JPH11199716A - 耐衝撃性に優れたポリマー組成物及び電線・ケーブル被覆材 - Google Patents

耐衝撃性に優れたポリマー組成物及び電線・ケーブル被覆材

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JPH11199716A
JPH11199716A JP10013526A JP1352698A JPH11199716A JP H11199716 A JPH11199716 A JP H11199716A JP 10013526 A JP10013526 A JP 10013526A JP 1352698 A JP1352698 A JP 1352698A JP H11199716 A JPH11199716 A JP H11199716A
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compound
polyolefin
copolymer
polymer composition
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JP10013526A
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Hiroshi Kamo
弘 加茂
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混和性が大きく改良され、耐衝撃性と剛性の
バランスに優れたポリオレフイン/ポリフエニレンエー
テル系ポリマー組成物と該組成物からなる電線・ケーブ
ル被覆材を提供すること 【解決手段】 (a)ポリオレフィンの20〜60重量
部と、(b)ポリフェニレンエーテルの30〜60重量
部と、(c)αオレフィンと芳香族モノビニリデン化合
物との疑似ランダムコポリマーと、(d)ビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加
物とからなり、且つ該(c)成分+(d)成分の合計量
が5〜50重量部であることを特徴とするポリマー組成
物及び該組成物からなる電線・ケーブル被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐油性、耐薬品
性、耐熱性、耐衝撃性に優れ、電気・電子分野、自動車
分野、その他の各種工業材料分野で利用できる樹脂状〜
エラストマー状のポリマー組成物及び該組成物からなる
電線・ケーブル被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは、機械的特
性、電気特性、耐熱性、低温特性、吸水性が低くかつ寸
法安定性に優れるものの、成形加工性や耐衝撃性に劣る
欠点を有するため、ポリスチレン、ハイインパクトポリ
スチレンとブレンドすることによりこれらの問題点を改
良し、例えば電気・電子部品、事務機器ハウジング、自
動車部品、精密部品、各種工業部品などの樹脂組成物と
して広く利用されている。しかしながら、このポリフェ
ニレンエーテルとハイインパクトポリスチレンからなる
古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成物(米国特許
第3383435号明細書に開示されている)は、耐衝
撃性が改善されるものの、耐薬品性に劣る欠点を有して
いる。
【0003】このため、例えば、米国特許第33618
51号公報明細書では、ポリフェニレンエーテルをポリ
オレフィンとブレンドすることにより、耐溶剤性、耐衝
撃性を改良する提案がなされ、米国特許第399485
6号明細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフ
ェニレンエーテルおよびスチレン系樹脂を水添ブロック
共重合体とブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性
の改良に関する記載があり、米国特許第4145377
号明細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェ
ニレンエーテルおよびスチレン系樹脂をポリオレフィン
/水添ブロック共重合体=20〜80重量部/80〜2
0重量部からなる予備混合物および水添ブロック共重合
体とブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良
に関する記載があり、さらに米国特許第4166055
号明細書および米国特許第4239673号明細書に
は、ポリフェニレンエーテルを水添ブロック共重合体お
よびポリオレフィンとブレンドすることによる耐衝撃性
の改良が記載されている。そして米国特許第43830
82号明細書およびヨーロッパ公開特許第115712
号明細書ではポリフェニレンエーテルをポリオレフィン
および水添ブロック共重合体とブレンドすることにより
耐衝撃性を改良するという記載がなされている。
【0004】また、特開昭63−113058号公報お
よび特開昭63−225642号公報ならびに米国特許
第4863997号明細書には、ポリオレフィン樹脂と
ポリフェニレンエーテル樹脂からなる樹脂組成物の改質
に特定の水添ブロック共重合体を配合し、耐薬品性、加
工性に優れた樹脂組成物が提案されている。また、特開
昭62−20551号公報、特開昭62−25149号
公報、特開昭62−48757号公報、特開昭62−4
8758号公報、特開昭62−199637号公報なら
びに米国特許第4772657号明細書には、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリオレフィンおよび水添ブロック共
重合体からなるゴム弾性に優れたゴム組成物を提案し、
また、特開平2−225563号公報ではポリフェニレ
ンエーテルとポリオレフィンおよび特定の水添ブロック
共重合体からなる相溶性、剛性と耐熱性に優れ、耐溶剤
性に優れた樹脂組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ここで
