JPH11197460A - 中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜モジュール

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JPH11197460A
JPH11197460A JP456898A JP456898A JPH11197460A JP H11197460 A JPH11197460 A JP H11197460A JP 456898 A JP456898 A JP 456898A JP 456898 A JP456898 A JP 456898A JP H11197460 A JPH11197460 A JP H11197460A
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JP
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hollow fiber
fiber membrane
case
mesh material
membrane bundle
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JP456898A
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Inventor
Koso Ikeda
光壮 池田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易でかつ中空糸膜束固定用の接着材
の吸い上げによる中空糸膜の有効膜面積の低下が生じる
ことのない中空糸膜モジュールを提供する。 【解決手段】 U字状に折り曲げられた中空糸膜束4の
外周を伸縮性の筒状ネット5で被覆する。中空糸膜束4
は筒状ケース1内に挿入され、中空糸膜束4の端部外周
の筒状ネット5の先端が折り返される。筒状ケース1内
に接着剤が注入され、筒状ネット5の折り返し部5aの
一部がウレタン樹脂内に埋め込まれ、硬化されて固定層
6が形成される。網状ネット5の折り返し部5aは中空
糸膜束4の最外周の中空糸膜と筒状ケース1の内壁面と
の間を離間させ、ウレタン樹脂が毛管現象により中空糸
膜に沿って吸い上げられることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体中の成分の分離
に用いる中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】液体中の成分を分離するために中空糸膜
モジュール、環状型膜モジュール、スパイラル型膜モジ
ュール、プリーツ型膜モジュール等の種々の分離膜モジ
ュールが用いられている。特に、中空糸膜モジュール
は、単位体積当たりの膜面積(体積効率)を大きくとれ
ること、原液と透過液との間のシールが簡単であるこ
と、構成部材の種類が少なく小型化できること等の利点
を有することから、限外濾過、逆浸透、透析、結晶分離
等の種々の分野で用いられている。
【0003】中空糸膜モジュールは、細い中空糸膜を多
数本ほぼ等間隔に束ねてなる中空糸膜束をケース内に収
納し、中空糸膜束の端部を接着剤でケース端部に固定し
て形成されている。
【0004】中空糸膜モジュールの型式には、中空糸膜
束の両端をそれぞれケースの両端部に固定した両端固定
型、中空糸膜の一端を封止し、他端を開口状態でケース
端部に固定した一端封止型、あるいは中空糸膜束をU字
状に形成し、折り曲げた両端部をケース端部に固定した
U字型がある。
【0005】また、中空糸膜モジュールの濾過方式とし
ては、通常、両端固定型のモジュールでは内圧クロスフ
ロー式が使用され、一端封止型およびU字型のモジュー
ルでは外圧全量濾過式が使用される。
【0006】さらに、中空糸膜モジュールの製造工程に
おいては、複数本の中空糸膜の散乱を防止するために、
中空糸膜束の両端を粘着テープ、輪ゴム、紐あるいは接
着剤等で仮固定したり、プラスチック製の筒状ネットで
被覆した状態で取り扱われる。粘着テープ等で仮固定す
る場合には、仮固定部を含む中空糸膜束の端部が接着剤
の固定層内に固定された後、固定部の端部を切断するこ
