JPH1116901A - シリコン酸化膜の形成方法 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法

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JPH1116901A
JPH1116901A JP16375997A JP16375997A JPH1116901A JP H1116901 A JPH1116901 A JP H1116901A JP 16375997 A JP16375997 A JP 16375997A JP 16375997 A JP16375997 A JP 16375997A JP H1116901 A JPH1116901 A JP H1116901A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する
際のシリコン層の表面に荒れ(凹凸)が発生することを
防止でき、しかも、高い膜厚均一性を有する非常に薄い
シリコン酸化膜を確実に形成することができ、更には、
従来の乾式酸化法よりも電気的信頼性の高いゲート酸化
膜を形成することができるシリコン酸化膜の形成方法を
提供する。 【解決手段】シリコン酸化膜の形成方法は、(イ)シリ
コン層40の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気を保持した状態にて、塩化水素を含む乾燥酸素ガ
スを用いた酸化法によって該シリコン層の表面にシリコ
ン酸化膜42を形成する工程と、(ロ)雰囲気温度を所
望の温度まで昇温する工程と、(ハ)該所望の温度に雰
囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によ
って、更にシリコン酸化膜42を形成する工程から成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
におけるシリコン酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばMOS型半導体装置の製造におい
ては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン
半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜ト
ランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の
上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から
成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシ
リコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているとい
っても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には、常
に、高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばMOS型半導体装置を製造する場
合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/
22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄
するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去す
る。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基
板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度の
シリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を単に酸
化膜と呼ぶ)が形成される。かかる酸化膜の膜厚は不均
一であり、しかも、酸化膜中には洗浄液成分が残留す
る。そこで、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板
を浸漬して、かかる酸化膜を除去し、シリコン半導体基
板の清浄な表面を露出させる。その後、かかるシリコン
半導体基板をシリコン酸化膜成膜装置の処理室(酸化
炉)に搬入して、シリコン半導体基板の表面にシリコン
酸化膜を形成する。フッ化水素酸水溶液による洗浄後の
シリコン半導体基板の表面は、大半が水素で終端してお
り、一部がフッ素で終端されている。
【0004】シリコン酸化膜成膜装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜成膜装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成
するシリコン酸化膜を低減することができるからであ
る。しかしながら、縦型のシリコン酸化膜成膜装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度のシリコン酸化膜が
シリコン半導体基板の表面に形成されてしまう。そのた
め、(1)シリコン酸化膜成膜装置に配設された基板搬
入出部に大量の窒素ガスを流して窒素ガス雰囲気とする
方法(窒素ガスパージ方式)、(2)一旦、基板搬入出
部内を真空とした後、窒素ガス等で基板搬入出部内を置
換して大気を排除する方法(真空ロードロック方式)等
を採用し、出来る限りシリコン酸化膜の形成を抑制する
方法が提案されている。
【0005】そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス
雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸
化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性
雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理するこ
とでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成に
は、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入
することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化す
る方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の酸素
によってシリコン半導体基板表面を酸化する方法(乾式
酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形
成することができる。この湿式酸化法の1つに、水素ガ
スを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させることによって
生成した水蒸気を用いるパイロジェニック酸化法(水素
燃焼酸化法とも呼ばれる)があり、多く採用されてい
る。通常、このパイロジェニック酸化法においては、処
理室(酸化炉)の外部に設けられ、そして700〜90
0゜Cに保持された燃焼室内に酸素ガスを導入し、その
後、燃焼室内に水素ガスを導入して、高温中で水素ガス
を燃焼させる。これによって得られた水蒸気を酸化種と
して用いる。
【0006】縦型のシリコン酸化膜成膜装置の概念図を
図2に示す。この縦型のシリコン酸化膜成膜装置は、石
英製の二重管構造の処理室10と、処理室10へ水蒸気
等を導入するためのガス導入部12と、処理室10から
ガスを排気するガス排気部13と、SiCから成る円筒
状の均熱管16を介して処理室10内を所定の雰囲気温
度に保持するためのヒータ14と、基板搬入出部20
と、基板搬入出部20へ窒素ガスを導入するためのガス
導入部21と、基板搬入出部20からガスを排気するガ
ス排気部22と、処理室10と基板搬入出部20とを仕
切るシャッター15と、シリコン半導体基板を処理室1
0内に搬入出するためのエレベータ機構23から構成さ
れている。エレベータ機構23には、シリコン半導体基
板を載置するための石英ボート24が取り付けられてい
る。また、燃焼室30に供給された水素ガスを酸素ガス
と、燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼させることに
よって、水蒸気を生成させる。かかる水蒸気は、配管3
1、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室1
0内に供給される。尚、ガス流路11は二重管構造の処
理室10の外側部分に位置する。
【0007】図2に示した縦型のシリコン酸化膜成膜装
置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく従来の
シリコン酸化膜の形成方法の概要を、図2、図39〜図
41を参照して、以下、説明する。
【0008】[工程−10]処理室10へガス導入部1
2から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰囲
気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によって
処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに保持
する。尚、この状態においては、シャッター15は閉じ
ておく(図39の(A)参照)。基板搬入出部20は大
気に解放された状態である。
【0009】[工程−20]そして、基板搬入出部20
にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート24に
シリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出部20
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示
しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21か
ら窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板
搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図39の
(B)参照)。
【0010】[工程−30]基板搬入出部20内が十分
に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開
き(図40の(B)参照)、エレベータ機構23を作動
させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板
40を処理室10内に搬入する(図41の(A)参
照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、
石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出
部20との間は連通しなくなる構造となっている。
【0011】シャッター15を開く前に、処理室10内
を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生
じる。即ち、フッ化水素酸水溶液で表面を露出させたシ
リコン半導体基板を高温の窒素ガス雰囲気中に搬入する
と、シリコン半導体基板40の表面に荒れが生じる。こ
の現象は、フッ化水素酸水溶液での洗浄によってシリコ
ン半導体基板40の表面に形成されたSi−H結合や一
部のSi−F結合が、水素やフッ素の昇温脱離によって
失われ、シリコン半導体基板40の表面にエッチング現
象が生じることに起因する。アルゴンガス中でシリコン
半導体基板を600゜C以上に昇温するとシリコン半導
体基板の表面に激しい凹凸が生じることが、培風館発
行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULSI技術」、第
21頁に記載されている。このような現象を抑制するた
めに、シャッター15を開く前に、例えば、0.5容量
%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部12か
ら処理室10内に導入し、処理室10内を0.5容量%
程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気とする(図40
の(A)参照)。
【0012】[工程−40]その後、処理室10内の雰
囲気温度を800〜900゜Cとし、水素ガスを酸素ガ
スと燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼させることに
よって生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及び
ガス導入部12を介して処理室10へ導入し、ガス排気
部13から排気する(図41の(B)参照)。これによ
って、シリコン半導体基板40の表面にシリコン酸化膜
が形成される。尚、水蒸気を処理室10へ導入する前
に、不完全燃焼した水素ガスが処理室10内に導入され
ることによって爆鳴気反応が生じることを防止するため
に、ガス導入部12から酸素ガスを処理室10内に導入
する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】シャッター15を開く
前に、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスを
ガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10
内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲
気とすることによって(図40の(A)参照)、シリコ
ン半導体基板の表面に凹凸が形成される現象を抑制する
ことができる。あるいは又、培風館発行、大見忠弘著
「ウルトラクリーンULSI技術」、第21頁には、水
素終端したシリコン半導体基板を、終端水素が安定に存
在する300゜Cで乾式酸化を行い、これによって形成
されたシリコン酸化膜を保護膜とすれば、シリコン半導
体基板の表面に凹凸が形成される問題を回避できると報
告されている。
【0014】しかしながら、処理室10内に酸素ガスを
含んだ窒素ガスが導入されるが故に、処理室10内に搬
入されたシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜が
形成される。かかるシリコン酸化膜は、本質的には、乾
燥酸素ガスのみによって形成されたシリコン酸化膜(ド
ライ酸化膜と呼ぶ)であり、湿式酸化法にて形成された
シリコン酸化膜(ウェット酸化膜と呼ぶ)よりも特性が
劣る。例えば、処理室10内を800゜Cに保持し、
0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部
12から処理室10内に導入した状態でシリコン半導体
基板を処理室10内に搬入すると、シリコン半導体基板
の表面には2nm以上のドライ酸化膜が形成される。ゲ
ート長0.18〜0.13μmの半導体装置において
は、4〜3nm厚さのゲート酸化膜が用いられることが
予想されている。このように、例えば4nm厚さのゲー
ト酸化膜を形成しようとした場合、厚さの5割以上がド
ライ酸化膜で占められることになる。
【0015】このような問題を解決する手段が、特開平
6−291112号公報に開示されている。即ち、フッ
化水素酸水溶液でシリコン半導体基板を洗浄した後、過
酸化水素水にシリコン半導体基板を浸漬することによっ
てシリコン半導体基板の表面に保護膜としてのシリコン
酸化膜を形成する技術が、この特許公開公報には開示さ
れている。しかしながら、この方法では、過酸化水素水
の濃度制御等によってシリコン半導体基板の表面に均一
なシリコン酸化膜を再現性良く形成することが困難であ
る。また、過酸化水素水中の不純物がシリコン酸化膜中
に取り込まれるという問題もある。
【0016】長期安定性に優れ、絶縁耐圧が高く、且つ
膜厚の薄いシリコン酸化膜を形成する方法が、例えば、
特開平6−318588号公報に開示されている。この
方法は、シリコン半導体の表面に熱酸化法により極薄熱
酸化シリコン膜を形成した後、この極薄熱酸化シリコン
膜上に気相成長法(CVD法)によりシリコン酸化膜を
堆積させ、次いで、酸化雰囲気中で熱処理を行う方法で
ある。この方法は、気相成長法(CVD法)によりシリ
コン酸化膜を堆積させるので、シリコン酸化膜の形成プ
ロセスが複雑になるという問題を有する。
【0017】尚、以上の問題は、シリコン半導体基板の
表面において生じるだけでなく、絶縁性基板や絶縁層等
の上に設けられたシリコン層の表面においても生じる問
題である。
