JPH11171127A - 金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置、外周当金装着装置および側板・内周当金装着方法、外周当金装着方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 側板や外周当金の密着性が低下し、梱包作業
のサイクルタイムが増加する。 【解決手段】 コンベア上を連続的に搬送されてくる金
属帯板コイル２に金属製梱包材１を装着してフープ結束
する金属梱包ラインの一部としての側板・内周当金装着
装置であり、コイル２のリング状平面に側板３を装着す
る側板装着部１２と、その内周縁部に内周当金４を装着
する内周当金装着部１３とからなり、側板装着部１２に
は、側板３を吸着する吸着手段１６と、側板３の外径に
合わせて吸着手段１６の径方向位置を設定する径方向移
動手段１８とが備えられ、内周当金装着部１３には、コ
イル２の内周面に臨ませて内周当金４を把持する回動自
在なテーパ爪部２１と、テーパ爪部２１を回動させる駆
動手段２４と、テーパ爪部２１の径方向位置を内方へ調
整する径方向調整手段２７とが備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯板コイルの
リング状平面および内周縁部に梱包用の金属製側板およ
び金属製内周当金を装着する金属帯板コイルの側板・内
周当金装着装置、および側板・内周当金装着方法、さら
にコイルの外周縁部に梱包用の金属製外周当金を装着す
る金属帯板コイルの外周当金装着装置、および外周当金
装着方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】圧延機で所望の厚みに圧下されたストリ
ップは、テーブル上を移送され、その先に設けられた巻
取り機によって、金属帯板コイルとして順次円筒状に巻
き取られる。このコイルを製品として出荷するに際し
て、輸送中にコイルが機械的損傷等を受けるのを防止す
るため、コイルを梱包工程へと移送して、その周囲に梱
包材が装着固定されている。特に、輸出用コイルの梱包
には、金属製梱包材が採用され、厳重な梱包が施されて
いる。この金属梱包ラインにおいては、従来より、金属
帯板コイルのリング状平面および周縁部に梱包用の金属
製側板および金属製周当金を装着する側板・周当金装着
装置が用いられている。

【０００３】この種の金属帯板コイルの側板・周当金装
着装置に関する技術として、特公平７−１０８７０１号
公報には、「コイル金属梱包側板および外周当金の自動
装着装置」に係る発明が報告されている。この発明の要
旨は、「側板を供給するためのパレット、同搬送装置お
よびその芯出しのための側板芯出し床と、スリットコイ
ルから引き出し、上記側板の円周長さに設定し、切断さ
れる外周当金を供給するための外周当金製作装置、同搬
送装置およびその芯出しのためのターンテーブルとを有
し、さらに側板芯出し床と対象コイルとの間に配設され
側板の所要部所に対し両面テープを貼付する両面テープ
貼付装置を有し、側板および外周当金がそれぞれ供給さ
れ、さらに定位置に配置芯出しされ、かつ側板の所要部
所に対し両面テープが貼付された状態で、対象コイルに
対し側板と外周当金とを同時に装着するためのロボット
ハンドとその制御装置とを具備している。」ことにあ
る。

【０００４】すなわち、「コイル金属梱包側板および外
周当金の自動装着装置」に係る発明は、対象コイルの金
属梱包材としての側板と外周当金の供給から装着工程ま
でを一貫して自動的に行うことにより、作業効率を向上
させるとともに、安全性の高い作業が行えるというもの
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、「コイル金
属梱包側板および外周当金の自動装着装置」に係る発明
にあっては、側板や外周当金をリング状に成形した状態
でコイルに一度に装着するので、装着対象部と側板や外
周当金との位置ずれが生じ易く、密着性が低下し、装着
作業を確実に行うことができないという問題があった。
したがって、装着の微調整に時間を要し、梱包作業のサ
イクルタイムが増加し易かった。

