JPH0663368A - 中空糸膜モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールおよびその製造方法

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JPH0663368A
JPH0663368A JP24575792A JP24575792A JPH0663368A JP H0663368 A JPH0663368 A JP H0663368A JP 24575792 A JP24575792 A JP 24575792A JP 24575792 A JP24575792 A JP 24575792A JP H0663368 A JPH0663368 A JP H0663368A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製作の容易化を図ると共に、品質の向上を図
る。 【構成】 ポッティング剤を、切断面を含む第1のポッ
ティング剤6と、該第1の層よりもケース2奥側の第2
のポッティング剤7の2層構成とし、前記第1のポッテ
ィング剤6を切断容易な材料により構成したことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば家庭用浄水器
や工業用あるいは医療用の濾過装置に用いられる中空糸
膜モジュールおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の中空糸膜モジュールを製
造する場合には、図5乃至図7に示すように、筒状のケ
ース100内に多数本の中空糸膜101を束ねて収納
し、ポッティング剤102によって、ケース100の開
口端部をポッティングするようになっている。中空糸膜
束103を収納する際には、中空糸膜束103の端部が
ケース100の開口端部から露出するように収納してい
る。
【0003】その後、中空糸膜束103の長さを揃えて
裁断し、中空糸膜101の端部を接着剤で塞ぐあるいは
熱で溶かして封止する。そして、ポッティング用カップ
104をケース100の開口端部に液密に装着し、ポッ
ティング用カップ104に設けた注入口105から液状
のポッティング剤102を遠心式ポッティング装置(図
示せず)等を用いて注入し、ポッティング剤102硬化
後に、その硬化したポッティング剤102とポッティン
グ剤102により接着固定された各中空糸膜101の端
末を共に切断し、切断面にて中空糸膜101を開口する
ようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術の中空糸膜モジュールの製造方法において、
切断工程では、ポッティング剤102の材料がポリウレ
タン系、シリコン系のように硬度が小さく弾性を有する
もの(ゴム様の物質)は、ギロチン式カッター,丸刃ス
ライサー,カッターナイフ等で容易に切断可能である
が、エポキシ系のように硬度が大きく、過荷重により割
れやすいものでは、上記のカッターによる切断は困難で
ある。
【0005】したがって、通常の樹脂加工と同様な方
法、すなわち旋盤加工、円盤状研削砥石、プラスチック
用のこぎり等が用いられる。しかし、これらの方法で
は、切断あるいは切断中にバリや切削屑が発生し、何ら
かの後処理で、これらを除去しないと、見栄えの問題、
機能上の問題(バリ・切削屑が中空糸膜101内部に詰
まり、中空糸膜101が有効に使われなくなる。)が生
じる。
【0006】また、バリ・切削屑が出ない切断方法とし
ては、図8に示すようなフライス用エンドミル106を
用いる方法(特開平3−278819号公報参照)や図
9に示すようなウォータージェットカッター107を用
いる方法(特開平4−150925号公報参照)がある
が、設備費用の点、加工条件(バリ、切削屑の出る程
度、加工に要する時間、水を使用する等)の点で懸案事
項がある。
【0007】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、製
作の容易化を図ると共に、品質の向上を図り得る中空糸
膜モジュールおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、ケースと、該ケース内に挿入さ
れる多数本の中空糸膜の束と、ケースの開口端部にて、
各中空糸膜を接着固定すべく各中空糸膜間の隙間および
各中空糸膜とケース間の隙間に充填されるポッティング
剤と、を備え、該ポッティング剤により接着固定された
各中空糸膜の端末と硬化したポッティング剤を共に切断
し、切断面にて各中空糸膜端末を開口させた中空糸膜モ
ジュールにおいて、前記ポッティング剤を、前記切断面
を含む第1のポッティング剤と、該第1の層よりもケー
ス奥側の第2のポッティング剤の2層構成とし、前記第
1のポッティング剤を切断容易な材料により構成したこ
とを特徴とする。