とにより粘着テープ等が除去される。一方、筒状ネット
で仮固定する場合には、筒状ネットが中空糸膜モジュー
ルの構成材料として残余し、中空糸膜を外力から保護す
る機能を発揮する。
【0007】中空糸膜束は、重力法や遠心法を用いて接
着剤をケース内に注型して固定される。重力法では、ケ
ース内に液状接着剤を重力を利用して注入し、硬化させ
て中空糸膜束の端部とケースとが固定され、遠心法で
は、ケース内に液状接着剤を注入し、高速回転させて液
状接着剤に遠心力を与えて成形した後、硬化させて中空
糸膜束の端部とケースとが固定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3は従来の外圧型中
空糸膜モジュールの断面図である。図3の外圧型中空糸
膜モジュールは、上述した中空糸膜モジュールの内で、
U字状に折り曲げられた中空糸膜束14を有するU字型
のモジュールであり、外圧全量濾過式で使用される。
【0009】U字状の中空糸膜束14は筒状ケース11
の内部に挿入され、両端部が固定層16に固定されると
ともに、固定層16の端面において各中空糸膜の膜端が
開口している。筒状ケース11の一端に設けられたキャ
ップ12には原液供給口12aが設けられ、筒状ケース
11の他端に設けられたキャップ13には透過液出口1
3aが形成されている。
【0010】さらに、U字状の中空糸膜束14はプラス
チック製の筒状ネット15により被覆されている。筒状
ネット15は中空糸膜束14の端部とともに固定層16
内に埋め込まれている。
【0011】図3の外圧型中空糸膜モジュールにおい
て、中空糸膜束14の外周を被覆する筒状ネット15の
厚さは薄い。このため、筒状ネット15により被覆され
た中空糸膜束14を筒状ケース11内に挿入すると、中
空糸膜束14の外周の中空糸膜表面と筒状ケース11の
内壁面とが薄い筒状ネット15を介して近接した状態と
なる。この状態で、筒状ケース11内に液状接着剤が注
型されると、中空糸膜と筒状ケース11の内壁面との間
で毛管現象が生じ、液状接着剤が中空糸膜表面に沿って
吸い上げられる。そして、液状接着剤が硬化すると、固
定層16に突出部16aが形成され、固定層16の厚み
が不均一となる。固定層16の突出部の16aは中空糸
膜表面を覆い、そのために中空糸膜束14の有効膜面積
が低下する不都合が生じる。
【0012】そこで、接着剤の毛管現象による中空糸膜
の有効膜面積の低下を防止するために、外圧型中空糸膜
モジュールにおける種々の構造が提案された。例えば、
図4に示す外圧型中空糸膜モジュールでは、筒状ケース
21に小径端部21aを設けて筒状ケース21の内壁面
に段差部を形成している。そして、筒状ネット15を被
覆したU字状の中空糸膜束14の端部を小径端部21a
内に挿入し、固定層26により固定している。このよう
な構造によって、中空糸膜束の外周の中空糸膜と筒状ケ
ース21の段差部の内壁面との間に隙間が形成される。
これにより、固定層26を形成する接着剤が毛管現象に
より吸い上げられることが防止される。
【0013】また、図5に示す中空糸膜モジュールは、
筒状ケース11の端部に設けたキャップ23に筒状ケー
ス11の内径よりも小さい内径を有する凹部23aを設
け、この凹部にU字状の中空糸膜束14の端部を挿入し
たものである。
【0014】このような構造によって、キャップ23と
筒状ケース11との境界に段差部が形成され、段差部近
傍の中空糸膜束14の外周の中空糸膜と筒状ケース11
の内壁面との間に隙間が形成される。これにより、図4
の中空糸膜モジュールと同様の作用により、固定層36
を形成する接着剤の吸い上げが防止される。
【0015】さらに、図6に示す外圧型中空糸膜モジュ
ールにおいては、図4の筒状ケース21の場合と反対
に、筒状ケース31の一端部に大径端部31aを設けて
筒状ケース31の内壁面に段差部を形成している。そし
て、固定層46が大径端部31a内に形成されている。
【0016】このような構造によって、固定層46から
突出した中空糸膜束14の大径端部31a近傍における
外周の中空糸膜と筒状ケース31の内壁面との間に隙間
が形成される。これにより、固定層46を形成する接着
剤の吸い上げが防止される。