【０００６】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、金属製梱包材を使用して金属帯板コイ
ルの梱包作業を行う金属梱包ラインにおいて、金属帯板
コイルのリング状平面および内周縁部に梱包用の金属製
側板および金属製内周当金を供給し、簡易な操作で側板
および内周当金の密着性を向上させて、装着作業を確実
に行うことができ、かつ梱包作業のサイクルタイムを短
縮することができる金属帯板コイルの側板・内周当金装
着装置、および側板・内周当金装着方法を提供すること
を目的とする。

【０００７】一方、本発明は、金属製梱包材を使用して
金属帯板コイルの梱包作業を行う金属梱包ラインにおい
て、金属帯板コイルの外周縁部に梱包用の金属製外周当
金を供給し、簡易な操作で外周当金の密着性を向上させ
て、装着作業を確実に行うことができ、かつ梱包作業の
サイクルタイムを短縮することができる金属帯板コイル
の外周当金装着装置、および外周当金装着方法を提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明に係る金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置
は、コンベア上を連続的に搬送されてくる円筒状の金属
帯板コイルに金属製梱包材を装着してフープ結束する金
属梱包ラインの一部として構成される金属帯板コイルの
側板・内周当金装着装置において、コイルのリング状平
面に金属製側板を装着する側板装着部と、コイルの内周
縁部に金属製内周当金を装着する内周当金装着部とから
なり、上記側板装着部には、側板を吸着する吸着手段
と、側板の外径に合わせて吸着手段の径方向位置を設定
する径方向移動手段とが備えられており、上記内周当金
装着部には、コイルの内周面に臨ませて設けられ、内周
当金を把持する回動自在な爪部と、爪部を回動させる駆
動手段と、爪部の径方向位置を内方へ調整する径方向調
整手段とが備えられているものである。

【０００９】上記側板・内周当金装着装置において、好
ましくは、上記爪部が、コイル内周部への衝撃を吸収す
るための緩衝部材を介して設けられいるものである。

【００１０】また好ましくは、上記側板装着部および内
周当金装着部が、少なくとも２軸方向に移動可能な複軸
ロボットアームの先端部に装備されているものである。

【００１１】さらに好ましくは、側板・内周当金装着位
置の近傍には、側板または内周当金をテープ固定して仮
止めするテーピング装置が備えられており、このテーピ
ング装置が少なくとも２軸方向に移動可能な複軸ロボッ
トアームの先端部に装備されているものである。

【００１２】そして好ましくは、上記コンベアには、コ
イルを載置して移送するとともに、これを回転させる複
数の回転手段が備えられているものである。

【００１３】一方、本発明に係る金属帯板コイルの外周
当金装着装置は、コンベア上を連続的に搬送されてくる
円筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着してフー
プ結束する金属梱包ラインの一部として構成される金属
帯板コイルの外周当金装着装置において、上記コイルの
外周面に臨ませて設けられ、外周当金を把持する回動自
在な爪部と、爪部を回動させる駆動手段と、爪部の径方
向位置を外方へ調整する径方向調整手段と、コイルの外
径に合わせて爪部の径方向位置を設定する径方向移動手
段とが備えられているものである。

【００１４】上記外周当金装着装置において、好ましく
は、上記爪部が、コイル外周部への衝撃を吸収するため
の緩衝部材を介して設けられいるものである。

【００１５】また好ましくは、装着装置本体が、少なく
とも２軸方向に移動可能な複軸ロボットアームの先端部
に装備されているものである。

【００１６】さらに好ましくは、外周当金装着位置の近
傍には、外周当金をテープ固定して仮止めするテーピン
グ装置が備えられており、このテーピング装置が少なく
とも２軸方向に移動可能な複軸ロボットアームの先端部
に装備されているものである。