【0018】ところで、湿式酸化法は、乾式酸化法と比
較して、電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形成するこ
とができる。しかしながら、シリコン酸化膜中における
酸化種の拡散のし易さの相違から、同一酸化温度におけ
る酸化速度は、乾式酸化法よりも湿式酸化法の方が早
い。また、例えば、パイロジェニック酸化法の特性を生
かすために水蒸気分圧を高くすると、酸化速度は更に早
くなる。
【0019】湿式酸化法における酸化速度が早い点は、
素子分離領域の形成のように厚い(例えば0.1μm以
上)シリコン酸化膜を形成する場合は有利である。しか
しながら、極めて薄いシリコン酸化膜をシリコン半導体
基板の表面に、均一に且つ制御性良く形成することが要
求されるゲート酸化膜の形成においては、湿式酸化法の
酸化速度が早い点は大きな問題となり得る。即ち、2〜
3nmの極薄のシリコン酸化膜を形成する場合に必要と
される酸化時間は、酸化温度や水蒸気分圧等にも依る
が、数分程度である。更には、前述の窒素ガスパージ方
式や真空ロードロック方式等を採用しない場合には、酸
化時間が1分以下という場合も生じ得る。
【0020】一方、このような極薄のシリコン酸化膜は
集積度の高いLSIに用いられるが、このようなLSI
の製造においては、チップサイズの増大に伴い、直径2
00mm以上の大口径のシリコン半導体基板が用いられ
る。それ故、湿式酸化法に基づき極薄のシリコン酸化膜
を形成する場合、その酸化速度の早さとシリコン半導体
基板の大きさとに起因して、高いシリコン半導体基板面
内膜厚均一性を有するシリコン酸化膜を形成することは
困難になりつつある。
【0021】従って、本発明の目的は、シリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成する際のシリコン層の表面に
荒れ(凹凸)が発生することを防止でき、しかも、高い
膜厚均一性を有する非常に薄いシリコン酸化膜を確実に
形成することができ、更には、従来の乾式酸化法よりも
電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形成することができ
るシリコン酸化膜の形成方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法は、(イ)シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
しない温度に雰囲気を保持した状態にて、塩化水素を含
む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の
表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、(ロ)雰囲気
温度を所望の温度まで昇温する工程と、(ハ)該所望の
温度に雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸
化法によって、更にシリコン酸化膜を形成する工程、か
ら成ることを特徴とする。
【0023】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、(A)シリ
コン層を有する被処理材の該シリコン層にシリコン酸化
膜を形成するための第1の処理室と、(B)シリコン酸
化膜を形成するための第2の処理室と、(C)第1の処
理室と第2の処理室とを結ぶ搬送路、を備えたシリコン
酸化膜成膜装置を用いたシリコン酸化膜の形成方法であ
って、(イ)被処理材を第1の処理室に搬入し、シリコ
ン層の表面からシリコン原子が脱離しない温度に第1の
処理室内の雰囲気を保持した状態にて、塩化水素を含む
乾燥酸素ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成する工程と、(ロ)被処理材
を、第1の処理室から搬送路を介して第2の処理室に搬
入する工程と、(ハ)第2の処理室にて、湿式ガスを用
いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成する工
程、から成ることを特徴とする。
【0024】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した
状態にて、塩化水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法
によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成す
る。このような温度に雰囲気を保持することによって、
シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることを防止し
得る。しかも、塩化水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸
化法によって、 4HCl+O2→2H2O+2Cl2 という反応に基づきシリコン層の表面にシリコン酸化膜
を形成する。ところで、塩化水素を含む乾燥酸素ガスを
用いた酸化法における酸化速度は、湿式酸化法と比較し
て遅い。それ故、極薄シリコン酸化膜の形成において、
優れた面内膜厚制御性(均一性)を得ることができる。
しかも、塩化水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法に
よって形成されるシリコン酸化膜の特性は、純粋な乾燥
酸素ガスを用いた酸化法によって形成されるシリコン酸
化膜の特性よりも優れている。
【0025】更には、シリコン層の表面に既に保護膜と
しても機能するシリコン酸化膜が形成された状態で、湿
式ガスを用いた酸化法によって更にシリコン酸化膜を形
成するので、湿式ガスを用いた酸化法によるシリコン酸
化膜形成温度まで雰囲気温度を昇温する過程において、
たとえ、かかる昇温過程が非酸化性雰囲気の場合におい
ても、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることが
ない。しかも、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコ
ン酸化膜を形成するので、優れた特性を有するシリコン
酸化膜を形成することができる。尚、工程(イ)で形成
されたシリコン酸化膜の特性は、通常、例えばゲート酸
化膜として要求される特性を十分満たしていない。工程
(ハ)にてシリコン酸化膜を更に形成することによっ
て、ゲート酸化膜として要求される特性を十分に満足す
るシリコン酸化膜を得ることができる。
【0026】2段階のシリコン酸化膜の形成を1つの処
理室内で行う場合には、処理室内の温度制御を広い範囲
に亙って行わなければならず、処理室内の温度を正確に
制御することが困難となる場合がある。また、処理室内
の温度を昇温させる必要があるため、スループットの低
下を招き易い。本発明の第2の態様に係るシリコン酸化
膜の形成方法においては、第1の処理室及び第2の処理
室においてシリコン酸化膜を形成するので、各処理室内
の雰囲気温度を所定の一定温度に保持すればよく、各処
理室内の温度制御を一層正確に行うことができるばかり
か、処理室内の温度安定性に優れる。従って、シリコン
酸化膜の膜厚制御性に優れる。しかも、処理室内の雰囲
気温度を昇温させる必要がないため、スループットの低
下を招くこともない。また、工程(イ)においては塩化
水素を用い、工程(ハ)においては湿式ガスを用いるた
め、例えば配管の腐食防止の観点からも処理室を2つに
分けることは有利である。
【0027】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、工程(イ)におけ
る乾燥酸素ガス中の塩化水素含有率を、0.02乃至4
容量%、好ましくは0.5乃至3容量%、一層好ましく
は1乃至3容量%とすることが望ましい。尚、乾燥酸素
ガスを、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不
活性ガスで希釈してもよい。尚、乾燥酸素ガスには、塩
化水素に代えて、CCl4、C2HCl3、Cl2、CH2
Cl2、あるいはC23Cl3を添加することもできる
が、添加量には最適値があり、上記の塩化水素の場合と
は異なる。
【0028】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法において、シリコン層の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度は、シリコン層表面を
終端している原子とシリコン原子との結合が切断されな
い温度であることが望ましい。この場合、シリコン層の
表面からシリコン原子が脱離しない温度は、Si−H結
合が切断されない温度若しくはSi−F結合が切断され
ない温度であることが好ましい。尚、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない温度は、1.013×1
5Pa(1気圧)にて測定した値であり、室温以上4
00゜C以下が実用上の範囲であるが、湿式ガスを用い
た酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成する工程
における雰囲気温度を700〜800゜Cとする場合を
考慮すると、好ましくは100゜Cを越え、400゜C
以下、更に好ましくは300゜C以上400゜C以下と
することが望ましい。
【0029】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法において、工程(ハ)における
湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニック酸化法、
純水の加熱により発生した水蒸気による酸化法、並び
に、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバブリ
ングすることで発生した水蒸気による酸化法の内の少な
くとも1種の酸化法であることが好ましい。湿式ガスを
用いた酸化法によってシリコン酸化膜を形成するので、
優れた経時絶縁破壊(TDDB)特性を有するシリコン
酸化膜を得ることができる。尚、湿式ガスを用いた酸化
法において、湿式ガスを、窒素ガス、アルゴンガス、ヘ
リウムガス等の不活性ガスで希釈してもよい。
【0030】尚、工程(ハ)における湿式ガスにはハロ
ゲン元素が含有されていてもよい。これによって、タイ
ムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(T
DDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得ることができ
る。尚、ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙
げることができるが、なかでも塩素であることが望まし
い。湿式ガス中に含有されるハロゲン元素の形態として
は、例えば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl
3、Cl2、CH2Cl2、C23Cl3、HBr、NF3
挙げることができる。湿式ガス中のハロゲン元素の含有
率は、分子又は化合物の形態を基準として、0.001
〜10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、更
に好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩化
水素を用いる場合、湿式ガス中の塩化水素含有率は0.
02〜10容量%であることが望ましい。
【0031】本発明の第1に係るシリコン酸化膜の形成
方法の工程(ハ)における雰囲気温度、あるいは又、本
発明の第2に係るシリコン酸化膜の形成方法の工程
(ハ)におけるシリコン酸化膜を形成するときの第2の
処理室の雰囲気温度は、600乃至1200゜C、好ま
しくは700乃至1000゜C、更に好ましくは750
乃至900゜Cであることが望ましい。
【0032】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、工程(ロ)における雰囲気を、
不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気とするか、あるい
は又、湿式ガスを含む酸化雰囲気とすることが望まし
い。ここで、不活性ガスとして、窒素ガス、アルゴンガ
ス、ヘリウムガスを例示することができる。尚、工程
(ロ)における雰囲気中の不活性ガス若しくは湿式ガス
には、ハロゲン元素が含有されていてもよい。これによ
って、工程(イ)にて形成されたシリコン酸化膜の特性
の一層の向上を図ることができる。即ち、工程(イ)に
おいて生じ得る欠陥であるシリコンダングリングボンド
(Si・)やSiOHが工程(ロ)においてハロゲン元
素と反応し、シリコンダングリングボンドが終端しある
いは脱水反応を生じる結果、信頼性劣化因子であるこれ
らの欠陥が排除される。特に、これらの欠陥の排除は、
工程(イ)において形成された初期のシリコン酸化膜に
対して効果的である。尚、ハロゲン元素として、塩素、
臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩素で
あることが望ましい。不活性ガス若しくは湿式ガス中に
含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化
水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、CH2
Cl2、C23Cl3、HBr、NF3を挙げることがで
きる。不活性ガス若しくは湿式ガス中のハロゲン元素の
含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、0.0
01〜10容量%、好ましくは0.005〜10容量
%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。例え
ば塩化水素を用いる場合、不活性ガス若しくは湿式ガス
中の塩化水素含有率は0.02〜10容量%であること
が望ましい。
【0033】本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、工程(ロ)において、被処理材
を、第1の処理室から大気に曝すことなく搬送路を介し
て第2の処理室に搬入することが、形成されたシリコン
酸化膜の表面の汚染発生を防止する観点から、好まし
い。尚、具体的には、被処理材の搬送中における搬送路
内の雰囲気を、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気と
することが好ましい。ここで、不活性ガスとして、窒素
ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示することがで
きる。この場合、被処理材を第1の処理室から搬送路を
介して第2の処理室に搬入する際の搬送路内の温度を、
例えば室温としてもよいが、シリコン層にシリコン酸化
膜を形成するときの第1の処理室内の雰囲気温度と略等
しくすることが、スループットの向上の観点から、好ま
しい。
【0034】形成されたシリコン酸化膜の特性を一層向
上させるために、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、工程(ハ)の
後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すことが好
ましい。尚、工程(ハ)とその後の熱処理とを同じ装置
内で実行してもよいし、異なる装置内で実行してもよ
い。
【0035】この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン
酸化膜を熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に
優れたシリコン酸化膜を得ることができる。また、ハロ
ゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることがで
きるが、なかでも塩素であることが望ましい。不活性ガ
ス中に含有されるハロゲン元素の形態としては、例え
ば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、C
2、CH2Cl2、C23Cl3、HBr、NF3を挙げ
ることができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含有率
は、分子又は化合物の形態を基準として、0.001〜
10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に
好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩化水
素を用いる場合、不活性ガス中の塩化水素含有率は0.
