JPH1119153A - 介護用簡易風呂 - Google Patents

介護用簡易風呂

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JPH1119153A
JPH1119153A JP33188897A JP33188897A JPH1119153A JP H1119153 A JPH1119153 A JP H1119153A JP 33188897 A JP33188897 A JP 33188897A JP 33188897 A JP33188897 A JP 33188897A JP H1119153 A JPH1119153 A JP H1119153A
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JP
Japan
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bathtub
bather
bath
partition
head
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JP33188897A
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Shigenari Ooyama
栄済 大山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚水で身体を汚すことなく洗髪できて、仰臥
状態の老人等を簡単に入浴させることができる介護用簡
易風呂を提供すること。 【解決手段】 介護用簡易風呂10は、可撓性と防水性
とを有するシート材からなり、仰臥状態の入浴者1を被
包可能で、かつ、湯3を貯留可能な浴槽11と、浴槽1
1の端部に配置される入浴用枕20と、を備える。入浴
用枕20は、入浴者1の頭部1aを背部1eより高い位
置で支持可能な頭部支持部21、隔壁部23、仕切り部
24、排出流路25を備える。隔壁部23は、頭部支持
部21の周囲で、洗髪時の汚水6を貯溜可能な凹部22
を隔てて略U字状に立設される。仕切り部24は、凹部
22の端部で頭部支持部21と隔壁部23とを連結する
ように配置されて、浴槽11内の湯3と汚水6との混合
を防止可能とする。排出流路25は、隔壁部23の下部
に設けられて、凹部22内の汚水6を排出可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老人等の移動式の
介護用簡易風呂に関し、特に、仰向きに寝た状態で入浴
者を入浴させることができるとともに洗髪も可能な介護
用簡易風呂に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、寝たきり老人等では、
寝ていたベッドや布団から風呂のある場所まで移動させ
て入浴させる必要があり、介護人が、風呂場まで老人等
をかかえて移動することとなって、入浴が大変な作業と
なっていた。
【0003】ちなみに、公営の在宅老人介護サービスな
どにより使用されている移動用の風呂もあるが、このよ
うな風呂は、移動可能な浴槽を使用したものであり、在
宅で寝たきりの老人等のベッドサイドまで浴槽を運び、
この浴槽に専用車両でボイラにより沸かした湯をポンプ
で移送して貯留させ、入浴させるものであった。
【0004】しかし、このような風呂は、大型で、か
つ、メンテナンスも大変となっていたことから、個人で
簡便に使用できるものではなかった。
【0005】そこで、簡便な介護用簡易風呂として、可
撓性と防水性とを備えたシート材を袋状に形成して、入
浴者の首部より下方の部位を包む袋状のものが提案され
ている。
【0006】このような介護用簡易風呂では、可撓性を
有した素材から形成されているため、仰臥状態の入浴者
に被せるように容易に装着でき、さらに、入浴者の頭部
を、枕等を用いて、入浴者の頭部より高くすることによ
り、湯を溢れさせることなく、首部より下方の部位を、
袋状の風呂の内部に入れた湯に浸からせることができ
る。
【0007】しかしながら、このような風呂では、洗髪
が行なえない。この対処として、湯の入った袋状の風呂
の内部まで、頭を入れて洗髪することが考えられるが、
入浴している風呂の内部で洗髪することとなり、身体に
も洗髪時の泡等が付くため、すすぎ等が必要となって、
湯を入れ替える等の作業が必要となってしまう。
【0008】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、汚水で身体を汚すことなく洗髪できて、仰臥状態の
老人等を簡単に入浴させることができる介護用簡易風呂
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る介護用簡易
風呂は、仰臥状態で入浴者を入浴させることができると
ともに洗髪も可能な介護用簡易風呂であって、可撓性と
防水性とを有するシート材から形成されて、仰臥状態の
入浴者を被包可能で、かつ、湯を貯留可能な浴槽と、該
浴槽の端部に配置されて、仰臥状態の入浴者の背部より
高い位置で頭部を支持する入浴用枕と、を備えて構成さ
れ、前記入浴用枕が、入浴者の頭部を載置可能な頭部支
持部と、該頭部支持部の周囲で、洗髪時の汚水を貯溜可
能な凹部を隔てて略U字状に立設される隔壁部と、前記
凹部の端部で前記頭部支持部と前記隔壁部とを連結する
ように配置されて、前記浴槽内の湯と前記汚水との混合
を防止可能に立設される仕切り部と、前記隔壁部の下部
に設けられて、前記凹部内の汚水を排出可能な排出流路
