JPH11198638A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11198638A
JPH11198638A JP10108723A JP10872398A JPH11198638A JP H11198638 A JPH11198638 A JP H11198638A JP 10108723 A JP10108723 A JP 10108723A JP 10872398 A JP10872398 A JP 10872398A JP H11198638 A JPH11198638 A JP H11198638A
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vehicle
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Minoru Fukumoto
稔 福本
則夫 ▲吉▼田
Norio Yoshida
Teruo Nakagawa
輝男 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低温下での暖房時において暖房能力の低下
を招かない、自動車に好適な車両用空調装置を提供す
る。 【解決手段】 冷媒を圧縮するコンプレッサ11と、圧
縮された冷媒と室内空気との間で熱交換を行う室内放熱
器13と、室内放熱器13で熱交換後の冷媒と、第1の
膨張装置15と、ブラインとの間で熱交換させるブライ
ン熱交換器17と、第2の膨張装置19とを備え、暖房
運転時は、第1の膨張装置15で冷媒を減圧し、第2の
膨張装置19では冷媒を減圧せず、冷房運転時は第1の
膨張装置15で冷媒を減圧せず、第2の膨張装置19で
冷媒を減圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒を利用して車
室内を冷暖房するヒートポンプ装置を備えた車両用空調
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より車両用の空調装置としてヒート
ポンプ装置を用いた空調装置が知られている。図6にヒ
ートポンプ装置を用いた従来の車両用空調装置の概略ブ
ロック図を示す。従来の空調装置は、車室内の空気と冷
媒とを熱交換する第1の室内熱交換器31および第2の
室内熱交換器33と、冷媒を圧縮するコンプレッサ11
と、車室外の空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器3
5と、冷媒を減圧する第1の絞り装置37および第2の
絞り装置39と、冷媒の循環経路を切り替える開閉弁4
1、42と、冷媒の循環方向を切り替える四方弁43と
からなる。これらは配管23により接続されており、配
管23中を熱交換のための冷媒及びコンプレッサの潤滑
オイルが循環するようになっている。また、第1の室内
熱交換器31と第2の室内熱交換器33とは、送風機2
7とミックスダンパ29とともに空調用ダクト25内に
配設されている。空調用ダクト25は車室内の吹き出し
口につながっており、送風機27により生成された風が
室内熱交換器31、33で加熱または冷却された後、車
室内に送り出される。ミックスダンパ29はその開度に
より車室内に吹き出す風の風量や温度を調節する。
【0003】このような空調装置において、暖房を行う
場合、コンプレッサ11により圧縮された冷媒は第1の
室内熱交換器31、第2の室内熱交換器33で放熱す
る。その後、冷媒は室外熱交換器35で吸熱し、コンプ
レッサ11に戻る。このとき、空調ダクト25内で送風
機27により送り出された風は、第1および第2の室内
熱交換器31、33を通過する際に加熱され、車室内に
送り出され、暖房に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような方法で
は、冷媒は車室内の空気と熱交換後、外気と熱交換を行
う。このため、外気の温度が非常に低い極低温(例え
ば、−18℃)の場合、コンプレッサ11での吸入圧力
が低下し、コンプレッサ11の圧縮比が大きくなり冷媒
循環量が低下し、暖房能力が低下するという問題があ
る。また、外気温度が低い場合、室外熱交換器35が着
霜し、これに伴い暖房能力が低下するという問題もあ
る。一般に、室外熱交換器35が着霜したときは冷凍サ
イクルを反転させる等の霜を除外するための制御が必要
となり、この間、十分な暖房が得られないという問題が
ある。このことは、外気温度が低いほど深刻な問題とな
る。
