JPH11197383A - ボビンおよびそれを用いたミシンのかま - Google Patents

ボビンおよびそれを用いたミシンのかま

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JPH11197383A
JPH11197383A JP10005093A JP509398A JPH11197383A JP H11197383 A JPH11197383 A JP H11197383A JP 10005093 A JP10005093 A JP 10005093A JP 509398 A JP509398 A JP 509398A JP H11197383 A JPH11197383 A JP H11197383A
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JP
Japan
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bobbin
flange
thread
bobbin thread
bobbin case
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JP10005093A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Shimizu
浩充 清水
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Hirose Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Hirose Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボビン糸の張力を安定させて糸締まりのむら
を防ぎ、品質を向上することができるミシンのかまを提
供する。 【解決手段】 ボビン40の他方のフランジ97bをボ
ビンケース31の周壁60に弾発的に嵌着させて、ボビ
ン40の一方のフランジ97aの最外周部121bとボ
ビンケース31の周壁60との間にボビン糸が通過でき
る第1空隙122を形成するととも前記一方のフランジ
97aの端壁61との間に第2空隙123を形成する。
また一方のフランジ97aの最外周部121bに摺動面
132を形成する。ボビン糸62をボビンケース31の
端壁61の中央部から外部へ導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内かま内に保持さ
れ、ボビン糸が巻回されるボビン、およびそれを用いた
垂直全回転かまなどのミシンのかまに関する。
【0002】
【従来の技術】図12は典型的な従来技術の垂直全回転
かま22の全体の構成を示す分解斜視図であり、図13
は垂直全回転かま22の水平断面図である。水平な回転
軸線L1まわりに回転駆動される外かま4には、内かま
3が回り止めされた状態で収納され、内かま3には、ボ
ビンケース1が着脱自在に装着され、ボビンケース1に
は、ボビン糸5が巻回されたボビン2が収納される。ボ
ビンケース1に収納されるボビン2は、一対のフランジ
11a,11bと、各フランジ11a,11bを連結す
る直円筒状の巻胴12とから成る。この垂直全回転かま
22は、ボビン2がボビンケース1の筒部17がボビン
2の巻胴12に回転自在に挿通された状態で、ボビンケ
ース1に収納されており、ボビン2のボビン糸5がボビ
ンケース1の糸調子ばね10と周壁6との間を通って仮
想線5aで示されように外部へ引出され、所定の張力で
縫製することができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、縫製時にボビン糸5の張力によって前記ボビン2
が回転しながら、ボビン糸5がボビンケース1から引出
されるので、ボビン糸5のたるみが生じて張力にばらつ
きが発生し、その結果、糸締まりにむらが生じ、縫い質
が低下してしまうという問題がある。
【0004】本発明の目的は、ボビン糸の張力を安定さ
せて糸締まりのむらを防ぎ、縫い質を向上することがで
きるようにしたボビンおよびそれを用いたミシンのかま
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
従えば、ボビンは巻胴と2つのフランジとを有し、巻胴
には各フランジ間でボビン糸を巻回することができ、こ
のボビンの少なくとも一方のフランジの最外周部には、
滑らかな摺動面が形成される。前記滑らかな摺動面と
は、ボビン糸に対する摺動摩擦抵抗がボビン糸の張力変
化を無視し得る程度に小さく、ボビン糸の移動経路上に
凹凸のない一様な連続面をいう。このようなボビンは、
巻回されるボビン糸が、前記一方のフランジの最外周部
に巻掛けられて巻きほどかれる状態で用いても、ボビン
糸を一方のフランジの最外周部の摺動面上を滑らかに摺
動させ、円滑に案内して引出すことができる。これによ
ってボビンを回転させることなく、ボビン糸を滑らかに
引出すことができ、上述した従来技術のようにボビン糸
の引出しに伴うボビンの回転によるボビン糸の張力にば
らつきが生じることを防止することができる。
【0006】また請求項2記載の本発明に従えば、内か
ま内には、ボビンケースに収納された状態でボビンが保
持されており、このボビンに巻回されるボビン糸は、内
かまの開口端側に配置されるボビンのフランジの最外周
部とボビンケースの周壁の内周面との間、および前記内
かまの開口端側に配置されるボビンのフランジとボビン
ケースの端壁の内面との間に形成される空隙を通過し
て、ボビンケースの端壁に形成されるボビン糸取出孔か
ら外部へ導かれる。縫製動作の開始によって前記ボビン
糸が引出されると、ボビン糸取出孔から前記内かま開口
端側のフランジの最外周部とにわたって張架された状態
で、前記内かま開口端側のフランジの最外周部の摺動面
上を円滑に摺動しながら回転して巻きほどかれ、ボビン
糸が大きな張力変化を生じることなく円滑に引出される
ので、これによってボビン糸の張力の変化を防止して糸
締まりのむらを無くすことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の内
かま30およびボビンケース31を備えた垂直全回転か
ま32を下方から見た一部の断面図であり、図2は垂直
全回転かま32を示す斜視図である。水平な回転軸線L
10まわりに回転駆動される下軸200に固定され、同
一の回転軸線L10まわりに回転される外かま34に
は、その内周面34aに周方向に延びる軌溝35が形成
され、この軌溝35に内かま30の外周面37に形成さ
れる軌条36が嵌まり込んだ状態で、内かま30が外か
ま34に対して回転自在に収納されている。外かま34
は、たとえば鋼鉄製またはステンレス鋼製である。