【0009】そして、その製造方法は、多数本の中空糸
膜の束をケース内に収納し、ケース開口端部にて束ねた
各中空糸膜間の隙間および各中空糸膜とケース間の隙間
にポッティング剤を充填し、ポッティング剤硬化後に各
中空糸膜の端末をポッティング剤と共に切断することに
よって中空糸膜を開口させる中空糸膜モジュールの製造
方法において、前記ポッティング剤として、切断容易さ
の異なる2種類のポッティング剤を段階的に充填し、硬
化後切断容易な方のポッティング剤を切断することを特
徴とする。
【0010】
【作用】上記構成の中空糸膜モジュールおよびその製造
方法によれば、ポッティング剤を、切断面を含む第1の
ポッティング剤と、その第1のポッティング剤よりもケ
ース奥側の第2のポッティング剤の2層構成とし、第1
のポッティング剤を切断容易な材料により構成し、硬化
後に切断容易な方のポッティング剤を切断することとし
たため、切断方法を配慮することなしにポッティング剤
の選定を行なえる。そのため、従来、切断方法が困難で
あった材料(たとえばエポキシ系ポッティング剤)を使
用するものであっても製作が非常に容易となる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を図示の実施例に基づいて説
明する。図1乃至図4は本発明の一実施例に係る中空糸
膜モジュールの製造方法の各工程が示され、図4に中空
糸膜モジュールの完成品を示している。
【0012】まず、図1に示すように多数本の中空糸膜
1を束ねて筒状のケース2内に挿入する。中空糸膜束1
Aは直線状でケース2の長さよりも長く、その両端部が
ケース2の開口両端部から突出した状態となる。尚、図
中ではケース2の一方の開口端部のみの開示となってい
る。
【0013】そして、中空糸膜束1Aの長さを揃えて裁
断し、中空糸膜1の端部を接着剤で塞ぐ、あるいは熱で
溶かして封止する。
【0014】次に、図2に示すように有底円筒状のポッ
ティング用カップ3を、ポッティング用カップ3の開口
端部に設けられる内向きフランジ部31とケース2の開
口端部に設けられる外向きフランジ部21とを嵌合させ
て、ケース2開口端部に液密に嵌着させている。
【0015】そして、ポッティング用カップ3に設けた
注入口4にホース5を嵌合して、そのホース5を介して
注入口4からポリウレタン系、シリコン系のように硬化
後は、硬度が小さく弾性を有する材料の第1のポッティ
ング剤としての弾性体ポッティング剤6を遠心式ポッテ
ィング装置(図示せず)等を用いて注入して、ケース2
の開口端部にて各中空糸膜1間の隙間および中空糸膜束
1Aとケース2間の隙間に充填し接着固定する第1段階
のポッティング工程を行う。注入量は、ポッティング用
カップ3の深さの半分弱である。また、弾性体ポッティ
ング剤6は硬化後ゴム弾性を有するものである。
【0016】次いで、図3に示すように弾性体ポッティ
ング剤6の硬化後あるいは流動性がなくなった後に、第
2のポッティング剤としての切断容易さが弾性体ポッテ
ィング剤6よりも困難な材料の硬質ポッティング剤7を
上記弾性体ポッティング剤6と同様に遠心式ポッティン
グ装置等を用いて、弾性ポッティング剤6の層よりもケ
ース2奥側にホース5を介して注入口4より注入して接
着固定する第2段階のポッティング工程を行い2層構成
としている。
【0017】最後に、図4に示すように弾性体ポッティ
ング剤6および硬質ポッティング剤7が硬化後にポッテ
ィング用カップ3を取外して、各中空糸膜1の端末と共
に切断容易な最初にポッティングしたゴム様特性を有す
る弾性体ポッティング剤6をギロチン式カッター,丸刃
スライサー,カッターナイフ等により切断し、各中空糸
膜1の端末を開口して中空糸膜モジュールが完成する。
【0018】以上のように、中空糸膜モジュールおよび
その製造方法によれば、ポッティング剤を、切断面を含
む弾性体ポッティング剤6と、その弾性体ポッティング
剤6の層よりもケース2奥側の硬質ポッティング剤7の
2層構成とし、弾性体ポッティング剤6を切断容易な材
料により構成し、硬化後に切断容易な方の弾性体ポッテ
ィング剤6を切断することとしたため、切断方法を配慮
することなしにポッティング剤の選定を行なえる。その
ため、従来、耐熱性・耐薬品性あるいは高強度を有する
が、その切断方法が困難であった材料(たとえばエポキ
シ系ポッティング剤)を使用するものであっても製作が
非常に容易となる。
【0019】また、切断方法においても、切断容易な方
の弾性体ポッティング剤6を切断することから、カッタ
ー等で容易に切断可能である。そのため、バリや切削屑
が中空糸膜1内部に入り込むことがなくなり、品質の向
上を図ることができる。
【0020】尚、本実施例では中空糸膜束1Aを直線状
に挿入してケース2の両端部をポッティング剤にて接着
固定するようにしたが、中空糸膜を2つに折曲げて挿入
し、ケースの一方の開口部に中空糸膜束の端末を固定す
