JPH11189646A - ポリオール樹脂および電子写真用トナー - Google Patents

ポリオール樹脂および電子写真用トナー

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JPH11189646A
JPH11189646A JP3465398A JP3465398A JPH11189646A JP H11189646 A JPH11189646 A JP H11189646A JP 3465398 A JP3465398 A JP 3465398A JP 3465398 A JP3465398 A JP 3465398A JP H11189646 A JPH11189646 A JP H11189646A
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polyol resin
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克也 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真用トナーの主成分として用いて、低温
定着性に優れ、かつ耐オフセット性および耐ブロッキン
グ性に優れる電子写真用トナーを得ることができるポリ
オール樹脂、およびそのポリオール樹脂を主成分とする
電子写真用トナーの提供。 【解決手段】多価アルコール(C)および該多価アルコ
ールと酸無水物との反応物(D)から選ばれる少なくと
も1種とを反応させてなるポリオール樹脂、およびその
ポリオール樹脂を主成分とする電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオール樹脂およ
び電子写真用トナーに関し、特に、複写機、ファック
ス、プリンター等の電子写真における静電荷像または磁
気潜像を現像する乾式現像用トナーとして有用なポリオ
ール樹脂、およびそのポリオール樹脂を主成分とする電
子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファックス、プリンター等の電
子写真において、静電荷像を現像する方法として湿式現
像方式と乾式現像方式があり、乾式現像方式が使用され
る場合が多い。乾式現像方式では、バインダーとなるト
ナー用樹脂にカーボンブラック等の着色剤、およびその
他の添加剤を含有させたトナー微粉末に、鉄粉やガラス
ビーズ等のキャリアーを混合した摩擦帯電現像剤が用い
られる。複写物を得るには、通常、感光体に静電潜像を
形成し、この静電潜像に摩擦帯電性のトナーを電気的に
付着させて現像し、ここで得られたトナー像を用紙等の
シートに転写し、その後トナーに対し離型性を有する熱
圧ローラまたはフラッシュ光源で定着させて永久可視像
とする。磁気潜像の場合は、磁気ドラム上の潜像を磁性
体を含むトナーによって現像した後、上述のように定着
に供される。
【0003】この種のトナーには、定着性(トナーが用
紙に強固に付着すること)、耐ブロッキング性(トナー
粒子が凝集しないこと)に優れることが要求される。さ
らに、熱ローラ定着では、耐オフセット性(定着用熱ロ
ーラにトナーが付着せず、次に定着工程に入る用紙が汚
れないこと)に優れることが要求される。近年、複写
機、ファックスまたはプリンターが、家庭内にも普及す
るに従い、これら機器を使用する上での消費電力の低
減、可視像形成スピードの向上が要求され、定着温度の
低いバインダー樹脂を使用することが求められるように
なっている。定着温度を下げるには、バインダー樹脂の
軟化点を下げる、分子量分布を狭くする等の方法が一般
に採用される。しかし、これらの方法では、耐オフセッ
ト性および耐ブロッキング性が低下する。このため、ト
ナーの低温定着化は、まだ十分とは言えない状況にあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、従来のトナーの有する問題を解決し、低温定着性に
優れ、かつ耐オフセット性および耐ブロッキング性に優
れるため、トナー用樹脂として好適なポリオール樹脂、
およびそのポリオール樹脂を主成分とする電子写真用ト
ナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、下記一般式(a):
【化4】 (式中、R1 およびR2 は同一でも異なってもよく、水
素原子、メチル基、エチル基またはフェニル基である)
で表されるビスフェノール類(A)と、下記一般式
(b):
【化5】 (式中、R3 およびR4 は同一でも異なってもよく、水
素原子、メチル基、エチル基またはフェニル基であり、
nは0以上の整数である)で表されるビスフェノール型
エポキシ樹脂(B)、多価アルコール(C)および該多
価アルコールと酸無水物との反応物(D)から選ばれる
少なくとも1種とを反応させてなるポリオール樹脂を提
供するものである。
【0006】また、本発明は、低温定着性、耐オフセッ
ト性および耐ブロッキング性に優れるトナーとして、前
記のポリオール樹脂を主成分とする電子写真用トナーを
も提供するものである。
【0007】以下、本発明のポリオール樹脂(以下、
「本発明の樹脂」という)および電子写真用トナーにつ
いて詳細に説明する。
【0008】本発明の樹脂は、前記一般式(a)で表さ
れるビスフェノール類(A)と、前記一般式(b)で表
されるビスフェノール型エポキシ樹脂(B)と、多価ア
ルコール(C)および該多価アルコールと酸無水物との
反応物(D)から選ばれる少なくとも1種と、必要に応
じて架橋剤(E)とを主原料とし、これらの主原料を反
応させて得られるものである。
【0009】本発明の樹脂の主原料(A)として用いら
れるビスフェノール類は、前記一般式(a)で表される
ものである。前記一般式(a)において、R1 およびR
2 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル
基、エチル基またはフェニル基である。このビスフェノ
ール類(A)の具体例として、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン〔通称、ビスフェノール
A〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン〔通称、
ビスフェノールF〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン〔通称、ビスフェノールAD〕、1−フ
ェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン等が挙げられる。本発明において、これら
のビスフェノール類は1種単独で使用してもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】本発明の樹脂の主原料(B)として用いら
れるビスフェノール型エポキシ樹脂は、前記一般式
(b)で表されるものである。前記式(b)において、
3 およびR4 は、同一でも異なっていてもよく、水素
原子、メチル基、エチル基またはフェニル基であり、n
は0以上の整数である。このビスフェノール型エポキシ
樹脂(B)としては、例えば、前記一般式(a)で表さ
れるビスフェノール類(A)とエピクロロヒドリンから
製造される、いわゆる一段法エポキシ樹脂、または一段
法エポキシ樹脂とビスフェノール類との重付加反応生成
物である二段法エポキシ樹脂等が挙げられる[垣内 弘
編著「新エポキシ樹脂」(昭晃堂)30頁(昭和60
年)]。本発明において、このビスフェノール型エポキ
シ樹脂は、1種単独でも2種類以上または数平均分子量
の異なる2種以上の混合物の組み合わせで用いてもよ
い。2種類以上または数平均分子量の異なる2種以上の
混合物を用いる場合は、1種単独で用いる場合に比べ
て、分子量分布(Mw/Mn)が大となり、耐オフセッ
ト性の向上に有利となる。この場合、低分子量成分の数
平均分子量が300〜2000であり、高分子量成分の
数平均分子量が3000〜10000であることが好ま
しい。本発明のポリオール樹脂の製造においては、原料
供給の操作性の観点から、一般に低分子量成分が主成分
であることが好ましい。
【0011】本発明の樹脂は、前記(A)および(B)
に加えて、多価アルコール(C)および該多価アルコー
ルと酸無水物との反応物(D)から選ばれる少なくとも
1種を主原料として用いるものである。主原料(C)と
して用いられる多価アルコール類としては、芳香族ジオ
ール、脂肪族ジオール、脂環族ジオール等の2価アルコ
ール、ならびに3価または4価のアルコール等を挙げる
ことができる。芳香族ジオールとしては、下記一般式
(c):
【化6】 で表される化合物が挙げられる。一般式(c)におい
て、R5 およびR6 は、同一でも異なっていてもよく、
エチレン基またはプロピレン基であり、pおよびqは1
以上の整数であり、p+qは2〜10である。この芳香
族ジオールの具体例としては、ポリオキシエチレン−
(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2,0)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン−(1,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(1,1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2,2)−ポリオ
キシエチレン−(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン−(3,3)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられ
る。また、本発明において、芳香族ジオールとして、P
−キシリレングリコ−ル、m−キシリレングリコールも
使用することができる。
【0012】脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ペンタメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとして
は、例えば、ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、水添
ビスフェノールA等が挙げられる。
【0013】3価または4価のアルコールとしては、例
えば、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−
ソルビタン、ペンタエリスロトール、トリペンタエリス
ロトール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0014】また、主原料(D)として用いられる反応
物は、前記多価アルコール(C)と酸無水物との反応物
である。多価アルコール(C)との反応に用いられる酸
無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリ
ット酸、無水ピロメリット酸、エチレングリコールビス
トリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、
無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテ
ントラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル
酸、ドデセニル無水琥珀酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、
メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルス
チレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水
物、ポリアゼライン酸無水物を挙げることができる。
【0015】多価アルコール類と酸無水物の反応は、通
常、触媒の存在下、80℃〜150℃で1〜8時間の反
応時間で行うことができる。この多価アルコール類と酸
無水物の反応は、後記の本発明の樹脂の製造における重
付加反応と、同時に行ってもよいし、重付加反応の前に
行ってもよい。得られる反応物(D)の数平均分子量
(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)を任意にコントロ
ールできる点で、重付加反応の前に行うのが好ましい。
この反応で用いられる触媒としては、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカ
リ金属水酸化物、ナトリウムメチラート等のアルカリ金
属アルコラート、N,N−ジメチルベンジルアミン、ト
リエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン、テトラメ
チルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩、トリフェニ
ルホスフィン、トリエチルホスフィン等の有機リン化合
物、塩化リチウム、臭化リチウム等のアルカリ金属塩、
三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化スズ、オク
チル酸スズ、安息香酸亜鉛等のルイス酸などを例示する
ことができる、その使用量は、生成物量に対して、通
常、1〜1000ppm、好ましくは5〜500ppm
となる量である。また、この反応においては、溶剤を使
用しても、しなくてもよい。溶剤を使用する場合はトル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類が好ましい。
【0016】さらに、本発明の樹脂の製造において、前
記(A)および(B)と、(C)および(D)から選ば
れる少なくとも1種とを反応させる最に、必要に応じ
て、架橋剤(E)を用いてもよい。架橋剤(E)として
は、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン等のポリアミ
ン類、酸無水物、3価以上のフェノール化合物、3価以
上のエポキシ樹脂などが用いられる。ポリアミン類とし
ては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレント
リアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメ
チレン)トリアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、メタキシリレンジ
アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニル
メタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられ
る。
【0017】酸無水物としては、例えば、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、エチレ
ングリコールビストリメリテート、グリセロールトリス
トリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチ
レンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒド
ロ無水フタル酸、ドデセニル無水琥珀酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、
アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレン
ド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等が挙げられる。
3価以上のフェノール化合物としては、例えば、フェノ
ールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹
脂、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチルフェニル)ブタン、1−〔α−メチル−
α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−3−〔α,
α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン
を挙げることができる。
【0018】3価以上のエポキシ樹脂は、3価以上のフ
ェノール化合物または3価以上のアルコール化合物とエ
ピハロヒドリンとの反応で得られるグリシジル化物であ
る。3価以上のフェノール化合物としては、例えば、フ
ェノールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック
樹脂、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニルメ
タン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチルフェニル)ブタン、1−〔α−メチル−
α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−3−〔α,
α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン
等が挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例え
ば、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソ
ルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタン
トリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオ
ール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられ
る。
【0019】本発明の樹脂の製造は、前記主原料(A)
および(B)と、ならびに原料(C)および(D)から
選ばれる少なくとも1種と、さらに必要に応じて架橋剤
(E)とを、重付加反応させて行うことができる。この
反応において、各原料の使用割合は、以下の式(1)〜
(6)を満足することが好ましい。 A1 :分子末端封止に使用されるビスフェノールの重量 A2 :分子主鎖延長に使用されるビスフェノールの重量 NA :ビスフェノールの活性水素当量 B1 :低分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量 NB1:低分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキ
シ当量 B2 :高分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量 NB2:高分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキ
シ当量 C:多価アルコールの重量 NC :多価アルコール活性水素当量 D:多価アルコールとの反応に供する酸無水物の量 ND :酸無水物の分子量 E:架橋剤の重量 NE :架橋剤の活性水素当量、エポキシ当量 (酸無水物の場合は分子量)
【0020】
【数2】 ここで、分子鎖延長とは、ポリオール樹脂の主鎖の内部
に取り込まれることを意味し、分子鎖封止とは、主鎖の
末端に取り込まれることを意味する。また、低分子量ビ
スフェノール型エポキシ樹脂とは、平均分子量300〜
3000のエポキシ樹脂を意味し、高分子量ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂とは、平均分子量3000〜100
00のエポキシ樹脂を意味する。また、エポキシ樹脂の
エポキシ当量は、エポキシ樹脂の平均分子量の約半分と
なる。
【0021】本発明の樹脂の製造において、この重付加
反応は、通常、触媒を用いて行われる。用いられる触媒
としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、ナトリ
ウムメチラート等のアルカリ金属アルコラート、N,N
−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン等の第3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の第4
級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリエチ
ルホスフィン等の有機リン化合物、塩化リチウム、臭化
リチウム等のアルカリ金属塩、三フッ化ホウ素、塩化ア
ルミニウム、四塩化スズ等のルイス酸などを例示するこ
とができる。本発明の樹脂の製造において、触媒を使用
する場合、その使用量は、生成物量に対して、通常、1
〜1000ppm、好ましくは5〜500ppmとなる
量である。
【0022】本発明の樹脂の製造における重付加反応に
おいては、溶媒を併用することも可能である。好適な溶
媒としては、キシレン、トルエン等の芳香族化合物、2
−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、エチレングリコールジブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル類、
N,N−ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極
性溶媒を例示することができる。これらの溶媒は1種単
独でも2種以上を混合して使用することもできる。溶媒
を使用する場合、その使用量は、通常、仕込原料の重量
の1〜100重量%、好ましくは5〜50重量%の割合
となる量である。
【0023】この重付加反応における反応温度は、触媒
量にもよるが、通常、120〜180℃の範囲である。
また、反応は、一般的にはエポキシ当量、フェノール性
水酸基量、軟化点、GPCによる数平均分子量を測定す
ることによって追跡することが可能であるが、本発明で
は、実質的にエポキシ基が消失した時点、すなわち、エ
ポキシ当量として20000(g/当量)以上となった
時点を反応終点とする。
【0024】このようにして得られる本発明の樹脂は、
通常、数平均分子量(Mn)が1000〜10000の
範囲のものが好ましく、特に好ましくは2500〜60
00の範囲のものである。重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量の比(Mw/Mn)は4〜50であるものが
好ましく、特に、5〜20であるものが好ましい。ま
た、軟化点は、85〜150℃のものが好ましく、特
に、100〜135℃のものが好ましい。さらに、Tg
は50℃〜90℃のものが好ましく、特に55〜75℃
のものが、低温定着性、耐オフセット性および耐ブロッ
キング性の確保の点で、好ましい。
【0025】また、本発明は、前記ポリオール樹脂を主
成分とする電子写真用トナー(以下、「本発明のトナ
ー」という)を提供するものである。本発明のトナー
は、前記ポリオール樹脂を主成分とし、必要に応じて、
この種の電子写真用トナーに配合される、着色剤、磁性
粉、結着樹脂等の各種成分を含むものである。
【0026】本発明のトナーに配合される着色剤は、こ
の種の電子写真用トナーに常用される着色剤でよく、所
