JP3601562B2 - クリープ強さおよびフローマークが改良された樹脂組成物 - Google Patents

クリープ強さおよびフローマークが改良された樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気・電子分野、自動車分野、その他の各種工業材料分野で利用できる耐油性、耐薬品性、耐熱性、耐衝撃性、剛性、とりわけ、高温下のクリープ強さおよび外観に優れ、耐熱材料としての耐久性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテルは、機械的特性、電気特性、耐熱性、低温特性、吸水性が低くかつ寸法安定性に優れるものの、成形加工性や耐衝撃性に劣る欠点を有するため、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンとブレンドすることによりこれらの問題点を改良し、例えば電気・電子部品、事務機器ハウジング、自動車部品、精密部品、各種工業部品等の樹脂組成物として広く利用されている。 しかしながら、このポリフェニレンエーテルとハイインパクトポリスチレンからなる古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成物(米国特許第3383435号明細書)は、耐衝撃性が改善されるものの、耐薬品性に劣る欠点を有している。
【0003】
このため、例えば、米国特許第3361851号明細書では、ポリフェニレンエーテルをポリオレフィンとブレンドすることにより、耐溶剤性、耐衝撃性を改良する提案がなされ、米国特許第3994856号明細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニレンエーテルおよびスチレン系樹脂を水添ブロック共重合体とブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良に関する記載があり、米国特許第4145377号明細書には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニレンエーテルおよびスチレン系樹脂をポリオレフィン/水添ブロック共重合体=20〜80重量部/80〜20重量部からなる予備混合物および水添ブロック共重合体とブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良に関する記載がある。
【0004】
さらに米国特許第4166055号明細書および米国特許第4239673号明細書には、ポリフェニレンエーテルを水添ブロック共重合体およびポリオレフィンとブレンドすることによる耐衝撃性の改良が記載されている。そして米国特許第4383082号明細書およびヨーロッパ公開特許第115712号明細書ではポリフェニレンエーテルをポリオレフィンおよび水添ブロック共重合体とブレンドすることにより耐衝撃性を改良するという記載がなされている。
【0005】
また、本出願人は、特開昭62−20551号公報、特開昭62−25149号公報、特開昭62−48757号公報、特開昭62−48758号公報、特開昭62−199637号公報および米国特許第4772657号明細書で、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィンおよび水添ブロック共重合体からなるゴム弾性に優れたゴム組成物を提案し、また、特開平2−225563号公報、特開平3−185058号公報、特開平5−70679号公報、特開平5−295184号公報、特開平6−9828号公報、特開平6−16924号公報、特開平6−57130号公報および特開平6−136202号公報ではポリフェニレンエーテルとポリオレフィンおよび特定の水添ブロック共重合体からなる相溶性、剛性と耐熱性に優れ、耐溶剤性に優れた樹脂組成物を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの先行技術は、古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成物と比べると飛躍的に耐溶剤性が改良された樹脂組成物を与えたり耐熱性に優れたエラストマー組成物を与えている。
しかしながら、これらのポリプロピレンとポリフェニレンエーテルとを用いたポリマーアロイは、確かにポリプロピレンと比べて耐熱性は向上しているものの、耐熱耐久性に関しては何ら改良技術の報告は無く、現状の問題として高温下におけるクリープ強さが不足しており、耐熱材料としての耐久性に劣るなどの実用上の欠点をもっている。
【0007】
また、これらの樹脂組成物の耐衝撃性を改良する手段として、分子量の高いポリプロピレンを用いることが有効な手段であるが、このようなポリプロピレンを用いて得られる樹脂組成物はフローマークが発生し、外観上欠点を有している。成形時の射出速度や射出圧力を上げることにより、フローマークを解消することが可能であるが、成形機に能力の制限があったり、金型の耐久性の低下などがあったり、また近年の成形技術の進歩に伴う複雑かつ大型な成形加工に用いる場合、必ずしも有用な手段ではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような現状に鑑み、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを用いたポリマーアロイに高温下のクリープ強さを付与させ、かつ成形時に発生するフローマークを解消するため、マトリックス材料となり得るポリプロピレン系樹脂や添加剤、混和剤に関して鋭意検討を重ねた結果、マトリックスとなるポリプロピレン系樹脂が特定の構造を有し、また、混和剤として特定の構造を有する水添ブロック共重合体を用いることにより、高温下のクリープ強さが改良された樹脂組成物をもたらすことを見い出し、さらには、これらの組み合わせによって起こり得る成形加工時のフローマークについては、フィラーを添加することにより大巾に改良されることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、
(a)230℃、2.16Kgの荷重で測定したMFR(メルトフローレート)が2.0g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂 45〜90重量%と
(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂 55〜10重量%、および
上記(a)、(b)成分の合計100重量部に対して、
(c)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり、かつビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子量が15000以上であるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体 1〜30重量部と
