JPH11185653A - 表示管用陽極基板とその製造方法 - Google Patents

表示管用陽極基板とその製造方法

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JPH11185653A
JPH11185653A JP35548897A JP35548897A JPH11185653A JP H11185653 A JPH11185653 A JP H11185653A JP 35548897 A JP35548897 A JP 35548897A JP 35548897 A JP35548897 A JP 35548897A JP H11185653 A JPH11185653 A JP H11185653A
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glass
layer
display tube
conductor
substrate
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JP35548897A
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Yuji Nomura
裕司 野村
Mamoru Namikawa
衛 浪川
Yasuyuki Naito
康之 内藤
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Original Assignee
Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】RGBのカラーフィルタを有する表示管用陽極
基板において、3系統の陽極を立体配線で無理なく引き
だす。 【解決手段】ガラス基板2の内面に第1の端子導体3と
帯状のカラーフィルタR,G,Bを形成する。フィルタ
と端子導体3を覆って低融点ガラスの平滑層4を形成す
る。平滑層には、端子導体3に相当する部分に通孔5が
ある。平滑層の上に、フィルタR,G,Bに対応する第
1〜第3の配線導体6,7,8と、第2及び第3の端子
導体9,10を形成する。第1の配線導体6は通孔5を
介して平滑層4の下の第1の端子導体3に接続される。
第2及び第3の配線導体7,8は第2及び第3の端子導
体9,10に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板の内面
にカラーフィルターを備えた表示管用陽極基板に係り、
特に3系統の陽極を立体配線で引きだす構造を備えた表
示管用陽極基板とその製造方法に関するものである。本
発明は、例えば蛍光表示管、電界放出陰極(Field Emis
sion Cathode, 略してFEC)を電子源に利用した表示素子
である電界放出形表示装置(Field Emission Display,
略してFED)、プラズマディスプレイ(PDP) 等、各種の表
示素子におけるカラーフィルターを備えた陽極基板及び
その製造方法として有用である。
【0002】
【従来の技術】一般に蛍光表示管やFEDは、蛍光体を
備えた表示部や、蛍光体を発光させるための電子を供給
する陰極等、各種電極等を収納する箱型乃至パネル状の
外囲器を備えている。この外囲器は、一般に絶縁性の基
板を組み合わせて構成されているが、その一部として、
発光表示部となる陽極が内面に形成された陽極基板を備
えている。かかる陽極基板の一般的な構造を説明する
と、その内面には配線導体等からなる陽極導体が所定の
パターンで形成され、その上に蛍光体層が被着されてい
る。例えば、この表示素子がRGBの各色に発光する画
素によってフルカラー表示を行うものであれば、この陽
極導体の電気系統は互いに独立した3系統に分かれて構
成されている。
【0003】図6は、RGBの各色に発光するストライ
プ状の陽極を有する陽極基板100であり、3系統のワ
イヤー状の陽極導体の一構成例を示している。陽極基板
100の内面に3系統の陽極導体101,102,10
3が設けられている場合、図示のように2系統の陽極導
