JPH11198297A - オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート - Google Patents
オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシートInfo
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- JPH11198297A JPH11198297A JP1820498A JP1820498A JPH11198297A JP H11198297 A JPH11198297 A JP H11198297A JP 1820498 A JP1820498 A JP 1820498A JP 1820498 A JP1820498 A JP 1820498A JP H11198297 A JPH11198297 A JP H11198297A
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Abstract
フィルム・シート等において、これらが有する高周波ウ
エルダー特性に優れる等の特性を損なうことなく、耐傷
性、耐熱性及び裁断性に劣るといった欠点を解消するこ
と。 【解決手段】 エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ば
れる一種以上を主体とするオレフィン系樹脂からなる中
間層の両面に、ポリプロピレンと、ポリブテン及びブテ
ン−α−オレフィン共重合樹脂から選ばれる一種以上の
樹脂との混合物(重量比で25:75〜95:5の割合
で混合)を主体とする外層を積層し、オレフィン系樹脂
製の多層フィルムまたはシートとする。
Description
ス類用、包装用、農業用、等として使用されるオレフィ
ン系樹脂からなる軟質多層フィルム又はシート(以下、
「フィルム・シート」と記すことがある)に関し、詳し
くは、高周波ウエルダー適性、耐傷性、耐熱性、裁断性
に優れるオレフィン系樹脂からなる軟質多層フィルム・
シートに関するものである。
装用、農業用、等として、合成樹脂からなる軟質フィル
ム・シートが使用されている。また、このフィルム・シ
ートとしては、エチレン−メチルメタクリレート共重合
樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる単層フ
ィルム・シート等が知られている。
ルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂からなる単層フィルム・シートは柔軟性があ
り、また、高周波ウエルダー適性に優れるという利点を
有する点では二次加工を必要とすることが多い上記用途
での使用に適していると言えるが、反面、表面に傷が付
き易い(耐傷性に劣る)という欠点を有しており、従来
からこれを改善するための種々の提案、具体的には、脂
肪酸アマイドを添加したり、表面に塗膜を形成する等の
提案がなされている。
を改善しようとした場合、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から
なるフィルム・シートが元来有している高周波ウエルダ
ー適性に優れるといったような特性を損なう場合が多
い。
て、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂からな
るフィルム・シートが元来有している高周波ウエルダー
適性を損なうことなく、かつ、表面の耐傷性を改善し得
るような外層を、エチレン−メチルメタクリレート共重
合樹脂等からなるフィルム・シートの両面に形成する方
法が考えられる。中でも、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合樹脂等からなるフィルム・シートと、接着剤
を介さずに、直接積層し得る外層を形成することによ
り、高周波ウエルダー適性を損なわず、表面の耐傷性を
改善するのが、好ましい方法の一つである。
重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる単
層フィルム・シートは、耐熱性に劣り、80〜90℃程
度の温度でも、変形が生じてしまい易いという欠点、或
いは裁断性に劣り、裁断時に刃が入りにくいため、端部
(裁断することによってできる端部)近傍が伸びて変形
が生じ易いという欠点も有していた。
チルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂等からなるフィルム・シートに、接着剤を介
さずに直接積層することができる外層を形成することに
より、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂等か
らなるフィルム・シートが元来有している高周波ウエル
ダー適性を損なわずに表面の耐傷性を改善すると共に、
耐熱性、裁断性も改善するものである。
になされた本発明のフィルム・シートは、オレフィン系
樹脂からなる中間層及び外層から構成され、中間層を形
成するオレフィン系樹脂が、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂から選ばれる一種以上を主体とするオレフィン系
樹脂であり、外層を形成するオレフィン系樹脂が、ポリ
プロピレンと、ポリブテン及びブテン−α−オレフィン
共重合樹脂から選ばれる一種以上の樹脂とを、重量比で
25:75〜95:5の範囲で混合した混合物を主体と
するオレフィン系樹脂であることを特徴とするオレフィ
ン系樹脂製多層フィルム・シートである。
・シートの中間層を形成するオレフィン系樹脂は、上記
した通り、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれ
る樹脂を主体とするオレフィン系樹脂、もしくはこれら
から選ばれる二種以上を混合したものを主体とするオレ
フィン系樹脂である。
重合樹脂は、エチレンと、アクリル酸エステル又は/及
びメタクリル酸エステルを共重合させたものであり、具