(d)フィラー5〜100重量部
を含むことを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
本発明で用いる(a)ポリプロピレン系樹脂は、ASTM D1238に準拠し230℃、2.16Kgの荷重で測定したMFR(メルトフローレート)が2.0g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂である。このMFRが2.0g/10分を超えるポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物は流動性に優れるが、耐衝撃性、高温下のクリープ強さが低く耐熱材料としての耐久性が低下し好ましくない。
【0011】
このポリプロピレン系樹脂は、結晶性プロピレンホモポリマーおよび、重合の第一工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と重合の第二工程以降でプロピレン、エチレンおよび/もしくは少なくとも1つの他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分を有する結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体であり、さらにこれら結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の混合物であってもかまわない。
【0012】
該ポリプロピレン系樹脂は、通常、三塩化チタン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム化合物の存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重合圧力3〜100気圧の範囲で重合して得られる。この際、重合体の分子量を調整するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能であり、また重合方法としてバッチ式、連続式いずれの方法でも可能で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶液重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無溶媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での気相重合方法などが適用できる。
【0013】
また、上記した重合触媒の他に得られるポリプロピレンのアイソタクティシティおよび重合活性を高めるため、第三成分として電子供与性化合物を内部ドナー成分または外部ドナー成分として用いることができる。
これらの電子供与性化合物としては公知のものが使用でき、例えば、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルなどのエステル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチルなどの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのリン酸誘導体などや、アルコキシエステル化合物、芳香族モノカルボン酸エステルおよび/または芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素アルコキシシラン、各種エーテル化合物、各種アルコール類および/または各種フェノール類などが挙げられる。
【0014】
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は上記した方法で得られるものであれば、いかなる結晶性や融点、構造を有するものでも用いることができるが、後述するフィラーと上記したマトリックスを形成するポリプロピレン系樹脂との密着性を改善する目的で、上記したポリプロピレン系樹脂のほかに、該ポリプロピレン系樹脂とα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態で30〜350℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)ポリプロピレン系樹脂を用いてもよく、さらに上記したポリプロピレン系樹脂と該変性ポリプロピレン系樹脂の任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0015】
ポリプロピレン系樹脂の変性剤として用いる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、テトラヒドロフタル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられ、また、その誘導体としては、例えば無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステルなどが挙げられる。具体的には無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイミド、グリシジルマレエートなどが例示される。これらの中では無水物が好ましく、特に無水マレイン酸がより好ましい。ラジカル発生剤としては、通常、有機または無機過酸化物等があり、例えばtーブチルパーオキシベンゾエート、tーブチルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素等が挙げられる。
【0016】
この変性ポリプロピレン系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂と該変性ポリプロピレン系樹脂の任意の割合のポリプロピレン系樹脂のMFRは、2.0g/10分以下の範囲で好適に用いることができる。
【0017】
つぎに本発明で用いる(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、本発明の樹脂組成物に耐熱性および難燃性を付与するうえで必須な成分である。該ポリフェニレンエーテルは、下記一般式で示される結合単位
【0018】
【化1】
Figure 0003601562
(ここで、R,R,R,およびRはそれぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一級または第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよい)からなり、還元粘度(0.5g/dl,クロロホルム溶液,30℃測定)が、0.15〜0.70の範囲、より好ましくは0.20〜0.60の範囲にあるホモ重合体および/または共重合体である。
【0019】
このポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0020】
かかるポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書記載のHayによる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほか米国特許第3306875号、同第3257357号および同第3257358号各明細書、ならびに特公昭52−17880号、特開昭50−51197号および特開昭63−152628号各公報等に記載された方法で容易に製造できる。
【0021】
また、本発明で用いるポリフェニレンエーテル系樹脂は、上記したポリフェニレンエーテルのほかに、該ポリフェニレンエーテルとスチレン系モノマーおよび/もしくはα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変性(該スチレン系モノマーおよび/もしくはα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)ポリフェニレンエーテル系樹脂であってもよく、さらに上記したポリフェニレンエーテルと該変性ポリフェニレンエーテル系樹脂の任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0022】
さらに、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレンをポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.2〜5重量部添加し溶融混練したリン化合物処理ポリフェニレンエーテル系樹脂も色調および流動性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂として用いることができる。
また、本発明で用いるポリフェニレンエーテル系樹脂は上記したポリフェニレンエーテル系樹脂のほかに、これらポリフェニレンエーテル100重量部に対してポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレンも含む)またはハイインパクトポリスチレンを400重量部を超えない範囲で加えたものも好適に用いることができるが、得られる樹脂組成物が耐熱材料として耐久性が要求される場合は、ポリフェニレンエーテルを単独で使用することがより好ましい。
【0023】
つぎに本発明で用いる(c)水添ブロック共重合体は、高温下におけるクリープ強さの優れた樹脂組成物を得るために必要であり、かつ(a)ポリプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂を溶融混合した際に、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂を(a)ポリプロピレン系樹脂中に好適に微分散させる能力を有する水添ブロック共重合体である。すなわち、本発明では、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり、かつビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子量が15000以上であるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体である。これらの水添ブロック共重合体の構造は、例えば、A−B−A、A−B−A−B、(A−B−)−Si、A−B−A−B−A等の構造を有する水添ブロック共重合体である。
【0024】
また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子量は15000以上であり、好ましくは18000以上、より好ましくは19000以上である。このビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの数平均分子量が15000未満であると、得られる樹脂組成物の高温下のクリープ強度が著しく低下し好ましくない。このビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの数平均分子量は通常、赤外分光光度計、NMR、およびゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて知ることができる。
【0025】
なお、1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックおよび1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとから構成される、いわゆる2型(A−B型)構造の水添ブロック共重合体を用いると、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂を溶融混練した際の混和性には優れるものの、高温下のクリープ強さ、引張伸度の低下を招き好ましくない。
【0026】
この(C)水添ブロック共重合体において、その水素添加する前のブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの含有量は 30〜80重量%、好ましくは35〜70重量%である。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの含有量が30重量%未満であると、得られる樹脂組成物の耐熱性が低下し、耐熱材料としての耐久性が不足し好ましくない。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの含有量が80重量%を超えると混和剤としての性能が低下し好ましくない。
【0027】
またブロック構造に言及すると、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAが、ビニル芳香族化合物のホモ重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロックまたは、共役ジエン化合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有する共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロックの構造を有するものである。
【0028】
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせでもよく、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックは2個以上、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは1個以上であり、各重合体ブロックはそれぞれ同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0029】
このブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、特にスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、特にブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
【0030】
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えば、ブタジエンを主体とする重合体ブロックにおいては、1,2ービニル結合が5〜90%、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは35〜75%である。また、イソプレンを主体とする重合体ブロックにおいては、3,4ービニル結合が3〜80%、好ましくは5〜70%である。
【0031】
上記の構造を有するブロック共重合体の数平均分子量は35000〜500000、好ましくは40000〜300000、さらに好ましくは45000〜200000の範囲であり、分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)は10以下である。さらに、ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
【0032】
このような構造を持つブロック共重合体は、上記したブロック共重合体の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの脂肪族系二重結合を水素添加した水添ブロック共重合体として本発明の(c)水添ブロック共重合体として用いることができる。かかる脂肪族系二重結合の水素添加率は少なくとも80%を超え、好ましくは95%以上である。この水素添加率は通常、赤外分光光度計やNMR等で知ることができる。
【0033】
これらの(c)水添ブロック共重合体は、上記した構造を有するものであればどのような製造方法で得られるものであってもかまわない。公知の製造方法の例としては、例えば、特開昭47−11486号公報、特開昭49−66743号公報、特開昭50−75651号公報、特開昭54−126255号公報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−62847号公報、特開昭56−100840号公報ならびに英国特許第1130770号、米国特許第3281383号および同第3639517号各明細書に記載された方法や英国特許第1020720号、米国特許第3333024号および同第4501857号各明細書に記載された方法がある。
【0034】
また、本発明で用いる(c)水添ブロック共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほかに、該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)水添ブロック共重合体であってもよく、さらに上記した水添ブロック共重合体と該変性水添ブロック共重合体の任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0035】
つぎに本発明で用いる(d)フィラーは、その成分、形状等何ら限定されずに使用できる。このようなフィラー(d)として、無機または有機の充填材や強化材等があり、その形状は、ファイバー状、フレーク状、ウィスカー状、プレート状、ブロック状、ビーズ状、バルーン状等が挙げられる。このような(d)フィラーとして、例えば、周期律表第Ι族〜第VIII族中の金属元素(Fe,Na,K,Cu,Mg,Ca,Zn,Ba,Al,Ti等)またはケイ素元素の単体、酸化物、水酸化物、炭素塩、硫酸塩、ケイ酸塩、亜硫酸塩、これらの化合物よりなる各種粘度鉱物等がある。
【0036】
具体的には例えば硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、炭酸カルシウム、ほう酸アルミニウム、アルミナ、酸化鉄、チタン酸カルシウム、チタン酸カリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、クレーワラストナイト、マイカ、タルク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、ガラスフレーク、ガラスパウダー、けい砂、けい石、石英粉、けいそう土、ホワイトカーボン、カーボンブラック、導電性カーボンブラック、カーボン繊維、導電性金属繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維等を挙げることができ、これらは複数種併用しても構わない。特に、得られる樹脂組成物が耐熱材料として耐久性が要求される場合は、塩基性硫酸マグネシウムを用いるのがより好ましい。
【0037】
これらの(d)フィラーは、無処理のまま用いてもよいが、樹脂との親和性または界面結合力を高める目的で無機表面処理剤、すなわち高級脂肪酸若しくはそのエステル、塩等の誘導体(例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチル酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル、ステアリル酸メチルエステル、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アミド、オレイン酸エチルエステル、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸アミド、パルミチン酸エチルエステル等)、
【0038】
カップリング剤(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー(3,4ーエポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、チタンカップリング剤(例えばイソプロピルトリイソスチアロイルチタネート、イソプロピルトリラウリルミリスチルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジメタクリルチタネート、イソプロピルトリジイソオクチルホフェートチタネート等)が使用できる。
【0039】
本発明の樹脂組成物は、上記した(a)〜(d)成分を基本成分として構成される。
本発明において、(a)ポリプロピレン系樹脂の配合量は、45〜90重量%であり、好ましくは45〜75重量%である。配合量が45重量%未満では、得られる樹脂組成物の耐熱性は優れるものの、成形加工性、耐溶剤性が劣り好ましくない。また、90重量%を超える場合は成形加工性、耐溶剤性は良好なものの、耐熱性が劣り耐熱性材料として利用できない。
【0040】