体102,103は陽極基板100の上下に設けた2つ
の端子導体104,105にそれぞれ共通接続し、ここ
から外囲器外に引きだすことができる。しかしながら、
2系統の陽極導体102,103に囲まれた第3の陽極
導体101は孤立してしまう。
【0004】この孤立した陽極導体101を駆動回路と
接続すべく外囲器外に引きだすために、幾つかの構造が
提案されている。例えば、所定間隔に配置した複数本の
導電線を絶縁フィルムで被覆した構造のケーブルである
所謂FPCを用い、孤立した前記複数本のワイヤー状の
陽極導体101にFPCの各導電線をそれぞれ接続して
外囲器外に引きだすことができる。
【0005】また、陽極基板上で孤立した複数本の陽極
導体101にそれぞれ接続されるように、外囲器の内部
の要所に複数本の導体支柱を配置し、陽極基板100に
対面する外囲器の反対側の内面上で前記導体支柱を互い
に共通に接続し、これを外囲器外に引きだすこともでき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たFPCを用いる構造の場合には、外囲器の気密保持の
観点から、FPCが外囲器の封着部分を貫通する構造は
採用することができない。このため、FPCの各導電線
と各陽極導体とを接続する接続部は、外囲器外に設ける
必要がある。そのためには、箱型の外囲器の外形から陽
極基板の一部を突出させ、外囲器内から封着部分を貫通
して外囲器外の陽極基板上にまで陽極導体を延設し、外
囲器外で陽極導体にFPCを接続する必要がある。この
ような構造は、外囲器の全体としての寸法が大きくなり
すぎ、発光素子の中に発光に関与しない不必要な部分が
増えるので好ましくない。
【0007】また、導体支柱を使用して孤立した陽極導
体を引きだす構造では、外囲器内で導体支柱が浮遊して
接触不良をもたらしたり、また孤立した陽極導体以外の
陽極導体に導体支柱が接触して絶縁不良をもたらす危険
性がある。
【0008】本発明は、特に3系統の陽極を立体配線で
無理なく引きだす構造を備えた表示管用陽極基板とその
製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された表
示管用陽極基板は、ガラス基板と、前記ガラス基板の内
面に形成された光学効果層と、前記ガラス基板の内面に
形成された第1の端子導体と、前記光学効果層と前記第
1の端子導体を覆うとともに前記第1の端子導体に相当
する部分に通孔が形成された低融点ガラスからなる透光
性の平滑層と、前記平滑層の上に形成され、前記平滑層
の通孔を介して前記第1の端子導体に接続される第1の
配線導体と、前記平滑層の上に形成された第2の配線導
体と、前記平滑層の上に形成されて前記第2の配線導体
が接続される第2の端子導体と、前記平滑層の上に形成
された第3の配線導体と、前記平滑層の上に形成されて
前記第3の配線導体が接続される第3の端子導体とを有
することを特徴としている。
【0010】請求項2に記載された表示管用陽極基板
は、請求項1記載の表示管用陽極基板において、前記光
学効果層が赤・緑・青の各色のカラーフィルタであるこ
とを特徴としている。
【0011】請求項3に記載された表示管用陽極基板
は、請求項1記載の表示管用陽極基板において、前記光
学効果層がブラックマトリクスであることを特徴として
いる。
【0012】請求項4に記載された表示管用陽極基板
は、請求項1記載の表示管用陽極基板において、前記光
学効果層が赤・緑・青の各色のカラーフィルタと該カラ
ーフィルタを区画するブラックマトリクスであることを
特徴としている。
【0013】請求項5に記載された表示管用陽極基板
は、請求項1記載の表示管用陽極基板において、前記ガ
ラス基板がホウ珪酸ガラス基板であることを特徴として
いる。
【0014】請求項6に記載された表示管用陽極基板
は、請求項1記載の表示管用陽極基板において、前記低
融点ガラスは、形成膜厚10μm以上で可視光透過率が
90%以上であることを特徴とする。
【0015】請求項7に記載された表示管用陽極基板
は、請求項1記載の表示管用陽極基板において、前記低
