JPH11191352A - 電磁石 - Google Patents

電磁石

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JPH11191352A
JPH11191352A JP36018197A JP36018197A JPH11191352A JP H11191352 A JPH11191352 A JP H11191352A JP 36018197 A JP36018197 A JP 36018197A JP 36018197 A JP36018197 A JP 36018197A JP H11191352 A JPH11191352 A JP H11191352A
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JP
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magnetic
electromagnet
core
base metal
iron core
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JP36018197A
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Suketsugu Sako
祐嗣 佐古
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気スペーサ取付に関して強固で、かつ製造
コストを下げること。 【解決手段】 電磁コイル5の磁束により接離する可動
鉄心4と固定鉄心3とを含み、固定鉄心3あるいは可動
鉄心4の接離する接極面のいずれかに、非磁性の残留磁
気防止スペーサを設けた電磁石において、磁性金属から
なるベースメタル層体22と非磁性薄板による磁気スペ
ーサ層体21との貼合わせ構造体を残留磁気防止スペー
サとして可動鉄心4の接極面のいずれかに形成された凹
部4dに嵌合装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁接触器等で
使用される電磁石に関し、特に残留磁気による電磁石の
開離遅延、吸着などを防止する残留磁気防止スペーサを
含む電磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の電磁石を組み込まれた
電磁接触器の構造を示している。電磁接触器は、箱形の
ベース1とハウジング2とを有し、これらの内部に、固
定鉄心3と、可動鉄心4と、電磁コイル5と、クロスバ
ー6と、固定接触子7、8と、可動接触子9とを内蔵し
ている。電磁コイル5は固定鉄心3に固定され、固定鉄
心3と固定接触子7、8はそれぞれベース1あるいはハ
ウジング2に固定されている。固定接触子7、8には外
部回路接続用の端子ねじ10、11が取り付けられてい
る。
【0003】可動鉄心4はクロスバー6に取り付けら
れ、可動接触子9はばね12によってクロスバー6より
フローティング支持され、クロスバー6はハウジング2
より上下移動可能に支持されている。可動接触子9には
可動接点9a、9bが取り付けられており、可動接点9
a、9bは固定接触子7、8に設けられた固定接点7
a、8aと対向している。端子ねじ10、11に接続さ
れた外部回路は、可動接点9a、9bと固定接点7a、
8aとが接触、開離を行うことにより、開閉される。
【0004】固定鉄心3と可動鉄心4の接極面3a、3
b、3cと接極面4a、4b、4cとで互いに対向して
おり、固定鉄心3と可動鉄心4との間には引外しばね1
3が設けられている。引外しばね13はクロスバー6と
可動鉄心4との連結体による可動部分を図において上方
に付勢している。可動鉄心3の中央の接極面4bには非
磁性金属薄板からなる残留磁気防止スペーサ(磁気スペ
ーサ)14がろう付けなどの手段により取付け固定され
ている。
【0005】つぎに、従来装置の動作について説明す
る。電磁コイル5に電圧が印加されると、その発生磁束