02〜10容量%であることが望ましい。
【0036】熱処理を、ハロゲン元素を含有する不活性
ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行ってもよ
い。熱処理時の圧力は、1.3×104Pa(100T
orr)以下であることが好ましい。圧力の下限は、シ
リコン酸化膜を熱処理するための装置に依存するが、出
来る限り低いことが望ましい。
【0037】尚、熱処理後、シリコン酸化膜を窒化処理
してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガス、NO
ガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、中
でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望ましい。あるい
は又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒドラジン誘導
体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2雰囲気中で
アニール処理を行うことが望ましい。窒化処理を700
乃至1200゜C、好ましくは800乃至1150゜
C、更に好ましくは900乃至1100゜Cの温度で行
うことが望ましく、この場合、シリコン層の加熱を赤外
線照射、炉アニール処理によって行うことが好ましい。
【0038】あるいは又、熱処理の雰囲気を、窒素系ガ
ス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとして、
2、NH3、N2O、NO2を例示することができる。
【0039】尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、熱処理は、炉
アニール処理であることが望ましい。熱処理の温度は、
700〜1200゜C、好ましくは700〜1000゜
C、更に好ましくは700〜950゜Cである。また、
熱処理の時間は、5〜60分、好ましくは10〜40
分、更に好ましくは20〜30分である。尚、枚葉式の
アニール装置を用いて熱処理を行う場合には、熱処理の
時間は、1〜10分とすることが好ましい。熱処理にお
ける不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスを例
示することができる。
【0040】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、形成されたシリコ
ン酸化膜に熱処理を施す際の雰囲気温度を、工程(ハ)
においてシリコン酸化膜を形成する際の雰囲気温度より
も高くする形態とすることができる。尚、本発明の第2
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、第
2の処理室において熱処理を実行することが好ましい。
これらの場合、工程(ハ)におけるシリコン酸化膜の形
成完了後、雰囲気を不活性ガス雰囲気に切り替えた後、
熱処理を施すための雰囲気温度まで昇温してもよいが、
雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気に切
り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度まで昇温す
ることが望ましい。ここで、不活性ガス中に含有される
ハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HC
l)、CCl4、C2HCl3、Cl2、CH2Cl2、C2
3Cl3、HBr、NF3を挙げることができる。不活
性ガス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の
形態を基準として、0.001〜10容量%、好ましく
は0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜
10容量%である。例えば塩化水素を用いる場合、不活
性ガス中の塩化水素含有率は0.02〜10容量%であ
ることが望ましい。かかる不活性ガスとしては、窒素ガ
ス、アルゴンガスを例示することができる。
【0041】尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、工程(イ)に
おいて、シリコン酸化膜を形成する前の、シリコン層の
表面からシリコン原子が脱離しない温度に保持された
(第1の処理室内の)雰囲気を、塩化水素を含む乾燥酸
素ガスを用いた酸化法に基づくシリコン酸化膜の形成の
前のシリコン酸化膜の形成を抑制するために、不活性ガ
ス雰囲気あるいは真空雰囲気(減圧雰囲気)とすること
が望ましい。
【0042】本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、第1の処理室において、複数の
被処理材に対してバッチ式にてシリコン層にシリコン酸
化膜を形成し、あるいは又、1枚の被処理材に対して枚
葉式にてシリコン層にシリコン酸化膜を形成することが
できる。更には、第2の処理室において、複数の被処理
材に対してバッチ式にてシリコン酸化膜を形成し、ある
いは又、1枚の被処理材に対して枚葉式にてシリコン酸
化膜を形成することができる。第1の処理室及び第2の
処理室における好ましい処理方式、並びに熱処理の方式
の組み合わせを以下の表1に例示するが、これらに限定
するものではない。また、第1の処理室に連通する搬送
路の部分と第2の処理室に連通する搬送路の部分との間
にシャッターが配設されていることが、スループット向
上の観点から、好ましい。
【0043】
【表1】 第1の処理室 第2の処理室 熱処理 バッチ式 バッチ式 バッチ式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 バッチ式 枚葉式 バッチ式 バッチ式
【0044】通常、シリコン層にシリコン酸化膜を形成
する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHC
l/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシ
リコン層の表面を洗浄し、その表面から微粒子や金属不
純物を除去した後、フッ化水素酸水溶液にシリコン層を
浸漬する。ところが、その後、シリコン層が大気に曝さ
れると、シリコン層の表面が汚染され、水分や有機物が
シリコン層の表面に付着し、あるいは又、シリコン層表
面のSi原子が水酸基(OH)と結合する虞がある(例
えば、文献 "Highly-reliable Gate Oxide Formation f
or Giga-ScaleLSIs by using Closed Wet Cleaning Sys
tem and Wet Oxidation with Ultra-Dry Unloading",
J. Yugami, et al., International Rlectron Device M
eeting Technical Digest 95, pp 855-858 参照)。こ
のような場合、そのままの状態で工程(イ)のシリコン
酸化膜形成工程を実行すると、形成されたシリコン酸化
膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取り込
まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あるいは欠
陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部分とは、シ
リコンダングリングボンド(Si・)やSi−H結合と
いった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部分、あるいは
又、Si−O−Si結合が応力によって圧縮されあるい
は又Si−O−Si結合の角度が厚い若しくはバルクの
シリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角度と異なる
といったSi−O−Si結合が含まれたシリコン酸化膜
の部分を意味する。それ故、このような問題の発生を回
避するために、本発明の第1若しくは第2の態様に係る
シリコン酸化膜の形成方法においては、工程(イ)の前
に、シリコン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後
のシリコン層を大気に曝すことなく(即ち、例えば、シ
リコン層表面の洗浄から工程(イ)のシリコン酸化膜形
成工程の開始までの雰囲気を不活性ガス雰囲気若しくは
真空雰囲気とし)、工程(イ)を実行することが好まし
い。これによって、清浄な表面を有するシリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成することができ、形成された
シリコン酸化膜の特性低下あるいは欠陥部分の発生を防
止することができる。
【0045】工程(ハ)を経た後の最終的なシリコン酸
化膜の膜厚は、半導体装置に要求される所定の厚さとす
ればよい。一方、工程(イ)を経た後のシリコン酸化膜
の膜厚は、出来る限る薄いことが好ましい。但し、現
在、半導体装置の製造に用いられているシリコン半導体
基板の面方位は殆どの場合(100)であり、如何にシ
リコン半導体基板の表面を平滑化しても(100)シリ
コンの表面には必ずステップと呼ばれる段差が形成され
る。このステップは通常シリコン原子1層分であるが、
場合によっては2〜3層分の段差が形成されることがあ
る。従って、工程(イ)を経た後のシリコン酸化膜の膜
厚は、シリコン層として(100)シリコン半導体基板
を用いる場合、1nm以上とすることが好ましい。
【0046】尚、本発明の第1の態様に係るシリコン酸
化膜の形成方法におけるシリコン層とは、シリコン半導
体基板等の基板そのものだけでなく、基板の上に形成さ
れたエピタキシャルシリコン層、多結晶シリコン層、あ
るいは非晶質シリコン層、所謂張り合わせ法やSIMO
X法に基づき製造されたSOI構造におけるシリコン
層、更には、基板やこれらの層に半導体素子や半導体素
子の構成要素が形成されたもの等、シリコン酸化膜を形
成すべきシリコン層(下地)を意味する。また、本発明
の第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における
シリコン層を有する被処理材とは、シリコン半導体基板
等の基板そのものだけでなく、エピタキシャルシリコン
層、多結晶シリコン層、あるいは非晶質シリコン層が形
成された基板、所謂張り合わせ法やSIMOX法に基づ
き製造されたSOI構造を有する基板、更には、基板や
これらの層に半導体素子や半導体素子の構成要素が形成
されたもの等、シリコン酸化膜を形成すべきシリコン層
(下地)を有する基板を意味する。シリコン半導体基板
の作製方法は、CZ法、MCZ法、DLCZ法、FZ法
等、如何なる方法であってもよいし、また、予め高温の
水素アニール処理を行い結晶欠陥を除去したものでもよ
い。
【0047】本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例
えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜
や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトム
ゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラ
ッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装
置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができ
る。
【0048】
【実施例】以下、図面を参照して、好ましい実施例に基
づき本発明を説明する。
【0049】(実施例1)実施例1は、本発明の第1の
態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例
1においては、図2に示した縦型のシリコン酸化膜成膜
装置を用いた。また、実施例1においては、シリコン層
をシリコン半導体基板から構成した。形成されたシリコ
ン酸化膜はゲート酸化膜として機能する。湿式ガスを用
いた酸化法としてパイロジェニック酸化法を採用した。
更には、雰囲気温度を所望の温度まで昇温する工程の雰
囲気を不活性ガス雰囲気とした。尚、所望の温度に雰囲
気を保持した状態にてパイロジェニック酸化法にて更に
シリコン酸化膜を形成した後、形成されたシリコン酸化
膜に対して、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気
(塩化水素を含む窒素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニ
ール処理)を施した。以下、図1〜図6を参照して、実
施例1のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。
【0050】[工程−100]先ず、シリコン半導体基
板40に、公知の方法でLOCOS構造を有する素子分
離領域41を形成し、ウエルイオン注入、チャネルスト
ップイオン注入、閾値調整イオン注入を行う。尚、素子
分離領域はトレンチ構造を有していてもよい。その後、
RCA洗浄によりシリコン半導体基板40の表面の微粒
子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素
酸水溶液によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行
い、シリコン半導体基板40の表面を露出させる(図1
の(A)参照)。尚、シリコン半導体基板の表面は大半
が水素で終端しており、一部がフッ素で終端されてい
る。
【0051】[工程−110]次に、シリコン半導体基
板40を、図2に示したシリコン酸化膜成膜装置の基板
搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート2
4に載置する(図3の(A)参照)。尚、処理室10へ
ガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室10内を
窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であっ
てもよい)、且つ、均熱管16を介してヒータ14によ
って処理室10内の雰囲気温度を400゜Cに保持す
る。尚、この状態においては、シャッター15は閉じて
おく。
【0052】[工程−120]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21
から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする。尚、基板搬
入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃
度が例えば20ppm以下となったならば、基板搬入出
部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断する。
その後、シャッター15を開き(図3の(B)参照)、
エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を上昇
させ、シリコン半導体基板40を石英製の二重管構造の
処理室10内に搬入する(図4の(A)参照)。エレベ
ータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、石英ボート2
4の基部によって処理室10と基板搬入出部20との間
は連通しなくなる。処理室10内の雰囲気温度はヒータ
14によって400゜Cに保持されているので、シリコ
ン半導体基板40の表面に荒れが発生することを抑制す
ることができる。
【0053】[工程−130]次いで、シリコン層(実
施例1においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度(実施例1において
は、400゜C)に雰囲気を保持した状態で、塩化水素
を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によってシリコン層
の表面にシリコン酸化膜42を形成する。実施例1にお
いては、具体的には、塩化水素を2容量%含む乾燥酸素
ガスをガス導入部12を介して処理室10内に供給する
ことによって、シリコン半導体基板40の表面に厚さ
1.2nmのシリコン酸化膜42を形成する(図1の
(B)及び図4の(B)参照)。このシリコン酸化膜の
厚さはSiO2の2〜3分子層に相当する厚さであり、
シリコン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保
護膜として機能するのに十分な厚さである。尚、処理室
10の上方と下方に位置するシリコン半導体基板では処
理室10内の滞留時間が異なるが、400゜Cでの酸化
レートは極端に低く、表面反応によりシリコン酸化膜が
形成された後のシリコン酸化膜の膜厚増加は殆ど無視で
きるほど少なく、シリコン酸化膜の膜厚均一性を確保す
ることができる。
【0054】[工程−140]その後、処理室10内へ
の塩化水素を含む乾燥酸素ガスの供給を中止し、不活性
ガス(窒素ガス)をガス導入部12から処理室10内に
供給しながら、シリコン酸化膜成膜装置の処理室10内
の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14によっ
て所望の温度(実施例1においては、800゜C)まで
昇温する(図5の(A)参照)。[工程−130]にて
シリコン層の表面には保護膜としても機能するシリコン
酸化膜が既に形成されているので、この[工程−14
0]において、シリコン層(シリコン半導体基板40)
の表面に荒れが発生することはない。尚、例えば塩化水
素ガスを0.1容量%含有する不活性ガス(例えば窒素
ガス)をガス導入部12から処理室10内に供給しなが
ら、シリコン酸化膜成膜装置の処理室10内の雰囲気温
度を均熱管16を介してヒータ14によって所望の温度
まで昇温してもよい。あるいは又、湿式ガス若しくは例
えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に供給しながら、シリコ
ン酸化膜成膜装置の処理室10内の雰囲気温度を均熱管
16を介してヒータ14によって所望の温度まで昇温し
てもよい。
【0055】[工程−150]所望の温度(実施例1に
おいては、800゜C)に処理室10内の雰囲気温度が
達した後、この所望の温度に雰囲気を保持した状態に
て、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸
化膜を形成する。具体的には、燃焼室30内で生成した
水蒸気を配管31、ガス流路11及びガス導入部12を
介して処理室10内に供給し、パイロジェニック酸化法
によってシリコン半導体基板40の表面に総厚4.0n
mのシリコン酸化膜42を形成する(図1の(C)及び
図5の(B)参照)。以上により、シリコン半導体基板
40の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するの
で、以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲
気とし、エレベータ機構23を動作させて石英ボート2
4を下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン
半導体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有
するシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に
説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好まし
い。
【0056】[工程−160]即ち、その後、湿式ガス
の供給を中止し、窒素ガスをガス導入部12から処理室
10内に導入しつつ、処理室10の雰囲気温度をヒータ
14によって850゜Cまで昇温する(図6の(A)参
照)。尚、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する
不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部12から処
理室10内に導入しつつ、処理室10の雰囲気温度をヒ
ータ14によって850゜Cまで昇温してもよい。その
後、塩化水素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導
入部12から処理室10内に導入し、30分間、熱処理
を行う(図1の(D)及び図6の(B)参照)。以上に
より、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン
酸化膜42の形成が完了する。その後、処理室10内を
窒素ガス雰囲気とし、エレベータ機構23を動作させて
石英ボート24を下降させ、次いで、基板搬入出部20
からシリコン半導体基板40を搬出する。
【0057】(実施例2)実施例2においては、実施例
1の[工程−140]の代わりに、処理室10内への湿
式ガスの導入を行い、シリコン酸化膜成膜装置の処理室
10内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14
によって所望の温度(実施例2においては、800゜
C)まで昇温した。尚、[工程−130]と同様の工程
においては、厚さ1.0nmのシリコン酸化膜を形成し
た。その他の工程は実施例1と同様とした。尚、水素ガ
スを酸素ガスと燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼さ
せることによって生成した水蒸気を、配管31、ガス流
路11及びガス導入部12を介して処理室10へ供給す
ることによって、処理室10内への湿式ガスの導入を行
うことができる。
【0058】(実施例3)実施例3も、本発明の第1の
態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例
3においても、図2に示した縦型のシリコン酸化膜成膜
装置を用い、また、シリコン層をシリコン半導体基板か
ら構成した。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜
として機能する。湿式ガスを用いた酸化法としてパイロ
ジェニック酸化法を採用した。尚、湿式ガスにはハロゲ
ン元素(具体的には、塩素)が含有されている。尚、塩
素は塩化水素の形態であり、湿式ガス中に含有される塩
化水素の濃度を0.1容量%とした。また、雰囲気温度
を所望の温度まで昇温する工程の雰囲気を不活性ガス雰
囲気とした。所望の温度に雰囲気を保持した状態にてパ
イロジェニック酸化法にて更にシリコン酸化膜を形成し
た後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気(塩化水素を含む窒素ガ
ス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施した。以
下、図7〜図9を参照して、実施例3のシリコン酸化膜
の形成方法を説明する。
【0059】[工程−300]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板40
の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1
%フッ化水素酸水溶液によりシリコン半導体基板40の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板40の表面を露出
させる。
【0060】[工程−310]次に、シリコン半導体基
板40を、図2に示したシリコン酸化膜成膜装置の基板
搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート2
4に載置する(図7の(A)参照)。尚、処理室10へ
ガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室10内を
窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であっ
てもよい)、且つ、均熱管16を介してヒータ14によ
って処理室10内の雰囲気温度を400゜Cに保持す
る。尚、この状態においては、シャッター15は閉じて
おく。
【0061】[工程−320]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21
から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする。その後、シ
ャッター15を開き(図7の(B)参照)、エレベータ
機構23を作動させて石英ボート24を上昇させ、シリ
コン半導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10
内に搬入する(図8の(A)参照)。処理室10内の雰
囲気温度はヒータ14によって400゜Cに保持されて
いるので、シリコン半導体基板40の表面に荒れが発生
することを抑制することができる。
【0062】[工程−330]次いで、シリコン層(実
施例3においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度(実施例3において
は、400゜C)に雰囲気を保持した状態で、塩化水素
を2容量%含む乾燥酸素ガスをガス導入部12を介して
処理室10内に供給することによって、シリコン半導体
基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜42
を形成する(図8の(B)参照)。
【0063】[工程−340]その後、処理室10内へ
の塩化水素を含む乾燥酸素ガスの供給を中止し、不活性
ガス(窒素ガス)をガス導入部12から処理室10内に
供給しながら、シリコン酸化膜成膜装置の処理室10内
の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14によっ
て所望の温度(実施例3においては、800゜C)まで
昇温する(図9の(A)参照)。尚、[工程−330]
にてシリコン層の表面には保護膜としても機能するシリ
コン酸化膜が既に形成されているので、この[工程−3
40]において、シリコン層(シリコン半導体基板4
0)の表面に荒れが発生することはない。尚、処理室1
0内へ湿式ガスを供給しながら、シリコン酸化膜成膜装
置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介して
ヒータ14によって所望の温度(実施例3においては、
800゜C)まで昇温してもよい。ここで、処理室10
内に供給される不活性ガスあるいは湿式ガスには、ハロ
ゲン元素(例えば、塩化水素0.1容量%)を含有させ
てもよい。
【0064】[工程−350]所望の温度(実施例3に
おいては、800゜C)に処理室10内の雰囲気温度が
達した後、この所望の温度に雰囲気を保持した状態に
て、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガ
スを用いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成
する。具体的には、燃焼室30内で生成した水蒸気、及
び塩化水素ガスを、配管31、ガス流路11及びガス導
入部12を介して処理室10内に供給し、パイロジェニ
ック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に総
厚4.0nmのシリコン酸化膜を形成する(図9の
(B)参照)。以上により、シリコン半導体基板40の
表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導
体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有する
シリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明
する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0065】[工程−360]即ち、その後、湿式ガス
の供給を中止し、窒素ガスをガス導入部12から処理室
10内に導入しつつ、処理室10の雰囲気温度をヒータ
14によって850゜Cまで昇温する。尚、処理室10
内に供給される窒素ガスには、ハロゲン元素(例えば、
塩化水素0.1容量%)を含有させてもよい。その後、
塩化水素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部
12から処理室10内に導入し、30分間、熱処理を行
う。以上により、シリコン半導体基板40の表面におけ
るシリコン酸化膜の形成が完了する。その後、処理室1
0内を窒素ガス雰囲気とし、エレベータ機構23を動作
させて石英ボート24を下降させ、次いで、基板搬入出
部20からシリコン半導体基板40を搬出する。
【0066】(実施例4)実施例4も、本発明の第1の
態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例
4の実施に適したシリコン酸化膜成膜装置の模式図を、
図10に示す。
【0067】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法において、石英製の処理室(酸化炉)を、垂
直に保持した抵抗加熱の縦型方式のシリコン酸化膜成膜
装置(図2参照)を用いた場合、シリコン半導体基板
(被処理材)の外周方向の外側にヒータ14が配設され
ているため、昇温中、常に、シリコン半導体基板(被処
理材)の周辺部の方が中心部よりも温度が高くなる。そ
の結果、昇温中にもシリコン酸化膜が形成されると、シ
リコン半導体基板(被処理材)の周辺部の方が中心部よ
りもシリコン酸化膜の膜厚が厚くなる傾向にある。この
ような現象の発生を抑制するためには、シリコン層の表
面と略平行に配設された加熱手段によって被処理材を加
熱すれば、被処理材の面内の温度ばらつきを少なくする
ことができる。その結果、昇温中にシリコン酸化膜が形
成される場合であっても、形成されるシリコン酸化膜の
面内膜厚ばらつき発生を抑制することができる。
【0068】図10に示すシリコン酸化膜成膜装置は、
処理室50と、被処理材を加熱するための加熱手段であ
る抵抗加熱ヒータ51とを備えている。処理室50は石
英炉心管から成り、シリコン層にシリコン酸化膜を形成
するためにその内部にシリコン層を有する被処理材を収
納する。加熱手段である抵抗加熱ヒータ51は、処理室
50の外側に配設されており、且つ、シリコン層の表面
と略平行に配設されている。シリコン層を有する被処理
材である例えばシリコン半導体基板40は、ウエハ台5
2に載置され、処理室50の一端に設けられたゲートバ
ルブ53を介して、処理室50内に搬入出される。シリ
コン酸化膜成膜装置には、処理室50へ水蒸気等を導入
するためのガス導入部54と、処理室50からガスを排
気するガス排気部55が更に備えられている。被処理材
の温度は、図示しない熱電対によって測定することがで
きる。尚、燃焼室に供給された水素ガスを酸素ガスと、
燃焼室内で高温にて混合し、燃焼させることによって、
水蒸気を生成させる。かかる水蒸気は、配管及びガス導
入部54を介して処理室50内に供給されるが、燃焼室
及び配管の図示は省略した。
【0069】あるいは又、図11に模式図を示す形式の
シリコン酸化膜成膜装置を用いることもできる。この図
11に示したシリコン酸化膜成膜装置においては、加熱
手段は、赤外線若しくは可視光を発する複数のランプ5
1Aから構成されている。また、図示しないパイロメー
タによって被処理材の温度を測定する。その他の構造
は、基本的には、図10に示したシリコン酸化膜成膜装
置と同様とすることができるので、詳細な説明は省略す
る。
【0070】以下、実施例4のシリコン酸化膜の形成方
法を説明する。
【0071】[工程−400]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板40
の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1
%フッ化水素酸水溶液によりシリコン半導体基板40の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0072】[工程−410]次に、ウエハ台52に載
置されたシリコン半導体基板40を、図10若しくは図
11に示したシリコン酸化膜成膜装置のゲートバルブ5
3を開いて、処理室50内に搬入した後、ゲートバルブ
53を閉じる。このとき、処理室50内の雰囲気を、加
熱手段によって400゜C程度に加熱された不活性ガス
雰囲気としておく。尚、処理室50内の雰囲気をこのよ
うな条件とすることによって、シリコン半導体基板40
の表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0073】[工程−420]次いで、シリコン層(実
施例4においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度(実施例4において
は、400゜C)に雰囲気を保持した状態で、塩化水素
を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によってシリコン層
の表面にシリコン酸化膜42を形成する。実施例4にお
いては、具体的には、塩化水素を2容量%含む乾燥酸素
ガスを配管(図示せず)及びガス導入部54を介して処
理室50内に供給し、シリコン半導体基板40の表面に
厚さ1.2nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0074】[工程−430]その後、処理室50内へ
の塩化水素を含む乾燥酸素ガスの供給を中止し、次い
で、燃焼室(図示せず)内で生成した水蒸気(湿式ガ
ス)を配管及びガス導入部54を介して処理室50内に
供給し、処理室50内の雰囲気温度を、加熱手段によっ
て所望の温度(実施例4においては、800゜C)まで
昇温する。尚、実施例4においては、加熱手段がシリコ
ン層の表面と略平行に配設されているので、被処理材の
昇温時の被処理材の面内温度ばらつきの発生を抑制する
ことができる結果、昇温中に形成されるシリコン酸化膜
の面内膜厚ばらつきの発生を効果的に抑制することがで
きる。尚、処理室50内の雰囲気温度を、加熱手段によ
って所望の温度(実施例4においては、800゜C)ま
で昇温するときの雰囲気を不活性ガス雰囲気(例えば窒
素ガス雰囲気)としてもよい。更には、湿式ガス中若し
くは不活性ガス中には、ハロゲン元素(例えば、塩化水
素0.1容量%)を含有させてもよい。
【0075】[工程−440]所望の温度(実施例4に
おいては、800゜C)に処理室50内の雰囲気温度が
達した後、この所望の温度に雰囲気を保持した状態に
て、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸
化膜を形成する。具体的には、燃焼室内で生成した水蒸
気を配管及びガス導入部54を介して処理室50内に供
給し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体
基板40の表面に総厚4.0nmのシリコン酸化膜42
を形成する。尚、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含
有する湿式ガスを用いた酸化法を採用してもよい。以上
により、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコ
ン酸化膜の形成が完了するので、以降、処理室50内を
窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、ゲートバルブ53
を開き、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体基板
40を処理室50から搬出してもよいが、一層高い特性
を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以
下に説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ま
しい。
【0076】[工程−450]即ち、その後、湿式ガス
の供給を中止し、窒素ガスをガス導入部54から処理室
50内に導入しつつ、処理室50の雰囲気温度を加熱手
段によって850゜Cまで昇温する。尚、この昇温工程
における雰囲気を、ハロゲン元素(例えば、塩化水素
0.1容量%)が含有した窒素ガス雰囲気とすることも
できる。その後、塩化水素を0.1容量%含有する窒素
ガスをガス導入部54から処理室50内に導入し、5分
間、熱処理を行う。以上により、シリコン半導体基板4
0の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了する。以
降、処理室50内を窒素ガス雰囲気とし、ゲートバルブ
53を開き、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体
基板40を処理室50から搬出する。
【0077】(実施例5)実施例5は本発明の第2の態
様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例5
