JPH11171952A - 光重合性組成物及びそれを用いた塗膜パターンの形成方法 - Google Patents

光重合性組成物及びそれを用いた塗膜パターンの形成方法

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JPH11171952A
JPH11171952A JP33670497A JP33670497A JPH11171952A JP H11171952 A JPH11171952 A JP H11171952A JP 33670497 A JP33670497 A JP 33670497A JP 33670497 A JP33670497 A JP 33670497A JP H11171952 A JPH11171952 A JP H11171952A
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group
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coating film
melamine
resin
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JP33670497A
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Satoshi Furusawa
智 古澤
Yutaka Yoshikawa
吉川  裕
Naozumi Iwazawa
直純 岩澤
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンダメッキ性、金メッキ性、耐熱性、耐薬
品性、付着性などに優れたレジスト膜を形成する光重合
性組成物を得る。 【解決手段】 (a)重合性不飽和基及び非プロトン型
オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹脂誘導体、
(b)重合性不飽和基を導入したメラミン樹脂及び
(c)光重合開始剤を必須成分とする光重合性組成物に
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光重合性組成物に関
し、さらに詳しくは、基材に対する付着性並びにハンダ
メッキ性、金メッキ性、耐熱性、耐薬品性などに優れた
塗膜を形成することができ、かつ未硬化塗膜は水で洗い
流すことができるので特にプリント配線板製造用ソルダ
レジストやビルトアップ回路基板の層間絶縁材として好
適な光重合性組成物に関する。さらに、本発明は該光重
合性組成物を用いた塗膜パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、プリント配線板などに部品を
ハンダ付けする際に、所望の部分以外へのハンダの付着
を避けるため、またプリント配線板表面の回路の保護を
目的としてソルダレジストが施されている。ソルダレジ
ストとしては、レジスト用組成物をシルクスクリーン印
刷法などにより基板上に必要とするパターンを印刷した
後に、加熱硬化せしめるか、または紫外線などの活性光
線により硬化せしめることにより施されていたが、プリ
ント配線の高密度化に伴い、パターン形成精度の高い液
状のフォトタイプのものに変わりつつある。
【0003】すなわち、液状の光重合性ソルダレジスト
をプリント配線板上にスプレート塗装、シルクスクリー
ン印刷、ロールコーター塗装などにより塗布し、加熱な
どにより指触乾燥せしめたレジスト膜上に、必要なパタ
ーンを描いたフィルムを密着させるなどして、紫外線な
どの活性光線を選択的に照射し、露光部分を硬化せしめ
た後現像液を用いて未露光部分を溶解除去してハンダメ
ッキ用パターン及び回路保護膜を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のレジストは、現
像液として有機溶剤や希アルカリ水溶液を使用するもの
が開発されている。現像液として有機溶剤を使用するも
のは、火災などの危険性、人体に対する毒性など安全衛
生面の問題がある。また、有機溶剤を回収使用する必要
があり、それに要する設備投資に多大のコストがかかる
という問題がある。
【0005】他方、アルカリ水溶液を現像液とする場合
は、現像液中のアルカリ成分である炭酸ソーダなどは現
像によって液中に溶解してくるレジスト中のカルボキシ
ル基と中和して消費されるために、一定割合の新しいア
ルカリ現像液を現像槽に補給し、対応する量の現像液を
槽外へ排出する必要がある。さらに、アルカリ水溶液で
現像するために、現像後にレジスト膜に付着したアルカ
リ成分を洗い流すために多量の洗浄水が必要となる。そ
のため、廃水処理や現像液の補給に多くの費用を要し、
さらに貴重な新鮮水を多量に消費するという問題があ
る。
【0006】また、レジストを塗布する際に、塗布装置
例えば、スプレーコーター、ロールコーター、スクリー
ン印刷機などやその付帯装置に付着したレジストを溶剤
で洗浄する必要があったり、溶剤使用による人体や火災
に対する危険性、コスト高の問題がある。
【0007】これらの問題点を解決するために、本発明
者らは、先に特定のオニウム塩を分子中に含む不飽和エ
ポキシ樹脂誘導体を用いることにより、現像液として水
のみを使用して必要なパターンニングを行うことが可能
で、ソルダレジストなどの用途に適した耐熱性、電気的
特性などに優れる組成物を提案している(例えば、特開
平2−1858号公報、同6−59449号公報、同7
−114182号公報、同7−114183号公報、同
8−44058号公報参照)。
【0008】これらの提案による組成物は、いずれも現
象や洗浄を水のみで行うことができるので、前述したア
ルカリ水溶液現像型の欠点を解決し、しかも得られるレ
ジスト膜の品質にも優れるものである。しかし、近年公
害防止の観点からハンダ付けに用いるフラックスも溶剤
型から水性型に切り替えられること、金メッキに対する
信頼性の向上が要請されることから、より耐薬品性、耐
熱性の高い組成物の開発が必要となると同時に、回路密
度の急速な高密度化に伴い、より高い解像性を有するレ
ジスト組成物の開発が強く望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来の光
重合性組成物に重合性不飽和基を導入した特定のメラミ
ン樹脂を配合することにより、解決できることを見い出
し本発明を完成するに至った。
【0010】かくして、本発明に従えば、(a)樹脂1
kg中に0.3〜10モルの重合性不飽和基及び0.1〜
3モルの下記式(I)