【0008】内かま30は、回り止め凹所38にミシン
の機体に設けられる回り止め部材39が嵌まり込んで回
り止めされている。このような内かま30には、ボビン
ケース31が着脱自在に装着され、ボビンケース31に
はボビン糸62が巻回されたボビン40が収納される。
また外かま34の周壁には剣先59が形成されており、
この剣先59は、外かま34の回転と同期して回転軸線
L10に垂直な上下方向に往復駆動される図示しない針
によってもたらされる針糸を捕捉する。この剣先59に
よって捕捉された針糸は、外かま34の回転に伴ってル
ープを形成しながら内かま30のまわりを一周し、内か
ま30を糸越しする。このような動作の繰返しによっ
て、内かま30内に保持されたボビン40に巻回される
ボビン糸62と、針糸とが相互に巻き掛けられ、縫目が
形成される。
【0009】内かま30には、その内周面42から半径
方向外方に凹んだ係合凹所43が形成され、ボビンケー
ス31には、その外周面44から半径方向外方に弾発的
に突出する係合突起45が設けられる。この係合突起4
5には、係合面47が形成されており、この係合面47
は、ボビンケース31の開口部寄り(図1の左方)にな
るにつれて半径方向外方へ延び、ボビンケース31の周
壁60から外側に突出している。ボビンケース31が内
かま30に装着された状態では、係合突起45は係合凹
所43に嵌まり込み、この状態で係合面47は内かま3
0の開口端側のフランジに形成される係合部分46に弾
発的に当接している。また係合突起45には、係合面4
7の最も半径方向外方に突出した部分48からボビンケ
ース31の開口部寄りになるにつれて、ボビンケース3
1の半径方向内方に向って少なくとも係合部分46の内
方端49よりも半径方向内方に延びる挿入案内面50が
形成される。
【0010】図3は、内かま30を示す斜視図である。
図1をも併せて参照して、内かま30は、周壁52と、
この周壁52の軸線方向一端部を塞ぐ底部である底壁5
3とを有する。この内かま30は、たとえば鋼鉄製、ス
テンレス鋼製または合成樹脂製である。周壁52には、
その外周面37から突出し、周方向に延びる前記軌条3
6が形成される。また周壁52の周方向1箇所には、開
口端付近で、厚み方向に貫通する針落ち穴54が形成さ
れ、図示しない針の往復運動の妨げとならないようにす
ることができる。さらに周壁52にはこの針落ち穴54
と周方向の同一位置で、軸線方向に底壁53側に隣接し
て、内周面42から突出する位置決め突起55が形成さ
れるとともに、内かま30のフランジ部には針落ち穴5
4の内かま開口端側に隣接して、回り止め凹所38が形
成されている。
【0011】前記係合凹所43は、周壁52に、針落ち
穴54とは周方向に開口端側から見て時計まわりに約9
0度ずれた位置で、開口端付近に形成されている。この
係合凹所43は、周壁52に厚み方向に貫通する透孔に
よって実現されている。
【0012】図4は、ボビンケース31の斜視図であ
る。前記内かま30に着脱自在に装着されるボビンケー
ス31は、周方向に分断された略C字状の周壁60と、
この周壁60の軸線方向一端部を塞ぐ端壁61とを有す
る。このようなボビンケース31は、鋼鉄製またはステ
ンレス鋼製である。前記周壁60には、ボビン糸62が
嵌まり込むボビン糸嵌合凹部64が周壁60の厚み方向
に挿通して形成されるとともに、周壁60の外周面44
に弾発的に当接して前記ボビン糸嵌合凹部64を塞ぐ糸
調子ばね65が設けられる。この糸調子ばね65の基端
部66は、固定ボルト67によって周壁60に固定され
るとともに、調整ボルト68によって遊端部81側の周
壁60への押圧力を調整することができるように構成さ
れる。
【0013】端壁61には、ボビン糸62が挿通する円
形状のボビン糸取出孔70が周壁60および端壁61の
中心軸線を含む中央部に形成される。このようなボビン
糸取出孔70からボビンケース31の外方へ引出された
ボビン糸62は、前記周壁60に形成されるボビン糸案
内溝71に嵌まり込み、ボビン糸嵌合凹部64に導かれ
る。このようなボビン糸案内溝71を設けることによっ
て、ボビン糸62に作用する張力または弛みなどによっ
て、ボビン糸62が糸調子ばね65と周壁60の外周面
44との間から抜け出てしまうことが防がれる。
【0014】端壁61にはまた、ラッチ76が設けら
れ、ラッチ76は、その長手方向一端部が前記ボビン糸
案内溝71から離反する方向となる後述する突出方向B
1、およびその逆方向であって、ラッチ76の長手方向
一端部が前記ボビン糸案内溝71に近接する方向となる
後述する退避方向B2に変位自在である。このラッチ7
6には、前記ボビン糸取出孔70に連通する第1透孔7
5が形成されている。端壁61にはさらに、操作片78
が設けられ、この操作片78は、前記ラッチ76の長手
方向一端部付近を角変位中心として矢符C1,C2方向
に角変位自在に、ラッチ76に連結されている。この操
作片78には、ラッチ76に積重した状態で前記第1透
孔75に連通する第2透孔77が形成されている。前記
周壁60と端壁61とによって、大略的に有底直円筒状
のボビンケース本体79が形成され、このボビンケース
本体79と、前記糸調子ばね65と、ラッチ76と、操
作片78とを含んで、ボビンケース31を構成する。
【0015】図5は、ボビンケース31の分解斜視図で
ある。糸調子ばね65の遊端部81には、この糸調子ば
ね65を周壁60に取付けた状態で、外かま回転方向A
上流側になるにつれて外周面44から離反する方向に角
度θ1を成して傾斜するボビン糸挿入部分82が形成さ
れるとともに、端壁61側に半径方向内方にほぼ直角に
屈曲したボビン糸抜止め部分83が形成される。このボ
ビン糸抜止め部分83のボビン糸挿入部分82側には、
糸調子ばね65を周壁60に取付けた状態で、半径方向
内方寄りになるにつれて遊端部81から基端部66側に
角度θ2を成して傾斜するボビン糸案内面84が形成さ
れる。前記角度θ1は、先端部分が0.2〜0.5mm
程度の直径を有するボビン糸62を挿入し得る角度、た
とえば3〜10度に選ばれる。また前記ボビン糸案内面
84の角度θ2は、5〜30度に選ばれる。周壁60に
はまた、前記ボビン糸抜止め部分83が嵌まり込む凹溝
85が周方向に延びて形成されており、図4に示される
状態からボビン糸62が抜出てしまうことが防がれる。
【0016】図4に示される状態にボビン糸62を配置
するには、まずボビン糸取出孔70および各透孔75,
77を通して引出されたボビン糸62を後述するボビン
糸挿入孔92を介して操作片78のラッチ76側に導
く。さらにこの状態で、ボビン糸62をボビンケース3
1の外方で遊端部81側に導き、ボビン糸挿入部分82
よりも外かま回転方向A上流側から、周壁60の外周面
44に摺動させながら外かま回転方向A下流側に移動さ
