JPH11171746A - 口腔用組成物及びその製造方法 - Google Patents

口腔用組成物及びその製造方法

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JPH11171746A
JPH11171746A JP36217997A JP36217997A JPH11171746A JP H11171746 A JPH11171746 A JP H11171746A JP 36217997 A JP36217997 A JP 36217997A JP 36217997 A JP36217997 A JP 36217997A JP H11171746 A JPH11171746 A JP H11171746A
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alkyl sulfate
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Mitsuyoshi Yazaki
満喜 矢崎
Hiroyuki Iwabuchi
裕行 岩淵
Toyoyuki Sato
豊之 佐藤
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 発泡剤として、高級アルコールをスルホ
ン化し、次いでアルカリで中和することによって得ら
れ、かつ未反応油分残存量を1.5重量%以下に低減し
た高級アルキル硫酸エステル塩溶液を配合してなること
を特徴とする口腔用組成物。 【効果】 本発明の口腔用組成物は、未噴霧乾燥処理の
高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液を配合したに
も拘らず、香味に優れたもので、本発明の口腔用組成物
の製造方法によれば、このような香味に優れた口腔用組
成物を簡単かつ工業的に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤として高級
アルキル硫酸エステルの水溶性塩を噴霧乾燥処理を行う
ことなく配合しても優れた香味を有する口腔用組成物及
び前記高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩を含有する
口腔用組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
練歯磨等の口腔用組成物には、発泡剤として高級アルキ
ル硫酸エステルの水溶性塩が用いられている。この活性
剤は、通常、噴霧乾燥品として製造され、この噴霧乾燥
品を練歯磨等の口腔用組成物に配合すると、良好な製品
が得られることが知られている。
【0003】この場合、噴霧乾燥法としては、高級アル
キル硫酸エステルの水溶性塩溶液を乾燥熱風入口温度が
250℃以下、排風出口温度が140℃以下の熱風条件
で、並流乾燥法によって乾燥する方法が採用されてお
り、これによって熱劣化を起こすことなく水分3%以下
にまで濃縮乾燥することができるものである。
【0004】一方、近年の省エネルギーやCO2等の排
ガス発生の問題、微粉体の取り扱いの難しさの点、粉体
で配合することによる練歯磨等の口腔用組成物への気泡
の持ち込みの問題等から、上記のような活性剤を噴霧乾
燥塔で乾燥することなく使用するニーズが大きくなって
きている。
【0005】しかしながら、反応中和した高級アルキル
硫酸エステルの水溶性塩溶液をそのまま練歯磨等の口腔
用組成物に配合すると、香味が劣化するという問題があ
り、その実用化は難しいものであった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、噴霧乾燥処理を行うことなく高級アルキル硫酸エス
テルの水溶性塩溶液を配合しても優れた香味を有する口
腔用組成物及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、発泡剤として、炭素数8〜20の高級アルコールを
スルホン化し、中和することにより得られる高級アルキ
ル硫酸エステルの水溶性塩溶液として高級アルキル硫酸
エステルの水溶性塩中に残存する未反応油分(フリーオ
イル分)を1.5重量%以下に低減したものを用いるこ
とにより、香味劣化のない口腔用組成物が得られること
を見出した。
【0008】またこの場合、未反応油分を1.5重量%
以下に低減する方法としては、高級アルキル硫酸エステ
ルの水溶液塩溶液を(A)水で希釈し、ミセル崩壊剤の
存在下又は無存在下に加熱及び/又は減圧処理する方
法、(B)ミセル崩壊剤を添加し、次いで上記未反応油
分抽出溶媒を用いて抽出処理する方法、又は(C)活性
炭処理する方法が有効であることを見出した。
【0009】即ち、本発明者は、練歯磨等の口腔用組成
物の発泡剤による香味劣化について研究した結果、発泡
剤として使用される高級アルキル硫酸エステルの水溶性
塩溶液中に含まれる未反応油分が香味に悪影響を及ぼし
ていることが判明した。更に、噴霧乾燥品はその原料の
未反応油分が3重量%以上であっても、乾燥することに
よって0.5重量%程度まで未反応物が減少しており、
このため従来の噴霧乾燥法によって製造された発泡剤は
香味に優れていることが分析の結果わかった。
【0010】ここで、噴霧乾燥によって未反応油分が除
かれるのは、水分を3重量%程度まで低減させる噴霧乾
燥では、乾燥後半では乾燥粒子が減率乾燥領域に入って
おり、乾燥粒子の温度が上昇し、物質移動律速の乾燥が
行われるため未反応油分が除かれるものである。これに
よって界面活性剤の品質を損ねることなく未反応油分の
除去を行うことが可能であった。噴霧乾燥と流動層乾燥
を併用することによっても同様の乾燥が可能である。
【0011】これに対して、単純な濃縮処理による方法
では未反応油分を低減させることは難しいものであった
が、本発明者は、上記処理を行うことにより、簡単に高
級アルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液中の未反応油分
を低減でき、香味劣化のない練歯磨を得ることができる
ことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】従って、本発明は、〔I〕発泡剤として、
高級アルコールをスルホン化し、次いでアルカリで中和
することによって得られ、かつ未反応油分残存量を1.
