JP3052518U - 合成樹脂製収納ケース - Google Patents

合成樹脂製収納ケース

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JP3052518U JP1998002185U JP218598U JP3052518U JP 3052518 U JP3052518 U JP 3052518U JP 1998002185 U JP1998002185 U JP 1998002185U JP 218598 U JP218598 U JP 218598U JP 3052518 U JP3052518 U JP 3052518U
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健一 山内
信幸 菊入
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂
やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等からなる単層のシ
ート状物を素材とした収納ケースの欠点を解消する。 【解決手段】 収納ケースの素材として、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂の中から選ばれる一種以上の樹脂
を主体とする組成物からなる中間層の両面に、ポリプロ
ピレンを主体とする外層を形成してなるオレフィン系樹
脂製多層シート状物を使用する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、合成樹脂からなるシート状物を成形加工して得られる収納ケースに 関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化粧品類、洗面用具、文房具等を収納するケースとして、合成樹脂 からなるシート状物を成形加工して得られる合成樹脂製の収納ケースが使用され ている。 また、上記の収納ケースの素材となる合成樹脂製シート状物の一つとして、エ チレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂か らなる単層のシート状物が知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記の収納ケースを得る場合、例えば、所望の大きさ、形状に裁断した合成樹 脂製シート状物を所定箇所で接合する等して所望のケースに成形加工するが、こ の接合するための加工としては、得られる製品の外観、加工のし易さ、加工のた めのコスト、等の観点から、特に高周波ウエルダー加工が好適である。 従って、上記したエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢 酸ビニル共重合樹脂等からなる単層のシート状物は、高周波ウエルダー適性に優 れるという理由から、それを成形加工するという点では好適なものであるという ことができる。
【0004】 しかしながら、このエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン− 酢酸ビニル共重合樹脂からなる単層のシート状物は、その表面に傷が付き易い( 即ち、耐傷性に劣る)ため、これらのシート状物を素材とした収納ケースは、使 用しているうちに見栄えが悪くなるという欠点を有していた。
【0005】 また、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共 重合樹脂からなる単層のシート状物は、耐熱性に劣るため、これらのシート状物 を素材とした収納ケースは、80〜90℃程度の温度でも変形してしまうという 欠点や、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共 重合樹脂からなる単層のシート状物は、裁断性にも劣るため、収納ケースを得る のに必要不可欠な裁断加工時において、端部(裁断することにより生じる端部) 近傍が変形してしまい易く、この裁断加工時には細心の注意を払わなければなら ない等、これらのシート状物を成形加工して収納ケースを得るときの作業性は、 必ずしも良好であるとは言い難いものであった。
【0006】 本考案は、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニ ル共重合樹脂からなるシート状物を素材とする収納ケースが抱える欠点を解消す るものであり、成形加工する際の作業性が良好であり、かつ、使用中に見栄えの 悪化が起こり難い収納ケースを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本考案の収納ケースは、その素材となる合 成樹脂製シート状物として、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂 及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の中から選ばれる一種以上の樹脂を主体と する組成物からなる中間層の両面に、ポリプロピレンを主体とする組成物からな る外層を形成してなるオレフィン系樹脂製多層シート状物を用いたことを特徴と するものである。
【0008】 本考案の収納ケースは、オレフィン系樹脂製多層シート状物を素材として使用 するものである。そして、このオレフィン系樹脂製多層シート状物は、エチレン −(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 の中から選ばれる一種以上の樹脂を主体とする組成物からなる中間層と、その両 面に形成されるポリプロピレンを主体とする組成物からなる外層とから構成され るものである。
【0009】 エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂は、エチレンと、アクリル 酸エステル又は/及びメタクリル酸エステルを共重合させたものであり、具体的 には、上記したエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂の他、エチレン−メ チルアクリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、等が 使用できる。
【0010】 また、このエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂としては、(メ タ)アクリル酸エステル成分が5〜30重量%のもの、特に、得られたシート状 物を成形加工する際の高周波ウエルダー適性の観点から15〜30重量%のもの が好適である。
