JP2004190295A - バルコニーのコーナー部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁同士の接合強度および安定性ならびに防水性の向上を図り、作業効率を良好にすることができるバルコニーのコーナー部構造を提供すること。
【解決手段】軽量コンクリート製の複数の壁パネル(10,20,30)同士を接合して形成されるバルコニーのコーナー部構造であって、第1の壁パネル10と、その第1の壁パネル10に対して出隅の関係で接合された第2の壁パネル20と、第1の壁パネル10上に固定された第3の壁パネル30と、第2の壁パネル20上に固定され、第3の壁パネル30に対して出隅の関係で接合された第4の壁パネル40とを備え、第4の壁パネル40は第2の壁パネル20よりも厚く形成され、第3の壁パネル30が第4の壁パネル40に接合する端面32は、第2の壁パネル20の内面から離間した位置にあること。
【選択図】 図3
【解決手段】軽量コンクリート製の複数の壁パネル(10,20,30)同士を接合して形成されるバルコニーのコーナー部構造であって、第1の壁パネル10と、その第1の壁パネル10に対して出隅の関係で接合された第2の壁パネル20と、第1の壁パネル10上に固定された第3の壁パネル30と、第2の壁パネル20上に固定され、第3の壁パネル30に対して出隅の関係で接合された第4の壁パネル40とを備え、第4の壁パネル40は第2の壁パネル20よりも厚く形成され、第3の壁パネル30が第4の壁パネル40に接合する端面32は、第2の壁パネル20の内面から離間した位置にあること。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニーのコーナー部構造に関し、特に壁パネル同士の接合強度向上および防水処理に好適な形態となるバルコニーのコーナー部構造に関する。
【0002】
【背景の技術】
従来、住宅等に設けられるバルコニーの種類として、建物から外部へ突出して配置され、屋根の上に置くタイプの屋根置き型や、地面に柱を立設させてから柱上に置くタイプの柱立て型などが広く知られている。また、建物内に設けられるインナーバルコニーなどもある。マンション等の集合住宅に設けられるインナーバルコニーは、サッシ外部に隣接配置されている形態が多く、また一戸建て住宅においては居室内に設けられている形態などがある。この一戸建て住宅におけるインナーバルコニーは、床面から直角に立設させた3方の壁パネルをそれぞれ接合して形成されており、各接合部は入隅と出隅の関係で接合されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−140647
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のインナーバルコニーにおいては2つの問題点があった。第1の問題点は、壁パネル同士を接合するコーナー部は、複雑な構造となっているため、その接合作業が頓雑になってしまう恐れがあった。そのため施工時に熟練した技術を要することになり、作業性にも問題が生じていた。第2の問題点としては、壁パネル同士の接合強度の問題がある。これはインナーバルコニーの接合部となるコーナー部は、従来のように一方の壁パネルに他方の壁パネルを突き当てるようにして接合しているが、このように接合すると壁パネル同士の接合面積が小さくなってしまい、インナーバルコニーに十分な接合強度が得られない恐れがあった。さらに、接合強度の向上を図るために補強部材を複数使用することになり、作業効率の低下およびコスト高になってしまう恐れもあった。したがって、接合強度および作業性の向上に配慮したインナーバルコニー構造であることが望ましい。
【0005】
本発明は、壁同士の接合強度および安定性ならびに防水性の向上を図り、作業効率を良好にすることができるバルコニーのコーナー部構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軽量コンクリート製の複数の壁パネル同士を接合して形成されるバルコニーのコーナー部構造であって、第1の壁パネルと、その第1の壁パネルに対して出隅の関係で接合された第2の壁パネルと、第1の壁パネル上に固定された第3の壁パネルと、第2の壁パネル上に固定され、第3の壁パネルに対して出隅の関係で接合された第4の壁パネルとを備え、第4の壁パネルは第2の壁パネルよりも厚く形成され、第3の壁パネルが第4の壁パネルに接合する端面は、第2の壁パネルの内面から離間した位置にある構造とした。
【0007】
このような本発明によれば、壁パネルの接合強度を強くすることができるため、バルコニーの安定度が向上する。すなわち、第4の壁パネルは、第3の壁パネルに対して出隅の関係で接合され、第4の壁パネルの厚さは第2の壁パネルよりも厚く形成されているため、第4の壁パネルを接合する際の接合面積をより広くすることが可能な構造とすることができる。さらに、構造上、複雑な工程であるコーナー部を上記のような入隅,出隅構造とすることで、比較的容易に形成でき、作業性の向上を図ることが可能になる。