5重量%以下に低減した高級アルキル硫酸エステル塩溶
液を配合してなることを特徴とする口腔用組成物、及
び、〔II〕高級アルコールをスルホン化し、次いでア
ルカリで中和することによって得られた未反応油分を2
重量%以上含有する高級アルキル硫酸エステル塩溶液
を、(A)水で希釈し、ミセル崩壊剤の存在下又は無存
在下に加熱及び/又は減圧処理する方法、(B)ミセル
崩壊剤を添加し、次いで上記未反応油分抽出溶媒を用い
て抽出処理する方法、(C)活性炭処理する方法のいず
れか1又は2以上の方法で処理し、上記未反応油分を
1.5重量%以下に低減した後、この高級アルキル硫酸
エステル塩溶液を口腔用組成物に配合するようにしたこ
とを特徴とする口腔用組成物の製造方法を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の口腔用組成物は、発泡剤として、炭素数8
〜20、特に10〜16の高級アルコールを常法に従っ
てスルホン化し、次いで水酸化ナトリウム等の苛性アル
カリやアミン等のアルカリで中和することによって得ら
れる高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液、例えば
ラウリル硫酸ナトリウムやミリスチル硫酸ナトリウム等
の溶液を噴霧乾燥することなく、そのまま、但し高級ア
ルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液中の未反応油分(フ
リーオイル分)を1.5重量%以下、好ましくは1重量
%以下、更に好ましくは0.5重量%以下に低減したも
のを配合するものである。
【0014】なお、上記高級アルコールの製造法として
は公知の方法を採用でき、例えばラウリル硫酸ナトリウ
ムを得るための炭素数12のアルコール(ラウリルアル
コール)は天然ヤシ油を水素添加し、分留することによ
って得ることができる。
【0015】ここで、上記未反応油分を低減させる方法
としては、上述したように、未反応油分を2重量%以
上、特に2.5〜4重量%含有する高級アルキル硫酸エ
ステル塩溶液を、(A)水で希釈し、ミセル崩壊剤の存
在下又は無存在下に加熱及び/又は減圧処理する方法、
(B)ミセル崩壊剤を添加し、次いで上記未反応油分抽
出溶媒を用いて抽出処理する方法、(C)活性炭処理す
る方法のいずれか1又は2以上の方法によって処理し、
未反応油分を除去するものである。
【0016】即ち、濃度の高い界面活性剤の水溶液は界
面活性剤がミセル又は液晶を形成しており、中に含まれ
る未反応油分はその疎水基側に存在する。その濃度の高
い界面活性剤をそのままで加熱/減圧処理或いは溶媒抽
出処理しても未反応油分は殆んど除くことができない。
そのため、(A)、(B)の方法においては、界面活性
剤のミセル又は液晶に未反応油分が保持できない程度ま
で、水で希釈するか、又は水で希釈すると共に界面活性
剤のミセル、液晶の構造を不安定にするミセル崩壊剤を
添加した後、加熱や減圧処理を行い、水分を除去し、濃
縮することによって水分と同時に未反応油分を効率的に
除去することができ、また、溶媒抽出を行うことによっ
ても未反応油分を効率的に除去することができるもので
ある。更に、(C)の方法では、活性炭で吸着処理する
ことにより、活性炭に未反応油分が吸着され、未反応油
