JP3623059B2 - ソルダレジストの現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソルダレジストの現像方法に関し、特に水現像型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プリント配線板等に部品をハンダ付けする際に、所望の部分以外へのハンダの付着を避けるために、またプリント配線板表面の回路の保護を目的として、プリント配線板上には所定のパターンを有するソルダレジストよりなる硬化塗膜が形成されている。上記ソルダレジストよりなる硬化塗膜は、写真法により形成され、通常、プリント配線板上へのソルダレジストの塗布、加熱による塗膜の指触乾燥、露光による所定のパターンのイメージング、現像液による未露光部の除去(現像)、加熱処理による塗膜の硬化といった工程を経て形成される。
【0003】
ソルダレジストよりなる硬化塗膜を形成する上記一連の工程の中の現像工程では、現像液として従来有機溶剤やアルカリ溶液が用いられていたが、これらは火災の危険性、人体に対する毒性などの安全衛生面での問題があった。
【0004】
このため、最近では、特開平7−114182号公報、特開平7−114183号公報等に開示されるような非プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹脂誘導体を用いて製造されるソルダレジスト組成物が提案されている。このソルダレジスト組成物は、水で容易に現像することが可能であり、実用化されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように水を現像液として使用する場合には、水を安価でかつ容易に入手できる点で非常に有利である。また、現像液や使用機器洗浄のために水を使用できるため、作業環境の安全性が高く、また使用機器洗浄時における環境への溶剤の分散がなく公害防止上好ましい特徴を有しているが、次のような問題点がある。
【0006】
例えば、現像工程において、未露光部のソルダレジスト塗膜は水に接触させて溶解させることが必要であるが、現像液槽中で溶解したレジストが経時によってしばしば凝集を起こす。
【0007】
現像液は、通常溶解してくるソルダレジスト成分が所定の濃度に達するまで繰り返して使用されるのが一般的である。しかしながら、レジスト成分の凝集物が存在するような現像液を使用した場合には、現像時にプリント配線板に当該凝集物が付着してプリント配線板を汚染するという問題がある。
【0008】
また、一般に現像は、現像液をソルダレジスト塗膜にスプレーする方法によって行われるが、その際現像液中のレジスト成分の凝集物がプリント配線板を搬送するローラに付着したり、現像槽に付着してこれらを汚染するといった問題がある。さらに、レジスト成分の凝集物は、濾過時にフィルターの目詰まりを引き起こし、フィルターの寿命を短くするという問題がある。
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解決するために提案されたものであり、使用後の現像液中に溶解してくるレジスト成分が凝集することを抑制し、現像液を繰り返し使用することが可能であるソルダレジストの現像方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、現像液として、水に予めオニウム塩含有基を有する特定の樹脂を所定量溶解させた水溶液を用いることによって、上述した問題点を一挙に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明に係るソルダレジストの現像方法は、プリント回路基板上に、重合性不飽和基及び非プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹脂誘導体と光重合開始剤とを有する光重合性ソルダレジスト組成物を塗布し、形成された塗膜を乾燥した後、この塗膜にフォトマスクを介して活性光線を照射して形成するソルダレジスト塗膜を水で現像する現像方法において、現像液として、水にオニウム塩含有基を樹脂1kg当たり0.3モル以上有する樹脂を0.01〜5重量%溶解させた水溶液を用いることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るソルダレジストの現像方法においては、現像液として水にオニウム塩含有基を有する樹脂を所定量溶解させた水溶液を使用することにより、使用後の現像液中に経時によって溶解してくるレジスト成分の凝集が抑制され、現像液を繰り返し使用することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るソルダレジストの現像方法について詳細に説明する。
【0014】
