JPH11189686A - 難燃性ポリマー組成物及び電線・ケーブル被覆材 - Google Patents

難燃性ポリマー組成物及び電線・ケーブル被覆材

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JPH11189686A
JPH11189686A JP9370523A JP37052397A JPH11189686A JP H11189686 A JPH11189686 A JP H11189686A JP 9370523 A JP9370523 A JP 9370523A JP 37052397 A JP37052397 A JP 37052397A JP H11189686 A JPH11189686 A JP H11189686A
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JP
Japan
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weight
parts
polyolefin
component
phosphorus
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JP9370523A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kamo
弘 加茂
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性と難燃性のバランスに優れたポリマ
ー組成物と該組成物からなる電線・ケーブル被覆材を提
供する。 【解決手段】 (a)ポリオレフィン、(b)ポリフェ
ニレンエーテル、(c)αオレフィンと芳香族モノビニ
リデン化合物との疑似ランダムコポリマー及び(d)リ
ン及びリン化合物よりなるポリマー組成物及び該組成物
からなる電線・ケーブル被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐油性、耐薬品性、
耐熱性、耐衝撃性に優れ、電気・電子分野、自動車分
野、その他の各種工業材料分野で利用する樹脂状乃至エ
ラストマー状のポリマー組成物に関し、特に該ポリマー
組成物からなる電線・ケーブル被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは、機械的特
性、電気特性、耐熱性、低温特性、吸水性が低くかつ寸
法安定性に優れるものの、成形加工性や耐衝撃性に劣る
欠点を有するため、ポリスチレン、ハイインパクトポリ
スチレンとブレンドすることによりこれらの問題点を改
良し、例えば、電気・電子部品、事務機器ハウジング、
自動車部品、精密部品、各種工業部品などの樹脂組成物
として広く利用されている。しかしながら、このポリフ
ェニレンエーテルとハイインパクトポリスチレンからな
る古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成物(米国特
許第3383435号明細書に開示されている)は、耐
衝撃性が改善されるものの、耐薬品性に劣るという欠点
を有している。
【0003】このため、例えば、米国特許第33618
51号明細書では、ポリフェニレンエーテルをポリオレ
フィンとブレンドすることにより、耐溶剤性、耐衝撃性
を改良する提案がなされ、米国特許第3994856号
明細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニ
レンエーテルおよびスチレン系樹脂を水添ブロック共重
合体とブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改
良に関する開示があり、米国特許第4145377号明
細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニレ
ンエーテルおよびスチレン系樹脂をポリオレフィン/水
添ブロック共重合体=20〜80重量部/80〜20重
量部からなる予備混合物および水添ブロック共重合体と
ブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良に関
する開示があり、さらに米国特許第4166055号明
細書および米国特許第4239673号明細書には、ポ
リフェニレンエーテルを水添ブロック共重合体およびポ
リオレフィンとブレンドすることによる耐衝撃性の改良
が開示されている。
【0004】そして、米国特許第4383082号明細
書およびヨーロッパ公開特許第115712号明細書で
はポリフェニレンエーテルをポリオレフィンおよび水添
ブロック共重合体とブレンドすることにより耐衝撃性を
改良するという開示がなされている。また、特開昭63
−113058号公報および特開昭63−225642
号公報ならびに米国特許第4863997号明細書に
は、ポリオレフィン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂
からなる樹脂組成物の改質に特定の水添ブロック共重合
体を配合し、耐薬品性、加工性に優れた樹脂組成物が提
案されている。
【0005】更に、特開昭62−20551号公報、特
開昭62−25149号公報、特開昭62−48757
号公報、特開昭62−48758号公報、特開昭62−
199637号公報ならびに米国特許第4772657
号明細書で、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィン
および水添ブロック共重合体からなるゴム弾性に優れた
ゴム組成物を提案し、また特開平2−225563号公
報ではポリフェニレンエーテルとポリオレフィンおよび
特定の水添ブロック共重合体からなる相溶性、剛性と耐