分を効率的に除去することができるものである。
【0017】更に詳述すると、(A)の処理方法は、高
級アルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液を水で希釈する
か又はミセル崩壊剤を添加した後、加熱及び/又は減圧
処理して水分を除去することによって同時に未反応油分
を除去する方法であるが、ミセル崩壊剤を添加せず、水
で希釈するだけの場合、水の希釈割合は水溶液中での高
級アルキル硫酸エステルの水溶性塩濃度が界面活性剤相
当分で4重量%以下、好ましくは1〜3重量%であるこ
とが好ましく、4重量%を超えると未反応油分が十分除
去できない場合がある。
【0018】一方、ミセル崩壊剤を添加した場合の高級
アルキル硫酸エステルの水溶性塩濃度は1〜40重量
%、特に2〜30重量%とすることができる。
【0019】なお、ミセル崩壊剤としては、一価アルコ
ール類、多価アルコール類等が好適に使用でき、例えば
プロピレングリコール、エチルアルコール、ソルビトー
ル、グリセリン、ポリエチレングリコール等が有効であ
る。
【0020】ミセル崩壊剤の添加量は、高級アルキル硫
酸エステルの水溶性塩の量に対して10重量%以上、特
に50重量%以上が好ましく、10重量%に満たないと
十分なミセル崩壊効果が得られない。
【0021】上記方法において、加熱/減圧条件として
は適宜選定し得るが、100〜200℃、特に120〜
180℃の温度が好ましく、また減圧する場合は、10
〜300Torr、特に20〜200Torrの圧力が
好ましい。
【0022】なお、この加熱/減圧処理としては、薄膜
蒸着法等を採用することができる。
【0023】次に、(B)の溶媒抽出処理において、高
級アルキル硫酸エステルの水溶性塩濃度、ミセル崩壊剤
の種類及び添加量は、上記(A)の処理と同様とするこ
とができる。
【0024】また、上記未反応油分の抽出溶媒として
は、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、石油エ
ーテル等が使用でき、この抽出処理法としては常法を採
用し得る。なお溶媒の使用量は、高級アルキル硫酸エス
テル水溶性塩溶液の0.5〜20倍である。
【0025】(C)の処理方法である活性炭吸着法は、
高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液に活性炭を分
散させ、撹拌吸着処理を行うことによって含まれる未反
応油分を除去する方法である。
【0026】使用する活性炭としては、孔径5〜35
Å、細孔容積0.2〜1.5cm3/g、比表面積1,
000〜1,500m2/gのもので、具体的には白鷺
A、カルボラフィン(武田薬品製)、花B、花D、花F
(フジサワ薬品製)等が例示でき、その使用量は、高級
アルキル硫酸エステルの水溶性塩の量に対して5〜50
重量%、処理条件は20〜60℃で0.1〜2時間とす
ることが望ましい。処理後は、通常の方法で活性炭を除
去することができる。
【0027】本発明においては、上記のようにして未反
応油分を除去、低減した高級アルキル硫酸エステルの水
溶性塩溶液を口腔用組成物にそのまま配合するものであ
るが、その配合量は常用量であり、高級アルキル硫酸エ
ステルの水溶性塩として0.1〜10重量%、特に0.