融点ガラスは、軟化点が前記ガラス基板の歪点以上であ
り、低融点ガラスのガラス転移点が後工程における加熱
温度以上であることを特徴とする。
【0016】請求項8に記載された表示管用陽極基板
は、請求項7記載の表示管用陽極基板において、前記低
融点ガラスが、Pbを含まないZnO系のガラスである
ことを特徴としている。
【0017】請求項9に記載された表示管用陽極基板
は、請求項8記載の表示管用陽極基板において、前記P
bを含まないZnO系のガラスが、ZnO−B2 3
SiO 2 系低融点ガラスとBi2 3 −ZnO−SiO
2 系低融点ガラスからなる群から選択されたことを特徴
としている。
【0018】請求項10に記載された表示管用陽極基板
の製造方法は、ガラス基板の内面に第1の端子導体と所
定パターンの光学効果層とを形成し、前記第1の端子導
体に相当する部分に通孔が形成された低融点ガラスから
なる透光性の平滑層を前記光学効果層と前記第1の端子
導体を覆うように形成し、前記平滑層の上に、前記光学
効果層の前記パターンに適合したパターンを有する第1
〜第3の配線導体と、前記第2及び第3の配線導体に接
続する第2及び第3の端子導体とを形成し、前記第1の
配線導体は前記平滑層の通孔を介して前記第1の端子導
体に電気的に接続されるように構成したことを特徴とし
ている。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本例の表示管用陽極基板1
の構造を、その製造方法とともに、図1を参照して説明
する。この表示管用陽極基板1は、所定の順序で並んだ
赤緑青の各色に発光するストライプ状の表示部を有する
ものであり、蛍光表示管やFEDの陽極基板として使用
される。
【0020】図1に示す本例のガラス基板2は、ホウ珪
酸ガラス基板(熱膨張係数45〜50×10-7/℃)で
ある。ガラス基板2にホウ珪酸ガラスを用いる理由は、
耐電圧性が高く、500℃〜650℃の熱処理工程にお
ける熱収縮や反りが少ないからであり、熱処理工程の多
い蛍光表示管やFEDの陽極基板として適しているから
である。
【0021】図1に示すように、このガラス基板2の一
辺に沿って第1の端子導体3を形成する。この端子導体
3は帯状であり、ITO(Indium Tin Oxide)を成膜した
後、エッチングによって形成する。端子導体の材料とし
ては、Al、Ni、Ag等の各種導電材料でもよく、そ
の形成方法には、成膜した後にエッチングする方法の
他、スクリーン印刷法等でもよい。
【0022】図1に示すように、このガラス基板2の表
示領域となる中央部に、光学効果層として無機顔料型の
カラーフィルタR,G,Bを形成する。カラーフィルタ
R,G,Bは、それぞれ赤緑青の3色のストライプ状で
あり、所定の順序で形成される。カラーフィルタR,
G,Bは、無機顔料を含むペーストを所定のパターンに
印刷し、これを焼成して形成する。カラーフィルタR,
G,Bのみで焼成してもよいし、後述する平滑層4とと
もに焼成してもよい。カラーフィルタR,G,Bは、ス
クリーン印刷法等の印刷法の他、エッチング法、ホトリ
ソグラフィー法、埋め込み法等で形成することもでき
る。例えば、特願平8−55064号記載のカラーフィ
ルタR,G,BペーストでカラーフィルタR,G,Bを
形成する。
【0023】図2に示すように、第1の端子導体3とカ
ラーフィルタR,G,Bを覆って平滑層4を形成する。
平滑層4は、カラーフィルタR,G,Bの全体を覆うよ
うに形成し、封着用シール箇所等には被覆しなくてもよ
い。第1の端子導体3を覆う平滑層4の一辺には、特定
色のカラーフィルタR,G,Bに対応する部分に通孔5
を形成し、下の第1の端子導体3を露出させておく。本
例では赤(R)のカラーフィルタR,G,Bに対応する
部分に通孔5を形成する。
【0024】平滑層4は低融点ガラスからなるが、本例
では、軟化点が前記ガラス基板2の歪点以上であり、ガ
ラス転移点が後工程における加熱温度以上である低融点
ガラスとして、Pbを含まないZnO系ガラスを使用し
た。具体的には、ホウ珪酸ガラス基板2に熱膨張係数が
比較的近いZnO−B2 3 −SiO2 系低融点ガラス