熱性に優れ、耐溶剤性に優れた樹脂組成物が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ここで
開示されている先行技術は、古典的なポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物と比べると飛躍的に耐溶剤性が改良さ
れた樹脂組成物を与えたり耐熱性に優れたゴム状弾性体
の組成物を与えるものの、特に、ポリオレフィン成分を
多く含む組成物においてはポリフェニレンエーテルとポ
リオレフィンとの相溶性が不十分であり層剥離現象が著
しく起こるのが現状である。そのため、耐衝撃性、難燃
性を同時にあるレベルまで向上させることはできたが、
十分なレベルではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、ポリオレフィンとポリフェニレンエーテ
ルを含む組成物に高いレベルの混和性を付与させるた
め、混和剤(コンパティビライザー)として用いる共重
合体に関して鋭意検討を重ねた。その結果、新たなα−
オレフィンと芳香族モノビニリデン化合物との疑似ラン
ダムコポリマーを用いることで、ポリオレフィンとポリ
フェニレンエーテルを含む組成物の混和性が大きく改良
され、さらに難燃剤としてリン系化合物を用いること
で、耐衝撃性と難燃性を同時に高いレベルで達成できる
ことを見いだした。
【0008】すなわち、本発明は、 (a)ポリオレフィン 20〜60重量部 (b)ポリフェニレンエーテル 30〜60重量部 (c)α−オレフィンと芳香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマ ー5〜50重量部 (d)リン及びリン化合物を、(a)〜(c)成分の合
計量100重量部に対して、1〜40重量部含むことを
特徴とするポリマー組成物を提供するものであり、また
(c)のコポリマーが、98.6〜53モル%のエチレ
ン及び1.4〜47モル%のスチレンを含むエチレンと
スチレンの疑似ランダムコポリマーであることを特徴と
するポリマー組成物であり、更に(a)のポリオレフィ
ンがポリエチレンであることを特徴とするポリマー組成
物を提供するものである。そしてまた、上記ポリマー組
成物からなる電線・ケーブル被覆材を提供するものであ
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
(a)成分として用いるポリオレフィンは、通常の成形
材料として用いられる数平均分子量が30000以上の
ポリオレフィンであり、例えば、アイソタクチックポリ
プロピレン、超高分子量アイソタクチックポリプロピレ
ン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテン−
1、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、密
度0.90未満の超低密度ポリエチレンや、エチレン、
プロピレン、他のα−オレフィン、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体の中から選ばれる2種以上の化合物の共
重合体、例えば、エチレン/ブテン−1共重合体、エチ
レン/(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、プロピレン/エチレ
ン(ランダム、ブロック)共重合体、プロピレン/1−
ヘキセン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペン
テン共重合体等が挙げられる。これらのポリオレフィン
は1種のみならず2種以上を併用することができる。こ
れらポリオレフィンのうち、アイソタクチックポリプロ
ピレン、プロピレン/エチレンブロック共重合体、プロ
ピレン/エチレンランダム共重合体およびポリエチレン
が好ましい。
【0010】また、本発明で用いるポリオレフィンは、
上記したポリオレフィンのほかに、該ポリオレフィンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカ
ル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態で3
0〜350℃の温度下で反応させることによって得られ
る公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその
誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)ポ
リオレフィンであってもよく、さらに上記したポリオレ
フィンと該変性ポリオレフィンの任意の割合の混合物で
あってもよい。次に、本発明で用いる(b)成分のポリ
フェニレンエーテル(以下、単にPPEと略記)は、本
発明のポリマー組成物に耐熱性および難燃性を付与する
うえで必須な成分である。該PPEとは、次に示す一般
式(1)、
【0011】
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 は炭素1
〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素等の一
価の残基であり、R5 、R6 は同時に水素ではない)を
繰り返し単位とし、構成単位が一般式(1)の〔a〕及
び〔b〕からなる単独重合体、あるいは共重合体が使用
できる。
【0012】このPPEの具体的な例としては、例え
ば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さら
に2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例
えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル
−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフ
ェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、
2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。
【0013】かかるPPEの製造方法は、公知の方法で
製造できるものであれば特に限定されず、例えば、米国
特許第3306874号記載のHayによる第一銅塩と
アミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,
6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造
でき、そのほかにも米国特許第3306875号、同第
3257357号および同第3257358号の各明細
書、特公昭52−17880号および特開昭50−51
197号および同63−152628号の各公報等に記
載された方法で容易に製造できる。
【0014】また、本発明で用いるPPEは、上記した
PPEのほかに、該PPEとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在
下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350
℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変
性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が
0.01〜10重量%グラフトまたは付加)PPEであ
ってもよく、さらに上記したPPEと該変性PPEの任
意の割合の混合物であってもよい。さらに、9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレ
ンをPPE100重量部に対し 0.2〜5重量部添加
し溶融混練したリン化合物処理PPEも色調および流動
性に優れたPPEとして用いることができる。
【0015】また、本発明で用いるPPEは上記したP
PEのほかに、これらPPE100重量部に対してポリ
スチレンまたはハイインパクトポリスチレンを100重
量部を超えない範囲で加えたものも好適に用いられる。
本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹脂の分子量と
しては、数平均分子量で1,000〜100,000で
あり、好ましい範囲は約6,000〜60,000の範
囲である。本発明で数平均分子量とは、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレンの
検量線を用いて求めたポリスチレン換算の数平均分子量
である。
【0016】本発明で用いる(c)成分のα−オレフィ
ンと芳香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポ
リマーは、脂肪族α−オレフィン及び芳香族モノビニリ
デン化合物からなる実質的にランダムなインター重合体
である。脂肪族α−オレフィンは、炭素数2〜18の脂
肪族及び脂環族α−オレフィン、好ましくは炭素数2〜
8のα−オレフィンである。最も好ましくは、脂肪族α
−オレフィンは、エチレンまたはプロピレン、好ましく
はエチレン、そして炭素数3〜8のα−オレフィン1種
以上を任意に含むもの、例えば、エチレン及びプロピレ
ン、エチレン及びオクテン、エチレン及びプロピレン及
びオクテンからなる。芳香族モノビニリデン化合物は、
以下の式により表される化合物である。
【0017】
【化2】 (ただし、R1 は水素及び炭素数3以下のアルキル基か
らなる置換基群から選ばれ、Arはフェニル基、または
ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル及び炭素数1〜4の
ハロアルキルからなる群から選ばれる1−5個の置換基
により置換されているフェニル基である。)
【0018】好適な例は、スチレン及びその低級アルキ
ル−またはハロゲン−置換誘導体である。好ましい例
は、スチレン、α−メチルスチレン、スチレンの低級ア
ルキル−またはフェニル置換誘導体、例えば、オルト
−、メタ−及びパラ−メチルスチレン、またはこれらの
混合物、並びに環ハロゲン化スチレンである。より好ま
しい芳香族モノビニリデン化合物はスチレンである。
【0019】本発明で有用な(c)成分は、好ましく
は、脂肪族α−オレフィン及び芳香族モノビニリデン化
合物からなる疑似(pseudo)ランダム鎖状または
実質的に鎖状、より好ましくは鎖状のインター重合体で
ある。これらの疑似ランダム鎖状インター重合体は19
90年7月3日に出願された米国特許出願第54540
3号(ヨーロッパ特許公開第0416815号に対応)
に記述されている。(c)成分中に含有される芳香族モ
ノビニリデン化合物そして好ましくは疑似ランダム鎖状
インター重合体から由来する単位の含量は、少なくとも
1.4モル%、好ましくは1.5〜55モル%、さらに
好ましくは3.0〜50モル%、最も好ましくは、1
5.0〜47モル%の範囲である。
【0020】好ましくは、例えば13000より大きい
重量平均分子量(Mw)を有するような高い分子量イン
ター重合体成分(c)が使用される。また、これら重合
体のメルトインデックス(ASTM D−1235 P
rocedure A.条件E)は125以下、好まし
くは0.01〜100、より好ましくは0.01〜2
5、最も好ましくは0.05〜8の範囲である。以下に
記述されるように、実質的にランダムなインター重合体
成分(c)を調製している間、ある量のアタクチック芳
香族モノビニリデン化合物ホモ重合体が、高濃度での芳
香族モノビニリデン化合物のホモ重合により、生成され
る。一般に、重合温度が高くなればなるほど、生成する