【0005】さらに、図6に示すような空調装置での暖
房では、冬季または雨天時等の室内の湿度が高い場合に
車窓が結露するという問題がある。このため、除湿暖房
をする必要がある。この場合、空調装置において、絞り
装置37、39、四方弁43、開閉弁41、42が図4
に示すように制御され、新たな循環経路が形成される。
このとき、四方弁43が切り換えられているため冷媒の
循環方向は逆転している。
【0006】これにより、コンプレッサ11で圧縮さ
れ、高温高圧にされた冷媒は第2の室内熱交換器33で
放熱し、第1の絞り装置37で減圧された後、第1の室
内熱交換器31で吸熱した後、コンプレッサ11に戻
る。つまり、車室内の空気はまず第1の室内熱交換器3
1で除湿された後、第2の室内熱交換器33で加熱され
るため、除湿暖房が可能となる。
【0007】ところが、上記のような除湿暖房制御で
は、図7に示すように室外熱交換器35において閉じた
経路すなわち閉サイクルが形成される。この閉サイクル
中では冷媒および潤滑オイルが滞留してしまう。このた
め、空調装置全体の冷媒、潤滑オイルの量は一定である
から、除湿暖房時の循環経路中を流れる冷媒、潤滑オイ
ルの量が減少する。この潤滑オイル量の減少はコンプレ
ッサの動作の信頼性の低下を招き、冷媒量の低下は冷凍
サイクルとしての能力の低下を招くという問題がある。
【0008】また、車両用暖房装置として、エンジンの
冷却水(温水)を用いて温調用空気を加熱する温水式暖
房装置が知られている。最近の高効率のエンジンでは、
外気温度が低いとき(−20℃)には、エンジンの冷却
水の温度は十分に上昇しない。このため、高効率のエン
ジンを搭載した車両においては、温水式暖房装置では暖
房能力が不足するという問題がある。
【0009】本発明は上記問題を解決すべくなされたも
のであり、極低温下での暖房時または除湿暖房時におい
て暖房能力の低下を招かない、自動車に好適な空調装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の車両
用空調装置は、冷媒と車室内空気との間で熱交換を行う
第1の熱交換手段と、該第1の熱交換手段で熱交換され
た冷媒に対して熱交換を行う第2の熱交換手段とを備え
たヒートポンプ手段により車室内の空調を行う車両用空
調装置において、前記第2の熱交換手段を、前記冷媒と
ブラインとの間で熱交換させるブライン熱交換手段で構
成する。このように構成することにより、外気と冷媒と
の間で熱交換をしないようにし、暖房能力において外気
温度の影響を受けないようにする。
【0011】本発明に係る第2の車両用空調装置は、冷
媒を圧縮するコンプレッサと、該圧縮された冷媒と車室
内空気との間で熱交換を行う室内熱交換手段と、該室内
熱交換手段で熱交換後の冷媒と、ブラインとの間で熱交
換させるブライン熱交換手段と、冷媒の流れにおいて前
記ブライン熱交換手段の上流に設けられた第1の減圧手
段と、冷媒の流れにおいて前記ブライン熱交換手段の下
流に設けられた第2の減圧手段とを備える。暖房運転時
は、前記第1の減圧手段で前記冷媒を減圧し、前記第2
の減圧手段では前記冷媒を減圧しない。冷房運転時は、
前記第1の減圧手段で前記冷媒を減圧せず、前記第2の
減圧手段で前記冷媒を減圧する。
【0012】また、第2の車両用空調装置において、冷
房運転時に前記ブライン熱交換手段で熱交換に使用され
るブラインを冷却するブライン冷却手段を備えてもよ
い。ブライン冷却手段により冷却されたブラインは冷媒
を冷却し、これにより冷房能力を高める。もしくは、第
2の車両用空調装置において、冷房運転時に前記冷媒を
冷却する補助熱交換手段を、前記第1の減圧手段と前記
第2の減圧手段との間に備えてもよい。
【0013】前記の第1及び第2の車両用空調装置にお
いて、暖房運転時に温水と熱交換させることにより車室
内の空気を加熱する温水熱交換手段をさらに備えてもよ
い。このとき、前記温水及び前記ブラインは、車両のエ
ンジンを冷却する冷却水であってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明に係る車両用空調装置の実施の形態を説明する。本実
施形態の車両用空調装置は、ヒートポンプ装置を用いた
空調装置において、外気と冷媒とを直接熱交換しないよ
うにするために、車室外に配設され外気と冷媒との間で
熱交換を行う室外熱交換器のかわりに、冷媒と他の媒体
(ブライン)との間で熱交換を行う熱交換器であるブラ
イン熱交換器を設けたものである。
【0015】<実施の形態1>図1に実施の形態1の車