と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0010】前記浴槽としては、入浴者の頭部を突出可
能な開口部を有した袋状として、前記開口部周縁を、前
記頭部支持部と仕切り部とを乗り越えて、前記凹部に接
続させるように構成しても良い。
【0011】あるいは、前記浴槽としては、前記入浴用
枕を端部側の内部に載置可能でかつ入浴者の全身を被包
可能な袋状とするとともに、前記入浴用枕の排出流路を
挿通させる排出口を備えて構成し、前記入浴用枕とし
て、前記隔壁部上部から前記浴槽の他端側へ突出可能
で、かつ、前記隔壁部側に収納可能に配設し、突出時に
仰臥状態の入浴者の頭部より高く突出して前記浴槽の上
部内周面に当接可能な浴槽支持部を設けるように構成し
ても良い。
【0012】そして、前記浴槽の開口部には、前記浴槽
の他端側へ延びる延長部を設けて、該延長部に、該延長
部を開閉可能なスライドファスナを取り付けることが望
ましい。
【0013】また、前記入浴用枕としては、前記隔壁部
から前記浴槽の他端側へ延びて、前記隔壁部とで、仰臥
状態における入浴者の側方の全周を囲む枠部を備えて構
成し、前記浴槽としては、平面状のシート材を、前記枠
部の内周側に配置させるとともに、前記頭部支持部と仕
切り部とを乗り越えて、前記凹部に接続させて、構成し
ても良い。
【0014】そして、前記シート材を長くして、シート
材における前記仕切り部から離れた端部側を、仰臥状態
の入浴者の胸部上面側に折り返しても良い。
【0015】
【発明の効果】本発明に係る介護用簡易風呂では、使用
時、仰臥状態の入浴者を包むように浴槽を配置させると
ともに、入浴用枕を仰臥状態の入浴者の頭部の下方に配
置させ、頭部支持部で頭部を支持する。なお、浴槽の配
置は、浴槽が可撓性を有したシート材から形成されてい
るため、折り曲げる等の作業を簡単に行なえることか
ら、容易に配置させることができる。
【0016】その後、浴槽に湯を入れれば、入浴者は入
浴することができる。
【0017】そして、洗髪時には、入浴者の頭部に湯を
かけて洗剤で洗い、その後に頭部にすすぎ湯をかけて
も、その汚水は、入浴用枕の仕切り部で浴槽の湯と混合
されることなく、入浴用枕の凹部に貯溜されるととも
に、排出流路を経て所定の容器に流すことができる。
【0018】そのため、洗髪しても、浴槽内の湯を汚さ
ないことから、浴槽内の湯の入れ替えを行なわなくとも
良くなり、簡単に洗髪することができる。
【0019】洗髪後には、浴槽内の湯を掻い出したり、
あるいは、排出流路を利用して浴槽内の湯を流して、浴
槽内を空にする。
【0020】ついで、既述の逆の工程で、入浴用枕を頭
部から外すとともに、身体を拭きつつ、浴槽を入浴者か
ら外せば、洗髪を含めた入浴を完了させることができ
る。
【0021】したがって、本発明に係る介護用簡易風呂
では、汚水で身体を汚すことなく洗髪できて、仰臥状態
の老人等を簡単に入浴させることができる。
【0022】そして、浴槽としては、入浴者の頭部を突
出可能な開口部を有した袋状として、開口部周縁を、頭
部支持部と仕切り部とを乗り越えて、凹部に接続させる
ように構成すれば、入浴時の湯の飛沫が浴槽外に飛ぶこ
とが防止され、かつ、頭部支持部の高さ程度まで湯を入
れれば、浴槽外に湯を溢れさせることも無く、入浴者の
身体も湯につかることができるため、介護人の負担を少
なくして、ベッドや布団の上で使用もでき、快適に入浴
することができる。さらに、開口部周縁を、頭部支持部
と仕切り部とを乗り越えて、凹部に接続させているた
め、湯が、浴槽外へ溢れようとしても、凹部内に収納さ
れて、ベッド等を濡らすことを防止できる。
【0023】また、浴槽としては、入浴用枕を端部側の
内部に載置可能でかつ入浴者の全身を被包可能な袋状と
するとともに、入浴用枕の排出流路を挿通させる排出口
を備えて構成し、入浴用枕として、隔壁部上部から浴槽
の他端側へ突出可能で、かつ、隔壁部側に収納可能に配
設し、突出時に仰臥状態の入浴者頭部より高く突出して
浴槽の上部内周面に当接可能な浴槽支持部を設けるよう
に構成しても良い。
【0024】このように構成した場合には、入浴用枕の
浴槽支持部によって、入浴者の頭部に浴槽が触れること
なく、入浴者の頭部の周囲にも浴槽が配置されることと
なり、洗髪時の湯や泡の飛散も防止できる。
【0025】さらに、袋状の浴槽の開口部に、浴槽の他
端側へ延びる延長部を設けて、この延長部に、延長部を
開閉可能なスライドファスナを取り付ければ、スライド
ファスナの操作で、簡単に開口部を大きく開口させるこ
とができるため、介護人による入浴者の洗浄が容易とな
り、また、入浴者の浴槽内への収納作業や入浴者の浴槽
からの離脱作業が容易となる。
【0026】さらにまた、入浴用枕に、隔壁部から浴槽
の他端側へ延びて、隔壁部とで、仰臥状態における入浴
者の側方の全周を囲む枠部を設ければ、シート材を枠部
の内周側に配置させるだけで、平面状の単なるシート材
が、枠部に支持されて、湯を貯留可能な箱形状に形成で
きるため、浴槽を構成するシート材を袋状に接合する必
要がなくなり、浴槽の製造工数・製造コストを低減する
ことができる。
【0027】さらに、上記シート材を長くして、仕切り
部から離れた端部側を、仰臥状態の入浴者の胸部上面側
に折り返すように構成すれば、入浴者の胸部・胴部・脚
部を覆えることから、浴槽を袋状にしなくとも、入浴時
の湯の浴槽外への飛散を防止できることとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0029】第1実施形態の介護用簡易風呂10は、図
1・2に示すように、浴槽11とその浴槽11の一端側
に配置される入浴用枕20とから構成されている。