望の色、結着樹脂との相溶性等に応じて適宜選択され、
特に制限されない。例えば、黒色の電子写真用トナーを
調製する場合は、従来公知の黒色の着色剤を使用するこ
とができる。黒色の着色剤の具体例として、カーボンブ
ラック、表面を化学処理したグラフト化カーボンブラッ
ク等の顔料を挙げることができる。黒色以外の電子写真
用トナー、例えば、イエロー、マゼンタまたはシアンの
三原色の電子写真用トナーを調製する場合、それぞれ従
来公知の着色剤を使用することができ、特に制限されな
い。例えば、イエローの電子写真用現像剤トナーを調製
する場合に用いられる着色剤として、クロームイエロ
ー、キノリンイエロー等が挙げられる。また、マゼンタ
の電子写真用トナーを調製する場合に用いられる着色剤
として、例えば、デュポンオイルレッド、ローズベンガ
ル等が挙げられる。さらに、シアンの電子写真用現像剤
トナーを調製する場合に用いられる着色剤として、例え
ば、アニリンブルー、メチレンブルークロライド、フタ
ロシアニンブルーが挙げられる。
【0027】本発明のトナーにおける着色剤の配合量
は、トナーの全量に対して、通常、0.01〜20重量
%程度、好ましくは1〜10重量%程度となる量であ
る。また、本発明のトナーを1成分系現像剤である磁性
トナーとして用いる場合には、磁性粉が配合される。用
いられる磁性粉としては、例えば、フェライト、マグネ
タイト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル等の金属か
らなるものが挙げられ、これらは1種単独でも2種以上
を組み合わせて用いてもよい。また、この磁性粉は、粒
径1μm以下の微粉末であることが好ましい。本発明の
トナーが磁性粉を含有する磁性トナーである場合、その
配合割合は、通常、結着樹脂100重量部に対して30
〜300重量部程度、好ましくは50〜200重量部の
割合である。
【0028】さらに、本発明のトナーは、前記の結着樹
脂、着色剤、または磁性粉以外に、必要に応じて、従来
の電子写真用トナーに常用される各種の配合剤を配合す
ることができる。例えば、結着樹脂として常用されてい
るスチレンアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂等を配合することができる。また、必要に応じ
て、荷電調整剤、可塑剤、低分子量ポリプロピレン、低
分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、アミドワッ
クス、シリコンオイル等の離型剤、シリカ等の流動性向
上剤などを配合することもできる。
【0029】本発明のトナーは、通常、平均粒径3〜2
0μm、好ましくは5〜15μmの粒子の形態で使用に
供される。本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤として
の顔料または染料、および1成分系現像剤である磁性ト
ナーとする場合には、さらに磁性粉、ならびに必要に応
じて荷電調整剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキ
サー、ボールミル等の混合機によって十分混合した後、
加熱ロール、ニーダー、押出機等の加熱混合機を用いて
溶融混合する。次に、冷却固化後、ジェットミル等を用
いて粉砕および分級を行って製造することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例により、
本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例によって限定されるものではない。なお、実施例お
よび比較例におけるエポキシ当量、GPCによる数平均
分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)、ガラス
転移点、軟化点、定着性ならびに耐ブロッキング性は、
下記の方法にしたがって測定または評価した。
【0031】1)エポキシ当量 樹脂試料0.2〜5gを精秤し、200mlの三角フラ
スコに入れた後、ジオキサン25mlを加えて溶解させ
る。1/5規定の塩酸溶液(ジオキサン溶媒)25ml
を加え、密栓して十分混合後、30分間静置する。次
に、トルエン−エタノール混合溶液(1:1容量比)5
0mlを加えた後、クレゾールレッドを指示薬として1
/10規定水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。滴定結
果に基づいて下記式に従ってエポキシ当量(g/当量)
を計算する。 エポキシ当量(g/当量)=1000×W/〔(B−
S)×N×F〕 W:試料採取量(g) B:空試験に要した水酸化ナトリウム水溶液の量(m
l) S:試料の試験に要した規定水酸化ナトリウム水溶液の
量(ml) N:水酸化ナトリウム水溶液の規定度 F:水酸化ナトリウム水溶液の力価
【0032】2)GPCによる数平均分子量(Mn)お
よび重量平均分子量(Mw)の測定樹脂試料200mg
をTHF10mlに溶解して試料液を調製し、この試料
液100μlをカラムに注入し、下記の条件で保持時間
の測定を行う。また、平均分子量既知のポリスチレンを
標準物質として用いて、保持時間を測定して、予め作成
しておいた検量線から樹脂試料の数平均分子量をポリス
チレン換算で求めた。 ・カラム :ガードカラム+GLR400M+GLR400M+ GLR400 (全て日立製作所(株)製) ・カラム温度 :40℃ ・移動相(流量):THF(1ml/min) ・ピーク検出法 :UV(254nm)
【0033】3)ガラス転移温度(Tg);下記の示差
走査型熱量計を用いて、下記条件で測定した。 ・示差走査熱量計:SEIKO1DSC100 SEIKO1SSC5040(Disk Station) ・測定条件: 温度範囲: 25〜150℃ 昇温速度: 10℃/min サンプリング時間:0.5sec サンプル量: 10mg