両用空調装置の概略ブロック図を示す。車両用空調装置
は、冷媒を圧縮するコンプレッサ11と、車室内空気を
加熱するために冷媒と車室内空気とを熱交換させる室内
放熱器13と、冷媒を減圧する第1の膨張装置15と、
冷媒とブラインとを熱交換させるブライン熱交換器17
と、冷媒を減圧する第2の膨張装置19と、除湿または
冷風を生成するために冷媒と車室内空気とを熱交換させ
る室内冷却器21とからなり、それぞれが配管23によ
り接続されている。この配管23中を冷媒が循環する。
室内放熱器13と室内冷却器21とは空調用ダクト25
内に配設され、この空調用ダクト25内には、空調用の
温風/冷風を送り出すための送風機27と、室内放熱器
13を通過する風の送風量および温度を調整するための
ミックスダンパ29とが設けられている。空調用ダクト
25は車室内の所定の吹き出し口につながっており、こ
の吹き出し口から車室内に空調用ダクト25内で温調さ
れた空気が送り出される。
【0016】ブライン熱交換器17は冷媒と熱媒体であ
るブラインとを熱交換させるものであり、冷媒と熱交換
された後のブラインは所定の加熱装置または冷却装置に
より加熱または冷却がなされる。ここで、ブラインとし
ては、エチレングリコール、水、あるいは不凍液、油等
の流体が好ましい。ブライン熱交換器17に対するブラ
インの循環はポンプ30により行われる。図1は車両用
空調装置の暖房時の状態を示したものであり、ここで
は、温水ヒータ18aにより加熱される温水をブライン
として用いている。また、エンジンの冷却水をブライン
として用いてもよい。このような、ブライン熱交換器1
7を用いることにより、暖房時に冷媒を外気と隔絶した
方法で加熱することができる。また、図2は車両用空調
装置の冷房時の状態を示したものであり、ここでは、ブ
ラインを冷却器18bにより冷却している。すなわち、
本実施形態では、暖房時と冷房時とでブラインを切り替
えて使用している。
【0017】また、第1および第2の膨張装置15、1
9は、キャピラリーチューブ15a、19aと、ソレノ
イド弁15b、19bとからなる。冷媒を膨張装置1
5、19で減圧させるときは、ソレノイド弁15b、1
9bを閉じることでキャピラリーチューブ15a、19
aに全ての冷媒が流れるようにする。冷媒を減圧させな
いときはソレノイド弁15b、19bを全開にすること
で、キャピラリーチューブ15a、19aを迂回するバ
イパス経路を形成し、冷媒のほとんどがこのバイパス経
路を通過するようにする。このとき、膨張装置15、1
9を通過する冷媒は減圧されずにそのまま通過すること
になる。なお、これらの膨張装置15、19は開度調節
が可能な電動膨張弁または機械式膨張弁により構成し、
先のソレノイド弁15b、19bの解放時に相当する制
御として、電動膨張弁、機械式膨張弁の開度を全開ある
いはそれに近い状態とし、キャピラリーチューブ15
a、19aの使用時に相当する制御として、適度な減圧
量が得られる開度に制御してもよい。
【0018】このように構成された車両用空調装置にお
いては、室内放熱器13で加熱された空気または室内冷
却器21で冷却された空気が空調ダクト内25を通過し
て所定の吹き出し口から車室内に吹き出される。このと
き、車室内に吹き出される風の温度は、冷媒の温度、ミ
ックスダンパ29の開度、風量等を制御することにより
調整される。
【0019】以下に、空調装置の暖房時の動作を図1を
用いて説明する。暖房時では、第1の膨張装置15はそ
れを通過する冷媒が減圧されるように制御される。第2
の膨張装置19は全開に制御される。ミックスダンパ2
9の開度は送風機27から送りだされた風が室内放熱器
13を通過するように制御される。
【0020】このように膨張装置15、19、ミックス
ダンパ29が制御されることにより、コンプレッサ11
で圧縮されて高温・高圧になった冷媒は、室内放熱器1
3で放熱を行い、送風機27からの風を加熱する。その
後、冷媒は第1の膨張装置15で減圧され、ブライン熱
交換器17にてブラインと熱交換することにより吸熱を
行い、全開の第2の膨張装置19を通過し、さらに室内
冷却器21で吸熱を行い、送風機27からの風を除湿す
る。すなわち、送風機27から送り出された風は室内冷
却器21で除湿された後、室内放熱器13で加熱されて
車室内に送り出される。このため、除湿暖房が可能とな
る。
【0021】このとき、前述のようにブライン熱交換器
17では、外気と遮断して冷媒を加熱するため、外気温
度に影響されない除湿暖房が可能となる。
【0022】次に冷房時の動作を図2を用いて説明す