【0011】 勿論、このエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂としては、エチ レンと共重合する(メタ)アクリル酸エステルの種類や、その含有量が異なるも のを混合したものであってもよい。 また、得られたシート状物、及びそれを成形加工して得られる収納ケースの特 性を損なわない範囲であれば、エチレン及び(メタ)アクリル酸エステル以外の 単量体成分が共重合したものであっても差し支えない。
【0012】 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、酢酸ビニル成分が5〜30重量% のもの、特に、得られたシート状物を成形加工する際の高周波ウエルダー適性の 観点から、15〜30重量%のものが好適である。
【0013】 勿論、このエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、酢酸ビニル成分含有量 が異なるものを混合したものであってもよい。 また、得られるシート状物、及びそれを成形加工して得られる収納ケースの特 性を損なわない範囲であれば、エチレン及び酢酸ビニル以外の単量体成分が共重 合したものであっても差し支えない。
【0014】 シート状物の中間層を形成するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合 樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の中から選ばれる一種以上の樹脂には 、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安 定剤、滑剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔料等の着色剤、等の各種添加剤を添 加してもよい。
【0015】 また、得られるシート状物、及びそれを成形加工して得られる収納ケースの特 性を損なわない範囲であれば、上記以外の重合体、具体的には、低密度ポリエチ レン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の ポリエチレン;ポリプロピレン(プロピレンとエチレン等とのランダム、ブロッ ク共重合体、即ち、ランダムポリプロピレンやブロックポリプロピレン等も含む );ポリブテン;ブテン−α−オレフィン共重合体;オレフィン系ゴム;水素添 加ゴム;エチレン系エラストマー;等を混合しても差し支えない。
【0016】 上記の中間層の両面には、ポリプロピレンを主体とする組成物からなる外層が 形成される。
【0017】 このポリプロピレンとしては、アイソタクチックポリプロピレンであっても、 シンジオタクチックポリプロピレンであってもよく、これらを混合したものであ ってもよい。 また、このプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体であるホモポリプロ ピレン、ブロピレンとエチレン等とのランダム共重合体であるランダムポリプロ ピレン、プロピレンとエチレン等とのブロック共重合体であるブロックポリプロ ピレンのいずれあってもよく、これらを混合したものであってもよい。
【0018】 上記のポリプロピレンには、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダ ードアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔料等の 着色剤、等の各種添加剤を添加してもよい。 また、得られるシート状物、及びそれを成形加工して得られた収納ケースの特 性を損なわない範囲であれば、上記以外の重合体、具体的には、低密度ポリエチ レン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の ポリエチレン;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢 酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体;ポリブテン;ブテン−α−オレフィ ン共重合体;オレフィン系ゴム;水素添加ゴム;エチレン系エラストマー;等を 混合しても差し支えない。
【0019】 上記した中間層の両面に上記した外層を形成するに当たっては、中間層の両表 面に直接外層を積層するようにして形成してもよいし、中間層と外層との層間接 着性が不充分であるような場合には、この中間層と外層との間に接着性層を介在 させ、積層することも可能である。このとき使用する接着性層としては、シンジ オタクチックポリプロピレン、ポリブテン、ブテン−α−オレフィン共重合体等 からなるものが好適である。
【0020】 本考案において素材として使用するオレフィン系樹脂製多層シート状物の成形 方法として好ましくは、製造工程が簡略である共押出法や共押出インフレーショ ン法(中間層と外層とを直接積層する場合には二種三層の共押出、中間層と外層 との間に接着性層を介在させる場合には、三種五層の共押出となる)である。 但し、中間層と外層とを、カレンダー法、押出法、インフレーション法等の手 段によって別々に成形し、それらを熱ラミネートや適宜の接着剤による接着等の 手段で積層するなどの手段によっても得ることは可能である。
【0021】 本考案において使用されるオレフィン系樹脂製多層シート状物の厚さについて は、特に限定されるものではないが、上記用途として一般的には、0.05〜1 .0mm程度である。
【0022】 また、オレフィン系樹脂製多層シート状物における中間層と各外層との厚さの 比は、それぞれ2:1〜40:1程度の範囲であるのが望ましい。中間層と外層 との厚さの比が、上記範囲を著しく逸脱した場合には、本考案で解決しようとす る課題を解決するには至らない。 尚、両外層の厚さは、必ずしも同じであることは要しない。
【0023】 本考案において使用されるオレフィン系樹脂製多層シート状物は、片面もしく は両面に、梨地や絹目等のエンボス絞を形成することもできるし、箔押しや通常 の印刷によるプリント模様を形成することもできる。 また、水系、溶剤系、紫外線硬化型等の各種塗料による塗膜を形成することも 可能であるが、塗膜を形成した部分は、高周波ウエルダー適性が著しく低下する ので、シート状物表面に塗膜を形成する場合で、かつ、成形加工するのに高周波 ウエルダー加工を行う場合には、例えば、得られる収納ケースの外表面となる面 には塗膜を形成するが、内表面となる面には塗膜を形成しない、等の配慮が必要 である。勿論、プリント模様を形成する場合も同様である。