1〜5重量%とすることができる。
【0028】本発明の口腔用組成物は、練歯磨、液状歯
磨等の歯磨、洗口剤等として調製し得るが、口腔用組成
物には、その剤型等に応じた適宜な成分を配合し得、例
えば歯磨には、湿潤剤、研磨剤、香料、粘結剤、水、そ
の他の任意成分を配合することができる。
【0029】この場合、湿潤剤としては、例えばキシリ
トール、ソルビット、グリセリン、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、マルチトール、ラクチトール、ポリエチレングリコ
ール等の多価アルコールなどの1種又は2種以上を挙げ
ることができる。
【0030】研磨剤としては、例えば第2燐酸カルシウ
ム(2水和物、無水物)、第1燐酸カルシウム、第3燐
酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、アルミナ、無水珪酸、珪酸アルミ
ニウム、不溶性メタ燐酸ナトリウム、第3燐酸マグネシ
ウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイ
ト、珪酸ジルコニウム、ポリメタクリル酸メチル、その
他合成樹脂等の1種又は2種以上を使用できる。
【0031】香料としては、例えばメントール、アネト
ール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシル
アルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シ
トロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチ
ルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、
ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ロ
ーズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、
冬緑油、丁字油、ユーカリ油、ハッカ油、アニス油等を
挙げることができ、これらを単独で又は組み合わせ、更
に必要に応じてエチルアルコールに溶解分散して使用す
ることが好ましい。
【0032】また、粘結剤としては、例えばキサンタン
ガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム等の
ガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリド
ン等の合成粘結剤、カラギーナン、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、シリカゲル、アルミニウム
シリカゲル、ビーガム、ラポナイト等の無機粘結剤、ア
ルギン酸ナトリウムなどの1種又は2種以上を使用する
ことができる。
【0033】これら成分の配合量は、本発明の効果を妨
げない範囲で通常量とすることができる。
【0034】なお、本発明では、発泡剤として上記高級
アルキル硫酸エステルの水溶性塩を配合することを必須
とするものであるが、これ以外の発泡剤、例えばN−ラ
ウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザ
ルコシン酸ナトリウム等のN−アシルザルコシン酸ナト
リウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素
添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウ
ム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイル
グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸
塩、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−
オレフィンスルホン酸ナトリウム、石鹸、アルコールエ
トキシサルフェート、α−スルホ脂肪酸エステル塩等の
アニオン界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、マルトー
ス脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂
肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチト
ール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン硬化ひまし油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチ
ン酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸モノ又はジ
エタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ラウリン酸デ
カグリセリル等の非イオン活性剤、N−ラウリルジアミ
ノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリ
シン等のN−アルキルジアミノエチルグリシン、N−ア
ルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、
2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタ
インナトリウム等の両性活性剤を本発明の効果を妨げな
い範囲で添加することが可能である。
【0035】更に、本発明では、必要に応じて任意成分
を添加することができる。任意成分として具体的には、
甘味剤としてサッカリンナトリウム、ステビオサイド、
ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、
ペリラルチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラ
ニンメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデ
ヒド、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリー
ン等、有効成分としてモノフルオロ燐酸ナトリウム、モ
ノフルオロ燐酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロ
フォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫等の
