JP3621019B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車分野、電気・電子分野、その他の各種工業材料分野で利用されるウェルド物性、クリープ特性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテルの耐衝撃性等を改善する目的で、例えば米国特許第3361851号ではポリフェニレンエーテルをポリオレフィンとブレンドすることが提案され、例えば電気・電子部品、事務機器ハウジング、自動車部品、精密部品、各種工業部品などの樹脂組成物として広く利用されている。
しかしながら、このポリフェニレンエーテルとポリオレフィンからなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物は相溶性が不足しており、特にウェルド物性が低いという欠点を有している。
【0003】
このため、例えば特開平6−9828号では特定の制御された分子量および分子量分布を持つポリオレフィン系樹脂を用いることによりウェルド物性を改良する提案がなされている。
さて、前記のポリフェニレンエーテルとポリオレフィンからなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物は電池電槽部品として広く用いられているが、最近、特に電気自動車用のバッテリーケース等において、高温におけるクリープ特性に優れていることが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れたウェルド物性を有し、かつ高温におけるクリープ特性を保持した材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の分子量分布を特定のものに制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち本発明は、(1)(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)ポリプロピレン系樹脂及び(c)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体からなる樹脂組成物であり、該樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の分子量分布が8以上15以下であることを特徴とする樹脂組成物、
【0007】
(2)該樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の分子量分布が9以上15以下であることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物、
(3)(a)(b)成分が重量比で(a)/(b)=10/90〜70/30であり、(a)(b)成分の合計100重量部に対し(c)成分が3〜40重量部であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の樹脂組成物、
(4)(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の重量平均分子量が10000以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物、
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる電池電槽部品用材料、である。以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
本発明で用いられる(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下PPEと略)は、一般式(1)
【化1】
Figure 0003621019
【0009】
(ここで、R1,R2,R3及びR4はそれぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一級または第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択されるものであり、互いに同一であっても異なっていてもよい)からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.15〜0.70の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60の範囲にあるホモ重合体及び/または共重合体である。
【0010】
該PPEはポリスチレン換算重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。重量平均分子量が10000未満であると、生産性や色調の低下を招き好ましくない。この重量平均分子量は通常ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等によって知ることができる。
【0011】
このPPEの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0012】
本発明で用いるPPEの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書記載のHayによる第一塩化銅とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−ジメチルフェノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報及び特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載された方法で容易に製造できる。
【0013】
また、本発明で用いるPPEは、上記したPPEのほかに、該PPEとスチレン系モノマーおよび/もしくはα,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変性(該スチレン系モノマー及び/もしくはα,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)PPEであってもよく、さらに上記したPPEと該変性PPEの任意の割合の混合物であっても構わない。
【0014】
また、本発明で用いるPPEは上記したPPEのほかに、これらPPE100重量部に対してポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレンも含む)または、ハイインパクトポリスチレンを400重量部を越えない範囲で加えたものも好適に用いることができる。
また、本発明に使用されるポリフェニレンエ−テルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエ−テル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通常数百ppmから数%の範囲で残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5アルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。
【0015】
次に、(b)ポリプロピレン系樹脂について詳細に説明する。
本発明で用いる(b)ポリプロピレン系樹脂は、結晶性プロピレンホモポリマーおよび、重合の第一工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と重合の第二工程以降でプロピレン、エチレンおよび/もしくは少なくとも1つの他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分を有する結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体であり、さらにこれら結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の混合物であってもかまわない。
【0016】
該ポリプロピレン系樹脂は、通常、三塩化チタン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム化合物の存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重合圧力3〜100気圧の範囲で重合して得られる。この際、重合体の分子量を調整するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能であり、また重合方法としてバッチ式、連続式いずれの方法でも可能で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶液重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無溶媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での気相重合方法などが適用できる。