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、R1 は、水酸基、アルコキシ基、
エステル基もしくはハロゲン原子が置換していてもよい
炭素数1〜8の炭化水素基又は水素原子を示す。−W+
は、
【0013】
【化7】
【0014】を示す。ここでZは、窒素原子又はリン原
子を、Yは、硫黄原子を示し、R2 、R3 及びR4 は、
同一又は異なって、炭素数1〜14の有機基を示す。ま
たこれらR2 及びR3 又はR2 、R3 及びR4 は、一緒
になって、これらが結合している窒素原子、リン原子も
しくは硫黄原子と共に複素環基を形成してもよい。〕で
表わされる非プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香
族エポキシ樹脂誘導体、(b)下記式(II)で表わされ
るメラミン1モルに、下記式(III)で表わされるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート1.5〜4モルをエ
ーテル交換反応により導入したメラミン樹脂(b−1)
及びメラミン1モルにホルムアルデヒド4.5〜5.9
モルを付加させた後、炭素数1〜4個の1価のアルコー
ルでエーテル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂1
kg当り下記式(III)で表わされるヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート2.5〜8モルをエーテル交換反
応により導入したメラミン樹脂(b−2)から選ばれる
メラミン樹脂及び
【0015】
【化8】
【0016】〔式中、R1 〜R6 は、同一又は異なっ
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わ
す。〕
【0017】
【化9】
【0018】〔式中、R7 は、水素原子又はメチル基を
表わし、R8 は、炭素数2〜4のアルキレン基を表わ
す。〕(c)光重合開始剤を必須成分とする光重合性組
成物が提供される。また、本発明に従えば、(A)基材
上に上記光重合性組成物を塗布し未硬化塗膜を形成する
工程、及び(B)該未硬化塗膜に活性光線を照射して塗
膜を硬化せしめる工程を有することを特徴とする硬化塗
膜の形成方法が提供される。
【0019】本発明組成物における(a)成分である芳
香族エポキシ樹脂誘導体は、樹脂中に重合性不飽和基及
び前記式(I)で表わされる非プロトン型オニウム塩含
有基を有する必要がある。
【0020】(a)成分である芳香族エポキシ樹脂誘導
体を得るには芳香族エポキシ樹脂に重合性不飽和基及び
非プロトン型オニウム塩含有基を導入すればよい。重合
性不飽和基はオニウム塩の陽イオンとなるエポキシ樹脂
に導入してもよいし、またオニウム塩の陰イオンとなる
有機酸としてアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエ
ステル、イタコン酸モノメチルエステルなどの重合性不
飽和基を有するカルボン酸を使用することによって陰イ
オンに導入してもよい。
【0021】上記芳香族エポキシ樹脂の代表例として
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールSなどの芳香族ビスフェノールのジグリシジルエー
テル化物又はこれらのジグリシジルエーテル化物と上記
ビスフェノールとの重合体、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ト
リグリシジルイソシアヌレート又はそれらの核ハロゲン
化物などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂を
安息香酸などで部分的に変性したものも使用できる。芳
香族エポキシ樹脂は、樹脂中のエポキシ基含有量が樹脂
1kgに対して0.1モル以上であることが反応性の点か
ら好ましく、また該樹脂の分子量は特に制限はないが、
レジストなどの塗膜の指触乾燥性の点から重量平均分子
量が約500以上、また塗装作業性の点から重量平均分
子量が約5,000以下であることが好ましい。
【0022】前記重合性不飽和基としては、例えばアク
リロイル基、メタクリロイル基、イタコネート基、マレ
エート基、フマレート基、クロトネート基、アクリルア
ミド基、メタクリルアミド基、桂皮酸基、ビニル基、ア
リル基などが挙げられる。
【0023】また前記非プロトン型オニウム塩含有基
は、上記式(I)で表わされるものであり、オニウム塩
の窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子からβ位にある
炭素原子が2級の水酸基を有する基であることが必要で
ある。このような非プロトン型オニウム塩は、第4級ア
ンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩及び第3級スルホ
ニウム塩のいずれかである。非プロトン型オニウム塩含
有基における陽イオンの具体例を化10、化11、化1
2に示す。
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】〔上記化10、化11、化12において、
2 、R3 及びR4 は、同一又は異なって、炭素数1〜
14の有機基を示す。またこれらR2 及びR3 又はR
2 、R3及びR4 は、一緒になって、これらが結合して
いる窒素原子、リン原子もしくは硫黄原子と共に複素環
基を形成してもよい。〕 炭素数1〜14の有機基としては、アンモニウム塩基、
ホスホニウム塩基又はスルホニウム塩基のイオン化を実
質的に妨害するものでない限り特に限定されるものでは
なく、例えば水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基などの形態で酸素原子の如き異種原子を含有して
いてもよい炭素数1〜14の炭化水素基が一般に用いら
れる。
【0028】斯かる炭化水素基としては、アルキル基、
シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリー
ル基及びアラルキル基などの脂肪族、脂環式又は芳香族
炭化水素基を例示できる。上記アルキル基は、直鎖状及
び分枝鎖状のいずれであってもよく、炭素数8個以下、
好適には低級のものが望ましく、例えばメチル、エチ
ル、n−もしくはiso −プロピル、n−、iso −、sec
−もしくはtert−ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチ
ル基などが挙げられる。上記シクロアルキル基又はシク
ロアルキルアルキル基としては、炭素数5〜8個のもの
が好ましく、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル基などが
挙げられる。上記アリール基には、フェニル、トルイ
ル、キシリル基などが包含される。また上記アラルキル
基としては、ベンジル基が好適である。
【0029】また異種原子、例えば酸素原子が含有され
ている炭化水素基の好ましい例としては、ヒドロキシア
ルキル基(特にヒドロキシ低級アルキル基)、具体的に
はヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブ
チル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘプチル、ヒド
ロキシオクチル基などや、アルコキシアルキル又はアル
コキシアルキレン基(特に低級アルコキシ低級アルキル
又はアルキレン基)、具体的にはメトキシメチル、エト
キシメチル、エトキシエチル、n−プロポキシエチル、
iso −プロポキシメチル、n−ブトキシメチル、iso −
ブトキシエチル、tert−ブトキシエチル、メトキシカル
ボニルエチル、エトキシカルボニルエチル、メトキシカ
ルボニルブチル、メトキシカルボニルエチレニル、エト
キシカルボニルエチレニル基などを例示できる。
【0030】R2 及びR3 又はR2 、R3 及びR4 が一
緒になって、これらが結合している窒素原子、リン原子
もしくは硫黄原子と共に形成される複素環基である場合
−W+ としては、下記に示すものを例示できる。
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】また、上記(I)式におけるR1 で示され
る水酸基、アルコキシ基、エステル基又はハロゲン原子
が置換していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基として
は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シ
クロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基な
どの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基を例示でき
る。これらのうち、アルキル基及びアルケニル基が好ま
しく、これらの基は直鎖状及び分枝鎖状のいずれであっ
てもよく、特に低級のものが望ましく、例えばメチル、
エチル、n−もしくはiso −プロピル、n−、iso −、
sec −もしくはtert−ブチル、ペンチル、ヘプチル、オ
クチル、ビニル、2−メチルビニル基などが挙げられ
る。水酸基置換炭化水素基の好ましい例としては、ヒド
ロキシアルキル基(特にヒドロキシ低級アルキル基)、
具体的にはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒド
ロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘプチ
ル、ヒドロキシオクチル基などが挙げられる。アルコキ
シ基置換炭化水素基の好ましい例としては、アルコキシ
アルキル基(特に低級アルコキシ低級アルキル基)、具
体的にはメトキシメチル、エトキシメチル、エトキシエ
チル、n−プロポキシエチル、iso −プロポキシメチ
ル、n−ブトキシメチル、iso −ブトキシエチル、tert
−ブトキシエチル基などが挙げられる。エステル基置換
炭化水素基の好ましい例としては、低級アルコキシカル
ボニルアルキル基、低級アルコキシカルボニルアルケニ
ル基など、具体的にはメトキシカルボニルメチル、プロ
ポキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルプロピ
ル、メトキシカルボニルブチル、メトキシカルボニルエ
チレニル、エトキシカルボニルエチレニル基などが挙げ
られる。ハロゲン原子置換炭化水素基の好ましい例とし
ては、具体的にはクロロメチル、ブロモメチル、ヨード
メチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、クロロエ
チル、クロロブチル基などが挙げられる。
【0041】前記(a)樹脂中の重合性不飽和基は、硬
化性の観点から樹脂固形分1kg当り0.3〜10モルの
範囲にあるのが好ましく、0.5〜5モルの範囲にある
のがより好ましい。0.3モルより少なくなると、樹脂
の硬化が不十分となり、一方逆に10モルより多くなる
と、硬化物の機械的物性が低下する傾向となるので、い
ずれも好ましくない。
【0042】また前記非プロトン型オニウム塩含有基
は、樹脂固形分1kg当り0.1〜3モルの範囲にあるの
が好ましく、0.3〜2モルの範囲にあるのがより好ま
しい。0.1モルより少なくなると、硬化不足になる傾
向となるので、好ましくない。また逆に3モルより多く
なると、硬化させて得られる硬化物の耐水性が低下する
虞れがあるので、好ましくない。
【0043】前記芳香族エポキシ樹脂中への重合性不飽
和基の導入は、従来公知の手段を採用することにより行
い得る。例えば(i)カルボキシル基とエポキシ基との
付加反応、(ii)水酸基とエポキシ基との付加反応が利
用でき、またエポキシ樹脂中に水酸基がある場合には、
(iii)カルボキシル基と水酸基とのエステル化反応、
(iv)イソシアネート基と水酸基との付加反応、(v)
酸無水物と水酸基とのハーフエステル化反応、(vi)エ
ステル基と水酸基とのエステル交換反応などを利用し、
エポキシ樹脂中の官能基と反応する官能基と重合性不飽
和基とを有する化合物を使用することにより行うことが
できる。
【0044】上記反応のうち、代表例として(i)、
(ii)及び(iv)について下記に述べる。
【0045】上記(i)の反応に使用できる重合性不飽
和基とカルボキシル基とを有する化合物としては、(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸モノアルキル
エステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸
モノアルキルエステルなどを例示できる。また上記(i
i)の反応に使用できる重合性不飽和基と水酸基とを有
する化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、アリルアルコール、N−メチロール(メタ)アク
リルアミドなどの重合性不飽和基を有するモノアルコー