においては、図12に概念図を示し、図13及び図14
に模式図を示す縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置を用
いた。また、実施例5においては、シリコン層を有する
被処理材としてシリコン半導体基板を用いた。即ち、実
施例5においてはシリコン層はシリコン半導体基板それ
自体とした。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜
として機能する。湿式ガスを用いた酸化法としてパイロ
ジェニック酸化法を採用した。更には、被処理材を、第
1の処理室から第2の処理室に搬入する際の搬送路の雰
囲気を不活性ガス雰囲気とし、且つ、搬送路内の温度
を、シリコン層にシリコン酸化膜を形成するときの第1
の処理室内の雰囲気温度と略等しくした。尚、パイロジ
ェニック酸化法にて更にシリコン酸化膜を形成した後、
形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲン元素を含
有する不活性ガス雰囲気(具体的には、塩化水素を含む
窒素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施し
た。実施例5においては、第1の処理室及び第2の処理
室において、シリコン酸化膜の形成を複数の被処理材に
対してバッチ式にてシリコン層にシリコン酸化膜を形成
した。更には、熱処理を第2の処理室内でバッチ式にて
行った。以下、図12〜図14、及びシリコン酸化膜成
膜装置等の概念図である図15〜図23を参照して、実
施例5のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。
【0078】図12〜図14に示したシリコン酸化膜成
膜装置は、第1の処理室110、第2の処理室210及
び搬送路120から構成されている。尚、図13は、図
12の矢印A−Aに沿った第1の処理室110を含む部
分の模式的な断面図であり、図14は、図12の矢印B
−Bに沿った第2の処理室210を含む部分の模式的な
断面図である。この縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置
は、石英製の二重管構造の処理室110,210と、処
理室110,210へ水蒸気等を導入するためのガス導
入部112,212と、処理室110,210からガス
を排気するガス排出部113,213と、SiCから成
る円筒状の均熱管116,216を介して処理室11
0,210内を所定の雰囲気温度に保持するためのヒー
タ114,214とから構成されている。ヒータ11
4,214は温度制御装置によって制御される。更に
は、第1の処理室110及び第2の処理室210の下部
に配置された搬送路120と、搬送路120へ窒素ガス
等の不活性ガスを導入するためのガス導入部121と、
搬送路120からガスを排気するガス排出部122と、
第1の処理室110及び第2の処理室210と搬送路1
20とを仕切るシャッター115,215と、シリコン
半導体基板40を第1の処理室110及び第2の処理室
210に搬入出するためのエレベータ機構123から構
成されている。エレベータ機構123には、複数のシリ
コン半導体基板40を載置するための石英ボート124
が取り付けられている。尚、エレベータ機構123は、
図12の左右方向に移動可能である。搬送路120には
シリコン半導体基板40を搬入出するための扉125が
備えられている。また、燃焼室130に供給された水素
ガスを酸素ガスと燃焼室130内で高温にて混合し、燃
焼させることによって、水蒸気を生成させる。かかる水
蒸気は、配管131、ガス流路111,211及びガス
導入部112,212を介して第1の処理室110内及
び第2の処理室210内に供給される。尚、ガス流路1
11,211は、二重管構造の第1の処理室110及び
第2の処理室210の外側部分に位置する。
【0079】[工程−500]先ず、シリコン半導体基
板40に、公知の方法でLOCOS構造を有する素子分
離領域を形成し、ウエルイオン注入、チャネルストップ
イオン注入、閾値調整イオン注入を行う。尚、素子分離
領域はトレンチ構造を有していてもよい。その後、RC
A洗浄によりシリコン半導体基板40の表面の微粒子や
金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水
溶液によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行い、
シリコン半導体基板40の表面を露出させる。尚、シリ
コン半導体基板の表面は大半が水素で終端しており、一
部がフッ素で終端されている。
【0080】[工程−510]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図12に示したシリコン酸化膜成膜装
置の搬送路120に扉125から搬入し、石英ボート1
24に載置する。尚、第1の処理室110へガス導入部
112から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第1の処
理室110内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であ
ってもよい)、且つ、均熱管116を介してヒータ11
4によって第1の処理室110内の雰囲気温度を400
゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャッター
115は閉じておく。一方、第2の処理室210へガス
導入部212から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第
2の処理室210内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲
気であってもよい)、且つ、均熱管216を介してヒー
タ214によって第2の処理室210内の雰囲気温度を
800゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャ
ッター215は閉じておく。
【0081】[工程−520]そして、搬送路120へ
のシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、扉12
5を閉め、搬送路120にガス導入部121から窒素ガ
ス等の不活性ガスを導入し、ガス排出部122から排出
し、搬送路120内を室温の不活性ガス雰囲気とする
(図15参照)。その後、シャッター115を開き、エ
レベータ機構123を作動させて石英ボート124を上
昇させ、シリコン半導体基板40を石英製の二重管構造
の第1の処理室110に搬入する(図16参照)。第1
の処理室110内の不活性ガス雰囲気の温度はヒータ1
14によって400゜Cに保持されているので、シリコ
ン半導体基板40の表面に荒れが発生することを抑制す
ることができる。尚、第1の処理室110へのシリコン
半導体基板40の搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬送
路120内を図示しないヒータで400゜C前後に加熱
しておくことが好ましい。
【0082】[工程−530]次いで、シリコン層(実
施例5においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度(実施例5において
は、400゜C)に第1の処理室110の雰囲気を保持
した状態で、塩化水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成す
る(図17参照)。実施例5においては、具体的には、
塩化水素を2容量%含む乾燥酸素ガスをガス導入部11
2を介して第1の処理室110内に供給し、シリコン半
導体基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜
を形成する。このシリコン酸化膜の厚さはSiO2の2
〜3分子層に相当する厚さであり、シリコン半導体基板
の表面のステップを考慮しても、保護膜として機能する
のに十分な厚さである。
【0083】[工程−540]その後、被処理材である
シリコン半導体基板40を、第1の処理室110から搬
送路120を介して第2の処理室210に搬入する。具
体的には、第1の処理室110内への塩化水素を含む乾
燥酸素ガスの供給を中止し、窒素ガス等の不活性ガスを
ガス導入部112から第1の処理室110内に供給す
る。そして、第1の処理室110内を窒素ガス等の不活
性ガスで置換した後、エレベータ機構123を作動させ
て、シリコン半導体基板40を搬送路120内に搬入す
る(図18参照)。搬送路120内は不活性ガス雰囲気
であり、しかも、400゜C前後に保持されている。即
ち、被処理材であるシリコン半導体基板40を第1の処
理室110から搬送路120を介して第2の処理室21
0に搬入する際の搬送路120内の温度は、シリコン半
導体基板40にシリコン酸化膜を形成するときの第1の
処理室110の雰囲気温度と略等しくなっている。エレ
ベータ機構123が最下降位置に位置したならば、エレ
ベータ機構123を第2の処理室210の下方に移動さ
せる(図19参照)。
【0084】[工程−550]次いで、シャッター21
5を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボー
ト124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製
の二重管構造の第2の処理室210に搬入する(図20
参照)。第2の処理室210内の不活性ガス雰囲気の温
度はヒータ214によって800゜Cに保持されている
が、シリコン半導体基板40の表面には既に保護膜とし
ても機能するシリコン酸化膜が形成されているので、シ
リコン層(シリコン半導体基板40)の表面に荒れが発
生することはない。尚、第2の処理室210へのシリコ
ン半導体基板40の搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬
送路120内の温度を室温とすることが好ましい。
【0085】[工程−560]その後、第2の処理室2
10内を800゜Cに保持した状態にて、湿式ガスを用
いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成する。
具体的には、750゜Cに保持された燃焼室130内に
水素ガス:酸素ガスを1:4の割合で導入して水素ガス
を燃焼させ、燃焼室130内で生成した水蒸気を配管1
31、ガス流路211及びガス導入部212を介して第
2の処理室210内に供給し、パイロジェニック酸化法
によってシリコン半導体基板40の表面に総厚4.0n
mのシリコン酸化膜を形成する(図21参照)。尚、湿
式ガス中に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素を含有
させてもよい。
【0086】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、第2の処理室210内を窒素ガス等の不活性ガス雰
囲気とし、エレベータ機構123を動作させて石英ボー
ト124を下降させ、次いで、扉125を開き、搬送路
120からシリコン半導体基板40を搬出してもよい
が、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図
する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜
に施すことが好ましい。
【0087】[工程−570]即ち、[工程−560]
に続き、湿式ガスの供給を中止し、窒素ガス等の不活性
ガスをガス導入部212から第2の処理室210内に導
入しつつ、第2の処理室210の雰囲気温度をヒータ2
14によって850゜Cまで昇温させる(図22参
照)。尚、この昇温工程における雰囲気を、ハロゲン元
素(例えば、塩化水素0.1容量%)が含有した窒素ガ
ス雰囲気とすることもできる。その後、例えば塩化水素
を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部212か
ら第2の処理室210内に導入し、30分間、熱処理を
行う(図23参照)。以上により、シリコン酸化膜の熱
処理が完了する。以降、第2の処理室210内を窒素ガ
ス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベータ機構123を
動作させて石英ボート124を下降させ、次いで、扉1
25を開き、搬送路120からシリコン半導体基板40
を搬出する。
【0088】(実施例6)実施例6においては、図24
に概念図を示す縦型方式シリコン酸化膜成膜装置を用い
た。実施例6にて使用した縦型方式シリコン酸化膜成膜
装置が実施例5にて説明した縦型方式シリコン酸化膜成
膜装置と相違する点は、第1の処理室110に連通する
搬送路120の部分120Aと第2の処理室210に連
通する搬送路120の部分120Bとの間に、シャッタ
ー126が配設されている点、及び搬送路120A,1
20Bのそれぞれに、窒素ガス等の不活性ガスを導入す
るためのガス導入部と排気するガス排気部(これらは図
24には図示せず)が設けられている点にある。このよ
うに、シャッター126によって搬送路120を2つの
部分120A,120Bに区分けすることで、第1の処
理室110中でのシリコン酸化膜の形成と、第2の処理
室210中でのシリコン酸化膜の形成を同時に行うこと
が可能となり、シリコン酸化膜の形成におけるスループ
ットの向上を図ることができる。以下、シリコン酸化膜
成膜装置等の概念図である図25〜図34を参照して、
実施例6のシリコン酸化膜の形成方法を説明するが、実
施例6のシリコン酸化膜の形成方法は基本的には実施例
5のシリコン酸化膜の形成方法と同じである。
【0089】[工程−600]先ず、実施例5と同様
に、シリコン半導体基板40に、公知の方法でLOCO
S構造を有する素子分離領域を形成し、ウエルイオン注
入、チャネルストップイオン注入、閾値調整イオン注入
を行った後、RCA洗浄及び0.1%フッ化水素酸水溶
液によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行う。
【0090】[工程−610]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図24に示したシリコン酸化膜成膜装
置の搬送路120Aに扉125Aから搬入し、石英ボー
ト124に載置する。尚、第1の処理室110へガス導
入部112から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第1
の処理室110内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気
であってもよい)、且つ、均熱管116を介してヒータ
114によって第1の処理室110内の雰囲気温度を4
00゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャッ
ター115は閉じておく。一方、第2の処理室210へ
ガス導入部212から窒素ガス等の不活性ガスを導入
し、第2の処理室210内を不活性ガス雰囲気とし(減
圧雰囲気であってもよい)、且つ、均熱管216を介し
てヒータ214によって第2の処理室210内の雰囲気
温度を800゜Cに保持する。尚、この状態において
は、シャッター215は閉じておく。また、搬送路12
0Aと搬送路120Bの間に配設されたシャッター12
6も閉じておく。
【0091】[工程−620]そして、搬送路120A
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、扉1
25Aを閉め、搬送路120A,120Bのそれぞれに
ガス導入部から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、ガス
排出部から排出し、搬送路120A,120B内を室温
の不活性ガス雰囲気とする(図25参照)。その後、シ
ャッター115を開き、エレベータ機構123を作動さ
せて石英ボート124を上昇させ、シリコン半導体基板
40を石英製の二重管構造の第1の処理室110に搬入
する(図26参照)。第1の処理室110内の不活性ガ
ス雰囲気の温度はヒータ114によって400゜Cに保
持されているので、シリコン半導体基板40の表面に荒
れが発生することを抑制することができる。尚、第1の
処理室110へのシリコン半導体基板40の搬入後、不
活性ガス雰囲気にある搬送路120A,120B内を図
示しないヒータで400゜C前後に加熱しておくことが
好ましい。
【0092】[工程−630]次いで、実施例5の[工
程−530]と同様の方法で、シリコン層(実施例5に
おいては、シリコン半導体基板40)の表面からシリコ
ン原子が脱離しない温度(実施例6においても、400
゜C)に第1の処理室110の雰囲気を保持した状態
で、塩化水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によっ
てシリコン層の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜
を形成する(図27参照)。
【0093】[工程−640]その後、被処理材である
シリコン半導体基板40を、第1の処理室110から搬
送路120A,12Bを介して第2の処理室210に搬
入する。具体的には、第1の処理室110内への塩化水
素を含む乾燥酸素ガスの供給を中止し、窒素ガス等の不
活性ガスをガス導入部112から第1の処理室110内
に供給する。一方、シャッター126を開く。そして、
第1の処理室110内を窒素ガス等の不活性ガスで置換
した後、エレベータ機構123を作動させて、シリコン
半導体基板40を搬送路120A内に搬入する(図28
参照)。搬送路120A,120B内は不活性ガス雰囲
気であり、しかも、400゜C前後に保持されている。
即ち、被処理材であるシリコン半導体基板40を第1の
処理室110から搬送路120A,120Bを介して第
2の処理室210に搬入する際の搬送路120A,12
0B内の温度は、シリコン半導体基板40にシリコン酸
化膜を形成するときの第1の処理室110内の雰囲気温
度と略等しくなっている。エレベータ機構123が最下
降位置に位置したならば、エレベータ機構123を第2
の処理室210の下方に移動させ、次いで、シャッター
126を閉じる。そして、次のロットの被処理材である
シリコン半導体基板40におけるシリコン酸化膜形成の
ために、扉125Aを開き、シリコン半導体基板40を
搬送路120A内に搬入する(図29参照)。
【0094】[工程−650]次いで、シャッター21
5を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボー
ト124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製
の二重管構造の第2の処理室210に搬入する(図30
参照)。第2の処理室210内の不活性ガス雰囲気の温
度はヒータ214によって800゜Cに保持されている
が、シリコン半導体基板40の表面には既に保護膜とし
ても機能するシリコン酸化膜が形成されているので、シ
リコン層(シリコン半導体基板40)の表面に荒れが発
生することはない。尚、第2の処理室210へのシリコ
ン半導体基板40の搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬
送路120B内の温度を室温とすることが好ましい。搬
送路120A及び第1の処理室110にあっては、[工
程−620]と同様に、扉125Aを閉め、搬送路12
0Aにガス導入部から窒素ガス等の不活性ガスを導入
し、ガス排出部から排出し、搬送路120A内を室温の
不活性ガス雰囲気とする(図30の左側の搬送路120
Aの状態を参照)。
【0095】[工程−660]その後、実施例5の[工
程−560]と同様に、第2の処理室210内を800
゜Cに保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法(パ
イロジェニック酸化法)によって、更にシリコン酸化膜
を形成する(図31参照)。ここで、湿式ガス中に、例
えば濃度1.0容量%の塩化水素を含有させてもよい。
尚、搬送路120A及び第1の処理室110にあって
は、[工程−620]と同様に、シャッター115を開
き、エレベータ機構123を作動させて石英ボート12
4を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製の二重
管構造の第1の処理室110に搬入する(図31の左側
の搬送路120Aの状態を参照)。
【0096】以上により、第2の処理室210におい
て、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸
化膜の形成が完了するので、以降、第2の処理室210
内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベータ機
構123を動作させて石英ボート124を下降させ、次
いで、扉125Bを開き、搬送路120Bからシリコン
半導体基板40を搬出すればよいが、一層高い特性を有
するシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に
説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好まし
い。尚、第1の処理室110に搬入されたシリコン半導
体基板40に関しては、[工程−630]以降の処理を
行う。
【0097】[工程−670]即ち、実施例5の[工程
−570]と同様に、[工程−660]に続き、湿式ガ
スの供給を中止し、窒素ガス等の不活性ガスをガス導入
部212から第2の処理室210内に導入しつつ、第2
の処理室210の雰囲気温度をヒータ214によって8
50゜Cまで昇温させる(図32参照)。尚、この昇温
工程における雰囲気を、ハロゲン元素(例えば、塩化水
素0.1容量%)が含有した窒素ガス雰囲気とすること
もできる。その後、例えば塩化水素を0.1容量%含有
する窒素ガスをガス導入部212から第2の処理室21
0内に導入し、30分間、熱処理を行う(図33参
照)。以上により、シリコン酸化膜の熱処理が完了す
る。以降、第2の処理室210内を窒素ガス等の不活性
ガス雰囲気とし、エレベータ機構123を動作させて石
英ボート124を下降させ、次いで、扉125Bを開
き、搬送路120Bからシリコン半導体基板40を搬出
する。次いで、搬送路120Bに窒素ガス等の不活性ガ
スを導入し、且つ、搬送路120B内の雰囲気温度を4
00゜C前後にする(図34参照)。
【0098】尚、以上に説明した実施例6において、次
のロットの被処理材であるシリコン半導体基板における
シリコン酸化膜形成のタイミングは例示であり、適宜変
更することができる。
【0099】(実施例7)実施例7においても、シリコ
ン層を有する被処理材としてシリコン半導体基板を用い
た。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜として機
能する。湿式ガスを用いた酸化法としてパイロジェニッ
ク酸化法を採用した。更には、被処理材を、第1の処理
室から第2の処理室に搬入する際の搬送路の雰囲気を不
活性ガス雰囲気とし、且つ、搬送路内の温度を、シリコ
ン層にシリコン酸化膜を形成するときの第1の処理室内
の雰囲気温度と略等しくした。尚、パイロジェニック酸
化法にて更にシリコン酸化膜を形成した後、形成された
シリコン酸化膜に対して、ハロゲン元素を含有する不活
性ガス雰囲気(具体的には、塩化水素を含む窒素ガス雰
囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施した。実施例
7においては、シリコン酸化膜の形成を枚葉式の処理室
にて行った。即ち、第1及び第2の処理室において、1
枚の被処理材に対して枚葉式にてシリコン酸化膜を形成
した。また、熱処理を炉アニール装置を用いてバッチ式
にて行った。
【0100】実施例7においては、図35に概念的な平
面図を示すシリコン酸化膜成膜装置を用いた。このシリ
コン酸化膜成膜装置は、図35に示すように、ローダー
・アンローダー300と、搬送路301と、第1の処理
装置302と第2の処理装置303と、炉アニール装置
304から構成されている。炉アニール装置304は、
図2に示した従来の縦型方式シリコン酸化膜成膜装置と
略同様の構造(但し、燃焼室は無い)を有する。尚、実
施例7においては、第1の処理装置302と第2の処理
装置303として、図10若しくは図11にて説明した
構造を有するシリコン酸化膜成膜装置を用いた。
【0101】実施例5及び実施例6においては、石英製
の処理室(酸化炉)を垂直に保持した縦型方式のシリコ
ン酸化膜成膜装置を用いた。ところで、縦型方式のシリ
コン酸化膜成膜装置を用いた場合、シリコン半導体基板
(被処理材)の外周方向の外側にヒータ114,214
が配設されているため、被処理材の昇温中、常に、シリ
コン半導体基板(被処理材)の周辺部の方が中心部より
も温度が高くなる。その結果、被処理材の昇温中にシリ
コン酸化膜が形成されると、シリコン半導体基板(被処
理材)の周辺部の方が中心部よりもシリコン酸化膜の膜
厚が厚くなる虞がある。実施例7においては、シリコン
層の表面と略平行に配設された加熱手段によって被処理
材を加熱するので、被処理材の面内の温度ばらつきを少
なくすることができる。その結果、形成されるシリコン
酸化膜の面内膜厚ばらつき発生を抑制することができ
る。
【0102】[工程−700]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板40
の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1
%フッ化水素酸水溶液によりシリコン半導体基板40の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板40の表面を露出
させる。
【0103】[工程−710]搬送路301内、第1の
処理装置302及び第2の処理装置303の処理室50
内、並びに、炉アニール装置304の基板搬入出部20
及び処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし
ておく。尚、第1の処理装置302の処理室50内の不
活性ガス雰囲気温度を400゜Cとし、第2の処理装置
303の処理室50の不活性ガス雰囲気温度を800゜
Cとし、炉アニール装置304の処理室10内を不活性
ガス雰囲気温度を850゜Cとしておくことが好まし
い。そして、被処理材であるシリコン半導体基板40を
ローダー・アンローダー300から搬送路301内に搬
入し、更に、シリコン半導体基板40をウエハ台52に
載置し、次いで、図10若しくは図11に示した第1の
処理装置302におけるゲートバルブ53を開いて、第
1の処理室に相当する第1の処理装置302の処理室5
0に搬入した後、ゲートバルブ53を閉じる。尚、第1
の処理装置302の処理室50内の雰囲気温度は400
゜C程度であるため、シリコン半導体基板40の表面に
荒れが発生することを抑制することができる。
【0104】[工程−720]次いで、シリコン層(実
施例7においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度(実施例7において
は、400゜C)に雰囲気を保持した状態で、塩化水素
を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によってシリコン層
の表面にシリコン酸化膜を形成する。実施例7において
は、具体的には、実施例5と同様に、塩化水素を2容量
%含む乾燥酸素ガスをガス導入部54を介して処理室5
0内に供給し、シリコン半導体基板40の表面に厚さ
1.2nmのシリコン酸化膜を形成する。尚、搬送路3
01内の不活性ガスを加熱して、搬送路301内の不活
性ガス雰囲気の温度を400゜C前後としておくことが
好ましい。
【0105】[工程−730]その後、処理室50への
塩化水素を含む乾燥酸素ガスの供給を停止し、処理室5
0内を400゜Cの窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置され
たシリコン半導体基板40を第1の処理室に相当する処
理室50から搬送路301へ搬出し、次いで、図10若
しくは図11に示した第2の処理装置303におけるゲ
ートバルブ53を開いて、第2の処理室である第2の処
理装置303の処理室50に搬入した後、ゲートバルブ
53を閉じる。このとき、第2の処理室に相当する処理
室50内の雰囲気は加熱手段によって800゜C程度に
加熱された不活性ガス雰囲気となっている。しかしなが
ら、シリコン層の表面に既に保護膜としても機能するシ
リコン酸化膜が形成された状態で被処理材を第1の処理
装置302から搬送路301を介して第2の処理装置3
03に搬入するので、たとえ、搬送路301内や第2の
処理室内が非酸化性雰囲気であってもシリコン層の表面
に凹凸(荒れ)が生じることがない。
【0106】[工程−740]次いで、第2の処理室に
相当する処理室50内の雰囲気温度を800゜Cに保持
した状態で、実施例5と同様に、湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成す
る。実施例7においては、具体的には、実施例5と同様
に、燃焼室(図示せず)内で生成した水蒸気を配管(図
示せず)及びガス導入部54を介して第2の処理室に相
当する処理室50内に供給し、パイロジェニック酸化法
によってシリコン半導体基板40の表面に総厚4.0n
mのシリコン酸化膜を形成する。尚、湿式ガス中に、例
えば濃度1.0容量%の塩化水素を含有させてもよい。
また、搬送路301内の不活性ガス雰囲気の温度は室温
としておいてもよい。
【0107】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、第2の処理装置303の処理室50内を窒素ガス等
の不活性ガス雰囲気とし、ゲートバルブ53を開き、ウ
エハ台52に載置されたシリコン半導体基板40を処理
室50から搬送路301へ搬出し、ローダー・アンロー
ダー300を経由して系外に搬出してもよいが、一層高
い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場合に
は、以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すこと
が好ましい。
【0108】[工程−750]即ち、被処理材であるシ
リコン半導体基板40を逐次、図2に図示したと略同様
の構造を有する炉アニール装置304の基板搬入出部2
0に図示しない扉を介して搬入する。シリコン半導体基
板40で石英ボート24が満たされたならば、図示しな
い扉を閉め、エレベータ機構23を作動させて石英ボー
ト24を上昇させ、シリコン半導体基板40を処理室1
0に搬入する。そして、例えば塩化水素を0.1容量%
含有する窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に
導入し、850゜C×30分間、熱処理を行う。以上に
より、シリコン酸化膜の熱処理が完了する。以降、処理
室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベ
ータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、
次いで、図示しない扉を開き、搬送路301へ搬出し、
ローダー・アンローダー300を経由して系外に搬出す
る。
【0109】尚、図2に示したと略同様の構造を有する
炉アニール装置を用いる代わりに、第2の処理装置30
3の処理室50内で、若しくは、図10や図11に示し
たと略同様の構造を有するアニール装置に被処理材を搬
入して、シリコン酸化膜の形成に引き続き、熱処理を施
してもよい。例えば、第2の処理装置303の処理室5
0内で熱処理を行う場合には、[工程−740]におい
て、湿式ガスの供給を中止し、窒素ガスをガス導入部4
4から処理室50内に導入しつつ、処理室50の雰囲気
温度を加熱手段によって850゜Cまで昇温させる。こ
のとき、窒素ガス中に、例えば塩化水素を0.1容量%
含有させてもよい。その後、例えば塩化水素を0.1容
量%含有する窒素ガスをガス導入部44から処理室50
内に導入し、5分間、熱処理を行う。
【0110】また、図35に示したシリコン酸化膜成膜
装置において、第1の処理装置に連通する搬送路の部分
と第2の処理装置に連通する搬送路の部分との間に、シ
ャッターを配設してもよい。更には、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない温度に第1の処理室内の
雰囲気を保持した状態にて、塩化水素を含む乾燥酸素ガ
スを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン
酸化膜を形成する工程を、図10や図11に示した処理
室にて行い、湿式ガスを用いた酸化法によって更にシリ
コン酸化膜を形成する工程は、図2に示したと略同様の
構造を有する縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置を用い
て行うこともできる。
【0111】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した各種条件やシリコン酸化膜
成膜装置、アニール装置の構造は例示であり、適宜変更
することができる。湿式ガスを用いたシリコン酸化膜の
形成は、パイロジェニック酸化法だけでなく、純水の加
熱により発生した水蒸気による酸化法、酸素ガス又は不
活性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生
した水蒸気による酸化法、あるいはこれらの酸化法を併
用した方法とすることができる。実施例においては、専
らシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成し
たが、シリコン半導体基板の製造工程においてCZ法や
MCZ法にて製造されたシリコン半導体基板の表面にエ
ピタキシャル成長法にて例えば厚さ10μmのエピタキ
シャルシリコン層を形成したシリコン基板や、半導体装
置の製造工程においてシリコン半導体基板表面に形成さ
れたエピタキシャルシリコン層や選択エピタキシャル成
長法にて形成されたシリコン層、基板の上に形成された
絶縁層の上に成膜された多結晶シリコン層あるいは非晶
質シリコン層等の表面にシリコン酸化膜を形成すること
もできる。あるいは又、SOI構造におけるシリコン層
の表面にシリコン酸化膜を形成してもよいし、更には、
半導体素子や半導体素子の構成要素が形成された基板や
これらの層の上に成膜された下地絶縁層の上に形成され
たシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成してもよ
い。シリコン酸化膜形成後の熱処理は必須ではなく、場
合によっては省略することができる。
【0112】実施例において0.1%フッ化水素酸水溶
液によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行った
後、シリコン半導体基板40をシリコン酸化膜成膜装置
に搬入したが、シリコン半導体基板40の表面洗浄から
シリコン酸化膜成膜装置への搬入までの雰囲気を、不活
性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気としてもよい。尚、こ
のような雰囲気は、例えば、シリコン半導体基板の表面
洗浄装置の雰囲気を不活性ガス雰囲気とし、且つ、不活
性ガスが充填された搬送用ボックス内にシリコン半導体
基板40を納めてシリコン酸化膜成膜装置の基板搬入出
部20や処理室50に搬入する方法や、図36に模式図
を示すように、表面洗浄装置、シリコン酸化膜成膜装
置、搬送路、ローダー及びアンローダーから構成された
クラスターツール装置を用い、シリコン半導体基板の表
面洗浄装置からシリコン酸化膜成膜装置の基板搬入出部
20あるいは処理室50までを搬送路で結び、かかる表
面洗浄装置及び搬送路の雰囲気を不活性ガス雰囲気とす
る方法によって達成することができる。
【0113】あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液
によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行う代わり
に、表2に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用
いた気相洗浄法によってシリコン半導体基板40の表面
洗浄を行ってもよい。尚、パーティクルの発生防止のた
めにメタノールを添加する。あるいは又、表3に例示す
る条件にて、塩化水素ガスを用いた気相洗浄法によって
シリコン半導体基板40の表面洗浄を行ってもよい。
尚、シリコン半導体基板40の表面洗浄開始前あるいは
表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲気や搬送
路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としてもよいし、
例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度の真空雰
囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を真空雰囲