【００１７】そして好ましくは、上記コンベアには、コ
イルを載置して移送するとともに、これを回転させる複
数の回転手段が備えられているものである。

【００１８】また、本発明に係る金属帯板コイルの側板
・内周当金装着方法は、コンベア上を連続的に搬送され
てくる円筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着し
てフープ結束する金属梱包ラインにおいて、コイルのリ
ング状平面および内周縁部に金属製側板および金属製内
周当金を装着する金属帯板コイルの側板・内周当金装着
方法であって、側板装着部の吸着手段により側板を吸着
してコイルのリング状平面に装着するとともに、内周当
金装着部の爪部で内周当金を把持し、径方向調整手段で
内周当金の径方向位置をコイル内径よりも内方へ調整し
た後、ロボットアームにより内周当金を側板に当接さ
せ、さらに径方向調整手段で内周当金の径方向位置を外
方へ調整して、爪部を解除することにより側板の内周縁
部に内周当金を装着するようにしたものである。

【００１９】一方、本発明に係る金属帯板コイルの外周
当金装着方法は、コンベア上を連続的に搬送されてくる
円筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着してフー
プ結束する金属梱包ラインにおいて、コイルの外周縁部
に金属製外周当金を装着する金属帯板コイルの外周当金
装着方法であって、外周当金装着装置の爪部で外周当金
を把持し、径方向調整手段で外周当金の径方向位置をコ
イル外径よりも外方へ調整した後、ロボットアームによ
り外周当金を側板に当接させ、さらに径方向調整手段で
外周当金の径方向位置を内方へ調整して、爪部を解除す
ることにより側板の外周縁部に外周当金を装着するよう
にしたものである。

【００２０】本発明によれば、内周当金装着部の爪部で
把持した内周当金の径方向位置を径方向調整手段でコイ
ル内径よりも内方へ調整した後、内周当金を側板に当接
させ、さらに径方向調整手段で内周当金の径方向位置を
外方へ調整して、側板の内周縁部に内周当金が装着され
る。同様に、外周当金装着装置の爪部で把持した外周当
金の径方向位置を径方向調整手段でコイル外径よりも外
方へ調整した後、外周当金を側板に当接させ、さらに径
方向調整手段で外周当金の径方向位置を内方へ調整し
て、側板の外周縁部に外周当金が装着される。したがっ
て、簡易な操作で側板、内周当金および外周当金の密着
性が向上し、装着作業が確実に行われるものである。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係る金
属帯板コイルの側板・内周当金装着装置、および外周当
金装着装置は、金属梱包ラインの一部を構成しており、
この金属梱包ラインは、コンベア上を連続的に搬送され
てくる円筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着し
てフープ結束するまでの一連の梱包工程を司っている。

【００２２】すなわち、図１に示すように、金属製梱包
材１は、例えば金属帯板コイル２のリング状平面に装着
される金属製側板３と、その内周縁部に沿って装着され
る金属製内周当金４と、その外周縁部に沿って装着され
る金属製外周当金５と、その外周面に巻き付けるように
装着される金属製外周板６とから成っている。側板３
は、全体としてリング状の平板形状を呈している。内周
当金４は、断面がＬ字形状を呈しており、本実施形態で
はリング状に成形されている。外周当金５は、断面が逆
Ｌ字形状を呈しており、本実施形態では半円弧状に成形
されている。外周板６は、矩形の帯板状を呈し、コイル
２の外周面２ａに巻き付けられるが、コイル２の外径に
応じて適宜の枚数が継足される。また、側板３、内周当
金４および外周当金５は、コイル２の両側に装着され
る。このような金属製梱包材１をコイル２の周囲に装着
した後、金属梱包装置の最終工程において、図２に示す
ようにフープ７が結束され、輸出用梱包として金属製梱
包材１が厳重に固定される。

【００２３】図３は、本発明に係る金属帯板コイルの側
板・内周当金装着装置の一実施形態を示す正面図であ
る。図示するように、本実施形態の側板・内周当金装着
装置１１には、コイル２のリング状平面に側板３を装着
する側板装着部１２と、コイル２の内周縁部に内周当金
４を装着する内周当金装着部１３とが形成されている。
側板装着部１２および内周当金装着部１３は、少なくと
も２軸方向に移動可能な複軸ロボットアーム１４の先端
部に装備されている。側板３および内周当金４はコイル
２の両側に装着されるため、この側板・内周当金装着装
置１１は、金属梱包ラインにおけるコンベアの両側に配
置されている。