【0030】浴槽11は、図1〜3に示すように、可撓
性と防水性とを有する塩化ビニル等の合成樹脂製のシー
ト材からなる上側布12と下側布13との三方の周縁相
互を、熱融着や接着剤を利用して、接合させた封筒状と
している。なお、上側・下側布12・13相互の接合さ
れていない縁が、入浴者1の頭部1aを突出させる開口
部14となる。また、浴槽11の寸法形状は、仰臥状態
の成人男性を被包可能な長さと幅を有するとともに、成
人男性を被包した状態で湯3を貯留可能な厚さを有する
ように、設定されている。
【0031】そして、略長方形形状の上側布12には、
入浴者頭部1aを突出させ易いように、開口部14側の
縁の中央に、凹部12aが形成されている。略長方形形
状の下側布13は、開口部14側の縁が上側布12より
延設され、その中央部位に、入浴用枕20の後述する頭
部支持部21の上面の略全面に載置可能な延設部13a
が形成され、さらに、その左右両側には、延設部13a
との間に切れ込みを設け分離される連結部13bが形成
されている。各連結部13bには、裏面側に、入浴用枕
20の後述する仕切り部24・24に配置された面ファ
スナ26に対応する面ファスナ17が、固着されてい
る。
【0032】さらにまた、浴槽11には、上側布12の
凹部12a周縁に、入浴用枕20から離れる浴槽11の
他端側に延びるように開口された延長部15が形成され
ており、この延長部15には、スライドファスナ16が
設けられて、このスライドファスナ16のスライダ16
aの操作により、延長部15を開閉できるように構成さ
れている。
【0033】入浴用枕20は、図1・2・4に示すよう
に、ポリプロピレン・ABS樹脂等の合成樹脂から略直
方体の箱形状に形成され、寸法は、後述する隔壁部23
や凹部22で囲まれた頭部支持部21上に、入浴者1の
頭部1aを載置可能な寸法としている。
【0034】頭部支持部21の周囲には、洗髪時の汚水
6を貯溜可能な凹部22を隔てて、略U字状に立設され
る隔壁部23が形成されている。隔壁部23の高さ寸法
は、洗髪時の泡などが飛散しないように、頭部支持部2
1の上面に載置された入浴者頭部1aより高くなるよう
に設定されている。なお、凹部22は、上方から見て略
U字状に配置されるとともに、実施形態の場合、隔壁部
23側に深くなるように傾斜して形成されている。ま
た、頭部支持部21の高さは、仰臥状態の入浴者の背部
1eより高く頭部1aを支持できる高さであり、この高
さは、入浴者1の浸かる湯3の高さを規定することとな
る。そのため、仰臥状態が不自然とならない範囲で、高
くすれば、入浴者1の湯3に浸かる部位を広くできるこ
ととなって、望ましい。
【0035】凹部22の端部側には、頭部支持部21と
隔壁部23とを連結して、浴槽11内の湯3と汚水6と
の混合を防止可能な仕切り部24・24が配置されてい
る。仕切り部24・24は、頭部支持部21の両側に配
置されて、頭部支持部21と同じ高さに形成されてい
る。これらの仕切り部24の凹部22側の面には、浴槽
11の面ファスナ17に対応した面ファスナ26が固定
されている。
【0036】また、隔壁部23の下部には、凹部22内
の汚水6を排出させるための排出流路25が開口され、
排出流路25には、汚水6を貯溜可能な図示しない容器
に接続される排水パイプ28が接続されている。
【0037】第1実施形態の介護用簡易風呂10の使用
態様について説明すると、まず、浴槽11が折り畳まれ
ていたならば、展開するように広げるとともに、スライ
ダ16aを操作して、延長部15を開いておく。そし
て、ベッド等に寝ている状態の入浴者1の脚部1bを、
延長部15も開かせた状態の開口部14から浴槽11内
に入れ、さらに、入浴者1の胴部1cや胸部1dを持ち
上げつつ、ズボンを履かせるように、開口部14を入浴
者1の頭部1a側に移動させ、そして、入浴者1を、被
包するように浴槽11内に仰向けに寝かせる。
【0038】この時、浴槽11は、可撓性を有するシー
ト材から形成されているため、容易に折り曲げること等
ができ、介護人の負担が少なく、簡単に入浴者1を浴槽
11内に収容することができる。
【0039】その後、入浴者1の頭部1aを持ち上げ
て、浴槽11における下側布13の延設部13aの下面
に、頭部支持部21を配置させるように、入浴用枕20
を入れ、入浴者頭部1aを延設部13a上に降ろし、対
応する面ファスナ17・26相互を係合させて、浴槽1
1の連結部13b・13bを入浴用枕20の仕切り部2
4・24の凹部22側の面に連結する。
【0040】その後、浴槽11に湯3を入れれば、入浴
者1は入浴することができる。この時、湯3は、浴槽1
1の開口部14側が、入浴用枕20の高くなった頭部支
持部21や仕切り部24を乗り越えて凹部22に接続さ
れており、浴槽11から溢れにくく、仮に、溢れても、
入浴用枕20の凹部22内に入るだけであり、ベッド等
を濡らす虞れが生じない。
【0041】そして、洗髪時には、入浴者1の頭部1a
に湯をかけて洗剤で洗うことととなる。その際、頭部1
aにすすぎ湯をかけても、その汚水6は、入浴用枕20
の仕切り部24で浴槽11の湯3と混合されることな
く、入浴用枕20の凹部22に貯溜されるとともに、排
出流路25を経て所定の容器に流すことができる。
【0042】そのため、洗髪しても、浴槽11内の湯3
を汚さないことから、浴槽11内の湯3の入れ替えを行
なわなくとも良くなり、簡単に洗髪することができる。
【0043】洗髪後には、浴槽11内の湯3を掻い出し
たり、あるいは、排出流路25を利用して浴槽11内の
湯3を流して、浴槽11内を空にする。
【0044】ついで、既述の逆の工程で、入浴用枕20
を頭部1aから外すとともに、身体を拭きつつ、浴槽1