ホモ重合体の量は増大する。芳香族モノビニリデン化合
物ホモ重合体の存在は、一般に、本発明では有害ではな
く、許容できる。芳香族モノビニリデン化合物ホモ重合
体は、所望により、例えば好適な抽出剤、アセトンまた
はクロロホルムによる抽出により、成分(c)から分離
できる。本発明の目的のためには、成分(c)におい
て、成分(c)の重量に基づいて、20重量%以下、さ
らに好ましくは15重量%より少ない芳香族モノビニリ
デン化合物ホモ重合体が存在する。
【0021】実質的にランダムなインター重合体は、そ
れらの相溶化機能が実質的に影響されないならば、当業
者に周知の代表的なグラフト化、水素化、官能化または
他の反応によって変性できる。重合体は、確立された技
術に従って、容易にスルホン化または塩素化されて官能
化された誘導体とすることができる。疑似ランダムイン
ター重合体は、1990年7月3日に出願された米国特
許出願第545403号(ヨーロッパ特許公開第041
6815号に対応)に記述されている方法で製造でき
る。これらの重合反応において、より好ましい操作条件
は、大気圧から3000気圧までの圧力及び30〜20
0℃の温度である。
【0022】疑似ランダムインター重合体を製造するた
めの好適な触媒及び方法の例は、1990年7月3日に
出願された米国特許出願第545403号(ヨーロッパ
特許公開第0416815号)、1990年7月3日に
出願された米国特許出願第547718号(ヨーロッパ
特許公開第468651号)、1991年5月20日に
出願された米国特許出願第702475号(ヨーロッパ
特許公開第514828号)、1992年5月1日に出
願された米国特許出願第876268号(ヨーロッパ特
許公開第520732号)、1993年1月21日に出
願された米国特許出願第8003号、1993年3月1
9日に出願された米国特許出願第34434号、199
3年6月24日に出願された米国特許出願第82197
号、並びに米国特許出願第5055436、50574
75、5096867、5064802、513238
0及び5189192号の各明細書に開示されており、
これらの全ては、本発明の参考として引用される。
【0023】次に、本発明で用いる(d)成分のリン及
びリン化合物には、有機リン化合物、赤リン、無機リン
化合物などが挙げられる。上記有機リン化合物の例とし
ては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフィ
ン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム
塩、ホスフィン酸塩等が挙げられる。上記赤リンの例と
しては、一般の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜で被
覆処理されたもの、該金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よ
りなる被膜で被覆処理されたもの、該金属水酸化物の被
膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたも
のなども好適に用いることができる。
【0024】上記無機リン化合物の例としては、ポリリ
ン酸アンモニウムなどに代表される無機系リン酸塩など
が挙げられる。リン酸エステル系難燃剤としては、例え
ば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェ
ート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレ
ニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチ
ルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェー
ト、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェートなどの
リン酸エステルやこれらを各種置換基で置換した化合物
が挙げられる。本発明の組成物中における縮合リン酸エ
ステル系難燃剤は、一般式
【0025】
【化3】
【0026】(式中、nは1〜10の正数であり、Ar
1〜Ar4は各々独立に、フェニル基、トリル基または
キシリル基である。また、nが2以上の場合、複数ある
Ar4は各々同一でも異なってもよい。)で表され、難
燃効果及び耐熱性の観点から、特にR=A4の構造が好
ましい。これらは単独または2種類以上を併用して用い
ることができる。本発明のポリマー組成物は、上記した
(a)〜(d)成分を基本成分として構成される。
【0027】(a)成分のポリオレフィンの配合量は2
0〜60重量部、好ましくは20〜40重量部である。
この配合量が20重量部より少ないと耐衝撃性が不十分
となり、また60重量部より多いと、耐熱性が損なわ
れ、寸法安定性の低下を招く。 (b)成分のポリフェニレンエーテルの配合量は30〜
60重量部、好ましくは40〜60重量部である。この
配合量が、30重量部より少ないと、耐熱性が不十分で
ある。一方、60重量部より多いと、耐薬品性、耐油
性、成形加工性の低下を招く。
【0028】(c)成分のα−オレフィンと芳香族モノ
ビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマーの配合量
は5〜50重量部、好ましくは7〜40重量部、さらに
好ましくは10〜35重量部である。このコポリマー
は、本来相容性の低いポリオレフィンとポリフェニレン
エーテルとの間の混和剤の役割をするため、この配合量
が5重量部より少ないと、十分な混和剤としての機能が
発揮できない。従って、成型品に剥離現象が発生し、機
械特性や耐薬品性の低下、ポリマーアロイとしてのモル
フォロジーが不安定になる等の問題を生じる。一方、混