(例えばNEG製F−54Aは熱膨張係数53×10-7
/℃)や、Bi2 3−ZnO−SiO2 系低融点ガラ
ス等を用いた。これらの低融点ガラスは、透光性が高
く、電界によって還元等の変化が起きにくい。
【0025】平滑層4の膜厚は、カラーフィルタR,
G,Bの平坦化が図れ、且つ絶縁耐性も十分で、透光性
も損なわない(可視光透過率90%以上)厚さである1
0〜20μm(焼成後)が適当である。
【0026】図3に示すように、平滑層4の上に第1〜
第3の配線導体6,7,8と、第2及び第3の端子導体
9,10を形成する。本例では、ITO膜を成膜した
後、これをエッチングで図示のパターンに形成する方法
を採用するので、酸に弱いZnO−B2 3 −SiO2
系低融点ガラスからなる平滑層4をエッチャントから保
護するため、平滑層4の上に予めSiO2 膜等の耐電圧
性のある耐酸性保護膜を形成する。
【0027】平滑層4の上に第1〜第3の配線導体6,
7,8と、第2及び第3の端子導体9,10を形成する
工程を説明する。まず、SiO2 膜等の耐酸性保護膜
を、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、ゾルーゲル
法等によって平滑層4の上に形成する。形成膜厚は耐酸
性が図れ且つ透光性も損なわない(可視光透過率90%
以上)1000オングストームが適当である。
【0028】耐酸性保護膜の上に、ITO(Indium Tin
Oxide)をスパッタリング法によって1500オングスト
ロームの厚さに成膜する。ITOをパターニングする
為、フォトレジスト(例えば粘性率15cP)を塗膜
し、例えばホットプレート等によってプリベークする。
そして、フォトマスクを通して露光(紫外線にて80〜
500mJ/cm2 )し、電極として残す透明導電膜上
のフォトレジスト以外に露光する。次に現像液に浸漬し
て露光されたフォトレジストを取り除き、純水を用いて
リンスした後、ホットプレート等によってポストベーク
を行う。そして、前記基板をエッチング液、例えばBH
Fに浸漬し、フォトレジスト被覆部以外の透明導電膜を
浸食により取り除く。最後に、フォトレジストを剥離液
で剥離し、純水を用いてリンスした後、任意の洗浄プロ
セスによって洗浄する。
【0029】図3に示すように、第1〜第3の配線導体
6,7,8は、各カラーフィルタR,G,Bに対応して
線状に形成する。カラーフィルタRに対応するのが第1
の配線導体6、カラーフィルタGに対応するのが第2の
配線導体7、カラーフィルタBに対応するのが第3の配
線導体8である。平滑層4にはカラーフィルタRに対応
する第1の端子導体3の上の部分に通孔5があるので、
第1の配線導体6は通孔5の部分において平滑層4の下
にある前記第1の端子導体3に接続する。第2及び第3
の端子導体9,10は平滑層4の上下両辺に沿って形成
され、それぞれ第2及び第3の配線導体7,8と接続す
る。
【0030】従って、カラーフィルタRに対応する多数
本の第1の配線導体6は、平滑層4下の第1の端子導体
3に接続され、カラーフィルタGに対応する多数本の第
2の配線導体7は、平滑層4上の第2の端子導体9に接
続され、カラーフィルタBに対応する多数本第3の配線
導体8は、平滑層4上の第3の端子導体10に接続され
る。
【0031】以上の工程により、無機顔料のカラーフィ
ルタと、各色フィルタに対応した3ワイヤー構造の配線
導体を有し、これら3系統の配線導体を立体配線で引き
だした表示管用陽極基板1が得られる。
【0032】この表示管用陽極基板1を蛍光表示管やF
EDに使用する場合には、配線導体6,7,8の上に蛍
光体層を形成する。蛍光体は、スクリーン印刷法、フォ
トリソグラフィー法等を用いて配線導体6,7,8の発
光予定箇所に形成する。赤緑青の各カラーフィルタR,
G,Bに対応して赤緑青の各色に発光する3種類の蛍光
体層を形成してもよいし、発光スペクトルが広いZn
O:Zn蛍光体を共通に用いてもよい。これによって、
蛍光表示管用又はFED用の陽極基板が完成する。ま
た、3つの端子導体は、外囲器の封着部分を気密に貫通