気とする場合には、シリコン半導体基板を搬入する際の
シリコン酸化膜成膜装置の基板搬入出部20あるいは処
理室50の雰囲気を例えば1.3×10-1Pa(10-3
Torr)程度の真空雰囲気としておき、シリコン半導体基
板の搬入完了後、基板搬入出部20あるいは処理室50
の雰囲気を大気圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲
気とすればよい。
【0114】
【表2】 無水フッ化水素ガス:300sccm メタノール蒸気 :80sccm 窒素ガス :1000sccm 圧力 :0.3Pa 温度 :60゜C
【0115】
【表3】 塩化水素ガス/窒素ガス:1容量% 温度 :800゜C
【0116】尚、これらの場合のシリコン酸化膜成膜装
置としては、図2、図10、図11、図12、図24あ
るいは後述する図37、図38に示すシリコン酸化膜成
膜装置を用いることができる。これにより、シリコン酸
化膜の形成前に水素やフッ素で終端されたシリコン層の
表面を清浄に保つことができる結果、形成されたシリコ
ン酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが
取り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性が低下し
あるいは欠陥部分が発生することを、効果的に防ぐこと
ができる。
【0117】図2に示した縦型のシリコン酸化膜成膜装
置とは若干形式の異なる縦型のシリコン酸化膜成膜装置
の模式的な断面図を図37に示す。この縦型のシリコン
酸化膜成膜装置の処理室10は、上方領域10Aと下方
領域10Bから構成され、下方領域10Bの雰囲気温度
はヒータ14によって制御される。一方、上方領域10
Aの外側には、赤外線若しくは可視光を発する複数のラ
ンプ14Aが配設されている。そして、例えば、実施例
1の[工程−130]と同様の工程において、シリコン
層の表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を
保持した状態で塩化水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸
化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成
するが、このシリコン酸化膜の形成は処理室10の下方
領域10Bにて行う。このとき、処理室10の上方領域
10Aの雰囲気温度は、ランプ14Aによって400゜
Cに保持する。その後、実施例1の[工程−140]と
同様の工程において、処理室10内への塩化水素を含む
乾燥酸素ガスの供給を中止し、不活性ガス(例えば窒素
ガス)をガス導入部12から処理室10内に供給しなが
ら、シリコン酸化膜成膜装置の処理室10の上方領域1
0Aの雰囲気温度をランプ14Aによって所望の温度ま
で昇温させ、次いで、エレベータ機構23を作動させて
石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板40を
処理室10の上方領域10Aに移す。そして、実施例1
の[工程−150]と同様の工程において、パイロジェ
ニック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に
シリコン酸化膜42を形成する。次いで、実施例1の
[工程−160]と同様の工程において、湿式ガスの供
給を中止し、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入
部12から処理室10内に導入しつつ、処理室10の上
方領域10Aの雰囲気温度をランプ14Aによって85
0゜Cまで昇温する。その後、塩化水素を0.1容量%
含有する不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部1
2から処理室10内に導入し、処理室10の上方領域1
0Aにおいて、30分間、熱処理を行う。
【0118】あるいは又、図11に示したシリコン酸化
膜成膜装置とは若干形式の異なるシリコン酸化膜成膜装
置の模式的な断面図を図38に示す。このシリコン酸化
膜成膜装置の処理室50は、第1の領域50Aと第2の
領域50Bから構成され、第1の領域50A及び第2の
領域50Bのそれぞれの雰囲気温度はランプ151A及
びランプ151Bによって制御される。そして、例え
ば、実施例4の[工程−420]と同様の工程におい
て、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない温
度に雰囲気を保持した状態で、塩化水素を含む乾燥酸素
ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコ
ン酸化膜を形成するが、このシリコン酸化膜の形成は処
理室50の第1の領域50Aにて行う。尚、第1の領域
50Aにおける雰囲気温度の制御はランプ151Aによ
って行われる。このとき、処理室50の第2の領域50
Bの雰囲気温度は、ランプ151Bによって400゜C
に保持する。その後、実施例4の[工程−430]と同
様の工程において、処理室50内への塩化水素を含む乾
燥酸素ガスを中止し、不活性ガスを処理室50内に供給
しながら、処理室50の第2の領域50Bの雰囲気温度
を、ランプ151Bによって所望の温度まで昇温し、被
処理材を第2の領域50Bに移す。その後、[工程−4
40]と同様の工程において、所望の温度に処理室50
の第2の領域50Bの雰囲気温度をランプ151Bによ
って保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法にて、
更にシリコン酸化膜を形成する。その後、[工程−45
0]と同様の工程において、湿式ガスの供給を中止し、
不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部54から処
理室50内に導入しつつ、処理室50の第2の領域50
Bの雰囲気温度をランプ151Bによって850゜Cま
で昇温する。その後、塩化水素を0.1容量%含有する
不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部54から処
理室50内に導入し、5分間、熱処理を行う。尚、図3
8のシリコン酸化膜成膜装置におけるランプの代わり
に、図10に示したと同様に抵抗加熱ヒータを用いるこ
ともできる。
【0119】表4に、シリコン層の表面からシリコン原
子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態にて、塩化
水素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によってシリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜を形成する工程(表4では
第1の酸化工程と表示した)における雰囲気、雰囲気温
度を所望の温度まで昇温する工程(表4では第1の昇温
工程と表記した)における雰囲気、所望の温度に雰囲気
を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によっ
て、更にシリコン酸化膜を形成する工程(表4では第2
の酸化工程と表記した)における雰囲気、並びに、形成
されたシリコン酸化膜に熱処理を施すために雰囲気を昇
温する工程(表4では第2の昇温工程と表記した)にお
ける雰囲気の組み合わせを示す。尚、表4中、塩化水素
を含む乾燥酸素ガス雰囲気を「*酸素ガス」と表記し、
湿式ガス雰囲気を「湿式ガス」と表記し、ハロゲン元素
を含有する湿式ガス雰囲気を「*湿式ガス」と表記し、
不活性ガス雰囲気を「不活性ガス」と表記し、ハロゲン
元素を含有する不活性ガス雰囲気を「*不活性ガス」と
表記した。ここで、表4に示した各種の雰囲気の組み合
わせは、図2、図12、図24や図37に示したシリコ
ン酸化膜成膜装置、図10、図11や図38に示したシ
リコン酸化膜成膜装置、あるいは又、これらの組み合わ
せ、更には、図35や図36に示したクラスターツール
装置にて実現することができる。
【0120】
【表4】 第1の酸化工程 第1の昇温工程 第2の酸化工程 第2の昇温工程 *酸素ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス 湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス 湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス 湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス 湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス *湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス *湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス *酸素ガス *湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス *酸素ガス *湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス
【0121】
【発明の効果】本発明のシリコン酸化膜の形成方法にお
いては、先ず、シリコン層の表面からシリコン原子が脱
離しない温度に雰囲気を保持してシリコン酸化膜を形成
するので、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じるこ
とを防止し得る。それ故、チャネル移動度の低下を防止
でき、MOS型トランジスタ素子の駆動電流の劣化が生
じ難く、また、フラッシュメモリ等でデータリテンショ
ン特性の劣化を引き起こすストレスリーク現象の発生を
抑制することができる。しかも、第2段階のシリコン酸
化膜の形成を湿式酸化法にて行うため、優れた特性を有
するシリコン酸化膜を形成することができる。更には、
シリコン層の表面に既に保護膜としても機能するシリコ
ン酸化膜が形成された状態で、雰囲気温度を所望の温度
に昇温した後、更に、湿式ガスを用いた酸化法によって
更にシリコン酸化膜を形成するので、昇温工程において
シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることがない
し、優れた特性を有するシリコン酸化膜を形成すること
ができる。以上の結果として、長期信頼性に優れた極薄
の例えばゲート酸化膜の形成が可能となる。また、シリ
コン酸化膜の形成後、熱処理を施すことによって、一層
優れた特性を有するシリコン酸化膜を得ることができ
る。
【0122】また、本発明の第2の態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法によれば、第1の処理室及び第2の処
理室の雰囲気温度を所定の一定温度に保持すればよく、
各処理室内の温度制御を一層正確に行うことができるば
かりか、処理室内の温度安定性に優れる。従って、シリ
コン酸化膜の膜厚制御性に優れる。しかも、シリコン酸
化膜の形成時のスループットの低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図であ
る。
【図2】本発明のシリコン酸化膜の形成方法の実施に適
した縦型のシリコン酸化膜成膜装置の模式的な断面図で
ある。
【図3】実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法を
説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式的な断
面図である。
【図4】図3に引き続き、実施例1におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の模式的な断面図である。
【図5】図4に引き続き、実施例1におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の模式的な断面図である。
【図6】図5に引き続き、実施例1におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の模式的な断面図である。
【図7】実施例3におけるシリコン酸化膜の形成方法を
説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式的な断
面図である。
【図8】図7に引き続き、実施例3におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の模式的な断面図である。
【図9】図8に引き続き、実施例3におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の模式的な断面図である。
【図10】本発明のシリコン酸化膜の形成方法の実施に
適したシリコン酸化膜成膜装置の模式的な断面図であ
る。
【図11】図10とは若干構造が異なる、本発明のシリ
コン酸化膜の形成方法の実施に適したシリコン酸化膜成
膜装置の模式的な断面図である。
【図12】実施例5の実施に適した縦型方式シリコン酸
化膜成膜装置の概念図である。
【図13】図12に示した縦型方式シリコン酸化膜成膜
装置の第1の処理室を含む部分の模式的な断面図であ
る。
【図14】図12に示した縦型方式シリコン酸化膜成膜
装置の第2の処理室を含む部分の模式的な断面図であ
る。
【図15】実施例5におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式的な
断面図である。
【図16】図15に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図17】図16に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図18】図17に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図19】図18に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図20】図19に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図21】図20に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図22】図21に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図23】図22に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図24】実施例6の実施に適した縦型方式シリコン酸
化膜成膜装置の概念図である。
【図25】実施例6におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式的な
断面図である。
【図26】図25に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図27】図26に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図28】図27に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図29】図28に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図30】図29に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図31】図30に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図32】図31に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図33】図32に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図34】図33に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成
膜装置等の模式的な断面図である。
【図35】実施例7の実施に適したシリコン酸化膜成膜
装置の概念図である。
【図36】クラスターツール装置の模式図である。
【図37】図2に示した縦型のシリコン酸化膜成膜装置
とは若干形式の異なる縦型のシリコン酸化膜成膜装置の
模式的な断面図である。
【図38】図11に示したシリコン酸化膜成膜装置とは
若干形式の異なるシリコン酸化膜成膜装置の模式的な断
面図である。
【図39】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式的な断面図であ
る。
【図40】図39に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の
模式的な断面図である。
【図41】図40に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の
模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,110,210・・・処理室、11,111,2
11・・・ガス流路、12,112,222・・・ガス
導入部、13,113,213・・・ガス排気部、1
4,114,214・・・ヒータ、15,115,21
5・・・シャッター、16,116,216・・・均熱
管、20・・・基板搬入出部、120,120A,12
0B,301・・・搬送路、21,121・・・ガス導
入部、22,122・・・ガス排気部、23,123・
・・エレベータ機構、24,124・・・石英ボート、
30,130・・・燃焼室、31,131・・・配管、
40・・・シリコン半導体基板、41・・・素子分離領
域、42・・・シリコン酸化膜、50・・・処理室、5
1・・・抵抗加熱ヒータ、51A,151A,151B
・・・ランプ、52・・・ウエハ台、53・・・ゲート
バルブ、54・・・ガス導入部、55・・・ガス排気
部、300・・・ローダー・アンローダー、302,3
03・・・処理装置、304・・・炉アニール装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 豊隆 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 鈴木 篤 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)シリコン層の表面からシリコン原子
    が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態にて、塩化水
