JPH1119177A - 医療用キャップ - Google Patents

医療用キャップ

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JPH1119177A
JPH1119177A JP9199339A JP19933997A JPH1119177A JP H1119177 A JPH1119177 A JP H1119177A JP 9199339 A JP9199339 A JP 9199339A JP 19933997 A JP19933997 A JP 19933997A JP H1119177 A JPH1119177 A JP H1119177A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 針抜けに対する保持力、針抜き後の再シール
性に優れ、かつ簡便な工程により製造することができる
医療用キャップを提供する。 【解決手段】 熱可塑性エラストマーからなる薄層のみ
を積層し、少なくとも2層の物性が異なる栓体を有する
医療用キャップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用輸液容器の
キャップに関する。さらに詳しくは、針抜けに対する保
持力に優れ、針抜き後の再シール性を向上させた医療用
キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、医療用キャップの栓体として、ゴ
ム製のものが広く用いられているが、このゴム栓は成形
体を得るまで図1に示すような雑種な工程を経るため、
大がかりな設備を必要とし、また、添加剤の種類も多
く、かつ各工程においてスクラップが出るため生産性も
悪いという工程上の問題を有していた。すなわち、ケー
シングが射出成形により製造されるのに対し、ゴム栓体
はプレス成形した後加硫する必要があり、別々に製造し
た後これらを組み立てる必要があるのみならず、単価が
高くなる問題も有していた。
【0003】この問題を解決するために、弾性を有する
樹脂である熱可塑性エラストマーをキャップの栓体とし
て用いることを考えた。この技術では、ケーシングと栓
体が共に樹脂であるため、図2のように簡単な射出成形
により製造することができ、ゴム栓のように加硫工程を
必要とせず、ゴム栓なみの強度を得ることができる点で
工程上の問題は解決する。また、この技術では軟質加硫
ゴムからプラスチックに近いものまで、広範囲の物性を
持つ弾性体が、素材の化学構造を変化させることによっ
て得られる。さらに成形工程でできたスクラップは再使
用が可能であり生産性も高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性エラストマーは、残歪性が大きくゴム弾性が劣り応力
緩和、クリープ現象が起こりやすいという性質を持つ。
このため、輸液用容器のキャップとして重要な要素であ
る針抜けに対する保持力が低く、輸液中にキャップから
輸液用針が抜け落ちやすい。また、針抜き後の再シール
性が悪く、針抜き後に栓体にできた穴から、薬品が滲み
出す問題も有している。
【0005】この問題を解決すべく、ゴムと熱可塑性エ
ラストマーを重ね合わせた栓体を用いる技術が開示され
ているが、針抜けに対する保持力、及び針抜け後の再シ
ール性の問題に対する完全な解決はされておらず、ま
た、依然としてゴム栓を使用しているため、工程上の問
題を解決するには至っていないのが実状である。
【0006】本発明の課題は、針抜けに対する保持力、
針抜き後の再シール性に優れ、かつ工程上の問題を解消
した医療用キャップを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は熱可塑性エラ
ストマーなどからなる栓体を薄層の積層とする構成を採
用することによって、針抜けに対する保持力、針抜き後
の再シール性に優れたキャップを製造することができる
ことを見出した。
【0008】本発明が針抜けに対する抵抗力を有する理
由は、例えば熱可塑性エラストマーの薄層同士の接面部
分における針の保持効果によるものである。図3は、本
発明のキャップに針が刺さっており、抜け落ちようとす
る方向に荷重がかかった状態にある本発明の医療用キャ
ップの断面図である。図中の1は医療用キャップ、2は
それぞれa、b、cの各薄層の積層から構成されている
栓体、3はケーシング、4は針抜け時における各薄層の
変形バリ、5は針を示している。すなわち、各薄層の接
面部分において、薄層は図のように変形しており、特に
各層下部のバリによって針は抜け落ち抵抗をうける。ま
た、各層ごとに物性を変化させ特異性を持たすことで一
層からなる栓体に較べて、各層が各々の持つ効果を生か
すことで、栓体として総合的に向上する。
【0009】一方、本発明が針抜き後の再シール性にお
いて効果を奏するのは、各層ごとの特異性に加え、各薄
層が独立してもとの形状に戻ろうとする復元効果による
ものである。図4は、本発明のキャップに針が刺さって
