JPH11172168A - 水性インキ用組成物 - Google Patents
水性インキ用組成物Info
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- JPH11172168A JPH11172168A JP34026597A JP34026597A JPH11172168A JP H11172168 A JPH11172168 A JP H11172168A JP 34026597 A JP34026597 A JP 34026597A JP 34026597 A JP34026597 A JP 34026597A JP H11172168 A JPH11172168 A JP H11172168A
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Abstract
1液型のインキとして使用することができ、かつ貯蔵安
定性にすぐれ、印刷時のインキの再溶解性、すなわちグ
ラビアインキの耐版づまりなどの印刷適性を損うことな
く、しかもコロナ処理を施したオレフィン系フィルムに
使用可能な常温硬化型樹脂をバインダーとする水性イン
キ用組成物をうる。 【解決手段】 ケト基またはアルド基に基づくカルボニ
ル基を分子中に少なくとも1個含有する重合性二重結合
含有単量体と、これと共重合可能な重合性二重結合含有
単量体とを共重合させてなる水分散性樹脂(a)、有機
ジヒドラジド化合物(b)および硬化遅延剤である特定
のケトン系溶剤(c)を特定の割合で配合してなる水性
インキ用組成物を使用する。
Description
ィルム用の水性インキ用組成物に関する。とりわけコロ
ナ処理を施したオレフィン系フィルムへのグラビア印刷
に用いたばあいに、耐版づまり、耐版かぶりなどの印刷
適性が良好であり、密着性、耐水性などのインキ物性に
もすぐれた水性インキ用組成物に関する。
年、溶剤系印刷インキによる大気汚染などの公害、有機
溶剤中毒などの労働安全衛生、引火爆発などの危険の問
題や省エネルギー・省資源の目的から、溶剤系インキか
ら水性インキへの転換が検討されてきており、既に、一
般包装紙や段ボールなどの紙器類の印刷には、水性イン
キが実用されている。
プラスチックフィルムを基材とする印刷分野において
は、乾燥性や基材への濡れ性あるいは接着性といった点
で問題があり、一部の用途を除いてほとんど実用化に至
っていない。
ン樹脂が提案されているが、ポリエステル系フィルムな
どの比較的極性の高いフィルムに対しては所望の接着性
がえられるものの、軟包装用プラスチックフィルムとし
て多用されているコロナ処理が施されたオレフィン系フ
ィルムに対しては接着性が未だ不充分である。
ル基を含有した水性アクリル系共重合樹脂に、分子中に
少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジン誘導
体を架橋剤として用いて製造したものなども提案されて
いるが、グラビアロールでインキを印刷する際、印刷物
へ印刷したのちのグラビアロール上に残存するインキの
量が少量となるため、この段階で乾燥しやすくなり、イ
ンキ中のカルボニル基とヒドラジド基の架橋反応がおこ
りやすくなり、グラビアロール上のインキの再溶解性が
低下し、印刷時のグラビア版目の版づまりなどがおこり
印刷適性が低下する。また、経時的にインキの流動性が
わるくなり、貯蔵安定性がよくないなど実用化に問題が
多い。
性が良好で、1液型のインキとして使用することがで
き、かつ貯蔵安定性にすぐれ、印刷時のインキの再溶解
性、すなわちグラビアインキの耐版づまりなどの印刷適
性が良好で、しかもコロナ処理を施したオレフィン系フ
ィルムに使用可能な常温硬化型樹脂をバインダーとする
水性インキ用組成物を提供することを目的とするもので
ある。
たはアルド基を含有する不飽和単量体と、これと共重合
可能な不飽和単量体とを共重合させてなる水分散性樹脂
に、有機ジヒドラジド化合物と有機ジヒドラジド化合物
の硬化遅延剤であるケトン系溶剤を配合することによ
り、インキの印刷時の架橋を遅延させることによって再
溶解性の低下を少なくし、印刷後はインキ塗膜の耐水
性、密着性などのインキ物性を向上させ、しかもインキ
の貯蔵安定性が良好でオレフィン系フィルムへの密着性
にすぐれた1液常温硬化型水性インキ用組成物をうるこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
基に基づくカルボニル基を分子中に少なくとも1個含有
する重合性二重結合含有単量体3〜20%(重量%、以
下同様)と、これと共重合可能な重合性二重結合含有単
量体80〜97%とを共重合させてなる水分散性樹脂
(a)に、有機ジヒドラジド化合物(b)および有機ジ
ヒドラジド化合物の硬化遅延剤として水への溶解性が大