【0034】4)軟化点;軟化点測定装置(メトラー
(株)製、FP90)を使用して、1℃/minの昇温
速度で試料の軟化温度を測定した。 5)定着試験 富士ゼロックス(株)製の電子写真複写機(富士ゼロッ
クス3500)の定着用熱ローラーの表面温度を変更可
能に改造した複写試験機を用いて、定着用熱ローラーの
表面温度を100〜200℃の範囲で変えて、上記の現
像剤による複写を行った。得られる複写画像の消しゴム
で摩擦したときの複写画像の濃度変化を目視で観察し
た。定着用熱ローラーの表面温度を110℃から5℃刻
みで上げ、定着率が85%を超えた時の温度を最低定着
温度とした。さらに温度を上げ試験を行い、該トナーが
熱ローラーに付着し始めた温度をオフセット開始温度と
した。
【0035】6)耐ブロッキング性 70mlのガラス製サンプル瓶中にトナー10gを入
れ、60℃、相対湿度35%の恒温恒湿槽中に3h放置
した。その後室温まで冷却しその凝集度を観察し以下の
基準で評価した。 A:サンプル瓶を逆さにしただけでトナーが落ちる B:サンプル瓶を逆さにし、軽く振っただけでトナーが
落ちる C:サンプル瓶を逆さにし、軽くたたくとトナーが落ち
る D:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えるとトナー
が落ちる E:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてもトナー
は落ちない
【0036】(実施例1)攪拌装置、温度計、窒素導入
口、および還流管を備えた容量500mlセパラブルフ
ラスコに、ポリオキシプロピレン−(1,1)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(三井化学
(株)製、KB−280、OH価:291KOHmg/
g)84.6g、無水フタル酸64.9g、およびキシ
レン41.4gを仕込み、系が均一になるまで内温80
℃で攪拌した。次に、触媒としてベンジルジメチルアミ
ン(BDMA)0.08gを添加後、130℃まで昇温
し4時間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却
後、ビスフェノールA208.6g、ビスフェノールA
型液状エポキシ樹脂(三井化学(株)製、エポミックR
140P、エポキシ当量188g/eq)275.0g、お
よび無水フタル酸16.3gを仕込み、80℃でテトラ
メチルアンモニウムクロリド3%水溶液4.3gを加え
た。160℃で1時間反応後、還流管を減圧蒸留装置に
替え、減圧度を徐々に高めながらキシレン、水を留去し
た。1時間後、減圧度は1333Pa(10mmHg)
に達した。さらに1時間攪拌した後、反応系内の圧力を
常圧に戻し、攪拌を7時間継続した。この時点で、生成
したポリオール樹脂をサンプリングしてエポキシ当量を
測定し、エポキシ当量が20000以上であることを確
認した後、生成したポリオール樹脂をフラスコから抜き
出した。
【0037】得られたポリオール樹脂の軟化点は114
℃、ガラス転移温度:63℃、数平均分子量(Mn):
2500、重量平均分子量(Mw):61000、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw
/Mn)は24.4であった。以下、このポリオール樹
脂を(P−1)という。ここで、各仕込み原料につい
て、前記(1)〜(6)式の値を求めたところ、(1)
式では1430、(2)式では1.08、(3)式では
0、(4)式では0.23、および(6)式では0.0
25と計算され、各(1)〜(6)式を満足するものと
なっていることが確認された。
【0038】(実施例2)攪拌装置、温度計、窒素導入
口、および還流管を備えた容量10lセパラブルフラス
コに、ポリオキシプロピレン−(1,1)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(三井化学
(株)製、KB−280、OH価:291KOHmg/
g)84.6g、無水フタル酸64.9g、およびキシ
レン41.4gを仕込み、系が均一になるまで内温80
℃で攪拌した。触媒としてベンジルジメチルアミン(B
DMA)0.92gを添加後、130℃まで昇温し4時
間反応させた。反応混合物を50℃以下に冷却後、ビス
フェノールA2577.4g、ビスフェノールA型液状
エポキシ樹脂(三井化学(株)製、エポミックR140
P、エポキシ当量188g/eq)3374.6g、お
よび無水フタル酸208.0gを仕込み、80℃でテト
ラメチルアンモニウムクロリド50%水溶液3.2gを
加えた。160℃で1時間反応後、還流管を減圧蒸留装
置に替え、減圧度を徐々に高めながらキシレンおよび水
を留去した。1時間後、減圧度は1333Pa(10m
mHg)に達した。さらに、1時間攪拌した後、反応系
の圧力を常圧に戻し7時間攪拌を継続した。この時点
で、生成したポリオール樹脂をサンプリングしてエポキ
シ当量を測定し、エポキシ当量が20000以上である
ことを確認した後、生成したポリオール樹脂をフラスコ
から抜き出した。
【0039】得られたポリオール樹脂の軟化点は111
℃、ガラス転移温度:60℃、数平均分子量(Mn):
2500、重量平均分子量(Mw):41800、およ
びMw/Mn:16.7であった。以下、このポリオー
ル樹脂をP−2という。ここで、各仕込み原料につい
て、前記(1)〜(6)式の値を求めたところ、(1)
式では1400、(2)式では1.00、(3)式では
0、(4)式では0.23、および(6)式では0.0
26と計算され、各(1)〜(6)式を満足するものと
なっていることが確認された。
【0040】(実施例3)実施例2において、原料の使
用量を、ポリオキシプロピレン−(1,1)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを1055.