【0008】
前記第1の壁パネルと第2の壁パネルの上部と、第3の壁パネルの上部および端部に断面L字状の被覆プレートが設けられていることが望ましい。このように形成した場合、第4の壁パネルを設置する際の安定性および作業性の向上を図ることができ、また、防水シートを張り付ける際の密着度を高め、防水に効果的な形態とすることが可能になる。
【0009】
すなわち、被覆プレートは断面L字状に形成されているため、被覆プレートのつら部分が第4の壁パネルの外面に接地し、容易かつ確実に固定することができる。さらに、被覆プレートおよび防水シートは塩化ビニール等の合成樹脂で形成されているため、防水シートとの密着度がより高まるため、優れた防水構造とすることができる。
【0010】
前記被覆プレートおよび第1,第2,第3の壁パネルの内面に、防水シートが設けられていることが望ましい。このようにした場合、バルコニーの防水構造を効果的に形成することができる。すなわち、第1,第2,第3の壁パネル上部に固定された被覆プレートから各壁パネルの内面側にかけて防水シートを張り付けることで、防水処理を施すことが可能になる。
【0011】
前記第1,第2壁パネルの接合部と,第1,第3の壁パネルの接合部には、複数の補強パッチが設けられていることが望ましい。このように形成した場合、各接合部をより強固にすることができ、バルコニーの安定性の向上を図ることが可能になる。
【0012】
前記第4の壁パネルは外壁材であって、第3の壁パネルが第4の壁パネルに接合する端面と、第4の壁パネルが第2の壁パネルに接合する端面は、それぞれシーリング処理されていることが望ましい。このように形成した場合、第4の壁パネルと接合される第2,第3の壁パネルとの密着度を高めることができ、防水処理に効果的な構造とすることが可能になる。すなわち、第4の壁パネルは外壁材であり、第1,第3の壁パネルとの接合部の隙間を埋めることで、防水処理により優れた構造となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1はインナーバルコニー1の構造を示す斜視図である。
この実施形態では、本発明を住宅に適用した例を示す。
【0014】
図1に示すインナーバルコニー1は、住宅の居室内に設けられており、屋外側Aに位置する第1壁パネル10とその両側に互いに対向して配置される2つの第2壁パネル20(一方は図示しない)とによって囲まれたインナーバルコニー1であって、その上部には屋根部(図示しない)が設けられている。
【0015】
このインナーバルコニー1は、以下に示すような工程によって構築される。まず、底辺部2に第2壁パネル20を屋外側A方向に向けて取り付け、その先端部に第1壁パネル10を取り付ける。これによって、第1壁パネル10は第2壁パネル20に対して出隅の関係に接合される。この第1壁パネル10と第2壁パネル20は、それぞれ接合部材(図示しない)によって固定されている。
【0016】
次に、第1壁パネル10の上部に第3壁パネル30を取り付ける。取り付け箇所としては、図1に示すように、第1壁パネル10と第2壁パネル20とが固定されているコーナー部3から所定寸法ずらして配置する。この所定寸法とは、後述する外壁パネル40の壁厚と等しい寸法となっている。さらに、第2壁パネル20の上端部21に被覆プレート4aを取り付け、第3壁パネル30の上端部31と、端部32に被覆プレート4b,4cをそれぞれ取り付ける。
【0017】
被覆プレート4aは、第1壁パネル10と第2壁パネル20の各上端部を連結するように一体的に形成されている。したがって、第1壁パネル10と第2壁パネル20との接合強度を強くすることができ、さらに後述する防水シート6a,6bを張り付ける際、互いの密着度が高まるため防水性の向上を図ることが可能になる。この被覆プレート4(a〜c)の形状は断面L字状で、塩化ビニール等の樹脂で覆われた金属製の鋼板であり、つら部5が各壁パネルの外側方向に位置するように配置されている。また、第3壁パネル30の端部32に配置された被覆プレート4cにおいては、つら部5が内側方向に位置するように配置されている。
【0018】
この実施形態では鋼板(被覆プレート)を使用しているが、金属板やアルミ板等を用いることもできる。また、上述した第1〜3壁パネル10,20,30は、軽量コンクリート製によって形成されている。
【0019】
次に、インナーバルコニー1の防水処理構造を説明する。図2に示すように、被覆プレート4a上部から第2壁パネル20の内面と、被覆プレート4b,4cから第3壁パネル30および第1壁パネル10の内面にかけて、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂で形成された防水シート6a,6bがそれぞれ設けられている。
【0020】
取り付け方法としては、まず、第2壁パネル20に固定された被覆プレート4aから底部2にかけて防水シート6aを覆いかぶせて溶着する。次に、第3壁パネル30に固定された被覆プレート4bから第1壁パネル10および、底部2にかけて防水シート6bを覆いかぶせて溶着する。この際、第3壁パネル30の端部32は、防水シート6b裏へ折り込んで溶着する。この防水シート6a,6bは、予め被覆プレート(4a〜4c)が取り付けられているため、容易に取り付けることが可能となり、作業性の向上をはかることができる。