ルが例示できる。また上記(iv)の反応に使用できる重
合性不飽和基とイソシアネート基とを有する化合物とし
ては、上記重合性不飽和基を有するモノアルコールとト
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
などのジイソシアネート化合物との等モル付加物やα,
α−ジメチル−m−イソプロペニルベンジルイソシアネ
ートなどを付加させる方法なども利用できる。
【0046】前記芳香族エポキシ樹脂中へのオニウム塩
の導入は、例えば下記方法(a)に従って行うことがで
きる。
【0047】(a)無溶剤又は不活性有機溶媒中にて、
1,2−エポキシ基を有する樹脂に第3級アミン、ホス
フィン又はチオエーテル及び有機酸を同時に反応させる
方法。上記樹脂に反応させるべき化合物として第3級ア
ミンを用いる場合を例にとり、反応式で示すと化22の
ようになる。
【0048】
【化22】
【0049】〔式中、αは、樹脂の基体部分を示し、R
1 、R2 、R3 及びR4 は、前記に同じ〕 第3級アミンの代わりにホスフィンを用いる場合には、
上記反応式においてNをPに置き換えればよく、また第
3級アミンの代わりにチオエーテルを用いる場合には、
上記反応式においてNをSに置き換えかつ−R4 を削除
すればよい。
【0050】上記樹脂、第3級アミンなど及び有機酸の
反応は、約40〜80℃の加熱下で行われ、1〜20時
間程度で該反応は完結する。
【0051】芳香族エポキシ樹脂中へのオニウム塩の導
入は、無溶剤又は不活性有機溶媒中にて、2−ハロゲノ
−1−ヒドロキシエチル基を有する樹脂に第3級アミ
ン、ホスフィン又はチオエーテルを反応させた後、陰イ
オン交換によりハロゲン原子を水酸基に置換し、ついで
これに有機酸を反応させる方法によっても行うことがで
きる。
【0052】前記方法(a)及び上記方法において用い
られる不活性有機溶媒としては、例えばエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤、ジオキサ
ン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテ
ル系溶剤、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン系溶剤などを挙げることがで
きる。
【0053】また、有機酸(HOCOR1)としてはR1
が水酸基、アルコキシ基、エステル基又はハロゲン原子
が置換していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基を示す
陰イオンを生成する有機カルボン酸である限り、従来公
知のものを広く使用でき、具体的には酢酸、ギ酸、トリ
メチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、乳酸、ヒドロ
キシ酢酸、クロトン酸、クロル酢酸、マレイン酸モノメ
チルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン
酸モノメチルエステルなどが例示される。これらの中で
も、特に解離定数(pKa 値)が1×10-5以上のものが
好適である。
【0054】本発明組成物における(b)成分のメラミ
ン樹脂は、下記式(II)で表わされるメラミン1モル
に、下記式(III)で表わされるヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート1.5〜4モルをエーテル交換反応に
より導入したメラミン樹脂(b−1)及びメラミン1モ
ルにホルムアルデヒド4.5〜5.9モルを付加させた
後、炭素数1〜4個の1価のアルコールでエーテル化し
たアルキルエーテル化メラミン樹脂1kg当り下記式(II
I)で表わされるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト2.5〜8モルをエーテル交換反応により導入したメ
ラミン樹脂(b−2)から選ばれるメラミン樹脂であ
る。
【0055】
【化23】
【0056】〔式中、R1 〜R6 は、同一又は異なっ
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わ
す。〕
【0057】
【化24】
【0058】〔式中、R7 は、水素原子又はメチル基を
表わし、R8 は、炭素数2〜4のアルキレン基を表わ
す。〕 メラミン樹脂(b)を調製する際のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートによるエーテル交換反応は、重合
禁止剤を使用したり、空気吹込みによって行うことが好
ましい。
【0059】得られるメラミン樹脂(b)は、そのメラ
ミンのアミノ基の活性水素の75%以上にホルムアルデ
ヒドが付加していることが好ましい。付加率が低いと高
分子量化が進み、得られる組成物の貯蔵性が悪くなるの
で好ましくない。
【0060】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
の導入率はヘキサメチロールメラミンのエーテル化物を
使用する場合は、メラミン1モルに対して1.5〜4.
5モル、ポリメリックなメラミン樹脂を使用する場合
は、メラミン樹脂1kgに対して2.5〜8モル導入する
ことが好ましい。導入量が少ないと光重合性が低下し、
他方多すぎると熱硬化性が低下するので好ましくない。
【0061】また(b)成分の配合量は、(a)成分
(固形分、以下同じ)100重量部に対して5〜50重
量部が好ましい。5重量部より少なすぎると改良効果が
小さく、所期の性能が得られず、他方50重量部より多
すぎると加熱硬化後の塗膜が硬くなりすぎ、基板をカッ
ティングする際のカッターの刃の磨滅が激しくなり、ま
た得られる基板に激しい熱衝撃が加えられたときワレを
生じやすくなるので好ましくない。
【0062】(b)成分は、熱硬化性樹脂の硬化剤とし
て耐薬品性、耐熱性に優れていることで知られるメラミ
ン樹脂に重合性不飽和基を導入したものであり、活性光
線の照射により光重合すると共に、加熱により熱硬化す
る能力を有している。すなわち、(b)成分は一つの分
子で光、熱の両者により架橋硬化するため、架橋度が高
く、また骨格が耐熱、耐薬品性の高いメラミン構造であ
るため得られた塗膜の耐熱性、耐薬品性が格段に優れて
いる。
【0063】従来提案されている熱硬化性成分の添加に
より耐熱性、耐薬品性の向上を図る方法では(例えば、
特開平6−59449号公報参照)、組成物中の重合性
不飽和基濃度を減少させることになり、現像に耐える架