(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂の配合量は55〜10重量%、好ましくは55〜25重量%である。配合量が55重量%を超える場合、得られる樹脂組成物の耐熱性は極度に優れるものの、成形加工性、耐溶剤性が劣り好ましくない。また、10重量%未満では成形加工性、耐溶剤性に優れるものの、耐熱性が劣り耐熱材料として利用できない。
【0041】
(c)水添ブロック共重合体の配合量は、上記(a)ポリプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100重量部に対して、通常1〜30重量部である。水添ブロック共重合体の配合量が1重量部未満では混和剤としての効果が見られず好ましくない。また、30重量部を超える場合は、(a)ポリプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂が示す作用効果の耐熱性、耐溶剤性、剛性および機械的強度の低下が顕著であり好ましくない。
【0042】
(d)フィラーの配合量は、上記(a)ポリプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100重量部に対して、5〜100重量部である。フィラーの配合量が5重量部未満ではフローマークが完全に解消できず好ましくない。また、フィラーの配合量が100重量部を超える場合は、フィラーが成形品の表面に浮きだし、外観不良を招き好ましくない。
【0043】
本発明では、上記(a)〜(d)の他に、本発明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附加的成分、例えば、結合スチレン量10〜90%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体、結合スチレン量10〜90%のスチレン−イソプレンブロック共重合体、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0044】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記した各成分を用いて、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共重合体とを前もって溶融混練し、次いで(a)ポリプロピレン系樹脂と(d)フィラーを加えて再度一緒に溶融混練する方法、(c)水添ブロック共重合体の一部を前もって(a)ポリプロピレン系樹脂や(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と予備混練し、これらの予備混練物および(d)フィラーとを再度一緒に溶融混練する方法、押出機の最初のフィード口より(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共重合体とを供給し、溶融状態のこれらの組成物中に押出機の中間口より(a)ポリプロピレン系樹脂と(d)フィラーを供給し溶融混練する方法、
【0045】
押出機の最初のフィード口より(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共重合体の一部を供給し、溶融状態のこれらの組成物中に押出機の中間口より(a)ポリプロピレン系樹脂と残りの(c)水添ブロック共重合体および(d)フィラーを供給し溶融混練する方法などの種々の方法で製造することができる。これらの方法として例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、特に二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常200〜350℃の中から任意に選ぶことができる。
【0046】
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形できる。これら各種部品としては、例えば自動車部品が挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダー、ドアーパネル、各種モール、エンブレム、エンジンフード、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパーツ等の外装品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等の内装部品等に適している。さらに、電気機器の内外装部品としても好適に使用でき、具体的には各種コンピューターおよびその周辺機器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤー等のキャビネット、冷蔵庫等の部品用途に適している。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、実施例によって本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
Figure 0003601562
【0048】
(a−4):a−1成分のホモーポリプロピレン100重量部に対して、無水マレイン酸1部および2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5部を配合し、240℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し、無水マレイン酸が0.25部付加した変性ポリプロピレン(a−4)を得た。このもののMFRは18.0g/10分であった。
ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)はASTM D1238に準拠し、230℃、2.16Kgの荷重で測定した。
【0049】
参考例2:(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂の調製
(b−1):2、6ーキシレノールを酸化重合して得た、還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル
(b−2):2、6ーキシレノールを酸化重合して得た、還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル50重量%と、数平均分子量が77,000のポリスチレン50重量%を単軸押出機により加熱溶融混練した。
【0050】
参考例3:(c)水添ブロック共重合体の調製
(c−1):ポリスチレン(1)ー水素添加されたポリブタジエンーポリスチレン(2)の構造を有し、結合スチレン量43%、数平均分子量89,000、分子量分布1.10、水素添加前のポリブタジエンの1,2ービニル結合量が46%、ポリスチレン(1)の数平均分子量19,000、ポリスチレン(2)の数平均分子量19,000、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9%の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−1)とした。