【0021】
次に、第1,第2壁パネルが接合されたコーナー部3と、第3壁パネル30の端部32および、各壁パネルの接合部分と、防水シート6a,6b上に補強パッチ7a,7b,7c,7dをそれぞれ溶着する。これにより、施工工程が複雑で特に剥がれやすい恐れのあったコーナー部3に、より確実に防水シート6a,6bを密着させることができる。さらに、第3壁パネル30がコーナー部3から外壁パネル40の壁厚と等しい寸法ずらして配置されているため、補強パッチ7a,7b,7cを溶着する作業を容易に固定することができ、施工性の向上を図ることができる。
【0022】
次に、インナーバルコニー1の第2壁パネル20の両側に設置される外壁パネル40(一方は図示しない)の取り付け構造を図3,図4に示す。図3および図4では便宜上、被覆プレート4a,4b,4cおよび防水シート6a,6bを省略して示している。この外壁パネル40はALC(オートクレーブド・ライトウェイト・コンクリート)材で形成されており、断熱効果に優れた構造となっている。
【0023】
外壁パネル40は、第2壁パネル20の上部に位置しており、第3壁パネル30に対して出隅の関係で接合されている。また、外壁パネル40の壁厚は、第2壁パネル20よりも厚く形成され、外壁パネル40に接合された第3壁パネル30の端部32は、第2壁パネル20の内面より離れた位置に配置されている。これにより、接合面積B(図4、斜線部)がより広く形成されるので、外壁パネル40と各壁パネル10,20,30との接合強度および安定性の向上を図ることができる。さらに、接合面積Bが大きいことで、施工を容易にすることが可能になる。
【0024】
外壁パネル40の下部(第2壁パネル20の被覆プレート4a上)と第2壁パネル20の上端部21(被覆プレート4b上)および、端部32(被覆プレート4c上)にシーリング材8が設けられている。シーリング材8は合成ゴムや合成樹脂等で形成され、外壁パネル40および第3壁パネル30等の壁パネルの接合部分に対して、目地なりに隙間なく接着されている。これにより、各壁パネル10,20,30と外壁パネル40との間を密着させることができ、防水性を向上させることが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、壁同士の接合強度および安定性ならびに防水性の向上を図り、作業効率を良好にすることができるバルコニーのコーナー部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーの構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーの防水構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーと外壁パネルの構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーと外壁パネルの構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 インナーバルコニー
2 底部
3 コーナー部
4a,4b,4c 被覆プレート
5 つら部
6a,6b 防水シート
7a,7b,7c,7d 補強パッチ
8 シーリング材
10 第1壁パネル
20 第2壁パネル
21,31 上端部
30 第3壁パネル
32 端部
40 外壁パネル
A 屋外側
B 接合面積
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニーのコーナー部構造に関し、特に壁パネル同士の接合強度向上および防水処理に好適な形態となるバルコニーのコーナー部構造に関する。
【0002】
【背景の技術】
従来、住宅等に設けられるバルコニーの種類として、建物から外部へ突出して配置され、屋根の上に置くタイプの屋根置き型や、地面に柱を立設させてから柱上に置くタイプの柱立て型などが広く知られている。また、建物内に設けられるインナーバルコニーなどもある。マンション等の集合住宅に設けられるインナーバルコニーは、サッシ外部に隣接配置されている形態が多く、また一戸建て住宅においては居室内に設けられている形態などがある。この一戸建て住宅におけるインナーバルコニーは、床面から直角に立設させた3方の壁パネルをそれぞれ接合して形成されており、各接合部は入隅と出隅の関係で接合されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−140647
