JPH11191322A - 電子機器用錫めっき線 - Google Patents

電子機器用錫めっき線

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JPH11191322A
JPH11191322A JP35897397A JP35897397A JPH11191322A JP H11191322 A JPH11191322 A JP H11191322A JP 35897397 A JP35897397 A JP 35897397A JP 35897397 A JP35897397 A JP 35897397A JP H11191322 A JPH11191322 A JP H11191322A
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JP
Japan
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tin
wire
plated
plating
silver
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP35897397A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Ichikawa
貴朗 市川
Masayoshi Aoyama
正義 青山
Kenji Konishi
健司 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Hitachi Senzai KK
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Hitachi Senzai KK
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Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd, Hitachi Senzai KK filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP35897397A priority Critical patent/JPH11191322A/ja
Publication of JPH11191322A publication Critical patent/JPH11191322A/ja
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  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】錫めっき線の導体(被めっき材)の材質を変え
ることなく、耐屈曲性(屈曲寿命)を向上させ得る、電
子機器用錫めっき線を提供する。 【解決手段】錫めっきとして、錫に銀(Ag)を2.0
〜5.0wt%、ビスマス(Bi)を1.0〜30wt%そ
れぞれ添加した、錫−銀−ビスマス合金を用いてなり、
以て、従来の純錫めっきによる錫めっき線よりも強度に
優れ、屈曲寿命の向上した電子機器用錫めっき線とし
た。好ましい実施態様は、錫−銀−ビスマス合金めっき
を、線径0.08mmのタフピッチ銅線(軟銅線)上に
0.5〜1.0μmの厚さでめっきし、これにて得られ
た錫めっき線を60本撚り合わせて集合撚線としたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器用の各種
電線・ケーブルの導体に使用される錫めっき線の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器用の各種電線・ケーブルの導体
に使用される錫めっき線は、めっき法として溶融めっき
法が採用されている。この溶融めっき法を、図1の溶融
めっきレイアウトの例を参照して説明すると、供給ボビ
ン6から繰り出された母材としての銅線7が、フラック
ス5にて表面を活性化した後に、溶融した錫槽1の中に
当該銅線7を浸漬させ、所定サイズのダイス2で余分な
溶融錫を落としてから、錫めっき線として巻取り装置4
に巻き取るようにしている。図中、3はガイド、8,
9,10はガイドローラを示している。
【0003】上記のような溶融めっき法は、電気めっき
法に比較して経済性に優れるため、この種の錫めっき線
の多くで採用されている。また、当該溶融めっき法は、
はんだ(Sn−Pb合金)めっき線にも採用されてい
る。
【0004】ここで、上記のように、電線・ケーブルの
導体に錫めっきの施される理由は、電線・ケーブルの導
体をコネクター等に接続する際に、はんだ(Sn−Pb
合金)で接続されるため、導体のはんだ付性を向上させ
ることにある。
【0005】尚、上記のように導体への錫めっきがなさ
れるもう一つの理由は、腐食防止を目的とするためであ
る。
【0006】ところで、上記のようなはんだ材料(Sn
−Pb合金)については、Pb溶出による地球環境汚染
が問題視されていることから、Pbフリーはんだの開発