2g、無水フタル酸を784.8g、キシレンを460
g、ビスフェノールAを2661.6g、およびビスフ
ェノールA型液状エポキシ樹脂を3290.4gに変え
た以外は、実施例2と同様に反応させてポリオールを得
た。得られたポリオール樹脂の軟化点は117℃、ガラ
ス転移温度:62℃、数平均分子量(Mn):267
0、重量平均分子量(Mw):68500、およびMw
/Mn:25.7であった。以下、このポリオール樹脂
をP−3という。ここで、各仕込み原料について、前記
(1)〜(6)式の値を求めたところ、(1)式では1
2700、(2)式では1.08、(3)式では0、
(4)式では0.23、および(6)式では0.026
と計算され、各(1)〜(6)式を満足するものとなっ
ていることが確認された。
【0041】(実施例4)撹拌装置、温度計、窒素導入
口、および蒸留冷却管、受器を備えた容量500mlの
セパラブルフラスコに、ビスフェノールA型液状エポキ
シ樹脂(三井化学(株)製、エポミックR140P、エ
ポキシ当量:187(g/eq))122.1g、ビス
フェノールA型固形エポキシ樹脂(三井化学(株)製、
エポミックR309、エポキシ当量:2630(g/e
q))30.0g、ビスフェノールA78.9g、ポリ
オキシプロピレン(1、2)−2、2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(三井化学(株)製、KB−
280、OH価:291KOHmg/g)60.0g、
無水フタル酸9.0gおよびキシレン30gを仕込み、
窒素雰囲気下で昇温を開始し、内温80℃で均一に溶解
させた。次いで、反応触媒として1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液1.3mlを添加した。150℃で1時間反応
後、昇温して内温が180℃に到達したところで、キシ
レンの減圧濃縮を開始し、約0.5時間かけて1333
Paまで減圧した。減圧下、1時間攪拌した後、系を常
圧に戻し、さらに反応温度を180℃に維持しながら7
時間反応させた。この時点で、エポキシ基の残存量を測
定し、エポキシ当量が20000(g/当量)以上であ
ることを確認した後、生成した溶融状態のポリオール樹
脂をフラスコから抜き出した。
【0042】得られたポリオール樹脂の軟化点は118
℃、ガラス転移温度:57℃、数平均分子量(Mn):
2700、重量平均分子量(Mw):45000、およ
びMw/Mn:16.7であった。以下、このポリオー
ル樹脂をP−4という。ここで、各仕込み原料につい
て、前記(1)〜(6)式の値を求めたところ、(1)
式では1500、(2)式では1.0、(3)式では
0.10、(4)式では0.20、および(6)式では
0.03と計算され、各(1)〜(6)式を満足するも
のとなっていることが確認された。
【0043】(比較例1)撹拌装置、温度計、窒素導入
口、蒸留冷却管および受器を備えた容量1lのセパラブ
ルフラスコに、ジメチルテレフタレート450.1g、
ジメチルフタレート13.9g、プロピレングリコール
400g、およびシュウ酸錫0.18gを仕込み、17
0℃に昇温した。メタノールの留去が開始された後、徐
々に昇温し、200℃でメタノール160gを留去し、
トランスエステル化を終了した。次に、反応系内の温度
を210℃、圧力を1333Paに保ちプロピレングリ
コールを留去しながら、高分子量化反応を5時間継続し
た。さらに、無水フタル酸17.2gを添加後、さらに
3時間反応を行い、生成した樹脂をフラスコから取り出
した。得られたポリエステル樹脂の軟化点は121℃、
ガラス転移温度:68℃、数平均分子量(Mn):33
00、重量平均分子量(Mw):7800、Mw/M
n:2.4であった。
【0044】(実施例5)実施例1で得られたポリオー
ル樹脂(P−1)180g、カーボンブラック(三菱化
学(株)製、MA−100)12g、ポリプロピレンワ
ックス(三洋化成(株)製、ビスコール660P)4g
およびスピロンブラックTRH(保土谷化学(株)製)
4gを、スーパーミキサーで混合後、二本ロールで溶融
混練した。得られた混合物を、冷却後、ジェットミルで
粉砕し、さらに乾式気流分級機で分級して平均粒径10
μmの粒子からなるポリオール樹脂粉末を得た。次い
で、全量の0.4wt%となる割合で疎水性シリカ(日
本アエロジル(株)製、R972)を混合し、ヘンシェ
ルミキサー内で2回、30秒間攪拌し、電子写真用トナ
ーを得た。この電子写真用トナーの耐ブロッキング性の
評価を行った。また得られた電子写真用トナー5gと、
鉄粉キャリアー(平均粒径:60〜100μm)95g
とを、均一に混合して現像剤を調製し、その現像剤を用
いて定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】(実施例6〜8)各例において、ポリオー
ル樹脂(P−1)の代わりに、ポリオール樹脂(P−
2)180g(実施例6)、ポリオール樹脂(P−3)
180g(実施例7)、またはポリオール樹脂(P−
4)(実施例8)をそれぞれ使用した以外は、実施例5
と同様にして電子写真用トナーを製造した。得られた電
子写真用トナーを用いて、耐ブロッキング性および定着
性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】(比較例2)ポリオール樹脂(P−1)の
代わりに、比較例1で合成したポリエステル樹脂を用い
た以外は、実施例5と同様にして電子写真用トナーを製
造し、耐ブロッキング性および定着性を評価した。結果
を表1に示す。
【0047】