により、固定鉄心3と可動鉄心4の間に吸引力が発生
し、可動鉄心4とクロスバー6の連結体が引外しばね1
3のばね力に抗して下方へ移動し、可動接点9a、9b
が固定接点7a、8aに当接する。可動接点9a、9b
と固定接点7a、8aとの間隙が、可動鉄心4と固定鉄
心3の間隙よりも小さく構成されているため、接点当接
後もさらにクロスバー4は下方に移動し、可動鉄心4と
固定鉄心3とが吸着する。このとき、ばね12が圧縮さ
れ、必要な接点圧力とオーバトラベル(接点ワイプ)を
接点に付与することが行われ、電路が閉成される。
【0006】電磁コイル5の電圧を取り去ると、固定鉄
心3と可動鉄心4との間の吸引力が消滅し、引外しばね
13のばね力とばね12のばね力により、固定鉄心3と
可動鉄心4とが開離し、可動鉄心4とクロスバー6の連
結体は上方に移動する。これにより、可動接点9a、9
bと固定接点7a、8aの接触が解かれ、電路は開路す
る。
【0007】図11は、鉄心開離時の残留磁気による吸
引力特性を示している。図11において横軸は磁化力
(または起磁力:単位はエルステッド)を示し、縦軸は
磁束密度(単位はキロガウス)を表している。図11に
おける符号Xは、鉄心の磁化特性を示しており、矢印で
示すとおり磁化されるときと、消磁されるときとでその
特性が異なる線上を通る、すなわちヒステリシス特性を
持っている。
【0008】したがって、鉄心を励磁した後、この磁力
を取り除くと(消磁すると)図中矢印Bに沿って磁束密
度が低下し、起磁力が0になった状態で鉄心(磁路)に
は図示のB1なる磁束密度の磁束が残留し、これによる
吸引力が接極面に働く。
【0009】この吸引力が引き離そうとする力(電磁接
触器の例では引外しばね13の力など)に匹敵するよう
な場合には、落下遅延などの現象を引き起こす。またこ
の残留磁気力が引き離そうとする力より強い場合にはひ
き外せなくなる(吸着する)。
【0010】図11における符号Yは、磁気スペーサ1
4の磁化特性で、図示の通り直線となる。磁気スペーサ
14が符号Xで示されている特性の鉄心の磁路に挿入さ
れた場合には、図11において符号Zによる破線で示す
とおり、鉄心の磁化特性Xと磁気スペーサ14の磁化特
性Yを横軸方向に足し合わせた磁化特性となる。すなわ
ち磁気スペーサ14によって余分に起磁力が消費される
ことになる。この合成の磁化特性における残留磁束密度
はB2となり、この例では磁気スペーサ14のない状態
B1に比べて、約3分の1になる。
【0011】以上のように、磁気スペーサ14は電磁コ
イル5の電圧を取り去ったとき(磁化力を取り去ったと
き)の鉄心の残留磁気力による鉄心開離の遅延や、吸着
を防ぐように働く。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のような装置で
は、使用過程で、可動鉄心4と固定鉄心3とが衝突を繰
り返すため、磁気スペーサ14は機械的衝撃および摩耗
に耐えるように鉄心に取り付けられている必要がある。
また磁気スペーサ14の厚みは、鉄心吸着を防ぐに、十
分でかつ極力薄いものでなければならない。
【0013】なぜならば、磁気スペーサ14の厚みが厚
くなるほど、残留磁気力軽減の効果は大きくはなるが、
電磁コイル5のリアクタンスは磁気回路のパーミアンス
に比例するため、スペーサ厚みが増えることにより、こ
の部分のパーミアンスが減少し、リアクタンスが小さく
なり、このために電磁コイル5の励磁電流が大きくな
り、電磁コイル5の温度上昇を抑えるために、装置を大
形化せねばならなくなるからである。
【0014】従来装置では、可動鉄心4の厚みと磁気ス
ペーサ14との厚みに差があり過ぎるため、冷間圧接等
の接合方法を採用することができず、また磁気スペーサ
14が薄いことにより嵌め込み式等の構造を取ることも
できず、薄い非磁性の磁気スペーサ14を可動鉄心4に
強固に取り付けるために、従来は可動鉄心4に高温炉中
でろう付けすることにより行われている。
【0015】この取付方法(構造)では、磁気スペーサ