開示されている先行技術は、古典的なポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物と比べると飛躍的に耐溶剤性が改良さ
れた樹脂組成物を与えたり耐熱性に優れたゴム状弾性体
の組成物を与えるものの、特に、ポリオレフィン成分を
多く含む組成物においてはポリフェニレンエーテルとポ
リオレフィンとの相溶性が不十分であり層剥離現象が著
しく起こるのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、ポリオレフィンとポリフェニレンエーテ
ルを含む組成物に高いレベルの混和性を付与させるた
め、混和剤として用いる共重合体に関して鋭意検討を重
ねた。その結果、新規なαオレフィンと芳香族モノビニ
リデン化合物との疑似ランダムコポリマーと、水添ブロ
ック共重合体(ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物
ブロック共重合体の水素添加物)とを組み合わせて、混
和剤として用いると、ポリオレフィンとポリフェニレン
エーテルを含む組成物の混和性が大きく改良され、耐衝
撃性、剛性、耐熱性に優れた樹脂組成物および耐熱性に
優れたゴム状弾性体組成物をもたらすことを見いだし
た。
【0007】すなわち、本発明は、(a)ポリオレフィ
ンの20〜60重量部と、(b)ポリフェニレンエーテ
ルの30〜60重量部と、(c)αオレフィンと芳香族
モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマーと、
(d)ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体の水素添加物とからなり、且つ該(c)成分+
(d)成分の合計量が5〜50重量部であることを特徴
とするポリマー組成物及び該組成物からなる電線・ケー
ブル被覆材を提供するものである。さらに、上記(c)
コポリマーが、98.6〜53モル%のエチレン及び
1.4〜47モル%のスチレンを含むエチレンとスチレ
ンの疑似ランダムコポリマーであることを特徴とするポ
リマー組成物及び該組成物からなる電線・ケーブル被覆
材を提供するものである。そしてさらには、上記(a)
ポリオレフィンがポリエチレンであることを特徴とする
ポリマー組成物及び該組成物からなる電線・ケーブル被
覆材を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0008】本発明で(a)成分として用いるポリオレ
フィンは、通常の成形材料として用いられる数平均分子
量が30000以上のポリオレフィンであり、例えば、
アイソタクチックポリプロピレン、超高分子量アイソタ
クチックポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペン
テン)、ポリブテン−1、高密度ポリエチレン、超高分
子量高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、密度0.90未満の超低密度ポリエ
チレンや、エチレン、プロピレン、他のα−オレフィ
ン、不飽和カルボン酸またはその誘導体の中から選ばれ
る2種以上の化合物の共重合体、例えばエチレン/ブテ
ン−1共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
プロピレン/エチレン(ランダム、ブロック)共重合
体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体、プロピレン/
4−メチル−1−ペンテン共重合体等を挙げることがで
きる。これらのポリオレフィンは1種のみならず2種以
上を併用することができる。これらポリオレフィンのう
ち、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン/エ
チレンブロック共重合体、プロピレン/エチレンランダ
ム共重合体およびポリエチレンが好ましい。さらには、
ポリエチレンがより好ましい。
【0009】また、本発明で用いるポリオレフィンは、
上記したポリオレフィンのほかに、該ポリオレフィンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカ
ル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態で3
0〜350℃の温度下で反応させることによって得られ
る公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその
誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)ポ
リオレフィンであってもよく、さらに上記したポリオレ
フィンと該変性ポリオレフィンの任意の割合の混合物で
あってもかまわない。
【0010】つぎに本発明で用いる(b)成分のポリフ
ェニレンエーテル(以下、単にPPEと略記)は、本発
明のポリマー組成物に耐熱性および難燃性を付与するう
えで必須な成分である。該PPEとは、次に示す一般式
(1)、
【0011】
【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は炭素1
〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素等の一
価の残基であり、R5 ,R6 は同時に水素ではない)を
繰り返し単位とし、構成単位が一般式(1)の〔a〕ま
たは〔b〕からなる単独重合体、あるいは共重合体が使
用できる。このPPEの具体的な例としては、例えばポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さら
に2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例
えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル
−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフ
ェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、
2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。
【0012】かかるPPEの製造方法は公知の方法で得
られるものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、米国特許第3306874号記載のHayによる第
一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例
えば2,6−キシレノールを酸化重合することにより容
易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875
号、同第3257357号および同第3257358
号、特公昭52−17880号および特開昭50−51
197号および同63−152628号等に記載された
方法で容易に製造できる。
【0013】また、本発明で用いるPPEは、上記した
PPEのほかに、該PPEとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在
下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350
℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変
性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が
0.01〜10重量%グラフトまたは付加)PPEであ
ってもよく、さらに上記したPPEと該変性PPEの任
意の割合の混合物であってもかまわない。
【0014】そしてさらに、9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナントレンをPPE10
0重量部に対し 0.2〜5重量部添加し溶融混練した
リン化合物処理PPEも色調および流動性に優れたPP
Eとして用いることができる。また、本発明で用いるP
PEは上記したPPEのほかに、これらPPE100重
量部に対してポリスチレンまたはハイインパクトポリス
チレンを100重量部を超えない範囲で加えたものも好
適に用いることができる。
【0015】本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹
脂の分子量としては、数平均分子量で1,000〜10
0,000である。その好ましい範囲は、約6,000
〜60,000のものである。本発明中の数平均分子量
とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
り、標準ポリスチレンの検量線を用いて求めたポリスチ
レン換算の数平均分子量である。
【0016】本発明で用いる(c)αオレフィンと芳香
族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマー
は、脂肪族αオレフィン及び芳香族モノビニリデン化合
物からなる実質的にランダムなインター重合体である。
脂肪族αオレフィンは、2−18個の炭素原子を有する
脂肪族及びシクロ脂肪族αオレフィン、そして好ましく
は2−8個の炭素原子を有するαオレフィンを含む。最
も好ましくは、脂肪族αオレフィンは、エチレンまたは
プロピレン、好ましくはエチレン、そして任意に3−8
個の炭素原子を有する1種以上のαオレフィンと一緒の
もの、例えばエチレン及びプロピレン、またはエチレン
及びオクテン、またはエチレン及びプロピレン及びオク
テンからなる。芳香族モノビニリデン化合物は、以下の
式により表される化合物である。
【0017】
【化2】 (ただし、R1 は水素及び3個以下の炭素を含むアルキ
ル基からなる置換基群から選ばれ、そしてArはフェニ
ル基、またはハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4
ハロアルキルからなる群から選ばれる1−5個の置換基
により置換されているフェニル基である。) 好適な例は、スチレン及びその低級アルキル−またはハ
ロゲン−置換誘導体を含む。好ましい例は、スチレン、
α−メチルスチレン、スチレンの低級アルキル−または
フェニル置換誘導体例えば、オルト−、メタ−及びパラ
−メチルスチレン、またはこれらの混合物、並びに環ハ
ロゲン化スチレンを含む。より好ましい芳香族モノビニ
リデン化合物は、スチレンである。
【0018】本発明で有用な(c)成分は、好ましく
は、脂肪族αオレフィン及び芳香族モノビニリデン化合
物からなる疑似(pseudo)ランダム鎖状または実
質的に鎖状、より好ましくは鎖状のインター重合体であ
る。これらの疑似ランダム鎖状インター重合体は、19
90年7月3日に出願された米国特許出願第54540
3号(ヨーロッパ特許公開第0416815号に対応)
に記述されている。(c)成分中に配合される芳香族モ
ノビニリデン化合物そして好ましくは疑似ランダム鎖状
インター重合体から由来する単位の芳香族モノビニリデ
ン化合物含量は、好ましくは、少なくとも1.0モル
%、さらに好ましくは1.5〜55モル%、非常に好ま
しくは3.0〜50モル%、そして最も好ましくは、1
5.0〜47モル%である。
【0019】好ましくは、例えば13000より大きい
Mwを有するような高い分子量インター重合体成分
(c)が使用される。また好ましくは、これら重合体
は、125より低い、さらに好ましくは0.01〜10
0、よりさらに好ましくは0.01〜25そして最も好
ましくは0.05〜8のメルトインデックス(ASTM
D−1235 Procedure A.条件E)を
有する。
【0020】以下に記述されるように、実質的にランダ
ムなインター重合体成分(c)を調製している間、ある
量のアタクチック芳香族モノビニリデン化合物ホモ重合
体が、高濃度での芳香族モノビニリデン化合物のホモ重
合により、生成される。一般に、重合温度が高くなれば
なるほど、生成するホモ重合体の量は増大する。芳香族
モノビニリデン化合物ホモ重合体の存在は、一般に、本