【0048】(実施例9)ビスフェノールAの使用量を
103.7g、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の
使用量を91.3gに変え、また、無水フタル酸の代わ
りに3官能エポキシ樹脂(三井化学(株)製、テクモア
VG−3101、エポキシ当量:210g/eq)60
gを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリオール樹
脂を製造した。
【0049】得られたポリオール樹脂の軟化点は118
℃、ガラス転移温度:65℃、数平均分子量(Mn):
2620、重量平均分子量(Mw):44546、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw
/Mn)は17であった。ここで、各仕込み原料につい
て、前記(3)、(4)、(6)、(7)および(8)
式の値を求めたところ、(3)式では0、(4)式では
0.15、(6)式では0.20、(7)式では108
0、および(8)式では1.0と計算され、各式を満足
するものとなっていることが確認された。
【0050】得られたポリオール樹脂を用いて、実施例
5と同様にして電子写真用トナーを製造し、耐ブロッキ
ング性および定着性の評価を行った。結果は下記のとお
りであった。 耐ブロッキング性: A 最低定着温度: 130℃ オフセット開始温度: 155℃
【0051】
【発明の効果】本発明のポリオール樹脂は、電子写真用
トナーの主成分として用いて、低温での定着性および高
温での耐オフセット性に優れ、さらに耐ブロッキング性
に優れるため、長期間保存してもブロッキングしない電
子写真用現像剤として好適なトナーを提供することがで
きる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(a): 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一でも異なってもよく、水
    素原子、メチル基、エチル基またはフェニル基である)
    で表されるビスフェノール類(A)と、下記一般式
    (b): 【化2】 (式中、R3 およびR4 は同一でも異なってもよく、水
    素原子、メチル基、エチル基またはフェニル基であり、
    nは0以上の整数である)で表されるビスフェノール型
    エポキシ樹脂(B)、多価アルコール(C)および該多
    価アルコールと酸無水物との反応物(D)から選ばれる
    少なくとも1種とを反応させてなるポリオール樹脂。
  2. 【請求項2】前記多価アルコール(C)が、下記一般式
    (c): 【化3】 (式中、R5 およびR6 は、同一でも異なってもよく、
    エチレン基またはプロピレン基であり、pおよびqは1
    以上の整数であり、p+qは2〜10である)で表され
    る2価フェノールのアルキレンオキシド付加物である請
    求項1に記載のポリオール樹脂。
  3. 【請求項3】軟化点が85〜150℃、Tgが50〜9
    0℃、数平均分子量(Mn)が1000〜10000、
    かつ重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)
    が5〜50である請求項1に記載のポリオール樹脂。
  4. 【請求項4】前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(B)
    が、異なる数平均分子量を有する2種以上のビスフェノ
    ール型エポキシ樹脂の混合物である請求項1に記載のポ
    リオール樹脂。
  5. 【請求項5】前記反応を、さらに架橋剤(E)を用いて
    行う請求項1〜4のいずれかに記載のポリオール樹脂。
  6. 【請求項6】前記のビスフェノール類(A)、ビスフェ
    ノール型エポキシ樹脂(B)、多価アルコール(C)、
    該多価アルコールと酸無水物との反応物(D)、および
    架橋剤(E)とを、下記の式: A1 :分子末端封止に使用されるビスフェノールの重量 A2 :分子主鎖延長に使用されるビスフェノールの重量 NA :ビスフェノールの活性水素当量 B1 :低分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量 NB1:低分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキ
    シ当量 B2 :高分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量 NB2:高分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキ
    シ当量 C:多価アルコールの重量 NC :多価アルコール活性水素当量 D:多価アルコールとの反応に供する酸無水物の量 ND :酸無水物の分子量 E:架橋剤の重量 NE :架橋剤の活性水素当量、エポキシ当量 (酸無水物の場合は分子量) 【数1】 を満足する割合で反応させてなる請求項1〜5のいずれ
    かに記載のポリオール樹脂。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のポリオー
    ル樹脂を主成分とする電子写真用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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