1を入浴者1から外せば、洗髪を含めた入浴を完了させ
ることができる。
【0045】したがって、第1実施形態の介護用簡易風
呂10では、汚水6で身体を汚すことなく洗髪できて、
仰臥状態の老人等を簡単に入浴させることができる。
【0046】また、実施形態では、浴槽11が、入浴者
頭部1aを突出可能な開口部14を有した袋状として、
開口部14周縁を、頭部支持部21や仕切り部24を乗
り越えて凹部22に接続させるように、構成されている
ため、入浴時の湯3の飛沫が浴槽11外に飛ぶことが防
止され、かつ、頭部支持部21の高さ程度まで湯を入れ
れば、浴槽11外に湯を溢れさせることも無く、入浴者
の身体も湯につかることができるため、介護人の負担を
少なくして、ベッドや布団の上で使用もでき、快適に入
浴することができる。
【0047】さらに、実施形態では、袋状の浴槽11の
開口部14に、浴槽11の他端側へ延びる延長部15が
設けられ、この延長部15に、延長部15を開閉可能な
スライドファスナ16が取り付けられているため、スラ
イドファスナ16の操作で、簡単に開口部14を大きく
開口させることができ、介護人による入浴者1の洗浄が
容易となり、また、入浴者1の浴槽11内への収納作業
や入浴者1の浴槽11からの離脱作業が容易となる。
【0048】第2実施形態の介護用簡易風呂30は、図
5・6に示すように、浴槽31と、浴槽31内に配置さ
せて使用する入浴用枕50と、から構成されている。
【0049】浴槽31は、可撓性を有し、かつ、湯3を
貯溜可能な防水性を有した塩化ビニル等の合成樹脂等の
シート材から熱有着や接着剤を利用して袋状に形成され
るとともに、底壁32・側壁33・34・35・36・
天井壁37を備えた略直方体形状に形成されている。な
お、浴槽31の長さ・幅・高さ寸法は、成人男性が浴槽
31の内部で入浴用枕50を利用して天井壁37に触れ
ない状態の仰臥状態で寝ることができる寸法としてい
る。
【0050】天井壁37には、端部側に円形に開口した
開口部38が形成されるとともに開口部38の周縁に
は、天井壁37の他端側に延びるように開口される延長
部39が形成されており、この延長部39には、スライ
ドファスナ40が設けられて、このスライドファスナ4
0のスライダ40aの操作により、延長部39を開閉で
きるように構成されている。この開口部38の配置位置
は、浴槽31内に配置させた入浴用枕50に入浴者1が
頭部1aを支持させた際、その頭部1aの上方に配置さ
れる位置としている。また、開口部38は、洗髪が容易
なように、入浴者1の頭部1aより大きく開口されてい
る。さらに、天井壁37における開口部38から離れた
スライドファスナ40の両側には、浴槽31の内部へ介
護人5の手を挿入できるように、袋状に凹んだ手挿入部
41が、4つ設けられている。
【0051】また、開口部32付近の側壁34の下部に
は、排水パイプ44を挿入させた排出口42が形成さ
れ、側壁35の下部には、バルブ45a付きの給排水パ
イプ45を挿入させた給排水口43が形成されている。
【0052】入浴用枕50は、図6・7に示すように、
ポリプロピレン・ABS樹脂等の合成樹脂から略直方体
の箱形状に形成され、寸法は、浴槽31内に収納可能
で、かつ、後述する隔壁部53や凹部52で囲まれた頭
部支持部51上に、入浴者1の頭部1aを載置可能な寸
法としている。頭部支持部51の高さは、不自然な仰臥
状態とならない範囲で、入浴者1の背部1eより頭部I
aを支持できる高さとしている。
【0053】頭部支持部51の周囲には、洗髪時の汚水
6を貯溜可能な凹部52を隔てて、略U字状に立設され
る隔壁部53が形成されている。隔壁部53の高さ寸法
は、浴槽31の側壁33〜36の高さ寸法と略等しく構
成されており、隔壁部53の上部で、浴槽31の天井壁
37の下面を当接支持できる寸法としている。なお、凹
部52は、上方から見て略U字状に配置されるととも
に、実施形態の場合、隔壁部53側に深くなるように傾
斜して形成されている。
【0054】凹部52の端部側には、頭部支持部51と
隔壁部53とを連結して、浴槽31内の湯3と汚水6と
の混合を防止可能な仕切り部54が配置されている。仕
切り部54は、頭部支持部51の両側に配置されて、頭
部支持部51と同じ高さに形成されている。
【0055】また、隔壁部53の下部には、凹部52内
の汚水6を排出口42に導くための排出流路55が穿設
され、排出流路55には、既述の排水パイプ44が挿入
されている。
【0056】さらに、隔壁部53の上端部には、隔壁部
53の上部から浴槽31の他端側(側壁35側)へ突出
可能で、かつ、隔壁部53側に収納可能に配設されて、
突出時に、仰臥状態の入浴者頭部1aより高く突出し
て、浴槽31の天井壁37の下面に当接可能な浴槽支持
部51が、蝶番57を使用して、取り付けられている。
この実施形態の場合には、浴槽支持部51は、略U字形
状として構成され、収納時には、図9に示すように、隔
壁部53の上端面側に折り畳んで収納し、浴槽31の他
端側に突出させる際には、図8に示すように、起こすよ
うに引き出せば良い。
【0057】第2実施形態の介護用簡易風呂30の使用
態様について説明すると、まず、浴槽31が折り畳まれ
ていたならば、展開するように広げるとともに、スライ
ダ40aを操作して、延長部39を開いておく。そし
て、ベッド等に寝ている状態の入浴者1の脚部1bを、
延長部39も開かせた状態の開口部38から浴槽31内
に入れ、さらに、入浴者1の胴部1cや胸部1dを持ち
上げつつ、ズボンを履かせるように、開口部38を入浴
者1の頭部1a側に移動させ、そして、入浴者1を、被
包するように浴槽31内に仰向けに寝かせる。