する外部端子によって外囲器外に導出することができ
る。
【0033】本例において、平滑層4を構成するガラス
材は、以下の理由でPb(鉛)を含まないZnO系の低
軟化点ガラス又は低融点ガラス(ZnO−B2 3 −S
iO 2 やBi2 3 −ZnO−SiO2 等)を使用する
ことが好ましい。
【0034】本例で使用する前記ZnO系の低融点ガラ
スは、軟化点が例えば約600℃、ガラス転移点が例え
ば約500℃であり、両者の温度差は例えば約100℃
と小さい。これに対し、Pbを含むガラスはこの差が大
きく、例えば150℃以上にもなる。
【0035】本例の表示管用陽極基板1は、蛍光表示管
等に使用されるものであるから、配線導体6,7,8の
上に蛍光体層を形成する際の焼成工程や、それに続くシ
ール形成や封着に伴う焼成工程がある。平滑層4となる
ガラスの転移点(粘度が4×1014poiseの時の温
度。これより温度が上がると粘性流動が起こる。)は、
これら後工程での焼成温度(現状では500℃)以上で
なければならない。なぜなら、ガラスの平滑層4上に形
成されるITO配線等の薄膜の配線導体6,7,8が、
ガラスの平滑層4の粘性流動で断線してしまうためであ
る。本例で使用する前記ZnO系の低融点ガラスは、転
移点が例えば約500℃であり、後工程の焼成温度と同
程度であるから断線の恐れはない。
【0036】また、平滑層4となるガラスの軟化点(粘
度が4×107 poiseの時の温度。これより上の温
度が作業温度になる。)は、ガラス基板2の歪点より十
分に低くなければならない。本例で採用したホウ珪酸ガ
ラス基板2は、歪点が650℃である。本例で使用する
前記ZnO系の低融点ガラスは、軟化点が例えば約60
0℃であり、安全である。
【0037】また、本例で使用する前記ZnO系の低融
点ガラスは、電気的に安定である。さらに、高電圧駆動
による絶縁抵抗の低下がない。
【0038】また、本例で使用する前記ZnO系の低融
点ガラスは、カラーフィルタR,G,Bやブラックマト
リクス材料に対して化学的に安定である。PbOは、フ
ィルタ材に用いられているFe2 3 (赤)と反応して
FeO(黒)に変化させてしまうので、本例の材料とし
ては適当でない。
【0039】また、本例においてガラス基板2に高歪点
のホウ珪酸ガラス基板を用いる理由は、例え600℃程
度の高温焼成を行っても、発生する反りや収縮が小さい
ためである。反りがあると他の基板と組み合わせてパネ
ル状の表示素子とした時に割れ易い。また、収縮は陽極
パターンのズレにつながる。
【0040】次に、前記表示管用陽極基板(陽極基板)
1を用いて構成されたFED10について図4を参照し
て説明する。陽極基板1の配線導体6,7,8に蛍光体
層12を形成する。赤緑青各色のカラーフィルタR,
G,Bごとに、それぞれRGBに発光する異なる蛍光体
を用いてもよいし、RGBのカラーフィルタR,G,B
の各々にスペクトルが広いZnO:Zn蛍光体を用いて
もよい。この陽極基板1の蛍光体層12側に対面して、
陰極基板13が配置されている。陰極基板13の内面に
は、FEC14が形成されて前記蛍光体層12に対面し
ている。FEC14は、陰極基板13の内面に形成され
た陰極導体15と、陰極導体15の上に形成された絶縁
層16と、前記絶縁層16の上に形成されたゲート電極
17と、前記ゲート電極17と前記絶縁層16に形成さ
れたホール18と、前記ホール18の内部に露出した前
記陰極導体15の上に形成されたコーン形状のエミッタ
19とを有している。陰極基板13のFEC14側を、
前記陽極基板1の蛍光体層12側に微小間隔をおいて対
面させ、両基板1,13の外周の隙間を図示しないスペ
ーサ部材で封止して外囲器を構成し、該外囲器の内部を
高真空状態に排気する。
【0041】駆動時には、FEC14から放出された電
子は陽極基板1の蛍光体層12に射突してこれを発光さ
せる。蛍光体層12の発光は、配線導体6,7,8と、
各カラーフィルタR,G,Bと、ガラス基板2を通して
陽極基板1の外側から赤緑青の各色に観察される。スト
ライプ状の前記蛍光体層12をドット状に選択的に発光
させる構造とすれば、フルカラーのグラフィック表示を