【0051】
(c−2):ポリスチレン(1)−水素添加されたポリブタジエンーポリスチレン(2)ー水素添加されたポリブタジエンの構造を有し、結合スチレン量58%、数平均分子量90,000、分子量分布1.05、水素添加前のポリブタジエンの1,2ービニル結合量が44%、ポリスチレン(1)の数平均分子量25,800、ポリスチレン(2)の数平均分子量26,000、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9%の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−2)とした。
【0052】
(c−3):ポリスチレン(1)−水素添加されたポリブタジエンーポリスチレン(2)の構造を有し、結合スチレン量40%、数平均分子量57,000、分子量分布1.06、水素添加前のポリブタジエンの1,2ービニル結合量が42%、ポリスチレン(1)の数平均分子量11,000、ポリスチレン(2)の数平均分子量11,000、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9%の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−3)とした。
【0053】
(c−4):ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエンの構造を有し、結合スチレン量44%、数平均分子量88,000、分子量分布1.08、水素添加前のポリブタジエンの1,2ービニル結合量が44%、ポリスチレンの数平均分子量38,500、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9%の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−4)とした。
【0054】
参考例4:(d)フィラー
(d−1):塩基性硫酸マグネシウム;宇部化学工業(株)製、モスハイジSN、平均繊維長10〜50μm、平均繊維直径<1.0μm
(d−2):タルク;日本タルク(株)製、ミクロエースL−1、平均粒子径1.8μm
(d−3):GF;日本板ガラス(株)製、RES03、平均繊維長3.0mm、平均繊維直径13μm
【0055】
【実施例】
実施例1〜7および比較例1〜7
ポリプロピレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、水添ブロック共重合体、フィラーを表1および表2に示した組成で配合し、260〜280℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練しペレットとして得た。
【0056】
このペレットを用いて240〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で15cm×15cm×2mmの平板、およびクリープ試験用テストピースを射出成形した。本発明により得られる樹脂組成物のフローマークを確認するため、上記平板を用い、目視でフローマークの有無を確認した。また、高温クリープ強さを確認するため、レオバイブロン(オリエンテック(株)製、DDV−25FP型)を用いて、1mm×1mm×3cmのタンザクを応力100Kg/cm相当の荷重で、温度70℃の条件でクリープ試験を行い、破断までの時間を測定した。これらの結果を併せて表1および表2に記載した。
【0057】
これらの結果より、230℃、2.16Kgの荷重で測定したMFRが2.0g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂と、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり、かつビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子量が15000以上である水添ブロック共重合体、およびフィラーを添加することにより、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との混和性を向上させ高温下のクリープ強さに優れ、かつ分子量の高いポリプロピレン系樹脂を用いることにより発生する成形加工時のフローマークを解消した樹脂組成物が得られた。
【0058】
【表1】
Figure 0003601562
【0059】
【表2】
Figure 0003601562
【0060】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂、水添ブロック共重合体およびフィラーからなり、特定の構造を有するポリプロピレン系樹脂と、特定の構造を有する水添ブロック共重合体、およびフィラーを用いることにより、従来技術では困難であった高温下のクリープ強さに優れ、且つ成形加工時におけるフローマークが解消された外観に優れた樹脂組成物が得られる。

Claims (4)

  1. 樹脂組成物において、
    (a)230℃、2.16Kgの荷重で測定したMFR(メルトフローレート)が2.0g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂 45〜90重量%と
    (b)ポリフェニレンエーテル系樹脂 55〜10重量%、および
    上記(a)、(b)成分の合計100重量部に対して、
    (c)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり、かつビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子量が15000以上であるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体 1〜30重量部と
    (d)フィラー 5〜100重量部
    を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリプロピレン系樹脂が、α,βー不飽和カルボン酸またはその誘導体と反応させることにより得られる変性ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 水添ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの含有量が35〜70重量%である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. フィラーが、塩基性硫酸マグネシウムを主成分とするものである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
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