せて、外周面44とボビン糸挿入部分82との間に介在
させる。この状態からさらに、ボビン糸62を外かま回
転方向A下流側に移動させるように図4の矢符E方向に
回動させて基端部66側に引張る。このとき糸調子ばね
65の遊端部81のボビン糸抜止め部分83には、ボビ
ン糸案内面84が形成されるので、ボビン糸62がボビ
ン糸案内面84に案内されて移動し、ボビン糸62がボ
ビン糸抜止め部分83を容易に糸越しすることができ
る。
【0017】このように糸越しさせた後、さらにボビン
糸62を基端部66側に引張り、ボビン糸案内溝71に
嵌まり込ませる。次にボビン糸62をこのボビン糸案内
溝71の角部86に引掛けた状態で、遊端部81側へ引
張って、図4の矢符D方向に回動させて遊端部81側に
移動させ、これによってボビン糸62をボビン糸挿入部
分82側へ導いて、図4に示されるように遊端部81と
基端部66との間の当接部87と、周壁60の外周面4
4との間に介在される状態で、ボビン糸挿入部分82側
から引き出す。
【0018】前記ボビン糸62は、ボビン糸案内溝71
およびボビン糸嵌合凹部64内に嵌まり込んだ状態で、
外部から糸調子ばね65によって覆われた状態に配置
し、ボビン糸62を糸調子ばね65の遊端部81側に引
戻すことによって、ボビン糸62をボビン糸嵌合凹部6
4から糸調子ばね65の遊端部81にわたって周壁60
の外周面44上に配置し、糸調子ばね65によって弾発
的に押圧することができる。このときボビン糸62は、
ボビン糸案内溝71およびボビン糸嵌合凹部64内に嵌
まり込んだ状態であるので、周壁60の外周面44上で
ボビン糸62が当接部87によって押圧されず、したが
ってボビン糸62の張力が縫製中に不所望に変化せず、
質のよい縫目を形成することができる。このようなボビ
ンケース本体79には、従来のボビンケース1のような
筒部27(図13参照)は形成されていない。
【0019】前述したように係合突起45を有するラッ
チ76には、第1透孔75が形成される。このラッチ7
6の前記操作片78に対向する外表面89には、第1透
孔75およびボビン糸案内溝71間に一直線状に延びる
第2のボビン糸案内溝90が形成される。この第2のボ
ビン糸案内溝90によって、ラッチ76と操作片78と
がほぼ平行に積重して配置された状態で、ラッチ76と
操作片78との間にボビン糸62が挟まれてしまうこと
が防がれ、したがって不所望な張力やたるみが発生せ
ず、円滑にボビン糸62を周壁60のボビン糸案内溝7
1に導くことができる。
【0020】操作片78には、第2透孔77が形成され
る。この操作片78には、第2透孔77および操作片7
8の外側面91間にわたって連通するボビン糸挿入孔9
2が形成される。本実施の形態では、前記ボビン糸挿入
孔92は、長手方向に対して角度θ3を成して前記第2
のボビン糸案内溝90に平行であり、外面93から前記
ラッチ76に対向する内面94寄りになるにつれて、積
重状態におけるラッチ76の第2のボビン糸案内溝90
に近接する方向に、角度θ4(図2参照)を成して傾斜
している。前記角度θ3はたとえば30〜60度に選ば
れ、前記角度θ4はたとえば45〜60度に選ばれる。
これによってボビンケース31内から前記ボビン糸取出
孔70、第1透孔75および第2透孔77を介して外部
へ引出されたボビン糸62を、ボビン糸挿入孔92に嵌
め込んで押し込むことによって第2のボビン糸案内溝9
0に容易に導くことができる。したがって操作片78を
ラッチ76から離反する方向C1(図4参照)に角変位
させた状態で、操作片78とラッチ76との間にボビン
糸62を挿通して第2のボビン糸案内溝90に嵌合させ
る必要がなく、ボビン糸62の第2のボビン糸案内溝9
0への装着作業を容易に行うことができる。
【0021】またボビンケース31のボビンケース本体
79には、周壁60の分断された分断部99からボビン
ケース31を端壁61側から見て時計まわりに約90度
ずれた位置に、周壁60から端壁61にわたって、周壁
60および端壁61を厚み方向に貫通する切欠き100
が形成されている。また端壁61には、周壁60の分断
部99から、周方向両側に約90度ずつそれぞれずれた
位置、すなわち切欠き100が形成される位置とその反
対側とを結ぶように、一直径線方向に延びる案内溝10
1が形成されている。案内溝101は、その長手方向と
交差する幅方向両側部102a,102bが、突出部1
03a,103bによってボビンケース31の開口部と
は反対側から覆われている。また端壁61には、案内溝
101の切欠き100とは反対側の長手方向一端部付近
において、案内溝100と周壁60内の空間とを連通す
るように、端壁61を貫通する係止孔104が形成さ
れ、この係止孔104は、案内溝101の長手方向一端
部寄りの幅狭部104aと案内溝101の長手方向他端
部寄りの幅広部104bとを有している。
【0022】ラッチ76は板状であり、長手方向一端部
105に係合突起45が一体的に形成され、この係合突
起45は、厚み方向一方側に湾曲している。この係合突
起45の係合面47および挿入案内面50を含む外周面
は、円弧状に形成される。ラッチ76は、係合突起45
がボビンケース31の開口部側に湾曲するようにした状
態で、案内溝101に嵌まり込んでいる。この状態で、
ラッチ76の長手方向と交差する幅方向両側部106
a,106bは、突出部103a,103bによって係
止され、ラッチ76は、ボビンケース31の軸線方向へ
の変位が阻止された状態で、案内溝101に沿って、係
合突起45が半径方向外方に突出する突出方向B1およ
びその逆で係合突起が半径方向内方に退避する退避方向
B2に移動自在に設けられている。
【0023】またラッチ76は、長手方向一端部105
寄りの幅方向一側部106aに、前記幅方向外方に突出
するばね受部107が形成されている。また端壁61に
は、案内溝101の長手方向他端部寄りに、幅方向一側
部102aに沿って、ばね収納凹所108が形成され、
圧縮コイルばね109が収納されている。ラッチ76
は、案内溝101に嵌まり込んだ状態で、圧縮コイルば
ね109による突出方向B1へのばね力を受けて、係合
突起45を周壁60の外周面44から半径方向外方に弾
発的に突出させている。
【0024】またラッチ76には、長手方向他端部11
0付近に、厚み方向に貫通する係止片挿通孔111が形
成される。この係止片挿通孔111は、ラッチ76の長
手方向一端部105寄りの幅広部111aとラッチ76
の長手方向他端部110寄りの幅狭部111bとを有し
ている。
【0025】操作片78は、長手方向一端部112に係
止片113を有し、この係止片113は、厚み方向一方
側に湾曲し、幅狭の延出部113aと、その先端の幅広
の係止部113bとを有する。この係止片113の延出
部113aの幅は、ラッチ76の係止片挿通孔111の