【0017】
また、上記した重合触媒の他に得られるポリプロピレンのアイソタクティシティおよび重合活性を高めるため、第三成分として電子供与性化合物を内部ドナー成分または外部ドナー成分として用いることができる。これらの電子供与性化合物としては公知のものが使用でき、例えば、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルなどのエステル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチルなどの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのリン酸誘導体などや、アルコキシエステル化合物、芳香族モノカルボン酸エステルおよび/または芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素アルコキシシラン、各種エーテル化合物、各種アルコール類および/または各種フェノール類などが挙げられる。
【0018】
一般にポリプロピレン−ポリフェニレンエーテル系ポリマーアロイにおいて、ポリプロピレン系樹脂の分子量を上げると、高温クリープ特性は改善するものの、ウェルド強度が低下し、分子量を下げると、ウェルド強度は向上するものの、高温クリープ特性が低下するという二律背反する現象がある。
本発明の課題である高温クリープ特性とウェルド強度を両立させるためには、ポリプロピレン系樹脂の分子量分布を大きくすることが重要である。
【0019】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の分子量分布は、溶融混練後の樹脂組成物中で8以上、好ましくは9以上である。分子量分布が8未満である場合は高温クリープ特性が低下する。この分子量分布は通常ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等によって知ることができる。分子量分布の上限は制限はないが、15を超えると流動性が低下し、ウェルド物性が低下するので好ましくない。本発明のポリプロピレン系樹脂は、上記した方法で得られるものであればいかなる結晶性や融点を有するものでも用いることができ、また結晶性や融点、分子量の異なる数種類のポリプロピレンを合わせて用いることができる。
【0020】
また、本発明のポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン重合体部分の密度は0.900g/cm以上であり、0.900〜0.935g/cmであり、より好ましくは、0.90〜0.925g/cmであり、最も好ましくは、0.908〜0.915g/cmである。密度が0.906g/cm未満であると、強度に劣り、0.935g/cmを越えるものは製造が困難である。密度の測定方法は、JIS K−7112水中置換法によって、容易に求めることができる。また、樹脂組成物中のプロピレン重合体部分の密度は、樹脂組成物をクロロホルム等のポリフェニレンエーテルや、水添ブロック共重合体の良溶媒を用いて抽出し、残ったポリプロピレン系樹脂のから、上記の方法によって求めることができる。
【0021】
また本発明においては、公知となっている結晶核剤を添加する事も有効である。結晶核剤としてはポリプロピレン系樹脂の結晶性を向上させるものなら何でも良いが、代表的なものを挙げると、芳香族カルボン酸の金属塩、ソルビトール系誘導体、有機リン酸塩、芳香族アミド化合物等の有機系核剤や、タルク等の無機系核剤を挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明の(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂成分及び(b)ポリプロピレン系樹脂成分の好ましい比率は(a)/(b)が重量比で10/90〜70/30、さらに好ましくは20/80〜60/40、最も好ましくは30/70〜50/50の範囲である。
【0023】
次に(c)成分について詳細に説明する。
本発明で用いる(c)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(以下、水添ブロック共重合体と略記する)は、高温下におけるクリープ強さの優れた樹脂組成物を得るために必要であり、かつ(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(b)ポリプロピレン系樹脂を溶融混合した際に、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を(b)ポリプロピレン系樹脂中に好適に分散させる能力を有する水添ブロック共重合体である。これらの水添ブロック共重合体の構造は、例えば、A−B−A、A−B−A−B、(A−B−)−Si、A−B−A−B−A等の構造を有する水添ブロック共重合体である。
【0024】
なお、1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックおよび1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとから構成される、いわゆる2型(A−B型)構造の水添ブロック共重合体を用いると、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテルを溶融混練した際の混和性には優れるものの、高温下のクリープ強さ、引張伸度の低下を招き好ましくない。
【0025】
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせでもよく、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックは2個以上、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは1個以上であり、各重合体ブロックはそれぞれ同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0026】
このブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、特にスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、特にブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
【0027】
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えば、ブタジエンを主体とする重合体ブロックにおいては、1,2ービニル結合が5〜95%、好ましくは10〜90%、さらに好ましくは35〜85%である。また、イソプレンを主体とする重合体ブロックにおいては、3,4ービニル結合が3〜80%、好ましくは5〜70%である。
【0028】
また、水添ブロック共重合体のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの水添ブロック共重合体に対する量は、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。
これらの(c)水添ブロック共重合体は、上記した構造を有するものであればどのような製造方法で得られるものであってもかまわない。
【0029】
また、本発明で用いる(c)水添ブロック共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほかに、該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)水添ブロック共重合体であってもよく、さらに上記した水添ブロック共重合体と該変性水添ブロック共重合体の任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0030】
(c)水添ブロック共重合体の好ましい配合量は、上記(a)(b)成分の合計100重量部に対して3〜40重量部、更に好ましくは5〜20重量部、最も好ましくは6〜15重量部である。配合量が3重量部未満では混和剤としての効果が見られず好ましくない。また40重量部を超える場合は、(a)(b)成分が示す作用効果の耐熱性、耐溶剤性、剛性および機械的強度の低下が顕著であり好ましくない。
【0031】
