JPH11172891A - タイルパネル及びそれに用いられるユニットタイル - Google Patents

タイルパネル及びそれに用いられるユニットタイル

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JPH11172891A
JPH11172891A JP33847297A JP33847297A JPH11172891A JP H11172891 A JPH11172891 A JP H11172891A JP 33847297 A JP33847297 A JP 33847297A JP 33847297 A JP33847297 A JP 33847297A JP H11172891 A JPH11172891 A JP H11172891A
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tile
unit
tiles
joint
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Morito Kobayashi
盛人 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物へのタイル施工におけるタイル貼り作
業と目地形成作業とを、共に効率的に行ない得るタイル
パネルと、そのようなタイルパネルの構成材料とし有利
に用いられる得るユニットタイルとを提供する。 【解決手段】 矩形形状を呈し、該矩形状の互いに隣り
合う二つの辺を含む、表面側の辺縁部位に目地部16が
設けられたユニットタイル12の複数を、互いに対応す
る辺同士において、該目地部16が設けられる辺縁部位
の辺とそれが設けられていない辺縁部位の辺とを互いに
突き合わせた状態で縦横に配置し、且つかかる複数のユ
ニットタイル12の裏面に対して、該複数のユニットタ
イル12の縦横の配列方向の何れか一方向に延びる帯状
の金属板26を、該配列方向の何れか他方向に隣り合っ
て、該配列方向の一方向に配される複数組のユニットタ
イル12に連続して跨がるように重ね合わせて接合せし
め、該複数のユニットタイル12を、隣り合うもの同士
において、該金属板26を介して相互に連結することに
よりパネル化して、構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、タイルパネル及びそれに用いら
れるユニットタイルに係り、特に、縦横に配された複数
のユニットタイルが相互に連結せしめられてなるタイル
パネルとそれを構成するユニットタイルに関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】従来から、建築物に対するタイル施工が、
該建築物の美観や耐久性の向上を図ること等を目的とし
て、広く行なわれている。そして、この建築物に対する
タイル施工の実施に際しては、一般に、専門技能者が、
施工現場で、建築物の下地に対して複数のタイルを互い
に一定の隙間をあけて一個一個貼り付けた後、隣り合う
タイル同士の隙間にセメント系充填材等の目地材料を充
填して目地を形成するといった、多大な時間と費用とを
要するタイル貼り作業と目地形成作業とを連続して行な
う施工法が採用されている。
【0003】一方、近年では、建築技術の進歩に応じ
て、各種建築物の施工法に対する高能率化の要望が高ま
ってきており、それに伴って、建築物へのタイル施工に
対しても、能率的且つ合理的な施工法の確立が強く望ま
れている。
【0004】かかる状況下、工場生産により、縦横に配
された複数のタイルを互いに連結せしめてパネル化して
なる、所謂タイルパネルを用いたタイル施工法が、提案
されている。このタイル施工法によれば、建築物の下地
に対してタイルパネルを1枚ずつ配設する毎に複数のタ
イルが一挙に貼り付けられ得て、施工現場でのタイル貼
り作業の能率化が有効に図られ得るのである。
【0005】ところが、従来のタイルパネルにおいて
は、その製作過程で、縦横に配された複数のタイルを相
互に連結させるタイルの連結作業を行なう際に、複数の
タイルを一定の隙間をあけて配置し、そして、かかるタ
イルの連結作業を行なった後、隣り合うタイル同士の隙