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のインナーバルコニーにおいては2つの問題点があった。第1の問題点は、壁パネル同士を接合するコーナー部は、複雑な構造となっているため、その接合作業が頓雑になってしまう恐れがあった。そのため施工時に熟練した技術を要することになり、作業性にも問題が生じていた。第2の問題点としては、壁パネル同士の接合強度の問題がある。これはインナーバルコニーの接合部となるコーナー部は、従来のように一方の壁パネルに他方の壁パネルを突き当てるようにして接合しているが、このように接合すると壁パネル同士の接合面積が小さくなってしまい、インナーバルコニーに十分な接合強度が得られない恐れがあった。さらに、接合強度の向上を図るために補強部材を複数使用することになり、作業効率の低下およびコスト高になってしまう恐れもあった。したがって、接合強度および作業性の向上に配慮したインナーバルコニー構造であることが望ましい。
【0005】
本発明は、壁同士の接合強度および安定性ならびに防水性の向上を図り、作業効率を良好にすることができるバルコニーのコーナー部構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軽量コンクリート製の複数の壁パネル同士を接合して形成されるバルコニーのコーナー部構造であって、第1の壁パネルと、その第1の壁パネルに対して出隅の関係で接合された第2の壁パネルと、第1の壁パネル上に固定された第3の壁パネルと、第2の壁パネル上に固定され、第3の壁パネルに対して出隅の関係で接合された第4の壁パネルとを備え、第4の壁パネルは第2の壁パネルよりも厚く形成され、第3の壁パネルが第4の壁パネルに接合する端面は、第2の壁パネルの内面から離間した位置にある構造とした。
【0007】
このような本発明によれば、壁パネルの接合強度を強くすることができるため、バルコニーの安定度が向上する。すなわち、第4の壁パネルは、第3の壁パネルに対して出隅の関係で接合され、第4の壁パネルの厚さは第2の壁パネルよりも厚く形成されているため、第4の壁パネルを接合する際の接合面積をより広くすることが可能な構造とすることができる。さらに、構造上、複雑な工程であるコーナー部を上記のような入隅,出隅構造とすることで、比較的容易に形成でき、作業性の向上を図ることが可能になる。
【0008】
前記第1の壁パネルと第2の壁パネルの上部と、第3の壁パネルの上部および端部に断面L字状の被覆プレートが設けられていることが望ましい。このように形成した場合、第4の壁パネルを設置する際の安定性および作業性の向上を図ることができ、また、防水シートを張り付ける際の密着度を高め、防水に効果的な形態とすることが可能になる。
【0009】
すなわち、被覆プレートは断面L字状に形成されているため、被覆プレートのつら部分が第4の壁パネルの外面に接地し、容易かつ確実に固定することができる。さらに、被覆プレートおよび防水シートは塩化ビニール等の合成樹脂で形成されているため、防水シートとの密着度がより高まるため、優れた防水構造とすることができる。
【0010】
前記被覆プレートおよび第1,第2,第3の壁パネルの内面に、防水シートが設けられていることが望ましい。このようにした場合、バルコニーの防水構造を効果的に形成することができる。すなわち、第1,第2,第3の壁パネル上部に固定された被覆プレートから各壁パネルの内面側にかけて防水シートを張り付けることで、防水処理を施すことが可能になる。
【0011】
前記第1,第2壁パネルの接合部と,第1,第3の壁パネルの接合部には、複数の補強パッチが設けられていることが望ましい。このように形成した場合、各接合部をより強固にすることができ、バルコニーの安定性の向上を図ることが可能になる。
【0012】
前記第4の壁パネルは外壁材であって、第3の壁パネルが第4の壁パネルに接合する端面と、第4の壁パネルが第2の壁パネルに接合する端面は、それぞれシーリング処理されていることが望ましい。このように形成した場合、第4の壁パネルと接合される第2,第3の壁パネルとの密着度を高めることができ、防水処理に効果的な構造とすることが可能になる。すなわち、第4の壁パネルは外壁材であり、第1,第3の壁パネルとの接合部の隙間を埋めることで、防水処理により優れた構造となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1はインナーバルコニー1の構造を示す斜視図である。
この実施形態では、本発明を住宅に適用した例を示す。
【0014】
図1に示すインナーバルコニー1は、住宅の居室内に設けられており、屋外側Aに位置する第1壁パネル10とその両側に互いに対向して配置される2つの第2壁パネル20(一方は図示しない)とによって囲まれたインナーバルコニー1であって、その上部には屋根部(図示しない)が設けられている。
【0015】
このインナーバルコニー1は、以下に示すような工程によって構築される。まず、底辺部2に第2壁パネル20を屋外側A方向に向けて取り付け、その先端部に第1壁パネル10を取り付ける。これによって、第1壁パネル10は第2壁パネル20に対して出隅の関係に接合される。この第1壁パネル10と第2壁パネル20は、それぞれ接合部材(図示しない)によって固定されている。
【0016】