14を強固に取り付けることはできるが、鉄心の熱容量
が大きいために、そのろう付けに時間がかかり、製造コ
ストが高くなると云う欠点がある。
【0016】また、従来装置では、上述のように、磁気
スペーサ14を高温下でろう付けにより固定しているの
で、ろう付け時に鉄心の変形が発生し、接極面が同一平
面でなくなり、鉄心の騒音や励磁電流増大によるコイル
の過熱等の問題が生じる。
【0017】また、従来装置においては、磁気スペーサ
14がもう一方の鉄心の接極面と衝突を繰り返すので、
磁気スペーサ14の厚みが次第に薄くなり、残留磁気に
よる吸引力を弱める効果が次第に薄れてくると云う問題
点がある。
【0018】従来装置においては、磁気スペーサ14を
ろう付けした後に鉄心に変形が生じた場合、その接極面
を同一平面とするための修正として、研磨を行うことが
できない。なぜならば、研磨によって磁気スペーサ14
が削られ、磁気スペーサ14の効果が減じられるからで
ある。
【0019】この発明は、上述の如き問題点を解消する
ためになされたもので、磁気スペーサ取付に関して強固
で、かつ製造コストを下げることができ、また摩損によ
る磁気スペーサの効果減少がなく、磁気スペーサ取付時
の接極面の歪みや接極面高さの段差を研磨により修正す
ることができる構造の電磁石を得ることを目的としてい
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による電磁石は、電磁コイルの磁束によ
り接離する可動鉄心と固定鉄心とを含み、前記固定鉄心
あるいは前記可動鉄心の接離する接極面のいずれかに、
非磁性の残留磁気防止スペーサを設けた電磁石におい
て、磁性金属からなるベースメタル層体と非磁性薄板に
よる磁気スペーサ層体との貼合わせ構造体が残留磁気防
止スペーサとして前記可動鉄心あるいは固定鉄心の接極
面のいずれかに形成された凹部に嵌合装着されているも
のである。
【0021】つぎの発明による電磁石は、前記貼合わせ
構造体が、ベースメタル層体と磁気スペーサ層体とを冷
間圧接により貼り合わせ、プレス加工による打ち抜きに
より所定形状に形成されているものである。
【0022】つぎの発明による電磁石は、凹部が蟻溝形
状をなし、当該凹部に前記貼合わせ構造体が逆止嵌合し
ているものである。
【0023】つぎの発明による電磁石は、前記貼合わせ
構造体が、取付前では板厚方向に折り曲げられた略への
字形状をなし、前記凹部に嵌入した後に直線状に伸ばさ
れることにより前記凹部に逆止嵌合しているものであ
る。
【0024】つぎの発明による電磁石は、前記貼合わせ
構造体が、前記凹部にかしめ結合により固定されている
ものである。
【0025】つぎの発明による電磁石は、前記貼合わせ
構造体が、磁性金属からなるベースメタル層体が前記凹
部の奥部に位置するように取り付けられているものであ
る。
【0026】つぎの発明による電磁石は、前記貼合わせ
構造体が、磁性金属からなるベースメタル層体が相手側
の接極面と対向するよう前記凹部に取り付けられている
ものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照して、この
発明に係る電磁石の実施の形態を詳細に説明する。な
お、以下に説明するこの発明の実施の形態において上述
の従来例と同一構成の部分は、上述の従来例に付した符
号と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0028】実施の形態1.図1〜図3は、この発明に
よる電磁石の実施の形態1とこれを組み込まれた電磁接
触器を示している。可動鉄心4の中央の接極面4bには
接極片取付用凹部4dが形成されており、この接極片取
付用凹部4dに接極片(貼合わせ構造体)20が嵌合装
着されている。
【0029】接極片20は、図2、図3によく示されて
いるように、ステンレスあるいは燐青銅等の非磁性の薄
板金属(非磁性薄板)からなる磁気スペーサ層体21
と、鋼板などの磁性金属からなるベースメタル層体(台