発明の目的にとり、有害ではなく、許容できるものであ
る。芳香族モノビニリデン化合物ホモ重合体は、所望に
より、例えば好適な抽出剤、アセトンまたはクロロホル
ムによる抽出により、成分(c)から分離できる。本発
明の目的達成のためには、成分(c)において、成分
(c)の重量に基づいて、20重量%以下、さらに好ま
しくは15重量%より少ない芳香族モノビニリデン化合
物ホモ重合体が存在する。
【0021】実質的にランダムなインター重合体は、そ
れらの相溶化機能が実質的に影響されないならば、当業
者に周知の代表的なグラフト化、水素化、官能化または
他の反応によって変性できる。重合体は、確立された技
術に従って、容易にスルホン化または塩素化されて官能
化された誘導体をもたらすことができる。疑似ランダム
インター重合体は、、1990年7月3日に出願された
米国特許出願第545403号(ヨーロッパ特許公開第
0416815号に対応)に記述されているような方法
により製造できる。これらの重合反応において、より好
ましい操作条件は、大気圧から3000気圧までの圧力
及び30〜200℃の温度である。
【0022】疑似ランダムインター重合体を製造するた
めの好適な触媒及び方法の例は、1990年7月3日に
出願された米国特許出願第545403号(ヨーロッパ
特許公開第0416815号)、1990年7月3日に
出願された米国特許出願第547718号(ヨーロッパ
特許公開第468651号)、1991年5月20日に
出願された米国特許出願第702475号(ヨーロッパ
特許公開第514828号)、1992年5月1日に出
願された米国特許出願第876268号(ヨーロッパ特
許公開第520732号)、1993年1月21日に出
願された米国特許出願第8003号、1993年3月1
9日に出願された米国特許出願第34434号、199
3年6月24日に出願された米国特許出願第82197
号、並びに米国特許出願第5055436、50574
75、5096867、5064802、513238
0及び5189192号の明細書に開示されており、こ
れらの特許及び出願の全ては、本発明の参考例として引
用される。
【0023】つぎに本発明で(d)成分として用いるビ
ニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体と略記す
る)は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であ
り、例えばA−B、A−B−A、B−A−B−A、(A
−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構造を有す
るビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体の水素添加物である。この(d)成分の水添ブロッ
ク共重合体は、その水素添加する前のブロック共重合体
が結合したビニル芳香族化合物を15重量%を超え〜9
5重量%、好ましくは30〜80重量%含み、またブロ
ック構造に言及すると、ビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAが、ビニル芳香族化合物のホモ重合
体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物を50重量%を
超え好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化
合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックの構造を
有しており、そしてさらに、共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックが、共役ジエン化合物のホモ重合体
ブロックまたは、共役ジエン化合物を50重量%を超え
好ましくは70重量%以上含有する共役ジエン化合物と
ビニル芳香族化合物との共重合体ブロックの構造を有す
るものである。
【0024】また、これらのビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにお
ける分子鎖中の共役ジエン化合物またはビニル芳香族化
合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモ
ノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック
状またはこれらの任意の組み合わせで成っていてもよ
く、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
および該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
がそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそ
れぞれ同一構造であってもよく、異なる構造であっても
よい。
【0025】このブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以
上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役
ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み
合わせが好ましい。そして、共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構
造を任意に選ぶことができ、例えば、ブタジエンを主体
とする重合体ブロックにおいては、1,2−ビニル結合
が2〜60%、好ましくは8〜40%である。
【0026】また、上記の構造を有するブロック共重合
体の数平均分子量は5,000〜1,000,000、
好ましくは10,000〜800,000、さらに好ま
しくは30,000〜500,000の範囲であり、分
子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比〕は10以下である。さらに、このブロック共