橋度を得るためには高露光量が必要となる。また、基板
界面まで十分に硬化させることが困難となり、現像時に
アンダーカットを生じやすく、このため金メッキ時など
のメッキ液が塗膜下に侵入しやすくなり、塗膜の密着性
が損なわれ、金メッキの信頼性が低下する。
【0064】また、熱硬化性成分としてエポキシ樹脂及
びメラミン樹脂を用いた場合、前者では熱カブリを生じ
やすくなり指触乾燥するための加熱条件幅が狭い、常温
でも硬化反応が進むためポットライフが短いなどの問題
がある。他方、後者では常温での貯蔵安定性はよいがプ
レヒートした後でも膜面に粘着性が残りやすく露光作業
性が著しく低下するという問題がある。
【0065】これに対し、本発明で用いる(D)成分
は、メラミン樹脂類似の構造でありながら、全く意外な
ことに露光時に粘着性の問題がなく良好な露光作業性が
得られるという特徴を有している。
【0066】本発明における(c)成分である光重合開
始剤としては通常公知のものが用いられ、例えばベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、テトラメ
チルチウラムモノサルファイド、エオシン、チオニン、
ジアセチル、ミヒラーケトン、アントラキノン、クロル
アントラキノン、メチルアントラキノン、α−ヒドロキ
シイソブチルフェノン、P−イソプロピルα−ヒドロキ
シイソブチルフェノン、α,α′−ジクロル−4−フェ
ノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ1−シクロヘキ
シルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ2−フェニル
アセトフェノン、メチルベンゾイルホルメイト、2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
ホリノ−プロパノン−1、チオキサントン、ベンゾフェ
ノンなどが適用でき、これらの使用量は(a)成分(固
形分)100重量部に対して0.1〜15重量部の範囲
がよく、0.1重量部より少なくなると硬化性が低下す
る傾向があり、15重量部より多くなると硬化皮膜の機
械的強度が劣化する傾向がある。
【0067】本発明において、前記した(a)、(b)
及び(c)成分の他に、必要に応じて下記式(IV)
【0068】
【化25】
【0069】〔式中、R9 は、水素原子又はメチル基を
示し、R10は、炭素数1〜12のアルキレン基を示し、
11は、相互に異なってもよい炭素数1〜4のアルキル
基を示し、R12は、炭素数5〜12のアルキル基を示
す。
【0070】式中、nは、0〜3の整数を示す。〕で表
わされる重合性不飽和単量体及び/又は雲母を配合する
ことによって、プリント配線板への硬化塗膜の付着性向
上効果が得られる。
【0071】重合性不飽和単量体の配合量は、(a)成
分100重量部に対して15重量部以下の範囲である。
また雲母は平均粒径が1〜10μm のものが好ましく、
(a)成分100重量部に対して10〜60重量部の範
囲である。
【0072】本発明組成物は、前記(a)、(b)及び
(c)成分を必須とし、通常、塗装性などの点から有機
溶剤に溶解して使用されるか、あるいは樹脂作成時の溶
媒として水混和性の溶媒を使用し、得られる樹脂液に水
を加えるか、又は水中に配合することによって、水溶液
ないし水分散液の形態で使用される。
【0073】上記溶媒としては、本発明組成物を溶解な
いしは分散できるものであれば特に制限はないが、例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコールなどのグリコールエーテル類;トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノー
ル、ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;水などが
挙げられる。これらの溶媒は単独又は混合して使用で
き、その使用量は組成物の塗布方法などにより適宜調整
する。
【0074】また本発明組成物には必要に応じて、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸
化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属水酸化物;ニッケル、銅、モリブデン、
鉛、鉄、クロム、マンガン、スズ、コバルトから選ばれ
た金属の水酸化物、有機酸塩及びアルコキシドなどの熱
硬化における硬化触媒を配合してもよい。これら硬化触
媒の添加量は、(a)成分100重量部に対して10重
量部以下、さらには0.1〜5重量部の範囲が好まし
い。
【0075】また、本発明組成物には、さらに着色顔
料、体質顔料、防錆顔料、染料、熱可塑性重合体、多官
能性ビニル単量体又はオリゴマー、その他レベリング
剤、消泡剤、タレ止め剤などの各種添加剤を配合しても
よい。着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料としてはイ
ンキ、塗料の分野で通常用いられるものが使用でき、本
発明組成物の塗膜形成成分中50重量%以下、さらには
30重量%以下の範囲配合することが好ましい。多官能
性ビニル単量体又はオリゴマーとしては、例えばトリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトール(メタ)アクリレート、ノルボルネンジ
(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの多官
能性ビニル単量体又はオリゴマーや熱可塑性重合体の配
合量は本発明組成物の(a)成分100重量部に対して
30重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
【0076】かくして得られる本発明の光重合性組成物
は基材上にスプレー塗装、ハケ塗り、ロール塗装、浸漬
塗装、シルクスクリーン印刷などの通常の方法に従い乾
燥膜厚で通常10〜100μm となるよう塗布される。
また、塗布された未硬化塗膜は紫外線などの活性光線を
10〜600mj/cm2、好ましくは50〜400mj/cm2
射することによって硬化せしめられる。
【0077】露光機としては、従来から紫外線など、活
性光線硬化用に使用されているものを用いることがで
き、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、レー
ザー光などが挙げられる。また光硬化された塗膜に、さ
らに加熱処理を施してもよく、例えば約120〜180