【００２４】なお、図示していないが、製品製造ライン
から金属梱包ラインに沿ってコンベアが敷設されてお
り、コイル２は、コンベアラインに沿って等間隔で配置
された複数の回転手段上に載置されて移送される。回転
手段は、例えばターニングローラにより形成されてお
り、各対のターニングローラは、コンベアの移送方向に
対して直交するように配置されている。このターニング
ローラは、一対のローラ上にコイル２の外周面を載置す
る受台の役目を有するとともに、これらのローラを同一
方向に回転させて載置したコイル２を回転させるように
成っている。したがって、ターニングローラには、サー
ボモータ等の図示しない駆動装置が装備されている。

【００２５】図３に示すように、側板装着部１２は、リ
ング状のフレーム１４上に設けられており、このフレー
ム１４には、一対の支持フレーム１５ａ，１５ｂがＶ字
形状を呈するように配置されている。本実施形態では、
各支持フレーム１５ａ，１５ｂは、例えば３０度と１５
０度の位置に配置されており、これらの開き角度は１２
０度に設定されている。

【００２６】図４に示すように、各支持フレーム１５
ａ，１５ｂには、その長手方向に所定の間隔を隔てて側
板３を吸着する吸着手段１６が配置されている。本実施
形態では、吸着手段１６として、例えばバネ１７等によ
り進退移動可能に設けられたバキュームパッドが採用さ
れている。吸着手段１６は、径方向移動手段１８を介し
て支持フレーム１５ａ，１５ｂに取り付けられており、
この径方向移動手段１８は側板３の外径に合わせて吸着
手段１６の径方向位置を設定するように成っている。本
実施形態では、径方向移動手段１８は、上記シリンダ装
置の基部に設けられた雌ネジ１９に挿通されたボールネ
ジ１８ａと、このボールネジ１８ａを回転駆動させるサ
ーボモータ等の駆動手段１８ｂと、吸着手段１６の移動
を案内すべく支持フレーム１５ａ，１５ｂに沿って設け
られた移動ガイド１８ｃとから成っている。

【００２７】また、内周当金装着部１３は、三角形平板
の頂部を裁断して六角形状としたような支持フレーム２
０上に設けられている。具体的には、この内周当金装着
部１３は、支持フレーム２０において、１２０度の等間
隔で３ヶ所に配置されている。図５に示すように、支持
フレーム２０の前面には、内周当金４を把持するテーパ
爪部２１が緩衝部材２２を介して、回動自在に設けられ
ている。本実施形態では、この緩衝部材２２として、例
えば複数のコイルスプリングが採用されている。

【００２８】テーパ爪部２１は、コイル２の内周面に臨
むように設けられており、ピン２３を支点として回動す
る三角リンクプレート２４上の先端部に取り付けられて
いる。このリンクプレート２４の基端部には、シリンダ
装置等の駆動手段２５が接続されており、この駆動手段
２５を進退操作することよってテーパ爪部２１が回動す
るように成っている。すなわち、この駆動手段２５によ
って、テーパ爪部２１が径方向外方へ回動したときには
内周当金４を把持し、これが径方向内方へ回動したとき
には内周当金４を解除するように成っている。

【００２９】さらに、テーパ爪部２１の台座２６の下部
には、このテーパ爪部２１の径方向位置を内方へ調整す
る径方向調整手段２７が備えられている。本実施形態で
は、径方向調整手段２７として、例えばシリンダ装置が
採用され、このシリンダ装置２７を伸長させることによ
り、テーパ爪部２１の径方向位置をコイル２の内周面よ
りも内方へ調整するように成っている。このように、テ
ーパ爪部２１の径方向位置を内方へ調整することによ
り、このテーパ爪部２１で把持する内周当金４がコイル
２の内周面よりも内方へ位置することになるので、コイ
ル２の内周縁部への内周当金４の装着が容易になる。

