JPH04372544A - 電動機の固定子製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電動機の固定子製造方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の電動機の固定子の一部断面
平面図、図４は図３の一部断面側面図、図５は固定子の
モールド状態を示す要部断面図である。図に示すように
、従来より電動機の固定子１は、固定子鉄心２の内径部
側に設けられた多数の溝３を隔設する歯部４それぞれに
コイル５が巻装されているもので、コイル５を巻装した
固定子鉄心２を小型化および高信頼性化等の目的からモ
ールド材７により密閉モールドすることが近年行われて
いる。前記コイル５は固定子鉄心２の一方の溝３から他
方の溝３への渡りの部分である所謂コイルエンド部分６
が固定子鉄心２の両端部よりはみ出した状態になってお
り、このコイルエンド部６には固定子１の厚みを押さえ
るための整形やコイルの乱れ等を防止するための細糸に
よる結束処理８が施されている。

【０００３】しかし、前述の結束処理８を施すためには
、コイルエンド部６の下部に結束処理用の縫針を通過さ
せるための空間９が必要であり、このため、コイルエン
ド部６の高さを大幅に縮めることができなかった。また
、前記整形は細線を束ねた状態のコイルエンド部６を極
端なストレスを与えない程度の押圧力で屈曲させるもの
で、押圧力を解かれたコイルエンド部６はコイル自体の
弾性により元の方向に若干形状を戻してしまう。さらに
、前記モールド材７は、一般にポリエステル系やエポキ
シ系等の熱硬化性樹脂にガラス繊維や各種フィラーを混
合したものが多く、溶融時に高い粘性を有するものが普
通であり、モールド時の注入圧力はかなり高い。この注
入圧力は図５の実線矢印に示すようにコイルエンド部６
に加わり、屈曲、整形せしめたコイルエンド部６を起こ
してしまうため、コイルが露出しないように縦軸方向の
モールドの肉厚を大きく設定しなければならず、固定子
の薄型化を図ることが困難であると云う欠点を有してい
た。なお、１０ａは下金型、１０ｂは上金型、１０ｃは
モールド材の注入ゲートである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を解
決し、コイルエンド部の結束処理を省くことができると
共に、屈曲、整形せしめたコイルの形状を保ってモール
ド材の注入圧力による変形を防止することができる電動
機の固定子製造方法を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、固定子鉄心に備えた複数の歯部に夫々コ
イルを巻装し、これをモールド材により密閉モールドし
てなる電動機の固定子において、前記固定子の固定子鉄
心に巻装した前記コイルの上下コイルエンド部にかけて
外周を覆うように熱収縮性樹脂フイルムを装着し、収縮
させてコイルエンド部を押さえた後、前記モールド材に
より密閉モールドした。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、熱収縮性樹脂フイルムは固
定子鉄心の外周部と共に、固定子鉄心の両端部よりはみ
出したコイルエンド部を被包して収縮することにより、
コイルエンド部を外側より加圧し、モールド材の注入圧
力等によるコイルエンド部の変形を防止する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図１は本発明により製造された電動機の固
定子の一部断面側面図を示し、図２は本発明により製造
された電動機の固定子の一部断面平面図を示す。図にお
いて、１１は電動機の固定子で、固定子鉄心（鉄心）１
２、コイル１３、熱収縮性樹脂フイルム（熱収縮フイル
ム）１４およびモールド材１５等により構成されている
。前記鉄心１２は珪素鋼板を積層して形成され、回転子
（図示せず）に対向する内周側に前記コイル１３を巻装
するための多数の歯部（磁極部）１６を隔設し、前記夫
々の歯部１６の間に溝部１７を形成している。そして、
前記電動機の固定子１１の製造においては、先ず前述の
鉄心１２に前記コイル１３を装着する。

【０００８】前記コイル１３は予めリンク状に卷回され
、このコイル１３を前記鉄心１２の一方の所定の溝部１
７と、他方の所定の溝部１７とに夫々挿入し、一方の所
定の歯部１６と他方の所定の歯部１６とに巻装した状態
にせしめた後、前記鉄心１２の上下両端部より突出し、
一方の溝部１７から他方の溝部１７への渡りの部分であ
る所謂コイルエンド部１８を、外周方向に向けて屈曲せ
しめると共に、両外側より締付けて整形している。 なお、１９は鉄心１２の歯部１６および溝部１７と、コ
イル１３とを絶縁するための絶縁材である。