    素を含む乾燥酸素ガスを用いた酸化法によって該シリコ
    ン層の表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、 (ロ)雰囲気温度を所望の温度まで昇温する工程と、 (ハ)該所望の温度に雰囲気を保持した状態にて、湿式
    ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形
    成する工程、から成ることを特徴とするシリコン酸化膜
    の形成方法。
  2. 【請求項2】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない温度は、シリコン層表面を終端している原子とシ
    リコン原子との結合が切断されない温度であることを特
    徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない温度は、Si−H結合が切断されない温度若しく
    はSi−F結合が切断されない温度であることを特徴と
    する請求項2に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】工程(ハ)における湿式ガスを用いた酸化
    法は、パイロジェニック酸化法、純水の加熱により発生
    した水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不活性
    ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生した
    水蒸気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  5. 【請求項5】工程(ハ)における湿式ガスにはハロゲン
    元素が含有されていることを特徴とする請求項4に記載
    のシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】ハロゲン元素は塩素であることを特徴とす
    る請求項5に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  7. 【請求項7】塩素は塩化水素の形態であり、湿式ガス中
    に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容量%
    であることを特徴とする請求項6に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  8. 【請求項8】工程(ロ)における雰囲気は、不活性ガス
    雰囲気又は湿式ガスを含む酸化雰囲気であることを特徴
    とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  9. 【請求項9】工程(ロ)における不活性ガス雰囲気、又
    は、工程(ロ)における雰囲気中の湿式ガスにはハロゲ
    ン元素が含有されていることを特徴とする請求項8に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  10. 【請求項10】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項9に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  11. 【請求項11】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中又は湿式ガス中に含有される塩化水素の濃度は0.
    02乃至10容量%であることを特徴とする請求項10
    に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  12. 【請求項12】工程(ハ)の後、形成されたシリコン酸
    化膜に熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の
    シリコン酸化膜の形成方法。
  13. 【請求項13】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1
    2に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  14. 【請求項14】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項13に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  15. 【請求項15】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項14に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  16. 【請求項16】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項12に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  17. 【請求項17】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項16に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  18. 【請求項18】熱処理の雰囲気は、窒素系ガス雰囲気で
    あることを特徴とする請求項12に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  19. 【請求項19】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、工程(ハ)においてシリコン酸化
    膜を形成する際の雰囲気温度よりも高いことを特徴とす
    る請求項12に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  20. 【請求項20】工程(ハ)におけるシリコン酸化膜の形
    成完了後、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス
    雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度
    まで昇温することを特徴とする請求項19に記載のシリ
    コン酸化膜の形成方法。
  21. 【請求項21】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項20に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  22. 【請求項22】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項21に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  23. 【請求項23】シリコン層は、基板上に形成されたエピ
    タキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項
    1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  24. 【請求項24】工程(イ)において、シリコン酸化膜を
    形成する前の、シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない温度に保持された雰囲気を、不活性ガス雰囲気
    又は真空雰囲気とすることを特徴とする請求項1に記載
    のシリコン酸化膜の形成方法。
  25. 【請求項25】工程(イ)の前に、シリコン層表面を洗
    浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン層を大気に曝
    すことなく、工程(イ)を実行することを特徴とする請
    求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  26. 【請求項26】(A)シリコン層を有する被処理材の該
    シリコン層にシリコン酸化膜を形成するための第1の処
    理室と、 (B)シリコン酸化膜を形成するための第2の処理室
    と、 (C)第1の処理室と第2の処理室とを結ぶ搬送路、を
    備えたシリコン酸化膜成膜装置を用いたシリコン酸化膜
    の形成方法であって、 (イ)被処理材を第1の処理室に搬入し、シリコン層の
    表面からシリコン原子が脱離しない温度に第1の処理室
    内の雰囲気を保持した状態にて、塩化水素を含む乾燥酸
    素ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の表面にシ
    リコン酸化膜を形成する工程と、 (ロ)被処理材を、第1の処理室から搬送路を介して第
    2の処理室に搬入する工程と、 (ハ)第2の処理室にて、湿式ガスを用いた酸化法によ
    って、更にシリコン酸化膜を形成する工程、から成るこ
    とを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  27. 【請求項27】シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない温度は、シリコン層表面を終端している原子と
    シリコン原子との結合が切断されない温度であることを
    特徴とする請求項26に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  28. 【請求項28】シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない温度は、Si−H結合が切断されない温度若し
    くはSi−F結合が切断されない温度であることを特徴
    とする請求項27に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  29. 【請求項29】前記工程(ロ)において、被処理材を、
    第1の処理室から大気に曝すことなく搬送路を介して第
    2の処理室に搬入することを特徴とする請求項26に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  30. 【請求項30】前記工程(ロ)において、被処理材を第
    1の処理室から搬送路を介して第2の処理室に搬入する
    際の搬送路内の温度を、シリコン層にシリコン酸化膜を
    形成するときの第1の処理室内の雰囲気温度と略等しく
    することを特徴とする請求項29に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  31. 【請求項31】工程(ハ)における湿式ガスを用いた酸
    化法は、パイロジェニック酸化法、純水の加熱により発
    生した水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不活
    性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生し
    た水蒸気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法で
    あることを特徴とする請求項26に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  32. 【請求項32】工程(ハ)における湿式ガスにはハロゲ
    ン元素が含有されていることを特徴とする請求項31に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  33. 【請求項33】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項32に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  34. 【請求項34】塩素は塩化水素の形態であり、湿式ガス
    中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容量
    %であることを特徴とする請求項33に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  35. 【請求項35】工程(ハ)の後、形成されたシリコン酸
    化膜に熱処理を施すことを特徴とする請求項26に記載
    のシリコン酸化膜の形成方法。
  36. 【請求項36】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項3
    5に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  37. 【請求項37】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項36に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  38. 【請求項38】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項37に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  39. 【請求項39】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項35に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  40. 【請求項40】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項39に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  41. 【請求項41】熱処理の雰囲気は、窒素系ガス雰囲気で
    あることを特徴とする請求項35に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  42. 【請求項42】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、工程(ハ)においてシリコン酸化
    膜を形成する際の雰囲気温度よりも高いことを特徴とす
    る請求項35に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  43. 【請求項43】第2の処理室において、工程(ハ)にお
    けるシリコン酸化膜の形成完了後、雰囲気をハロゲン元
    素を含有する不活性ガス雰囲気に切り替えた後、熱処理
    を施すための雰囲気温度まで昇温することを特徴とする
    請求項42に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  44. 【請求項44】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項43に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  45. 【請求項45】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項44に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  46. 【請求項46】被処理材は、表面にエピタキシャルシリ
    コン層が形成された基板であることを特徴とする請求項
    26に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  47. 【請求項47】工程(イ)において、シリコン酸化膜を
    形成する前の、シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない温度に保持された第1の処理室内の雰囲気を、
    不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気とすることを特徴とす
    る請求項26に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  48. 【請求項48】第1の処理室において、複数の被処理材
    に対してバッチ式にてシリコン層にシリコン酸化膜を形
    成することを特徴とする請求項26に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  49. 【請求項49】第1の処理室において、1枚の被処理材
    に対して枚葉式にてシリコン層にシリコン酸化膜を形成
    することを特徴とする請求項26に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  50. 【請求項50】第2の処理室において、複数の被処理材
    に対してバッチ式にてシリコン酸化膜を形成することを
    特徴とする請求項26に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  51. 【請求項51】第2の処理室において、1枚の被処理材
    に対して枚葉式にてシリコン酸化膜を形成することを特
    徴とする請求項26に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  52. 【請求項52】第1の処理室に連通する搬送路の部分と
    第2の処理室に連通する搬送路の部分との間に、シャッ
    ターが配設されていることを特徴とする請求項26に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  53. 【請求項53】工程(イ)の前に、シリコン層表面を洗
    浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン層を大気に曝
    すことなく、工程(イ)を実行することを特徴とする請
    求項26に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2006025164A1 (ja) * 2004-08-31 2008-05-08 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法

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