【００３０】この側板・内周当金装着装置１１の近傍に
は、これにより装着した側板３および内周当金４をテー
プ固定して仮止めするためのテーピング装置２８が備え
られている。このテーピング装置２８は、少なくとも２
軸方向に移動可能な複軸ロボットアーム２９の先端部に
装備されている。図８に示すように、テーピング装置２
８には、粘着テープ２８ａが回転自在に支承されてお
り、この粘着テープ２８ａを自動切断装置２８ｂ内に導
入して自動切断しうるように構成されている。

【００３１】図７は、本発明に係る金属帯板コイルの外
周当金装着装置の一実施形態を示す正面図であり、図８
は、その側面図である。図示するように、本実施形態の
外周当金装着装置３１は、少なくとも２軸方向に移動可
能な複軸ロボットアーム３２の先端部に装備されてい
る。図８に示すように、外周当金装着装置３１は、逆Ｔ
字形状を呈する支持フレーム３３ａ，３３ｂ，３３ｃ上
にそれぞれ配置されている。支持フレーム３３ａと３３
ｂ、３３ｂと３３ｃとの間には、固定フレーム３４ａ，
３４ｂが掛け渡されている。なお、支持フレーム３３
ａ，３３ｂ，３３ｃを逆Ｔ字形状を呈するように設けた
のは、本実施形態で採用する外周当金５が半円弧形状を
呈しているからである。

【００３２】支持フレーム３３ａ，３３ｂ，３３ｃの前
面には、外周当金５を把持するテーパ爪部３５が緩衝部
材３６を介して、回動自在に設けられている。本実施形
態では、この緩衝部材３６として、例えば複数のコイル
スプリングが採用されている。

【００３３】テーパ爪部３５は、コイル２の外周面に臨
むように設けられており、ピン３７を支点として回動す
る三角リンクプレート３８上の先端部に取り付けられて
いる。このリンクプレート３８の基端部には、シリンダ
装置等の駆動手段３９が接続されており、この駆動手段
３９を進退操作することよってテーパ爪部３５が回動す
るように成っている。すなわち、この駆動手段３９によ
って、テーパ爪部３５が径方向内方へ回動したときには
外周当金５を把持し、これが径方向外方へ回動したとき
には外周当金５を解除するように成っている。

【００３４】さらに、テーパ爪部３５の台座４０の下部
には、このテーパ爪部３５の径方向位置を外方へ調整す
る径方向調整手段４１が備えられている。本実施形態で
は、径方向調整手段４１として、例えばシリンダ装置が
採用され、このシリンダ装置４１を伸長させることによ
り、テーパ爪部３５の径方向位置をコイル２の外周面よ
りも外方へ調整するように成っている。このように、テ
ーパ爪部３５の径方向位置を外方へ調整することによ
り、このテーパ爪部３５で把持する外周当金５がコイル
２の外周面よりも外方へ位置することになるので、コイ
ル２の外周縁部への外周当金５の装着が容易になる。

【００３５】また、この外周当金装着装置３１には、コ
イル２の外径に合わせてテーパ爪部３５の径方向位置を
設定する径方向移動手段４２が備えられている。本実施
形態では、この径方向移動手段４２は、緩衝部材３６の
基部に取り付けられた一対の雌ネジ４３に挿通されたボ
ールネジ４２ａと、このボールネジ４２ａを回転駆動さ
せるサーボモータ等の駆動手段４２ｂとから成ってい
る。

【００３６】この外周当金装着装置３１の近傍には、既
述したと同様の構成で、これにより装着した外周当金５
をテープ固定して仮止めするためのテーピング装置２８
が備えられており、このテーピング装置２８は、少なく
とも２軸方向に移動可能な複軸ロボットアーム２９の先
端部に装備されている。なお、外周当金装着装置３１に
おいても、金属梱包ラインに沿ってコンベアが敷設され
ており、コイル２は、コンベアラインに沿って等間隔で
配置された複数の回転手段上に載置されて移送される。