和剤は本来マトリクスとドメインあるいは2成分ポリマ
ー間の界面に存在すべきであるが、配合量が50重量部
より多くなると、混和剤としての疑似ランダムコポリマ
ーが主成分になってしまい、ポリオレフィン、ポリフェ
ニレンエーテル各々の本来の特性を十分発揮することが
できなくなる。
【0029】(d)成分のリン及びリン化合物の配合量
は、必要な難燃性のレベルに応じて決められるが、
(a)〜(c)成分の合計量100重量部に対して、1
〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、より好まし
くは7〜25重量部である。この配合量が1重量部より
少ないと十分な難燃性が得られない。また、40重量部
より多いと、機械特性、特に耐衝撃性が低下する。とこ
ろで、このα−オレフィンと芳香族モノビニリデン化合
物との疑似ランダムコポリマーは、芳香族モノビニリデ
ン化合物の含有割合を変えることにより硬質樹脂状から
軟質エラストマー状まで広範囲に変化することが知られ
ている。
【0030】また、ポリオレフィンとポリフェニレンエ
ーテルは本来相溶性がなく、単純に混ぜただけでは層剥
離が著しく実用に耐えないため、ポリオレフィンとポリ
フェニレンエーテルをポリマーアロイ化する混和剤とし
て、新たなα−オレフィンと芳香族モノビニリデン化合
物との疑似ランダムコポリマーが有用であることを見い
だした。さらに、リン系化合物を難燃剤として用いるこ
とで高度な耐衝撃性と難燃性を同時に有した優れた組成
物が得られる。
【0031】本発明では、上記の成分の他に、本発明の
特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の付
加的成分、例えば、芳香族モノビニリデン化合物−共役
ジエン化合物の水素添加ブロック共重合体、非水添の芳
香族モノビニリデン化合物−共役ジエン化合物のブロッ
ク共重合体、酸化防止剤、難燃剤(有機リン酸エステル
系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤
など)、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポ
キシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステ
ル類等)、難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフ
ィン用造核剤、スリップ剤、無機または有機の充填材や
強化材(ガラス繊維、カーボン繊維、ウィスカー、マイ
カ、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カル
シウム、チタン酸カリウム、ワラストナイト、導電性金
属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離
型剤等を添加してもよい。
【0032】本発明のポリマー組成物は、上記した各成
分を用いて種々の方法で製造することができる。例え
ば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラ
ベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による
加熱溶融混練方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を
用いた溶融混練方法が最も好ましい。その際の溶融混練
温度は特に限定されるものではないが、通常150〜3
50℃の範囲である。
【0033】このようにして得られる本発明のポリマー
組成物は、樹脂状乃至エラストマー状のポリマー組成物
となり、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成
形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として
成形できる。これら各種部品としては、例えば自動車部
品が挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダー、ド
アーパネル、各種モール、エンブレム、エンジンフー
ド、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エア
ロパーツ等の外装品や、インストゥルメントパネル、コ
ンソールボックス、トリム等の内装部品等に適してい
る。さらに、電気機器の内外装部品としても好適に使用
でき、具体的には各種コンピューターおよびその周辺機
器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスク
プレーヤー等のキャビネット、冷蔵庫等の部品用途に適
し、そしてさらには、各種ガスケット類、屈曲性チュー
ブ、ホース被覆、ウェザストリップ、屈曲性バンパー、
エアーインテークホース、クッションパネル等の部品用
途に適している。さらに、本発明で得られるポリマー組
成物は、耐衝撃性と難燃性に優れるため、特に電線・ケ
ーブル被覆材に好適である。
【0034】
【実施例】本発明を実施例によって、さらに詳細に説明
するが、これらの実施例により限定されるものではな
い。<参考例1:(a)成分のポリオレフィンの調整> 高密
度ポリエチレン(サンテック−HD S360;旭化成
工業社製)を(a−1、HDPE1)とし、高密度ポリ
エチレン(サンテック−HD J320;旭化成工業社
製)を(a−2、HDPE2)とし、低密度ポリエチレ
ン(サンテック−LD M1804;旭化成工業社製)
を(a−3、LDPE)とし、ポリプロピレン(ジェイ
アロマー MA510;日本ポリオレフィン社製)を
(a−4、PP)とした。
【0035】<参考例2:(b)成分のPPEの調整>
酸素吹き込み口を反応器底部に有し、内部に冷却コイ