本発明に係るソルダレジストの現像方法は、プリント回路基板上に、重合性不飽和基及び非プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹脂誘導体(A)と光重合開始剤とを有する光重合性ソルダレジスト組成物を塗布し、形成された塗膜を乾燥した後、この塗膜にフォトマスクを介して活性光線を照射して形成するソルダレジスト塗膜を水で現像する。その際に、現像液として、水にオニウム塩含有基を樹脂1kg当たり0.3モル以上有する樹脂(B)を0.01〜5重量%溶解させた水溶液を用いることを特徴とする。
【0015】
ここで、光重合性ソルダレジスト組成物は、上記のように、1分子中に重合性不飽和基及び非プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹脂誘導体(A)と光重合開始剤を含有するものである。
【0016】
この芳香族エポキシ樹脂誘導体(A)を製造するために用いられるエポキシ樹脂の代表例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の芳香族ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂の分子量は、特に制限はないが、重量平均分子量で約500〜5000の範囲であることが塗装作業性等の点から好ましい。
【0017】
上記エポキシ樹脂に導入される重合性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、イタコネート基、マレエート基、フマレート基、クロトネート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、桂皮酸基、ビニール基、アリル基等が挙げられる。
【0018】
上記エポキシ樹脂に導入される重合性不飽和基は、樹脂1分子当たり少なくとも1個存在することが必要であり、その含有量は、硬化性の観点から樹脂固形分1kg当たり0.1〜10モルの範囲にあるのが好ましく、0.5〜5モルの範囲にあるのがより好ましい。含有量が0.1モルより少なくなると、硬化不足となる傾向があり、逆に10モルより多くなると、硬化物の機械的物性が低下する傾向がある。
【0019】
前記したエポキシ樹脂中への重合性不飽和基の導入は、従来既知の方法を用いて行うことができる。例えば、(1)カルボキシル基とエポキシ基との付加反応、(2)水酸基とエポキシ基との付加反応、またエポキシ樹脂中に水酸基がある場合には、(3)水酸基とカルボキシル基とのエステル化反応、(4)イソシアネート基と水酸基との付加反応、(5)水酸基と酸無水物とのハーフエステル化反応、(6)水酸基とエステル基とのエステル交換反応等を利用し、これらの官能基の組み合わせのいずれかの一方と重合性不飽和基を有する化合物と、他方の官能基を有する基体樹脂とを反応させることにより行うことができる。
【0020】
エポキシ樹脂に導入される非プロトン型オニウム塩含有基は、下記の化2式にて示される、オニウム塩の窒素原子、リン原子もしくは、硫黄原子からβ位にある炭素原子が二級の水酸基を有し、かつ非プロトン型オニウム塩部分が第四級アンモニウム塩、第四級スルホニウム塩及び第三級スルホニウム塩のいずれかの基である。
【0021】
【化2】
【0022】
また、上記エポキシ樹脂に導入される非プロトン型オニウム塩含有基の含有量は、樹脂固形分1kg当たり0.1〜5モルの範囲にあることが好ましく、0.1〜2モルの範囲にあることがより好ましい。含有量が0.1より少なくなると、硬化不足になる傾向があり、逆に5モルより多くなると、硬化させて得られる硬化物の耐水性が低下する恐れがある。
【0023】
上記エポキシ樹脂中へのオニウム塩含有基の導入は、例えば、水混和性不活性有機溶媒中で1,2−エポキシ基を有する樹脂に第三級アミンとホスフィン又はチオエーテル及び有機酸を同時に反応させる方法によって行うことができる。
【0024】
次に、光重合性ソルダレジスト組成物に配合される光重合開始剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、エオシン、チオニン、ジアセチル、ミヒラーケトン、アントラキノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピルα−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロペン、チオキサントン、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの使用量は、樹脂固形成分100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内で使用される。
【0025】
また、光重合性ソルダレジスト組成物には、さらに着色顔料、体質顔料、防錆顔料、熱可塑性重合体、多官能性ビニル単量体またはオリゴマー、その他レベリング剤、消泡剤、ダレ止め剤等を各種添加剤を配合してもよい。
【0026】