【0017】しかしながら、図4〜図6に示す中空糸膜
モジュールでは、筒状ケース21,31に段差部を形成
するための機械加工が必要となり、製造工程が複雑化
し、製造コストが上昇する不都合がある。また、図4お
よび図5に示す外圧型中空糸膜モジュールでは、小径端
部21aあるいはキャップ23の凹部23aに中空糸膜
束14の端部を挿入する作業が困難であり、製造工程が
煩雑化するという不都合があった。
【0018】本発明の目的は、製造が容易でかつ中空糸
膜束固定用の接着剤の吸い上げによる中空糸膜の有効膜
面積の低下が生じることのない中空糸膜モジュールを提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
に係る中空糸膜モジュールは、外周が網目材で覆われた
中空糸膜束がケー内に収納されるとともに、中空糸膜束
の少なくとも一端部がケースの端部に設けられた固定部
に固定された中空糸膜モジュールにおいて、固定部側の
網目材の部分が折り重ねられ、網目材の折り重ね部分の
一部が固定部内に埋め込まれるとともに、網目材の折り
重ね部分の残りの部分が固定部からケースの内側に突出
したものである。
【0020】本発明に係る中空糸膜モジュールにおいて
は、中空糸膜束の外周を網目材で覆うとともに、網目材
の一部を折り重ねた状態で中空糸膜束をケース内に挿入
し、網目材の折り重ね部分の一部を固定部内に埋め込ん
で形成されている。網目材を折り重ねると、網目材の厚
みが大きくなり、ケースの内壁面と中空糸膜束の外周の
中空糸膜とが網目材の折り重ね部分によって離隔され
る。このため、接着剤が注型されて固定部が形成される
際に、ケースの内壁面と中空糸膜束の外周の中空糸膜と
の間で接着剤が毛管現象により中空糸膜の表面に沿って
吸い上げられることが防止される。このため、接着剤の
吸い上げによる中空糸膜束の有効膜面積の低下を抑制す
ることができる。
【0021】特に、中空糸膜束が、U字状に折り曲げら
れ、U字状の中空糸膜束の外周が網目材で覆われるとと
もに、U字状の中空糸膜束の両端部が固定部に固定さ
れ、U字状の中空糸膜束の両端部側の網目材の部分が折
り重ねられ、網目材の折り重ね部分が固定部内に埋め込
まれるとともに、網目材の折り重ね部分の残りの部分が
固定部内に埋め込まれるとともに、網目材の折り重ね部
分の残りの部分が固定部のケースの内側に突出してもよ
い。
【0022】この場合、U字状の中空糸膜束の外周とケ
ースの内壁面との間に網目材の折り重ね部分が介在して
両者の間隔が広げられる。これにより、接着剤が注型さ
れて固定部が形成される際に、接着剤の吸い上げが防止
され、それによってU字状の中空糸膜束の有効膜面積の
低下を防止することができる。
【0023】本発明に係る中空糸膜モジュールは、外周
が網目材で覆われた中空糸膜束がケース内に収納される
とともに、中空糸膜束の少なくとも一端部がケースの端
部に設けられた固定部に固定された中空糸膜モジュール
において、固定部側の網目材の部分に縮れ部が形成さ
れ、網目材の縮れ部の一部が固定部内に埋め込まれると
ともに、網目材の縮れ部の残りの部分が固定部からケー
スの内側に突出したものである。
【0024】本発明に係る中空糸膜モジュールにおいて
は、中空糸膜束の外周を網目材で覆ってケース内に挿入
し、網目材の端部に縮れ部を形成し、縮れ部の一部を固
定部内に埋め込んでいる。網目材に縮れ部を形成する
と、その部分の網目材の厚みが大きくなり、ケース内に
おいてケースの内壁面と中空糸膜束の外周の中空糸膜と
が網目材の縮れ部によって離隔される。このため、接着
剤が注型されて固定部が形成される際に、ケースの内壁
面と中空糸膜束の外周の中空糸膜との間で接着剤が毛管
現象により中空糸膜の表面に沿って吸い上げられること
が防止される。これによって、接着剤の吸い上げによる
中空糸膜束の有効膜面積の低下を抑制することができ
る。
【0025】特に、中空糸膜束は、U字状に折り曲げら
れ、U字状の中空糸膜束の外周が網目材で覆われるとと
もに、U字状の中空糸膜束の両端部が固定部に固定さ
れ、U字状の中空糸膜束の両端部側の網目材の部分に縮
れ部が形成され、網目材の縮れ部が固定部内に埋め込ま
れるとともに、網目材の縮れ部の残りの部分が固定部か
