した後、十分乾燥して超電導素体の粉
末を得る。
【0015】次に、このようにして得られた粉末を、1
次焼成として、大気中において830〜880℃で9時
間焼成する。この実施例では870℃で9時間焼成し
た。この焼成した粉末粒子を約2トン/cm2の圧力
で、約15mm×15mm×1mmの成形体に形成す
る。その後、2次焼成として、この成形体をYBa2C
u3O 7-tの結晶粒が成長する900〜1000℃、本実
施例では酸素雰囲気下において例えば温度925℃で8
時間焼成して、YBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電
導体(超電導相率98%)で構成される焼結体を得るの
である(第1工程)。
次焼成として、大気中において830〜880℃で9時
間焼成する。この実施例では870℃で9時間焼成し
た。この焼成した粉末粒子を約2トン/cm2の圧力
で、約15mm×15mm×1mmの成形体に形成す
る。その後、2次焼成として、この成形体をYBa2C
u3O 7-tの結晶粒が成長する900〜1000℃、本実
施例では酸素雰囲気下において例えば温度925℃で8
時間焼成して、YBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電
導体(超電導相率98%)で構成される焼結体を得るの
である(第1工程)。
【0016】次に、この焼結体の表面を鏡面研摩して、
例えば100〜500μm厚の第1超電導体からなる基
板1を得るのである(第2工程)。
例えば100〜500μm厚の第1超電導体からなる基
板1を得るのである(第2工程)。
【0017】続いて、同様に第1工程で得た別の焼結体
を乳鉢にてすり潰して粉末状にした後、この粉末状焼結
体に粒径1μm以下の粉末状のBi2O3(総量に対して
15wt%以下の混合比)を添加し、更に乳鉢にてすり
潰して均一に混合した粒径1〜3μm程度の混合粉末を
作成する。その後、この混合粉末を約2トン/cm2の
圧力で、YBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電導体粒
子とBi2O3粒子が均一に混合した成形体を形成する。
続いて、電気炉内において、この成形体を直径1mmの
ジルコニアからなる粒子を敷き詰めた上に載置した状態
で、酸素雰囲気中、例えば室温から900〜940℃ま
で約3時間で昇温し、その温度で約3〜48時間保持し
た後、約100℃/hrで室温迄徐冷して酸化物超電導
板を得るのである。即ち、この熱処理によって、成形体
中のBi2O3粒子が溶融されて酸化ビスマス溶融液にな
るので、YBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電導体粒
子がこの酸化ビスマス溶液に浸漬され、その後、冷却さ
れて酸化物超電導体の界面にBi2O3とBiBaO2.77
等のBi−Ba−O系酸化物からなる高抵抗材料からな
る界面層が形成されて高抵抗の酸化物超電導板が得られ
るのである(第3工程)。
を乳鉢にてすり潰して粉末状にした後、この粉末状焼結
体に粒径1μm以下の粉末状のBi2O3(総量に対して
15wt%以下の混合比)を添加し、更に乳鉢にてすり
潰して均一に混合した粒径1〜3μm程度の混合粉末を
作成する。その後、この混合粉末を約2トン/cm2の
圧力で、YBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電導体粒
子とBi2O3粒子が均一に混合した成形体を形成する。
続いて、電気炉内において、この成形体を直径1mmの
ジルコニアからなる粒子を敷き詰めた上に載置した状態
で、酸素雰囲気中、例えば室温から900〜940℃ま
で約3時間で昇温し、その温度で約3〜48時間保持し
た後、約100℃/hrで室温迄徐冷して酸化物超電導
板を得るのである。即ち、この熱処理によって、成形体
中のBi2O3粒子が溶融されて酸化ビスマス溶融液にな
るので、YBa2Cu3O7-tからなる酸化物超電導体粒
子がこの酸化ビスマス溶液に浸漬され、その後、冷却さ
れて酸化物超電導体の界面にBi2O3とBiBaO2.77
等のBi−Ba−O系酸化物からなる高抵抗材料からな
る界面層が形成されて高抵抗の酸化物超電導板が得られ
るのである(第3工程)。
【0018】次に、基板1の鏡研摩面に上記高抵抗の酸
化物超電導板を絶縁層2となる低温耐久性に優れている