いた状態から抜き取るまでの任意の瞬間の状態にある本
発明の医療用キャップの断面図である。図中の1は医療
用キャップ、2はそれぞれa、b、cの各薄層の積層か
ら構成されている栓体、3はケーシング、4は針抜け時
における各薄層の変形バリ、5は針を示している。すな
わち、本発明では抜けようとするものに対して下層の薄
層2c、2bは針を支え、液を漏れるのを防ぐのに対
し、針が抜けきった上層の薄層2aは復元力により穴が
閉じ、液漏れを防ぐ。結果として針抜き後のシール性が
向上する。したがって、栓体の密閉の原理より薄層の数
が増えるほど密閉性があがることとなる。
【0010】本発明キャップの栓体の材質として熱可塑
性エラストマーを用いた場合が最適であり、熱可塑性エ
ラストマーとしては、例えば、水素添加タイプのポリス
チレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマ
ー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エ
ラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド
系エラストマーなどが例示できる。これらは樹脂を原料
とするケーシングと同様の射出成形工程をとることがで
きるため、従来のゴムの栓体のように別々に組み立てる
必要がなく、工程上の利点を有する。
【0011】また、本発明者は、熱可塑性エラストマ
ー、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、これらとゴムを
練り混んだ混合物いずれかからなる薄層を積層してなる
栓体でも上記効果を奏することを見出した。これらは上
記効果を有するのみならず、熱可塑性エラストマーと同
様に射出成形が可能であるため、従来の工程上の問題を
解消することができる。
【0012】ゲル状樹脂としては、エチレン系ゲル材
料、ウレタン系ゲル材料、シリコン系ゲル材料、アクリ
ル系ゲル材料、塩化ビニル系ゲル材料等が好適に用いる
ことができるものとして例示できる。また、これらの材
料とブレンドするゴムの種類としては、ブチルゴム、イ
ソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、アクリルゴムなどが例示でき
る。
【0013】また、栓体の形状を従来のように円柱形で
はなく、多角形、花形、又は星形を底面とする柱体と
し、栓体にフシを付すことによってもこれらの効果が向
上することを見出した。また、栓体を底面が略円形であ
って外周部から中心方向に伸びるスリット又は中心部か
ら周方向へ伸びるリブを設けた形状の柱体とすることに
よっても同様にフシを有することとなり、効果を奏する
ことを見出した。これらの発明が上記問題を解決する理
由は栓体の形状を円柱ではなく多角形柱などにすること
により、ケーシングとの接触面にフシが生じ、単位当た
りの応力がセグメント化されるためである。すなわち、
大きな側面ではなく小さな断片に分割することによっ
て、栓体に課された応力に対する復元力が高まるためで
ある。また、応力に対する抵抗が強く保持力が向上する
ため、針抜けに対する保持力も優れたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、熱可塑性エラストマ
ー、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、これらとゴムを
練り混んだ混合物のいずれかからなる薄層のみを積層し
てなる栓体を有する医療用キャップである。熱可塑性エ
ラストマーとしては特にその種類は限定されるものでは
なく、既述のもののほか、各種公知のものが好適に使用
できる。特にアロン化成社製 熱可塑性エラストマー、
商品名「AR−860C」、三菱化学社製 熱可塑性エ
ラストマー、商品名「ラバロンT−331C」、三菱化
学社製 熱可塑性エラストマー、商品名「ラバロンSR
−04」が最適に使用可能である。
【0015】薄層の材質としては熱可塑性エラストマー
の他に、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、および、ゴ
ムと熱可塑性エラストマー、ゲル状樹脂、低密度ポリエ
チレン(以下、高弾性樹脂と略記する。)のいずれか1
種以上を練り混んだ混合物が使用可能である。ゴムと高
弾性樹脂の配合割合は特に限定されるものではないが、
およそ重量比で1:9〜8:2の範囲であることが好ま
しい。ゴムの配合量が多くなると、射出成形し難い点で
好ましくない。一方ゴム配合量が少なすぎると、他の薄
層の材質によっては、針抜け抵抗値の向上などを図るこ
とができない。
【0016】栓体を構成する薄層の厚みは均一である必
要はなく、ある程度の幅を持たせることができるが、1
mm以上30mm以下であることが好ましい。また、薄
層の数は特に限定されるものではないが、顕著に効果を
奏するのは3層以上の場合である。すなわち、薄層の接
合面を2面以上有しているものであることが好ましい。