らケースの内側に突出してもよい。
【0026】この場合、U字状の中空糸膜束の外周とケ
ースの内壁面との間に網目材の縮れ部が介在して両者の
間隔が広げられる。これにより、接着剤が注型されて固
定部が形成される際に、接着剤の吸い上げが防止され、
それによってU字状の中空糸膜束の有効膜面積の低下を
防止することができる。
【0027】特に、網目材の縮れ部は、熱収縮により形
成されてもよい。この場合、熱収縮された網目材の縮れ
部は、不規則な波状に縮れ、これによってケースの内壁
面と中空糸膜束の外周の中空糸膜との間に介在して両者
の間隔を大きくすることができる。
【0028】特に、網目材は円筒状の伸縮性部材からな
ることが好ましい。この場合には、円筒状の網目材の内
部に中空糸膜束を挿入し、固定部側の網目材の端部を折
り返すことにより、あるいは縮れ部を形成することによ
り、ケースの内壁面と中空糸膜束の外周の中空糸膜との
間に固定部を形成する接着剤の毛管現象の発生を防止す
ることができる。
【0029】特に、ケースは、一端から他端にかけて同
じ内径を有する筒状体からなることが好ましい。この場
合には、ケースの加工が容易となり、中空糸膜モジュー
ルの製造コストの上昇を抑制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る外圧型中空糸
膜モジュールの断面図である。図1の外圧型中空糸膜モ
ジュールは、筒状ケース1の内部に多数本の細い中空糸
膜を束ねてU字状に折り曲げた中空糸膜束4を収納して
なる。
【0031】筒状ケース1は均一な内径を有する中空円
筒状に形成されており、両端にそれぞれキャップ2,3
が取り付けられている。一方のキャップ2には筒状ケー
ス1内に原液を供給するための原液供給口2aが形成さ
れており、他方のキャップ3には、透過液を外部に取り
出すための透過液出口3aが形成されている。
【0032】U字状に折り曲げられた中空糸膜束4の外
周には、伸縮性を有する筒状ネット5が被覆されてい
る。筒状ネット5は伸縮性を有する細いプラスチック製
の線状材料が網目状に形成されており、U字状の中空糸
膜束4の端部外周には、筒状ネット5の先端部が折り返
された折り返し部5aが形成されている。
【0033】筒状ネット5に被覆された中空糸膜束4
は、筒状ケース1の内部に挿入され、その端部が固定層
6に固定される。固定層6は、筒状ケース1の内部に熱
硬化性樹脂などの液状接着剤を注型し、硬化されて形成
される。注型時には、液状接着剤が中空糸膜束4の端部
外周に形成された筒状ネット5の折り返し部5aの端部
を埋め込むように注入される。
【0034】筒状ネット5の折り返し部5aは中空糸膜
束4の外周の中空糸膜と筒状ケース1の内壁面との間に
介在し、中空糸膜の表面と筒状ケース1の内壁面との距
離を大きくする。このため、中空糸膜と筒状ケース1の
内壁面との間で毛管現象が生じることが防止され、筒状
ケース1内に注入された液状接着剤が中空糸膜に沿って
上方に吸い上げられることが防止される。これにより、
固定層6の厚みがほぼ均一となり、中空糸膜に沿って吸
い上げられた接着剤によって中空糸膜の有効表面積が低
下することが防止される。
【0035】なお、筒状ネット5の折り返し部5aは、
一重に折り返すのみならず、多重に折り返してもよい。
また、折り返し部5aの代わりに、筒状ネット5の途中
に筒状ネット5を折り重ねた部分を設けてもよい。
【0036】ここで、筒状ケース1が本発明のケースに
相当し、筒状ネット5が網目材に相当し、折り返し部5
aが折り重ね部分に相当し、固定層6が固定部に相当す
る。
【0037】図2は本発明に係る外圧型中空糸膜モジュ
ールの他の例を示す断面図である。この例による外圧型
中空糸膜モジュールは、図1の外圧型中空糸膜モジュー
ルに対し、固定層6に埋め込まれる筒状ネット5の形状
が異なる。
【0038】図2に示すように、筒状ネット50は、軟
化温度の低い伸縮性プラスチック材料を網目状に形成し
たものであり、加熱すると、不規則な波状に収縮する。
そこで、筒状ネット50の端部を加熱することによって
縮れさせ、縮れ部50aを形成している。縮れ部50a
は波状に縮れており、縮れ部50a以外の部分に比べて
厚みが増大する。このため、中空糸膜束4の端部外周と