ル、撹拌羽を有するステンレス製反応器内部を窒素で充
分置換した後、臭化第二銅53.6g、ジ−n−ブチル
アミン1110g、さらにトルエン20リットル、n−
ブタノール16リットル、メタノール4リットルの混合
溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解して反
応器に仕込んだ。撹拌しながら反応器内部に酸素を吹き
込み続け、180分間重合を行なった。なお、内温は4
0℃に維持するため、重合中冷却コイルに水を循環させ
た。重合終了後、析出したポリマーを濾別し、メタノー
ル/塩酸混合液を添加し、ポリマー中の残存触媒を分解
し、さらにメタノールを用いて充分洗浄した後乾燥し、
白色粉末状のPPE(還元粘度0.54)を得た。この
ポリマーを(b−1、PPE1)とする。さらに、用い
た触媒量を変えたほかは(b−1)を得た方法と同じ方
法で、還元粘度0.31のPPEを得た。このポリマー
を(b−2、PPE2)とする。
【0036】さらに、(b−1)100重量部に対し
て、無水マレイン酸1.5部および2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン1
部を配合し、330℃に設定したベントポート付き二軸
押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDE
RER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し、無水マレ
イン酸が0.98部付加した変性PPEを得た。このポ
リマーを(b−3、m−PPE)とする。
【0037】<参考例3:(第3級ブチルアミド)ジメ
チル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランチタンジクロライドの製造> (a):(クロロ)(ジメチル)(テトラメチルシクロ
ペンタジ−2,4−エニル)シラン −40℃に冷却したTHF150ml中の21.5g
(167mmol)のジメチルジクロロシラン溶液に、
THF80ml中の8.00g(55.6mmol)の
ナトリウム1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエナイドを徐々に加えた。反応混合物を室温に加温
し、一中夜攪拌した。溶媒を除去し、残渣をペンタンで
抽出して濾過した。ペンタンを減圧下で除去して生成物
を明黄色油として得た。収量は10.50g(83.0
%)であった。生成物をNMRを用いて分析し、その結
果は次のとおりである。 1H NMR(C6D6)δ2.89(s,1H)、
1.91(s,6H)、1.71(s,6H)、0.1
4(s,6H);13C NMR(C6D6)δ13
7.8,131.5,56.6,14.6,11.4,
0.81。
【0038】(b):(第3級ブチルアミノ)(ジメチ
ル)(テトラメチルシクロペンタジ−2,4−エニル)
シラン 20mlTHF中の11.07g(151mmol)の
t−ブチルアミンの溶液を、300mlTHF中の1
3.00g(60.5mmol)の(クロロ)(ジメチ
ル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランの溶
液に、5分かけて加えた。直ちに沈殿が生成した。スラ
リを3日間攪拌し、ついで溶媒を除去し、残渣をペンタ
ンで抽出して濾過した。収量は14.8g(97.2
%)であった。生成物をNMRを用いて分析し、その結
果は次のとおりである。 MS:251 1H NMR(C6D6)δ2.76(s,1H)、
2.01(s,6H)、1.84(s,6H)、1.0
9(s,9H)、0.10(s,6H);13C NM
R(C6D6)δ135.4,133.2,57.0,
49.3,33.8,15.0,11.2,1.30。
【0039】(C):ジリチウム(第3級ブチルアミ
ド)(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シラン 100mlエーテル中の3.000g(11.98mm
ol)の(第3級ブチルアミド)(ジメチル)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランの溶液に混合C6
アルカン溶媒中の2.6M(23.95mmol)ブチ
ルリチウム溶液9.21mlを徐々に加えた。この反応
混合物を一中夜攪拌し次いで濾過した。得られた固体を
エーテルで数回洗浄し、次いで減圧下で乾燥して生成物
を白色粉末として得た。収量は3.134g(99.8
%)であった。
【0040】(d):(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド 0.721g(11.98mmol)のTiCl4 を3
0mlの凍結(−196℃)THFに加えた。混合物を
−78℃に加温した(乾燥氷浴)。生成黄色溶液に、3
0mlTHF中の1.000g(3.80mmol)の
ジリチウム(第3級ブチルアミド)(ジメチル)(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)シランの溶液を加え
た。一夜攪拌しながら溶液を室温に加温した。生成する
非常に暗色の溶液から溶媒を除去した。残渣をペンタン
で抽出して濾過した。凍結器中での冷却により淡黄緑色
結晶固体から非常に可溶性の暗い赤褐色物質を分離し
た。固体を濾過し、ペンタンから再結晶させてオリーブ
色緑色生成物を得た。収量は0.143g(10.2
%)であった。生成物をNMRを用いて分析し、その結
果は次のとおりである。 1H NMR(C6D6)δ2.00(s,6H)、
1.99(s,6H)、1.42(s,9H)、0.4
3(s,6H);13C NMR(C6D6)δ14
0.6,137.9,104.0,62.1,32.