【0058】この時、浴槽31は、可撓性を有するシー
ト材から形成されているため、容易に折り曲げること等
ができ、介護人5の負担が少なく、簡単に入浴者1を浴
槽31内に収容することができる。
【0059】ついで、浴槽支持部56を隔壁部53の上
端面に折り畳んで収納させた状態で、開口部38から、
入浴用枕50を入れて、頭部支持部51上に入浴者1の
頭部1aを載置しつつ、入浴用枕50を浴槽31内に設
置し、そして、浴槽支持部56を隔壁部53から起こし
て突出させる。
【0060】この時、隔壁部53と浴槽支持部56と
が、入浴者1の頭部1aの周囲で、浴槽31の天井壁3
7の下面を支持することとなるため、入浴者1の頭部1
aには、浴槽31の内周面が接触せず、入浴者1に不快
な思いをさせることはない。
【0061】また、入浴用枕53が、浴槽支持部56を
収納した状態で開口部38内に挿入できるため、開口部
38の周縁や入浴者1とあまり干渉することなく、入浴
用枕53を浴槽31内へ設置したり、浴槽31外への取
り外すことができ、介護人5の負担が少なくなる。
【0062】その後、排水パイプ44を排出口42から
排出流路55に挿入させ、排水パイプ44の図示しない
端部側に汚水6を貯溜可能な容器を接続させるととも
に、スライダ40aを操作して、延長部39を閉じてお
く。また、給排水パイプ45を給排水口43に挿入させ
ておく。
【0063】その後、給排水パイプ45のバルブ45a
を開けて、給排水パイプ45から湯3を浴槽31内に導
けば、入浴者1を入浴させることができる。
【0064】この入浴時、入浴者1の頭部1a付近の開
口部38を除いて、浴槽31が入浴者1を完全に被包で
きる袋状としているため、湯3の飛沫が浴槽31外に飛
ぶことが防止され、また、頭部支持部51の高さ程度ま
で湯3を入れれば、入浴者1の身体も湯3につかること
ができるため、浴槽31外に湯を溢れさせることも無
く、介護人5の負担が少ない。
【0065】そして、洗髪時には、開口部38から入浴
者1の頭部1aに湯3をかけて洗剤で洗い、その後に頭
部1aにすすぎ湯をかけても、その汚水6は、隔壁部5
3と仕切り部54とで浴槽31の湯3と混合されること
なく、入浴用枕50の凹部52に貯溜されるとともに、
排出流路55から排水パイプ44を経て所定の容器に流
すことができる。そのため、洗髪しても、浴槽31内の
湯3を汚さないことから、浴槽31内の湯3の入れ替え
を行なわなくとも良くなり、介護人5の負担を少なくす
ることができる。
【0066】そして、洗髪した後には、給排水パイプ4
5の図示ない端部側に所定の容器を接続し、閉めておい
たバルブ45aを開けて、パイプ45を介して、浴槽3
1内の湯3を所定の容器に移し替えて、浴槽31内を空
にする。
【0067】ついで、スライダ40aを操作して延長部
39を開き、浴槽支持部56を隔壁部53側に折り畳ん
で収納して、入浴用枕50を浴槽31から取り出し、さ
らに、開口部38や延長部39から入浴者1の頭部1a
を出して、身体を拭きつつ、ズボンを脱がすように、浴
槽31を入浴者1から外せば、洗髪を含めた入浴作業を
完了させることができる。その後、浴槽31は、パイプ
44・45を抜いて洗浄等した後、折り畳めば、運搬や
保管に便利となる。
【0068】以上のように、第2実施形態の介護用簡易
風呂30では、第1実施形態の風呂10と同様な作用・
効果を得られ、さらに、浴槽31が入浴者1の全身を覆
う袋状としており、入浴時の湯や洗髪時の泡等の飛沫が
浴槽外に飛ぶことが確実に防止される。
【0069】また、第2実施形態では、入浴用枕50と
して、隔壁部53の上部から浴槽31の他端側へ突出可
能で、かつ、隔壁部53側に収納可能に配設し、突出時
に仰臥状態の入浴者頭部1aより高く突出して浴槽31
の上部内周面に当接可能な浴槽支持部56を設けるよう
に構成されていることから、入浴用枕50の浴槽支持部
56によって、入浴者頭部1aに浴槽31が触れること
なく、快適に入浴することができる。
【0070】さらに、第2実施形態のように、浴槽31
の開口部38から離れた上部側に、浴槽31の内部へ介
護人5の手を挿入可能に袋状に凹んだ手挿入部41が設
けられているため、手挿入部41に介護人5の手を入れ
れば、開口部38を広げることなく、入浴者1を洗浄す
ることができて、浴槽31内の温度を下げることを防止
でき、また、介護人5が手を濡らすことなく、開口部3
1から遠い部位でも、容易に入浴者1を洗浄することが
できて、洗浄作業が容易となる。ちなみに、この点を考
慮して、第1実施形態の浴槽11にも、これらの手挿入
部41を設けても良い。
【0071】なお、第1・2実施形態としては、以下の
ように変更しても良く、例えば、袋状の浴槽11・31
の形状は、封筒形や直方体のみならず、入浴者1が収納
できれば、小判形、マミー型シュラフのような形状等の
いずれの形状でもよい。特に、ベッド上等不安定な場所
で使用するならば、脚部1bを収納する側は小さくした
方が、湯水の重量による不安定さを回避することができ
る。また、必要な湯量も少なくてすむ。
【0072】また、浴槽11・31の素材は、湯水の重
量がかかるため、必要な強度を要求されるが、さらに保
温効果やクッション性を考えればウエットスーツ地やゴ
ム引き布地のような厚手のものが望ましい。一方、収納
を考えれば、薄手の合成樹脂製のシート材が望ましい。
【0073】さらに、袋状の浴槽11・31の安定性を
高めるため、浴槽11の接合させた部位や、浴槽31の
側壁34・35・36に芯又はリブなどを埋入してもよ
く、空気室を設けて幼児用プールのように浴槽を保持す
るように構成しても良い。さらに、浴槽11・31にお