る。冷房時では、第1の膨張装置15は全開に制御され
る。第2の膨張装置19はそれを通過する冷媒が減圧さ
れるように制御される。ミックスダンパ29の開度は、
室内放熱器13に送風が通過しないように、すなわち、
送風が加熱されないように制御される。
【0023】このとき、コンプレッサ11で圧縮されて
高温・高圧になった冷媒は、室内放熱器13を通過する
が、ミックスダンパ29が室内放熱器13に対して閉じ
られているため放熱は行わずに通過する。その後、冷媒
は全開の第1の膨張装置15を通過し、ブライン熱交換
器17で放熱を行い、第2の膨張装置19で減圧された
後、室内冷却器21で吸熱を行う。つまり、送風機27
により送り出された風は、室内冷却器21にて冷却さ
れ、この冷却された空気は室内放熱器13を通過せずに
車室内に送風される。これにより車室内の冷房が行われ
る。このとき、ブラインは冷却器18bにより冷却され
る。また、この場合、ミックスダンパ29の開度を調節
して室内放熱器13に風を通過させて加熱するようにす
ることで、上記の除湿暖房とは異なる方法での除湿暖房
が可能となる。
【0024】以上、説明したように、本実施形態の空調
装置では、ヒートポンプ装置を用いた空調装置におい
て、従来、室外に配設される室外熱交換器のかわりに、
外気と隔絶して熱交換を行うブライン熱交換器を設け、
暖房時に、このブライン熱交換器において冷媒を加熱す
ることにより、極低温下において吸入圧力の低下、着霜
等による暖房能力の低下を防止し、外気温に影響されな
い暖房や除湿暖房を可能とする。また、このとき、閉サ
イクルも形成されないため、コンプレッサの信頼性、能
力の低下を招くこともない。また、外気との熱交換を考
慮しなくてもよいため、熱交換器の設置場所にとらわれ
ないレイアウト設計ができる。
【0025】なお、本実施形態においては、室内の空気
を温調するため、室内側に室内放熱器と室内冷却器の2
つの熱交換器とを備えた例を示した。本実施形態の空調
装置は、ヒートポンプ装置を用いた空調装置において、
冷媒と外気とを熱交換しないようにしたものであるた
め、室内側に熱交換器を1つだけ備えた場合でも、室外
側の熱交換器としてブライン熱交換器を用いることによ
り前述と同様の効果が得られる。
【0026】<実施の形態2>本実施形態の車両用空調
装置は、実施の形態1の車両用空調装置において、暖房
能力を高めるため、ヒートポンプ装置に加えて、温水を
用いて暖房を行う温水暖房装置を備える。さらに、本実
施形態の車両用空調装置は、冷房時にブラインを冷却す
るための補助熱交換器を備え、ブラインにより冷媒をよ
り強度に冷却することにより冷房能力を高める。
【0027】図3に実施の形態2の車両用空調装置の概
略ブロック図を示す。図3に示す車両用空調装置では、
実施の形態1の車両空調装置におけるブライン加熱手段
として温水ヒータ18aの代わりにエンジン18cを用
いる。必要に応じて温水ヒータまたは温水ヒータとエン
ジンの併用としてもよい。すなわち、エンジンの冷却水
をブラインとして用いる。車両用空調装置は、空調ダク
ト25内に温水により熱交換を行うヒータコア35を備
える。このヒータコア35には配管36を介してエンジ
ン18cからポンプ40により冷却水(温水)が供給さ
れるようになっている。ヒータコア35とエンジンとに
より温水暖房が行われる。ヒータコア35への温水の供
給はソレノイド弁38により制御される。なお、ヒータ
コア35と室内放熱器13とは一体化したものであって
もよい。また、車両用空調装置は、ブライン熱交換器1
7に対して、エンジン(以下、「ブライン加熱器」とい
う。)18cと並列に接続された補助熱交換器31と、
補助熱交換器31を空冷する送風機33とを備えてい
る。補助熱交換器31と送風機33とはブラインを冷却
する。ブライン熱交換器17とブライン加熱器18cと
を接続する経路の一方にはソレノイド弁37aが、ブラ
イン熱交換器17と補助熱交換器31とを接続する経路
の一方にはソレノイド弁37bが設けられている。ここ
で、ソレノイド弁37a、37bの代わりに1つの三方
弁を備え、これによりブラインの循環経路の切り替えを
行ってもよい。また、補助熱交換器31は、エンジン冷
却用のラジエターを兼ねるか、あるいは一体化してもよ
い。本実施形態において冷媒側の回路は実施の形態1の
ものと同じである。
【0028】このように構成された車両用空調装置の動
作を以下に説明する。なお、本実施形態における冷媒側
の回路の動作すなわちヒートポンプ装置側の動作は実施
の形態1と同様であるので、温水暖房及びブライン側の