間に所定の目地材料を充填するといった作業、即ち、施
工現場でタイルを下地に一個一個貼り付ける従来の施工
法を採用する場合と略同様な、面倒で手間のかかる目地
形成作業を行なうことによって、隣り合うタイル同士の
間に目地が形成されるようになっているため、そのよう
な従来のタイルパネルを用いてタイル施工を行なう場合
にあっても、目地を形成するための作業の能率化が十分
に図られ得ないのが、実情なのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、建築物に対するタイル施工の実施時にお
ける、該建築物の下地へのタイル貼り作業の効率化と、
タイル同士の間への目地の形成作業の効率化とを、共に
有効に図り得るタイルパネルを提供することにある。ま
た、本発明にあっては、そのようなタイルパネルの構成
材料として有利に用いられ得るユニットタイルを提供す
ることをも、解決課題とするものである。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、矩形の平板形状を呈し、該矩形状の互い
に隣り合う二つの辺を含む、表面側の辺縁部位に、釉薬
が施されていない目地部が、該隣り合う二つの辺に沿っ
て連続して延びるように設けられてなるユニットタイル
を用い、その複数が、互いに対応する辺同士において、
該目地部が設けられる辺縁部位の辺とそれが設けられて
いない辺縁部位の辺とを互いに突き合わせた状態で縦横
に配されてなり、且つかかる複数のユニットタイルの裏
面に対して、該複数のユニットタイルの縦横の配列方向
の何れか一方向に連続して延びる帯状の金属板が、該複
数のユニットタイルの縦横の配列方向の何れか他方向に
隣り合って、該配列方向の一方向に配される複数組のユ
ニットタイルに連続して跨がる状態で、接着剤層を介し
て重ね合わされて接合され、該複数のユニットタイル
が、隣り合うもの同士において、該帯状の金属板を介し
て相互に連結せしめられることによってパネル化されて
いるタイルパネルを、その特徴とするものである。
【0008】すなわち、本発明に従うタイルパネルにあ
っては、それを構成するユニットタイルとして、矩形状
を呈し、該矩形状の互いに隣り合う二つの辺を含む、表
面側の辺縁部位、換言すれば、該矩形状の長さ方向の一
辺と幅方向の一辺に沿ってそれぞれL字状に連続して延
びる、表面の外周部分に、釉薬が施されていない目地部
が設けられたユニットタイルが用いられ、そして、この
ユニットタイルの複数が、互いに対応する辺同士におい
て、目地部が設けられる辺縁部位の辺とそれが設けられ
ていない辺縁部位の辺とを互いに突き合わせつつ、縦横
に配置された状態下で、相互に連結せしめられることに
よって、パネル化されて、構成されているところから、
互いに突き合わされた状態で、隣り合って位置せしめら
れたユニットタイルのうちの一方のユニットタイルの目
地部にて、該一方のユニットタイルの釉薬が施された、
所謂装飾部と、他方のユニットタイルの該装飾部との間
に目地が形成され得ているのである。
【0009】それ故、かかるタイルパネルにあっては、
その製作過程で、単に、複数のユニットタイルを所定の
向きで互いに突き合わせつつ縦横に配置して相互に連結
せしめる、極めて簡便なユニットタイルの連結作業を行
なうだけで、タイルパネルの表面に、目地が縦横に延び
るように形成され得るようになっているのであり、それ
によって、タイルパネルの表面に目地を形成するため
に、複数のユニットタイルを一定の隙間をあけて縦横に
配置した状態で、隣り合うユニットタイル同士の隙間に
所定の目地材料を充填するといった、極めて面倒で手間
のかかる、従来の目地形成作業を行なう必要が、皆無な
らしめられ得るのである。
【0010】しかも、かかるタイルパネルにおいては、
上述の如く、縦横に配された複数のユニットタイルが互
いに連結せしめられることによりパネル化されて、構成
されているところから、建築物の下地に対して、タイル
パネルを1枚ずつ配設する毎に、複数のユニットタイル
が一挙に貼り付けられ得ることとなるのである。
【0011】従って、本発明に従うタイルパネルを用い
れば、建築物に対するタイル施工の実施時における、該