本発明は、上記特定の光重合性ソルダレジスト組成物から形成されるソルダレジスト塗膜の現像工程において、現像液として水にオニウム塩含有基を樹脂1kg当たり0.3モル以上含有する樹脂(B)を0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜1重量%溶解させた水溶液を用いることを特徴とするものである。
【0027】
オニウム塩含有基を有する樹脂(B)としては、オニウム塩含有基を有する限り、特に限定されないが、基体樹脂としては、グリシジル基含有アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、アルキド系樹脂、ビスフェノールやフェノール等の芳香族エポキシ系樹脂、ポリエステルやポリアルキレン等からなるエポキシ系樹脂等が使用される。特に、本発明においては、グリシジル基含有アクリル系樹脂及び芳香族エポキシ系樹脂が好適である。
【0028】
このオニウム塩含有基には、下記の化3式で示されるものを使用できる。特に、本発明においては、第四級アンモニウム塩、第3級スルホニウム塩が好適である。
【0029】
【化3】
【0030】
このオニウム塩含有基には、上述した光重合性ソルダレジスト組成物に用いられるエポキシ樹脂誘導体(A)に導入されるものと同一のものを使用でき、前記化2式で表せるものを使用できる。さらに、化3式中の官能基R2、R3、R4が水素原子であるものも使用できることになる。上述した樹脂へのオニウム塩含有基の導入は、樹脂がエポキシ基を有する樹脂である場合には、上述したエポキシ樹脂誘導体(A)の場合と同様の方法で行うことができるが、その他の樹脂の場合には、例えば、次のような方法で行うことができる。
【0031】
樹脂として、2−ハロゲン−1−ヒドロキシエチル基を導入した樹脂を用い、これに第三級アミン、ホスフィンまたはチオエーテルを反応させた後、陰イオン交換によりハロゲン原子を水酸基に置換し、ついでこれに有機酸を反応させることによって行われる。
【0032】
本発明で用いられる現像液は、上述したオニウム塩含有基を有する樹脂(B)を水に0.01〜5重量%の範囲で溶解させることによって調整される。このオニウム塩含有基を有する樹脂(B)の使用量が、0.01重量%未満である場合には、現像されて水に溶解してくるソルダレジストが現像液中で凝集を起こして、本発明の効果が得られない。逆に使用量が5重量%を越えた場合には、現像性が低下したり、スプレー時に発泡するという問題がある。
【0033】
現像液として用いられる水には、脱イオン水、上水(市水)、工業用水が使用され、水素イオン濃度(pH)が5.0〜8.0であるものが使用される。pHが5.0未満もしくは8.0を越える極端に雑物の多い水は、現像性が低下するために好ましくない。
【0034】
さらに、現像液として用いられる水には、現像槽中の現像液の発泡を防するために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、従来公知のカチオン系、ノニオン系のいずれも使用することができ、0.1〜3重量%の範囲で添加することができる。
【0035】
現像方法は、フォトマスクを介して露光されたソルダレジスト塗膜上に上記のようにして得られた現像液をスプレーすることによって行われる。現像液は一般に繰り返して使用されるが、現像液中に溶解したレジスト成分の含有量が増加して現像効果が低下したり、現像液が汚染してきた場合には、新しいものと交換される。本発明において、現像液中のレジスト濃度は、15重量%以下に管理されることが好ましい。
【0036】
本発明では、現像液としてオニウム塩含有基を有する樹脂(B)を所定量溶解させた水溶液を使用することにより、現像によって水溶液に溶解してくるレジスト成分に対して樹脂(B)が保護コロイドの役割を果たし、溶解してくるレジスト成分の凝集が抑制されるものと考えられる。したがって、現像液として、水にオニウム塩含有基を有する樹脂(B)を溶解させた水溶液を使用して、ソルダレジストの現像を行った場合には、使用後の現像液に溶解してくるレジスト成分の凝集が起こらない。このため、現像液を繰り返し使用した場合においても、プリント配線板、プリント配線板を搬送するローラ、現像槽が汚染されたりといった心配がない。
【0037】
このように、本発明では、現像液としてオニウム塩含有基を有する樹脂(B)が所定量溶解した水溶液を使用することにより、使用後の現像液に溶解してくるレジスト成分の凝集が抑制され、現像液を繰り返し使用することが可能となる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明が適用されるソルダレジストの現像方法の具体的な実施例について説明する。
【0039】
<実施例1>
先ず、始めに以下のようにして光重合性ソルダレジスト組成物を得た。
【0040】