℃で10〜60分間加熱処理を行うことによって樹脂中
に残存する不飽和基の熱重合、不飽和基と水酸基との付
加反応が起こり高い架橋密度の塗膜が形成されると同時
に塗膜中の親水性のオニウム塩基が熱分解し疎水化する
ために耐熱性、耐薬品性が向上する。
【0078】基材上にパターンを有する保護被膜を形成
する場合、例えば回路板にパターンを有するレジスト塗
膜を形成する場合、基材上に形成された未硬化塗膜を例
えば100℃以下の温度で指触乾燥せしめた後、該塗膜
にパターンを描いたフィルム(フォトマスク)を介して
活性光線を照射し又はレーザー光などで直接描画し、つ
いで水で塗膜の現像を行い、未露光部分の溶出・除去を
行えばよい。また、塗膜性能を向上させるため前述の加
熱処理を行うことが好ましい。本発明方法によってハン
ダメッキ性、耐金メッキ性、耐熱性、耐薬品性、基材に
対する付着性、電気的特性に優れたレジスト膜が得られ
る。
【0079】本発明組成物を使用することによって、上
記した優れた性能の塗膜を形成することができ、また、
パターンを有するレジスト膜を形成する場合には、未硬
化塗膜は無害な水で現像されるため安全衛生上の問題が
解決できるものである。かくして、本発明方法によって
得られるレジスト膜はソルダレジストやビルドアップ回
路基板用層間絶縁材として優れた性能を示す。
【0080】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。なお、単に「部」及び「%」とあるのは、そ
れぞれ「重量部」、「重量%」を意味する。
【0081】 芳香族エポキシ樹脂誘導体の製造 製造例1 エピコート154(注1) 500部 アクリル酸 180部 テトラエチルアンモニウムブロマイド 1.0部 ハイドロキノン 0.5部 をエチレングリコールモノブチルエーテル250部の入
ったフラスコ中に配合、溶解させた後、110℃で5時
間加熱して樹脂酸価0.5のエポキシエステル溶液を得
た。この溶液を約50℃に冷却した後、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン36部、酢酸24部を加え、70℃
で6時間反応させて固形分75%の樹脂溶液a−1を得
た。この樹脂は固形分において 重合性不飽和基 3.4 モル/kg 第4級アンモニウム塩 0.55モル/kg を有していた。
【0082】(注1)エピコート154……油化シェル
エポキシ社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
数平均分子量約500、エポキシ当量約174。 製造例2 エピコート190S80(注2) 500部 アクリル酸 171部 チオジグリコール 122部 メトキシハイドロキノン 0.5部 をジエチレングリコールモノエチルエーテル350部の
入ったフラスコ中に配合、溶解させた後、70℃で10
時間加熱して固形分69%の樹脂溶液a−2を得た。こ
の樹脂は固形分において 重合性不飽和基 3.0 モル/kg 第3級スルホニウム塩 1.26モル/kg を有していた。
【0083】(注2)エピコート190S80……油化
シェルエポキシ社製、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、数平均分子量約1,100、エポキシ当量約21
0。 製造例3 エピコート190S80(注3) 500部 アクリル酸 171部 N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート 51部 ハイドロキノン 0.3部 をプロピレングリコールモノメチルエーテル150部の
入ったフラスコ中に配合、溶解させ、60℃で10時間
反応させて固形分73%の樹脂溶液a−3を得た。この
樹脂は固形分において 重合性不飽和基 3.7 モル/kg 第4級アンモニウム塩 0.42モル/kg を有していた。
【0084】(注3)エピコート190S80……油化
シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、数平均分子量約2,000、エポキシ当量約96
0。
【0085】 製造例4 トリグリシジルイソシアヌレート 500部 (エポキシ当量190) メタクリル酸 86部 ハイドロキノン 0.5部 テトラエチルアンモニウムクロライド 1.0部 をエチレングリコールモノブチルエーテル250部の入
ったフラスコ中に配合、溶解させ、ついで120℃で4
時間反応させて樹脂酸価0.5のエポキシエステル溶液
を得た。この溶液を約50℃まで冷却した後、トリフェ
ニルホスフィン227部、N,N−ジメチルエタノール
アミン72部、アクリル酸117部を加え70℃で10
時間反応させて固形分80%の樹脂溶液a−4を得た。
この樹脂は固形分において 重合性不飽和基 2.5 モル/kg 第4級オニウム塩 1.55モル/kg (ホスホニウム塩+アンモニウム塩) を有していた。
【0086】製造例5 トリレンジイソシアネート174部をフラスコ中に配合
し、このものに2−ヒドロキシエチルアクリレート11
6部を約20℃で2時間かけて滴下した後、30に3時
間保持して付加物B−1を得た。
【0087】ジエチレングリコールジメチルエーテル2
00部、メチルアミルケトン200部の入ったフラスコ
中に下記混合物を配合、溶解させた。
【0088】 エピコート154 500部 アクリル酸 108部 ハイドロキノン 0.7部 テトラエチルアンモニウムブロマイド 1.5部 ついで、このものを110℃で4時間加熱して樹脂酸価
0.8のエポキシエステル溶液を得た。この溶液を約5
0℃に冷却し、上記で得た付加物B−1を290部加
え、約90℃で5時間反応させた。得られた反応物溶液
を赤外線分光分析を行ったところイソシアネート基は検
出されず、イソシアネート基が完全に消費されていた。
かくして得られた反応物溶液を約50℃まで冷却し、チ
オジグリコール172部、アクリル酸101部を加え、
80℃で3時間反応させて固形分74.5%の樹脂溶液
a−5を得た。この樹脂は固形分において 重合性不飽和基 3.3 モル/kg 第3級スルホニウム塩 1.20モル/kg を有していた。
【0089】 製造例6 エピコート1004 500部 アクリル酸 28部 トリエチルアミン 17.5部 をメチルイソブチルケトン200部の入ったフラスコ中
に配合、溶解させた後、40℃で10時間反応させて固
形分73%の樹脂溶液a−6を得た。この樹脂は固形分
において 重合性不飽和基 0.63モル/kg 第4級アンモニウム塩 0.42モル/kg を有していた。