座板)22との貼合わせ構造体により構成されている。
磁気スペーサ層体21とベースメタル層体22は冷間圧
接などの圧接方法で貼り合わされた長尺の板をプレス加
工で打ち抜く等の加工により所定形状に形成されてお
り、ベースメタル層体22と磁気スペーサ層体21とは
強固に結合している。
【0030】上述のように可動鉄心4の接極面4bに取
り付けられた接極片20は、その構成部材の非磁性金属
薄板より成る磁気スペーサ層体21が固定鉄心3の接極
面3bに対向するよう配置されるので、鉄心吸着時に可
動鉄心4と固定鉄心3とで構成される磁路を非磁性の層
で遮断するように挿入される構成となる。
【0031】このため、従来例の動作で述べたように、
磁気スペーサ層体21による非磁性層の磁化直線に消費
される起磁力により、図11に実線で示されている鉄心
磁化曲線Xが同図中の破線で示されている特性Zの如く
変化し、残留磁束密度が減ぜられ、電磁石の残留吸着力
による鉄心開離の遅延や意図しない吸着が防止される。
【0032】なお、電磁石の動作およびこれにより駆動
される電磁接触器の動作については従来例と同じである
ため、その説明は省略する。
【0033】接極片20の製造方法としては、薄い非磁
性金属(磁気スペーサ層体21に相当)と磁性金属(ベ
ースメタル層体22に相当)とを冷間圧接により接合し
た長尺材を製造し、これをプレス加工により打ち抜いて
行う方法が可能であり、接極片20は、磁気スペーサ層
体21単体より台座板であるベースメタル層体22の厚
み分、厚いことにより、磁気スペーサ層体21自身は薄
いまま、可動鉄心4の中央の接極面4bに嵌め込み装着
することができる。
【0034】磁気スペーサとして、比較的板厚の薄いベ
ースメタル層体22に磁気スペーサ層体21を接合して
なる接極片20を採用した効果として、従来装置では、
可動鉄心4の板厚と磁気スペーサの板厚の差が大きすぎ
るために不可能であった冷間圧接と云う迅速で、安価な
加工方法を取り入れることができ、ろう付けに依らずに
磁気スペーサ層体21が可動鉄心4に強固に固定され、
ろう付けによる鉄心の熱変形を招くことがなく、安価な
装置を供給できると云う利点を得ることができる。
【0035】ろう付けによる可動鉄心4の熱変形がない
から、接極面の同一平面性を保証でき、接極面の同一平
面性の悪さに起因する鉄心の騒音や励磁電流増大による
コイルの過熱等の問題を生じることがない。
【0036】実施の形態2.図4、図5は、この発明に
よる電磁位置の実施の形態2を示している。この実施の
形態では、接極片取付用凹部4dの形状が、凹部開口幅
W1が凹部底幅W2よりも狭い形状、いわゆる蟻溝(コ
ックステール)形状をなしている。
【0037】接極片20は、実施の形態1におけるもの
と同等の構造のものであり、ステンレスあるいは燐青銅
等の非磁性の薄板金属からなる磁気スペーサ層体21
と、鋼板などの磁性金属からなるベースメタル層体(台
座板)22との貼合わせ構造体により構成されている。
【0038】磁気スペーサ層体21とベースメタル層体
22は冷間圧接などの圧接方法で貼り合わされた長尺の
板をプレス加工で打ち抜く等の加工により形成されてお
り、取付前には、図5に示されているように、僅かにへ
の字形状に折り曲げられ、への字に折り曲げられた幅W
3は凹部開口幅W1に等しいか、あるいはそれより僅か
に小さく形成されている。このへの字を延ばした長さ、
いわゆる展開長さは凹部開口幅W1よりも大きくなる。
【0039】接極片20は図5に示されているように、
可動鉄芯4の接極片取付用凹部4dにへの字に折曲形状
をもって嵌め込む込まれた後、図中の矢印P方向の力で
ローラー(図示せず)等で接極片取付用凹部4dの底面
に沿って真っ直ぐに伸長され、逆止形状をもって可動鉄
心4に固定されている。
【0040】これにより、ろう付けに依らずに磁気スペ
ーサ層体21が可動鉄心4に強固に確実に固定され、ろ
う付けによる鉄心の熱変形を招くことがなく、安価な装
置を供給できると云う利点を得ることができ、またろう
付けによる可動鉄心4の熱変形がないから、接極面の同
