JPH0131226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、入浴できない寝たきりの老人や病人
の陰部を洗浄する移動式浴槽に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

長期間寝たきりの老人や病人で、入浴できない
人は、体が不潔になるので、暖めたタオルなどで
体を拭き取つて清潔にする必要がある。

しかしながら、タオルで拭き取る方法では、特
に不潔になり易い陰部をきれいにするには不十分
であり、洗い流すのが最も効果的である。

ところが、ベツドでは便器やボールを当てがつ
て布団を濡さないように注意してお湯を流しなが
ら陰部を洗う作業はめんどうであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、かかる点に鑑みなされたもので、寝
たままでも布団を濡らさずに、陰部をきれいに洗
い流すことができる移動式浴槽を提供するもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上面を開口した中空平板状の槽本体
と、この槽本体の一端側の上縁部を凹形に湾曲さ
せて、ここにクツシヨン材を取付けた腰支持部
と、この腰支持部に近接して、槽本体の内側に左
右間隔をおいて取付けた尻支持部と、槽本体の底
部に設けた水抜き口とから成り、尻部を持ち上げ
た状態で、陰部をきれいに洗い流すようにしたこ
とを特徴とするものである。

以下本考案を第１図乃至第３図を参照して詳細
に説明する。

図において１は、プラスチツクやFRPで成型
した槽本体で、平面四角形状をなし、立ち上つた
縁部２が外側に湾曲して、上部を開口した中空平
板状に形成されている。この槽本体１の底板３は
第２図に示すようにテーパーが形成され、このテ
ーパーの下側に水抜き口４が開口され、栓５で塞
ぐようになつている。

また槽本体１の一端側の縁部２の中央は凹形に
湾曲し、ここにゴムや発泡プラスチツクなどのク
ツシヨン材６が取付けられて、腰支持部７が形成
されている。

８は尻支持部で、前記腰支持部７の近傍の槽本
体１の内側に左右対称に間隔をおいて１対取付け
られている。この尻支持部８は支柱９の上部に、
平面半月状をなす中空の湯溜り部１０が形成さ
れ、この上部に第３図に示すように蓋１１が取付
けられ、内部に湯１２が溜められるようになつて
いる。また支柱９の下部には嵌合突起１３が設け
られ、槽本体１の内側底部３に取付けた固定座１
４に着脱自在に取付けられるようになつている。

なお図において１５は槽本体１の底部３に形成
された石けんやシヤンプーなどの置き場、１６は
脚部、１７は排水タンクで、これはホース１８を
介して水抜き口４に接続されている。１９はベツ
ド、２０は布団である。

〔作用〕

次に上記構成をなす移動式浴槽の使用方法につ
いて説明する。

例えば、ベツド２０に寝たきりの病人の陰部を
洗う場合、先ず尻支持部８，８の蓋１１を外し
て、湯溜り部１０に湯１２を入れて蓋１１を取付
け、暖めておく。また水抜き口４にホース１８を
接続して、排水タンク１７に連通しておく。

次に病人の下半身を裸にし、これを持ち上げて
移動式浴槽をベツド１９の上に載せて腰の下に差
し入れ、クツシヨン材６を取付けた腰支持部７に
腰を当てると共に、左右の尻支持部８，８に尻を
支持させて両脚を開く。

この状態で、ポツトに入れた湯を流し、石けん
をつけて陰部を洗う。洗い流した湯はテーパーに
なつている底部３を流下して、水抜き口４からホ
ース１８を通つて排水タンク１７に溜められる。

従つて上記浴槽は、ベツド１９の上に載せられ
る中空平板状の移動式で、病人の下半身の下に設
置して使用するので、布団２０を濡らすことがな
く、また腰はクツシヨン材６で支持されているの
で、当りが軟らかく水濡れも防止できる。

更に、尻支持部８，８は内部に湯１２が入れら
れているので暖かく、しかも尻支持部８，８は左
右に間隔を置いて離れ、尻を浮かした状態で両脚
を開いて支持するので、陰部をきれいに洗い流す
ことができる。

洗い終つた後、移動式浴槽をベツトから下し、
尻支持部８，８を固定座１４，１４から取外し、
蓋１１を開けて湯１２を流し出しておく。

なお上記実施例では、ベツドで使用する場合に
ついて説明したが、畳の上に布団２０を敷いてあ
る場合には、槽本体１の内側に湯を受けるボール
などを置き、吸上げポンプを用いて排水するよう
にしても良い。また温水シヤワーと排水タンクを
台車に設置したものとセツトで用いれば、病院な
どにおいては各ベツドを巡回しながら入浴させる
こともできる。

また槽本体１は、一体成型のものに限らず、蛇
腹等で接続した分割式にしてコンパクト化し、収
納を容易にした構造のものでも良い。また尻支持
部８は、湯溜り部のない構造のものでも良い。

〔考案の効果〕

以上説明した如く、本考案に係る移動式浴槽に
よれば、尻を浮かした状態で両脚を開いて支持さ
せ、布団の上で寝たままで陰部をきれいに洗い流
すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の移動式浴槽を示す斜視図、第
２図はベツドにセツトした状態を示す移動式浴槽
の断面図、第３図は尻支持部を拡大して示す断面
図である。 １……槽本体、２……縁部、３……底板、４…
…水抜き口、６……クツシヨン材、７……腰支持
部、８……尻支持部、１０……湯溜り部、１２…
…湯、１７……排水タンク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上面を開口した中空平板状の槽本体と、この
   槽本体の一端側の上縁部を凹形に湾曲させて、
   ここにクツシヨン材を取付けた腰支持部と、こ
   の腰支持部に近接して、槽本体の内側に左右間
   隔をおいて取付けた尻支持部と、槽本体の底部
   に設けた水抜き口とから成ることを特徴とする
   移動式浴槽。 (2) 尻支持部が、上部に湯溜り部を形成している
   ことを特徴とする実用新案録請求の範囲第１項
   記載の移動式浴槽。