【0024】 上記のシート状物を用いて本考案の収納ケースを得る方法としては、従来より 知られている合成樹脂製収納ケースの場合と同様であり、所望の大きさ、形状に 裁断したシート状物を組合せ、シート状物同志の突き合わせ部等の必要箇所を接 合する方法が採用される。
【0025】 尚、本考案において素材として使用するシート状物は、高周波ウエルダー適性 に優れているので、上記の成形加工に際しては、得られる製品の外観、加工のし 易さ、加工のためのコスト、等に優れる高周波ウエルダー加工を採用するのが有 利であるが、それ以外の手段による接合、例えば、適宜の接着剤を用いての接合 、熱溶着による接合、超音波溶着による接合、等を採用することも不可能なこと ではない。
【0026】 上記のようにして得られた本考案の収納ケースは、従来より知られている合成 樹脂製収納ケースと同様に、その商品価値を更に高めるために、例えば、ファス ナー、スナップボタン等の開閉具を設けたり、持ち運ぶための把手等を設けたり することも、勿論可能である。
【0027】 本考案の収納ケースは、形状、大きさ等について特に制限がなく、例えば、化 粧品、洗面用具、文房具等の小物類を収納するための小型ケース、布団等を収納 するための大型ケース(いわゆる布団袋)等、大きさ、形状は任意である。
【0028】
【実施例】
以下、図面に基づいて本考案の実施例について説明する。 図1は、洗面用具等の小物類を収納するために使用する収納ケースの一例であ り、図2は収納ケースの素材として用いたオレフィン系樹脂製多層シート状物の 部分拡大断面図である。 また、図1中の符号1は本考案の収納ケースを示し、図2中の符号2は収納ケ ース1の素材となるオレフィン系樹脂製多層シート状物、符号21はその中間層 、符号22(a)、(b)はその外層をそれぞれ示している。
【0029】 図2に示す多層シート状物は、中間層形成用として、エチレン−酢酸ビニル共 重合樹脂(住友化学社製「エバテートH−2031」)、外層形成用として、ア イソタクチックランダムポリプロピレン(チッソ社製「BT−2008」)とシ ンジオタクチックポリプロピレン(三井化学社製「チアロSPH0453E」) を重量比で50:50となるように混合したものを用い、これらの中間層形成用 組成物と外層形成用組成物を、三層Tダイ押出機で共押出して得られたものであ る。 また、この多層シート状物2全体の厚さは0.3mmであり、中間層21の厚 さが0.25mm、各外層22(a)、(b)の厚さがそれぞれ0.025mm である。
【0030】 図1に示す収納ケース1は、多層シート状物2を所定の大きさ、形状に裁断し て得た裁断片を組合せ、突き合わせ部(例えば、図1中の符号11で示す箇所) 等の所定箇所を高周波ウエルダー加工により溶着し、接合して得られたものであ る。 また、この例においては、収納ケースの開閉部に、スナップボタン19が設け られている。
【0031】 尚、図2に示す多層シート状物2を成形加工して図1に示す収納ケース1を得 る際の作業性、具体的には、所定の大きさ、形状に裁断する際の作業性、及び裁 断片を高周波ウエルダー加工により溶着する際の作業性は、いずれも良好であっ た。 また、得られた収納ケース1は、従来のエチレン−メチルメタクリレート共重 合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等からなる単層シート状物を素材とし た収納ケースよりも、傷が付き難いものであった。
【0032】
【考案の効果】
本考案の収納ケースは、特定のオレフィン系樹脂製多層シート状物を素材とし ているため、従来のエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢 酸ビニル共重合樹脂からなる単層シート状物を素材としたもののように、使用中 に傷が付いて見栄えが悪化するようなことが生じにくく、しかも、80〜90℃ 程度の温度では変形も生じない。
【0033】 また、素材として、高周波ウエルダー適性に優れ、かつ、従来のエチレン−メ チルメタクリレート共重合樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる単層 シート状物のように、裁断時に端部近傍が変形したりすることのないオレフィン 系樹脂製多層シート状物を使用しているので、シート状物を成形加工する際の作 業性にも優れるものである。
【0034】 更にまた、本考案の収納ケースの素材として使用するオレフィン系樹脂製多層 シート状物は、着色剤を含まない或いはその添加量が少ない場合、透明性にも優 れるものであり、収納してある物をケースから出さずとも、その内容物を容易に 視認することが可能であるようなケースを、という要望にも十分に応え得るもの である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す図である。
【図2】図1に示す例において素材として使用したオレ
フィン系樹脂製多層シート状物の部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・収納ケース 2・・・オレフィン系樹脂製多層シート状物 21・・・中間層 22(a)、(b)・・・外層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなるシート状物を成形加工
    して得られる収納ケースであって、 合成樹脂からなるシート状物が、エチレン−(メタ)ア
    クリル酸エステル共重合樹脂及びエチレン−酢酸ビニル
    共重合樹脂から選ばれる一種以上を主体とする組成物か
    らなる中間層の両面に、ポリプロピレンを主体とする組
    成物からなる外層を形成してなるオレフィン系樹脂製多
    層シート状物である、合成樹脂製収納ケース。
JP1998002185U 1998-03-23 1998-03-23 合成樹脂製収納ケース Expired - Fee Related JP3052518U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211066A (ja) * 1999-01-25 2000-08-02 Okamoto Ind Inc 積層フィルム

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