ける入浴者1の胴部1cや胸部1dに対応する部位にフ
レームを内装し、浴槽11・31の支持をするものであ
っても、安定性は確保される。即ち、浴槽11・31を
安定して支持する手段であれば従来知られるいかなる方
法であっても良い。
【0074】また、開口部14・38は、円形・方形等
形状は問わず入浴者1の顔面が外部に露出されれば十分
であり、開口部14・38周縁にゴムを周設して開口部
14・38を拡張できるようにしてもよく、さらにま
た、浴槽31に関しては、開口部38側から側壁33近
傍まで、開閉用のファスナを設ければ洗髪が容易にでき
る。
【0075】さらに、スライドファスナ16・40は、
これに替わり、防水性と強度が確保されれば、異なる方
法で係止してもよい。
【0076】勿論、スライドファスナ16・40は無く
ても良く、開口部14・38を大きくして、開口部14
・38の周縁を縛っておく紐・ゴム等の緊締手段を有す
れば、開放時には、入浴者1や入浴用枕50を容易に入
れることができ、使用時には開放せず、湯があふれるよ
うなことがない。
【0077】なお、第2実施形態では、給排水口43が
給水と排水とを兼用しているが、勿論、給水専用口と排
水専用口が別に設けられてもよい。その際は、給水口に
は逆止弁が設けられることが好ましい。また、給湯専用
口にホースを介してシャワーヘッドを着設できるように
すれば、洗浄後のすすぎ洗いが容易にできるだけでな
く、簡易のシャワールームとしても使用できる。なお、
給水には、給湯設備があれば給水パイプに接続すればよ
く、そうでない場合は家庭用ポンプを用いて家庭用の風
呂等に貯水した湯を、給排水口43や開口部38から注
入する。給排水口43の設置場所は側壁35の部位に限
らず、いずれの位置に設置してもよい。勿論、給排水口
43は無くとも良い。
【0078】また、第2実施形態の手挿入部41は、そ
の配置場所及び配置数は適宜増減させても良く、形状も
袋状の形状に限らず、防水ファスナで開閉自在な挿入口
からなるものであってもよく、さらに、浴槽側壁が安定
している場合であれば、開放された挿入口からなるもの
であっても入浴者の洗浄を可能にする。勿論、手挿入部
41は無くとも良い。
【0079】さらに、第2実施形態の入浴用枕50にお
ける浴槽支持部56はU字形に限定されるものでなく、
コの字形や、2本の棒状支持部材であっても、その機能
を果たす限り如何なる形状であってもよい。また、その
収納方法も上方に回動するもののみならず、下方に回動
するものや、図10の如く棒状支持部58が摺動して隔
壁部53の上部の収納部59に格納されるもの等、その
機能を果たす限り如何なる方法であってもよい。
【0080】第3実施形態の介護用簡易風呂60は、図
11・12に示すように、長方形形状のシート材62か
らなる浴槽61と入浴用枕70とから構成されている。
【0081】シート材62は、第1・2実施形態の浴槽
11・31に使用したのと同様に、可撓性と防水性とを
有する塩化ビニル等の合成樹脂製として、単なる長方形
形状にカットされて構成されている。なお、シート材6
2の寸法は、長手方向の一端側を、入浴用枕70の頭部
支持部71や仕切り部74を乗り越えて、凹部72に接
続させるように、配置させるとともに、入浴用枕70の
後述する枠部76の内周面側や頭部支持部71の上面側
に沿わせて、シート材62を入浴用枕70内に入れた
際、周縁の3辺が、後述する側板部79・79・82・
82や底板部81から突出する寸法としている。
【0082】入浴用枕70は、図11〜14に示すよう
に、第1実施形態の入浴用枕20に、入浴者1の側方の
全周を囲むような枠部76を設けた形状としている。
【0083】すなわち、入浴用枕70は、入浴用枕20
と同様に、入浴者1の背部1eより高く頭部1aを上面
で支持する頭部支持部71を備えるとともに、その周囲
には、洗髪時の汚水6を貯溜可能な凹部72を隔てて、
略U字状に立設される隔壁部73を備え、さらに、凹部
72の端部側に、頭部支持部71と隔壁部73とを連結
して、浴槽61内の湯3と汚水6との混合を防止可能な
仕切り部74・74を備え、さらにまた、隔壁部73の
下部に、凹部72内の汚水6を排出させるために開口す
る排出流路75を備えて構成されている。排出流路75
には、汚水6を貯溜可能な図示しない容器に接続される
排水パイプ28が接続されている。
【0084】隔壁部73の高さ寸法は、第1実施形態と
同様に、洗髪時の泡などが飛散しないように、頭部支持
部71の上面に載置された入浴者頭部1aより高くなる
ように設定されている。また、凹部72も、上方から見
て略U字状に配置されるとともに、実施形態の場合、隔
壁部73側に深くなるように傾斜して形成されている。
【0085】そして、第3実施形態の入浴用枕70は、
隔壁部73から浴槽61の他端側へ延びて、隔壁部73
とで、仰臥状態における入浴者1の側方の全周を囲む枠
部76を備えて構成されている。枠部76は、隔壁部7
3から同じ高さで延びるように構成されており、隔壁部
73から延びる延設部77・77と、各延設部77の端
部で蝶番78を利用して連結される側板部79・79
と、側板部79・79に接続される組付部80と、から
構成されている。組付部80は、平面視の状態でコ字形
に形成されて、底板部81と、底板部81の両端で蝶番
83を利用して連結される側板部82・82と、を備え
て構成されている。蝶番78・83は、図14に示すよ
うに、側板部79・79を延設部77・77側に折り畳
んだり、側板部82・82を底板部81側に折り畳ん
で、入浴用枕70をコンパクトに収納できるように、構
成されている。なお、枠部76の仕切り部74から底板