幅狭部111bの幅よりも小さく選ばれるとともに、係
止片113の係止部113bの幅は、ラッチ76の係止
片挿通孔111の幅狭部111bの幅よりも大きく、か
つ幅広部111aの幅よりも小さく選ばれている。また
係止片113の延出部113aの幅は、端壁61の係止
孔104の幅狭部104aの幅よりも小さく選ばれると
ともに、係止片113の係止部113bの幅は、端壁6
1の係止孔104の幅狭部104aの幅よりも大きく、
かつ幅広部104bの幅よりも小さく選ばれている。
【0026】このような係止片113は、その長手方向
一端部112の係止部113bが、ラッチ76の係止片
挿通孔111を挿通し、端壁61の係止孔104に挿入
されている。このように係止片113を挿通した状態
で、外力が作用していない場合には、係止片113は、
係止部113bが係止孔104の幅広部104bに嵌ま
り込み、延出部113aは係止片挿通孔111の幅狭部
111bを挿通した状態となっている。これによって、
ラッチ76は、係止部113bが係止孔104の周縁部
114に係止された状態にある操作片78の係止片11
3の延出部113aと当接して、圧縮コイルばね109
のばね力に抗して、突出方向B1への変位が阻止される
とともに、操作片78は、係止片113の係止部113
bがラッチ76の係止片挿通孔111の幅狭部111b
の両側周縁部に当接して、抜出てしまうことが阻止され
ている。このように、相互に抜止めされて、操作片78
は、ラッチ76に積重した状態で、係止片113の係止
部113bの長手方向一端部112側の端部を角変位中
心として、長手方向他端部115がラッチ76から離反
する引起こし方向C1およびその逆に長手方向他端部1
15がラッチ76に近接する伏倒方向C2に角変位自在
に、ラッチ76に連結される。
【0027】ボビンケース31に外力が作用していない
状態では、ラッチ76が突出方向B1にばね力を受けて
いるので、ラッチ76は、操作片78の係止片113の
延出部113aを押圧した状態で、係合突起45を周壁
60の外周面44から弾発的に突出させ、このとき操作
片78は、ラッチ76に沿って伏倒した状態にある。こ
の状態から、操作片78を引起こし方向C1に角変位操
作すると、操作片78は係止片113の係止部113b
の長手方向一端部112側の端部を角変位中心として、
引起こし方向C1に角変位するので、係止片113の延
出部113aが退避方向B2と同一方向へ変位し、これ
によってラッチ76を退避方向B2へ変位させることが
できる。このとき、周壁60から端壁61にわたって切
欠き100が形成されており、係合突起45が退避する
ことを許容することができる。また係止片113は、そ
の延出部113aが係止孔104の幅狭部104aに嵌
まり込むことによって引起こし方向C1に角変位でき
る。
【0028】このように、内かま30に、内周面42か
ら半径方向外方に凹んだ係合凹所43が形成され、ボビ
ンケース31に、外周面44から半径方向外方に弾発的
に突出する係合突起45が設けられ、この係合突起45
は、ボビンケース31が内かま30に装着された状態
で、係合凹所43に嵌まり込む。この係合突起45に
は、係合面47が形成されており、係合面47は、ボビ
ンケース31が内かま30に装着された状態で、係合凹
所43の開口周縁部の内かま開口端側の係合部分46に
弾発的に当接する。この弾発力によって、ボビンケース
31を、その一直径線方向および内かまの底壁53に近
接する方向に弾発的に付勢することができる。
【0029】再び図1を参照して、ボビンケース31内
には、ボビン40を収納することができる。ボビン40
は、2つのフランジ97a,97bと、各フランジ97
a,97bとを連結する筒状の巻胴98とを有する。こ
のボビン40には、各フランジ97a,97b間で、巻
胴98から各フランジ97a,97bの最外周部121
a,121b付近までボビン糸62を巻回することがで
きる。
【0030】各フランジ97a,97bは、円板状に形
成される。各フランジ97a,97bのうち、内かま3
0の開口端側に配置される一方のフランジ97aは、巻
胴98と一体的に形成されるフランジ本体130と、こ
のフランジ本体130の外周部に嵌着されるフランジカ
バー131とを有する。すなわち一方のフランジ97a
には、その最外周部分121aにフランジカバー131
が設けられている。フランジ本体130は、巻銅98の
軸線に垂直な平面に対して他方のフランジ97bに近接
する方向に角度α(図1参照)を成して傾斜している。
このフランジ本体130の外周面155は、前記軸線に
平行に形成されている。
【0031】フランジカバー131は、リング状の形状
を有する部材であって、その中心軸線を巻銅98の軸線
と一致させて嵌着される。このフランジカバー131
は、図6に拡大して示すように、基部150と、基部1
50の軸線方向(図6の左右方向)一端部から半径方向
内方(図6の下方)に突出する凸部151と、基部15
0の軸線方向他端部から半径方向内方に突出する支持部
152とを有し、軸線を含む平面で切断した断面の形状
は、大略的にJ字状である。基部150の外周側の表面
153は、滑らかに形成される。ここで、本発明の実施
形態において「滑らか」とは、つるつるとしているとと
もに、角部が無い状態を意味する。前記表面153は、
ボビン糸62に対する摺動摩擦抵抗が、ボビン糸62の
張力変化を無視し得る程度に小さく、ボビン糸62の移
動経路上に凹凸のない一様な連続面となるように形成さ
れる。基部150は、前記軸線を含む断面において、フ
ランジカバー131の軸線を長軸とする略楕円形状を成
し、かつこの軸線に垂直な断面において、軸線を中心と
する円形に形成される。また基部150の内周側の表面
154は、フランジカバー131の軸線と平行またはほ
ぼ平行に形成され、この表面154の内径は、フランジ
本体130の外周面155の外径と同一またはわずかに
小さく選ばれている。
【0032】凸部151は、基部150の内周側の表面
154よりも半径方向内方に距離T10だけ突出してい
る。この凸部151は、その表面が前記軸線を含む断面
において、フランジカバー131の半径方向内方に凸と
なる弧状に形成されている。この凸部151の軸線方向
一端寄りの部分には、軸線方向一端から軸線方向他端に
向かうにつれて、半径方向内方に凸に湾曲する挿入案内
面134が形成され、この挿入案内面134は、軸線方
向一端寄りの部分が基部150の内周側の表面154よ
りも半径方向外方側まで延びて、基部150の外周側の
表面153になだらかに連なっている。
【0033】この凸部151の軸線方向他端寄りの部分
には、基部150の内周側の表面154からほぼ垂直に
立上がり、軸線方向他端から軸線方向一端に向かう方向
に湾曲する嵌合案内面157が形成され、この嵌合案内
面157は、その軸線方向一端寄りの部分が挿入案内面