建築物の下地へのタイル貼り作業の効率化と、タイル同
士の間への目地の形成作業の効率化とが、何れも、極め
て有効に図られ得るのである。そして、その結果とし
て、従来のタイルパネルを用いる場合に比して、建築物
のタイル施工における施工時間や施工費が、より一層効
果的に削減され得ることとなるのである。
【0012】また、本発明にあっては、矩形の平板形状
を呈し、該矩形状の互いに隣り合う二つの辺を含む、表
面側の辺縁部位に、釉薬が施されていない目地部が、該
隣り合う二つの辺に沿って連続して延びるように設けら
れている一方、該矩形状の互いに対向する二つの辺を含
む、裏面側の辺縁部位に、金属板が接着剤層を介して重
ね合わされて接合される接合部が、該互いに対向する二
つの辺に沿って連続して延びるように設けられているタ
イルパネル用ユニットタイルをも、その特徴とするもの
である。
【0013】このような本発明に従うタイルパネル用ユ
ニットタイルを複数使用して、それら複数のユニットタ
イルを、互いに対応する辺同士において、目地部が設け
られる辺縁部位の辺とそれが設けられていない辺縁部位
の辺とを互いに突き合わせつつ、縦横に配置すれば、各
ユニットタイルの目地部にて、目地が、該複数のユニッ
トタイルの配列方向に沿って縦横に延びるように形成さ
れ得るのであり、また、そのような配置状態下で、それ
ら複数のユニットタイルの裏面の接合部に対して、金属
板を接着剤層を介して接合することによって、該複数の
ユニットタイルが確実に連結され得るのである。
【0014】それ故、かかるタイルパネル用ユニットタ
イルを用いれば、複数のユニットタイルが相互に突き合
わされつつ、縦横に配置され、且つ目地が、該複数のユ
ニットタイルの配列方向に沿って延びるようにして形成
された状態下で、それら複数のユニットタイルが相互に
連結せしめられてなるタイルパネルが有利に作製され得
るのである。
【0015】従って、本発明に係るタイルパネル用ユニ
ットタイルにあっては、建築物に対するタイル施工の実
施時における、該建築物の下地へのタイル貼り作業の効
率化と、タイル同士の間への目地の形成作業の効率化と
が、共に有効に図られ得るタイルパネルの構成材料とし
て、極めて有利に用いられ得るのである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係るタイルパネルとそれに用
いられるユニットタイルの構成について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0017】先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構
造を有し、住宅外壁の表面を覆って配設されるタイルパ
ネルの一例が、概略的に示されている。それらの図から
も明らかなように、タイルパネル10は、21枚のユニ
ットタイル12と、二つの連結金具14とを有して、構
成されている。
【0018】より具体的には、このタイルパネル10を
構成する21枚のユニットタイル12は、それぞれ、同
一の大きさを有する矩形平板形状を呈している。また、
図4乃至図6に示される如く、各ユニットタイル12の
一方の面側には、目地部16と装飾部18とが、設けら
れている。そして、この目地部16は、ユニットタイル
12の一方の面側における、互いに隣り合う二つの辺を
含む辺縁部位、即ち、ユニットタイル12の長さ方向の
一辺に沿って横方向に延びる、該ユニットタイル12の
一方の面の外周部位と、その幅方向の一辺に沿って縦方
向に延びる、該ユニットタイル12の一方の面の外周部
位とに形成されており、それら各辺縁部位の表面側部分
が、一定の幅と厚さで削り取られるようにして、他の部
位よりも一段低くされることによって、構成されてい
る。
【0019】換言すれば、目地部16は、ユニットタイ
ル12の一方の面側において、該ユニットタイル12の
長さ方向の一辺に沿って横方向に延びる横目地部16a
と、その幅方向の一辺に沿って縦方向に延びる縦目地部
16bとから成っており、それらが、所定の深さと幅と
を有する凹所形態をもって、該ユニットタイル12の長
さ方向の一辺と幅方向の一辺に沿ってL字状に連続して