行える。
【0042】次に、前記陽極基板1を用いて構成された
蛍光表示装置20について図5を参照して説明する。陽
極基板1の配線導体6,7,8に蛍光体層12を形成す
る。本例では、赤緑青各色のカラーフィルタR,G,B
ごとに、それぞれ赤緑青に発光する異なる蛍光体を用い
てもよいし、スペクトルが広いZnO:Zn蛍光体を共
通に用いてもよい。この陽極基板1の蛍光体層12側に
所定の間隔をおいて背面基板21が配置されている。陽
極基板1と背面基板21の外周縁の間には、図示しない
側面板が設けられており、全体として箱形の外囲器が構
成されている。外囲器の内部において、図5において前
記蛍光体層12の下方には制御電極22が設けられ、さ
らに制御電極22の下方にはフィラメント状の陰極23
が張設されている。外囲器の内部は高真空状態に排気さ
れている。
【0043】駆動時には、フィラメント状の陰極23か
ら放出された電子は制御電極22に加速・制御されて陽
極基板1の蛍光体層12に射突してこれを発光させる。
蛍光体層12の発光は、配線導体6,7,8と、各カラ
ーフィルタR,G,Bと、ガラス基板2を通して陽極基
板1の外側から赤緑青の各色に観察される。前記蛍光体
層12をドット状に選択的に発光させる構造とすれば、
フルカラーのグラフィック表示を行える。
【0044】本例では、ガラス基板2の内面に光学効果
層として赤緑青のカラーフィルタR,G,Bが設けられ
ていたが、本発明はカラーフィルタR,G,B以外の光
学効果層にも適用可能である。光学効果層としては、例
えばブラックマトリクスでもよいし、カラーフィルタと
ブラックマトリクスの組み合わせでもよい。なお、ブラ
ックマトリクスは、スクリーン印刷法、エッチング法、
ホトリソグラフィー法、埋め込み法等で形成することが
でき、例えば、特願平8−65066号記載のブラック
マトリックスペーストを用いて形成できる。
【0045】本発明の用途は蛍光表示管やFEDの陽極
基板専用に限られたものではなく、透明導電膜を有する
表示デバイスに広く使用可能であり、例えば、プラズマ
ディスプレイ等やメタルバックを有する表示デバイスに
も適用することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、複数系統の配線を有す
る表示管用陽極基板において、カラーフィルタ等の光学
効果層を平坦化するための平滑層を用いた立体配線によ
って配線の引き出しが容易になった。光学効果層を平坦
化するための平滑層を立体配線にも兼用するのであるか
ら、立体配線のために専用の絶縁層を設ける必要がな
く、工程が増えることなく光学効果層と複数系統配線を
備えた表示管用陽極基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である表示管用陽極
基板1の製造工程を示す図であって、カラーフィルタ
R,G,Bと第1の端子導体3が内面に形成されたガラ
ス基板2の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例である表示管用陽極
基板1の製造工程を示す図であって、図1で示すガラス
基板2に平滑層4を形成した状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例である表示管用陽極
基板1の製造工程を示す図であって、図2で示すガラス
基板2の平滑層4の上に配線導体6,7,8を形成した
状態を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態の表示管用陽極基板1を用
いたFEDの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の表示管用陽極基板1を用
いた蛍光表示管の断面図である。
【図6】3系統の陽極導体を有する従来の表示管用陽極
基板の平面図である。
【符号の説明】