134になだらかに連なっている。凸部151が突出す
る距離T10は、一例として述べると、フランジ本体1
30の厚みT11に基づいてT10=T11/3〜T1
1に選ばれ、より具体的にはたとえばT11=0.6m
mとしたときには、T10は0.2〜0.6mm程度に
選ばれる。
【0034】支持部152は、前記軸線に垂直な断面の
形状が台形状であり、軸線方向一端側の表面158は、
フランジカバー131の半径方向内方に向かうにつれて
軸線方向一端から軸線方向他端に傾斜し、フランジカバ
ー131の軸線に垂直な平面に対して、角度αを成して
いる。また表面158とは反対側の軸線方向他端側の表
面159は、半径方向内方に向かうにつれて表面158
に近接する方向に傾斜し、その半径方向外方側の部分
は、基部150の外周側の表面153になだらかに連な
っている。また支持部152の半径方向内方側の表面
は、フランジカバー131の軸線と平行に形成されてい
る。この支持部152は、基部150から凸部151よ
り大きく半径方向内方に突出している。
【0035】このようにフランジカバー131は、基部
150の軸線方向両端部から半径方向内方にそれぞれ突
出する凸部151および支持部152を有し、これによ
って半径方向内方側に凹所135が形成される。この凹
所135の幅、すなわち凸部151と支持部152との
軸線方向の距離は、フランジ本体130の軸線方向の幅
と同一またはわずかに小さく選ばれている。このような
凹所135にフランジ本体130の外周部を嵌まり込ま
せるようにして、フランジ本体130にフランジカバー
131が嵌着される。このようなフランジカバー131
を設けることによって、一方のフランジ97aの外周面
をフランジカバー131の基部150の外周側の表面1
53によって形成することができる。
【0036】このようなフランジカバー131は、以下
のようにしてフランジ本体130に嵌着される。まずフ
ランジカバー131をフランジ本体130の他方のフラ
ンジ97bとは反対側に配置して、フランジ本体130
の外周面155と他方のフランジ97bとは反対側の厚
み方向(図6では左右方向)一方側の表面160とが交
わる角部133に、フランジカバー131の挿入案内面
134を当接させる。この状態でフランジカバー131
を他方のフランジ97bに向けて押圧することによっ
て、角部133に対してフランジカバー131の凸部1
51がその挿入案内面134によって案内され、凸部1
51が半径方向外方に変位するようにフランジカバー1
31が弾性変形して、凸部151が角部133を乗り越
える。さらにフランジカバー131を押圧することによ
って、凸部151が外周面155上を摺動しながら他方
のフランジ97bに向けて移動する。
【0037】凸部151の最内周部分161が、フラン
ジ本体130の角部163に達すると、フランジカバー
131の弾性回復力によって凸部151が半径方向内方
に復帰し、フランジカバー131の凹所135にフラン
ジ本体130の外周部が嵌まり込んだ状態で、フランジ
カバー131がフランジ本体130に嵌着される。
【0038】このようにフランジカバー131の凸部1
51に挿入案内面134を形成することによって、前述
のように、フランジカバー131をフランジ本体130
に対して押圧するという簡単な操作でフランジカバー1
31を変形させ、フランジカバー131をフランジ本体
130に容易に装着することができる。さらにフランジ
本体130が角度αを成して傾斜しており、これによっ
て凸部151の挿入案内面134の効果に付加して凸部
151を半径方向外方に変位するように案内することが
可能である。
【0039】また凸部151には、嵌合案内面157が
形成されるので、フランジカバー131のフランジ本体
130への嵌着時に、凸部151の最内周部分161
が、フランジ本体130の外周面155と他方のフラン
ジ97b側の厚み方向他方側の表面162とが交わる角
部163よりも他方のフランジ97b寄りの位置まで移
動すると、凸部151が角部163に対して嵌合案内面
157によって案内され、凸部151が半径方向内方に
確実に復帰される。すなわち凸部151が角部163に
引掛かった状態となることを防ぎ、フランジ本体130
の外周部がフランジカバー131の凹所135に確実に
嵌まり込むようにすることができる。また凸部151の
突出距離T10がT11/3〜T11に選ばれることに
よって、フランジカバー131をフランジ本体130に
容易に嵌着することができるとともに、このように嵌着
された状態では、フランジカバー131がフランジ本体
130から不所望に外れてしまうことを防ぐことができ
る。すなわち突出距離T10がT11/3よりも小さい
(T10<T11/3)場合には、フランジ本体130
に嵌着されたフランジカバー131が不所望に外れてし
まうおそれがあり、また突出距離T10がT11よりも
大きい(T10>T11)場合には、フランジカバー1
31のフランジ本体130への装着が困難になる。した
がって前述のような寸法に選ぶことによって、フランジ
カバー151をフランジ本体130に容易に嵌着するこ
とができるとともに、このように嵌着された状態では、
フランジカバー131がフランジ本体130から不所望
に外れてしまうことを防ぐことができる。
【0040】さらに基部150の内周側の表面135の
内径をフランジ本体130の外周面155の外径と同一
またはわずかに小さく選び、また凸部151と支持部1
52との間の距離をフランジ本体130の軸線方向の幅
と同一またはわずかに小さく選ぶことによって、フラン
ジカバー131がフランジ本体130に対してがたつく
ことなく、しっかりと固定した状態でフランジカバー1
31をフランジ本体130に嵌着することができる。
【0041】ボビン40は、フランジカバー131も含
めて、合成樹脂または繊維強化合成樹脂から成る。ボビ
ン40の他の材料として、たとえば鋼鉄製、ステンレス
鋼製、またはアルミニウム製であってもよい。ここで、
ボビン40のフランジカバー131を除く残余の部分の
材質には、フランジカバー131をフランジ本体130
に嵌着するときにフランジ本体130が不所望に塑性変
形してしまうなどの不具合を回避するために、フランジ
カバー131の材質よりも剛性が高い材質に選択するこ
とが好ましい。またフランジカバー131の材質として
は、ボビン糸62に対する摩擦係数が小さい材質が好ま
しい。
【0042】内かま30の底壁53側に配置される他方
のフランジ97bの外径は、ボビンケース31の周壁6
0の外径よりもやや大きく、かつ内かま30の周壁52
の内径よりもやや小さく選ばれる。また内かま30の開
口端側に配置される一方のフランジ97aの外径、すな
わちフランジカバー131の外周側の表面153の最も
半径方向外方に位置する部分の外径は、ボビンケース3