部81までの長さ寸法や幅寸法は、頭部支持部71に頭
部1aを載置させた成人男性が仰臥状態で収納可能な寸
法としている。
【0086】さらに、側板部79・79と側板部82・
82とには、対向する端面に、相互に嵌合可能な嵌合部
としての凹部79aと凸部82aとがそれぞれ形成され
ている。また、端面付近の側板部79・79の外周面に
は、回動可能なフック84が配設され、端面付近の側板
部82・82の外周面には、フック84に係止されるピ
ン85が固着されている。そのため、相互の嵌合部79
a・82aを嵌合させて、抜け防止の係合手段としての
各フック84をピン85に係止させれば、側板部79・
82が膨らむような変形を抑えて、側板部79・82相
互を連結することができる。
【0087】この第3実施形態の介護用簡易風呂60の
使用態様を説明すると、まず、入浴者1の寝ているベッ
ド等の上に、入浴者1を側方に移動させた状態で、シー
ト材62を配置させる。なお、この時、シート材62の
下面側に、ベッド等を濡らさないように、もう1枚、ベ
ッド等を覆える大きさの防水性を有したシート材65を
敷いても良い。
【0088】その後、入浴者1をシート材62上に移動
させるとともに、頭部1aとその付近のシート材62を
持ち上げて、頭部1aの下方に、頭部支持部71を配置
させるように、組付部80を外して側板部79・79を
折り曲げた状態の入浴用枕70を入れる。
【0089】ついで、シート材62における頭部1a側
でない3辺の周縁を持ち上げて、側板部79・79を延
ばすとともに、側板部82・82を起こした状態の組付
部80を、所定位置に配置させ、さらに、側板部79・
82相互の嵌合部79a・82aを嵌合させて、抜け防
止の係合手段としての各フック84をピン85に係止さ
せ、持ち上げていたシート材62の三辺の周縁を枠部7
6の外側へ垂らせば、浴槽61を完成させることができ
る。
【0090】その後、浴槽61に湯3を入れれば、入浴
者1は入浴することができる。この時、湯3は、浴槽6
1を構成するシート材62が、入浴用枕70における頭
部支持部71や仕切り部74を乗り越えるように、凹部
72に接続されており、浴槽61から溢れにくく、仮
に、溢れても、入浴用枕70の凹部72内に入るだけで
あり、ベッド等を濡らす虞れが生じない。
【0091】そして、洗髪時には、入浴者1の頭部1a
に湯をかけて洗剤で洗うことととなる。その際、頭部1
aにすすぎ湯をかけても、その汚水6は、入浴用枕70
の仕切り部74で浴槽61の湯3と混合されることな
く、入浴用枕70の凹部72に貯溜されるとともに、排
出流路75を経て所定の容器に流すことができる。
【0092】そのため、洗髪しても、浴槽61内の湯3
を汚さないことから、浴槽61内の湯3の入れ替えを行
なわなくとも良くなり、簡単に洗髪することができる。
【0093】洗髪後には、浴槽61内の湯3を掻い出し
たり、あるいは、排出流路75を利用して浴槽61内の
湯3を流して、浴槽61内を空にする。
【0094】ついで、身体を拭きつつ、既述の逆の工程
で、入浴用枕70を入浴者1の周囲から外すとともに、
シート材62・62を入浴者1の下方から外せば、洗髪
を含めた入浴を完了させることができる。
【0095】したがって、第3実施形態の介護用簡易風
呂60では、汚水6で身体を汚すことなく洗髪できて、
仰臥状態の老人等を簡単に入浴させることができる。
【0096】また、第3実施形態の介護用簡易風呂60
では、入浴用枕70に、隔壁部73から浴槽61の他端
側へ延びて、隔壁部73とで、仰臥状態における入浴者
1の側方の全周を囲む枠部76が設けられているため、
シート材62を枠部76の内周側に配置させるだけで、
平面状の単なるシート材62が、枠部76に支持され
て、湯3を貯留可能な箱形状に形成できるため、浴槽6
1を構成するシート材62を袋状に接合する必要がなく
なり、浴槽61の製造工数・製造コストを低減すること
ができる。
【0097】さらに、第3実施形態では、入浴用枕70
の枠部76が、嵌合部79a・82aと係合手段84・
85とで、分離可能に組み立てられる構造であり、蝶番
78・83を利用して折り畳まれることとあいまって、
コンパクトに収納でき、運搬や保管に便利となる。
【0098】なお、枠部76は、実施形態のように板状
でなくとも、部分的に表裏を貫通するような穴部分を有
するように、パイプ等のフレーム材から形成しても良
い。
【0099】また、枠部76は、上下方向には剛性を有
して、水平方向に巻き取り可能に、上下方向を長手方向
とした板状材を撓み可能に多数短手方向で連結したもの
で構成しても良い。そして、そのような場合には、枕7
0の隔壁部73における両端の外表面に、面ファスナを
利用して、その枠部の両端を取り付けるように連結して
も良い。
【0100】なお、第3実施形態の変形例として、図1
5に示すように、長方形形状のシート材62の長手寸法
を長くしたシート材63を使用するようにして、仕切り
部74から離れた端部側を、仰臥状態の入浴者1の胸部
1d上面側に折り返すように構成すれば、入浴者1の胸
部1d・胴部1c・脚部1bを覆えることから、浴槽6
1を袋状にしなくとも、入浴時の湯3の浴槽61外への
飛散を防止できることとなる。
【0101】また、第1〜3実施形態において、入浴用
枕20・50・70は、頭部支持部21・51・71や
隔壁部23・53・73等の形状を直方体に限定しなく
とも、その機能を果たす限り如何なる形状であってもよ
い。
【0102】さらに、入浴用枕20・50・70の材質
は、耐水性・重量を考えれば、合成樹脂製が望ましい
が、触感に優れる木製や、耐久性、衛生面に優れる医療
用ステンレス製などであってもよい。特に、密度が1.