なお、設ける薄層の数の上限は特に限定されるものでは
ないが、栓体の厚み、及び薄層の厚みを考慮すると、大
体6層程度になると思われる。
【0017】本発明でいう積層とは薄層の重ね合わせの
形態について特に限定されるものではなく、図3に示し
た例のような単に薄層を重ね合わせたものの他、例え
ば、図5の様に芯となる材料を他の材料で包み込む形態
や、図6のように重ね合わす形態などが含まれる。すな
わち、差し込まれた針が薄層の接合面を通過するような
重ね合わせの形態であれば本発明でいう積層であると解
釈される。
【0018】隣り合う薄層の材質の物性、特に弾性率は
異なるものであることが好ましい。本発明は、薄層の接
面における薄層の変形が与える効果に依存するものであ
るため、接面において、全く同じ変形を生じるよりも変
形の割合が不均一な方が効果が顕著となりやすい。一般
には上部と下部の薄層の材質硬度を比較した場合、下部
の材質の硬度を高くすることで栓体主成分である上部の
落ち込みを支えることができるため、針に対する保持力
を上げることができる。
【0019】なお、各薄層の接面は多層成形によって樹
脂同士を接着してもよいし、単に重ねたものであっても
よい。なお、多材質成形機によって積層する場合、層間
で溶着してしまい積層部における線接着部が無くなって
しまう場合があるが、この場合でも効果は認められる。
【0020】薄層の配置順は特に限定されるものではな
いが、3層以上の場合は、外側を熱可塑性エラストマー
を用い、中間層をゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、ま
たは、これらとゴムを練り混んだ混合物のいずれかから
なる薄層を用いるとよい。熱可塑性エラストマーは、ゲ
ル状樹脂、低密度ポリエチレン、または、これらとゴム
を練り混んだ混合物と較べて、復元力に劣ることが多い
ため、中間層にシール性を確保できるようにこれらの材
質からなる薄層を用いたものである。
【0021】本発明のキャップに用いる栓体の形状は特
に限定されるものではないが、例えば、底面の形状が多
角形、花形、星形の柱体にすると針抜け抵抗値、針抜け
後の再シール性の向上につながる。これは栓体を円柱で
はなく、例えば8角柱の形状とすることで、栓体のケー
シング接触面にフシができるため、応力がセグメント化
されるため、復元力が向上することに基づく。図7は本
発明の一実施例として、正8角形の栓体を付したキャッ
プの一部断面斜視図である。図1において1はキャッ
プ、2はそれぞれ2a、2b、2cからなる栓体、3は
ケーシング、6はケーシング接触面、7はフシ、9は針
刺し穴を示している。なお、図示されていないが、キャ
ップには通常プルトップふたが設けられており、図はこ
のプルトップふたを取り除いた状態を示している。針刺
し穴9から差し込まれた針は、栓体2からの内部応力に
支えられて抜けないように保持されるが、フシを有さな
い従来の栓体では、応力が広い面積に均一に伝わるた
め、復元力があまり発揮されなかった。しかしながら、
本発明ではフシ7を設けることによって、これらが受け
る応力がフシ7ごとにセグメント化されることにより、
栓体の復元力が向上し、ひいては針抜けに対する保持力
や、針抜け後の針刺し穴9の再シール性が向上するもの
である。なお、本発明はもちろんこれらの形状に限定さ
れるものではなく、何らかの形でフシを設けたものであ
れば、本発明は達成される。
【0022】本発明のキャップと輸液容器との接合方法
は特に限定されるものではなく、公知の方法で接合すれ
ばよい。また、本発明のキャップは針や管を刺したり保
持するための栓体、例えば薬剤、試薬用のバイアル栓に
も応用することができる。
【0023】また、本発明の医療用キャップに用いられ
る栓体の材質としては、生産工程がケーシングと同様の
工程で行える熱可塑性エラストマーなどであるから、製
造工程において、従来行われているようにケーシングを
射出成形し、これとは別工程でプレスしたゴムのみを加
硫処理してから両者を組み立てる工程をとる必要が無
く、ケーシングを成形した後、そのケーシング中に栓体
を設ける薄層の数だけ射出成形すればキャップが完成す
るため、工程上有利に製造することができる。もちろ
ん、上記製法に限定されるものではなく、従来のように
栓体とケーシングを別々に製造して、インサート成形す
ることで組み立てる方法によっても本発明は達成され
る。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。但し本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。
【0025】次に記載した条件で製造した栓体を用いて
医療用キャップを製造し、これを各実施例、及び比較例
とした。なお、実施例中インサート成形とはケーシング
と栓体を構成する薄層を別々に成形し、キャップ製造時
にケーシングに薄層を順次はめ込んで組み立てたもので
あり、同時成形とは、ケーシングを射出雌面として繰り
返し射出成形することにより製造した多材質成形機によ