1の周壁60の内径よりも小さく選ばれる。この一方の
フランジ97aは、半径方向外方になるにつれて他方の
フランジ97bに近接する方向に、ボビン40の軸線に
垂直な平面から角度αを成して傾斜して形成される。こ
の角度αは、たとえば3〜15度に選ばれる。
【0043】また図7に拡大して示すように、他方のフ
ランジ97bの最外周部121bには、一方のフランジ
97a側に周方向全周にわたって延びる嵌合溝201が
形成されている。この嵌合溝201は、他方のフランジ
97bの半径方向外方および厚み方向一方、すなわち一
方のフランジ97aに近接する方向に開放している。こ
のような嵌合溝201を形成することによって必然的
に、他方のフランジ97bの最外周部121bには、嵌
合溝201の厚み方向他方側に半径方向外方に突出する
突出部分203が形成される。
【0044】このようなボビン40は、一方のフランジ
97a側からボビンケース31に収納され、ボビンケー
ス31の周壁60の開口端部127が、他方のフランジ
97bの嵌合溝201に弾発的に嵌まり込むことによっ
て、ボビンケース31に弾発的に嵌着される。さらに詳
しく述べると、他方のフランジ97bの嵌合溝201に
半径方向内方側から臨む部分202の外径は、ボビンケ
ース31の周壁60の内径よりもわずかに、たとえば
0.1〜0.2mm大きく選ばれており、ボビンケース
31の周壁60の開口端部127が嵌合溝201に嵌ま
り込むときに、ボビンケース31の周壁60が分断部9
9を利用して拡径しながら嵌まり込み、ボビンケース3
1の周壁60の復元力によって、ボビンケース31の周
壁60の内周面と他方のフランジ97bの嵌合溝201
に半径方向内方側から臨む部分202の外周面とが弾発
的に当接している。この状態で、ボビンケース31の周
壁60の開口端部127は、他方のフランジ97bの突
出部分202に当接している。このようにしてボビン4
0は、ボビン40の軸線とボビンケース31の軸線とを
一致させた状態で、ボビンケース31に収納される。
【0045】このようにボビン40がボビンケース31
に収納された状態で、一方のフランジ97aの最外周部
121aに設けられたフランジカバー131と、周壁6
0の内周面との間には、ボビン糸62が遊通することが
できる間隔T1を有する第1空隙122が形成される。
またボビン40の中央付近における軸線方向長さは、内
かま30の底壁53の開口端に臨む内面53aと、ボビ
ンケース31の端壁61の前記底壁53に臨む内面61
aとの間隔よりも短く選ばれ、これによってボビンケー
ス31の端壁61とボビン40の一方のフランジ97a
との間に第2空隙123が形成される。さらにボビン4
0の他方のフランジ97bには、図8に示すように周方
向1箇所に、半径方向内方に凹む凹所205が形成され
ており、この凹所205とボビンケース31の周壁60
の分断部99とを対応させて、ボビン40はボビンケー
ス31に収納される。
【0046】このようにボビン40が収納されたボビン
ケース31は、ボビンケース31の周壁60の分断部9
9に内かま30に形成される位置決め突起55が嵌まり
込んで、内かま30に対する位置決めがなされるととも
に、内かま30に対する周方向の変位が阻止された状態
で、ラッチ76の係合突起45を内かまの係合凹所43
に係合させて内かま30に装着される。前述のようにボ
ビン40の他方のフランジ97bには凹所205が形成
されており、ボビンケース31の内かま30への装着時
に、位置決め突起55にボビン40の他方のフランジ9
7bが干渉することがない。このようにして内かま30
内に収納されたボビン40は、他方のフランジ97bの
最外周部121aが、内かま30に装着されたボビンケ
ース31の周壁60の開口端部127に弾発的に嵌着さ
れて半径方向の変位が阻止されている。
【0047】ボビンケース31の端壁61には、前述し
たようにボビン糸取出孔70が形成され、ラッチ76に
は第1透孔75が形成され、さらに操作片78には第2
透孔77が形成される。これらの第1空隙122、第2
空隙123、ボビン糸取出孔70、第1透孔75、およ
び第2透孔77を含んで、ボビン糸62が通過する空隙
を形成する。ボビン40に巻回されるボビン糸62は、
ボビン40の一方のフランジ97aの最外周部121b
とボビンケース31の周壁60の内周面との間の第1空
隙122、およびボビン40の一方のフランジ97aと
ボビンケース31の端壁61の内面との間に形成される
第2空隙123を通過して、ボビンケース31の端壁6
1に形成されるボビン糸取出孔70から外部へ導かれ
る。
【0048】さらに詳しく述べると、ボビン40に巻回
されるボビン糸62は、一方のフランジ97aの最外周
部121aに巻掛け、この一方のフランジ97aの最外
周部121aから端壁61のボビン糸取出孔70にわた
って張架された状態で、ボビン糸取出孔70から外部へ
導かれる。このときボビン糸62は、図6に示すよう
に、フランジカバー131に巻掛けられた状態にあり、
基部151の外周側の表面153の一部を摺動面132
として、この摺動面132に当接している。この摺動面
132は、前述したように基部151の外周面の表面1
53が前述のように滑らかに形成される。
【0049】基部151は、略楕円形状に形成されてい
るので、ボビン糸62は、摺動面132に対してその接
線方向に延びる状態でフランジカバー131に巻掛けら
れる状態となる。これによってボビン糸62は、屈曲さ
れることなく、なだらかに巻掛けられた状態となる。ま
た端壁61のボビン糸取出孔70の内面61aに臨む周
縁部126は丸く湾曲して形成されている。
【0050】縫製動作が開始されてボビン糸62が引出
されると、ボビン糸62はボビン糸取出孔70から一方
のフランジ97aの最外周部121aの摺動面132に
わたって張架された状態で、一方のフランジ97aの最
外周部121aの摺動面132上を円滑に回転移動しな
がら巻きほどかれる。これによってボビン40が慣性力
によって回転し、ボビン糸62がボビンケース31内で
過剰にたるんでもつれるなどの不具合を生じるおそれが
なく、円滑にボビン糸62を供給することができる。
【0051】またボビンケース31の軸線とボビン40
の軸線とを一致させた状態でボビンを保持することによ
って、一方のフランジ97aの最外周部121aの摺動
面132と、ボビンケース31の周壁60の内周面との
隙間を周方向全周にわたって一定の間隔T1を確保する
ことが可能である。これによってボビン糸62が通過す
るために必要とされる間隔T1の隙間を周方向全周にわ
たって確保し、ボビン糸62が引っ掛かることを防止し
て、糸切れなどの不具合を無くすとともに、ボビン糸6
2の張力の変化を防止して糸締まりのむらを無くすこと
ができる。
【0052】端壁61のボビン糸取出孔70の内面61