回路の動作についてのみ説明する。
【0029】図3を用いて暖房時の動作を説明する。暖
房時には、ソレノイド弁37aは開に、ソレノイド弁3
7bは閉にされる。そして、ソレノイド弁38は、ブラ
インが所定の温度になったとき、あるいは運転開始から
所定時間経過したときに開にされる。また、ポンプ3
0、40はオン(作動)にされる。これにより、ブライ
ンはブライン熱交換器17とブライン加熱器18cの間
を循環し、ブライン加熱器18cで加熱され、ブライン
熱交換器17で冷媒を加熱する。したがって、空調用ダ
クト25内の空気は、室内熱交換器13によって加熱さ
れ、また、室内冷却器21へはブライン熱交換器17で
吸熱した比較的熱量を持つ冷媒が流れるため、この室内
冷却器21によって、空調用ダクト25内を流れる空気
が冷却されることも少なくなり、一層、暖房効果が期待
できる。同時に、ヒータコア35に温水が循環する。こ
れにより、冷媒を用いたヒートポンプ暖房に加え、ヒー
タコア35によっても空調用ダクト25内の空気を加熱
することができる。
【0030】このように、本実施形態の車両用空調装置
では、ヒートポンプ暖房に加え、さらに温水暖房が行え
るため、高い暖房能力が得られる。この場合、ヒートポ
ンプ暖房と温水暖房とを切り換えて使用することもでき
る。例えば、自動車のエンジンの始動直後においては、
温水温度の上昇速度は緩やかなため、この間は除湿ぎみ
のヒートポンプ暖房を行い、温水温度が所定の温度に達
したときに温水暖房に切り換えることも可能である。
又、室温上昇を早めるには、室内冷却器21に風が流れ
ない構造とし、室内放熱器13のみで加熱することも可
能である。このような制御は、始動時に温水温度が上昇
しにくい高効率のエンジンを搭載した車両に対して特に
有効である。
【0031】図4は車両用空調装置の冷房時の動作を説
明した図である。冷房時では、ソレノイド弁37a、3
8は閉に、ソレノイド弁37bは開にされる。また、ポ
ンプ30はオン、ポンプ40はオフ(停止)にされる。
これにより、ブラインはブライン熱交換器17と補助熱
交換器31との間を循環する。また、ヒータコア35に
は温水は循環しない。補助熱交換器31でブラインは送
風機33により冷却され、冷却されたブラインによりブ
ライン熱交換器17において冷媒が冷却される。冷却さ
れた冷媒は室内冷却器21において空調用ダクト25内
の空気を冷却し、車室内の冷房が行われる。このように
本実施形態の車両用空調装置では、冷房時において、補
助熱交換器31(及び送風機33)によりブラインが冷
却され、この冷却されたブラインにより冷媒が冷却され
る。これにより、冷媒の吸熱能力(放熱容量)が増すた
め、冷房能力を向上できる。
【0032】<実施の形態3>実施の形態2では、冷房
能力を高めるためブラインを冷却するための補助熱交換
器31をブライン回路側に設けていたが、本実施形態で
は、この補助熱交換器を冷媒回路側に備え、冷房時に冷
媒を冷却するようにした。これにより、冷媒の放熱容量
を増加させ、冷房能力を高めている。
【0033】図5に実施の形態3の車両用空調装置の概
略ブロック図を示す。本実施形態の車両用空調装置で
は、実施の形態2の車両用空調装置において、補助熱交
換器31(及び送風機33)を用いず、そのかわりに補
助熱交換器41と、補助熱交換器41を空冷する送風機
43とをブライン熱交換器17と第2の膨張装置19と
の間に設けた。さらに、補助熱交換器41をバイパスす
るためのバイパス経路と、このバイパス経路への冷媒の
流入を制御するソレノイド弁39bとを設ける。その他
の構成については実施の形態2の場合と同様である。以
下に、補助熱交換器41にかかる動作について説明す
る。
【0034】冷房時においては、ポンプ30、40はオ
フにされ、ソレノイド弁37a、38、39bは閉にさ
れ、冷媒は補助熱交換器41を通過する。このとき、冷
媒は送風機43により空冷される。これにより、冷媒の
室内冷却器21での吸熱能力が高まり、冷房能力が向上
する。
【0035】一方、暖房時においては、ポンプ30、4
0はオンにされ、ソレノイド弁37a、38、39bは
開にされ、同時に送風機43は停止される。冷媒は、ブ
ライン熱交換器17にて加熱された後、流通抵抗の関係
から一部はバイパス経路と補助熱交換器41とを通過す
るが、ほとんどはソレノイド弁39bを流れ、第2の膨
張装置19に流入する。送風機43は停止しているため
補助熱交換器41で熱交換は行われない。その他の動作
については、実施の形態2の場合と同様に動作する。
【0036】以上のようにして、本実施形態の車両用空