例えばエポキシ系樹脂により、又はPb系ガラス(融
点:約400℃)を酸素雰囲気中で溶融固化により接合
する。ここで、この絶縁層2の層厚は1〜5μm程度、
好ましくは1〜3μmである。又、絶縁信頼性を向上す
るために、基板1の鏡研摩面にSiO2、MgO、Al2
O3、ZrO2、SrTiO3等の1〜2μm厚程度の絶
縁膜をスパッタリング、イオンプレーティング、蒸着法
等で形成した後、上述の樹脂やガラス等で接合して絶縁
層2を形成してもよい(第4工程)。
化物超電導板を絶縁層2となる低温耐久性に優れている
例えばエポキシ系樹脂により、又はPb系ガラス(融
点:約400℃)を酸素雰囲気中で溶融固化により接合
する。ここで、この絶縁層2の層厚は1〜5μm程度、
好ましくは1〜3μmである。又、絶縁信頼性を向上す
るために、基板1の鏡研摩面にSiO2、MgO、Al2
O3、ZrO2、SrTiO3等の1〜2μm厚程度の絶
縁膜をスパッタリング、イオンプレーティング、蒸着法
等で形成した後、上述の樹脂やガラス等で接合して絶縁
層2を形成してもよい(第4工程)。
【0019】続いて、基板1に絶縁層2で接合された酸
化物超電導板を超音波加工等により所定の形状に成形
し、研摩によりこの超電導板を約50μm厚の酸化物超
電導膜3に形成して図1に示すジョセフソン素子を形成
するのである(第5工程)。
化物超電導板を超音波加工等により所定の形状に成形
し、研摩によりこの超電導板を約50μm厚の酸化物超
電導膜3に形成して図1に示すジョセフソン素子を形成
するのである(第5工程)。
【0020】本実施例の酸化物超電導体デバイスは、基
板とジョセフソン素子とが同一の酸化物超電導体にて構
成されており、基板とジョセフソン素子の熱膨張係数が
使用温度範囲及び製造工程時の温度範囲で略同じになる
ので、デバイスの特性の劣化、素子自体の破損を十分に
防止でき、繰り返し使用可能なデバイスの歩留まりが約
90%程度と向上する。
板とジョセフソン素子とが同一の酸化物超電導体にて構
成されており、基板とジョセフソン素子の熱膨張係数が
使用温度範囲及び製造工程時の温度範囲で略同じになる
ので、デバイスの特性の劣化、素子自体の破損を十分に
防止でき、繰り返し使用可能なデバイスの歩留まりが約
90%程度と向上する。
【0021】次に、第2実施例について説明する。本実
施例は、酸化物超電導体デバイスのジョセフソン素子を
バルクでなく、薄膜形成技術で形成する点が第1実施例
と異なる。
施例は、酸化物超電導体デバイスのジョセフソン素子を
バルクでなく、薄膜形成技術で形成する点が第1実施例
と異なる。
【0022】最初に、第1実施例の第1〜第2工程と同
様の製造工程を経て、例えばYBa 2Cu3O7-tの酸化
物超電導体からなる100〜500μm厚程度の基板1
を準備する(第1〜第2工程)。
様の製造工程を経て、例えばYBa 2Cu3O7-tの酸化
物超電導体からなる100〜500μm厚程度の基板1
を準備する(第1〜第2工程)。
【0023】次に、上記基板1上に例えばスパッタリン
グ法等により1〜2μm厚程度のSiO2、ZrO2、又
はAl2O3等からなる絶縁層2を被着形成する(第3工
程)。
グ法等により1〜2μm厚程度のSiO2、ZrO2、又
はAl2O3等からなる絶縁層2を被着形成する(第3工
程)。
【0024】続いて、スパッタリング法等の従来周知の
薄膜形成技術を用いて、上記絶縁層2上に所望形状の金
属マスクを介して例えば基板1と同じYBa2Cu3O
7-tの酸化物超電導体からなる数千Å〜10μm厚程
度、例えば1〜2μm厚の酸化物超電導膜を被着形成し
て図1に示す酸化物超電導体デバイスを完成するのであ
る。
薄膜形成技術を用いて、上記絶縁層2上に所望形状の金
属マスクを介して例えば基板1と同じYBa2Cu3O
7-tの酸化物超電導体からなる数千Å〜10μm厚程
度、例えば1〜2μm厚の酸化物超電導膜を被着形成し
て図1に示す酸化物超電導体デバイスを完成するのであ
る。
【0025】尚、第3工程で、絶縁層2をSiO2、Z
rO2、Al2O3等からなる薄膜で形成したが、この方
法の代わりに、上記基板1を例えばN2ガス雰囲気中で
約600℃程度で熱処理を行って、この基板1の数μm
厚程度の表面部を還元処理し、この表面部にYBa2C
u3Oy(0≪y≪6.4)、望ましくはペロブスカイト
構造を保持するYBa2Cu3O5からなる絶縁層2を形