本発明では、上記成分の他に、本発明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の付加的成分、例えば、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、スリップ剤、無機または有機の充填材や強化材(ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0032】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記した各成分を用いて、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共重合体を前もって溶融混練したものを再度(b)ポリプロピレン系樹脂と一緒に溶融混練する方法、(c)水添ブロック共重合体の一部を前もって(b)ポリプロピレン系樹脂や(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と予備混練しこれらの予備混練物を再度一緒に溶融混練する方法、押出機の最初のフィード口より(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共重合体を供給し、溶融状態のこれらの組成物中に押出機の中間口より(b)ポリプロピレン系樹脂を供給し溶融混練する方法、押出機の最初のフィード口より(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(b)ポリプロピレン系樹脂の一部を供給し、溶融状態のこれらの組成物中に押出機の中間口より(c)水添ブロック共重合体と残りの(b)ポリプロピレン系樹脂を供給し溶融混練する方法、押出機の最初のフィード口より(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共重合体の一部を供給し、溶融状態のこれらの組成物中に押出機の中間口より(b)ポリプロピレン系樹脂と残りの(c)水添ブロック共重合体を供給し溶融混練する方法などの種々の方法が挙げられる。
【0033】
これらの方法として例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常200〜380℃の中から任意に選ぶことができる。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、電池電槽材料、中でも密閉型二次電池用電槽、特にニッケル水素電池に好適に使用できる。成形方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形方法が使用できる。
【0035】
電槽が2つ以上の部品からなる場合は、これら部品を接着、熱溶着、振動溶着などにより接合する。接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂接着剤等が挙げられ、エポキシ樹脂接着剤としては、エポキシ構造を主骨格とする樹脂からなる接着剤であり、主剤と硬化剤からなる二液型が好ましい。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、もちろん、電池電槽材料以外の用途にも使用することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、実施例によって、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、使用した原料は下記の通りである。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂
2、6−キシレノールを酸化重合して得た、還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル。
【0037】
(b)ポリプロピレン系樹脂
(b−1)密度=0.910g/cm、メルトフローレート(230℃,21.2N荷重:以下MFRと略)=0.4g/10分、分子量分布(Mw/Mn)=12.0のポリプロピレン樹脂
(b−2)密度=0.906g/cm、MFR=70g/10分、分子量分布(Mw/Mn)=5.9のポリプロピレン樹脂
(b−3)密度=0.910g/cm、MFR=2.0/10分、分子量分布(Mw/Mn)=11.9のポリプロピレン樹脂
(b−4)密度=0.904g/cm、MFR=0.5g/10分、分子量分布(Mw/Mn)=6.2のポリプロピレン樹脂
【0038】
(c)水添ブロック共重合体
ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を持ち、結合スチレン量が43%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量が78%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が19000の水添ブロック共重合体。
なお、物性の評価は次の通りに行った。
【0039】
(1)荷重たわみ温度
ASTM D648に準じ、1.8MPa荷重で測定した。
(2)ウェルド物性
ウェルド部を作ることが可能な金型を用いて、引張試験用テストピース(中央部にウェルド部を持つASTM Type Iのダンベル片;厚さ1/8インチ)を射出成形し、引張試験(ASTM D−638)を行い、ウェルド強度保持率(ウェルド部があるテストピースの引張強度÷ウェルド部がないテストピースの引張強度×100%)を求めた。
【0040】
(3)高温クリープ強さ
クリープ試験機(安田精機製作所(株)製、145−B−PC型)を用いて、4mm×1mm×7cmのタンザクを用いて、チャック間40mm間に応力12.25MPa相当の荷重で、温度80℃の条件で2週間にわたってクリープ試験を行い、破断の有無を確認した。
【0041】
【実施例1〜4および比較例1】
ポリプロピレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、水添ブロック共重合体を表1に示した組成で配合し、260〜280℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練しペレットとして得た。このペレットを用いて240〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で引張試験用テストピース、荷重たわみ温度測定用テストピースおよびクリープ試験用テストピースを射出成形した。これらのテストピースの物性を測定し、その結果を併せて表1に記載した。
【0042】
また、溶融混練後の樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の分子量分布を測定するため、押出後のペレットをキシレンで還流抽出した後、室温まで徐々に冷却し、ポリプロピレン樹脂を析出させ、この析出物を濾別し、乾燥し、組成物から、ポリプロピレン樹脂を分離した。
この分離したポリプロピレン樹脂の分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフィー[150−C ALC/GPC(ウォータース製)](溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン、温度:140℃、カラム:AT−807S(昭和電工社製)、ポリエチレン換算分子量)で測定した。
【0043】
【表1】
Figure 0003621019
【0044】
【発明の効果】
本発明の組成物は、優れたウェルド物性を有し、さらに高温クリープ特性に優れる。

Claims (5)

  1. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)ポリプロピレン系樹脂及び(c)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体からなる樹脂組成物であり、該樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の分子量分布が8以上15以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 該樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の分子量分布が9以上15以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (a)(b)成分が重量比で(a)/(b)=10/90〜70/30であり、(a)(b)成分の合計100重量部に対し(c)成分が3〜40重量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の重量平均分子量が10000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物からなる電池電槽部品用材料。
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