【００３７】このように構成された側板・内周当金装着
装置１１および外周当金装着装置３１を使用して、本発
明に係る金属帯板コイルの側板・内周当金装着方法およ
び外周当金装着方法は以下のように実施される。コイル
２は、例えばコンベアの回転手段上に回転自在に載置さ
れて、コンベアラインに沿って連続的に搬送されてく
る。そして、コイル２が側板・内周当金装着位置に到達
すると、コンベアは一時停止する。まず、側板・内周当
金装着工程では、装着作業を行うに際して、側板３の外
径に応じて径方向移動手段１８の駆動手段１８ｂを駆動
し、吸着手段１６の径方向位置が設定される。

【００３８】次に、ロボットアーム１４を操作して、側
板装着部１２の吸着手段１７により側板３を吸着し、こ
の側板３をコイル２のリング状平面に当接させるように
装着する。この側板３はテーピング装置２８の粘着テー
プ２８ａによりリング状平面の上半分に相当する部分に
ついて２〜３ケ所仮止め固定される。そして、回転手段
によりコイル２を約１８０度回転させて、側板３の仮止
めされていないリング状平面が上半分となるように位置
させ、当該部分について再び２〜３ケ所仮止めのテーピ
ングを実施する。

【００３９】これとともに、側板・内周当金装着工程で
は、内周当金装着部１３のテーパ爪部２１で内周当金４
を把持し、径方向調整手段２７により内周当金４の径方
向位置をコイル内径よりも内方へ調整した後、ロボット
アーム１４により内周当金４の一部を側板３に当接させ
る。そして、径方向調整手段２７により内周当金４の径
方向位置を外方へ調整して側板３の内周縁部に着座さ
せ、駆動手段２４によりテーパ爪部２１を解除すること
により、側板３の内周縁部に内周当金４が装着される。
この内周当金４の装着の際、テーパ爪部２１の手前に介
設された緩衝部材２２がコイル２に加わる衝撃を吸収す
るので、コイル２及び内周当金装着部１３の損傷が防止
されることになる。内周当金４の装着が完了すると、こ
の内周当金４はテーピング装置２８の粘着テープ２８ａ
により仮止め固定される。

【００４０】そして、コイル２が外内周当金装着位置に
到達すると、コンベアは一時停止する。まず、外周当金
装着工程では、装着作業を行うに際して、外周当金５の
外径に応じて径方向移動手段４２の駆動手段４２ｂを駆
動し、テーパ爪部３５の径方向位置が設定される。

【００４１】次に、外周当金装着工程では、ロボットア
ーム３２を操作し、外周当金装着装置３１のテーパ爪部
３５で外周当金５を把持し、径方向調整手段４１で外周
当金５の径方向位置をコイル外径よりも外方へ調整した
後、ロボットアーム３２により外周当金５の一部を側板
３に当接させる。そして、径方向調整手段４１により外
周当金５の径方向位置を内方へ調整して側板３の外周縁
部に着座させ、駆動手段３９によりテーパ爪部３５を解
除することにより、側板３の外周縁部に外周当金５が装
着される。外周縁部の上半分に相当する部分への外周当
金５の装着が完了すると、この外周当金５はテーピング
装置２８の粘着テープ２８ａにより仮止め固定される。
そして、回転手段によりコイル２を約１８０度回転させ
て、外周当金５の装着されていない外周縁部が上半分と
なるように位置させる。

【００４２】そして、同様にしてロボットアーム３２を
操作し、外周当金装着装置３１のテーパ爪部３５で外周
当金５を把持し、径方向調整手段４１で外周当金５の径
方向位置をコイル外径よりも外方へ調整した後、ロボッ
トアーム３２により外周当金５の一部を残りの外周縁部
に相当する側板３に当接させる。さらに、径方向調整手
段４１により外周当金５の径方向位置を内方へ調整して
側板３の外周縁部に着座させ、駆動手段３９によりテー
パ爪部３５を解除することにより、残りの外周縁部に外
周当金５が装着される。残りの外周縁部への外周当金５
の装着が完了すると、この外周当金５はテーピング装置
２８の粘着テープ２８ａにより仮止め固定される。外周
当金５の装着に際して、テーパ爪部３５の手前に介設さ
れた緩衝部材３６がコイル２に加わる衝撃を吸収するの
で、コイル２及び外周当金装着装置３１の損傷が防止さ
れることになる。