成してもよい。
rO2、Al2O3等からなる薄膜で形成したが、この方
法の代わりに、上記基板1を例えばN2ガス雰囲気中で
約600℃程度で熱処理を行って、この基板1の数μm
厚程度の表面部を還元処理し、この表面部にYBa2C
u3Oy(0≪y≪6.4)、望ましくはペロブスカイト
構造を保持するYBa2Cu3O5からなる絶縁層2を形
成してもよい。
【0026】斯る酸化物超電導体デバイスも第1実施例
と同様の効果がある。
と同様の効果がある。
【0027】上記各実施例では、酸化物超電導体からな
る基板を共沈法により形成したが、ゾル・ゲル法、固相
反応法等の他の方法を用いて作製してもよい。
る基板を共沈法により形成したが、ゾル・ゲル法、固相
反応法等の他の方法を用いて作製してもよい。
【0028】本発明の酸化物超電導体デバイスは、上述
の電磁波センサー等のジョセフソン素子以外の、SQU
ID、共振器等の各種ジョセフソン素子やボロメータ等
のデバイスでもよく、単に酸化物超電導体からなる超電
導配線(素子)が絶縁層を介して基板上に構成されたも
のでもよい。
の電磁波センサー等のジョセフソン素子以外の、SQU
ID、共振器等の各種ジョセフソン素子やボロメータ等
のデバイスでもよく、単に酸化物超電導体からなる超電
導配線(素子)が絶縁層を介して基板上に構成されたも
のでもよい。
【0029】尚、第1実施例のジョセフソン素子では酸
化物超電導体とその界面にBi2O3等の高抵抗材料が介
在するようにしているが、第2実施例、及び超電導体配
線等のように素子抵抗を低減するのが好ましく、高抵抗
材料を界面に設ける必要がないデバイスの場合は、基板
と素子の熱膨張係数がより近くなるので、酸化物超電導
体デバイスの特性が劣化したり、素子自体が壊れてしま
うことをより防止でき、繰り返し使用できるデバイスの
歩留まりが向上する。
化物超電導体とその界面にBi2O3等の高抵抗材料が介
在するようにしているが、第2実施例、及び超電導体配
線等のように素子抵抗を低減するのが好ましく、高抵抗
材料を界面に設ける必要がないデバイスの場合は、基板
と素子の熱膨張係数がより近くなるので、酸化物超電導
体デバイスの特性が劣化したり、素子自体が壊れてしま
うことをより防止でき、繰り返し使用できるデバイスの
歩留まりが向上する。
【0030】又、酸化物超電導体としては、上述の実施
例に限らず、YBa2Cu3O7-tのYをYb、Erなど
の希土類元素に代えた酸化物超電導体でもよく、更には
La 2-xSrxCaCu2O6+u 、Ba1-xKxBiO3等の
各種酸化物超電導体を使用できる。
例に限らず、YBa2Cu3O7-tのYをYb、Erなど
の希土類元素に代えた酸化物超電導体でもよく、更には
La 2-xSrxCaCu2O6+u 、Ba1-xKxBiO3等の
各種酸化物超電導体を使用できる。
【0031】本発明の酸化物超電導体デバイスは、酸化
物超電導体からなる超電導素子が、絶縁層を介して超電
導素子と同一の酸化物超電導体からなる基板で構成さ
れ、この基板と酸化物超電導素子の少なくとも使用温度
範囲及び製造時の温度範囲で熱膨張係数が同じかまたは
略同じになるので、基板や素子に歪み等が生じるのを十
分に抑えることができる。この結果、デバイスの特性劣
化やデバイスの破損を防止でき、繰り返し使用できるデ
バイスの歩留まりを向上できる。
物超電導体からなる超電導素子が、絶縁層を介して超電
導素子と同一の酸化物超電導体からなる基板で構成さ
れ、この基板と酸化物超電導素子の少なくとも使用温度
範囲及び製造時の温度範囲で熱膨張係数が同じかまたは
略同じになるので、基板や素子に歪み等が生じるのを十
分に抑えることができる。この結果、デバイスの特性劣
化やデバイスの破損を防止でき、繰り返し使用できるデ
バイスの歩留まりを向上できる。
【0032】又、基板と超電導素子とが、同一の酸化物
超電導体で構成されなくとも、同じ結晶系で構成され
ば、使用温度範囲及び製造時の温度範囲で熱膨張係数が
近いので、効果がある。
超電導体で構成されなくとも、同じ結晶系で構成され
ば、使用温度範囲及び製造時の温度範囲で熱膨張係数が
近いので、効果がある。
【0033】尚、歪み等は一般にデバイス中で厚みが最
も大きい基板に主に起因するので、層厚の薄い絶縁層の
熱膨張係数が基板又は素子のものと大きく異なっても問
題が生じる惧れはない。
も大きい基板に主に起因するので、層厚の薄い絶縁層の