エポキシ樹脂(商品名:エピコート;シェル化学社製)209重量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル139重量部と、アクリル酸84重量部と、チオジグリコール31重量部とハイドロキノン0.3重量部との混合物を4つ口フラスコ内に仕込み、80℃で3時間反応させた。
【0041】
得られた樹脂溶液は、不揮発成分が70%であり、ガードナー粘度(25℃)がZであった。この樹脂のゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によるピーク分子量は、約1000であり、重合性不飽和基含有量は、3.6モル/kg、オニウム塩基含有量は、0.77モル/kgであった。
【0042】
上述のようにして得られた樹脂溶液145重量部に、α−ヒドロキシイソブチルフェノン3重量部と、フタロシアニングリーン顔料0.5重量部と、雲母(平均粒径;5.3μm)50重量部と、脱イオン水110重量部とを加え、光重合性ソルダレジスト組成物を得た。
【0043】
このようにして得られた光重合性ソルダレジスト組成物を、銅スルーホールプリント配線板上に、乾燥膜厚で20〜30μmになるように塗布し、80℃で10分間予備乾燥した。
【0044】
次に、この乾燥塗膜に所望の回路パターンを有するフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用い露光量400mJ/cm2で光照射した。
【0045】
次に、現像液としてpH6.3の脱イオン水にオニウム塩含有基を有する樹脂(B−1)が0.2重量%(固形分)溶解した水溶液を用意した。樹脂(B−1)の製造方法については、後述する。この現像液を、プリント配線板上のソルダレジスト膜上にスプレーし、現像液中の溶解レジストが7%になるまで現像操作を繰り返して静置した。現像に供された水溶液は、1カ月経過後も溶解してくるソルダレジストの凝集が全く起こらず、繰り返し現像に使用しても何ら問題が生じなかった。
【0046】
オニウム塩含有基を有する樹脂(B−1)の製造
ブチルセロソルブ133.5重量部と、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量220、商品名:フェノール系エポキシ樹脂ESCN−220;住友化学社製)とをフラスコに仕込み、110℃に加熱してエポキシ樹脂を溶解した。この溶液にラジカル重合禁止剤(商品名:スミライザーBHT;住友化学社製)0.3重量部を添加し、70℃で攪拌しながら、アクリル酸72重量部とN−メチルモルホリン20.2重量部とを同時に1時間で滴下した。滴下終了後70℃で攪拌を続け、8時間で樹脂酸価が5とほぼ一定になった後冷却した。得られた樹脂のオニウム塩含有基の含有量(計算値)は、0.64モル/kgであり、水に希釈可能であった。
【0047】
<実施例2>
オニウム塩含有基を有する樹脂(B−1)の代わりに後述するオニウム塩含有基を有する樹脂(B−2)を用い、この樹脂(B−2)をpH7.1の上水に0.5重量%(固形分)溶解したものを現像液として用いた。これ以外は、実施例1と同様にして現像液を調整して、ソルダレジストの現像を行った。
【0048】
現像に供された水溶液は、1カ月経過後も溶解してくるソルダレジストの凝集が全く起こらず、繰り返し使用しても何ら問題が生じなかった。
【0049】
オニウム塩含有基を有する樹脂(B−2)の製造
ブチルセロソルブ88.6重量部をフラスコに仕込み、110℃に加熱し、これに、スチレン58重量部と、メタクリル酸グリシジル142重量部と、α,α−アゾビスイソブチロニトリル12重量部とを混合したものを3時間で滴下した。滴下後110℃で1時間攪拌してからブチルセロソルブ39.5重量部を添加して70℃に温度を下げた。そして、攪拌しながら、酢酸72重量部とチオグリコール36.6重量部とを同時に1時間で滴下した。滴下終了後70℃で攪拌を続け、7時間で樹脂酸価が8とほぼ一定になった後冷却した。得られた樹脂のオニウム塩含有基の含有量(計算値)は、0.94モル/kgであり、水に希釈可能であった。
【0050】
<実施例3>
オニウム塩含有基を有する樹脂(B−1)の代わりに後述するオニウム塩含有基を有する樹脂(B−3)を用い、この樹脂(B−3)をpH5.3の上水に1.0重量%(固形分)溶解したものを現像液として用いた。これ以外は、実施例1と同様にして現像液を調整して、ソルダレジストの現像を行った。
【0051】
現像に供された水溶液は、1カ月経過後も溶解してくるソルダレジストの凝集が全く起こらず、繰り返し使用しても何ら問題が生じなかった。
【0052】
オニウム塩含有基を有する樹脂(B−3)の製造
ブチルセロソルブ133.5重量部と、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:220、商品名:フェノール系エポキシ樹脂ESCN−220;住友化学社製)132重量部と、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:リカレジンHBE−100;新日本理化社製)88重量部とをフラスコに仕込み、110℃に加熱してエポキシ樹脂を溶解した。この溶液を40℃で攪拌しながら、酢酸60重量部とトリエチルアミン31.5重量部とを同時に1時間で滴下した。滴下終了後60℃で攪拌を続け、6時間で樹脂酸価が4とほぼ一定になった後冷却した。得られた樹脂のオニウム塩含有基の含有量(計算値)は、0.96モル/kgであり、水に希釈可能であった。