調装置では、冷房時に、冷媒が補助熱交換器41で冷却
されることにより冷房能力を向上する。
【0037】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置によれば、暖房
時において、ブライン熱交換器を用いることにより、冷
媒を外気と熱交換せずにヒートポンプ動作を可能とす
る。これにより、極低温下の暖房時および除湿暖房時に
おいて暖房能力の低下を招かず、外気温度に影響されな
い空調装置の運転が可能となる。
【0038】また、車両用空調装置によれば、冷房時
に、冷媒が室内熱交換手段に流入する前に冷媒をより強
度に冷却することができるため、冷房能力を高めること
ができる。
【0039】また、車両用空調装置によれば、ヒートポ
ンプ動作による暖房に加え、エンジンの冷却水等の温水
を用いた温水暖房を可能とする。これにより、高い暖房
能力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の車両用空調装置の暖房動作時
の概略ブロック図。
【図2】 実施の形態1の車両用空調装置の冷房動作時
の概略ブロック図。
【図3】 実施の形態2の車両用空調装置の暖房動作時
の概略ブロック図。
【図4】 実施の形態2の車両用空調装置の冷房動作時
の概略ブロック図。
【図5】 実施の形態3の車両用空調装置の概略ブロッ
ク図。
【図6】 従来の車両用空調装置の暖房動作時の概略ブ
ロック図。
【図7】 従来の車両用空調装置の除湿暖房動作時の概
略ブロック図。
【符号の説明】
11 コンプレッサ 13 室内放熱器 15 第1の膨張装置 17 ブライン熱交換器 18c ブライン加熱器(エンジン) 19 第2の膨張装置 21 室内冷却器 23 配管 25 空調用ダクト 27 送風機 29 ミックスダンパ 31,41 補助熱交換器 35 ヒータコア。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒と車室内空気との間で熱交換を行う
    第1の熱交換手段と、該第1の熱交換手段で熱交換され
    た冷媒に対して熱交換を行う第2の熱交換手段とを備え
    たヒートポンプ手段により車室内の空調を行う車両用空
    調装置において、 前記第2の熱交換手段は、前記冷媒とブラインとの間で
    熱交換させるブライン熱交換手段からなることを特徴と
    する車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 冷媒を圧縮するコンプレッサと、 該圧縮された冷媒と車室内空気との間で熱交換を行う室
    内熱交換手段と、 該室内熱交換手段で熱交換後の冷媒と、ブラインとの間
    で熱交換させるブライン熱交換手段と、 冷媒の流れにおいて前記ブライン熱交換手段の上流に設
    けられた第1の減圧手段と、 冷媒の流れにおいて前記ブライン熱交換手段の下流に設
    けられた第2の減圧手段とを備え、 暖房運転時は前記第1の減圧手段で前記冷媒を減圧し、
    前記第2の減圧手段では前記冷媒を減圧せず、冷房運転
    時は前記第1の減圧手段で前記冷媒を減圧せず、前記第
    2の減圧手段で前記冷媒を減圧することを特徴とする車
    両用空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両用空調装置におい
    て、 冷房運転時に前記ブライン熱交換手段で熱交換に使用さ
    れるブラインを冷却するブライン冷却手段を備えたこと
    を特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の車両用空調装置におい
    て、 冷房運転時に前記冷媒を冷却する補助熱交換手段を、前
    記第1の減圧手段と前記第2の減圧手段との間に備えた
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1つ
    に記載の車両用空調装置において、 暖房運転時に温水と熱交換させることにより車室内の空
    気を加熱する温水熱交換手段をさらに備えたことを特徴
    とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の車両用空調装置におい
    て、 前記温水及び前記ブラインは、車両のエンジンの冷却水
    であることを特徴とする車両用空調装置。
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