体的には、上記したエチレン−メチルメタクリレート共
重合樹脂の他、エチレン−メチルアクリレート共重合樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、等が使
用できる。
エステル共重合樹脂としては、(メタ)アクリル酸エス
テル成分が5〜30重量%のもの、特に高周波ウエルダ
ー適性の観点から15〜30重量%のものが好適であ
る。
エステル共重合樹脂としては、エチレンと共重合する
(メタ)アクリル酸エステルの種類やその含有量等が異
なるものを混合したものであってもよい。また、得られ
るフィルム・シートの特性を損なわない範囲であれば、
エチレン及び(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体
成分が共重合したものであっても差し支えない。
は、酢酸ビニル成分が5〜30重量%のもの、特に高周
波ウエルダー適性の観点から15〜30重量%のものが
好適である。
脂は、酢酸ビニル含有量が異なるものを混合したもので
あってもよい。また、得られるフィルム・シートの特性
を損なわない範囲であれば、エチレン及び酢酸ビニル以
外の単量体成分が共重合したものであっても差し支えな
い。
リル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂から選ばれる一種以上のオレフィン系樹脂に
は、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、
無機充填剤、顔料等の着色剤、等の各種添加剤を添加し
てもよい。
・シートの中間層は、必要に応じて各種添加剤が添加さ
れたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂
及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれる一種
以上のオレフィン系樹脂により形成されるものである
が、得られるフィルム・シートの特性を損なわない範囲
であれば、上記のエチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂以外
の重合体、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン等のポリエチレン;アイソタクチック又はシンジオ
タクチックのポリプロピレン(プロピレンとエチレンの
ランダム、ブロック共重合体、即ちランダムポリプロピ
レン、ブロックポリプロピレン等も含む);ポリブテ
ン;オレフィン系ゴム;エチレン系エラストマー;等を
混合しても差し支えない。
・シートには、上記の中間層の両面にオレフィン系樹脂
からなる外層が形成される。この外層を形成するオレフ
ィン系樹脂は、上記した通り、ポリプロピレンと、ポリ
ブテン及びブテン−α−オレフィン共重合樹脂から選ば
れる一種以上の樹脂との混合物を主体とするオレフィン
系樹脂である。
ンの単独重合体であるホモプロピレン、プロピレンとエ
チレンのランダム共重合体であるランダムポリプロピレ
ン、プロピレンとエチレンのブロック共重合体であるブ
ロックポリプロピレン等が使用可能であるが、高周波ウ
エルダー適性の観点から特に好ましくは、ランダムポリ
プロピレンである。
びブテン−α−オレフィン共重合樹脂から選ばれる一種
以上の樹脂が混合される。
におけるα−オレフィンとは、炭素鎖のα位、即ち、炭
素鎖の末端にある二つの炭素原子の間に二重結合(不飽
和結合)を有するオレフィンのことであり、具体的に
は、エチレン、プロピレン、ペンテン−1、ヘキセン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デケン
−1等が挙げられるが、特に、エチレン又は/及びプロ
ピレンをα−オレフィンとしたブテン−α−オレフィン
共重合樹脂が好適である。
におけるブテン成分とα−オレフィン成分との割合は、
一般的に、重量比で5:95〜95:5程度のものであ
る。即ち、ブテン成分の方が多くても少なくても使用可
能である。
レフィンは、得られるフィルム・シートを損なわない範
囲であれば、ブテン及びα−オレフィン以外の単量体成
分が共重合したものであっても差し支えない。
ブテン−α−オレフィン共重合樹脂から選ばれる一種以
上の樹脂との混合比率については、上記した通り、重量
比で25:75〜95:5、好ましくは50:50〜8
5:15である。
間層を形成するオレフィン系樹脂と同様に、必要に応じ
て、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合
物等の光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔
料等の着色剤、等の各種添加剤を添加してもよい。
損なわない範囲であれば、上記のオレフィン系樹脂以外
の重合体、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン等のポリエチレン;オレフィン系ゴム;エチレン系
エラストマー;水素添加スチレン−ブタジエンゴム;水
素添加スチレン−イソプレンゴム;等を混合しても差し
支えない。
・シートは、中間層の両面に外層を形成してなるが、そ
の形成手段として好ましくは、製造工程が簡略である共
押出法や共押出インフレーション法である。勿論、中間
層と外層とを、カレンダー法、押出法、インフレーショ
ン法等の手段によって別々に成形し、それらを熱ラミネ
ートもしくは適宜の接着剤による接着等の手段で積層す
る等によっても本発明の多層フィルム・シートを得るこ
とができる。尚、本発明のオレフィン系樹脂製多層フィ
ルム・シートは、中間層と外層との間に接着剤を介在さ
せずとも、層間接着性に優れるものである。
・シートの厚さについては、特に限定されるものではな
いが、上記用途として一般的には、0.03〜2.0m
mである。
ィルム・シートにおける中間層と各外層との厚さの比
は、それぞれ2:1〜20:1の範囲とするのが望まし
い。中間層と外層との厚さの比が、上記範囲を著しく逸
脱した場合、本発明の課題を解決し得る多層フィルム・