きく、かつ水より高沸点であるケトン系溶剤(c)を配
合してなり、配合割合が水分散性樹脂(a)のケト基ま
たはアルド基に基づくカルボニル基1当量に対して有機
ジヒドラジド化合物(b)のヒドラジド基が0.1〜3
当量、有機ジヒドラジド化合物(b)のヒドラジド基1
当量に対しでケトン系溶剤(c)のカルボニル基が1〜
3当量であることを特徴とする水性インキ用組成物(請
求項1)、前記共重合可能な重合性二重結合含有単量体
の80〜97%が、芳香族基を有する重合性二重結合含
有単量体および(または)炭素数1〜8のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの50〜9
4%と、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有する
重合性二重結合含有単量体の3〜30%とからなる請求
項1記載の水性インキ用組成物(請求項2)および有機
ジヒドラジド化合物(b)の硬化遅延剤としてのケトン
系溶剤(c)が、ジアセトンアルコールである請求項1
記載の水性インキ用組成物(請求項3)に関する。
(a)は、ケト基またはアルド基に基づくカルボニル基
を分子中に少なくとも1個含有する重合性二重結合含有
単量体(以下、カルボニル基含有不飽和単量体(I)と
もいう)と、これと共重合可能な重合性二重結合含有単
量体(以下、不飽和単量体(II)ともいう)とを共重合
させてえられるものであり、後述する有機ジヒドラジド
化合物およびその硬化遅延剤であるケトン系溶剤ととも
に本発明の常温硬化性の水性インキ用組成物のベース樹
脂として用いられる成分である。
水相中で乳化重合してえられたもの、または溶剤中で溶
液重合し、必要により中和したのち水に置換する方法で
えられたもののいずれであってもよく、水分散粒子が
0.03〜3μm程度の粒子として水に分散し、粒子の
凝集および沈降のない状態を保つことができるものをい
う。
有機ジヒドラジド化合物(b)と架橋反応するための官
能基を導入するために、また、えられる共重合樹脂を水
分散性にするために使用され、ケト基またはアルド基に
基づくカルボニル基を分子中に少なくとも1個、好まし
くは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個含有し、重合
性二重結合を有する単量体である。
有されるケト基またはアルド基に基づくカルボニル基が
分子中に複数個含まれるばあい、これらすべてがケト基
またはアルド基に基づくカルボニル基であってもよく、
ケト基に基づくカルボニル基とアルド基に基づくカルボ
ニル基との両方であってもよい。また、カルボニル基含
有不飽和単量体(I)に含有される重合性二重結合の数
は通常1〜2個である。重合性二重結合の数が2個以上
のものは、えられる水分散性樹脂が水分散性樹脂として
の特性および印刷時のインキの再溶解性が良好であると
いう印刷適性を有する範囲(通常、全不飽和単量体に対
して1%以下の範囲)で使用される。
体例としては、たとえばアクロレイン、ジアセトンアク
リルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケト
ン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ジ
アセトン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチ
ル(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単
独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうちではジアセトンアクリルアミドが、不
飽和単量体(II)との共重合性の点から好ましい。
樹脂(a)の水分散性、塗膜形成性、塗膜の可撓性、耐
水性、密着性などの付与・調整のために使用される成分
であり、カルボニル基含有不飽和単量体(I)と共重合
可能であり、カルボニル基含有不飽和単量体(I)のば
あいと同様に、重合性二重結合を通常1〜2個有する。
チレン、α−メチルスチレンなどの芳香族基を有する重
合性二重結合含有単量体;アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルな
どの炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル;マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸などの不飽和ジカルボン酸とメチルアルコール、エ
チルアルコール、アリルアルコールなど炭素数1〜8の
アルコールとの各種不飽和ジカルボン酸エステル;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル
などのビニルエステル;ビニルピロリドンなどの複素環
式ビニル化合物;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンな
どのハロゲン化ビニリデン化合物;エチレン、プロピレ
ンなどのα−オレフィン;ブタジエンなどのジエン;塩
化ビニルなどのハロゲン化ビニル化合物;アクリロニト
リルなどのシアノ基含有単量体;メチルビニルエーテル
などのビニルエーテルなどの疎水性単量体や、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマル酸、2−アクリロイルオキシプロピオン酸な
どのカルボキシル基を有する重合性二重結合含有単量
体;ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、グリセリンモノアリルエーテル、ト
リメチロールプロパンモノアリルエーテル、アリルアル
コールなどのヒドロキシル基を有する重合性二重結合含
有単量体などの親水性単量体があげられる。前記疎水性
単量体は主として塗膜の可撓性、耐水性、密着性の付与
・調整のために使用される単量体であり、一方、前記親
水性単量体は主として水分散性樹脂(a)の水分散性お
よび再溶解性を高めるために使用される単量体である。
二重結合含有単量体を共重合させた樹脂は、塩基性物質
で中和して使用される。中和に用いる塩基性物質として
は、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノー
ルなどのアミン化合物、アンモニアなどがあげられる。
これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
い、疎水性単量体と親水性単量体とを組み合わせて用い
るのが、塗膜の可撓性、耐水性、密着性の付与・調整を
行ない、かつ、水分散性および再溶解性を高める点から
好ましい。前記疎水性単量体は単独で用いてもよく、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。前記疎水性単量体
のうちでもスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族
基を有する重合性二重結合含有単量体および(または)
炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルがカルボニル基含有不飽和単量体
(I)との共重合性および塗膜の耐水性、密着性の点か
ら好ましく、さらには炭素数1〜8のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。一
方、前記親水性単量体も単独で用いてもよく2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
ルボニル基含有不飽和単量体(I)の使用割合は、3〜
20%、好ましくは5〜15%である。前記使用割合が
少なすぎると充分な架橋効果がえられず、耐水性、密着
性などが不充分となり、また、多すぎるとインキの粘度
安定性が著しく低下し、グラビア印刷に適さなくなる。
ける不飽和単量体(II)の使用割合は、80〜97%、
好ましくは85〜95%であり、そのうちわけとして
は、塗膜の可撓性、耐水性、密着性の付与・調整のため
の疎水性単量体が50〜94%、さらには70〜90%
で、分散性および再溶解性の付与・調整のための親水性
単量体が3〜30%、さらには5〜15%で、合計が8
0〜97%、さらには85〜95%になるようにするの
が、インキの再溶解性、塗膜の密着性および耐水性の点
から好ましい。
記重合成分を主として乳化重合させることによって製造
することができる。
ばよく、たとえばあらかじめ適量の水および適当な界面
活性剤を仕込んだ反応容器内に、前記重合成分および重
合開始剤、連鎖移動剤などを一括してまたは分割してま
たは連続的になどの各種の方法で仕込み、撹拌しながら
乳化状態下、所定の反応条件で重合させることにより、
製造することができる。
には20〜40%となるようにするのが、えられる乳化
物の粘度が低くなり、これを用いた水性インキのグラビ
ア塗工性の点から好ましい。
ばアルキルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネー
ト、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性
界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミンエーテル、エチレンオキサイド−プロ
ピオンオキサイドブロックコポリマー、ソルビタン誘導
体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどのノニオン
性界面活性剤;分子内にアリル基、(メタ)アクリル
基、マレイン酸などの重合性二重結合を含有する反応性
界面活性剤などがあげられる。これらの界面活性剤は単
独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
分100部(重量部、以下同様)に対して0.2〜10
部である。
るラジカル重合開始剤を用いることができ、その代表例
としては、たとえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ムなどの過硫酸塩;2,2−アゾビスイソブチルニトリ
ル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニト
リルなどのアゾ化合物;t−ブチルヒドロキシルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイドなどの過酸化物などがあげられる。これらは
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
分100部に対して0.1〜3部である。
50000〜200000程度に調整するために使用さ
れる。
チルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメル
カプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン;
四塩化炭素などのハロゲン化アルキル;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール;α−メチルスチレンダイマーなどがあげら
れる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
部に対して0.1〜3部、好ましくは0.5〜2部であ
る。前記使用量が少なすぎると分子量が高くなり再溶解
性が低下する傾向にあり、また、多すぎるとインキ塗膜
の耐水性、耐溶剤性などが低下する傾向にある。
度は通常20〜95℃程度、反応時間は通常2〜8時間
程度である。
(a)のガラス転移温度は0〜50℃、さらには10〜
30℃であるのが好ましい。ガラス転移温度が0℃未満
のばあい、形成された水性インキ塗膜がブロッキング性
を生じやすくなるなどし、また、50℃をこえると水性
インキ塗膜の造膜性がわるくなり、フィルムの密着性お
よび光沢が低下する傾向が生じる。
性樹脂(a)とともに、有機ジヒドラジド化合物(b)
とその硬化遅延剤であるケトン系溶剤(c)が含まれて
いる。
性樹脂(a)の架橋剤として作用するが、水が多量に存
在する環境下では、水および硬化遅延剤であるケトン系
溶剤(c)の存在によって有機ジヒドラジド化合物
(b)のヒドラジド基と水分散性樹脂(a)との反応が
抑制され、安定な組成物として存在すると考えられる。
したがって、水が少なく、ケトン系溶剤(c)が少なく
なる環境下では、有機ジヒドラジド化合物(b)と水分
散性樹脂(a)中のカルボニル基との架橋反応がおこり
やすくなり、硬化がおこると考えられる。すなわち、有
機ジヒドラジド化合物(b)のヒドラジド基の架橋反応
が水およびケトン系溶剤(c)で抑制され、水およびケ
トン系溶剤(c)の減少にしたがって架橋反応が促進さ
れるものと考えられる。この結果、有機ジヒドラジド化
合物(b)とその硬化遅延剤であるケトン系溶剤(c)
を水分散性樹脂(a)に配合してえられた水性インキ用
組成物は、硬化遅延剤であるケトン系溶剤(c)を添加
していない水分散性樹脂(a)および有機ジヒドラジド
化合物(b)の組成物を用いるばあいに比して、インキ
の再溶解性およびインキの粘度安定性を著しく向上させ
ることができ、えられたインキ塗膜は塗膜形成初期にお
いては再溶解性をもつが経時的に耐水性、耐溶剤性など
が良好な塗膜を形成する。
分子中にヒドラジド基を2個有するヒドラジン誘導体が
あげられる。具体的には、シュウ酸ジヒドラジド、マロ
ン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジ
ヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒド
ラジドなどのジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス
(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダン
トインなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく
2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちで
は、アジピン酸ジヒドラジドおよび1,3−ビス(ヒド
ラジドカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン
が水への溶解性が良好である点から好ましく、さらにア
ジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
(c)としては、水への溶解性が大きく(具体的には水
に対して50%以上の溶解性を有し、好ましくは任意の
割合で混合可能であり)、かつ水より高沸点、好ましく
は110℃以上で200℃以下の沸点を有するケトン系
溶剤が使用される。水への溶解性が大きいため水相中に
多く存在し、有機ジヒドラジド化合物と共存することで
インキの粘度安定性をよくし、水より高沸点のため水が
揮散したのちのインキ塗膜中に一時的に残存し、硬化を
遅延させることでインキ塗膜の再溶解性の低下を少なく
する。
とえばジアセトンアルコール(b.p.164℃、水と
任意の割合で混合)、アセトニルアセトン(b.p.1
88℃、水と任意の割合で混合)、アセトンアルコール
(b.p.145℃、水に可溶)、アセトエチルアルコ
ール(b.p.109〜110℃/30mmHg、水に
可溶)などがあげられる。これらは単独で使用してもよ
く2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち
では、ジアセトンアルコールが印刷インキなどの溶剤と
して工業的に使用されており、また硬化後のインキ塗膜
の耐水性が良好である点から好ましい。
ジド化合物(b)の添加量は、水分散性樹脂(a)中に
含まれるケト基またはアルド基に基づくカルボニル基1
当量に対し、ヒドラジド基0.1〜3当量、さらには
0.3〜2当量、とくには0.4〜1.5当量であるの
が好ましい。前記添加量が0.1当量未満では、本発明
の目的とする効果が充分にえられず、3当量より多く配
合しても密着性、耐水性は向上せず、かえって低下す
る。
剤としてのケトン系溶剤(c)の添加量は有機ジヒドラ
ジド化合物(b)のヒドラジド基1当量に対し1〜3当
量、さらには1.3〜2.5当量、とくには1.5〜2
当量であるのが好ましい。前記添加量が1当量未満で
は、硬化の遅延効果が充分にえられず、3当量より多く
配合すると、密着性、耐水性などのインキ物性が低下す
る。
中における水分散性樹脂(a)の割合は、固形分で25
〜50%、さらには30〜40%であるのがインキ顔料
の固着性やインキ塗膜の密着性および可撓性の点から好
ましい。
ボニル基含有不飽和単量体(I)5〜15%、芳香族基
を有する重合性二重結合含有単量体および(または)
(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜8のアルキル
基)エステル類70〜90%およびカルボキシル基また
はヒドロキシル基を有する重合性二重結合含有単量体5
〜15%を共重合させてなる水分散性樹脂に、アジピン
酸ジヒドラジドまたは1,3−ビス(ヒドラジドカルボ
エチル)−5−イソプロピルヒダントインを水分散性樹
脂中のカルボニル基1当量に対してヒドラジド基が0.
5〜2当量となる量、さらにジアセトンアルコールを前
記有機ジヒドラジド化合物のヒドラジド基1当量に対し
て1.5〜2当量となる量配合してなる水性インキ用組
成物があげられる。このばあいには水性インキとしての
再溶解性に優れ、インキ粘度の安定性が良好であり、そ
のうえインキ塗膜の密着性、耐水性、光沢などが良好と
なる。
顔料などの着色剤、必要に応じてワックス、消泡剤、可
塑剤、成膜助剤などが添加された水性インキとして使用
される。
例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
フラスコ内にイオン交換水456g、界面活性剤として
エレミノールES−70(三洋化成工業(株)製、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート
系アニオン性界面活性剤)11.25gを仕込み、その
内温を77℃に保ちながら重合開始剤として過硫酸アン
モニウム1.8gを添加したのち、スチレン75g、n
−ブチルアクリレート95g、ジアセトンアクリルアミ
ド20g、アクリル酸10gおよびn−オクチルメルカ
プタン4gの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了
後、過硫酸アンモニウムの10%水溶液2gを添加し、
内温80℃で2時間熟成した。えられた乳化物を25℃
に冷却し、撹拌を続けながら中和剤として25%アンモ
ニア水を8g添加し、pH8.2、固形分30.6%の
水分散性樹脂乳化物をえた。
性樹脂乳化物の性状および水分散性樹脂のガラス転移温
度(Tg)を表1に示す。
と同様にして水分散性樹脂乳化物をえた。えられた水分