次に、第1壁パネル10の上部に第3壁パネル30を取り付ける。取り付け箇所としては、図1に示すように、第1壁パネル10と第2壁パネル20とが固定されているコーナー部3から所定寸法ずらして配置する。この所定寸法とは、後述する外壁パネル40の壁厚と等しい寸法となっている。さらに、第2壁パネル20の上端部21に被覆プレート4aを取り付け、第3壁パネル30の上端部31と、端部32に被覆プレート4b,4cをそれぞれ取り付ける。
【0017】
被覆プレート4aは、第1壁パネル10と第2壁パネル20の各上端部を連結するように一体的に形成されている。したがって、第1壁パネル10と第2壁パネル20との接合強度を強くすることができ、さらに後述する防水シート6a,6bを張り付ける際、互いの密着度が高まるため防水性の向上を図ることが可能になる。この被覆プレート4(a〜c)の形状は断面L字状で、塩化ビニール等の樹脂で覆われた金属製の鋼板であり、つら部5が各壁パネルの外側方向に位置するように配置されている。また、第3壁パネル30の端部32に配置された被覆プレート4cにおいては、つら部5が内側方向に位置するように配置されている。
【0018】
この実施形態では鋼板(被覆プレート)を使用しているが、金属板やアルミ板等を用いることもできる。また、上述した第1〜3壁パネル10,20,30は、軽量コンクリート製によって形成されている。
【0019】
次に、インナーバルコニー1の防水処理構造を説明する。図2に示すように、被覆プレート4a上部から第2壁パネル20の内面と、被覆プレート4b,4cから第3壁パネル30および第1壁パネル10の内面にかけて、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂で形成された防水シート6a,6bがそれぞれ設けられている。
【0020】
取り付け方法としては、まず、第2壁パネル20に固定された被覆プレート4aから底部2にかけて防水シート6aを覆いかぶせて溶着する。次に、第3壁パネル30に固定された被覆プレート4bから第1壁パネル10および、底部2にかけて防水シート6bを覆いかぶせて溶着する。この際、第3壁パネル30の端部32は、防水シート6b裏へ折り込んで溶着する。この防水シート6a,6bは、予め被覆プレート(4a〜4c)が取り付けられているため、容易に取り付けることが可能となり、作業性の向上をはかることができる。
【0021】
次に、第1,第2壁パネルが接合されたコーナー部3と、第3壁パネル30の端部32および、各壁パネルの接合部分と、防水シート6a,6b上に補強パッチ7a,7b,7c,7dをそれぞれ溶着する。これにより、施工工程が複雑で特に剥がれやすい恐れのあったコーナー部3に、より確実に防水シート6a,6bを密着させることができる。さらに、第3壁パネル30がコーナー部3から外壁パネル40の壁厚と等しい寸法ずらして配置されているため、補強パッチ7a,7b,7cを溶着する作業を容易に固定することができ、施工性の向上を図ることができる。
【0022】
次に、インナーバルコニー1の第2壁パネル20の両側に設置される外壁パネル40(一方は図示しない)の取り付け構造を図3,図4に示す。図3および図4では便宜上、被覆プレート4a,4b,4cおよび防水シート6a,6bを省略して示している。この外壁パネル40はALC(オートクレーブド・ライトウェイト・コンクリート)材で形成されており、断熱効果に優れた構造となっている。
【0023】
外壁パネル40は、第2壁パネル20の上部に位置しており、第3壁パネル30に対して出隅の関係で接合されている。また、外壁パネル40の壁厚は、第2壁パネル20よりも厚く形成され、外壁パネル40に接合された第3壁パネル30の端部32は、第2壁パネル20の内面より離れた位置に配置されている。これにより、接合面積B(図4、斜線部)がより広く形成されるので、外壁パネル40と各壁パネル10,20,30との接合強度および安定性の向上を図ることができる。さらに、接合面積Bが大きいことで、施工を容易にすることが可能になる。
【0024】
外壁パネル40の下部(第2壁パネル20の被覆プレート4a上)と第2壁パネル20の上端部21(被覆プレート4b上)および、端部32(被覆プレート4c上)にシーリング材8が設けられている。シーリング材8は合成ゴムや合成樹脂等で形成され、外壁パネル40および第3壁パネル30等の壁パネルの接合部分に対して、目地なりに隙間なく接着されている。これにより、各壁パネル10,20,30と外壁パネル40との間を密着させることができ、防水性を向上させることが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、壁同士の接合強度および安定性ならびに防水性の向上を図り、作業効率を良好にすることができるバルコニーのコーナー部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーの構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーの防水構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーと外壁パネルの構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインナーバルコニーと外壁パネルの構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 インナーバルコニー