が盛んに行なわれている。現状の開発品によれば、従来
のSn−Pb合金はんだに対して、融点、濡れ性、耐熱
疲労性等の各種特性の面で、同等の性能を有するはんだ
は開発されていないが、当該同等の性能に近い特性を有
する合金が開発されており、具体的にはSn−Ag系、
Sn−Zn系、Sn−Bi系が商品化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子機器用の電
線・ケーブルについてみると、その使用環境(狭いスペ
ースに輻輳して配線される等)によって耐屈曲性の向上
が要求される場合が多く、その点、前述した従来技術の
電子機器用錫めっき線では屈曲寿命に問題があり、上記
のような耐屈曲性の向上に対応しきれなくなってきてい
る。
【0008】そこで、上記のような耐屈曲性の向上に相
応すべく、電子機器用電線・ケーブルの導体として、耐
屈曲性に優れた銅合金線が使用されている。しかしなが
ら、そのような銅合金線は、電線・ケーブルの製造にお
いてコストアップにつながる問題を含んでおり、そのよ
うなコストアップは電線・ケーブル製造に携わる者にと
って特に問題が大きい。
【0009】そこで、本発明の解決すべき課題(目的)
は、錫めっき線の導体(被めっき材)の材質を変えるこ
となく、耐屈曲性(屈曲寿命)を向上させ得る、電子機
器用錫めっき線を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明により提供する電
子機器用錫めっき線は、錫めっきとして、錫に銀(A
g)を2.0〜5.0wt%、ビスマス(Bi)を1.0
〜30wt%それぞれ添加した、錫−銀−ビスマス合金を
用いてなり、以て、従来の純錫めっきによる錫めっき線
よりも強度に優れ、屈曲寿命の向上した電子機器用錫め
っき線としてなるものである。
【0011】ここで、上記のように錫に対し添加する銀
の添加量を、2.0〜5.0wt%としたのは、Sn−A
g合金の共晶組成(Ag=3.5wt%)に近い濃度にす
ると、めっき層の組織が緻密・微細化し、耐屈曲性を向
上させると考えられるからである。
【0012】また、ビスマスの添加量において、1.0
wt%以上としたのは、その値を下回るとSn−Biめっ
き層における強度の向上が不十分となり、屈曲寿命の改
善がなされないためである。また、ビスマスの添加量を
30wt%以下としたのは、その値を越えてもSn−Bi
めっき層における強度の向上が飽和し、ビスマス添加量
の過分により当該めっき層が脆化する傾向を示し却って
好ましくないためである。
【0013】前記組成による錫−銀−ビスマス合金の錫
めっきによれば、錫めっき層自体で強度の向上が図られ
るため、導体自体は耐屈曲性の向上を図るような銅合金
を用いる必要がなくなる。
【0014】上記のような本発明の手段において展開さ
れる好ましい実施態様は、当該錫−銀−ビスマス合金の
錫めっきを、線径0.1mm以下の細線、例えば線径0.
08mmのタフピッチ銅線(軟銅線)上に0.5〜1.0
μmの厚さでめっきして得られた錫めっき線を60本撚
り合わせて集合撚線としてなるものである。その集合撚
線の外部には絶縁体を施して電線・ケーブルとして構成
すれば良い。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電子機器用錫め
っき線を製造するための溶融めっき装置のレイアウトを
示したもので、母材供給ボビン6から繰り出される銅線
7は、フラックス5にて表面を活性化し、この表面の活
性化した銅線をめっき浴槽1に浸漬して錫めっきし、そ
の後、所定サイズのダイス2にて余分な溶融錫を落とし
て所定めっき厚の錫めっき線としてから、巻取り装置4
へ巻き取るようにする。図中、3はめっき用のガイド、
8,9,10は銅線7及び錫めっき線のガイドローラを
示している。
【0016】以下、上記のような溶融めっき装置を使用
して製造された錫めっき線の実施例を比較例と併せて説
明する。
【0017】〔実施例1〕銅線7として、線径0.08
mmのタフピッチ銅線(軟銅線)を用1い、これをフラッ
クス5にて表面活性化したのに続けて、めっき浴槽1に
て錫に銀を2.5wt%、ビスマスを2.1wt%それぞれ
添加したSn−Ag−Bi合金の錫めっきを施した。こ
の際、めっき浴槽1においてのめっき浴の温度は250
℃であり、線速は100m/minとした。その後、ダイス
2を通して所定めっき厚の錫めっき線を得る際、母材の
タフピッチ銅線の線径とダイス2の穴径とのギャップを
制御して、厚さ0.1〜1.0μmの錫めっき層を有す
る錫めっき線を製造した。
【0018】上記のようにして得られた錫めっき線を6
0本撚り合わせて集合撚線(導体断面積0.3mm2 )を
つくり、この外部に絶縁体を押出しにより被覆してケー
ブルコアとした。
【0019】〔実施例2〕錫に対して、銀を3.0wt
%、ビスマスを4.4wt%それぞれ添加したSn−Ag
−Bi合金をめっき材として用い、その他は実施例1と
同じ要領で、錫めっき線及びケーブルコアを製造した。
【0020】〔実施例3〕錫に対して、銀を3.0wt