フッ素化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチ
ーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、スーパー
オキサイドディスムターゼ等の酵素、トラネキサム酸、
ε−アミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシ
アラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチ
ン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、イソプロピ
ルメチルフェノール、グリセロフォスフェート、クロロ
フィル、塩化ナトリウム、水溶性無機燐酸化合物、トリ
クロサン、セチルピリジニウムクロライド、イソプロピ
ルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベン
ゼトニウム等の1種又は2種以上、防腐剤などを例示す
ることができる。
【0036】なお、これら任意成分の配合量も、本発明
の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0037】上記成分を用いて口腔用組成物を製造する
場合の成分配合順序は適宜選定されるが、上記高級アル
キル硫酸エステルの水溶性塩溶液は最後に配合すること
が組成物製造時での発泡を避ける点から好ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、未噴霧乾燥処
理の高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩溶液を配合し
たにも拘らず、香味に優れたもので、本発明の口腔用組
成物の製造方法によれば、このような香味に優れた口腔
用組成物を簡単かつ工業的に有利に製造することができ
る。
【0039】
【実施例】以下、実験例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
【0040】〔実験例1〕天然ヤシ油を水素添加し、分
留して得た炭素数12のラウリルアルコールを70〜7
5重量%含有する高級アルコールをクロルスルホン酸で
スルホン化し、これを水酸化ナトリウムで中和して界面
活性剤相当分35重量%のラウリル硫酸ナトリウム溶液
を得た。ここで得られたラウリル硫酸ナトリウム溶液の
フリーオイル分は、界面活性剤量に対して3.2重量%
であった。なお、このフリーオイル分量は、石油エーテ
ル抽出法により測定した。
【0041】得られたラウリル硫酸ナトリウム溶液に、
表1に示すように水又は水とミセル崩壊剤を加え、各々
を伝熱面積0.125m2、回転数1,500rpm、
真空度160Torr、ジャケット温度160℃の薄膜
蒸発器を用い、フィード量20〜40kg/hrで2回
処理し、界面活性剤相当分38重量%のラウリル硫酸ナ
トリウム溶液を得た。この際の各ラウリル硫酸ナトリウ
ム溶液中のフリーオイル分(対界面活性剤量)は表1に
示す通りであった。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果より、多量の水やプロピレング
リコールはミセルを崩壊し、フリーオイル分を除去し易
くすることがわかった。
【0044】〔実施例1,2、比較例1〕上記実験例1
で得られたNo.3,4の発泡剤(ラウリル硫酸ナトリ
ウム)溶液及び通常の方法で調製された噴霧乾燥品のラ
ウリル硫酸ナトリウムを用い、以下の方法で練歯磨を製
造し、得られた練歯磨の香味を下記方法で測定した。結
果を表2に示す。 練歯磨の製造方法:プロピレングリコール3重量部、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム塩1重量部を予め
混合して分散液−1を調製した。更に、水25重量部に
60%ソルビット液25重量部を混合溶解させ、無水珪
酸2重量部を添加混合した液に上記分散液−1を加え、
膨潤液を温度25℃で調製した。
【0045】この膨潤液に香料2重量部、燐酸カルシウ
ム40重量部、上記ラウリル硫酸ナトリウム溶液2重量
部を添加し、温度25℃、圧力20Torrで混合しな
がら減圧脱泡を行い、練歯磨を調製した。 香味の測定方法:製造した練歯磨を使用して3名のパネ
ラーにより実際の歯磨きテストを行い、香味(苦みの有
無)をテストした。苦みの感じられないものを○とし
た。
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果より、本発明の方法によりフリ
ーオイル分量を低減させたラウリル硫酸ナトリウムを発
泡剤として用いた練歯磨は、ラウリル硫酸ナトリウム由
来の苦みがなく、噴霧乾燥によって得られた発泡剤を使
用した場合と同等の優れた香味を有することが確認され
た。
【0048】〔実験例2〕天然ヤシ油を水素添加し、分
留して得た炭素数12のラウリルアルコールを70〜7
5重量%含有する高級アルコールをクロルスルホン酸で
スルホン化し、これを水酸化ナトリウムで中和して界面
活性剤相当分35重量%のラウリル硫酸ナトリウム溶液
を得た。ここで得られたラウリル硫酸ナトリウム溶液の
フリーオイル分は界面活性剤量に対して3.2重量%で
あった。
【0049】得られたラウリル硫酸ナトリウム溶液に、
表3に示すように水及びミセル崩壊剤を加え、ヘキサン
によってオイル分の抽出処理を行い、得られた水相の残
留溶媒はトッピング処理した。この際のラウリル硫酸ナ
トリウム中のフリーオイル分(対界面活性剤量)を表3
に示す。
【0050】
【表3】
【0051】表3の結果より、水やミセル崩壊剤で処理
した後、溶媒抽出処理することにより、比較的少ない量
の水やミセル崩壊剤でフリーオイル分を満足に除去でき
ることがわかった。
【0052】〔実施例3〕得られたNo.5の発泡剤
(ラウリル硫酸ナトリウム)溶液を用い、以下の方法で
歯磨剤を製造し、得られた練歯磨の香味を上記方法で測
定した。結果を表4に示す。 練歯磨の製造方法:プロピレングリコール3重量部、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム塩1重量部を予め
混合して分散液−1を調製した。水25重量部に60%
ソルビット液25重量部を混合溶解させ、無水珪酸2重
量部を添加混合した液に分散液−1を加え、膨潤液を温
度25℃で調製した。
【0053】この膨潤液に香料2重量部、燐酸カルシウ
ム40重量部、上記ラウリル硫酸ナトリウム純分として
0.7重量部を添加し、温度25℃、圧力20Torr
で混合しながら減圧脱泡を行い、練歯磨を調製した。
【0054】〔実施例4〕プロピレングリコールを2.