【0090】 製造例7 ヘキサメトキシメチロールメラミン 396部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 371部 ハイドロキノン 0.3部 を撹拌機、温度計、冷却管を備えた反応容器に仕込み、
60℃に加熱撹拌して溶解させた後、シュウ酸を加えpH
を約5.5に調整する。ついで90℃まで徐々に加熱し
て生成するメタノールを系外に除去する。メタノールの
溜出がなくなった時点で冷却しメラミン樹脂1を得た。
【0091】 重合性不飽和基 3.2モル/モルメラミン 加熱残分 100% 製造例8 メラミン 252部 ブチルホルムセル(ホルムアルデヒド30%) 1,100部 を撹拌機、空気吹込管、冷却機、温度計を備えた反応容
器に仕込み、トリエチルアミンで系のpHを約8.0に調
整し、撹拌しながら60℃で4時間加熱した後、リン酸
を加えpHを5.0に調整し、さらに加熱し還流下に生成
する水を除去する。水の流出がなくなった時点でハイド
ロキノン0.1部、BHT3部を加え溶解した後、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート967部を加え、ゆる
やかに空気を吹込みながら還流下に4時間かけてブタノ
ールを系外に除去し、冷却してメラミン樹脂2を得た。
【0092】 ホルムアルデヒド付加量 5.5モル/1モルメラミン 重合性不飽和基 6モル /kgメラミン樹脂 加熱残分 95% 製造例9 ヘキサメトキシメチルメラミン396部を製造例7で用
いた反応容器に仕込み、撹拌しながら40℃まで加熱し
溶解させた後、シュウ酸を加えてpHを5.5に調整し、
80℃で4時間加熱し、ついでハイドロキノン0.1部
を加え溶解させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト267部を加え徐々に80℃まで加熱して生成するメ
タノールを系外に除去する。メタノールの溜出がなくな
った時点で冷却しメラミン樹脂3を得た。
【0093】 重合性不飽和基 2.3モル/モルメラミン 加熱残分 100% 実施例1 樹脂溶液a−1 135部、メラミン樹脂1 7.5
部、α−ヒドロキシイソブチルフェノン3部、ジエチル
チオキサントン1部、フタロシアニングリーン0.5
部、雲母15部及びモダフロー(米国モンサント社製、
表面調整剤)1.5部をテストロールで混練し本発明の
光重合性組成物を得た。
【0094】かくして得られた組成物をインキとして用
い、このものを予めエッチングした平坦部及びライン/
スペース50μm /50μm 〜150μm /150μm
のパターン(25μm 刻み)を有する銅スルーホールプ
リント配線板上に乾燥膜厚で15〜20μになるように
塗布し、80℃で10分間予備加熱した後、現像性、耐
ハンダ耐熱性、耐金メッキ性評価のためには所望のパタ
ーンを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを介
して、またその他の試験のためには該フィルムなしに2
00mj/cm2と300mj/cm2の光量をメタルハライドラン
プを用いて露光した。かくして得られたレジスト膜につ
き各種性能試験を行った。その結果を後記表2に示す。
【0095】実施例2〜5及び比較例1〜4 後記表1に示す配合に基づいて実施例1と同様にして光
重合性組成物を調製し、試験に供した。得られたレジス
ト膜の試験結果を後記表2に示す。
【0096】なお、組成物の塗布は、実施例1〜3及び
5〜6、比較例1〜3は、2−メトキシプロパノールで
粘度3.5〜4ポイズに調整して静電スプレー法で塗装
した。実施例4及び比較例4は組成物をそのままスクリ
ーン印刷法により塗布した。表1における註は下記のと
おりである。
【0097】*1 開始剤:2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2モルホリノプロパン−1
−オン *2 雲母:平均粒径5.3μm *3 モダフロー:米国モンサント社製、表面調整剤 *4 FC#430:米国3M社製、フッ素系表面調整
剤 *5 AC−300:共栄社油脂製、表面調整剤 *6 重合性不飽和単量体:(IV)式のR9 がCH3
10が炭素数6の直鎖アルキレン基、R12が炭素数6の
直鎖アルキル基、nが0の単量体
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】表2における試験は下記の試験方法に従っ
て行った。
【0101】〔試験方法〕 現像性:現像液として上水を25℃でスプレー圧2Kg/c
m2で露光後のレジスト膜上に所定時間(90秒と180
秒)スプレーして行った。
【0102】◎ ライン/スペース50μm /50μm
まで完全に現像できる × ライン/スペース75μm /75μm 以下の細線パ
ターンに一部現像液による浸食、膨潤などにより、画線
の欠陥を生じる 以下の試験については、レジスト膜を露光(300mj/c
m2) 後、さらに150℃で30分間加熱した後に行っ
た。
【0103】初期密着性:プリント配線板上に形成され
た100μm /100μm の硬化塗膜パターン上に粘着
テープ(ニチバン社製CT−24)を圧着し、急速に引
き剥がした後の剥離状態を40倍の顕微鏡で観察して調
査したのもである。
【0104】◎ 剥離なしの状態 × 剥離ありの状態 耐酸性:基板の平坦部のレジスト膜上に1N −H2 SO
4 水溶液3mlをスポット状に置き、60℃の乾燥器中5
時間放置後、目視により評価した。
【0105】 ◎ 塗膜状態に全く変化のないもの ○ 塗膜状態にわずかな膨潤、変色の認められるもの △ 塗膜状態に明らかな変色が認められるもの耐ハンダ
耐熱性:JIS C−6481の試験法に従い、水性ハ
ンダフラックス(ケンコー183)を塗布した後、26
0℃のハンダ浴に10秒間フロートさせ、これらが室温
に下がるまで放置するサイクルを1サイクルとし、これ
を3サイクルと6サイクル行った後に、初期密着性と同
様にして硬化塗膜パターン(ライン/スペース=100
μm /100μm)のコーナー部の剥離状態を調査した。
【0106】 ◎ 剥離なしの状態 ○ わずかに剥離(評価するコーナー部の長さに対し剥
離したコーナーの長さが5%以内)の状態 △ 評価するコーナー部の長さに対し剥離したコーナー
の長さが30%以内の状態 × 評価するコーナー部の長さに対して剥離したコーナ
ーの長さが50%以上の状態 耐金メッキ性:奥野製薬工業製の無電解ニッケルメッキ
液ICPニコロンを用い、基板上の露出した銅部にニッ
ケルを5μm の厚さにメッキした後、同社の無電解金メ
ッキシステム(ムデンゴールド/セルフゴールド)によ