延びるように形成されているのである。
【0020】また、装飾部18は、ユニットタイル12
の一方の面側における、前記目地部16の形成部位を除
いた、該目地部16よりも一段高くされた矩形部分の全
面に、所定の釉薬からなる釉薬層20が積層されること
によって、形成されている。これにより、各ユニットタ
イル12においては、装飾部18に積層された釉薬層2
0の表面にて、意匠面が形成されているのであり、以て
かかる装飾部16が設けられる一方の面側が、表面側と
されているのである。
【0021】さらに、各ユニットタイル12にあって
は、他方の面側、即ち、目地部16と装飾部18が形成
される側とは反対の裏面側に、裏足部22と連結金具接
合部24とが、設けられている。この裏足部22は、従
来のタイルに設けられるものと同様に、建築物の下地に
貼り付けられた際に、ユニットタイル12の位置ずれを
防止するために設けられるものであって、ユニットタイ
ル12の長さ方向に連続して延びる凸条形態を有して、
構成されている。そして、ここでは、かかる裏足部22
が、ユニットタイル12の裏面側における、長さ方向に
互いに対向する二つの辺を含む辺縁部位を除いた部位
に、該ユニットタイル12の幅方向に所定間隔をおい
て、四つ形成されている。
【0022】また、連結金具接合部24は、ユニットタ
イル12の裏面側における、長さ方向に互いに対向する
二つの辺を含む辺縁部位に、それぞれ一つずつ設けられ
ており、各辺縁部位の表面側部分が、所定の幅と厚さで
削り取られるようにして、前記裏足部22の形成部位よ
りも一段低くされることによって、構成されている。即
ち、連結金具接合部24は、ユニットタイル12の長さ
方向に対向する二つの辺に沿ってそれぞれ延びる、該ユ
ニットタイル12の裏面の二つの外周部位に、所定の深
さを有する凹所形態をもって、I字状に連続して延びる
ようにして、各々一つずつ形成されているのである。こ
れにより、後述する如くして、前記連結金具14が、該
連結金具接合部24に接合された際に、ユニットタイル
12の裏面側において、該ユニットタイル12の厚さ方
向に突出しないようになっている。
【0023】そして、図1乃至図3に示されるように、
そのような構造とされた21枚のユニットタイル12
は、縦方向(図1及び図2中、上下方向)に7列で、横
方向(図1及び図2中、左右方向)に3列となる配列形
態をもって、全べて表向きの状態で、縦横に、整然と配
列せしめられている。また、特に、それら21枚のユニ
ットタイル12にあっては、そのような配列状態下で、
表面側では、縦方向に隣り合うもの同士が、横目地部1
6aが設けられる辺縁部位の横方向に延びる辺と、該横
目地部16aが設けられていない装飾部18の横方向に
延びる辺とを互いに突き合わせた状態で、それぞれ、位
置せしめられ、且つ横方向に隣り合うもの同士が、縦目
地部16bが設けられる辺縁部位の縦方向に延びる辺
と、該縦目地部16bが設けられていない装飾部18の
縦方向に延びる辺とを互いに突き合わせた状態で、それ
ぞれ、位置せしめられている。一方、裏面側では、横方
向に隣り合うもの同士が、連結金具接合部24が設けら
れる辺縁部位の縦方向に延びる辺同士を互いに突き合わ
せた状態で、位置せしめられている。
【0024】これによって、縦横に配された21枚のユ
ニットタイル12の表面側においては、縦方向(図1
中、上下方向)に隣り合うユニットタイル12同士の各
装飾部18の間に、該縦方向に隣り合うユニットタイル
12のうちの一方のものの横目地部16aが、それぞれ
位置せしめられると共に、横方向(図1中、左右方向)
に隣り合うユニットタイル12同士の各装飾部18の間
に、該横方向に隣り合うユニットタイル12のうちの一
方のものの縦目地部16bが、それぞれ位置せしめられ
て、それら各横目地部16aと各縦目地部16bとが、
隣り合うユニットタイル12同士の装飾部18の間にお
いて、横方向と縦方向に一直線に連続して延びるように
位置せしめられており、以て縦横に配された21枚のユ
ニットタイル12の表面側に、横方向に連続する複数の
横目地部16aからなる、7つの横目地30aと、縦方
向に連続する複数の縦目地部16bにて構成された、三
つの縦目地30bとが、それぞれ形成されているのであ