【0053】
実施例4
実施例1において、現像液中の溶解レジスト濃度が3%になるまで現像操作を繰り返し、その後静置した。
【0054】
現像に供された水溶液は、1カ月経過後も溶解してくるソルダレジストの凝集が全く起こらず、繰り返し使用しても何ら問題が生じなかった。
【0055】
実施例5
実施例3において、現像液中の溶解レジスト濃度が13%になるまで現像操作を繰り返し、その後静置した。
【0056】
現像に供された水溶液は、1カ月経過後も溶解してくるソルダレジストの凝集が全く起こらず、繰り返し使用しても何ら問題が生じなかった。
【0057】
比較例1
実施例1において、現像液として、オニウム塩含有基を有する樹脂(B)を使用せず、pH6.3の脱イオン水を用いた以外は、同様にしてソルダレジストの現像を行った。
【0058】
現像に供された水溶液は、5日間経過した後に調べた所、溶解してくるソルダレジストの凝集が起こり、現像に再使用することができなかった。
【0059】
比較例2
比較例1において、現像液中の溶解レジスト濃度が3%になるまで現像操作を繰り返し、その後静置した。
【0060】
現像に供された水溶液は、5日間経過した後に調べた所、溶解してくるソルダレジストの凝集が起こり、現像に再使用することができなかった。
【0061】
比較例3
比較例1において、現像液中の溶解レジスト濃度が15%になるまで現像操作を繰り返し、その後静置した。
【0062】
現像に供された水溶液は、5日間経過した後に調べた所、溶解してくるソルダレジストの凝集が起こり、現像に再使用することができなかった。
【0063】
実施例1〜実施例5の結果から明らかなように、現像液として、水にオニウム塩含有基を有する樹脂(B)を溶解させた水溶液を使用して、ソルダレジストの現像を行った場合には、使用後の現像液に経時によっても溶解してくるレジスト成分の凝集が起こらず、現像液を繰り返し使用することが可能である。それに対し、比較例1〜比較例3の結果から分かるように、オニウム塩含有基を有する樹脂(B)を使用しないで、現像液として水をそのまま使用した場合には、使用後の現像液に経時によってレジスト成分の凝集が起きている。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係るソルダレジストの現像方法は、現像液として、水にオニウム塩含有基を有する樹脂が所定量溶解した水溶液を使用するので、使用後の現像液に経時によっても溶解してくるレジスト成分の凝集が起こらず、現像液を繰り返し使用することが可能である。
Claims (7)
- プリント回路基板上に、重合性不飽和基及び非プロトン型オニウム塩含有基を有する芳香族エポキシ樹脂誘導体と光重合開始剤とを有する光重合性ソルダレジスト組成物を塗布し、形成された塗膜を乾燥した後、この塗膜にフォトマスクを介して活性光線を照射して形成するソルダレジスト塗膜を水で現像する現像方法において、現像液として、水にオニウム塩含有基を樹脂1kg当たり0.3モル以上有する樹脂を0.01〜5重量%溶解させた水溶液を用いることを特徴とするソルダレジストの現像方法。
- オニウム塩含有基を有する樹脂の基体樹脂は、グリシジル基含有アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、アルキド系樹脂、芳香族エポキシ系樹脂、エポキシ系樹脂より選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1記載のソルダレジストの現像方法。
- オニウム塩含有基を有する樹脂の基体樹脂は、グリシジル基含有アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂より選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1記載のソルダレジストの現像方法。
- オニウム塩含有基は、第4級アンモニウム塩基または第3級スルホニウム塩基であることを特徴とする請求項1記載のソルダレジストの現像方法。
- 現像液として用いられる水は、水素イオン濃度(pH)が5〜8である脱イオン水、上水、或いは工業用水より選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1記載のソルダレジストの現像方法。
- 現像液として用いられる水は、界面活性剤を含有していることを特徴とする請求項1記載のソルダレジストの現像方法。
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