1 表示管用陽極基板 2 ガラス基板 3 第1の端子導体 4 平滑層 5 通孔 6 第1の配線導体 7 第2の配線導体 8 第3の配線導体 9 第2の端子導体 10 第3の端子導体 R,G,B 光学効果層としてのカラーフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 9/227 H01J 9/227 F 29/86 29/86 Z 31/12 31/12 C 31/15 31/15 D

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と、前記ガラス基板の内面に
    形成された光学効果層と、前記ガラス基板の内面に形成
    された第1の端子導体と、前記光学効果層と前記第1の
    端子導体を覆うとともに前記第1の端子導体に相当する
    部分に通孔が形成された低融点ガラスからなる透光性の
    平滑層と、前記平滑層の上に形成され、前記平滑層の通
    孔を介して前記第1の端子導体に接続される第1の配線
    導体と、前記平滑層の上に形成された第2の配線導体
    と、前記平滑層の上に形成されて前記第2の配線導体が
    接続される第2の端子導体と、前記平滑層の上に形成さ
    れた第3の配線導体と、前記平滑層の上に形成されて前
    記第3の配線導体が接続される第3の端子導体とを有す
    る表示管用陽極基板。
  2. 【請求項2】 前記光学効果層が赤・緑・青の各色のカ
    ラーフィルタである請求項1記載の表示管用陽極基板。
  3. 【請求項3】 前記光学効果層がブラックマトリクスで
    ある請求項1記載の表示管用陽極基板。
  4. 【請求項4】 前記光学効果層が赤・緑・青の各色のカ
    ラーフィルタと該カラーフィルタを区画するブラックマ
    トリクスである請求項1記載の表示管用陽極基板。
  5. 【請求項5】 前記ガラス基板がホウ珪酸ガラス基板で
    ある請求項1記載の表示管用陽極基板。
  6. 【請求項6】 前記低融点ガラスは、形成膜厚10μm
    以上で可視光透過率が90%以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の表示管用陽極基板。
  7. 【請求項7】 前記低融点ガラスは、軟化点が前記ガラ
    ス基板の歪点以上であり、低融点ガラスのガラス転移点
    が後工程における加熱温度以上であることを特徴とする
    請求項1記載の表示管用陽極基板。
  8. 【請求項8】 前記低融点ガラスが、Pbを含まないZ
    nO系のガラスである請求項7記載の表示管用陽極基
    板。
  9. 【請求項9】 前記Pbを含まないZnO系のガラス
    が、ZnO−B2 3−SiO2 系低融点ガラスとBi
    2 3 −ZnO−SiO2 系低融点ガラスからなる群か
    ら選択された請求項8記載の表示管用陽極基板。
  10. 【請求項10】 ガラス基板の内面に第1の端子導体と
    所定パターンの光学効果層とを形成し、 前記第1の端子導体に相当する部分に通孔が形成された
    低融点ガラスからなる透光性の平滑層を前記光学効果層
    と前記第1の端子導体を覆うように形成し、 前記平滑層の上に、前記光学効果層の前記パターンに適
    合したパターンを有する第1〜第3の配線導体と、前記
    第2及び第3の配線導体に接続する第2及び第3の端子
    導体とを形成し、前記第1の配線導体は前記平滑層の通
    孔を介して前記第1の端子導体に電気的に接続されるよ
    うに構成した表示管用陽極基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002025477A (ja) * 2000-07-07 2002-01-25 Ise Electronics Corp 平面ディスプレイ及びその製造方法
JP2006190539A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Dialight Japan Co Ltd フィールドエミッション型面状光源

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