熱膨張係数が基板又は素子のものと大きく異なっても問
題が生じる惧れはない。
【0034】更に、基板が酸化物超電導体から構成され
ているので、マイスナー効果により少なくとも基板側か
ら素子に入射される外部磁場を排除でき、素子ノイズの
低減が図れ、加えて熱伝導性がよいため素子の温度を略
一定にでき、素子特性が良好になる。
ているので、マイスナー効果により少なくとも基板側か
ら素子に入射される外部磁場を排除でき、素子ノイズの
低減が図れ、加えて熱伝導性がよいため素子の温度を略
一定にでき、素子特性が良好になる。
【0035】又、本発明に係る基板、超電導素子は上記
高抵抗材料のような酸化物超電導体以外の材料を含有し
てもよく、例えば基板は強度向上のためのAg等の添加
物を含有してもよい。
高抵抗材料のような酸化物超電導体以外の材料を含有し
てもよく、例えば基板は強度向上のためのAg等の添加
物を含有してもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明の酸化物超電導デバイスは、基板
と酸化物超電体素子の少なくとも使用温度範囲及び製造
時の温度範囲で熱膨張係数が同じか乃至は近くなるの
で、酸化物超電導体素子の特性劣化や破壊を防止でき、
繰り返し使用できる酸化物超電導デバイスの歩留まりを
向上できる。
と酸化物超電体素子の少なくとも使用温度範囲及び製造
時の温度範囲で熱膨張係数が同じか乃至は近くなるの
で、酸化物超電導体素子の特性劣化や破壊を防止でき、
繰り返し使用できる酸化物超電導デバイスの歩留まりを
向上できる。
【図1】本発明に係る酸化物超電導デバイスの斜視図で
ある。
ある。
1 基板 2 絶縁層 3 超電導膜(酸化物超電導素子)
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化物超電導体からなる基板と、該基板
上に絶縁層を介して設けられた上記基板と同じ結晶系の
酸化物超電導体からなる超電導素子と、によって構成さ
れることを特徴とする酸化物超電導デバイス。 - 【請求項2】 上記基板と超電導素子とは同一の酸化物
超電導体にて構成されていることを特徴とする請求項1
記載の酸化物超電導デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3269486A JPH05110149A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | 酸化物超電導デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3269486A JPH05110149A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | 酸化物超電導デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05110149A true JPH05110149A (ja) | 1993-04-30 |
Family
ID=17473114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3269486A Pending JPH05110149A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | 酸化物超電導デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05110149A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4813106A (en) * | 1987-03-25 | 1989-03-21 | Yoshida Kogyo K. K. | Telescopic button |
-
1991
- 1991-10-17 JP JP3269486A patent/JPH05110149A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4813106A (en) * | 1987-03-25 | 1989-03-21 | Yoshida Kogyo K. K. | Telescopic button |
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