散性樹脂乳化物の性状および水分散性樹脂のガラス転移
温度(Tg)を表1に示す。
ピン酸ジヒドラジド1.5部(水分散性樹脂中のカルボ
ニル基に対し当量のヒドラジド)およびジアセトンアル
コール3部(アジピン酸ジヒドラジドのヒドラジド基1
当量に対し1.5当量のカルボニル基)を加え、水性イ
ンキ用組成物をえた。前記水性インキ用組成物を用いて
下記の組成の混合物を調製したのち、振動式分散機(レ
ッドデビル社製、5400)を用い、1時間分散させて
インキを製造した。えられたインキの物性を下記の評価
方法にしたがって評価した。結果を表2に示す。
25℃、12rpmで測定した。
の恒温器に7日間放置したのち、室温(25℃)に戻
し、増粘、顔料の凝集および沈降の有無を確認した。 ◎:増粘あるいは顔料の凝集や沈降が全く見られない ○:顔料の凝集や沈降はないが2倍程度増粘がみられる △:増粘が3倍以上あり顔料の凝集がみられる ×:ゲル化あるいは顔料の凝集や沈降がみられる
ー#5でアルミホイル(マット面)に展色し、風乾30
分後イソプロピルアルコール/水(7/3)に数秒間浸
漬し、持ち上げて塗膜の溶け出し程度を判定した。 ◎:1回の浸漬で塗膜が完全に溶解する ○:2回の浸漬で塗膜が完全に溶解する △:2回の浸漬で半分以上塗膜が溶解する ×:2回以上の浸漬でも塗膜が溶解しない
5でポリエチレン(PE)フィルムコート紙(コロナ処
理、濡れ指数38ダイン)に展色し、ハンドドライヤー
で数秒間乾燥させた展色物を目視判定した。 ○:光沢がある △:少し光沢がある ×:光沢がない
製造した展色物を用いて、展色の上に粘着テープ(ニチ
バン(株)製のセロテープNo.405)をはり、90
角剥離試験を1回行なった。 ◎:急激に引きはがしてもインキの剥離が全くない ○:急激に引きはがしたばあい、若干インキの剥離がみ
られる △:急激に引きはがすと剥離するが、ゆっくり引きはが
したばあい剥離しない ×:ゆっくり引きはがしても剥離する
して製造した展色物を室温に1日放置後室温水(25
℃)に16時間浸漬後、すばやく水を拭き取り、前記密
着性と同様に剥離試験を行なった。 ◎:急激に引きはがしてもインキの剥離が全くない ○:急激に引きはがしたばあい、若干インキの剥離がみ
られる △:急激に引きはがすと剥離するが、ゆっくり引きはが
したばあい剥離しない ×:ゆっくり引きはがしても剥離する
ドラジド化合物およびケトン系溶剤の配合を変更した他
は実施例1と同様に水性インキ用組成物をえ、インキを
製造し、えられたインキの物性を評価した。結果を表
2、表3に示す。
膜の再溶解性やインキ粘度、インキ安定性が良好である
ので耐版づまり、耐版かぶりなどの印刷適性を必要とす
るグラビア印刷に好適に使用できる。そのうえ、オレフ
ィン系フィルムへの密着性、耐水性などが良好であるの
でコロナ処理を施したオレフィン系フィルム用印刷に使
用可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ケト基またはアルド基に基づくカルボニ
ル基を分子中に少なくとも1個含有する重合性二重結合
含有単量体3〜20重量%と、これと共重合可能な重合
性二重結合含有単量体80〜97重量%とを共重合させ
てなる水分散性樹脂(a)に、有機ジヒドラジド化合物
(b)および有機ジヒドラジド化合物の硬化遅延剤とし
て水への溶解性が大きく、かつ水より高沸点であるケト
ン系溶剤(c)を配合してなり、配合割合が水分散性樹
脂(a)のケト基またはアルド基に基づくカルボニル基
1当量に対して有機ジヒドラジド化合物(b)のヒドラ
ジド基が0.1〜3当量、有機ジヒドラジド化合物
(b)のヒドラジド基1当量に対してケトン系溶剤
(c)のカルボニル基が1〜3当量であることを特徴と
する水性インキ用組成物。 - 【請求項2】 前記共重合可能な重合性二重結合含有単
量体の80〜97重量%が、芳香族基を有する重合性二
重結合含有単量体および(または)炭素数1〜8のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
50〜94重量%と、カルボキシル基またはヒドロキシ
ル基を有する重合性二重結合含有単量体の3〜30重量
%とからなる請求項1記載の水性インキ用組成物。 - 【請求項3】 有機ジヒドラジド化合物(b)の硬化遅
延剤としてのケトン系溶剤(c)が、ジアセトンアルコ
ールである請求項1記載の水性インキ用組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1997-12-10 JP JP34026597A patent/JP3801762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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