シートを得ることができない。尚、両外層の厚さは、必
ずしも同じであることを要しない。
・シートは、片面もしくは両面に、梨地や絹目等のエン
ボス絞を形成することもできるし、通常の印刷によるプ
リント模様を形成することもできる。また、水系、溶剤
系、紫外線硬化型等の各種塗料による塗膜を形成するこ
とも可能であるが、塗膜を形成した部分は、高周波ウエ
ルダー適性が著しく低下するので、塗膜を形成する場合
には、この点に留意する必要がある。勿論、プリント模
様を形成する場合も同様である。
樹脂製多層フィルム・シートは、軟質で、耐傷性、耐熱
性に優れており、また着色剤を含まない、或いは着色剤
の添加量が少ない場合(即ち着色透明フィルム・シート
とした場合)には、透明性にも優れるものである。ま
た、高周波ウエルダー適性や裁断性にも優れるので、二
次加工を要する用途での使用に好適である。
系樹脂製多層フィルム・シートの具体例を説明する。
フィルム・シートの一実施例の部分拡大断面図であり、
図中の符号1はオレフィン系樹脂製多層フィルム、11
は中間層、12(a)、(b)は外層である。
チルメタクリレート共重合樹脂(アクリフトWH20
2;商品名、住友化学社製)により形成され、この両面
には、ランダムポリプロピレン(BT−2008;商品
名、チッソ社製)と、ポリブテン(タフマーBL−40
00;商品名、三井化学社製)とを、重量比で70:3
0となるように混合したオレフィン系樹脂からなる外層
12(a)、(b)が形成されている。また、中間層の
厚さは0.25mm、外層12(a)及び12(b)の
厚さはそれぞれ0.025mmである(多層フィルム1
全体の厚さは0.3mm)。
は、中間層11を形成するオレフィン系樹脂組成物と、
外層12(a)、(b)を形成するオレフィン系樹脂組
成物を、三層Tダイ押出機で共押出して得たものであ
る。
は、高周波ウエルダー適性に優れると共に、耐傷性、透
明性、層間接着性、耐熱性、裁断性にも優れるものであ
り、文具用、各種ケース類用、包装用、農業用、等とし
て好適なものであった。
樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(エバテー
トH−2031;商品名、住友化学社製)を用いて同様
にして得たオレフィン系樹脂製多層フィルム1も、外層
12(a)、(b)中に含まれるポリプテンに代えて、
ブテン−エチレン共重合樹脂(タフマーA−4085;
商品名、三井化学社製)を用いて同様にして得たオレフ
ィン系樹脂製多層フィルム1も、本例と同等の諸性能を
有するものであった。
系樹脂製多層フィルム・シートは、高周波ウエルダー適
性、耐傷性、耐熱性、裁断性に優れ、文具用、各種ケー
ス類用、包装用、農業用、等として好適に使用できる。
色剤を全く添加しないような場合では、透明性に優れる
という利点もある。
ィルム・シートは、中間層と外層との間に接着剤を介在
させなくても優れた層間接着性を有するので、共押出法
等により容易に製造できるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる中間層及びそ
の両面に形成されたオレフィン系樹脂からなる外層とか
ら構成されるオレフィン系樹脂製多層フィルム又はシー
トであって、 中間層を形成するオレフィン系樹脂が、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂から選ばれる一種以上を主体とするオ
レフィン系樹脂であり、 外層を形成するオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン
と、ポリブテン及びブテン−α−オレフィン共重合樹脂
から選ばれる一種以上の樹脂との混合物であって、ポリ
プロピレンと、ポリブテン及びブテン−α−オレフィン
共重合樹脂から選ばれる一種以上の樹脂との混合比率
が、重量比で25:75〜95:5の範囲である混合物
を主体とするオレフィン系樹脂である、オレフィン系樹
脂製多層フィルム又はシート。 - 【請求項2】 中間層と外層との厚さの比率が、2:1
〜20:1の範囲である請求項1記載のオレフィン系樹
脂製多層フィルム又はシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1820498A JPH11198297A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1820498A JPH11198297A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11198297A true JPH11198297A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=11965123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1820498A Pending JPH11198297A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | オレフィン系樹脂製多層フィルム又はシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11198297A (ja) |
-
1998
- 1998-01-13 JP JP1820498A patent/JPH11198297A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040930 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060515 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060606 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060719 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060829 |