65重量部、水を24.7重量部とした以外は実施例3
と同様にして練歯磨を製造した。
【0055】〔実施例5〕水を21.7重量部、60%
ソルビット液を17.8重量部とした以外は実施例3と
同様にして練歯磨を製造した。
【0056】上記実施例4,5の香味の結果を表4に示
す。
【0057】
【表4】
【0058】表4の結果より、本発明の方法により水及
びミセル崩壊剤を添加し、溶媒抽出処理してフリーオイ
ル分を低減させたラウリル硫酸ナトリウムを発泡剤とし
て用いた練歯磨は、ラウリル硫酸ナトリウム由来の苦み
がなく、噴霧乾燥によって得られた発泡剤を使用した場
合と同等の優れた香味を有することが確認された。
【0059】〔実験例3〕天然ヤシ油を水素添加し、分
留して得た炭素数12のラウリルアルコールを70〜7
5重量%含有する高級アルコールをSO3ガスでスルホ
ン化し、これを水酸化ナトリウムで中和して界面活性剤
相当分35重量%のラウリル硫酸ナトリウム溶液を得
た。ここで得られたラウリル硫酸ナトリウム溶液のフリ
ーオイル分(対界面活性剤量)は、界面活性剤量に対し
て3.2重量%であった。
【0060】得られたラウリル硫酸ナトリウム溶液の純
分1重量部に対し、表5に示すような種類及び添加量の
吸着剤を添加し、40℃で1時間撹拌処理した後、吸着
剤を濾過除去した。この際のフリーオイル分(対界面活
性剤量)を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】表5の結果より、ラウリル硫酸ナトリウム
を活性炭で吸着処理することにより、フリーオイル分を
満足に除去できることがわかった。
【0063】〔実施例6,7,8〕得られたNo.9,
10,11の発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウム)溶液を
用い、以下の方法で歯磨剤を製造し、得られた練歯磨の
香味を上記方法で測定した。結果を表6に示す。 練歯磨の製造方法:プロピレングリコール3重量部、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム塩1重量部を予め
混合して分散液−1を調製した。水25重量部に60%
ソルビット液25重量部を混合溶解させ、無水珪酸2重
量部を添加混合した液に分散液−1を加え、膨潤液を温
度25℃で調製した。
【0064】この膨潤液に香料2重量部、燐酸カルシウ
ム40重量部、上記ラウリル硫酸ナトリウム溶液2重量
部を添加し、温度25℃、圧力20Torrで混合しな
がら減圧脱泡を行い、練歯磨を調製した。
【0065】
【表6】
【0066】表6の結果より、本発明の方法により活性
炭で吸着処理してフリーオイル分を低減させたラウリル
硫酸ナトリウムを発泡剤として用いた練歯磨は、ラウリ
ル硫酸ナトリウム由来の苦みがなく、噴霧乾燥によって
得られた発泡剤を使用した場合と同等の優れた香味を有
することが確認された。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤として、高級アルコールをスルホ
    ン化し、次いでアルカリで中和することによって得ら
    れ、かつ未反応油分残存量を1.5重量%以下に低減し
    た高級アルキル硫酸エステル塩溶液を配合してなること
    を特徴とする口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 高級アルコールをスルホン化し、次いで
    アルカリで中和することによって得られた未反応油分を
    2重量%以上含有する高級アルキル硫酸エステル塩溶液
    を、(A)水で希釈し、ミセル崩壊剤の存在下又は無存
    在下に加熱及び/又は減圧処理する方法、(B)ミセル
    崩壊剤を添加し、次いで上記未反応油分抽出溶媒を用い
    て抽出処理する方法、(C)活性炭処理する方法のいず
    れか1又は2以上の方法で処理し、上記未反応油分を
    1.5重量%以下に低減した後、この高級アルキル硫酸
    エステル塩溶液を口腔用組成物に配合するようにしたこ
    とを特徴とする口腔用組成物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014521691A (ja) * 2011-08-02 2014-08-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 改善された味を有する水溶性界面活性剤組成物
JP2014521693A (ja) * 2011-08-02 2014-08-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 界面活性剤の味及び/又は臭気改善のためのプロセス
JP2014524418A (ja) * 2011-08-02 2014-09-22 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 水溶性界面活性剤の処理に有用な液液抽出組成物

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US9078826B2 (en) 2011-08-02 2015-07-14 The Procter & Gamble Company Water-soluble surfactant compositions having improved taste
US10413844B2 (en) 2011-08-02 2019-09-17 The Procter & Gamble Company Liquid-liquid extraction composition useful in processing water-soluble surfactants
US10653601B2 (en) 2011-08-02 2020-05-19 The Procter & Gamble Company Water soluble surfactant composition having improved taste

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