7,16.1,13.0,5.40。
【0041】<参考例4:(c)成分のエチレン−スチ
レン疑似ランダムコポリマー(ES1と略記する)の調
製>トルエン中メチルアルミノキサン(MAO)の10
%溶液1.65mlを45mlのトルエンと50mlの
スチレンとの溶液とステンレス性ショットタンクの中で
混合することによってスチレン/エチレン混合物の重合
を行った。(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジク
ロライドの0.010M溶液250μlを第2ショット
タンク中のトルエン25mlに加えた。両方のショット
タンクを密封しグローブボックスから除き、そして60
0mlのステンレス鋼圧力容器に取り付けた。この圧力
容器を真空にし、アルゴンでパージした。
【0042】スチレン/トルエン/MAO溶液を圧力容
器に加え、攪拌しながら620kPa(90psig)
のエチレンのもとで89℃に加温した。この時点で触媒
溶液を加え、圧力を1271kPa(185psig)
に増大させ1240〜1275kPa(180〜185
psig)の間に調節した。発熱反応により温度は95
℃に上昇した。温度を90℃に下げ、次いで反応の残余
の間90〜92℃に調節した。1.0時間後にエチレン
の供給を停止した。反応物を大気圧に排気し、30℃に
冷却し、この時点でメタノールを加えた。生成物を集
め、メタノールで洗浄し、そして残存溶媒を減圧下に1
20℃で除去した。9.02gの物質が得られた。この
物質の13C−NMR分析はこの物質がポリスチレンに
起因するピークのないスチレン(モル基準で15.2
%、重量基準で40重量%)とエチレンとのランダムコ
ポリマーであることを示した。このポリマーを(c−
1、ES1)とした。
【0043】<参考例5:(c)成分のエチレン−スチ
レン疑似ランダムコポリマー(ES2と略記する)の調
製>基本的には上記製造例の重合法に従った。ただし、
反応温度は90℃とした。150mlの混合アルカン溶
媒、500mlのスチレン及び8mlの15%MAOト
ルエン溶液(1000Al/Ti)を充填した。反応器
を1240kPa(180psig)のエチレンで飽和
させ、20μモルの[(C5 Me4 )SiMe2 (N−
フェニル)]TiCl2 を加えて重合を始めた。エチレ
ンを1240kPa(180psig)の要求量で与え
た。60分後に溶液反応器からの少量の酸化防止剤を含
む溶液に排出させた。ポリマーを真空中で乾燥した。ポ
リマー収量は26.6gであった。メルトインデックス
(I2 )=26.6、13C−NMR分析はポリマーが
46モル%(76重量%)のスチレンを持つことを示
し、エチレンとのランダムコポリマーであることを示し
た。このポリマーを(c−2、ES2)とした。
【0044】<参考例6:ブロック共重合体の調整(S
EBS1と略記する)>ポリスチレン−水素添加された
ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック構造を有し、
ポリブタジエンブロックが60重量%、ポリスチレンブ
ロックが40重量%、数平均分子量108,000、分
子量分布1.08、水素添加前のポリブタジエンの1,
2−ビニル結合量が38%で、水素添加率が99.5%
のブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−
3、SEBS1)とした。
【0045】<参考例7:ブロック共重合体の調整(S
EBS2と略記する)>ポリスチレン−水素添加された
ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック構造を有し、
ポリブタジエンブロックが30重量%、ポリスチレンブ
ロックが70重量%、数平均分子量133,000、分
子量分布1.05、水素添加前のポリブタジエンの1,
2−ビニル結合量が36%で、水素添加率が99.1%
のブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−
4、SEBS2)とした。<参考例8:難燃剤の調整> 2,2−ビス−{4−〔ビ
ス(メチルフェノキシ)ホスフォリルオキシ〕フェニ
ル}プロパン(CR−747;大八化学社製)を(d−
1、難燃剤1)とした。2,2−ビス−{4−〔ビス
(フェノキシ)ホスフォリルオキシ〕フェニル}プロパ
ン(CR−741;大八化学社製)を(d−2、難燃剤
2)とした。
【0046】(実施例1〜6および比較例1〜4)ポリ
オレフィン(a−1〜4)、ポリフェニレンエーテル