筒状ケース1の内壁面との間に縮れ部50aを介在さ
せ、かつその一部が埋まるように液状接着剤を注型する
と、縮れ部50aによって中空糸膜束50の外周の中空
糸膜と筒状ケース1の内壁面との距離が大きくなる。こ
のため、液状接着剤が毛管現象により中空糸膜の表面に
沿って吸い上げられることが防止され、中空糸膜の有効
膜面積が低下することが防止される。
【0039】なお、図1の外圧型中空糸膜モジュールに
おける筒状ネット5の折り返し部5aのように筒状ネッ
トの端部を折り返し、さらに加熱して図2の外圧型中空
糸膜モジュールの筒状ネット50の縮れ部50aを形成
してもよい。
【0040】ここで、筒状ケース1が本発明のケースに
相当し、筒状ネット50が網目材に相当し、縮れ部6が
縮れ部に相当し、固定層6が固定部に相当する。
【0041】また、図1および図2の外圧型中空糸膜モ
ジュールにおいて、プラスチック製の筒状ネット1は難
接着性を有する。しかしながら、筒状ネット5、50は
固定層6の一部に埋め込まれており、残りの部分では固
定層6が直接筒状ケース1の内壁面に接着されている。
固定層6と筒状ケース1との接着力は高く、このため
に、筒状ネット5,50に沿って固定層6が筒状ケース
1から剥離することが防止される。
【0042】
【実施例1】ここで、実施例の外圧型中空糸膜モジュー
ルを作成し、固定層の形成状態を確認した。
【0043】実施例1の中空糸膜モジュールは、図1に
示すように、中空糸膜束をU字状に形成し、伸縮性の筒
状ネットにより被覆した。筒状ネットはポリエチレン製
の押し出し成型品からなり、ネットの厚みは約0.4m
m、折り径は約40mm、伸長した時の筒状ネットの折
り径は約200mm、網目の目開き量が約3mmであっ
た。
【0044】この伸縮性の筒状ネットで被覆したU字状
の中空糸膜束を筒状ケース内に挿入し、筒状ケースのケ
ース端より内側約20mmの位置で筒状ネットを折り返
した。これにより、中空糸膜束の外周の中空糸膜と筒状
ケースの内壁面との間が筒状ケースの内面全周にわたっ
て約3mmの間隔で離間していることが確認された。
【0045】この状態で、ウレタン樹脂からなる液状接
着剤を筒状ケース内に注入し、重力法により注型した。
そして、ウレタン樹脂を硬化させて固定層を形成した
後、筒状ケースの端部から突出した固定層端部および中
空糸膜束の端部を切断し、各中空糸膜の膜端を筒状ケー
スの端部に開口して露出させた。
【0046】上記のような製造方法により形成された実
施例1の外圧型中空糸膜モジュールでは、筒状ケースの
長手方向における固定層の厚さが約30mmで、かつほ
ぼ一定に形成された。これにより、固定層を形成する接
着剤が中空糸膜に沿って吸い上げられることが防止され
ていることが確認された。
【0047】
【実施例2】実施例2の中空糸膜モジュールは、図2に
示すように、中空糸膜束をU字状に形成し、実施例1と
同一の伸縮性の筒状ネットにより被覆した。さらに、筒
状ネットにより被覆された中空糸膜束を筒状ケース内に
挿入し、中空糸膜束の端部側の筒状ケースの開口端より
熱風発生器で温度120℃の熱風を送り込み、筒状ケー
スの開口端より内側約20mmの位置まで伸縮性の筒状
ネットを縮れさせて縮れ部を形成した。縮れ部は不規則
な波状に収縮し、中空糸膜束の外周の中空糸膜と筒状ケ
ースの内壁面との間が筒状ケースの内面全周にわたって
約2mm離れていることが確認された。
【0048】この状態で、ウレタン樹脂を筒状ケース内
に注入して重力法により注型した。そして、ウレタン樹
脂を硬化して固定層を形成した後で、筒状ケースの端部
から突出した固定層端部および中空糸膜束の端部を切断
し、各中空糸膜の膜端を筒状ケースの端部に開口して露
出させた。
【0049】上記のような製造方法により形成された実
施例2の外圧型中空糸膜モジュールでは、筒状ケースの
長手方向における固定層の厚さが約30mmで、かつほ
ぼ一定に形成された。これにより、固定層を形成する接
着剤が中空糸膜に沿って吸い上げられることが防止され
ていることが確認された。
【0050】このように、本発明では、U字状の中空糸
膜束を被覆した筒状ネットの端部を折り重ね、あるいは
縮れさせることにより、中空糸膜束の外周の中空糸膜と