る。
【0025】また、それら縦横に配された21枚のユニ
ットタイル12の裏面側においては、横方向(図2中、
左右方向)に隣り合うユニットタイル12同士の各裏足
部22の形成部位の間に、各ユニットタイル12の連結
金具接合部24が、横方向に互いに突き合わされた状態
で、それぞれ位置せしめられると共に、縦方向(図2
中、上下方向)に隣り合うユニットタイル12同士にお
いて、各ユニットタイル12の連結金具接合部24が、
縦方向に互いに突き合わされるようにして、それぞれ位
置せしめられて、それら連結金具接合部24が、隣り合
うユニットタイル12同士の各裏足部22の形成部位の
間において、横方向に突き合わされつつ、縦方向に一直
線に連続して延びるように位置せしめられており、以て
縦横に配された21枚のユニットタイル12の裏面側
に、横方向に二つ連なって、縦方向に一直線に連続する
複数の連結金具接合部24からなる、二つの接合帯32
が形成されているのである。
【0026】一方、連結金具14は、図7からも明らか
なように、金属板26の一方の面上に接着剤層28が積
層形成されて、構成されている。また、図2に示される
如く、この連結金具14を与える金属板26は、ステン
レス製で、長尺な帯板形状を呈しており、前記ユニット
タイル12における連結金具接合部24に対して、略2
倍の幅と、略7倍の長さとを有して、構成されている。
また、接着剤層28は、金属板26と略同一の幅と長さ
とを有する帯形状呈しており、ここでは、この接着剤層
28が、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂を主要成分と
して含み、それに各種の配合剤を配合してなる、公知の
ホットメルト接着剤から成っている。
【0027】そして、そのような構造とされた連結金具
14は、前述の如き状態で、縦横に配された21枚のユ
ニットタイル12の裏面側に形成された、縦方向に一直
線に延びる前記接合帯32上に対して、接着剤層28の
側において重ね合わされて、接着されている。
【0028】かくして、縦横に配された21枚のユニッ
トタイル12の配列方向の縦方向に連続して延びる長尺
な帯状の連結金具14の金属板26が、それら21枚の
ユニットタイル12の裏面に対して、該配列方向の横方
向に隣り合って、縦方向に配置された複数組の隣り合う
ユニットタイル12に連続して跨がる状態で、接着剤層
28を介して、重ね合わされて接合され、それによっ
て、それら縦横に配された21枚のユニットタイル12
が、隣り合うもの同士において、該連結金具14の帯状
の金属板26を介して相互に連結せしめられているので
あり、以て21枚のユニットタイル12が、縦横に配さ
れた状態で一体的に組み合わされ、パネル化されて、タ
イルパネル10が構成されているのである。
【0029】そして、このようなタイルパネル10を住
宅外壁の表面に配設するには、一般に、複数枚のタイル
パネル10を用い、住宅外壁の施工現場で、それら複数
のタイルパネル10を、裏面側において、住宅外壁の下
地に、順次、配列して、一枚ずつ貼り付けるのであり、
それによって、該外壁の表面に、ユニットタイル12を
一挙に21枚ずつ貼り付けて、それら多数のユニットタ
イル12にて、該外壁表面を覆うのである。
【0030】このように、本具体例に係るタイルパネル
10にあっては、住宅外壁の下地に対して、一枚ずつ配
設される毎に、21枚のユニットタイル12を一挙に貼
り付け得るようになっているところから、かかる下地
に、タイルを一枚ずつ貼り付ける従来のタイル貼り作業
を行なう場合に比して、タイル貼り作業の効率化が極め
て有利に図られ得るのである。
【0031】また、かかるタイルパネル10において
は、21枚のユニットタイル12を、縦方向に隣り合う
ユニットタイル12同士が、横目地部16aが設けられ
る辺縁部位の横方向に延びる辺と、該横目地部16aが
設けられていない装飾部18の横方向に延びる辺とを互
いに突き合わせた状態で、それぞれ、位置せしめられ、
且つ横方向に隣り合うユニットタイル12同士が、縦目
地部16bが設けられる辺縁部位の縦方向に延びる辺
と、該縦目地部16bが設けられていない装飾部18の