る場合にも同様に適用する。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上の構成および作用を有す
るもので、中空糸膜モジュールおよびその製造方法によ
れば、ポッティング剤を、切断面を含む第1のポッティ
ング剤と、その第1のポッティング剤の層よりもケース
奥側の第2のポッティング剤の2層構成とし、第1のポ
ッティング剤を切断容易な材料により構成し、硬化後に
切断容易な方のポッティング剤を切断することとしたの
で、切断方法を配慮することなしにポッティング剤の選
定を行なえる。そのため、従来、切断方法が困難であっ
た材料(たとえばエポキシ系ポッティング剤)を使用す
るものであっても製作が非常に容易となる。
【0022】また、切断において、切断容易な方のポッ
ティング剤を切断することから、カッター等で容易に切
断可能である。そのため、バリや切削屑が中空糸膜内部
に入り込むことがなくなり、品質の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図4は本発明の一実施例に係る中空糸
膜モジュールの製造方法を示しており、図1は中空糸膜
束をケース内に挿入する工程の要部縦断面図である。
【図2】図2は第1段階のポッティング工程の要部縦断
面図である。
【図3】図3は第2段階のポッティング工程の要部縦断
面図である。
【図4】図4は本発明の一実施例に係る中空糸膜モジュ
ールの要部縦断面図である。
【図5】図5乃至図7は従来の中空糸膜モジュールの製
造方法を示しており、図5は中空糸膜束をケース内に挿
入する工程の要部縦断面図である。
【図6】図6は従来のポッティング工程の要部縦断面図
である。
【図7】図7は従来の中空糸膜モジュールの要部縦断面
図である。
【図8】図8はフライス用エンドミルを用いた切断方法
の要部斜視図である。
【図9】図9はウォータージェットカッターを用いた切
断方法の要部斜視図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜 1A 中空糸膜束 2 ケース 21 外向きフランジ部 3 ポッティング用カップ 31 内向きフランジ部 4 注入口 5 ホース 6 弾性体ポッティング剤(第1のポッティング剤) 7 主ポッティング剤(第2のポッティング剤)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースと、 該ケース内に挿入される多数本の中空糸膜の束と、 ケースの開口端部にて、各中空糸膜を接着固定すべく各
    中空糸膜間の隙間および各中空糸膜とケース間の隙間に
    充填されるポッティング剤と、を備え、 該ポッティング剤により接着固定された各中空糸膜の端
    末と硬化したポッティング剤を共に切断し、切断面にて
    各中空糸膜端末を開口させた中空糸膜モジュールにおい
    て、 前記ポッティング剤を、前記切断面を含む第1のポッテ
    ィング剤と、該第1の層よりもケース奥側の第2のポッ
    ティング剤の2層構成とし、 前記第1のポッティング剤を切断容易な材料により構成
    したことを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 【請求項2】 多数本の中空糸膜の束をケース内に収納
    し、ケース開口端部にて束ねた各中空糸膜間の隙間およ
    び各中空糸膜とケース間の隙間にポッティング剤を充填
    し、ポッティング剤硬化後に各中空糸膜の端末をポッテ
    ィング剤と共に切断することによって中空糸膜を開口さ
    せる中空糸膜モジュールの製造方法において、 前記ポッティング剤として、切断容易さの異なる2種類
    のポッティング剤を段階的に充填し、硬化後切断容易な
    方のポッティング剤を切断することを特徴とする中空糸
    膜モジュールの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184219A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd 中空糸膜モジュールの製造方法
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JP2015181986A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 Nok株式会社 中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法
WO2021085037A1 (ja) * 2019-10-31 2021-05-06 ユニチカ株式会社 フィルタモジュールケース

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