一平面性を保証でき、接極面の同一平面性の悪さに起因
する鉄心の騒音や励磁電流増大によるコイルの過熱等の
問題を生じることがない。また、接極片20を取り付け
る際の接極片20の寸法と凹部4dの寸法の許容差の管
理が単なる嵌め合わせに比べてラフに作ることができ
る。
【0041】実施の形態3.図6は、この発明による電
磁位置の実施の形態3を示している。この実施の形態で
は、接極片取付用凹部4dの両側片部4e,4fを、図
中、矢印JおよびK方向にかしめ変形することにより接
極片20が可動鉄心4に固定されている。
【0042】接極片20は、実施の形態1におけるもの
と同等の構造のものであり、ステンレスあるいは燐青銅
等の非磁性の薄板金属からなる磁気スペーサ層体21
と、鋼板などの磁性金属からなるベースメタル層体(台
座板)22との貼合わせ構造体により構成されており、
磁気スペーサ層体21とベースメタル層体22は冷間圧
接などの圧接方法で貼り合わされた長尺の板をプレス加
工で打ち抜く等の加工により形成されている。
【0043】これにより、この実施の形態でも、ろう付
けに依らずに磁気スペーサ層体21が可動鉄心4に強固
に確実に固定され、ろう付けによる鉄心の熱変形を招く
ことがなく、安価な装置を供給できると云う利点を得る
ことができ、またろう付けによる可動鉄心4の熱変形が
ないから、接極面の同一平面性を保証でき、接極面の同
一平面性の悪さに起因する鉄心の騒音や励磁電流増大に
よるコイルの過熱等の問題を生じることがない。
【0044】実施の形態4.図7〜図9は、この発明に
よる電磁石の実施の形態4を示している。この実施の形
態における接極片20は、実施の形態1〜3におけるも
のと同等の構造のものであり、ステンレスあるいは燐青
銅等の非磁性の薄板金属からなる磁気スペーサ層体21
と、鋼板などの磁性金属からなるベースメタル層体(台
座板)22との貼合わせ構造体により構成されており、
磁気スペーサ層体21とベースメタル層体22は冷間圧
接などの圧接方法で貼り合わされた長尺の板をプレス加
工で打ち抜く等の加工により形成されており、接極片2
0の可動鉄心4に対する取付構造は実施の形態2におけ
るものと同等であるが、接極片取付用凹部4dの奥側に
磁気スペーサ層体21が配置され、ベースメタル層体2
2をもって固定鉄芯3の接極面3bに対向している。
【0045】この実施の形態でも、残留磁気による落下
遅延、吸着の防止の動作は、可動鉄心4と固定鉄心3が
形成する磁路を遮断するように、その磁路中に非磁性層
による磁気スペーサ層体21が挿入され、これが実施の
形態1〜3のものと実質的に同一に機能して残留磁気を
減少させるから、実施の形態1〜3のものと同様であ
る。
【0046】この実施の形態では、接極片20の磁性材
料のベースメタル層体22の切断端面22a、22bが
可動鉄心4に接触するため、磁気スペーサ層体21と並
列の磁気回路ができ、磁気スペーサ層体21の効果が減
じられるが、この接触面積は非常に小さいから、磁気抵
抗は高く、効果の減少は小さい。
【0047】なお、この接触面の磁気抵抗をさらに高く
するため、図9に示されているように、接極片20の非
磁性の磁気スペーサ層体21がベースメタル層体22の
切断端面22a、22bの一部に回り込むよう構成する
こともできる。これは、たとえば非磁性金属の磁気スペ
ーサ層体21の側からプレス抜きを行いプレスだれを切
断端面22a、22bにかぶせることで構成できる。
【0048】この実施の形態では、固定鉄心3に対向す
る側が磁性材料による比較的厚いベースメタル層体22
であるため、可動鉄心4の他の磁極面との同時あたり等
の寸法調整に際して、ベースメタル層体22の切削、研
磨加工により、磁気スペーサ層体21に関係なく寸法調
整を行うことができる。
【0049】切削、研磨面がベースメタル層体22であ
るため、磁気スペーサ層体21の厚みに影響を与えるこ
とがなく、残留磁気の軽減効果に影響を与えることがな
く、また長期間の使用によって接極片20が摩耗して