縦方向に延びる辺とを互いに突き合わせた状態で、それ
ぞれ、位置せしめられるように、21枚のタイルを縦横
に配置して、二つの連結金具14にて相互に連結せしめ
るユニットタイル12の連結作業を行なうだけで、表面
側に、縦横に延びる縦目地30bと横目地30aとが形
成されるようになっているところから、そのような目地
30を形成するために、複数のユニットタイル12を一
定の隙間をあけて縦横に配置した状態で、隣り合うユニ
ットタイル12同士の隙間に所定の目地材料を充填する
といった、極めて面倒で手間のかかる、従来の目地形成
作業を行なう必要が、皆無ならしめられ得るのであり、
それによって、目地30の形成作業の効率化が極めて有
効に図られ得るのである。
【0032】従って、本具体例に係るタイルパネル10
を用いれば、住宅外壁の表面にユニットタイル12を配
設する際の、該外壁の下地へのタイル貼り作業の効率化
と、ユニットタイル12同士の間への目地30の形成作
業の効率化とが、同時に、且つ有効に図られ得るのであ
り、その結果として、かかる住宅外壁のタイル施工に要
する施工時間が、従来に比して飛躍的に短縮化され得る
と共に、そのような施工時間の短縮に伴って、人件費等
の施工コストが極めて有利に低減され得ることとなるの
である。
【0033】また、かかるタイルパネル10にあって
は、21枚のユニットタイル12が相互に連結せしめら
れてなる比較的大きなサイズを有しているものであるこ
とから、住宅外壁の下地に対して整然と配設することが
容易に為され得るのであり、そのために、専門技能者以
外でも、タイル貼り作業が、日曜大工等で、極めて手軽
に且つ良好に行なわれ得るのである。
【0034】さらに、かかるタイルパネル10において
は、縦横に配された21枚のユニットタイル12が、横
方向に隣り合うもの同士において、それらに跨がる状態
で重ね合わされて配置された二つの連結金具14,14
の各金属板26を介して相互に連結せしめられることに
よりパネル化されているところから、それら二つの連結
金具14,14の各金属板26の有する剛性に基づい
て、21枚のユニットタイル12間、ひいてはタイルパ
ネル10全体に対して剛性が付与せしめられ得、それに
よって、極めて優れた堅牢性が、有利に発揮され得るの
である。
【0035】また、本具体例に係るタイルパネル10に
あっては、21枚のユニットタイル12を相互に連結す
る二つの連結金具14,14の各金属板26が、各ユニ
ットタイル12の裏面側の辺縁部に設けられた連結金具
接合部24に対して、略2倍の幅と、略7倍の長さとを
有し、21枚のユニットタイル12よりも遙に小さな大
きさと重量とをもって構成されていることから、それら
21枚のユニットタイル12に二つの連結金具14,1
4を接合した際の重量の増大が可及的に抑制され得、そ
れによって、タイルパネル10の全体重量が比較的軽量
なものとされ得ており、以て運搬時や施工時の取扱性
が、効果的に高められ得ているのである。
【0036】さらに、かかるタイルパネル10において
は、21枚のユニットタイル12を相互に連結する連結
金具14の金属板26がステンレス製であることから、
住宅外壁の下地への配設後に、該連結金具14の金属板
26が腐食する等して、該金属板26にて相互に連結せ
しめられた複数のユニットタイル12間の連結強度が低
下するようなことが有利に阻止され得、それによって、
下地からのユニットタイル12の剥離等が長期にわたっ
て良好に防止され得るのである。
【0037】更にまた、かかるタイルパネル10にあっ
ては、連結金具14の接着剤層28がホットメルト接着
剤からなっていることから、連結金具14の取扱性が有
利に高められ得ていると共に、タイルパネル10の製作
時において、連結金具14の金属板26を所定の位置に
配置せしめた後、加熱操作を行なうことによって、始め
て、該金属板26が複数のユニットタイル12に対して
迅速に接合され得ることとなるのであり、それによっ
て、金属板26の21枚のユニットタイル12への接合
時期が容易に且つ確実にコントロールされ得、以て極め
て優れた製作性が発揮され得るのである。
【0038】また、各ユニットタイル12にあっては、
互いに隣り合う二つの辺を含む、表面側の辺縁部位に、