る成形を示す。なお、各実施例及び比較例で用いた栓体
の材質は次の通りである。 エラストマー1・・・・アロン化成社製、熱可塑性エラスト
マー、商品名「AR−860C」 エラストマー2・・・・三菱化学社製、熱可塑性エラストマ
ー、商品名「ラバロンT−331C」 エラストマー3・・・・三菱化学社製、熱可塑性エラストマ
ー、商品名「ラバロンSR−04」 ゲル状樹脂・・・・コスモ計器社製、ゲル状樹脂、商品名
「コスモゲル」 低密度ポリエチレン・・・・昭和電工社製、低密度ポリエチ
レン、商品名「ジェイレークスM112」 混練りゴム1・・・・ブタジエンゴム1重量部に対しエラス
トマー1を4重量部の割合で混ぜ合わせた混合物 混練りゴム2・・・・ブタジエンゴム1重量部に対しゲル状
樹脂を4重量部の割合で混ぜ合わせた混合物 混練りゴム3・・・・ブタジエンゴム1重量部に対し低密度
ポリエチレンを4重量部の割合で混ぜ合わせた混合物
【0026】(実施例1)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、エラストマー2からなる厚み3mmの
薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cか
らなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシン
グにセットし、医療用キャップを製造した。
【0027】(実施例2)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、エラストマー2からなる厚み3mmの
薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cか
らなる正16角柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケ
ーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0028】(実施例3)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、ゲル状樹脂からなる厚み3mmの薄層
b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからな
る円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングに
セットし、医療用キャップを製造した。
【0029】(実施例4)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、ゲル状樹脂からなる厚み3mmの薄層
b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからな
る正16角柱形の栓体をそれぞれ同時成形により専用の
ケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0030】(実施例5)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、低密度ポリエチレンからなる厚み3m
mの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層
cからなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケー
シングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0031】(実施例6)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、混練りゴム1からなる厚み3mmの薄
層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cから
なる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシング
にセットし、医療用キャップを製造した。
【0032】(実施例7)エラストマー1からなる厚み
2mmの薄層a、混練りゴム2からなる厚み3mmの薄
層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cから
なる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシング
にセットし、医療用キャップを製造した。
【0033】(比較例1)エラストマー3からなる厚み
7mmの円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシ
ングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0034】(比較例2)ブタジエンゴムからなる厚み
7mmの円柱形の栓体をそれぞれインサート成形により
ケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0035】上記実施例及び比較例のキャップを次の条
件で針刺し・針抜けに対する抵抗値測定、自己密閉性試
験、保持力試験を行い、その平均値、結果を以下の表1
に示した。なお、各試験共に検体を10個とし、検体毎
に新しい試験針を用いるものとした。また、試験に用い
た針は次の3種類とした。 針1 テルモ製プラスチック針、TS−A400LK 針2 JMS製プラスチック針、JY−A600CNJ 針3 JMS製ステンレス針、JY−A200CN
【0036】(針刺し・針抜けに対する抵抗値測定)島
津製作所製オートグラフS−500D型を用いて、中心
部に試験針を200mm/minの速度で侵入させると
きの抵抗値の最大値(kgf)及び抜き取るときの抵抗
値の最大値(kgf)を測定し、その平均値を採用し
た。数値は小さいほどキャップとしての扱いが楽であ
り、好結果を示している。
【0037】(自己密閉性試験)各サンプルを輸液用ボ
トルの口部に溶着し、図8のようにセットしたものを吊
り具で2時間吊り下げ、管の先端を密閉した試験針を抜
き取って1分間の間に液漏れを起こした量(cc/min)を
測定し、その平均値を示した。なお、図中の1はキャッ
プ、10は輸液容器、11は空気抜き穴、12は水漏れ
チェック箇所を示している。数値は小さいほど液漏れが
少なく、好結果を示している。
【0038】(保持力試験)各サンプルを輸液用ボトル
の口部に溶着し、図9のようにセットしたものに1kg
の重りを6時間吊り下げ、針が抜け落ちなかったものを
合格とし、表1に保持力試験を合格したものの数を示し
た。なお、図中の1はキャップ、10は輸液容器、11
は空気抜き穴、13は1kgの重りを示している。数値
は大きいほど好結果を示しており、重りが全く落ちなか
った場合は、評価は10となる。
【0039】
【表1】
【0040】表1より明らかなように、1層の熱可塑性
エラストマー栓からなる比較例1と較べて、積層した各
実施例はプラスチック針・金属針のどちらに対しても抜
け落ちることはなく良好であり、積層した効果がはっき
りと認められる。特に、栓体の形状を多角柱とした実施
例2及び4は特に効果が顕著に現れた。また、1層のゴ
ム栓である比較例2と較べ、針刺し、針抜き抵抗値は小
さいため取扱いが容易となる。したがって、本発明の医
療用キャップは、製造工程を簡便化することができると
共に、針抜けに対する保持力に優れ、針の抜け落ち、薬
品の漏れが解消される。
【0041】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性エラストマー、ゲル
状樹脂、低密度ポリエチレン、これらとゴムを練り混ん
だ混合物のいずれかからなる薄層のみを積層してなる栓
体を有する医療用キャップであるので、針抜けに対する
保持力、復元力が向上し、針抜けに対する保持力及び針
抜け後の再シール性に優れた医療用キャップを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゴムの一般的な成形工程を示すフローチャー
トである。
【図2】 樹脂の一般的な成形工程を示すフローチャー
トである。
【図3】 刺さった針に荷重がかかった状態にある本発
明の医療用キャップの断面図である。
【図4】 針を抜き取りとりつつある状態の本発明のキ
ャップの断面図である。
【図5】 本発明の医療用キャップに用いる栓体の積層
の形態の一実施例を示す栓体の断面図である。
【図6】 本発明の医療用キャップに用いる栓体の積層
の形態の他の一実施例を示す栓体の断面図である。
【図7】 本発明の医療用キャップの一部断面斜視図で
ある。
【図8】 自己密閉性試験の実験概略図である。
【図9】 保持力試験の実験概略図である。
【符号の説明】
1 キャップ 2 栓体 3 ケーシング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー、ゲル状樹脂、低
    密度ポリエチレン、これらとゴムを練り混んだ混合物の
    いずれかからなる薄層のみを積層してなる栓体を有する
    医療用キャップ。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーからなる薄層のみ
    を積層し、少なくとも1の隣り合う層の弾性率が異なる
    栓体を有する医療用キャップ。
  3. 【請求項3】 栓体が多角形、花形、又は星形を底面と
    する柱体の形状である請求項1又は2の医療用キャッ
    プ。
  4. 【請求項4】 底面が略円形であって外周部から中心方
    向に伸びるスリット又は中心部から周方向へ伸びるリブ
    を設けた形状の柱体を有する請求項1又は2に記載の医
    療用キャップ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の医療
    用キャップを用いた医療用輸液容器。
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