筒状ケースの内壁面との間を離間させている。このた
め、接着剤が注入される注型処理時に、接着剤が毛管現
象によりケース内壁面と中空糸膜との隙間に沿って吸い
上げられることが防止され、それによって中空糸膜の有
効濾過面積が減少することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による外圧型中空糸膜モジュールの断面
図である。
【図2】本発明による外圧型中空糸膜モジュールの他の
例を示す断面図である。
【図3】従来の第1の例による外圧型中空糸膜モジュー
ルの断面図である。
【図4】従来の第2の例による外圧型中空糸膜モジュー
ルの断面図である。
【図5】従来の第3の例による外圧型中空糸膜モジュー
ルの断面図である。
【図6】従来の第4の例による外圧型中空糸膜モジュー
ルの断面図である。
【符号の説明】
1 筒状ケース 4 中空糸膜束 5,50 筒状ネット 5a 折り返し部 6 固定層 50a 縮れ部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周が網目材で覆われた中空糸膜束がケ
    ース内に収納されるとともに、前記中空糸膜束の少なく
    とも一端部が前記ケースの端部に設けられた固定部に固
    定された中空糸膜モジュールにおいて、前記固定部側の
    前記網目材の部分が折り重ねられ、前記網目材の折り重
    ね部分の一部が前記固定部内に埋め込まれるとともに、
    前記網目材の折り重ね部分の残りの部分が前記固定部か
    ら前記ケースの内側に突出したことを特徴とする中空糸
    膜モジュール。
  2. 【請求項2】 前記中空糸膜束は、U字状に折り曲げら
    れ、前記U字状の中空糸膜束の外周が前記網目材で覆わ
    れるとともに、前記U字状の中空糸膜束の両端部が前記
    固定部に固定され、前記U字状の中空糸膜束の両端部側
    の前記網目材の部分が折り重ねられ、前記網目材の折り
    重ね部分が前記固定部内に埋め込まれるとともに、前記
    網目材の折り重ね部分の残りの部分が前記固定部から前
    記ケースの内側に突出したことを特徴とする請求項1記
    載の中空糸膜モジュール。
  3. 【請求項3】 外周が網目材で覆われた中空糸膜束がケ
    ース内に収納されるとともに、前記中空糸膜束の少なく
    とも一端部が前記ケースの端部に設けられた固定部に固
    定された中空糸膜モジュールにおいて、前記固定部側の
    前記網目材の部分に縮れ部が形成され、前記網目材の縮
    れ部の一部が前記固定部内に埋め込まれるとともに、前
    記網目材の縮れ部の残りの部分が前記固定部から前記ケ
    ースの内側に突出したことを特徴とする中空糸膜モジュ
    ール。
  4. 【請求項4】 前記中空糸膜束は、U字状に折り曲げら
    れ、前記U字状の中空糸膜束の外周が前記網目材で覆わ
    れるとともに、前記U字状の中空糸膜束の両端部が前記
    固定部に固定され、前記U字状の中空糸膜束の両端部側
    の前記網目材の部分に縮れ部が形成され、前記網目材の
    縮れ部が前記固定部内に埋め込まれるとともに、前記網
    目材の縮れ部の残りの部分が前記固定部から前記ケース
    の内側に突出したことを特徴とする請求項3記載の中空
    糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】 前記網目材の縮れ部は、熱収縮により形
    成されたことを特徴とする請求項3または4記載の中空
    糸膜モジュール。
  6. 【請求項6】 前記網目材は円筒状の伸縮性部材からな
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中
    空糸膜モジュール。
  7. 【請求項7】 前記ケースは、一端から他端にかけて同
    じ内径を有する筒状体からなることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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