重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいは
これらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。こ
のような構造を持つブロック共重合体は、上記したブロ
ック共重合体の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックBの脂肪族系二重結合を水素添加した水添ブロッ
ク共重合体(ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体の水素添加物)として本発明の(d)成
分として用いることができる。かかる脂肪族系二重結合
の水素添加率は少なくとも50%を超え、好ましくは8
0%以上、さらに好ましくは95%以上である。
【0027】これらの上記した(d)成分の水添ブロッ
ク共重合体は、上記した構造を有するものであればどの
ような製造方法で得られるものであってもかまわない。
公知の製造方法の例としては、例えば、特開昭47−1
1486号公報、特開昭49−66743号公報、特開
昭50−75651号公報、特開昭54−126255
号公報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−
62847号公報、特開昭56−100840号公報、
英国特許第1130770号および米国特許第3281
383号および同第3639517号明細書に記載され
た方法や英国特許第1020720号および米国特許第
3333024号および同第4501857号明細書に
記載された方法がある。
【0028】また、本発明で用いる(d)成分の水添ブ
ロック共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほ
かに、該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非
存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜3
50℃の温度下で反応させることによって得られる公知
の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)水添ブロ
ック共重合体であってもよく、さらに上記した水添ブロ
ック共重合体と該変性水添ブロック共重合体の任意の割
合の混合物であってもよい。
【0029】本発明のポリマー組成物は、上記した
(a)〜(d)成分を基本成分として構成される。
(a)成分のポリオレフィンの配合量は20〜60重量
部、好ましくは20〜40重量部である。この配合量が
20重量部より少ないと、耐衝撃性が不十分となる。ま
た60重量部より多いと、耐熱性が損なわれ、寸法安定
性の低下を招く。(b)成分のポリフェニレンエーテル
の配合量は30〜60重量部、好ましくは40〜60重
量部である。この配合量が、30重量部より少ないと、
耐熱性が不十分である。一方、60重量部より多いと、
耐薬品性、耐油性、成形加工性の低下を招く。(c)成
分のαオレフィンと芳香族モノビニリデン化合物との疑
似ランダムコポリマー及び(d)成分のビニル芳香族化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物
の合計量の配合量は5〜50重量部、好ましくは7〜4
0重量部、さらに好ましくは10〜35重量部である。
この2成分の合計量は、従来相容性が低いと言われてき
たポリオレフィンとポリフェニレンエーテルとの間の混
和剤の役割をするため、この配合量が5重量部より少な
いと、十分な混和剤としての機能が発揮できない。従っ
て、成型品の剥離現象が発生し、耐衝撃性の低下、機械
特性や耐薬品性の低下、ポリマーアロイとしてのモルフ
ォロジーが不安定になる等の問題を生じる。またこの配
合量が50重量部より多いと、耐衝撃性は十分であるも
のの、剛性(曲げ弾性率など)の低下を招く。
【0030】また、(c)成分と(d)成分の2成分は
必須成分である。この2成分の配合量の重量比率、すな
わち[(c)成分の配合量/(d)成分の配合量]は、
1/99〜99/1が好ましく、さらに好ましくは10
/90〜90/10、さらに好ましくは30/70〜7
0/30である。この2成分の配合量の重量比率、すな
わち[(c)成分の配合量/(d)成分の配合量]が1
/99より小さいと、ポリオレフィンとポリフェニレン
エーテル間のコンパティビライザーとしての効果の高い
(c)成分の割合が小さくなってしまい、層剥離の原因
となる。また、99/1より大きいと、マトリクス(連
続相)中に存在するゴムドメインとしての役割を果たす
効果の高い(d)成分の割合が小さくなってしまい、耐
衝撃性向上が不十分になる。従って、各々2成分が、コ
ンパティビライザーとしての機能と耐衝撃性を向上でき
るゴムドメインとしての機能を効率よく作用できるた
め、この2成分は必須となり、その結果、優れた耐衝撃
性と剛性のバランスを得ることができる。
【0031】本発明では、上記の成分の他に、本発明の
特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の付
加的成分、例えば、非水添の芳香族モノビニリデン化合
物−共役ジエン化合物のブロック共重合体、酸化防止
剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、無機リン系
化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤など)、可塑剤(オイ
ル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエ
チレングリコール、脂肪酸エステル類等)、難燃助剤、
耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリッ
プ剤、無機または有機の充填材や強化材(ガラス繊維、
カーボン繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボン
ブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリ
ウム、ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボ
ンブラック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもか
まわない。
【0032】本発明のポリマー組成物は、上記した各成
分を用いて種々の方法で製造することができる。例え
ば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラ
ベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による
加熱溶融混練方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を
用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練
温度は特に限定されるものではないが、通常150〜3
50℃の中から任意に選ぶことができる。
【0033】このようにして得られる本発明のポリマー
組成物は、樹脂状〜エラストマー状のポリマー組成物と
なり、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、
押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形
できる。これら各種部品としては、例えば自動車部品が
挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダー、ドアー
パネル、各種モール、エンブレム、エンジンフード、ホ
イールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパー
ツ等の外装品や、インストゥルメントパネル、コンソー
ルボックス、トリム等の内装部品等に適している。さら
に、電気機器の内外装部品としても好適に使用でき、具
体的には各種コンピューターおよびその周辺機器、その
他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤ
ー等のキャビネット、冷蔵庫等の部品用途に適し、そし
てさらには、各種ガスケット類、屈曲性チューブ、ホー
ス被覆、ウェザストリップ、屈曲性バンパー、エアーイ
ンテークホース、クッションパネル等の部品用途に適し
ている。さらに、本発明で得られるポリマー組成物は、
電線・ケーブル被覆材に好適である。
【0034】
【実施例】本発明を実施例によって、さらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。<参考例1:(a)成分のポリオレフィンの調整> 高密
度ポリエチレン(サンテック−HD S360;旭化成
工業社製)を(a−1、HDPE1)とし、高密度ポリ
エチレン(サンテック−HD J320;旭化成工業社
製)を(a−2、HDPE2)とし、低密度ポリエチレ
ン(サンテック−LD M1804;旭化成工業社製)
を(a−3、LDPE)とした。
【0035】<参考例2:(b)成分のPPEの調整>
酸素吹き込み口を反応器底部に有し、内部に冷却コイ
ル、撹拌羽を有するステンレス製反応器内部を窒素で充
分置換した後、臭化第2銅53.6g、ジ−n−ブチル
アミン1110g、さらにトルエン20リットル、n−
ブタノール16リットル、メタノール4リットルの混合
溶媒に2,6−キシレノール8.75Kgを溶解して反
応器に仕込んだ。撹拌しながら反応器内部に酸素を吹き
込み続け、180分間重合を行なった。なお、内温は4
0℃に維持するため、重合中冷却コイルに水を循環させ
た。重合終了後、析出したポリマーを濾別し、メタノー
ル/塩酸混合液を添加し、ポリマー中の残存触媒を分解
し、さらにメタノールを用いて充分洗浄した後乾燥し、
白色粉末状のPPE(還元粘度0.54)を得た。この
ポリマーを(b−1、PPE1)とする。さらに、用い
た触媒量を変えたほかは(b−1)を得た方法と同じ方
法で、還元粘度0.31のPPEを得た。このポリマー
を(b−2、PPE2)とする。
【0036】<参考例3: (第3級ブチルアミド)ジ
メチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)
シランチタンジクロライドの製造> (a)(クロロ)(ジメチル)(テトラメチルシクロペ
ンタジ−2,4−エニル)シラン −40℃に冷却したTHF150ml中の21.5g
(167mmol)のジメチルジクロロシラン溶液に、
THF80ml中の8.00g(55.6mmol)の
ナトリウム1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエナイドを徐々に加えた。反応混合物を室温に加温
し、一夜攪拌した。溶媒を除去し、残渣をペンタンで抽
出して濾過した。ペンタンを減圧下で除去して生成物を
明黄色油として得た。収量は10.50g(83.0
%)であった。 1H NMR(C6D6)δ2.89(s,1H)、
1.91(s,6H)、1.71(s,6H)、0.1
4(s,6H); 13C NMR(C6D6)δ137.8,131.
5,56.6,14.6,11.4,0.81。
【0037】(b)(第3級ブチルアミノ)(ジメチ
ル)(テトラメチルシクロペンタジ−2,4−エニル)
シラン 20mlTHF中の11.07g(151mmol)の
t−ブチルアミンの溶液を、300mlTHF中の1
3.00g(60.5mmol)の(クロロ)(ジメチ
ル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランの溶
液に、5分かけて加えた。直ちに沈殿が生成した。スラ
リを3日間攪拌し、ついで溶媒を除去し、残渣をペンタ
ンで抽出して濾過した。収量は14.8g(97.2
%)であった。 MS:251 1H NMR(C6D6)δ2.76(s,1H)、
2.01(s,6H)、1.84(s,6H)、1.0
9(s,9H)、0.10(s,6H); 13C NMR(C6D6)δ135.4,133.