も、ベースメタル層体22の厚みが減るだけで、磁気ス
ペーサ層体21の厚みに変化がないから、特性変化が少
ないと云う利点も得られる。
【0050】なお、この実施の形態における接極片20
の取付構造は、蟻溝によるものに限定されることはな
く、実施の形態3のようなかしめによって取り付けるこ
ともできる。また、接極片20は可動鉄心4に代えて固
定鉄心3に装着されてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発
明による電磁石によれば、磁性金属からなるベースメタ
ル層体と非磁性薄板による磁気スペーサ層体との貼合わ
せ構造体(接極片)が残留磁気防止スペーサとして可動
鉄心あるいは固定鉄心の接極面のいずれかに形成された
凹部に嵌合装着されているから、ろう付けに依らずに磁
気スペーサ層体が可動鉄心に強固に固定され、安価な装
置を供給できると云う利点を得ることができる。また、
ろう付けによる可動鉄心の熱変形がないから、接極面の
同一平面性を保証でき、接極面の同一平面性の悪さに起
因する鉄心の騒音や励磁電流増大によるコイルの過熱等
の問題を生じることがない。
【0052】つぎの発明による電磁石によれば、貼合わ
せ構造体が、ベースメタル層体と磁気スペーサ層体とを
冷間圧接により貼り合わせ、プレス加工による打ち抜き
により所定形状に形成されているから、ろう付けを必要
とせず、製造コストが低くなり、安価な装置を供給でき
ると云う利点がある。
【0053】つぎの発明による電磁石によれば、蟻溝形
状の凹部に貼合わせ構造体が逆止嵌合しているから、貼
合わせ構造体を取り付ける際の接極片の寸法と凹部の寸
法の許容差の管理が単なる嵌め合わせに比べてラフに作
ることができ、しかも貼合わせ構造体の取付強度が極め
て大きくできると云う効果がある。
【0054】つぎの発明による電磁石によれば、貼合わ
せ構造体は、取付前では板厚方向に折り曲げられた略へ
の字形状をなし、凹部に嵌入した後に直線状に伸ばされ
ることにより凹部に逆止嵌合するから、貼合わせ構造体
を的確に凹部に逆止嵌合させることができる。
【0055】つぎの発明による電磁石によれば、貼合わ
せ構造体が凹部にかしめ結合により固定されているか
ら、貼合わせ構造体を取り付ける際の接極片の寸法と凹
部の寸法の許容差の管理が単なる嵌め合わせに比べてラ
フに作ることができ、しかも貼合わせ構造体の取付強度
が極めて大きくできると云う効果がある。
【0056】つぎの発明による電磁石によれば、磁性金
属からなるベースメタル層体が凹部の奥部に位置するよ
うに貼合わせ構造体が取り付けられているから、可動鉄
心と固定鉄心で構成する磁路を完全に遮断するよう、磁
気スペーサ層体による非磁性層を配置することができ、
残留磁気の軽減効果が非常に大きくできると云う効果が
ある。
【0057】つぎの発明による電磁石によれば、磁性金
属からなるベースメタル層体が相手側の接極面と対向す
るように貼合わせ構造体が凹部に取り付けられているか
ら、貼合わせ構造体取付後の接極面高さの調整をベース
メタル層体の切削、研磨加工で行うことができ、精度の
高い装置を供給することができる。また、接極面の段差
による鉄心騒音や励磁電流増大による電磁コイルの過熱
をこの切削加工により除去でき、可動鉄心と固定鉄心の
打撃によって接極面が摩耗しても磁気スペーサの厚みは
変化せず、特性変化を生じないと云う効果がある。
【0058】つぎの発明による電磁石によれば、磁気ス
ペーサ層体がベースメタル層体の端面に回り込み、ベー
スメタル層体の端面の少なくとも一部が磁気スペーサ層
体によりカバーされているから、貼合わせ構造体取付後
の接極面高さの調整をベースメタル層体の切削、研磨加
工で行うこと、接極面が摩耗しても磁気スペーサの厚み
は変化せず、特性変化を生じないと云う効果に加えて、
接極片切断端面の鉄心との接触による残留磁気低減効果
の減少を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による電磁石の実施の形態1のもの