%、ビスマスを7.5wt%それぞれ添加したSn−Ag
−Bi合金をめっき材として用い、その他は実施例1と
同じ要領で、錫めっき線及びケーブルコアを製造した。
【0021】〔実施例4〕錫に対して、銀を3.0wt
%、ビスマスを15wt%それぞれ添加したSn−Ag−
Bi合金をめっき材として用い、その他は実施例1と同
じ要領で、錫めっき線及びケーブルコアを製造した。
【0022】〔実施例5〕錫に対して、銀を3.5wt
%、ビスマスを25.0wt%添加したSn−Ag−Bi
合金をめっき材として用い、その他は実施例1と同じ要
領で、錫めっき線及びケーブルコアを製造した。
【0023】〔比較例1〕錫に対して、銀を3.0wt
%、ビスマスを0.1wt%それぞれ添加したSn−Ag
−Bi合金をめっき材として用い、その他は実施例と同
じ要領で、錫めっき線及びケーブルコアを製造した。
【0024】〔比較例2〕銀、ビスマスを添加しない純
錫をめっき材として用い、その他は実施例と同じ要領
で、錫めっき線及びケーブルコアを製造した。
【0025】以上の実施例1〜5及び比較例1,2につ
いての機械的特性は、表1に示す通りである。
【0026】
【表1】
【0027】表1において、No.1〜5が実施例1〜5
であり、No.6,7が比較例1,2である。
【0028】上記のような実施例1〜5及び比較例1,
2のそれぞれについてケーブルコアの屈曲寿命を評価し
てみた。屈曲寿命の評価方法は、図2に示したように、
所定の長さにしたケーブルコア11の片端に200gの
おもり14を取り付け、そうして荷重を付加した状態で
吊り下げられたケーブルコア11を、曲げR12.5mm
の曲げ治具;ロール12,13間に通して、ケーブルコ
ア11を左右に90°繰り返し屈曲させるようにした。
この屈曲によりケーブルコア11の導体が断線するまで
の回数を屈曲寿命として評価した。導体の断線は、導体
を検知線として電気的に検知する方法で行なった。この
屈曲寿命の評価の結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2において、No.1〜5が実施例1〜5
を示し、No.6,7が比較例1,2を示す。評価結果の
表示は比較例7を基準とし、断線に至るまでの屈曲回数
が比較例7以下の場合、「×」とし、断線に至るまでの
屈曲回数が比較例7より多い場合、「○」とした。
【0031】表2の結果から明らかな通り、本発明の合
金組成の範囲内で錫めっきされた実施例1〜5;No.1
〜5は、比較例2;No.7よりも屈曲寿命が改善されて
おり、錫−銀−ビスマス合金でのめっきによる効果が確
認された。その点、本発明の合金組成の範囲外で錫めっ
きされた比較例1;No.6は、基準;比較例2よりも少
ない屈曲回数で断線してしまい、錫−銀−ビスマス合金
のめっきによる強度向上の効果が不十分であることが判
明した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したような本発明によれば、錫
めっき線の導体(被めっき材)の材質を変えることな
く、耐屈曲性(屈曲寿命)を向上させ得る、電子機器用
錫めっき線を提供するという所期の課題(目的)を達成
することができ、この種の電子機器用錫めっき線を製造
する上でコストダウンに大いに貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器用錫めっき線をめっき製造す
るための溶融めっき装置のレイアウト例を示す説明図。
【図2】錫めっき線の屈曲寿命の評価方法(屈曲試験)
の例を示す説明図。
【符号の説明】
1 めっき浴槽 2 ダイス 3 ガイド 4 巻取り装置 5 フラックス 6 母材供給ボビン 7 母材;銅線 8,9.10 ガイドローラ 11 ケーブルコア 12,13 曲げ治具;ロール 14 おもり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 健司 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 線材株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子機器用電線・ケーブルに用いられる錫
    めっき線であって、錫めっきとして、錫に銀(Ag)を
    2.0〜5.0wt%、ビスマス(Bi)を1.0〜30
    wt%それぞれ添加した、錫−銀−ビスマス合金を用いて
    なる、電子機器用錫めっき線。
  2. 【請求項2】前記組成の錫−銀−ビスマス合金を、線径
    0.1mm以下のタフピッチ銅線(軟銅線)上に0.5〜
    1.0μmの厚さでめっきして得られた錫めっき線を6
    0本撚り合わせて集合撚線としてなる、請求項1記載の
    電子機器用錫めっき線。
JP35897397A 1997-12-26 1997-12-26 電子機器用錫めっき線 Withdrawn JPH11191322A (ja)

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