目地部16が設けられている一方、互いに対向する二つ
の辺を含む、裏面側の辺縁部位に、連結金具接合部24
が形成されているところから、複数のものが、前述した
所定の向きで互いに突き合わされた状態で、縦横に配置
されるだけで、それら複数のユニットタイル12の表面
側に、目地30が形成され得る一方、その背面側に、連
結金具14が接合される接合帯32が形成され得るよう
になっているのであり、以て前述の如き特徴的なタイル
パネル10の構成材料として、極めて有利に用いられ得
るのである。
【0039】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明
は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるもので
はない。
【0040】例えば、前記具体例では、21枚のユニッ
トタイル12が、2つの連結金具14の各金属板26を
介して互いに連結されて、タイルパネル10が構成され
ていたが、かかるタイルパネル10を構成するユニット
タイル12の個数や連結金具14の個数は、決してこれ
に限定されものでない。
【0041】また、前記具体例では、各ユニットタイル
12の裏面に、連結金具14の金属板26が接合される
連結金具接合部24が設けられ、この連結金具接合部2
4上に、連結金具14の金属板26が重ね合わされて、
接合されることにより、複数のユニットタイル12が互
いに連結されるようになっていたが、そのような連結金
具接合部24を何等設けることなく、各ユニットタイル
12の裏面に、連結金具14の金属板26を直接に重ね
合わせて接合するように為すことも、勿論可能である。
【0042】さらに、前記具体例では、連結金具14
が、縦横に配された複数のユニットタイル12の裏面に
対して、横方向に隣り合って、縦方向に配置された複数
組の隣り合うユニットタイル12に連続して跨がるよう
に重ね合わされて、接合されていたが、かかる連結金具
14の配設方向、即ち、複数のユニットタイル12が連
結せしめられる方向は、何等これに限定されるものでは
なく、連結金具14を、それら縦横に配された複数のユ
ニットタイル12の裏面に対して、縦方向に隣り合っ
て、横方向に配置された複数組の隣り合うユニットタイ
ル12に連続して跨がるように重ね合わせて、接合する
ようにしても良い。なお、その際、裏面に連結金具接合
部24が設けられて成るユニットタイル12を用いる場
合、かかるユニットタイル12においては、連結金具接
合部24が、該ユニットタイル12の幅方向に対向する
二つの辺を含む、裏面側の辺縁部位に形成されることと
なる。
【0043】更にまた、前記具体例では、連結金具14
の金属板26が、ステンレス製の板材から構成されてい
たが、かかる金属板26を与える材質は、何等これに限
定されるものではなく、適度な剛性を有するものであれ
ば、如何なる材質も採用され得るのである。
【0044】また、前記具体例では、連結金具14の金
属板26を複数のユニットタイル12に接合させる接着
剤層28が、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂を主要成
分として含むホットメルト接着剤にて構成されていた
が、該接着剤層28を構成する接着剤としては、その
他、タイルと金属とを接着する際に用いられる公知の接
着剤が何れも使用され得るのであり、そして、そのよう
な接着剤の中でも、前記具体例に示されるエチレン・酢
酸ビニル共重合樹脂を主要成分として含むホットメルト
接着剤と反応型ウレタン樹脂を主要成分として含むホッ
トメルト接着剤が、特に、有利に使用され得るのであ
る。それら2種類のホットメルト接着剤の何れかを使用
することによって、金属板26をユニットタイル12に
接着する上において、より優れた接着性が発揮され得る
と共に、それらの接着部位における耐候性が効果的に高
められ得るのであり、更には金属板26のユニットタイ
ル12に対する接着作業の作業時間の短縮化が極めて有
利に図られ得ることとなるのである。
【0045】加えて、前記具体例では、住宅外壁の表面
を覆って配設されるタイルパネルに対して、本発明を適