【００４３】かくして本実施形態によれば、特に内周当
金装着部１３のテーパ爪部２１で把持した内周当金４の
径方向位置を径方向調整手段２７でコイル内径よりも内
方へ調整した後、内周当金４を側板３に当接させ、さら
に径方向調整手段２７で内周当金４の径方向位置を外方
へ調整して、側板３の内周縁部に内周当金４が装着され
る。また、外周当金装着装置３１のテーパ爪部３５で把
持した外周当金５の径方向位置を径方向調整手段４１で
コイル外径よりも外方へ調整した後、外周当金５を側板
３に当接させ、さらに径方向調整手段４１で外周当金５
の径方向位置を内方へ調整して、側板３の外周縁部に外
周当金５が装着される。したがって、自動装置による微
調整という簡易な操作で内周当金および外周当金の密着
性が向上するため、ひいては側板の密着性も向上し、装
着作業が確実に行われるものである。よって、本実施形
態の側板・内周当金装着装置１１および外周当金装着装
置３１を金属梱包ラインに適用することにより、梱包作
業のサイクルタイムが大幅に短縮化されるものである。

【００４４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、自
動装置による簡単な微調整操作で、側板、内周当金およ
び外周当金の密着性を向上させることができ、これらの
装着作業を確実に行うことができる。また、金属梱包ラ
インの一部として構成することにより、梱包作業のサイ
クルタイムを大幅に短縮化することができるという優れ
た効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】金属梱包ラインにおいて使用する金属製梱包材
を示す概略図である。

【図２】金属帯板コイルに金属梱包材を装着しフープ結
束した状態を示す概略図である。

【図３】本実施形態の側板・内周当金装着装置を示す正
面図である。

【図４】本実施形態の側板・内周当金装着装置における
側板装着部を示す側面図である。

【図５】本実施形態の側板・内周当金装着装置における
内周当金装着部を示す側面図である。

【図６】本実施形態におけるテーピング装置を示す要部
斜視図である。

【図７】本実施形態の外周当金装着装置を示す正面図で
ある。

【図８】本実施形態の外周当金装着装置を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 金属製梱包材 ２ 金属帯板コイル ３ 側板 ４ 内周当金 ５ 外周当金 １１ 側板・内周当金装着装置 １２ 側板装着部 １３ 内周当金装着部 １４，２９，３２ ロボットアーム １６ 吸着手段 １８ 径方向移動手段 ２１ テーパ爪部 ２４ 駆動手段 ２７ 径方向調整手段 ２８ テーピング装置 ３１ 外周当金装着装置 ３５ テーパ爪部 ３９ 駆動手段 ４１ 径方向調整手段 ４２ 径方向移動手段