2,57.0,49.3,33.8,15.0,11.
2,1.30。
【0038】(C)ジリチウム(第3級ブチルアミド)
(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シ
ラン 100mlエーテル中の3.000g(11.98mm
ol)の(第3級ブチルアミド)(ジメチル)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランの溶液に混合C6
アルカン溶媒中の2.6M(23.95mmol)ブチ
ルリチウム溶液9.21mlを徐々に加えた。この反応
混合物を一夜攪拌し次いで濾過した。固体をエーテルで
数回洗浄し、次いで減圧下で乾燥して生成物を白色粉末
として得た。収量は3.134g(99.8%)であっ
た。
【0039】(d)(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド 0.721g(11.98mmol)のTiCl4を3
0mlの凍結(−196℃)THFに加えた。混合物を
−78℃に加温した(乾燥氷浴)。生成黄色溶液に、3
0mlTHF中の1.000g(3.80mmol)の
ジリチウム(第3級ブチルアミド)(ジメチル)(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)シランの溶液を加え
た。一夜攪拌しながら溶液を室温に加温した。生成する
非常に暗色の溶液から溶媒を除去した。残渣をペンタン
で抽出して濾過した。凍結器中での冷却により淡黄緑色
結晶固体から非常に可溶性の暗い赤褐色物質を分離し
た。固体を濾過し、ペンタンから再結晶させてオリーブ
色緑色生成物を得た。収量は0.143g(10.2
%)であった。 1H NMR(C6D6)δ2.00(s,6H)、
1.99(s,6H)、1.42(s,9H)、0.4
3(s,6H); 13C NMR(C6D6)δ140.6,137.
9,104.0,62.1,32.7,16.1,1
3.0,5.40。
【0040】<参考例4:(c)成分のエチレン−スチ
レン疑似ランダムコポリマー(ES1と略記する)の調
製>トルエン中MAO(メチルアルミノキサン)の10
%溶液1.65mlを45mlのトルエンと50mlの
スチレンとの溶液とステンレス性ショットタンクの中で
混合することによってスチレン/エチレン混合物の重合
を行った。(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジク
ロライドの0.010M溶液250μlを第2ショット
タンク中のトルエン25mlに加えた。両方のショット
タンクを密封しグローブボックスから除き、そして60
0mlのステンレス鋼圧力容器に取り付けた。この圧力
容器を真空にし、アルゴンでパージした。
【0041】スチレン/トルエン/MAO溶液を圧力容
器に加え、攪拌しながら620kPa(90psig)
のエチレンのもとで89℃に加温した。この時点で触媒
溶液を加え、圧力を1271kPa(185psig)
に増大させ1240〜1275kpa(180〜185
psig)の間に調節した。発熱反応により温度は95
℃に上昇した。温度を90℃に下げ、次いで反応の残余
の間90〜92℃に調節した。1.0時間後にエチレン
の供給を停止した。反応物を大気圧に排気し、30℃に
冷却し、この時点でメタノールを加えた。生成物を集
め、メタノールで洗浄し、そして残存溶媒を減圧下に1
20℃で除去した。9.02gの物質が得られた。この
物質の13C−NMR分析はこの物質がポリスチレンに
起因するピークのないスチレン(モル基準で15.2
%、重量基準で40重量%)とエチレンとのランダムコ
ポリマーであることを示した。このポリマーを(c−
1、ES1)とした。
【0042】<参考例5:(c)成分のエチレン−スチ
レン疑似ランダムコポリマー(ES2と略記する)の調
製>基本的には上記製造例の重合法に従った。ただし反
応温度は90℃であった。150mlの混合アルカン溶
媒、500mlのスチレン及び8mlの15%MAOト
ルエン溶液(1000Al/Ti)を充填した。反応器
を1240kPa(180psig)のエチレンで飽和
させ、20μモルの[(C5Me4)SiMe2(N−フ
ェニル)]TiCl2を加えて重合を始めた。エチレン
を1240kPa(180psig)の要求量で与え
た。60分後に溶液反応器からの少量の酸化防止剤を含
む溶液に排出させた。ポリマーを真空中で乾燥した。ポ
リマー収量は26.6gであった。メルトインデックス
(I2)=26.6.13CNMR分析はポリマーが4
6モル%(76重量%)のスチレンを持つことを示し、
エチレンとのランダムコポリマーであることを示した。
このポリマーを(c−2、ES2)とした。
【0043】<参考例6:ブロック共重合体の調整(S
EBS1と略記する)>ポリスチレン−水素添加された
ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック構造を有し、
ポリブタジエンブロックが60重量%、ポリスチレンブ
ロックが40重量%、数平均分子量108,000、分
子量分布1.08、水素添加前のポリブタジエンの1,
2−ビニル結合量が38%で、水素添加率が99.5%
のブロック共重合体を合成し、このポリマーを(d−
1、SEBS1)とした。<参考例7:ブロック共重合体の調整(SEBS2と略
記する)> ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ン−ポリスチレンのブロック構造を有し、ポリブタジエ
ンブロックが30重量%、ポリスチレンブロックが70
重量%、数平均分子量133,000、分子量分布1.