用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、ビ
ルの外壁や浴槽の内壁、住宅の玄関や床、或いはベラン
ダやポーチ等、タイル施工が行なわれる全べての建築物
の表面を覆って配設されるタイルパネルに対しても、有
利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0046】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りに
おいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである
ことが、理解されるべきである。
【0047】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従うタイルパネルにあっては、建築物に対するタイ
ル施工の実施時における、該建築物の下地へのタイル貼
り作業の効率化と、タイル同士の間への目地の形成作業
の効率化とを、何れも、極めて有効に図り得るのであ
り、それによって、従来のタイルパネルを用いる場合に
比して、建築物のタイル施工における施工時間や施工費
を、より一層効果的に削減せしめることが出来るのであ
る。
【0048】また、本発明に従うタイルパネル用ユニッ
トタイルにあっては、上述の如き優れた特徴を有するタ
イルパネルの構成材料として、極めて有利に用いられ得
ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うタイルパネルの一例を示す正面説
明図である。
【図2】図1に示されたタイルパネルの背面説明図であ
る。
【図3】図1における III−III 断面説明図である。
【図4】図1に示されたタイルパネルを構成するユニッ
トタイルの正面説明図である。
【図5】図4に示されたユニットタイルの背面説明図で
ある。
【図6】図4におけるVI−VI断面説明図である。
【図7】図3における部分拡大断面説明図である。
【符号の説明】
10 タイルパネル 12 ユニットタ
イル 14 連結金具 16 目地部 18 装飾部 20 釉薬層 22 裏足部 24 連結金具接
合部 26 金属板 28 接着剤層 30 目地 32 接合帯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形の平板形状を呈し、該矩形状の互い
    に隣り合う二つの辺を含む、表面側の辺縁部位に、釉薬
    が施されていない目地部が、該隣り合う二つの辺に沿っ
    て連続して延びるように設けられてなるユニットタイル
    を用い、その複数が、互いに対応する辺同士において、
    該目地部が設けられる辺縁部位の辺とそれが設けられて
    いない辺縁部位の辺とを互いに突き合わせた状態で縦横
    に配されてなり、且つかかる複数のユニットタイルの裏
    面に対して、該複数のユニットタイルの縦横の配列方向
    の何れか一方向に連続して延びる帯状の金属板が、該複
    数のユニットタイルの縦横の配列方向の何れか他方向に
    隣り合って、該配列方向の一方向に配される複数組のユ
    ニットタイルに連続して跨がる状態で、接着剤層を介し
    て重ね合わされて接合され、該複数のユニットタイル
    が、隣り合うもの同士において、該帯状の金属板を介し
    て相互に連結せしめられることによってパネル化されて
    いることを特徴とするタイルパネル。
  2. 【請求項2】 矩形の平板形状を呈し、該矩形状の互い
    に隣り合う二つの辺を含む、表面側の辺縁部位に、釉薬
    が施されていない目地部が、該隣り合う二つの辺に沿っ
    て連続して延びるように設けられている一方、該矩形状
    の互いに対向する二つの辺を含む、裏面側の辺縁部位
    に、金属板が接着剤層を介して重ね合わされて接合され
    る接合部が、該互いに対向する二つの辺に沿って連続し
    て延びるように設けられていることを特徴とするタイル
    パネル用ユニットタイル。
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