りさらに金を0.5μm の厚さにメッキした。評価はハ
ンダ耐熱性と同様にテープ剥離法により行った。評価基
準は耐ハンダ耐熱性と同じ。
【0107】耐熱水浸漬後付着性:テストピースを10
0℃の沸騰水に2時間浸漬後、試験した。評価基準は、
基板の銅パターンの平坦部のレジスト膜上にカッターで
銅面に達する深さの1mm幅の切り込みを100個ゴバン
目状に作り、その上に粘着テープを圧着し、急速に引き
剥がした後、桝目中のレジスト膜が全く剥離していない
桝目の数を分子に元の桝目数(100個)を分母として
表わした。
【0108】貯蔵安定性:実施例及び比較例の光重合性
組成物100ccをガラスビンに入れ、密閉して30℃の
暗所に放置し、著しい増粘ないしはゲル化の生じる時間
を測定した。
【0109】フォトマスク粘着性:基板にフォトマスク
を介して800mj/cm2の露光を行った後、基板とフォト
マスクとの粘着の度合を目視で評価した。
【0110】
【発明の効果】以上のように本発明の光重合性組成物を
用いれば、水で現像でき、硬化塗膜はハンダメッキ性、
金メッキ性、耐熱性、耐薬品性などに優れており、ソル
ダレジストや回路基板用層間絶縁材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 161/28 C09D 161/28 163/10 163/10 G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 H05K 3/28 H05K 3/28 C 3/46 3/46 T

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)樹脂1kg中に0.3〜10モルの
    重合性不飽和基及び0.1〜3モルの下記式(I) 【化1】 〔式中、R1 は、水酸基、アルコキシ基、エステル基も
    しくはハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜8
    の炭化水素基又は水素原子を示す。−W+ は、 【化2】 を示す。ここでZは、窒素原子又はリン原子を、Yは、
    硫黄原子を示し、R2 、R3 及びR4 は、同一又は異な
    って、炭素数1〜14の有機基を示す。またこれらR2
    及びR3 又はR2 、R3 及びR4 は、一緒になって、こ
    れらが結合している窒素原子、リン原子もしくは硫黄原
    子と共に複素環基を形成してもよい。〕で表わされる非
    プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹
    脂誘導体、(b)下記式(II)で表わされるメラミン1
    モルに、下記式(III)で表わされるヒドロキシアルキル
    (メタ)アクリレート1.5〜4モルをエーテル交換反
    応により導入したメラミン樹脂(b−1)及びメラミン
    1モルにホルムアルデヒド4.5〜5.9モルを付加さ
    せた後、炭素数1〜4個の1価のアルコールでエーテル
    化したアルキルエーテル化メラミン樹脂1kg当り下記式
    (III)で表わされるヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
    レート2.5〜8モルをエーテル交換反応により導入し
    たメラミン樹脂(b−2)から選ばれるメラミン樹脂及
    び 【化3】 〔式中、R1 〜R6 は、同一又は異なって、水素原子又
    は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。〕 【化4】 〔式中、R7 は、水素原子又はメチル基を表わし、R8
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表わす。〕(c)光
    重合開始剤を必須成分とすることを特徴とする光重合性
    組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分の固形分100重量部に対し
    て、(b)成分5〜50重量部及び(c)成分0.1〜
    15重量部の割合で配合される請求項1記載の光重合性
    組成物。
  3. 【請求項3】 下記式(IV)で表わされる重合性不飽和
    単量体を含有する請求項1又は2記載の光重合性組成
    物。 【化5】 〔式中、R9 は、水素原子又はメチル基を示し、R
    10は、炭素数1〜12のアルキレン基を示し、R11は、
    相互に異なってもよい炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、R12は、炭素数5〜12のアルキル基を示す。式
    中、nは、0〜3の整数を示す。〕
  4. 【請求項4】 平均粒径が1〜10μm の雲母を含有す
    る請求項1ないし3記載の光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 (A)基材上に請求項1記載の組成物を
    塗布し未硬化塗膜を形成する工程、及び(B)該未硬化
    塗膜に活性光線を照射して塗膜を硬化せしめる工程を有
    することを特徴とする塗膜パターンの形成方法。
  6. 【請求項6】 (B)工程後、(C)活性光線照射によ
    る硬化塗膜を加熱処理する工程を有することを特徴とす
    る請求項5記載の塗膜パターンの形成方法。
  7. 【請求項7】 基材上に形成された塗膜を指触乾燥せし
    めた後、該塗膜に所望のパターンを有するフォトマスク
    を介して活性光線を選択的に照射し、ついで水で該塗膜
    の現像を行い、未露光部分を溶出・除去した後、加熱処
    理を行うことを特徴とする請求項6記載の塗膜パターン
    の形成方法。
JP33670497A 1997-12-08 1997-12-08 光重合性組成物及びそれを用いた塗膜パターンの形成方法 Pending JPH11171952A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009286904A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物
JP2009298112A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Nitto Denko Corp 光学部品の製法

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