0g/cm3 以下の素材の場合は、湯による浮力が生
じ、入浴用枕20・50・70が不安定になるため、入
浴用枕を浴槽底面にスナップボタン、面ファスナ等で着
脱自在に固定することが望ましい。また、頭部支持部2
1・51・71を中実にする他、中空にして下方の仕切
り部24・54・74に通水口を穿設して湯水が流入す
るようにして、不要な浮力が生じないようにするとよ
い。
【0103】さらにまた、頭部支持部21・51・71
は、平面ばかりでなく、頭部1aの形状に合わせた曲面
とすることもでき、触感をよくするためには、弾性を有
する素材で緩衝部材を貼設することが望ましい。
【0104】さらに、凹部22・52・72の上方に頭
部支持部21・51・71と同一平面になるように網状
または小孔が多数穿設された板状の部材を備えれば、洗
髪時に髪が凹部22・52・72に陥没せず排出流路2
5・55・75に、髪が吸入されることを防ぐことがで
きる。
【0105】さらにまた、入浴者1の胸部1d・胴部1
c・脚部1bを深く湯3に浸からせたい場合には、入浴
用枕20・50・70の頭部支持部21・51・71側
を、浴槽11・31・61ごと、下方にスペーサを入れ
て、脚部1b側より高くなるようにして、風呂10・3
0・60を傾け、浴槽11・21・61内に湯を入れる
ようにしても良い。あるいは、傾けなくとも、入浴者1
の首部周囲に、スポンジ等を巻き付けて、浴槽11・3
1・61と凹部22・52・72とのシール性を良好に
して、入浴用枕20・50・70の仕切り部24・54
・74を高くしても、入浴者1の胸部1d・胴部1c・
脚部1bを深く湯3に浸からせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の介護用簡易風呂の使用
状態の平面図である。
【図2】同実施態様の縦断面図であり、図1のII−II部
位に対応する。
【図3】同実施形態の浴槽の平面図である。
【図4】同実施形態の入浴用枕の斜視図である。
【図5】第2実施形態の介護用簡易風呂の使用状態の平
面図である。
【図6】同実施態様の縦断面図であり、図5のVI−VI部
位に対応する。
【図7】同実施形態の入浴用枕の斜視図である。
【図8】同実施形態の浴槽支持部を突出させた状態の入
浴用枕の正面図である。
【図9】同実施形態の浴槽支持部を収納する途中の状態
の入浴用枕の正面図である。
【図10】同実施形態の変形例の入浴用枕の正面図であ
る。
【図11】第3実施形態の介護用簡易風呂の使用状態の
平面図である。
【図12】同実施態様の縦断面図であり、図11の XII
− XII部位に対応する。
【図13】同実施形態の入浴用枕の分解斜視図である。
【図14】同実施形態の入浴用枕の平面図である。
【図15】同実施形態の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…入浴者、 1a…頭部、 1b…脚部、 1d…胸部、 1e…背部、 3…湯、 6…汚水、 10・30・60…介護用簡易風呂、 11・31・61…浴槽、 14・38…開口部、 15・39…延長部、 16・40…スライドファスナ、 20・50・70…入浴用枕、 21・51・71…頭部支持部、 22・52・72…凹部、 23・53・73…隔壁部、 24・54・74…仕切り部、 25・55・75…排出流路、 56…浴槽支持部、 76…枠部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仰臥状態で入浴者を入浴させることがで
    きるとともに洗髪も可能な介護用簡易風呂であって、 可撓性と防水性とを有するシート材から形成されて、仰
    臥状態の入浴者を被包可能で、かつ、湯を貯留可能な浴
    槽と、該浴槽の端部に配置されて、仰臥状態の入浴者の
    背部より高い位置で頭部を支持する入浴用枕と、を備え
    て構成され、 前記入浴用枕が、 入浴者の頭部を載置可能な頭部支持部と、 該頭部支持部の周囲で、洗髪時の汚水を貯溜可能な凹部
    を隔てて略U字状に立設される隔壁部と、 前記凹部の端部で前記頭部支持部と前記隔壁部とを連結
    するように配置されて、前記浴槽内の湯と前記汚水との
    混合を防止可能に立設される仕切り部と、 前記隔壁部の下部に設けられて、前記凹部内の汚水を排
    出可能な排出流路と、 を備えて構成されていることを特徴とする介護用簡易風
    呂。
  2. 【請求項2】 前記浴槽が、入浴者の頭部を突出可能な
    開口部を有した袋状として、前記開口部周縁を、前記頭
    部支持部と仕切り部とを乗り越えて、前記凹部に接続さ
    せていることを特徴とする請求項1記載の介護用簡易風
    呂。
  3. 【請求項3】 前記浴槽が、前記入浴用枕を端部側の内
    部に載置可能でかつ入浴者の全身を被包可能な袋状とす
    るとともに、前記入浴用枕の排出流路を挿通させる排出
    口を備えて構成され、 前記入浴用枕が、前記隔壁部上部から前記浴槽の他端側
    へ突出可能で、かつ、前記隔壁部側に収納可能に配設さ
    れて、突出時に仰臥状態の入浴者の頭部より高く突出し
    て前記浴槽の上部内周面に当接可能な浴槽支持部を備え
    て構成されていることを特徴とする請求項1記載の介護
    用簡易風呂。
  4. 【請求項4】 前記浴槽の開口部が、前記浴槽の他端側
    へ延びる延長部を備え、該延長部に、該延長部を開閉可
    能なスライドファスナが、取り付けられていることを特
    徴とする請求項2若しくは請求項3記載の介護用簡易風
    呂。
  5. 【請求項5】 前記入浴用枕が、前記隔壁部から前記浴
    槽の他端側へ延びて、前記隔壁部とで、仰臥状態におけ
    る入浴者の側方の全周を囲む枠部を備えて構成され、 前記浴槽が、平面状のシート材を、前記枠部の内周側に
    配置させるとともに、前記頭部支持部と仕切り部とを乗
    り越えて、前記凹部に接続させて、構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の介護用簡易風呂。
  6. 【請求項6】 前記シート材における前記仕切り部から
    離れた端部側が、仰臥状態の入浴者の胸部上面側に折り
    返されていることを特徴とする請求項5記載の介護用簡
    易風呂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017205474A (ja) * 2015-07-07 2017-11-24 有限会社久美川鉄工所 簡易風呂

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JP2017205474A (ja) * 2015-07-07 2017-11-24 有限会社久美川鉄工所 簡易風呂

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