を組み込まれた電磁接触器を示す断面図である。
【図2】 この発明による電磁石の実施の形態1の要部
を示す断面図である。
【図3】 この発明による電磁石の実施の形態1の要部
の分解斜視図である。
【図4】 この発明による電磁石の実施の形態2の要部
を示す断面図である。
【図5】 この発明による電磁石の実施の形態2の要部
の分解斜視図である。
【図6】 この発明による電磁石の実施の形態3の要部
を示す断面図である。
【図7】 この発明による電磁石の実施の形態4の要部
を示す断面図である。
【図8】 この発明による電磁石の実施の形態4の要部
の分解斜視図である。
【図9】 この発明による電磁石の実施の形態4で使用
する接極片の他の例を示す斜視図である。
【図10】 従来の電磁石およびこれを適用した電磁接
触器の断面図である。
【図11】 磁気スペーサによる残留磁気軽減の理論を
示す特性線図である。
【符号の説明】
1 ベース,2 ハウジング,3 固定鉄心,4 可動
鉄心,4d 接極片取付用凹部,5 電磁コイル,6
クロスバー,7,8 固定接触子,9 可動接触子,1
0,11 端子ねじ,12 ばね,13 引外しばね,
20 接極片,21 磁気スペーサ層体,22 ベース
メタル層体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルの磁束により接離する可動鉄
    心と固定鉄心とを含み、前記固定鉄心あるいは前記可動
    鉄心の接離する接極面のいずれかに、非磁性の残留磁気
    防止スペーサを設けた電磁石において、 磁性金属からなるベースメタル層体と非磁性薄板による
    磁気スペーサ層体との貼合わせ構造体が残留磁気防止ス
    ペーサとして前記可動鉄心あるいは固定鉄心の接極面の
    いずれかに形成された凹部に嵌合装着されていることを
    特徴とする電磁石。
  2. 【請求項2】 前記貼合わせ構造体は、ベースメタル層
    体と磁気スペーサ層体とを冷間圧接により貼り合わせ、
    プレス加工による打ち抜きにより所定形状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の電磁石。
  3. 【請求項3】 凹部は蟻溝形状をなし、当該凹部に前記
    貼合わせ構造体が逆止嵌合していることを特徴とする請
    求項1または2に記載の電磁石。
  4. 【請求項4】 前記貼合わせ構造体は、取付前では板厚
    方向に折り曲げられた略への字形状をなし、前記凹部に
    嵌入した後に直線状に伸ばされることにより前記凹部に
    逆止嵌合していることを特徴とする請求項3に記載の電
    磁石。
  5. 【請求項5】 前記貼合わせ構造体は、前記凹部にかし
    め結合により固定されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の電磁石。
  6. 【請求項6】 前記貼合わせ構造体は、磁性金属からな
    るベースメタル層体が前記凹部の奥部に位置するように
    取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか一つに記載の電磁石。
  7. 【請求項7】 前記貼合わせ構造体は、磁性金属からな
    るベースメタル層体が相手側の接極面と対向するよう前
    記凹部に取り付けられていることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一つに記載の電磁石。
  8. 【請求項8】 前記磁気スペーサ層体が、前記ベースメ
    タル層体の端面に回り込み、前記ベースメタル層体の端
    面の少なくとも一部が前記磁気スペーサ層体によりカバ
    ーされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    一つに記載の電磁石。
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