2 底部
3 コーナー部
4a,4b,4c 被覆プレート
5 つら部
6a,6b 防水シート
7a,7b,7c,7d 補強パッチ
8 シーリング材
10 第1壁パネル
20 第2壁パネル
21,31 上端部
30 第3壁パネル
32 端部
40 外壁パネル
A 屋外側
B 接合面積
Claims (5)
- 軽量コンクリート製の複数の壁パネル同士を接合して形成されるバルコニーのコーナー部構造であって、
第1の壁パネルと、その第1の壁パネルに対して出隅の関係で接合された第2の壁パネルと、前記第1の壁パネル上に固定された第3の壁パネルと、
前記第2の壁パネル上に固定され、前記第3の壁パネルに対して出隅の関係で接合された第4の壁パネルとを備え、
前記第4の壁パネルは前記第2の壁パネルよりも厚く形成され、前記第3の壁パネルが前記第4の壁パネルに接合する端面は、前記第2の壁パネルの内面から離間した位置にあることを特徴とするバルコニーのコーナー部構造。 - 請求項1記載のバルコニーのコーナー部構造において、前記第1の壁パネルと前記第2の壁パネルの上部と、前記第3の壁パネルの上部および端部に断面L字状の被覆プレートが設けられていることを特徴とするバルコニーのコーナー部構造。
- 請求項1記載のバルコニーのコーナー部構造において、前記被覆プレートおよび前記第1,第2,第3の壁パネルの内面に、防水シートが設けられていることを特徴とするバルコニーのコーナー部構造。
- 請求項1〜3記載のバルコニーのコーナー部構造において、前記第1,第2壁パネルの接合部と,前記第1,第3の壁パネルの接合部には、複数の補強パッチが設けられていることを特徴とするバルコニーのコーナー部構造。
- 請求項1〜4記載のバルコニーのコーナー部構造において、前記第4の壁パネルは外壁材であって、前記第3の壁パネルが前記第4の壁パネルに接合する端面と、前記第4の壁パネルが前記第2の壁パネルに接合する端面は、それぞれシーリング処理されていることを特徴とするバルコニーのコーナー部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002357999A JP2004190295A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | バルコニーのコーナー部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002357999A JP2004190295A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | バルコニーのコーナー部構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004190295A true JP2004190295A (ja) | 2004-07-08 |
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ID=32757836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002357999A Pending JP2004190295A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | バルコニーのコーナー部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004190295A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013019239A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-01-31 | Sekisui House Ltd | 屋上設置物の土台構造、屋上設置物の土台施工方法、及び防水層のメンテナンス方法 |
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2002
- 2002-12-10 JP JP2002357999A patent/JP2004190295A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013019239A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-01-31 | Sekisui House Ltd | 屋上設置物の土台構造、屋上設置物の土台施工方法、及び防水層のメンテナンス方法 |
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