(b−1〜3)、エチレンとスチレンの疑似ランダムコ
ポリマー(c−1〜2)、水添ブロック共重合体(c−
3〜4)、リン系難燃剤(d−1〜2)を表1に示した
組成で配合し、280℃に設定したベントポート付き二
軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEID
ERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練しペレット
を得た。
【0047】上記で得られたペレットを用い、各組成物
の物性を以下の方法に従って評価した。 (1)層剥離の有無 射出成形機〔オートショット50D(ファナック社
製)〕を用いて、金型温度40〜70℃、シリンダー設
定温度250〜270℃で、ASTM−D638に準拠
した試験片に成形し、万能試験機〔オートグラフ500
0(島津製作所製)〕を用いて、引張速度30mm/分
の速度で引っ張り、破断させ、破断面を観察し、破断面
が層状に剥離しているか否かを判断した。
【0048】(2)耐衝撃性 上記(1)と同様に射出成形機を用いて、アイゾット衝
撃試験用試験片を成形し、アイゾット(ノッチ付き)衝
撃強度(ASTM−D256:23℃)を測定した。 (3)難燃性 熱プレス(設定温度:260℃)により、フィルム(厚
み:0.1mm)を成形し、0.1mm×3mm×20
0mmにきりとり、上端をクランプで固定し、垂直にぶ
らさげ、下端にガスバーナーで3秒間接炎した後、炎を
取り去り、自己消火性の有無を観察した。n=5で実施
し、全て自己消火性があるものを○、全て全焼するもの
を×とし、自己消火性を示すものと全焼したものとが混
在した場合は、△とした。これらの結果を表1に示し
た。
【0049】
【表1】
【0050】これらの結果より、従来の水添ブロック共
重合体のみの場合(比較例)、層剥離が認められ、自己
消火性も不安定で、安定した難燃レベルが得られないの
に対し、ポリオレフィンとポリフェニレンエーテルの混
和剤として、エチレンとスチレンの疑似ランダムコポリ
マーを用いた組成物(実施例)は層剥離が無く、耐衝撃
性と難燃性のバランスに優れたものである。
【0051】
【発明の効果】本発明のポリマー組成物は、ポリオレフ
ィンとポリフェニレンエーテルのコンパティビライザー
として、エテレンとスチレンとの疑似ランダムコポリマ
ーを用いることで、従来の水添ブロック共重合体に比
べ、大きく相溶化効果が改良された。従来技術では困難
であったポリオレフィンとポリフェニレンエーテルを含
むポリマー組成物の層剥離現象が改良され、それに伴い
リン系難燃剤添加による難燃効果も大きく改良すること
ができた。よって、耐衝撃性と難燃性に優れたポリマー
組成物がもたらされ、好適な電線・ケーブル被覆材がも
たらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 71/12 C08L 71/12 H01B 3/42 H01B 3/42 G 3/44 3/44 F 7/34 7/34 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリオレフィン:20〜60重量
    部、(b)ポリフェニレンエーテル:30〜60重量
    部、(c)α−オレフィンと芳香族モノビニリデン化合
    物との疑似ランダムコポリマー:5〜50重量部、
    (d)リン及びリン化合物:(a)〜(c)成分の合計
    量100重量部に対して、1〜40重量部、からなるこ
    とを特徴とするポリマー組成物。
  2. 【請求項2】(c)コポリマーが、98.6〜53モル
    %のエチレン及び1.4〜47モル%のスチレンを含む
    エチレンとスチレンの疑似ランダムコポリマーであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリマー組成物。
  3. 【請求項3】(a)ポリオレフィンがポリエチレンであ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリマー組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー
    組成物からなる電線・ケーブル被覆材。
JP9370523A 1997-12-25 1997-12-25 難燃性ポリマー組成物及び電線・ケーブル被覆材 Pending JPH11189686A (ja)

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