05、水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結
合量が36%で、水素添加率が99.1%のブロック共
重合体を合成し、このポリマーを(d−2、SEBS
2)とした。
【0044】<実施例1〜4および比較例1〜4>ポリ
オレフィン(a−1〜3)、ポリフェニレンエーテル
(b−1〜2)、エチレンとスチレンの疑似ランダムコ
ポリマー(c−1〜2)、水添ブロック共重合体(d−
1〜2)を表1に示した組成で配合し、280℃に設定
したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WE
RNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用
いて溶融混練しペレットとして得た。このペレットを用
いて250〜290℃に設定したスクリューインライン
型射出成形機に供給し、金型温度90℃の条件で引張試
験用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピース
を射出成形した。これらのテストピースを用いて引張試
験(ASTM D−638に準拠)を行ない、その破断
面より組成物の層剥離の有無を確認し、さらにアイゾッ
ト(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM D−256:2
3℃)および熱変形温度(ASTM D−648)を測
定した。これらの評価結果を表1に示した。
【0045】これらの結果より、エチレンとスチレンの
疑似ランダムコポリマーのみの場合、あるいは水添ブロ
ック共重合体のみの場合(比較例)、層剥離が認めら
れ、耐衝撃性と剛性のバランスが十分でないのに対し、
ポリオレフィンとポリフェニレンエーテルのコンパティ
ビライザーとして、エチレンとスチレンの疑似ランダム
コポリマーと水添ブロック共重合体を用いた組成物(実
施例)は層剥離が無く、耐衝撃性と剛性のバランスに優
れたものである。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明のポリマー組成物は、ポリオレフ
ィンとポリフェニレンエーテルのコンパティビライザー
として、エチレンとスチレンとの疑似ランダムコポリマ
ー及び水添ブロック共重合体を同時に用いることで、大
きく相容化効果が改良された。その結果、従来技術では
困難であったポリオレフィンとポリフェニレンエーテル
を含むポリマー組成物の層剥離現象を改良し、耐衝撃性
と剛性のバランスに優れたポリマー組成物をもたらす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 3/44 H01B 3/44 F 7/34 7/34 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリオレフィンの20〜60重量
    部と、(b)ポリフェニレンエーテルの30〜60重量
    部と、(c)αオレフィンと芳香族モノビニリデン化合
    物との疑似ランダムコポリマーと、(d)ビニル芳香族
    化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加
    物とからなり、且つ該(c)成分+(d)成分の合計量
    が5〜50重量部であることを特徴とするポリマー組成
    物。
  2. 【請求項2】 (c)コポリマーが、98.6〜53モ
    ル%のエチレン及び1.4〜47モル%のスチレンを含
    むエチレンとスチレンの疑似ランダムコポリマーである
    ことを特徴とする請求項1記載のポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 (a)ポリオレフィンがポリエチレンで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載のポ
    リマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
    リマー組成物からなる電線・ケーブル被覆材。
JP10013526A 1998-01-09 1998-01-09 耐衝撃性に優れたポリマー組成物及び電線・ケーブル被覆材 Pending JPH11199716A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009128444A1 (ja) * 2008-04-15 2009-10-22 電気化学工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物
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