aに臨む周縁部126は丸く湾曲して形成されており、
この周縁部126と開口端側の一方のフランジ97aの
最外周部121aとにわたってボビン糸62が張架され
た状態で、その引出しに応じて一方のフランジ97aの
周囲を回転する。このとき、前記周縁部126は丸く湾
曲して形成されるので、ボビン糸62が角部で損傷され
るおそれはなく、ボビン糸62の軸線方向、したがって
引出される方向に大きな摩擦力が作用せず、このボビン
糸取出孔70の内周面による摺動抵抗が少なくてすみ、
ボビン糸62の張力が不所望に変化してしまうことが防
がれる。
【0053】またボビン糸62が巻掛けられる摺動面1
32は、滑らかに形成されるので、ボビン糸62が縫製
動作に伴って引出されるときに、ボビン糸62は、摺動
面132上を、軸線方向および周方向に円滑に摺動しな
がら引出される。これによってボビン糸62が摺動面1
32から受ける摺動抵抗の変化がきわめて少なく、した
がってボビン糸62の張力が不所望に変化することが防
がれる。特に、縫製中において、急にボビン糸62が引
出されても、ボビン糸62が摺動面132から受ける摺
動抵抗に大きな変化が少なく、ボビン糸62の張力が大
きく変化することがない。
【0054】さらにボビン40はボビンケース31に弾
発的に保持されるので、ボビンケース31がその開放端
を下方に向けて配置されても、ボビン40がボビンケー
ス31から不所望に脱落することが防がれる。したがっ
てボビン40を収納したボビンケース31の内かま30
への着脱時に、ボビンケース31の取り扱いが容易にな
り、作業性が向上される。またボビンケース31の内か
ま30への着脱時に、ボビン40がボビンケース31に
対して変位してしまうことがない。またボビン40の他
方のフランジ97bは、その外径がボビンケース31の
周壁60の外径よりも大きく選ばれており、すなわち他
方のフランジ97bの突出部分203はボビンケース3
1の周壁60よりも半径方向外方に突出した状態となっ
ており、ボビン40がボビンケース31に弾発的に嵌着
されていても、この突出部分203に指をかけるなどし
て、ボビン40をボビンケース31から容易に離脱させ
ることができる。
【0055】またフランジカバー131は、基部150
の外周側の表面153が略楕円形状に形成されので、滑
らかな摺動面132を形成しかつ基部150の厚みを小
さくすることが可能であり、これによって既存のボビン
に嵌着して用いることができる。すなわち既存のボビン
およびボビンケース31を大きく変更することなく、ボ
ビンにフランジカバー131を嵌着しても、摺動面13
2とボビンケース31の周壁60との間にボビン糸62
の通過可能な空隙を形成することが可能である。このよ
うにフランジカバー131を設けることによって、既存
のボビンに滑らかな摺動面を形成することが可能であ
る。
【0056】またこのようなフランジカバー131は、
嵌合案内面157を利用して、フランジ本体130から
取外すことも可能であり、これによって摺動面132が
摩耗したときなどに、容易に交換することができる。さ
らに複数種の材質の異なるフランジカバー131を準備
しておくことによって、ボビン糸62の材質に応じて、
最も摺動抵抗が小さくなる材質から成るフランジカバー
131を適宜選択して嵌着することも可能であり、利便
性が向上される。
【0057】また本発明の実施の他の形態として、フラ
ンジカバー131には、図6に仮想線138で示すよう
に、フランジカバー131をフランジ本体130に嵌着
した状態で、支持部152の半径方向内方の端部がフラ
ンジ本体130に当接するとともに、フランジ本体13
0と支持部152との間に空所が形成されるように構成
してもよい。これによって、フランジ本体130にフラ
ンジカバー131を嵌着するにあたって、フランジ本体
130の角部133がフランジカバー131の隅部16
6に当接する位置まで、支持部152を弾性変形させな
がら移動させることが可能となり、凸部151の角部1
63越えを容易にすることができ、フランジカバー13
1の嵌着作業が容易になる。
【0058】なお、上述したフランジカバー131の内
周面135は、フランジ本体130の外周面155に嵌
合するような形状を成しているけれども、本発明は、図
1および図6に示す内周面135の形状に限定されるこ
とはなく、既存のボビンのフランジの外周面に対応した
形状であってもよい。
【0059】また上述した各実施形態では、ボビン40
は、外径が一方のフランジ97aより大きい他方のフラ
ンジ97bが、ボビンケース31の周壁60によって内
かま30の底面53a側で回り止めされるけれども、本
発明の実施の他の形態として、ボビンおよび内かまを相
互に磁気吸着する材料で形成して各フランジを同一径と
し、回り止めされてもよい。このようなボビンでは、各
フランジの最外周部に滑らかな摺動面をそれぞれ形成す
ることによって、ボビンをボビンケース内に収容すると
きに、内かま開口端側に、滑らかな摺動面を有するフラ
ンジを確実に配置することができる。
【0060】図9は、本発明の実施の他の形態のボビン
40Aを示す側面図である。上述の実施形態と同様の構
成を有する部分は、同一の参照符号を付し、説明は省略
する。本実施形態のボビン40Aは、上述の各実施形態
のボビン40の一方のフランジ97aに代えて、フラン
ジ97Aを有する。このフランジ97Aのフランジ本体
130Aは、巻胴98に連なる中央部付近の基部141
と、基部141から放射状に突出する複数、本実施形態
において8つの突出部分142とから成る。このフラン
ジ本体130Aは、上述の各実施形態と同様に、外周部
に向かうに連れて、巻胴98の軸線に垂直な平面から角
度αを成して、他方のフランジ97bに近接する方向に
傾斜して形成されており、各突出部分142は、周方向
に等角度θ5を成し、本実施形態ではθ5=45度毎に
設けられている。このような突出部分142の先端部分
に、上述したフランジカバー131が嵌着されて、フラ
ンジ97Aの最外周部121aに摺動面132が形成さ
れる。
【0061】このようなボビン40Aは、上述の実施形
態のボビン40と同様に、縫い質を向上する効果を達成
することができるとともに、各突出部分142間にフラ
ンジ97Aの厚み方向に貫通する貫通孔140が形成さ
れ、これによってボビン40Aのボビンケース31への
装着方向を容易に認識することができる。
【0062】図10は、本発明の実施のさらに他の形態
のボビン40Bを示す側面図である。上述の実施形態と
同様の構成を有する部分は、同一の参照符号を付し、説
明は省略する。本実施形態のボビン40Bは、上述した
各実施形態のボビン40,40Aの一方のフランジ97
a,97Aに代えて、フランジ97Bを有する。フラン
ジ97Bのフランジ本体130Bは、円板状であり、外
周部に向かうに連れて、巻胴98の軸線に垂直な平面か