【０００９】次に、前述のように鉄心１２に装着したコ
イル１３のコイルエンド部１８に前記熱収縮フイルム１
４を装着する。前記熱収縮フイルム１４は一軸方向に延
伸処理された合成樹脂製のフイルムまたはチューブで、
材料の種類としてはポリエチレンテレフタレート（ポリ
エステル）樹脂、架橋ポリエチレン樹脂、シリコーン樹
脂、塩化ビニール樹脂等を用いることができる。チュー
ブを用いる場合、管軸に対して直角方向に延伸処理され
たものを所定の長さに切断し、前記鉄心１２の両端部よ
り突出する上下のコイルエンド部１８の外側に均等にか
ゝるように、鉄心１２の外周部に嵌装した後、加熱して
収縮せしめる。また、フイルムを使用する場合、所定の
幅に切断され、長手方向に沿って延伸処理されたフイル
ムシートを前記鉄心１２の両端部より突出する上下のコ
イルエンド部１８の外側に均等にかゝるように、鉄心１
２の外周部に巻付けて両端部を接合した後、加熱して収
縮せしめる。これにより、熱収縮フイルム１４は鉄心１
２の外周部と共に、鉄心１２の両端部よりはみ出した上
下のコイルエンド部１８を被包して外側より加圧した状
態に維持する。

【００１０】次に、前述のようにコイル１３および熱収
縮フイルム１４を装着した鉄心１２を周知の樹脂モール
ド法によって、鉄心１２の少なくとも歯部１６内周端面
を残して前記コイル１３および熱収縮フイルム１４を埋
め込むように合成樹脂材よりなる前記モールド材１５を
外側に注入して全体を成形一体化する。前記モールド材
１５としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂やエポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂にガラス繊維等の各種フィラー
を混合した合成樹脂材料が用いられる。

【００１１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、固定子の
固定子鉄心に巻装したコイルの上下コイルエンド部にか
けて外周を覆うように熱収縮性樹脂フイルムを装着し、
収縮させてコイルエンド部を押さえた後、モールド材に
より密閉モールドすることにより以下のような利点を得
ることができる。第１に、手間の掛かる結束処理を省く
ことができる。第２に、結束処理のためにコイルエンド
部の下部に設けていた空間が不要になり、コイルエンド
部の高さの設定を低くすることができるので、固定子の
薄形化が可能になる。第３に、コイルエンド部が熱収縮
性樹脂フイルムによって外側より加圧されているので、
モールド材の注入圧によるコイルエンド部の変形や線の
乱れを防止することができる。第４に、熱収縮性樹脂フ
イルムのコイルエンド部への被包装着によってモールド
材の注入によるコイルエンド部の変形を防止することが
できるので、固定子鉄心と共にコイルを密閉するモール
ド部の肉厚を薄くして固定子の縦軸方向の厚みを薄くす
ることができる。これによってモールド材の使用量を減
らすことができると共に、電動機の薄型化に寄与するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電動機の固定子製造方法に係わる電動
機の固定子の一部断面側面図である。

【図２】本発明の電動機の固定子製造方法に係わる電動
機の固定子の一部断面平面図である。

【図３】従来の電動機の固定子を示す一部断面平面図で
ある。

【図４】従来の電動機の固定子を示す一部断面側面図で
ある。

【図５】従来の電動機の固定子のモールド状態を示す要
部断面図である。

【符号の説明】

１１　　固定子 １２　　固定子鉄心 １３　　コイル １４　　熱収縮性樹脂フイルム １５　　モールド材 １６　　歯部 １８　　コイルエンド部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　固定子鉄心に備えた複数の歯部に夫々
   コイルを巻装し、これをモールド材により密閉モールド
   してなる電動機の固定子において、前記固定子の固定子
   鉄心に巻装した前記コイルの上下コイルエンド部にかけ
   て外周を覆うように熱収縮性樹脂フイルムを装着し、収
   縮させてコイルエンド部を押さえた後、前記モールド材
   により密閉モールドしてなることを特徴とする電動機の
   固定子製造方法。