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンベア上を連続的に搬送されてくる円
   筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着してフープ
   結束する金属梱包ラインの一部として構成される金属帯
   板コイルの側板・内周当金装着装置において、 コイルのリング状平面に金属製側板を装着する側板装着
   部と、コイルの内周縁部に金属製内周当金を装着する内
   周当金装着部とからなり、 上記側板装着部には、側板を吸着する吸着手段と、側板
   の外径に合わせて吸着手段の径方向位置を設定する径方
   向移動手段とが備えられており、 上記内周当金装着部には、コイルの内周面に臨ませて設
   けられ、内周当金を把持する回動自在な爪部と、爪部を
   回動させる駆動手段と、爪部の径方向位置を内方へ調整
   する径方向調整手段とが備えられていることを特徴とす
   る金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置。
2. 【請求項２】 前記爪部が、コイル内周部への衝撃を吸
   収するための緩衝部材を介して設けられいる請求項１に
   記載の金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置。
3. 【請求項３】 前記側板装着部および内周当金装着部
   が、少なくとも２軸方向に移動可能な複軸ロボットアー
   ムの先端部に装備されている請求項１または請求項２に
   記載の金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置。
4. 【請求項４】 側板・内周当金装着位置の近傍には、側
   板または内周当金をテープ固定して仮止めするテーピン
   グ装置が備えられており、該テーピング装置が少なくと
   も２軸方向に移動可能な複軸ロボットアームの先端部に
   装備されている請求項１ないし請求項３のいずれかに記
   載の金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置。
5. 【請求項５】 前記コンベアには、コイルを載置して移
   送するとともに、これを回転させる複数の回転手段が備
   えられている請求項１ないし請求項４のいずれかに記載
   の金属帯板コイルの側板・内周当金装着装置。
6. 【請求項６】 コンベア上を連続的に搬送されてくる円
   筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着してフープ
   結束する金属梱包ラインの一部として構成される金属帯
   板コイルの外周当金装着装置において、 上記コイルの外周面に臨ませて設けられ、外周当金を把
   持する回動自在な爪部と、爪部を回動させる駆動手段
   と、爪部の径方向位置を外方へ調整する径方向調整手段
   と、コイルの外径に合わせて爪部の径方向位置を設定す
   る径方向移動手段とが備えられていることを特徴とする
   金属帯板コイルの外周当金装着装置。
7. 【請求項７】 前記爪部が、コイル外周部への衝撃を吸
   収するための緩衝部材を介して設けられている請求項６
   に記載の金属帯板コイルの外周当金装着装置。
8. 【請求項８】 装着装置本体が、少なくとも２軸方向に
   移動可能な複軸ロボットアームの先端部に装備されてい
   る請求項６または請求項７に記載の金属帯板コイルの外
   周当金装着装置。
9. 【請求項９】 外周当金装着位置の近傍には、外周当金
   をテープ固定して仮止めするテーピング装置が備えられ
   ており、該テーピング装置が少なくとも２軸方向に移動
   可能な複軸ロボットアームの先端部に装備されている請
   求項６ないし請求項８のいずれかに記載の金属帯板コイ
   ルの外周当金装着装置。
10. 【請求項１０】 前記コンベアには、コイルを載置して
    移送するとともに、これを回転させる複数の回転手段が
    備えられている請求項６ないし請求項９のいずれかに記
    載の金属帯板コイルの外周当金装着装置。
11. 【請求項１１】 コンベア上を連続的に搬送されてくる
    円筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着してフー
    プ結束する金属梱包ラインにおいて、コイルのリング状
    平面および内周縁部に金属製側板および金属製内周当金
    を装着する金属帯板コイルの側板・内周当金装着方法で
    あって、 側板装着部の吸着手段により側板を吸着してコイルのリ
    ング状平面に装着するとともに、内周当金装着部の爪部
    で内周当金を把持し、径方向調整手段で内周当金の径方
    向位置をコイル内径よりも内方へ調整した後、ロボット
    アームにより内周当金を側板に当接させ、さらに径方向
    調整手段で内周当金の径方向位置を外方へ調整して、爪
    部を解除することにより側板の内周縁部に内周当金を装
    着するようにしたことを特徴とする金属帯板コイルの側
    板・内周当金装着方法。
12. 【請求項１２】 コンベア上を連続的に搬送されてくる
    円筒状の金属帯板コイルに金属製梱包材を装着してフー
    プ結束する金属梱包ラインにおいて、コイルの外周縁部
    に金属製外周当金を装着する金属帯板コイルの外周当金
    装着方法であって、外周当金装着装置の爪部で外周当金
    を把持し、径方向調整手段で外周当金の径方向位置をコ
    イル外径よりも外方へ調整した後、ロボットアームによ
    り外周当金を側板に当接させ、さらに径方向調整手段で
    外周当金の径方向位置を内方へ調整して、爪部を解除す
    ることにより側板の外周縁部に外周当金を装着するよう
    にしたことを特徴とする金属帯板コイルの外周当金装着
    方法。