ら角度αを成して、他方のフランジ97bに近接する方
向に傾斜して形成されている。フランジ本体130Bに
は、半径方向に2列の同心円上で周方向に間隔をあけて
複数の透孔143と半円状の切欠き145がそれぞれ形
成されている。このようなボビン40Bのフランジ本体
130Bには、フランジカバー131が嵌着される。こ
のようなボビン40Bも、上述した図9の実施形態のボ
ビン40Aと同様に、ボビンケース31の装着方向を容
易に認識することができる。
【0063】また図9および図10に示す各実施形態の
ように、一方のフランジ97A,97Bに孔140;1
43,145を貫通孔、透孔および切欠きとしてそれぞ
れ形成することによって、ボビン糸62を、一方のフラ
ンジ97A,97Bの最外周部に巻掛けて引出すとき、
一方のフランジ97A,97Bに接触した位置から巻き
ほどかれる際にも、ボビン糸62がフランジ本体に巻回
方向に周方向全周にわたって接触する場合に比べてフラ
ンジ本体130A,130Bと接触する領域が少ない。
これによって、この一方のフランジ130A,130B
に接触した位置に巻回されるボビン糸62の部分が巻き
ほどかれるときに、残余の部分が巻ほどかれるときに比
べてボビン糸62の張力が大きく増加しない。
【0064】さらにフランジカバー131によって摺動
面132を形成することができるので、図9および図1
0に示すように、フランジ本体130A,130Bの半
径方向外方に開放する孔140,145を任意の形状で
形成することができ、設計上の自由度が向上される。ま
た各孔140;143,145によって、ボビン40
A,40Bをボビンケース31に装着したままで外部か
らボビン糸62の巻回量の残量を確認することも可能で
あり、利便性が向上される。
【0065】図11は、本発明の実施のさらに他の形態
のフランジカバー131Cを示す断面図である。本実施
形態のフランジカバー131Cは、上述の実施形態のフ
ランジカバー131と類似の構成を有しており、対応す
る部分には同一の参照符号を付し、同様の構成を有する
部分は、説明を省略する。上述の実施形態のフランジカ
バー131では、基部150は外周側の表面153がフ
ランジカバー131の軸線を含む一平面で切断した断面
において、フランジカバー131の軸線を長軸とする略
楕円の一部となるように形成されたけれども、本実施形
態の基部150Cは、その表面153Cが軸線方向中央
部において半径方向内方に湾曲し、なだらかに湾曲した
略凹字を描くように形成される。このように構成するこ
とによって、ボビン糸62がフランジカバー131Cと
接触、すなわちボビン糸62の引出し時にボビン糸62
が摺動する領域を少なくすることができる。これによっ
てボビン糸62に作用する摺動抵抗を小さくすることが
でき、したがってボビン糸62の張力のばらつきをさら
に小さくして、縫い質がさらに向上される。
【0066】また本発明のさらに他の実施形態として、
上述の図11に示すフランジカバー131Cを用いず
に、一方のフランジを円板状のフランジ本体130だけ
から成る構成とし、このフランジ本体130の最外周部
を研削するなどして、フランジ本体130に滑らかな外
周面を形成し、その一部または全部を摺動面とするよう
にしてもよい。このような構成であっても、フランジカ
バー131,131Cを用いる場合と同様に、縫い質を
向上する効果を達成することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、ボビン糸を一方のフラ
ンジの最外周部の摺動面上を滑らかに摺動させ、円滑に
案内して引出すことができ、ボビン糸の引出しに伴うボ
ビンの回転動作に起因するボビン糸の張力にばらつきの
発生を防止できる。
【0068】また本発明によれば、ボビンはボビン糸の
引出しに伴う回転が阻止されるので、ボビンケース内で
ボビン糸がたるみを生じて張力にばらつきが生じてしま
うという不具合が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の垂直全回転かま32の
一部を示す下方から見た水平断面図である。
【図2】図1に示す垂直全回転かま32の外観を示す斜
視図である。
【図3】内かま30の斜視図である。
【図4】ボビンケース31の斜視図である。
【図5】ボビンケース31の分解斜視図である。
【図6】ボビン40の一方のフランジ97aの最外周部
121aを拡大して示す断面図である。
【図7】ボビン40の他方のフランジ97bの最外周部
121bおよびボビンケース31の周壁60の開口端部
127付近を拡大して示す断面図である。
【図8】ボビン40の他方のフランジ97bの一部を示
す正面図である。
【図9】本発明の実施の他の形態のボビン40Aを示す
側面図である。
【図10】本発明の実施のさらに他の形態のボビン40
Bを示す側面図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態のボビン40
Cのフランジカバー131Cを拡大して示す断面図であ
る。
【図12】典型的な従来技術の垂直全回転かま22の分
解斜視図である。
【図13】垂直全回転かま22の水平断面図である。
【符号の説明】 30 内かま 31 ボビンケース 32,32a 垂直全回転かま 34 外かま 40,40A,40B ボビン 97a,97b;97A;97B;250 フランジ 98 巻胴 121a,121b 最外周部 131,131C フランジカバー 132 摺動面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻胴と、巻胴の軸線方向両端部にそれぞ
    れ設けられるフランジとを有し、少なくとも一方のフラ
    ンジの最外周部には、滑らかな摺動面が形成されること
    を特徴とするボビン。
  2. 【請求項2】 巻胴と、巻胴の軸線方向両端部にそれぞ
    れ設けられるフランジとを有するボビンを、ボビンケー
    スに回転が阻止された状態で収納し、このボビンケース
    を前記ボビンとともに内かまに着脱自在に装着し、 ボビンの各フランジのうち、少なくとも内かま開口端側
    に配置される一方のフランジの最外周部には、滑らかな
    摺動面が形成され、 ボビンの内かまの開口端側に配置される前記一方のフラ
    ンジの最外周部とボビンケースの周壁の内周面との間、
    および前記一方のフランジとボビンケースの端壁の内面
    との間には、ボビンに巻回されるボビン糸が通過する空
    隙が形成され、ボビンケースの端壁には、前記空隙に連
    通するボビン糸取出孔が形成されることを特徴とするボ
    ビンを用いたミシンのかま。
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